JP3488908B2 - 弾性ヒンジ装置 - Google Patents
弾性ヒンジ装置Info
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- JP3488908B2 JP3488908B2 JP02721199A JP2721199A JP3488908B2 JP 3488908 B2 JP3488908 B2 JP 3488908B2 JP 02721199 A JP02721199 A JP 02721199A JP 2721199 A JP2721199 A JP 2721199A JP 3488908 B2 JP3488908 B2 JP 3488908B2
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- elastic hinge
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いに直交する3
つの軸線を中心として回動自在に2つの部材を連結する
3自由度弾性ヒンジ装置に関する。
つの軸線を中心として回動自在に2つの部材を連結する
3自由度弾性ヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】一般に、軸部の先端部に
設けたボールを相手方部材のソケットに収容し、ボール
の中心を通る全ての平面内で回転自在としたボールジョ
イントは周知である。このようなボールジョイントは、
ボールとソケットとが互いに球面に沿ってすべり運動す
るため、ボールとソケットとの間に間隙が形成され、球
面間に摩擦力が発生する。このため、すべり運動部の潤
滑を必要とし、また、スティックスリップ、摩耗あるい
は発熱等の摩擦の影響を避けることはできず、2つの部
材間に高精度の位置決めを必要とする用途には用いるこ
とができない。
設けたボールを相手方部材のソケットに収容し、ボール
の中心を通る全ての平面内で回転自在としたボールジョ
イントは周知である。このようなボールジョイントは、
ボールとソケットとが互いに球面に沿ってすべり運動す
るため、ボールとソケットとの間に間隙が形成され、球
面間に摩擦力が発生する。このため、すべり運動部の潤
滑を必要とし、また、スティックスリップ、摩耗あるい
は発熱等の摩擦の影響を避けることはできず、2つの部
材間に高精度の位置決めを必要とする用途には用いるこ
とができない。
【0003】このため、例えば半導体製造装置あるいは
走査型プローブ顕微鏡等のサブミクロン以下の高精度で
位置決めあるいは再現性を必要とする用途には、弾性ヒ
ンジが用いられることが多い。この弾性ヒンジは、1の
ビーム状部材の周面あるいは対向面を断面円弧状に切欠
き、このような切欠きで形成された小断面積部を中心と
して回転させるものである。このような弾性ヒンジは、
ビームのたわみによる弾性変形を利用したもので、ボー
ルジョイントのような間隙および摩擦がなく、潤滑油も
不要であるため、高精度の位置決めあるいは位置再現が
可能である。
走査型プローブ顕微鏡等のサブミクロン以下の高精度で
位置決めあるいは再現性を必要とする用途には、弾性ヒ
ンジが用いられることが多い。この弾性ヒンジは、1の
ビーム状部材の周面あるいは対向面を断面円弧状に切欠
き、このような切欠きで形成された小断面積部を中心と
して回転させるものである。このような弾性ヒンジは、
ビームのたわみによる弾性変形を利用したもので、ボー
ルジョイントのような間隙および摩擦がなく、潤滑油も
不要であるため、高精度の位置決めあるいは位置再現が
可能である。
【0004】しかし、このようなビームのたわみを利用
した弾性ヒンジの場合は、曲げあるいは回転角度が大き
くなると、回転する部分の回転中心が移動し、回転誤差
が生じる。更に、円弧状の切欠きをビームの周部あるい
は対向面に形成するため、この円弧の頂点部に対応する
最もくびれた個所では、断面積が極めて小さくなる。こ
のため、剛性が極めて低くなる。また、回転角度も、極
めて狭い範囲に制限されてしまう。
した弾性ヒンジの場合は、曲げあるいは回転角度が大き
くなると、回転する部分の回転中心が移動し、回転誤差
が生じる。更に、円弧状の切欠きをビームの周部あるい
は対向面に形成するため、この円弧の頂点部に対応する
最もくびれた個所では、断面積が極めて小さくなる。こ
のため、剛性が極めて低くなる。また、回転角度も、極
めて狭い範囲に制限されてしまう。
【0005】本発明は、上述に鑑みてなされたもので、
2つの部材間の移動量が多くなっても極めて正確に位置
決めすることのできる3自由度弾性ヒンジ装置を提供す
ることを目的とする。
2つの部材間の移動量が多くなっても極めて正確に位置
決めすることのできる3自由度弾性ヒンジ装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の弾性ヒンジ装置は、2つの部材を連結し、これらの
2つの部材間における互いに直交する3つの軸のそれぞ
れの軸方向に沿う並進移動を阻止しかつ3つの軸のそれ
ぞれの軸を中心とする回転方向の移動を可能とする弾性
ヒンジ装置であって、前記2つの部材の一方に固定され
るベースと、このベースに、その両側から外方に向けて
同軸状に延びる一対の第1トーションバーを介して連結
された第1中間フレームと、この第1中間フレームに、
その両側から外方に向けて同軸状に延びる一対の第2ト
ーションバーを介して連結された第2中間フレームと、
この第2中間フレームに、その両側から外方に向けて同
軸状に延びる一対の第3トーションバーを介して連結さ
れた回転部材と、この回転部材から、前記第1,第2,
第3トーションバーのそれぞれに対して斜め方向に延設
され、前記2つの部材の他方に結合されるレバーとを備
え、これらの第1,第2,第3トーションバーは、それ
ぞれの軸線を互いに直交させて配置される。
明の弾性ヒンジ装置は、2つの部材を連結し、これらの
2つの部材間における互いに直交する3つの軸のそれぞ
れの軸方向に沿う並進移動を阻止しかつ3つの軸のそれ
ぞれの軸を中心とする回転方向の移動を可能とする弾性
ヒンジ装置であって、前記2つの部材の一方に固定され
るベースと、このベースに、その両側から外方に向けて
同軸状に延びる一対の第1トーションバーを介して連結
された第1中間フレームと、この第1中間フレームに、
その両側から外方に向けて同軸状に延びる一対の第2ト
ーションバーを介して連結された第2中間フレームと、
この第2中間フレームに、その両側から外方に向けて同
軸状に延びる一対の第3トーションバーを介して連結さ
れた回転部材と、この回転部材から、前記第1,第2,
第3トーションバーのそれぞれに対して斜め方向に延設
され、前記2つの部材の他方に結合されるレバーとを備
え、これらの第1,第2,第3トーションバーは、それ
ぞれの軸線を互いに直交させて配置される。
【0007】この弾性ヒンジ装置は、このレバーの中心
軸と各トーションバーの中心軸とが、回転部材内の同一
の点を通るのが好ましい。
軸と各トーションバーの中心軸とが、回転部材内の同一
の点を通るのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ、本
発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1
は、本発明の好ましい実施形態による弾性ヒンジ装置1
0の全体を概略的に示し、図2から図4は、図1の弾性
ヒンジ装置10を、直交軸X,Y,Z軸の内のそれぞれ
X−Z軸,X−Y軸およびY−Z軸を含む平面で示す。
発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。図1
は、本発明の好ましい実施形態による弾性ヒンジ装置1
0の全体を概略的に示し、図2から図4は、図1の弾性
ヒンジ装置10を、直交軸X,Y,Z軸の内のそれぞれ
X−Z軸,X−Y軸およびY−Z軸を含む平面で示す。
【0009】図示のように、本実施形態の弾性ヒンジ装
置10は、この弾性ヒンジ装置10を用いて連結する2
つの部材の一方に固定されて静止節を形成する枠状構造
のベース12を備える。このベース12の内側には、X
軸に沿いかつ互いに同軸状に配置された一対の第1トー
ションバー14を介して第1中間フレーム16が接続さ
れ、この第1中間フレーム16の内側には、Y軸に沿い
かつ互いに同軸状に配置された一対の第2トーションバ
ー18を介して第2中間フレーム20が接続されてい
る。更に、この第2中間フレーム20の内側には、Z軸
に沿いかつ同軸状に配置された一対の第3トーションバ
ー22を介して、回転子である略立方体状構造の回転部
材24が接続され、この回転部材24から、図示のよう
に、第1,第2,第3トーションバー14,18,22
のそれぞれに対して斜め方向にレバー26が延びる。こ
のレバー26の先端部は、この弾性ヒンジ装置10を介
して連結する上述の2つの部材の内の他方に連結され
る。
置10は、この弾性ヒンジ装置10を用いて連結する2
つの部材の一方に固定されて静止節を形成する枠状構造
のベース12を備える。このベース12の内側には、X
軸に沿いかつ互いに同軸状に配置された一対の第1トー
ションバー14を介して第1中間フレーム16が接続さ
れ、この第1中間フレーム16の内側には、Y軸に沿い
かつ互いに同軸状に配置された一対の第2トーションバ
ー18を介して第2中間フレーム20が接続されてい
る。更に、この第2中間フレーム20の内側には、Z軸
に沿いかつ同軸状に配置された一対の第3トーションバ
ー22を介して、回転子である略立方体状構造の回転部
材24が接続され、この回転部材24から、図示のよう
に、第1,第2,第3トーションバー14,18,22
のそれぞれに対して斜め方向にレバー26が延びる。こ
のレバー26の先端部は、この弾性ヒンジ装置10を介
して連結する上述の2つの部材の内の他方に連結され
る。
【0010】各トーションバー14,18,22は、そ
れぞれの中心軸が回転部材24内の特に中心点を通るよ
うに配置することにより、レバー26したがって回転部
材24の回転位置が高精度で位置決めされる。この場合
には、レバー26の中心軸も、回転部材24内の中心点
を通ることが望ましい。
れぞれの中心軸が回転部材24内の特に中心点を通るよ
うに配置することにより、レバー26したがって回転部
材24の回転位置が高精度で位置決めされる。この場合
には、レバー26の中心軸も、回転部材24内の中心点
を通ることが望ましい。
【0011】ベース12と第1,第2中間フレーム1
6,20とは、剛性構造に形成し、強度の高い材料によ
り、変形を生じさせない寸法に形成することが望まし
い。一方、第1,第2,第3トーションバー14,1
8,22は、ばね鋼等の弾性限度の高い材料で形成し、
特に回転角度を大きくする必要のある場合には、超弾性
材料等の著しく弾性限度の高い材料で形成することが望
ましい。これらのトーションバー14,18,22の太
さおよび長さを含む各部の寸法は、回転部材24に作用
するモーメントと回転角度の大きさとの関係(ねじり剛
性)に応じて決定することができる。
6,20とは、剛性構造に形成し、強度の高い材料によ
り、変形を生じさせない寸法に形成することが望まし
い。一方、第1,第2,第3トーションバー14,1
8,22は、ばね鋼等の弾性限度の高い材料で形成し、
特に回転角度を大きくする必要のある場合には、超弾性
材料等の著しく弾性限度の高い材料で形成することが望
ましい。これらのトーションバー14,18,22の太
さおよび長さを含む各部の寸法は、回転部材24に作用
するモーメントと回転角度の大きさとの関係(ねじり剛
性)に応じて決定することができる。
【0012】なお、上記実施形態では、ベース12と第
1,第2中間フレーム16,20と回転部材24と第
1,第2,第3トーションバー14,18,22との全
てを別部材として形成し、この後、各部材を組立てたも
のであるが、これらの全ての部材を一体構造に形成して
もよいことは明らかである。この場合には、例えばレー
ザービーム等を使用した3D光造形加工等の加工方法を
用いることが可能である。また、ベース12と第1,第
2中間フレーム16,20とは、矩形構造に形成してあ
るが、これに限らず、円形、楕円形あるいは多角形形状
に形成してもよく、更に、ベース12については、第1
トーションバー14を支えることができるものであれ
ば、適宜の構造に形成することができる。
1,第2中間フレーム16,20と回転部材24と第
1,第2,第3トーションバー14,18,22との全
てを別部材として形成し、この後、各部材を組立てたも
のであるが、これらの全ての部材を一体構造に形成して
もよいことは明らかである。この場合には、例えばレー
ザービーム等を使用した3D光造形加工等の加工方法を
用いることが可能である。また、ベース12と第1,第
2中間フレーム16,20とは、矩形構造に形成してあ
るが、これに限らず、円形、楕円形あるいは多角形形状
に形成してもよく、更に、ベース12については、第1
トーションバー14を支えることができるものであれ
ば、適宜の構造に形成することができる。
【0013】このような弾性ヒンジ装置10の作用は以
下の通りである。図1に示すように、ベース12固定さ
れている場合、まず、第1中間フレーム16にX軸回り
のモーメントが加わると、第1トーションバー14が弾
性的にねじれることにより、第1中間フレーム16はベ
ース12に対してX軸に沿う第1トーションバー14の
中心軸線回りに回転する。次に、第2中間フレーム20
にY軸回りのモーメントが加わると、この第2中間フレ
ーム20は、外側の第1中間フレーム16に対してY軸
に沿う第2トーションバー18の中心軸線回りに回転す
る。最後に、回転部材24にZ軸回りのモーメントが加
わると、回転部材24は第2中間フレーム20に対して
Z軸に沿う第3トーションバー22の中心軸線回りに回
転する。したがって、回転部材24およびこれに固定さ
れたレバー26は、ベース12に対してX,YおよびZ
軸回りの合計3軸回りの回転を行うことができる。逆
に、レバー26を固定した場合は、相対的にベース12
がX,Y,Zのそれぞれの軸回りの回転運動を行う。
下の通りである。図1に示すように、ベース12固定さ
れている場合、まず、第1中間フレーム16にX軸回り
のモーメントが加わると、第1トーションバー14が弾
性的にねじれることにより、第1中間フレーム16はベ
ース12に対してX軸に沿う第1トーションバー14の
中心軸線回りに回転する。次に、第2中間フレーム20
にY軸回りのモーメントが加わると、この第2中間フレ
ーム20は、外側の第1中間フレーム16に対してY軸
に沿う第2トーションバー18の中心軸線回りに回転す
る。最後に、回転部材24にZ軸回りのモーメントが加
わると、回転部材24は第2中間フレーム20に対して
Z軸に沿う第3トーションバー22の中心軸線回りに回
転する。したがって、回転部材24およびこれに固定さ
れたレバー26は、ベース12に対してX,YおよびZ
軸回りの合計3軸回りの回転を行うことができる。逆
に、レバー26を固定した場合は、相対的にベース12
がX,Y,Zのそれぞれの軸回りの回転運動を行う。
【0014】この弾性ヒンジ装置10では、ベース12
と回転部材24したがってレバー26との間に、すべり
運動あるいは転がり運動する部分が全くなく、したがっ
て、間隙によるガタおよび相対運動に起因する摩擦力も
発生しない。更に、ベース12と第1,第2中間フレー
ム16,20とがいずれも剛体として形成され、このよ
うな剛体で支えられた各対の第1,第2,第3トーショ
ンバー14,18,22が同軸状に配置されているた
め、各トーションバー14,18,22はたわみ変形す
ることなく、それぞれの中心軸線を中心とした回転方向
にのみ弾性変形する。したがって、第1,第2中間フレ
ーム16,20と回転部材24との回転中心は常に各ト
ーションバー14,18,22の中心軸線を通り、しか
も、これらのトーションバー14,18,22がたわみ
を生じないため、回転中心が移動することもない。ベー
ス12に対する回転部材24したがってレバー26の位
置を極めて高精度で位置決めし、あるいは、再現するこ
とができる。更に、各トーションバー14,18,22
は、一様な円形断面の真直棒で形成できるため、従来の
弾性ヒンジのように、ビームの周部に断面円弧状の切欠
きを形成する必要がなく、したがって、機械的な強度も
極めて高く、大きな回転角度範囲で用いることができ
る。
と回転部材24したがってレバー26との間に、すべり
運動あるいは転がり運動する部分が全くなく、したがっ
て、間隙によるガタおよび相対運動に起因する摩擦力も
発生しない。更に、ベース12と第1,第2中間フレー
ム16,20とがいずれも剛体として形成され、このよ
うな剛体で支えられた各対の第1,第2,第3トーショ
ンバー14,18,22が同軸状に配置されているた
め、各トーションバー14,18,22はたわみ変形す
ることなく、それぞれの中心軸線を中心とした回転方向
にのみ弾性変形する。したがって、第1,第2中間フレ
ーム16,20と回転部材24との回転中心は常に各ト
ーションバー14,18,22の中心軸線を通り、しか
も、これらのトーションバー14,18,22がたわみ
を生じないため、回転中心が移動することもない。ベー
ス12に対する回転部材24したがってレバー26の位
置を極めて高精度で位置決めし、あるいは、再現するこ
とができる。更に、各トーションバー14,18,22
は、一様な円形断面の真直棒で形成できるため、従来の
弾性ヒンジのように、ビームの周部に断面円弧状の切欠
きを形成する必要がなく、したがって、機械的な強度も
極めて高く、大きな回転角度範囲で用いることができ
る。
【0015】図5から図7は、このような弾性ヒンジ装
置10を用いた微動運動機構の例を示す。図5は、半導
体製造装置のウエハの位置決めに用いる6自由度テーブ
ル30である。このテーブル30は、3つの直動アクチ
ュエータ32によりZ軸方向に支えられている。更に、
このテーブル30の側縁部には、軸方向に駆動する1つ
の直動アクチュエータ32と、X軸方向駆動する2つの
直動アクチュエータ32とが支持台34により、水平に
配置されている。これらの6つの直動アクチュエータ3
2は、いずれも図6に示すように形成してある。
置10を用いた微動運動機構の例を示す。図5は、半導
体製造装置のウエハの位置決めに用いる6自由度テーブ
ル30である。このテーブル30は、3つの直動アクチ
ュエータ32によりZ軸方向に支えられている。更に、
このテーブル30の側縁部には、軸方向に駆動する1つ
の直動アクチュエータ32と、X軸方向駆動する2つの
直動アクチュエータ32とが支持台34により、水平に
配置されている。これらの6つの直動アクチュエータ3
2は、いずれも図6に示すように形成してある。
【0016】すなわち、この直動アクチュエータ32
は、一対の対向したL字状部材36a,36bを一対の
腕部38で連結し、複数の圧電素子を積層した圧電アク
チュエータ40により、これらの腕部38を撓ませつ
つ、両端部に設けた押圧板42を互いに近接する方向お
よび離隔する方向に移動するものである。これらの押圧
板42は、上述の弾性ヒンジ装置10により、L字状部
材36a,36bに取付けられ、L字状部材36a,3
6bに対して任意の傾斜角で保持される。なお、これら
の押圧板42の移動量、すなわち直動アクチュエータ3
2の駆動距離は、圧電アクチュエータ40に供給する駆
動電圧パルスの数等適宜の手段で制御することができ
る。
は、一対の対向したL字状部材36a,36bを一対の
腕部38で連結し、複数の圧電素子を積層した圧電アク
チュエータ40により、これらの腕部38を撓ませつ
つ、両端部に設けた押圧板42を互いに近接する方向お
よび離隔する方向に移動するものである。これらの押圧
板42は、上述の弾性ヒンジ装置10により、L字状部
材36a,36bに取付けられ、L字状部材36a,3
6bに対して任意の傾斜角で保持される。なお、これら
の押圧板42の移動量、すなわち直動アクチュエータ3
2の駆動距離は、圧電アクチュエータ40に供給する駆
動電圧パルスの数等適宜の手段で制御することができ
る。
【0017】したがって、図5に示すテーブル30は、
6つの直動アクチュエータ32により、X,Y,Z軸に
沿う3つの並進方向と、X,Y,Z軸を中心とする3つ
の回転方向との合計6つの運動方向を持つ6自由度機構
を形成する。そして、各直動アクチュエータ32および
各押圧板42を支える弾性ヒンジ装置10のいずれもす
べり運動あるいはころがり運動を行う部位がなく、更に
回転中心の移動が全く生じないため、極めて高い精度で
テーブル30の位置あるいは姿勢を制御し、所要の配置
を再現することができる。
6つの直動アクチュエータ32により、X,Y,Z軸に
沿う3つの並進方向と、X,Y,Z軸を中心とする3つ
の回転方向との合計6つの運動方向を持つ6自由度機構
を形成する。そして、各直動アクチュエータ32および
各押圧板42を支える弾性ヒンジ装置10のいずれもす
べり運動あるいはころがり運動を行う部位がなく、更に
回転中心の移動が全く生じないため、極めて高い精度で
テーブル30の位置あるいは姿勢を制御し、所要の配置
を再現することができる。
【0018】図7は、バイオ関連の研究に用いられるマ
イクロピベット装置であり、(A)はピボットスプリン
グ式、(B)はフレキシブルジョイント式のものを示
す。いずれもベースプレート44aとエンドプレート4
4bとの間を6本の圧電素子駆動リンク46で連結し、
これらの圧電素子駆動リンク46を個々に駆動すること
により、エンドプレート44bをベースプレート44a
に対して所要の位置に位置決めし、あるいは、所要位置
を再現することができるものである。符号48はスプリ
ングを示し、符号50は、ガラス製のマイクロピペット
を示す。
イクロピベット装置であり、(A)はピボットスプリン
グ式、(B)はフレキシブルジョイント式のものを示
す。いずれもベースプレート44aとエンドプレート4
4bとの間を6本の圧電素子駆動リンク46で連結し、
これらの圧電素子駆動リンク46を個々に駆動すること
により、エンドプレート44bをベースプレート44a
に対して所要の位置に位置決めし、あるいは、所要位置
を再現することができるものである。符号48はスプリ
ングを示し、符号50は、ガラス製のマイクロピペット
を示す。
【0019】このマイクロピペット装置では、各圧電素
子駆動リンク46と、ベースプレート44aおよびエン
ドプレート44bとの間に、上述の弾性ヒンジ装置10
が介挿されている。この場合にも、弾性ヒンジ装置10
にすべり運動あるいはころがり運動を行う部位がなく、
更に回転中心の移動が全く生じないため、極めて高い精
度でエンドプレート44bの位置あるいは姿勢を制御す
ることが可能となる。
子駆動リンク46と、ベースプレート44aおよびエン
ドプレート44bとの間に、上述の弾性ヒンジ装置10
が介挿されている。この場合にも、弾性ヒンジ装置10
にすべり運動あるいはころがり運動を行う部位がなく、
更に回転中心の移動が全く生じないため、極めて高い精
度でエンドプレート44bの位置あるいは姿勢を制御す
ることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】以上明らかなように、本発明の弾性ヒン
ジ装置によれば、摩擦の影響がないためスティックスリ
ップなどがなく、高精度な運動を行うことができると共
に、回転中心の移動がないため高い回転精度を維持しつ
つ、機械的にも高い強度と大きな回転角度範囲を形成す
ることができる。
ジ装置によれば、摩擦の影響がないためスティックスリ
ップなどがなく、高精度な運動を行うことができると共
に、回転中心の移動がないため高い回転精度を維持しつ
つ、機械的にも高い強度と大きな回転角度範囲を形成す
ることができる。
【図1】本発明の好ましい実施形態による弾性ヒンジ装
置の概略的な斜視図。
置の概略的な斜視図。
【図2】図1の弾性ヒンジ装置のX−Z平面に沿う図。
【図3】図1の弾性ヒンジ装置のX−Y平面に沿う図。
【図4】図1の弾性ヒンジ装置のY−Z平面に沿う図。
【図5】図1の弾性ヒンジ装置を用いたテーブルの概略
的な斜視図。
的な斜視図。
【図6】図5のテーブルを支える直動アクチュエータの
概略図。
概略図。
【図7】図1の弾性ヒンジ装置を用いたマイクロピペッ
ト装置の説明図。
ト装置の説明図。
10…弾性ヒンジ装置、12…ベース、14,18,2
2…トーションバー、16,20…中間フレーム、24
…回転部材、26…レバー、30…テーブル、32…直
動アクチュエータ、34…支持台、36a,36b…L
字状部材、38…腕部、40…圧電アクチュエータ、4
2…押圧板、44…プレート、46…圧電素子駆動リン
ク、48…スプリング、50…マイクロピペット。
2…トーションバー、16,20…中間フレーム、24
…回転部材、26…レバー、30…テーブル、32…直
動アクチュエータ、34…支持台、36a,36b…L
字状部材、38…腕部、40…圧電アクチュエータ、4
2…押圧板、44…プレート、46…圧電素子駆動リン
ク、48…スプリング、50…マイクロピペット。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平1−255711(JP,A)
特開 昭61−260117(JP,A)
特開 平4−189993(JP,A)
特開 平7−317758(JP,A)
米国特許4318522(US,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
F16C 11/04
F16H 35/08
Claims (3)
- 【請求項1】 2つの部材を連結し、これらの2つの部
材間における互いに直交する3つの軸のそれぞれの軸方
向に沿う並進移動を阻止しかつ3つの軸のそれぞれの軸
を中心とする回転方向の移動を可能とする弾性ヒンジ装
置であって、 前記2つの部材の一方に固定されるベースと、 このベースに、その両側から外方に向けて同軸状に延び
る一対の第1トーションバーを介して連結された第1中
間フレームと、 この第1中間フレームに、その両側から外方に向けて同
軸状に延びる一対の第2トーションバーを介して連結さ
れた第2中間フレームと、 この第2中間フレームに、その両側から外方に向けて同
軸状に延びる一対の第3トーションバーを介して連結さ
れた回転部材と、 この回転部材から、前記第1,第2,第3トーションバ
ーのそれぞれに対して斜め方向に延設され、前記2つの
部材の他方に結合されるレバーとを備え、 これらの第1,第2,第3トーションバーは、それぞれ
の軸線を互いに直交させて配置される、弾性ヒンジ装
置。 - 【請求項2】 前記レバーの中心軸と各トーションバー
の中心軸とが、回転部材内の同一の点を通る、請求項1
に記載の弾性ヒンジ装置。 - 【請求項3】 前記ベースと、第1,第2中間フレーム
と、回転部材と、第1,第2,第3トーションバーと
は、一体構造に形成される請求項1または2に記載の弾
性ヒンジ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02721199A JP3488908B2 (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | 弾性ヒンジ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02721199A JP3488908B2 (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | 弾性ヒンジ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000220629A JP2000220629A (ja) | 2000-08-08 |
JP3488908B2 true JP3488908B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=12214783
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02721199A Expired - Lifetime JP3488908B2 (ja) | 1999-02-04 | 1999-02-04 | 弾性ヒンジ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3488908B2 (ja) |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4318522A (en) | 1979-05-01 | 1982-03-09 | Rockwell International Corporation | Gimbal mechanism |
-
1999
- 1999-02-04 JP JP02721199A patent/JP3488908B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4318522A (en) | 1979-05-01 | 1982-03-09 | Rockwell International Corporation | Gimbal mechanism |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2000220629A (ja) | 2000-08-08 |
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