JP3492090B2 - 液相エピタキシャル成長装置 - Google Patents
液相エピタキシャル成長装置Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液相エピタキシャ
ル成長装置に関する。より詳しくは、鉛直方向に装着し
た状態の半導体基板に結晶成長を行う基板縦置き型液相
エピタキシャル成長装置に関する。
ル成長装置に関する。より詳しくは、鉛直方向に装着し
た状態の半導体基板に結晶成長を行う基板縦置き型液相
エピタキシャル成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の基板縦置き型液相エピタ
キシャル装置としては図8(a)に示すようなものがあ
る。この液相エピタキシャル成長装置は、融液溜108
を有する上部部材106と、この上部部材106の底面
と平行にその下方に設けられた底板101と、上部部材
106と底板101との間で摺動するように配置された
スライドボート102を備えている。上部部材106の
底部には融液溜108から融液Mを流出させるための鉛
直方向の貫通穴109が形成されている。スライドボー
ト102は直方体状のものであり、上方へ開いた断面矩
形の凹部(成長室)103を有している。この成長室1
03内には、3本の棒部材111(図8(c)参照)と、
これらの棒部材111の端部を支持する略円板状の支持
部材110,112とが設けられている。棒部材111
には、半導体基板30と背面板104とを重ねて挿入す
るための図示しない溝が一定間隔で刻まれている。一方
の支持部材112の中心軸112cは、成長室103の
側壁に形成された受け穴114に回転自在に支持されて
いる。他方の支持部材110の中心軸110cは、上記
受け穴114と対向する位置に形成された水平方向の貫
通穴113に嵌入され、スライドボート102の外部か
ら貫通穴113に挿入された操作棒105と一体に連結
されている。
キシャル装置としては図8(a)に示すようなものがあ
る。この液相エピタキシャル成長装置は、融液溜108
を有する上部部材106と、この上部部材106の底面
と平行にその下方に設けられた底板101と、上部部材
106と底板101との間で摺動するように配置された
スライドボート102を備えている。上部部材106の
底部には融液溜108から融液Mを流出させるための鉛
直方向の貫通穴109が形成されている。スライドボー
ト102は直方体状のものであり、上方へ開いた断面矩
形の凹部(成長室)103を有している。この成長室1
03内には、3本の棒部材111(図8(c)参照)と、
これらの棒部材111の端部を支持する略円板状の支持
部材110,112とが設けられている。棒部材111
には、半導体基板30と背面板104とを重ねて挿入す
るための図示しない溝が一定間隔で刻まれている。一方
の支持部材112の中心軸112cは、成長室103の
側壁に形成された受け穴114に回転自在に支持されて
いる。他方の支持部材110の中心軸110cは、上記
受け穴114と対向する位置に形成された水平方向の貫
通穴113に嵌入され、スライドボート102の外部か
ら貫通穴113に挿入された操作棒105と一体に連結
されている。
【0003】例えばガリウムヒ素(GaAs)基板30に
エピタキシャル層としてGaAsを結晶成長をさせる場
合、まず図8(c)に示すように、GaAs基板30の裏面
をそれぞれ円形の背面板104に密着させ、GaAs基板
30と背面板104との周縁部を3本の棒部材111の
各溝に挿入する。これにより、GaAs基板30を成長室
103内に縦に保持する。なお、棒部材111の左端の
溝には背面板104と同一形状の仕切板104Aを設け
る。
エピタキシャル層としてGaAsを結晶成長をさせる場
合、まず図8(c)に示すように、GaAs基板30の裏面
をそれぞれ円形の背面板104に密着させ、GaAs基板
30と背面板104との周縁部を3本の棒部材111の
各溝に挿入する。これにより、GaAs基板30を成長室
103内に縦に保持する。なお、棒部材111の左端の
溝には背面板104と同一形状の仕切板104Aを設け
る。
【0004】次に、図8(a)に示すように上部部材10
6の貫通穴109がスライドボート102の上面で塞が
れた配置で、Ga,GaAs多結晶、Si等のドーパント等
の原料を融液溜108に入れる。そして、図示しない電
気炉内の炉芯管(石英管)中でこの系をH2雰囲気に保
ち、一定温度(900〜1000℃)まで昇温する。こ
れにより、原料を溶融して融液Mとする。
6の貫通穴109がスライドボート102の上面で塞が
れた配置で、Ga,GaAs多結晶、Si等のドーパント等
の原料を融液溜108に入れる。そして、図示しない電
気炉内の炉芯管(石英管)中でこの系をH2雰囲気に保
ち、一定温度(900〜1000℃)まで昇温する。こ
れにより、原料を溶融して融液Mとする。
【0005】次に、操作棒105によってスライドボー
ト102を上部部材106、底板101に対して図にお
いて左向き(矢印Xで示す)に摺動させて、図8(b)の
位置で融液溜108内の融液Mを貫通穴109を通して
成長室103内へ落下させ、成長室103を融液Mで満
たす。この後、操作棒105を軸周りに回転させて支持
部材110,112、棒部材111、背面板104およ
びGaAs基板30を一体に回転させながら、徐々に降温
してGaAs基板30の表面にGaAs結晶をエピタキシャ
ル成長させる。
ト102を上部部材106、底板101に対して図にお
いて左向き(矢印Xで示す)に摺動させて、図8(b)の
位置で融液溜108内の融液Mを貫通穴109を通して
成長室103内へ落下させ、成長室103を融液Mで満
たす。この後、操作棒105を軸周りに回転させて支持
部材110,112、棒部材111、背面板104およ
びGaAs基板30を一体に回転させながら、徐々に降温
してGaAs基板30の表面にGaAs結晶をエピタキシャ
ル成長させる。
【0006】なお、支持部材110,112、3本の棒
部材111、背面板104およびGaAs基板30を回転
させる理由は、融液Mを撹拌し、特に融液M中のGaよ
りも軽いGaAs,Siなどを均一に分散させるためであ
る。
部材111、背面板104およびGaAs基板30を回転
させる理由は、融液Mを撹拌し、特に融液M中のGaよ
りも軽いGaAs,Siなどを均一に分散させるためであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方式で結晶成長を行った場合、図7に示すように、半導
体基板30の表面のうち棒部材111の溝に挿入された
部分32には結晶が成長せず、その周囲の領域33では
結晶成長が不十分となる。この理由は、溝に挿入された
部分32には融液Mが接触しないからであり、また、そ
の周囲の領域33では、棒部材111の存在によって融
液Mの接触量が少なくなって、成長に寄与する元素の取
り込み量が減少するからである。
方式で結晶成長を行った場合、図7に示すように、半導
体基板30の表面のうち棒部材111の溝に挿入された
部分32には結晶が成長せず、その周囲の領域33では
結晶成長が不十分となる。この理由は、溝に挿入された
部分32には融液Mが接触しないからであり、また、そ
の周囲の領域33では、棒部材111の存在によって融
液Mの接触量が少なくなって、成長に寄与する元素の取
り込み量が減少するからである。
【0008】結晶成長によって得られたエピタキシャル
ウエハ(簡単のため、基板と同じ符号30で表す。)の
うちこのような箇所32,33に発光ダイオード等の素
子を作り込んでも正常な発光特性を示さない。また、ウ
エハ30の周縁部にこのような厚みの薄い箇所32,3
3があると、素子製造プロセスにおけるウエハ割れの原
因になり、生産効率が落ちる。このため、通常は結晶成
長後に整形加工が行われ、ウエハ30から厚みの薄い箇
所32,33が削除されている。
ウエハ(簡単のため、基板と同じ符号30で表す。)の
うちこのような箇所32,33に発光ダイオード等の素
子を作り込んでも正常な発光特性を示さない。また、ウ
エハ30の周縁部にこのような厚みの薄い箇所32,3
3があると、素子製造プロセスにおけるウエハ割れの原
因になり、生産効率が落ちる。このため、通常は結晶成
長後に整形加工が行われ、ウエハ30から厚みの薄い箇
所32,33が削除されている。
【0009】例えば直径が51.5mmφ、オリエンテ
ーション・フラットの長さが16.0mmの基板30に
上述の方式で結晶成長を行った後、自動化ラインに適合
するように、得られたウエハ30をひと回り小さい相似
な形状(図7中に破線31で示す)に整形した場合、整
形後のウエハの面積は元の基板面積の約80%にまで減
少する。これは、結晶成長時に半導体基板30が背面板
104から脱落するのを防止するために、半導体基板3
0が棒部材111で覆われる部分32の幅(特に径方向
の幅)を狭くすることができないからである。このよう
に、上述の方式では、投入した基板の面積に対して、整
形後に得られるウエハの面積の比(収率)が少ないとい
う問題がある。
ーション・フラットの長さが16.0mmの基板30に
上述の方式で結晶成長を行った後、自動化ラインに適合
するように、得られたウエハ30をひと回り小さい相似
な形状(図7中に破線31で示す)に整形した場合、整
形後のウエハの面積は元の基板面積の約80%にまで減
少する。これは、結晶成長時に半導体基板30が背面板
104から脱落するのを防止するために、半導体基板3
0が棒部材111で覆われる部分32の幅(特に径方向
の幅)を狭くすることができないからである。このよう
に、上述の方式では、投入した基板の面積に対して、整
形後に得られるウエハの面積の比(収率)が少ないとい
う問題がある。
【0010】そこで、この発明の目的は、半導体基板の
表面のうち部材で覆われる部分の幅を狭くでき、したが
ってウエハ整形段階での収率を高めることができる液相
エピタキシャル成長装置を提供することにある。
表面のうち部材で覆われる部分の幅を狭くでき、したが
ってウエハ整形段階での収率を高めることができる液相
エピタキシャル成長装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の液相エピタキシャル成長装置は、まず、
結晶原料の融液を貯留する融液溜が形成された上部部材
と、成長室を有するスライドボートとを相対的に水平方
向に摺動可能に配置し、上記成長室内に、半導体基板の
裏面と密接してこの裏面における結晶成長を防止する背
面板を鉛直方向に設け、結晶成長開始時に上記上部部材
とスライドボートとを水平方向に相対的にスライドさせ
て、上記融液溜の底部に設けた開口と上記成長室の融液
導入口とを連通させて上記融液を成長室内に導入して、
上記半導体基板の表面に結晶をエピタキシャル成長させ
る液相エピタキシャル成長装置において、上記成長室の
底に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周縁部を重ね
て挿入し得る基板保持溝が形成されて、上記背面板の周
縁部とともに上記半導体基板のうちの1箇所が上記基板
保持溝に埋まる一方、上記半導体基板のうち上記基板保
持溝に埋まる箇所以外の表面部分が上記成長室内に露出
するようになっていることを特徴とする。
め、この発明の液相エピタキシャル成長装置は、まず、
結晶原料の融液を貯留する融液溜が形成された上部部材
と、成長室を有するスライドボートとを相対的に水平方
向に摺動可能に配置し、上記成長室内に、半導体基板の
裏面と密接してこの裏面における結晶成長を防止する背
面板を鉛直方向に設け、結晶成長開始時に上記上部部材
とスライドボートとを水平方向に相対的にスライドさせ
て、上記融液溜の底部に設けた開口と上記成長室の融液
導入口とを連通させて上記融液を成長室内に導入して、
上記半導体基板の表面に結晶をエピタキシャル成長させ
る液相エピタキシャル成長装置において、上記成長室の
底に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周縁部を重ね
て挿入し得る基板保持溝が形成されて、上記背面板の周
縁部とともに上記半導体基板のうちの1箇所が上記基板
保持溝に埋まる一方、上記半導体基板のうち上記基板保
持溝に埋まる箇所以外の表面部分が上記成長室内に露出
するようになっていることを特徴とする。
【0012】この発明の液相エピタキシャル成長装置で
は、結晶成長開始前に、成長室の底に形成された基板保
持溝に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周縁部を重
ねて挿入する。このとき、上記背面板の周縁部とともに
上記半導体基板のうちの1箇所が上記基板保持溝に埋ま
る。これにより、上記半導体基板の上記箇所が上記背面
板と基板保持溝の前端とによって挟持されて、上記半導
体基板が成長室内に縦に保持される。結晶成長開始時に
は、上記上部部材とスライドボートとを水平方向に相対
的にスライドさせて、上記融液溜の底部に設けた開口と
上記成長室の融液導入口とを連通させて上記融液を成長
室内に導入する。上記成長室内に満たされた融液の圧力
によって、上記半導体基板は上記背面板に押し付けら
れ、安定して保持される。上記半導体基板のうち上記基
板保持溝に埋まる箇所以外の表面部分は上記成長室内に
露出しているので、そこに結晶成長がなされる。
は、結晶成長開始前に、成長室の底に形成された基板保
持溝に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周縁部を重
ねて挿入する。このとき、上記背面板の周縁部とともに
上記半導体基板のうちの1箇所が上記基板保持溝に埋ま
る。これにより、上記半導体基板の上記箇所が上記背面
板と基板保持溝の前端とによって挟持されて、上記半導
体基板が成長室内に縦に保持される。結晶成長開始時に
は、上記上部部材とスライドボートとを水平方向に相対
的にスライドさせて、上記融液溜の底部に設けた開口と
上記成長室の融液導入口とを連通させて上記融液を成長
室内に導入する。上記成長室内に満たされた融液の圧力
によって、上記半導体基板は上記背面板に押し付けら
れ、安定して保持される。上記半導体基板のうち上記基
板保持溝に埋まる箇所以外の表面部分は上記成長室内に
露出しているので、そこに結晶成長がなされる。
【0013】このように、この液相エピタキシャル成長
装置では、結晶成長時に、上記成長室内に満たされた融
液の圧力によって上記半導体基板が背面板に押し付けら
れて安定して保持されるので、上記半導体基板が背面板
から脱落するおそれは無く、上記半導体基板を上記基板
保持溝で保持する意味は薄れる。つまり、結晶成長時に
上記半導体基板が背面板から脱落するおそれは無く、上
記半導体基板を上記基板保持溝で保持する必要があるの
は、上記成長室内に融液を満たすまでの間に限られる。
したがって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋
まる箇所の鉛直方向の幅を比較的狭く設定できる。その
ようにした場合、半導体基板の表面のうち結晶が成長せ
ず又は結晶成長が不完全な領域の幅が狭くなる。この結
果、ウエハ整形段階での収率が高められる。
装置では、結晶成長時に、上記成長室内に満たされた融
液の圧力によって上記半導体基板が背面板に押し付けら
れて安定して保持されるので、上記半導体基板が背面板
から脱落するおそれは無く、上記半導体基板を上記基板
保持溝で保持する意味は薄れる。つまり、結晶成長時に
上記半導体基板が背面板から脱落するおそれは無く、上
記半導体基板を上記基板保持溝で保持する必要があるの
は、上記成長室内に融液を満たすまでの間に限られる。
したがって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋
まる箇所の鉛直方向の幅を比較的狭く設定できる。その
ようにした場合、半導体基板の表面のうち結晶が成長せ
ず又は結晶成長が不完全な領域の幅が狭くなる。この結
果、ウエハ整形段階での収率が高められる。
【0014】さらに、この液相エピタキシャル成長装置
では、上記基板保持溝は上記成長室の底に設けた平坦部
に形成され、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋
まる箇所は、この半導体基板のオリエンテーションフラ
ットに沿った直線状の縁部であることを特徴とする。
では、上記基板保持溝は上記成長室の底に設けた平坦部
に形成され、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋
まる箇所は、この半導体基板のオリエンテーションフラ
ットに沿った直線状の縁部であることを特徴とする。
【0015】この液相エピタキシャル成長装置では、結
晶成長開始前に、成長室の底の平坦部に形成された基板
保持溝に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周縁部を
重ねて挿入する。このとき、上記半導体基板のうち上記
基板保持溝に埋まる箇所は、この半導体基板のオリエン
テーションフラットに沿った直線状の縁部であるから、
上記平坦部の面と上記オリエンテーションフラットを平
行に設定することによって、上記半導体基板のうち上記
基板保持溝に埋まる箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設
定できる。そのようにした場合、半導体基板の表面のう
ち結晶が成長せず又は結晶成長が不完全な領域の幅がさ
らに狭くなり、この結果、ウエハ整形段階での収率がさ
らに高められる。
晶成長開始前に、成長室の底の平坦部に形成された基板
保持溝に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周縁部を
重ねて挿入する。このとき、上記半導体基板のうち上記
基板保持溝に埋まる箇所は、この半導体基板のオリエン
テーションフラットに沿った直線状の縁部であるから、
上記平坦部の面と上記オリエンテーションフラットを平
行に設定することによって、上記半導体基板のうち上記
基板保持溝に埋まる箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設
定できる。そのようにした場合、半導体基板の表面のう
ち結晶が成長せず又は結晶成長が不完全な領域の幅がさ
らに狭くなり、この結果、ウエハ整形段階での収率がさ
らに高められる。
【0016】一実施形態の液相エピタキシャル成長装置
は、結晶原料の融液を貯留する融液溜が形成された上部
部材と、成長室を有するスライドボートとを相対的に水
平方向に摺動可能に配置し、上記成長室内に、半導体基
板の裏面と密接してこの裏面における結晶成長を防止す
る背面板を鉛直方向に設け、結晶成長開始時に上記上部
部材とスライドボートとを水平方向に相対的にスライド
させて、上記融液溜の底部に設けた開口と上記成長室の
融液導入口とを連通させて上記融液を成長室内に導入し
て、上記半導体基板の表面に結晶をエピタキシャル成長
させる液相エピタキシャル成長装置において、上記スラ
イドボートは、上下に分割可能に組み合わされて上記成
長室を形成する2つの部分を備え、上記成長室は、底に
平坦部を有し、スライド方向に延びる略円筒状に形成さ
れ、上記成長室の上記平坦部に、上記スライド方向に対
して垂直な方向に延び、上記背面板の周縁部と半導体基
板の周縁部が重ねて挿入される基板保持溝が形成され、
上記成長室の円弧状に湾曲した内壁に、上記平坦部の基
板保持溝に連なり、一定の深さで周方向に延びる周溝が
形成されて、上記背面板の周縁部は上記基板保持溝と周
溝とによって環状に保持され、かつ上記半導体基板のう
ちオリエンテーションフラットに沿った縁部が上記基板
保持溝に埋まる一方、上記半導体基板のうち上記オリエ
ンテーションフラットに沿った縁部以外の表面部分が上
記成長室内に露出するようになっていることを特徴とす
る。
は、結晶原料の融液を貯留する融液溜が形成された上部
部材と、成長室を有するスライドボートとを相対的に水
平方向に摺動可能に配置し、上記成長室内に、半導体基
板の裏面と密接してこの裏面における結晶成長を防止す
る背面板を鉛直方向に設け、結晶成長開始時に上記上部
部材とスライドボートとを水平方向に相対的にスライド
させて、上記融液溜の底部に設けた開口と上記成長室の
融液導入口とを連通させて上記融液を成長室内に導入し
て、上記半導体基板の表面に結晶をエピタキシャル成長
させる液相エピタキシャル成長装置において、上記スラ
イドボートは、上下に分割可能に組み合わされて上記成
長室を形成する2つの部分を備え、上記成長室は、底に
平坦部を有し、スライド方向に延びる略円筒状に形成さ
れ、上記成長室の上記平坦部に、上記スライド方向に対
して垂直な方向に延び、上記背面板の周縁部と半導体基
板の周縁部が重ねて挿入される基板保持溝が形成され、
上記成長室の円弧状に湾曲した内壁に、上記平坦部の基
板保持溝に連なり、一定の深さで周方向に延びる周溝が
形成されて、上記背面板の周縁部は上記基板保持溝と周
溝とによって環状に保持され、かつ上記半導体基板のう
ちオリエンテーションフラットに沿った縁部が上記基板
保持溝に埋まる一方、上記半導体基板のうち上記オリエ
ンテーションフラットに沿った縁部以外の表面部分が上
記成長室内に露出するようになっていることを特徴とす
る。
【0017】この一実施形態の液相エピタキシャル成長
装置では、結晶成長開始前に、スライドボートを上下に
分割した状態で、スライドボートの下の部分に形成され
た基板保持溝に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周
縁部を重ねて挿入し、続いて、この上に、スライドボー
トの上の部分を組み合わせる。これにより、上記背面板
の周縁部は上記基板保持溝と周溝とによって環状に保持
される。また、このとき、上記半導体基板のオリエンテ
ーションフラットを下側に配置しておくことによって、
上記背面板の周縁部とともに上記半導体基板のうちオリ
エンテーションフラットに沿った直線状の縁部が上記基
板保持溝に埋まる。これにより、上記半導体基板の上記
直線状の縁部が上記背面板と基板保持溝の前端とによっ
て挟持されて、上記半導体基板が成長室内に縦に保持さ
れる。結晶成長開始時には、上記上部部材とスライドボ
ートとを水平方向に相対的にスライドさせて、上記融液
溜の底部に設けた開口と上記成長室の融液導入口とを連
通させて上記融液を成長室内に導入する。上記成長室内
に満たされた融液の圧力によって、上記半導体基板は上
記背面板に押し付けられる。このとき上記背面板の周縁
部は上記基板保持溝と周溝とによって環状に保持されて
動かないので、上記半導体基板は安定して保持される。
上記半導体基板のうち上記直線状の縁部以外の表面部分
は上記成長室内に露出しているので、そこに結晶成長が
なされる。
装置では、結晶成長開始前に、スライドボートを上下に
分割した状態で、スライドボートの下の部分に形成され
た基板保持溝に、上記背面板の周縁部と半導体基板の周
縁部を重ねて挿入し、続いて、この上に、スライドボー
トの上の部分を組み合わせる。これにより、上記背面板
の周縁部は上記基板保持溝と周溝とによって環状に保持
される。また、このとき、上記半導体基板のオリエンテ
ーションフラットを下側に配置しておくことによって、
上記背面板の周縁部とともに上記半導体基板のうちオリ
エンテーションフラットに沿った直線状の縁部が上記基
板保持溝に埋まる。これにより、上記半導体基板の上記
直線状の縁部が上記背面板と基板保持溝の前端とによっ
て挟持されて、上記半導体基板が成長室内に縦に保持さ
れる。結晶成長開始時には、上記上部部材とスライドボ
ートとを水平方向に相対的にスライドさせて、上記融液
溜の底部に設けた開口と上記成長室の融液導入口とを連
通させて上記融液を成長室内に導入する。上記成長室内
に満たされた融液の圧力によって、上記半導体基板は上
記背面板に押し付けられる。このとき上記背面板の周縁
部は上記基板保持溝と周溝とによって環状に保持されて
動かないので、上記半導体基板は安定して保持される。
上記半導体基板のうち上記直線状の縁部以外の表面部分
は上記成長室内に露出しているので、そこに結晶成長が
なされる。
【0018】このように、この液相エピタキシャル成長
装置では、結晶成長時に、上記成長室内に満たされた融
液の圧力によって上記半導体基板が背面板に押し付けら
れて安定して保持されるので、上記半導体基板が背面板
から脱落するおそれは無く、上記半導体基板を上記背面
板と基板保持溝で挟持する意味は薄れる。つまり、結晶
成長時に上記半導体基板が背面板から脱落するおそれは
無く、上記半導体基板を上記基板保持溝で挟持する必要
があるのは、上記成長室内に融液を満たすまでの間に限
られる。したがって、上記半導体基板のうち上記基板保
持溝に埋まる直線状の縁部の幅を比較的狭く設定でき
る。また、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋ま
る箇所は、この半導体基板のオリエンテーションフラッ
トに沿った直線状の縁部であるから、上記平坦部の面と
上記オリエンテーションフラットを平行に設定すること
によって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋ま
る箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設定できる。そのよ
うにした場合、半導体基板の表面のうち結晶が成長せず
又は結晶成長が不完全な領域の幅が狭くなる。この結
果、ウエハ整形段階での収率が高められる。
装置では、結晶成長時に、上記成長室内に満たされた融
液の圧力によって上記半導体基板が背面板に押し付けら
れて安定して保持されるので、上記半導体基板が背面板
から脱落するおそれは無く、上記半導体基板を上記背面
板と基板保持溝で挟持する意味は薄れる。つまり、結晶
成長時に上記半導体基板が背面板から脱落するおそれは
無く、上記半導体基板を上記基板保持溝で挟持する必要
があるのは、上記成長室内に融液を満たすまでの間に限
られる。したがって、上記半導体基板のうち上記基板保
持溝に埋まる直線状の縁部の幅を比較的狭く設定でき
る。また、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋ま
る箇所は、この半導体基板のオリエンテーションフラッ
トに沿った直線状の縁部であるから、上記平坦部の面と
上記オリエンテーションフラットを平行に設定すること
によって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋ま
る箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設定できる。そのよ
うにした場合、半導体基板の表面のうち結晶が成長せず
又は結晶成長が不完全な領域の幅が狭くなる。この結
果、ウエハ整形段階での収率が高められる。
【0019】また、上記半導体基板のうち上記直線状の
縁部以外の周縁部に沿って、上記成長室の円弧状に湾曲
した内壁が存在する。したがって、上記周縁部に沿って
融液の接触量が均等になり、結晶成長が均一化される。
縁部以外の周縁部に沿って、上記成長室の円弧状に湾曲
した内壁が存在する。したがって、上記周縁部に沿って
融液の接触量が均等になり、結晶成長が均一化される。
【0020】一実施形態の液相エピタキシャル成長装置
では、上記融液導入口はスライド方向に関して上記成長
室の端に設けられ、上記成長室の底に、上記基板保持溝
の深さよりも深く、上記基板保持溝と交差して上記スラ
イド方向に延びる融液導入溝が形成されていることを特
徴とする。
では、上記融液導入口はスライド方向に関して上記成長
室の端に設けられ、上記成長室の底に、上記基板保持溝
の深さよりも深く、上記基板保持溝と交差して上記スラ
イド方向に延びる融液導入溝が形成されていることを特
徴とする。
【0021】この一実施形態の液相エピタキシャル成長
装置では、結晶成長開始時に、上記上部部材とスライド
ボートとを水平方向に相対的にスライドさせて、上記融
液溜の底部に設けた開口と上記成長室の端に設けた融液
導入口とを連通させる。上記融液溜から上記融液導入口
を通して成長室の端に導入された融液は、上記融液導入
溝を通して、上記背面板で実質的に仕切られた各成長室
内に下方から導入される。したがって、上記各成長室内
で、融液の圧力によって上記半導体基板の各部が下方か
ら上方へ向かって順次背面板に押し付けられ、融液導入
中に半導体基板を背面板から離間させる向きに力が働く
ことがない。したがって、上記半導体基板のうち上記基
板保持溝に埋まる直線状の縁部の幅をさらに狭く設定で
きる。そのようにした場合、半導体基板の表面のうち結
晶が成長せず又は結晶成長が不完全な領域の幅がさらに
狭くなる。この結果、ウエハ整形段階での収率がさらに
高められる。
装置では、結晶成長開始時に、上記上部部材とスライド
ボートとを水平方向に相対的にスライドさせて、上記融
液溜の底部に設けた開口と上記成長室の端に設けた融液
導入口とを連通させる。上記融液溜から上記融液導入口
を通して成長室の端に導入された融液は、上記融液導入
溝を通して、上記背面板で実質的に仕切られた各成長室
内に下方から導入される。したがって、上記各成長室内
で、融液の圧力によって上記半導体基板の各部が下方か
ら上方へ向かって順次背面板に押し付けられ、融液導入
中に半導体基板を背面板から離間させる向きに力が働く
ことがない。したがって、上記半導体基板のうち上記基
板保持溝に埋まる直線状の縁部の幅をさらに狭く設定で
きる。そのようにした場合、半導体基板の表面のうち結
晶が成長せず又は結晶成長が不完全な領域の幅がさらに
狭くなる。この結果、ウエハ整形段階での収率がさらに
高められる。
【0022】一実施形態の液相エピタキシャル成長装置
は、上記背面板の特定の位置に、上記半導体基板を嵌め
込むための凹部が形成されていることを特徴とする。
は、上記背面板の特定の位置に、上記半導体基板を嵌め
込むための凹部が形成されていることを特徴とする。
【0023】この一実施形態の液相エピタキシャル成長
装置では、結晶成長開始前に、上記背面板の凹部に上記
半導体基板を嵌め込んで、成長室の底の平坦部に形成さ
れた基板保持溝に挿入する。このとき、上記凹部の位置
を上記背面板の下端から一定距離に設定しておくことに
よって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋まる
箇所の鉛直方向の幅が精度良く設定される。
装置では、結晶成長開始前に、上記背面板の凹部に上記
半導体基板を嵌め込んで、成長室の底の平坦部に形成さ
れた基板保持溝に挿入する。このとき、上記凹部の位置
を上記背面板の下端から一定距離に設定しておくことに
よって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋まる
箇所の鉛直方向の幅が精度良く設定される。
【0024】また、上記成長室内に融液を満たした状態
では上記半導体基板に浮力が働くが、上記半導体基板は
鉛直方向に関して上記凹部のエッジによって係止され
る。したがって、上記半導体基板がさらに安定して保持
される。
では上記半導体基板に浮力が働くが、上記半導体基板は
鉛直方向に関して上記凹部のエッジによって係止され
る。したがって、上記半導体基板がさらに安定して保持
される。
【0025】一実施形態の液相エピタキシャル成長装置
では、上記背面板の上記凹部のうち上記半導体基板の裏
面と接する面の表面粗さは、上記背面板のその面以外の
部分の表面粗さよりも大きく設定されていることを特徴
とする。
では、上記背面板の上記凹部のうち上記半導体基板の裏
面と接する面の表面粗さは、上記背面板のその面以外の
部分の表面粗さよりも大きく設定されていることを特徴
とする。
【0026】この一実施形態の液相エピタキシャル成長
装置では、上記背面板の上記凹部のうち上記半導体基板
の裏面と接する面(以下「接触面」という。)の表面粗
さは、上記背面板のその接触面以外の部分の表面粗さよ
りも大きく設定されているので、上記接触面の融液に対
する「ぬれ性」が悪くなる。したがって、半導体基板裏
面側への融液の回り込みが抑制され、半導体基板の裏面
における結晶成長が効果的に防止される。また、上記半
導体基板の裏面と上記接触面との摩擦力も大きくなり、
上記浮力に抗して上記半導体基板がさらに安定して保持
される。
装置では、上記背面板の上記凹部のうち上記半導体基板
の裏面と接する面(以下「接触面」という。)の表面粗
さは、上記背面板のその接触面以外の部分の表面粗さよ
りも大きく設定されているので、上記接触面の融液に対
する「ぬれ性」が悪くなる。したがって、半導体基板裏
面側への融液の回り込みが抑制され、半導体基板の裏面
における結晶成長が効果的に防止される。また、上記半
導体基板の裏面と上記接触面との摩擦力も大きくなり、
上記浮力に抗して上記半導体基板がさらに安定して保持
される。
【0027】一実施形態の液相エピタキシャル成長装置
では、上記スライドボートの外形は上記スライド方向に
延びる円筒状に形成され、上記上部部材の下方に、上記
スライドボートをその中心の周りに回転自在に支持する
下部部材が設けられ、結晶成長時に、上記スライドボー
トは、上記スライド方向に関して上記融液導入口が塞が
る位置に配置され、中心の周りに回転されるようになっ
ていることを特徴とする。
では、上記スライドボートの外形は上記スライド方向に
延びる円筒状に形成され、上記上部部材の下方に、上記
スライドボートをその中心の周りに回転自在に支持する
下部部材が設けられ、結晶成長時に、上記スライドボー
トは、上記スライド方向に関して上記融液導入口が塞が
る位置に配置され、中心の周りに回転されるようになっ
ていることを特徴とする。
【0028】この一実施形態の液相エピタキシャル成長
装置では、結晶成長時に、上記スライドボートが中心の
周りに回転されるようになっているので、融液中の他の
元素よりも軽い元素(Siなど)が均一に分散される。
装置では、結晶成長時に、上記スライドボートが中心の
周りに回転されるようになっているので、融液中の他の
元素よりも軽い元素(Siなど)が均一に分散される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0030】図1(a)は一実施形態の基板縦置き型液相
エピタキシャル成長装置90の結晶成長開始前の状態を
示し、図2は図1(a)におけるA−A線矢視断面を示し
ている。
エピタキシャル成長装置90の結晶成長開始前の状態を
示し、図2は図1(a)におけるA−A線矢視断面を示し
ている。
【0031】これらの図に示すように、この液相エピタ
キシャル成長装置90は、融液溜8を有する直方体状の
上部部材6と、この上部部材6の底面と平行にその下方
に設けられた下部部材としての底板1と、これらの上部
部材6と底板1とを一体に連結する支持部材7,7と、
上部部材6と底板1との間で水平方向(以下「スライド
方向」という。)に摺動するように配置された円筒状の
スライドボート2を備えている。これらの系は、図示し
ない電気炉の炉芯管(石英管)に収容され、温度制御さ
れるようになっている。
キシャル成長装置90は、融液溜8を有する直方体状の
上部部材6と、この上部部材6の底面と平行にその下方
に設けられた下部部材としての底板1と、これらの上部
部材6と底板1とを一体に連結する支持部材7,7と、
上部部材6と底板1との間で水平方向(以下「スライド
方向」という。)に摺動するように配置された円筒状の
スライドボート2を備えている。これらの系は、図示し
ない電気炉の炉芯管(石英管)に収容され、温度制御さ
れるようになっている。
【0032】上部部材6の融液溜8は、結晶原料の融液
Mを貯留するためのものであり、結晶原料を容易に入れ
ることができるように上方に向かって開いている。図2
によって良く分かるように、この上部部材6の底面に
は、スライドボート2の上面と摺接するように頂部10
aが円弧状に湾曲した山状の突起10が設けられてい
る。また、融液溜8から融液Mを流出させるための開口
として、融液溜8の底部からこの山状突起10を貫通し
てその頂部10aに開く鉛直方向の貫通穴9が形成され
ている。ただし、図1(a)におけるスライドボート2の
配置では、この貫通穴9はスライドボート2の上面によ
って塞がれている。
Mを貯留するためのものであり、結晶原料を容易に入れ
ることができるように上方に向かって開いている。図2
によって良く分かるように、この上部部材6の底面に
は、スライドボート2の上面と摺接するように頂部10
aが円弧状に湾曲した山状の突起10が設けられてい
る。また、融液溜8から融液Mを流出させるための開口
として、融液溜8の底部からこの山状突起10を貫通し
てその頂部10aに開く鉛直方向の貫通穴9が形成され
ている。ただし、図1(a)におけるスライドボート2の
配置では、この貫通穴9はスライドボート2の上面によ
って塞がれている。
【0033】上部部材6、支持部材7,7および底板1
のスライド方向に関して山状突起10の左側の部分に、
スライドボート2の外径と略等しい内径を持つ環状封止
部11が形成されている。この環状封止部11は、後述
する図1(c)の配置で、スライドボート2の外周面と摺
接してスライドボート2から融液Mが零れるのを防ぐ。
のスライド方向に関して山状突起10の左側の部分に、
スライドボート2の外径と略等しい内径を持つ環状封止
部11が形成されている。この環状封止部11は、後述
する図1(c)の配置で、スライドボート2の外周面と摺
接してスライドボート2から融液Mが零れるのを防ぐ。
【0034】底板1には、一定の深さでスライド方向右
側から環状封止部11の右端11aに達する溝17が形
成されている。図2に示すように、この溝17の底はス
ライドボート2の外周面に沿って円弧状に湾曲してお
り、溝17内にはスライドボート2をその中心の周りに
回転自在に支持する一対のローラ18,18が架設され
ている。図1(a)に示すように、各ローラ18は、環状
封止部11の端面11aおよびこれに対向する図示しな
い端面によって、中心軸18aの周りに回転自在に支持
されている。
側から環状封止部11の右端11aに達する溝17が形
成されている。図2に示すように、この溝17の底はス
ライドボート2の外周面に沿って円弧状に湾曲してお
り、溝17内にはスライドボート2をその中心の周りに
回転自在に支持する一対のローラ18,18が架設され
ている。図1(a)に示すように、各ローラ18は、環状
封止部11の端面11aおよびこれに対向する図示しな
い端面によって、中心軸18aの周りに回転自在に支持
されている。
【0035】スライドボート2は、スライド方向に延び
る上側の半円筒状の部分2Aと下側の半円筒状の部分2
Bとが分割可能に組み合わされて構成されている。スラ
イドボート2を組み立てるために、図3に示すように、
スライドボート2の図において右側の端面中央に分割面
2Cにまたがって環状凹部20Aを形成し、この環状凹
部20Aで囲まれた上側の半円柱状の部分21Aと下側
の半円柱状の部分21Bとを、操作棒5の先端に設けた
キャップ51で係合している。詳しくは、上下の半円柱
状の部分21A,21Bの外周面22には雄ネジを形成
する一方、キャップ51の凹部52の内周面53に雌ネ
ジを形成して、両者が螺合するようにしている。スライ
ドボート2の図示しない左側の端面でも同様に、上下の
半円柱状の部分をキャップで係合するようにしている。
なお、簡単のため図示を省略しているが、スライドボー
ト2の組み立ての便宜のために、分割面2Cはスライド
ボート2の端面の外周近傍で上方へ屈曲しており、この
結果、スライドボート2の円筒部(図1(a)で見られる
部分)は幾分上方に偏心したレベルで分割されている。
る上側の半円筒状の部分2Aと下側の半円筒状の部分2
Bとが分割可能に組み合わされて構成されている。スラ
イドボート2を組み立てるために、図3に示すように、
スライドボート2の図において右側の端面中央に分割面
2Cにまたがって環状凹部20Aを形成し、この環状凹
部20Aで囲まれた上側の半円柱状の部分21Aと下側
の半円柱状の部分21Bとを、操作棒5の先端に設けた
キャップ51で係合している。詳しくは、上下の半円柱
状の部分21A,21Bの外周面22には雄ネジを形成
する一方、キャップ51の凹部52の内周面53に雌ネ
ジを形成して、両者が螺合するようにしている。スライ
ドボート2の図示しない左側の端面でも同様に、上下の
半円柱状の部分をキャップで係合するようにしている。
なお、簡単のため図示を省略しているが、スライドボー
ト2の組み立ての便宜のために、分割面2Cはスライド
ボート2の端面の外周近傍で上方へ屈曲しており、この
結果、スライドボート2の円筒部(図1(a)で見られる
部分)は幾分上方に偏心したレベルで分割されている。
【0036】図2によって良く分かるように、スライド
ボート2の内部には、底に平坦部14を有し、スライド
方向に延びる略円筒状の成長室3が形成されている。成
長室3の平坦部14には、スライド方向に対して垂直な
方向に延び、背面板4の周縁部と半導体基板30の周縁
部とが重ねて挿入される基板保持溝16Cが形成されて
いる。成長室3の円弧状に湾曲した内壁には、平坦部1
4の基板保持溝16Cに連なり、一定の深さで周方向に
延びる周溝16B及び16Aが形成されている。なお、
16Aは上側の半円筒部2Aに形成された部分、16B
は下側の半円筒部2Bに形成された部分である。これら
の基板保持溝16C、周溝16B及び16Aは、スライ
ド方向に対して垂直に、背面板4の外径と略等しい内径
を持つ環状溝を構成している。量産性を高めるために、
成長室3にはこのような環状溝16C,16B及び16
Aが一定間隔で複数設けられている。
ボート2の内部には、底に平坦部14を有し、スライド
方向に延びる略円筒状の成長室3が形成されている。成
長室3の平坦部14には、スライド方向に対して垂直な
方向に延び、背面板4の周縁部と半導体基板30の周縁
部とが重ねて挿入される基板保持溝16Cが形成されて
いる。成長室3の円弧状に湾曲した内壁には、平坦部1
4の基板保持溝16Cに連なり、一定の深さで周方向に
延びる周溝16B及び16Aが形成されている。なお、
16Aは上側の半円筒部2Aに形成された部分、16B
は下側の半円筒部2Bに形成された部分である。これら
の基板保持溝16C、周溝16B及び16Aは、スライ
ド方向に対して垂直に、背面板4の外径と略等しい内径
を持つ環状溝を構成している。量産性を高めるために、
成長室3にはこのような環状溝16C,16B及び16
Aが一定間隔で複数設けられている。
【0037】図2および図1(a)から分かるように、成
長室3の底の平坦部14には、基板保持溝16Cの深さ
よりも深く、基板保持溝16Cと交差してスライド方向
に延びる融液導入溝15が形成されている。スライドボ
ート2の上側の半円筒状の部分2Aには、成長室3の左
端上部に通じる融液導入口13が設けられるとともに、
スライド方向に関して周溝16A,16A,…の間の位
置に直径5mm程度のガス抜き用の小穴19,19,…
が設けられている。
長室3の底の平坦部14には、基板保持溝16Cの深さ
よりも深く、基板保持溝16Cと交差してスライド方向
に延びる融液導入溝15が形成されている。スライドボ
ート2の上側の半円筒状の部分2Aには、成長室3の左
端上部に通じる融液導入口13が設けられるとともに、
スライド方向に関して周溝16A,16A,…の間の位
置に直径5mm程度のガス抜き用の小穴19,19,…
が設けられている。
【0038】後述する結晶成長段階では、成長室3内
に、半導体基板30の裏面と密接してこの裏面における
結晶成長を防止する複数の背面板4がスライド方向に対
して垂直に設けられる。ここで、図4(a)は1枚の背面
板4aを垂直に見たところを示し、図4(b)は図4(a)に
おけるB−B線矢視断面を示している。図4に示すよう
に、各背面板4の片側の面には、略中央の位置に、半導
体基板30を嵌め込むための凹部40が形成されてい
る。この凹部40には半導体基板30のオリエンテーシ
ョンフラットと対応するエッジ40bが設けられてい
る。この凹部40の位置は、このエッジ40bを下側に
配置して背面板4の周縁部を基板保持溝16Cに挿入し
たとき、エッジ40bが基板保持溝16Cに少しだけ埋
まるように設定されている。背面板4の凹部40のうち
半導体基板30の裏面と接する接触面40aの表面粗さ
は、背面板40のその接触面40a以外の部分の表面粗
さよりも大きく設定されている。
に、半導体基板30の裏面と密接してこの裏面における
結晶成長を防止する複数の背面板4がスライド方向に対
して垂直に設けられる。ここで、図4(a)は1枚の背面
板4aを垂直に見たところを示し、図4(b)は図4(a)に
おけるB−B線矢視断面を示している。図4に示すよう
に、各背面板4の片側の面には、略中央の位置に、半導
体基板30を嵌め込むための凹部40が形成されてい
る。この凹部40には半導体基板30のオリエンテーシ
ョンフラットと対応するエッジ40bが設けられてい
る。この凹部40の位置は、このエッジ40bを下側に
配置して背面板4の周縁部を基板保持溝16Cに挿入し
たとき、エッジ40bが基板保持溝16Cに少しだけ埋
まるように設定されている。背面板4の凹部40のうち
半導体基板30の裏面と接する接触面40aの表面粗さ
は、背面板40のその接触面40a以外の部分の表面粗
さよりも大きく設定されている。
【0039】この液相エピタキシャル成長装置では次の
ようにして結晶成長が行われる。なお、ガリウムヒ素
(GaAs)基板30にエピタキシャル層としてGaAsを
結晶成長をさせるものとする。
ようにして結晶成長が行われる。なお、ガリウムヒ素
(GaAs)基板30にエピタキシャル層としてGaAsを
結晶成長をさせるものとする。
【0040】i) 結晶成長開始前に、まず背面板4の
凹部40に半導体基板30を嵌め込む。そして、図1
(a)に示すスライドボート2を上下に分割した状態で、
下側の半円筒部2Bに形成された基板保持溝16Cと周
溝16Bに、背面板4の周縁部と半導体基板30の周縁
部を重ねて挿入する。続いて、この上に上側の半円筒部
2Aを組み合わせてスライドボート2を円筒状に構成
し、その右側の端面に操作棒5のキャップ51を取り付
けて上下の半円筒部2A,2Bを固定する(スライドボ
ート2の左側の端面にも同様のキャップを取り付け
る)。これにより、背面板4の周縁部は基板保持溝16
Cと周溝16B及び16Aとによって環状に保持され
る。また、図5に示すように、このとき半導体基板30
のオリエンテーションフラット36を下側に配置してお
くことによって、背面板4の周縁部とともに半導体基板
30のうちオリエンテーションフラット36に沿った直
線状の縁部34が基板保持溝16Cに埋まる。これによ
り、半導体基板30の直線状の縁部34が背面板4と基
板保持溝16Cの前端16fとによって挟持されて、半
導体基板30が成長室3内に縦に保持される。このと
き、凹部40の位置が背面板4の下端から一定距離にあ
るので、半導体基板30の直線状の縁部34の鉛直方向
の幅を精度良く設定できる。一方、半導体基板30のう
ちオリエンテーションフラット36に沿った縁部34以
外の表面部分は成長室3内に露出する。なお、成長室3
内の左端の環状溝16C、16B及び16Aには仕切板
(背面板4と同径の円板)4Aを設ける。
凹部40に半導体基板30を嵌め込む。そして、図1
(a)に示すスライドボート2を上下に分割した状態で、
下側の半円筒部2Bに形成された基板保持溝16Cと周
溝16Bに、背面板4の周縁部と半導体基板30の周縁
部を重ねて挿入する。続いて、この上に上側の半円筒部
2Aを組み合わせてスライドボート2を円筒状に構成
し、その右側の端面に操作棒5のキャップ51を取り付
けて上下の半円筒部2A,2Bを固定する(スライドボ
ート2の左側の端面にも同様のキャップを取り付け
る)。これにより、背面板4の周縁部は基板保持溝16
Cと周溝16B及び16Aとによって環状に保持され
る。また、図5に示すように、このとき半導体基板30
のオリエンテーションフラット36を下側に配置してお
くことによって、背面板4の周縁部とともに半導体基板
30のうちオリエンテーションフラット36に沿った直
線状の縁部34が基板保持溝16Cに埋まる。これによ
り、半導体基板30の直線状の縁部34が背面板4と基
板保持溝16Cの前端16fとによって挟持されて、半
導体基板30が成長室3内に縦に保持される。このと
き、凹部40の位置が背面板4の下端から一定距離にあ
るので、半導体基板30の直線状の縁部34の鉛直方向
の幅を精度良く設定できる。一方、半導体基板30のう
ちオリエンテーションフラット36に沿った縁部34以
外の表面部分は成長室3内に露出する。なお、成長室3
内の左端の環状溝16C、16B及び16Aには仕切板
(背面板4と同径の円板)4Aを設ける。
【0041】ii ) 次に、図1(a)に示すように上部部
材6の貫通穴9がスライドボート102の上面で塞がれ
た配置で、Ga,GaAs多結晶、Si等のドーパント等の
原料を融液溜8に入れる。そして、図示しない電気炉内
の炉芯管(石英管)中でこの系をH2雰囲気に保ち、一
定温度(900〜1000℃)まで昇温する。これによ
り、原料を溶融して融液Mとする。
材6の貫通穴9がスライドボート102の上面で塞がれ
た配置で、Ga,GaAs多結晶、Si等のドーパント等の
原料を融液溜8に入れる。そして、図示しない電気炉内
の炉芯管(石英管)中でこの系をH2雰囲気に保ち、一
定温度(900〜1000℃)まで昇温する。これによ
り、原料を溶融して融液Mとする。
【0042】iii ) 結晶成長開始時には、操作棒5に
よってスライドボート2を上部部材6、底板1に対して
図において左向き(矢印Xで示す)に図2(b)の位置ま
で移動させる。これにより、上部部材6の底部に設けた
貫通穴9とスライドボート2の融液導入口13とを連通
させて、融液溜8から貫通穴9、融液導入口13を通し
て成長室3に融液Mを落下させる。成長室3の左端に導
入された融液Mは、融液導入溝15を通して、背面板4
で実質的に仕切られた各成長室3内に下方から導入され
る。各成長室3内に存在していたH2ガスはガス抜き用
の小穴19を通してスライドボート2の外へ排出され
る。このように融液Mが下方から導入される結果、図5
に示すように、各成長室3内で、融液Mの圧力Pによっ
て半導体基板30の各部が下方から上方へ向かって順次
背面板4に押し付けられ、融液導入中に半導体基板30
を背面板4から離間させる向きに力が働くことがない。
また、このとき背面板4の周縁部は基板保持溝16Cと
周溝16B及び16Aとによって環状に保持されて動か
ない。したがって、融液導入中に半導体基板30は安定
して保持される。
よってスライドボート2を上部部材6、底板1に対して
図において左向き(矢印Xで示す)に図2(b)の位置ま
で移動させる。これにより、上部部材6の底部に設けた
貫通穴9とスライドボート2の融液導入口13とを連通
させて、融液溜8から貫通穴9、融液導入口13を通し
て成長室3に融液Mを落下させる。成長室3の左端に導
入された融液Mは、融液導入溝15を通して、背面板4
で実質的に仕切られた各成長室3内に下方から導入され
る。各成長室3内に存在していたH2ガスはガス抜き用
の小穴19を通してスライドボート2の外へ排出され
る。このように融液Mが下方から導入される結果、図5
に示すように、各成長室3内で、融液Mの圧力Pによっ
て半導体基板30の各部が下方から上方へ向かって順次
背面板4に押し付けられ、融液導入中に半導体基板30
を背面板4から離間させる向きに力が働くことがない。
また、このとき背面板4の周縁部は基板保持溝16Cと
周溝16B及び16Aとによって環状に保持されて動か
ない。したがって、融液導入中に半導体基板30は安定
して保持される。
【0043】iv ) 次に、操作棒5によってスライドボ
ート2をさらに図2(c)の位置まで移動させる。この
後、操作棒5を軸周りに回転させて、スライドボート
2、背面板4、半導体基板30および融液Mを一体に回
転させながら、徐々に降温してGaAs基板30の表面に
GaAs結晶をエピタキシャル成長させる。半導体基板3
0のうち直線状の縁部34以外の表面部分は成長室3内
に露出しているので、そこに結晶成長がなされる。
ート2をさらに図2(c)の位置まで移動させる。この
後、操作棒5を軸周りに回転させて、スライドボート
2、背面板4、半導体基板30および融液Mを一体に回
転させながら、徐々に降温してGaAs基板30の表面に
GaAs結晶をエピタキシャル成長させる。半導体基板3
0のうち直線状の縁部34以外の表面部分は成長室3内
に露出しているので、そこに結晶成長がなされる。
【0044】このとき、半導体基板30のうち直線状の
縁部34以外の周縁部に沿って、成長室3の円弧状に湾
曲した内壁が存在するので、半導体基板の周縁部に沿っ
て融液Mの接触量が均等になり、結晶成長が均一化され
る。また、背面板4の凹部40のうち半導体基板30の
裏面と接する接触面40aの表面粗さは、背面板4のそ
の接触面40a以外の部分の表面粗さよりも大きく設定
されているので、上記接触面40aの融液に対する「ぬ
れ性」が悪くなる。したがって、半導体基板裏面側への
融液Mの回り込みが抑制され、半導体基板30の裏面に
おける結晶成長が効果的に防止される。
縁部34以外の周縁部に沿って、成長室3の円弧状に湾
曲した内壁が存在するので、半導体基板の周縁部に沿っ
て融液Mの接触量が均等になり、結晶成長が均一化され
る。また、背面板4の凹部40のうち半導体基板30の
裏面と接する接触面40aの表面粗さは、背面板4のそ
の接触面40a以外の部分の表面粗さよりも大きく設定
されているので、上記接触面40aの融液に対する「ぬ
れ性」が悪くなる。したがって、半導体基板裏面側への
融液Mの回り込みが抑制され、半導体基板30の裏面に
おける結晶成長が効果的に防止される。
【0045】また、この結晶成長時に、半導体基板30
は融液Mの圧力Pによって背面板4に押し付けられてい
る。成長室3内に融液Mを満たした状態では半導体基板
30に浮力が働くが、半導体基板30は鉛直方向に関し
て凹部40のエッジによって係止される。また、半導体
基板30の裏面と上記接触面40aとの摩擦力も大き
い。したがって、半導体基板30が安定して保持され
る。
は融液Mの圧力Pによって背面板4に押し付けられてい
る。成長室3内に融液Mを満たした状態では半導体基板
30に浮力が働くが、半導体基板30は鉛直方向に関し
て凹部40のエッジによって係止される。また、半導体
基板30の裏面と上記接触面40aとの摩擦力も大き
い。したがって、半導体基板30が安定して保持され
る。
【0046】このように、この液相エピタキシャル成長
装置90では、融液導入時および結晶成長時に半導体基
板30が安定して保持されるので、半導体基板30を背
面板4と基板保持溝16Cで挟持する必要があるのは、
成長室3内に融液Mを満たすまでの間に限られる。した
がって、半導体基板30のうち基板保持溝16Cに埋ま
る直線状の縁部34の幅を比較的狭く設定できる。ま
た、半導体基板30のうち基板保持溝16Cに埋まる箇
所は、この半導体基板30のオリエンテーションフラッ
ト36に沿った直線状の縁部34であるから、平坦部1
4の面とオリエンテーションフラット36を平行に設定
することによって、半導体基板30のうち基板保持溝1
6Cに埋まる箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設定でき
る。そのようにした場合、図6に示すように、半導体基
板30の表面のうち結晶が成長しない領域34および結
晶成長が不完全な領域35の幅を従来(図7参照)に比
して狭くすることができる。この結果、ウエハ整形段階
での収率を高めることかできる。
装置90では、融液導入時および結晶成長時に半導体基
板30が安定して保持されるので、半導体基板30を背
面板4と基板保持溝16Cで挟持する必要があるのは、
成長室3内に融液Mを満たすまでの間に限られる。した
がって、半導体基板30のうち基板保持溝16Cに埋ま
る直線状の縁部34の幅を比較的狭く設定できる。ま
た、半導体基板30のうち基板保持溝16Cに埋まる箇
所は、この半導体基板30のオリエンテーションフラッ
ト36に沿った直線状の縁部34であるから、平坦部1
4の面とオリエンテーションフラット36を平行に設定
することによって、半導体基板30のうち基板保持溝1
6Cに埋まる箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設定でき
る。そのようにした場合、図6に示すように、半導体基
板30の表面のうち結晶が成長しない領域34および結
晶成長が不完全な領域35の幅を従来(図7参照)に比
して狭くすることができる。この結果、ウエハ整形段階
での収率を高めることかできる。
【0047】実際に、直径が51.5mmφ、オリエン
テーション・フラット36の長さが16.0mmの基板
30に上述の方式で結晶成長を行った後、自動化ライン
に適合するように、得られたウエハ30をひと回り小さ
い相似な形状(図6中に破線31Aで示す)に整形した
場合、整形後のウェハの面積を元の基板面積の約92%
(従来は80%)にすることができ、従来に比して収率
を高めることができた。
テーション・フラット36の長さが16.0mmの基板
30に上述の方式で結晶成長を行った後、自動化ライン
に適合するように、得られたウエハ30をひと回り小さ
い相似な形状(図6中に破線31Aで示す)に整形した
場合、整形後のウェハの面積を元の基板面積の約92%
(従来は80%)にすることができ、従来に比して収率
を高めることができた。
【0048】なお、結晶成長時に、スライドボート2の
融液導入口13は環状封止部11によって塞がれている
ので、スライドボート2から融液Mが零れることはな
い。また、融液Mの表面張力のお陰で、ガス抜き用小穴
19から融液Mが零れることもない。
融液導入口13は環状封止部11によって塞がれている
ので、スライドボート2から融液Mが零れることはな
い。また、融液Mの表面張力のお陰で、ガス抜き用小穴
19から融液Mが零れることもない。
【0049】
【発明の効果】以上より明らかなように、この発明の液
相エピタキシャル成長装置では、半導体基板のうち基板
保持溝に埋まる箇所の鉛直方向の幅を比較的狭く設定で
きる。そのようにした場合、半導体基板の表面のうち結
晶が成長せず又は結晶成長が不完全な領域の幅を狭くで
き、この結果、ウエハ整形段階での収率を高めることが
できる。
相エピタキシャル成長装置では、半導体基板のうち基板
保持溝に埋まる箇所の鉛直方向の幅を比較的狭く設定で
きる。そのようにした場合、半導体基板の表面のうち結
晶が成長せず又は結晶成長が不完全な領域の幅を狭くで
き、この結果、ウエハ整形段階での収率を高めることが
できる。
【0050】さらに、この液相エピタキシャル成長装置
では、半導体基板のうち上記基板保持溝に埋まる箇所
は、この半導体基板のオリエンテーションフラットに沿
った直線状の縁部であるから、成長室の底の平坦部の面
と上記オリエンテーションフラットを平行に設定するこ
とによって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋
まる箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設定できる。その
ようにした場合、半導体基板の表面のうち結晶が成長せ
ず又は結晶成長が不完全な領域の幅をさらに狭くでき、
この結果、ウエハ整形段階での収率をさらに高めること
ができる。
では、半導体基板のうち上記基板保持溝に埋まる箇所
は、この半導体基板のオリエンテーションフラットに沿
った直線状の縁部であるから、成長室の底の平坦部の面
と上記オリエンテーションフラットを平行に設定するこ
とによって、上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋
まる箇所の鉛直方向の幅をさらに狭く設定できる。その
ようにした場合、半導体基板の表面のうち結晶が成長せ
ず又は結晶成長が不完全な領域の幅をさらに狭くでき、
この結果、ウエハ整形段階での収率をさらに高めること
ができる。
【図1】 この発明の一実施例の液相エピタキシャル成
長装置の構成および動作を説明する図である。
長装置の構成および動作を説明する図である。
【図2】 上記液相エピタキシャル成長装置の図1(a)
におけるA−A線矢視断面を示す図である。
におけるA−A線矢視断面を示す図である。
【図3】 上記液相エピタキシャル成長装置のスライド
ボートの組み立てを説明する図である。
ボートの組み立てを説明する図である。
【図4】 背面板の構造を示す図である。
【図5】 成長室内に背面板および半導体基板をセット
した状態を示す図である。
した状態を示す図である。
【図6】 上記液相エピタキシャル成長装置によって結
晶成長して得られたエピタキシャルウエハを示す図であ
る。
晶成長して得られたエピタキシャルウエハを示す図であ
る。
【図7】 図8に示す従来の液相エピタキシャル成長装
置によって結晶成長して得られたエピタキシャルウエハ
を示す図である。
置によって結晶成長して得られたエピタキシャルウエハ
を示す図である。
【図8】 従来の液相エピタキシャル成長装置の構成お
よび動作を説明する図である。
よび動作を説明する図である。
1 底板 2 スライド
ボート 2A 上側の半円筒部 2B 下側の
半円筒部 3 成長室 4 背面板 5 操作棒 6 上部部材 7 支持部材 8 融液溜 9,13 貫通穴 10 山状突
起 11 環状封止部 12 ローラ 13 融液導入口 14 平坦部 15 融液導入溝
ボート 2A 上側の半円筒部 2B 下側の
半円筒部 3 成長室 4 背面板 5 操作棒 6 上部部材 7 支持部材 8 融液溜 9,13 貫通穴 10 山状突
起 11 環状封止部 12 ローラ 13 融液導入口 14 平坦部 15 融液導入溝
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C30B 1/00 - 35/00
Claims (6)
- 【請求項1】 結晶原料の融液を貯留する融液溜が形成
された上部部材と、成長室を有するスライドボートとを
相対的に水平方向に摺動可能に配置し、 上記成長室内に、半導体基板の裏面と密接してこの裏面
における結晶成長を防止する背面板を鉛直方向に設け、 結晶成長開始時に上記上部部材とスライドボートとを水
平方向に相対的にスライドさせて、上記融液溜の底部に
設けた開口と上記成長室の融液導入口とを連通させて上
記融液を成長室内に導入して、上記半導体基板の表面に
結晶をエピタキシャル成長させる液相エピタキシャル成
長装置において、 上記成長室の底に、上記背面板の周縁部と半導体基板の
周縁部を重ねて挿入し得る基板保持溝が形成されて、 上記背面板の周縁部とともに上記半導体基板のうちの1
箇所が上記基板保持溝に埋まる一方、上記半導体基板の
うち上記基板保持溝に埋まる箇所以外の表面部分が上記
成長室内に露出するようになっており、 上記基板保持溝は上記成長室の底に設けた平坦部に形成
され、 上記半導体基板のうち上記基板保持溝に埋まる箇所は、
この半導体基板のオリエンテーションフラットに沿った
直線状の縁部であることを特徴とする液相エピタキシャ
ル成長装置。 - 【請求項2】 結晶原料の融液を貯留する融液溜が形成
された上部部材と、成長室を有するスライドボートとを
相対的に水平方向に摺動可能に配置し、 上記成長室内に、半導体基板の裏面と密接してこの裏面
における結晶成長を防止する背面板を鉛直方向に設け、 結晶成長開始時に上記上部部材とスライドボートとを水
平方向に相対的にスライドさせて、上記融液溜の底部に
設けた開口と上記成長室の融液導入口とを連通させて上
記融液を成長室内に導入して、上記半導体基板の表面に
結晶をエピタキシャル成長させる液相エピタキシャル成
長装置において、 上記スライドボートは、上下に分割可能に組み合わされ
て上記成長室を形成する2つの部分を備え、 上記成長室は、底に平坦部を有し、スライド方向に延び
る略円筒状に形成され、 上記成長室の上記平坦部に、上記スライド方向に対して
垂直な方向に延び、上記背面板の周縁部と半導体基板の
周縁部が重ねて挿入される基板保持溝が形成され、 上記成長室の円弧状に湾曲した内壁に、上記平坦部の基
板保持溝に連なり、一定の深さで周方向に延びる周溝が
形成されて、 上記背面板の周縁部は上記基板保持溝と周溝とによって
環状に保持され、かつ上記半導体基板のうちオリエンテ
ーションフラットに沿った縁部が上記基板保持溝に埋ま
る一方、上記半導体基板のうち上記オリエンテーション
フラットに沿った縁部以外の表面部分が上記成長室内に
露出するようになっていることを特徴とする液相エピタ
キシャル成長装置。 - 【請求項3】 請求項1乃至2のいずれか一つに記載の
液相エピタキシャル成長装置において、 上記融液導入口はスライド方向に関して上記成長室の端
に設けられ、 上記成長室の底に、上記基板保持溝の深さよりも深く、
上記基板保持溝と交差して上記スライド方向に延びる融
液導入溝が形成されていることを特徴とする液相エピタ
キシャル成長装置。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか一つに記載の
液相エピタキシャル成長装置において、 上記背面板の特定の位置に、上記半導体基板を嵌め込む
ための凹部が形成されていることを特徴とする液相エピ
タキシャル成長装置。 - 【請求項5】 請求項4に記載の液相エピタキシャル成
長装置において、 上記背面板の上記凹部のうち上記半導体基板の裏面と接
する面の表面粗さは、上記背面板のその面以外の部分の
表面粗さよりも大きく設定されていることを特徴とする
液相エピタキシャル成長装置。 - 【請求項6】 請求項2乃至5のいずれか一つに記載の
液相エピタキシャル成長装置において、 上記スライドボートの外形は上記スライド方向に延びる
円筒状に形成され、 上記上部部材の下方に、上記スライドボートをその中心
の周りに回転自在に支持する下部部材が設けられ、 結晶成長時に、上記スライドボートは、上記スライド方
向に関して上記融液導入口が塞がる位置に配置され、中
心の周りに回転されるようになっていることを特徴とす
る液相エピタキシャル成長装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16284996A JP3492090B2 (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | 液相エピタキシャル成長装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16284996A JP3492090B2 (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | 液相エピタキシャル成長装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107489A JPH107489A (ja) | 1998-01-13 |
JP3492090B2 true JP3492090B2 (ja) | 2004-02-03 |
Family
ID=15762417
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16284996A Expired - Fee Related JP3492090B2 (ja) | 1996-06-24 | 1996-06-24 | 液相エピタキシャル成長装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3492090B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-24 JP JP16284996A patent/JP3492090B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH107489A (ja) | 1998-01-13 |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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