JP3488533B2 - 道路交通情報提供システム - Google Patents
道路交通情報提供システムInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、高速道路などにおいて
利用者に道路情報を提供する道路交通情報提供システム
に関するものである。高速道路や一般道路においては、
道路上を走行する車両の安全を図り、利用者が快適に運
転できるように、ラジオ放送や情報表示板などにより、
様々な道路情報を利用者に提供している。 【０００２】このような道路情報の提供を管理する道路
交通情報提供システムにおいては、様々な道路情報を正
確に収集するとともに、利用者に正確で分かりやすい情
報を提供することが必要とされている。特に、近年で
は、利用者からよりきめ細かな情報の提供が要望されて
おり、これに伴って、より多様な情報を柔軟に提供する
ことが可能な情報提供システムが必要とされている。 【０００３】 【従来の技術】図５に、従来の道路交通情報提供システ
ムの構成例を示す。図５において、センタ４１０に備え
られた情報処理装置４１１は、各地に設置された様々な
種類のセンサなどを介して収集した情報に基づいて、所
定のフォーマットを有する道路情報を作成する構成とな
っている。 【０００４】例えば、情報処理装置４１１は、図６に示
すように、道路情報が表す事象を表すイベント情報とそ
の事象の発生場所を示す位置情報とを含んだ構成の道路
情報を作成すればよい。このようにして作成された道路
情報は、この情報処理装置４１１により、各所に設置さ
れた情報表示板４２１1 〜４２１n のそれぞれ，各サー
ビスエリアに設置された情報端末装置４２２1 〜４２２
m および各区間に配置されたハイウェイラジオ送信装置
４２３1 〜４２３k に配信され、利用者への情報提供処
理に供されている。 【０００５】このとき、情報処理装置４１１は、情報表
示板４２１が表示可能な情報に文字数など様々な制約が
あることを考慮して、その種類や概略の位置に基づい
て、道路情報をある程度選別して配信している。例え
ば、渋滞区間を文字情報として表示するために、管轄区
域内の路線に設置された多数の情報表示板４２１ａに道
路情報を配信する際には、これらの情報表示板４２１ａ
をその位置に基づいて幾つかのグループに分割し、渋滞
に関する道路情報から、これらのグループに属する情報
表示板４２１の位置に応じた位置情報を含んだ道路情報
を選別してそれぞれ配信している。 【０００６】また、一方、例えば、首都高速道路などの
全路線図上で渋滞区間を表示する構成の情報表示板４２
１ｂには、各所に設けられた情報表示板４２１ｂに同じ
情報を配信している。その一方、情報端末装置４２２や
ハイウェイラジオ送信装置４２３では、特に提供できる
情報に制限がないことから、各情報端末装置４２２およ
び各ハイウェイラジオ送信装置４２３には、それぞれセ
ンタ４１０の管轄区域全体に関する情報が配信されてい
た。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の道路交通情報提供システムにおいては、センタ４１０
の情報処理装置４１１が一括して、各所に設置された情
報表示板４２１や情報端末装置４２２およびハイウェイ
ラジオ送信装置４２３への道路情報の配信を管理してい
る。 【０００８】このため、個々の情報表示板４２１や情報
端末装置４２２およびハイウェイラジオ送信装置４２３
に、それぞれの利用者が必要としている情報を選択的に
配信することはできなかった。例えば、情報表示板４２
１は、上述したようにある程度のグループ分けがされて
いるが、かなり大まかな分け方であるため、かなり広い
範囲に散らばって設置された情報表示板４２１が１つの
グループに分類されてしまっている。また、このグルー
プ分けは、イベントの発生場所などにかかわらず固定的
なものであった。このため、図７に示すように、２つの
グループＡ，Ｂの境界付近まで続く渋滞などのイベント
が発生していても、この渋滞に関する道路情報が配信さ
れるのは、グループＡに属する情報表示板４２１（図７
において、符号〜で示す）に限られてしまい、グル
ープＢに属する情報表示板４２１（図７において、符号
〜で示す）には配信されない。このため、利用者
が、グループＢに対応する区間からグループＡに対応す
る区間に向かって走行する場合に、予備知識を持たない
まま、渋滞に遭遇してしまう可能性がある。 【０００９】また、従来の方式においては、各区間のハ
イウェイラジオ送信装置４２３により、路線全体に渡る
情報を繰り返し送信しているので、利用者は、この放送
を１サイクル分だけ聞くことで路線全体の概略の道路情
報を得ることができる。しかしながら、利用者が現在位
置の近辺の情報を得ようとしても、利用者が放送区間を
通過するタイミングによっては聞き逃してしまう場合が
あり、また、放送されている情報が路線全体に関するも
のであるため、各区間に関する詳細な情報を得ることが
できなかった。 【００１０】このように、従来の道路交通情報提供シス
テムでは、実際に道路を通行する利用者が必要としてい
る情報、すなわち、利用者自身の位置に近接した前方の
区間に関する情報を提供することができなかった。本発
明は、個々の情報提供手段がその位置に応じた適切な情
報を提供することが可能な道路交通情報提供システムを
提供することを目的とする。 【００１１】 【課題を解決するための手段】図１は、本発明の原理ブ
ロック図である。請求項１の発明は、センタに備えられ
た情報処理装置１０１により、道路上の走行にかかわる
情報を収集して、それぞれの事象に関する道路情報を作
成し、配信手段１１０を介して複数の出力手段１０２に
配信し、利用者への情報提供に供する構成の道路交通情
報提供システムにおいて、道路情報は、対象とする事象
を示す情報とこの事象の位置に関する情報とを含んだ構
成であり、配信手段１１０は、複数の出力手段１０２の
設置位置および出力する情報の制限を含む端末情報を保
持する端末情報保持手段１１１と、入力される道路情報
のそれぞれと、端末情報保持手段１１１が持つ複数の出
力手段１０２の出力する情報の制限とを照合し、この照
合結果に応じて、前記道路情報を送出する対象とする出
力手段１０２を送出対象として選択する照合手段１１２
と、道路情報に含まれる位置に関する情報を、送出対象
の出力手段１０２のそれぞれに対応する端末情報に含ま
れる設置位置に応じてそれぞれ変更する加工手段１１３
と、加工手段１１３による加工処理を施された道路情報
をそれぞれ対応する出力手段１０２に送出する送出手段
１１４とを備えた構成であることを特徴とする。 【００１２】 【作用】本発明は、照合手段１１２により、情報処理装
置１０１から受け取った道路情報と端末情報保持手段１
１１に保持された各出力手段１０２の設置位置および出
力可能な情報の制限とに基づいて、送出対象の出力手段
１０２を選択する。したがって、事象の発生場所にかか
わらず、その近辺に存在し、受け取った道路情報を出力
可能な出力手段１０２を確実に送出対象として選択する
ことができる。 【００１３】更に、加工手段１１３により、各送出対象
に対応する端末情報に含まれている設置位置、道路情報
に位置に関する情報として含まれている事象の継続区間
に関する情報を変更し、送出手段１１４を介して出力手
段１０２に送出することにより、個々の出力手段１０２
にそれぞれ適切な加工を加えた道路情報を送出し、利用
者への情報提供処理に供することができる。これによ
り、道路交通情報システムの各出力手段１０２が、その
位置に応じた適切な情報を利用者に提供することが可能
となる。 【００１４】 【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て詳細に説明する。図２は、本発明の道路交通情報提供
システムの実施例構成図である。図２において、情報処
理装置１０１に相当するセンタ４１０の情報処理装置４
１１は、例えば、３つの情報配信装置２１０ａ，２１０
ｂ，２１０ｃを介して、出力手段１０２に相当するｎ個
の情報表示板４２１1 〜４２１n ，ｍ個の情報端末装置
４２２1 〜４２２m およびｋ個のハイウェイラジオ送信
装置４２３1 〜４２３k のそれぞれに、情報を配信する
構成となっている。 【００１５】この情報配信装置２１０ａ，２１０ｂ，２
１０ｃのそれぞれは、配信手段１１０に相当するもので
あり、情報処理装置４１１からの道路情報を通信処理部
２１１を介して受け取り、入力情報管理部２１２によ
り、必要な情報を抽出して情報蓄積部２１３に蓄積し
て、情報編集部２１４による編集処理に供する構成とな
っている。 【００１６】また、これらの情報配信装置２１０ａ，２
１０ｂ，２１０ｃのそれぞれにおいて、端末管理部２１
５は、通信処理部２１６を介して、それぞれ情報表示板
４２１1 〜４２１n ，情報端末装置４２２1 〜４２２m
およびハイウェイラジオ送信装置４２３1 〜４２３k の
状態情報を受け取って、上述した情報編集部２１４によ
る編集処理に供する構成となっている。 【００１７】例えば、情報配信装置２１０ａ，２１０
ｂ，２１０ｃの端末管理部２１５は、それぞれ出力手段
１０２に対応する端末情報を格納する端末管理テーブル
２２１を備え、受け取った状態情報に基づいて、この端
末管理テーブル２２１を更新する構成とすればよい。こ
の端末管理テーブル２２１は、端末情報保持手段１１１
に相当するものであり、例えば、情報表示板４２１1 〜
４２１n に与えられた識別情報に対応して、それぞれの
端末情報として、個々の情報表示板における表示で必要
とされる道路情報の項目（例えば、イベントの種類，区
間情報など）や設置位置とともに、各情報表示板４２１
が正常に動作しているか否かを示す状態情報を格納する
構成とすればよい。また、端末管理テーブル２２１ｂ，
２２１ｃも同様に構成されている。 【００１８】また、図２において、情報配信装置２１０
ａ，２１０ｂ，２１０ｃのそれぞれに備えられた情報編
集部２１４は、道路情報の入力に応じて、それぞれ対応
する端末管理部２１５の端末管理テーブル２２１を参照
し、後述するようにして、道路情報の取捨選択などの編
集処理を行い、通信処理部２１６を介して、それぞれ情
報表示板４２１1 〜４２１n ，情報端末装置４２２1 〜
４２２m およびハイウェイラジオ送信装置４２３1 〜４
２３k に送出する構成となっている。 【００１９】以下、情報表示板４２１に道路情報を配信
する情報配信装置２１０ａを例にとって、図２ととも
に、図３に示す道路情報の配信動作を表す流れ図を参照
しながら、情報配信装置２１０の各部の詳細構成および
その動作について説明する。まず、道路情報の入力に応
じて、入力情報管理部２１２は、例えば、イベントコー
ドや位置情報に基づいて情報蓄積部２１３を検索し、こ
の検索結果に基づいて、情報蓄積部２１３の更新処理を
行う（ステップ３０１，３０２）。 【００２０】例えば、図４に示すＡ地点からＣ地点まで
の範囲についての渋滞に関する道路情報の入力に応じ
て、検索結果として、この範囲に少なくとも１部が重複
する範囲についての渋滞に関する情報が得られた場合
は、新しい道路情報によって、情報蓄積部２１３に既に
蓄積されていた道路情報を更新すればよい。また、該当
する検索結果が得られなかった場合は、新規の事象に関
する道路情報として、情報蓄積部２１３に追加すればよ
い。 【００２１】次に、情報編集部２１４の範囲選択部２２
２は、入力された道路情報の優先順位やイベントの種類
などを考慮して、該当する道路情報を提供するべき区間
を求め、この区間に含まれる情報表示板４２１を送出対
象候補として選択し、該当する情報表示板４２１の識別
情報を照合処理部２２３に送出する（ステップ３０
３）。 【００２２】例えば、上述した渋滞に関する道路情報の
場合は、Ａ地点の手前の地点（図４に符号Ｄで示す）か
らＣ地点までを道路情報を提供するべき範囲とし、この
範囲に設置された情報表示板４２１を送出対象候補とし
て選択すればよい。また、例えば、大地震の発生などの
ように極度に優先順位の高い道路情報は、全ての情報表
示板４２１を送出対象候補として選択すればよい。 【００２３】ステップ３０３で得られた送出対象を示す
識別情報の入力に応じて、照合処理部２２３は端末管理
テーブル２２１を参照し、該当する端末情報と道路情報
のイベントの種類とを照合し、最終的な送出対象の情報
表示板４２１を選択する（ステップ３０４）。ここで、
ステップ３０３で得られた送出対象の情報表示板４２１
には、例えば、風速や天候のみを表示するタイプのもの
も含めて、様々な種類の情報表示板４２１が含まれてい
るが、上述したステップ３０４の照合処理を行うことに
より、渋滞区間の表示が可能な情報表示板４２１のみを
最終的な送出対象として選択することができる。 【００２４】このように、端末管理テーブル２２１を参
照しながら、範囲選択部２２２と照合処理部２２３とが
動作することにより、照合手段１１２の機能を実現し、
入力された道路情報に応じて適切な情報表示板４２１を
選択し、送出処理に供することができる。次に、情報編
集部２１４の加工処理部２２４は、入力された道路情報
が、渋滞に関する情報のように、特定の区間に関するも
のであるか否かに基づいて、位置に応じた道路情報の加
工処理が必要か否かを判定する（ステップ３０５）。 【００２５】このステップ３０５における否定判定の場
合は、ステップ３０６に進み、通信処理部２１６を介し
て、ステップ３０１で入力された道路情報をそのまま送
出対象の情報表示板４２１のそれぞれに送出し、この送
出処理の終了後に配信処理を終了すればよい。一方、ス
テップ３０５の肯定判定の場合に、加工手段１１３に相
当する加工処理部２２４は端末管理テーブル２２１を参
照し、送出対象の情報表示板４２１のそれぞれの設置位
置を求めて、この設置位置と道路情報の区間との関係に
基づいて、道路情報に含まれる区間情報の変更を行う
（ステップ３０７）。 【００２６】例えば、図４に示したＢ地点に設置された
情報表示板４２１に対して、上述した渋滞に関する道路
情報を送出する際に、加工処理部２２４は、道路情報に
含まれている渋滞の区間を示す情報（「Ａ地点からＣ地
点まで」）と、情報表示板４２１に対応して端末管理テ
ーブル２２１を参照することでこの情報表示板４２１の
設置位置として得られるＢ地点に関する位置情報とから
Ｂ地点からＣ地点までの距離ＸKmを算出し、これを用い
て、道路情報を「Ｃ地点までのＸキロメートル」の区間
の渋滞を示す情報に変更すればよい。 【００２７】このようにして加工された道路情報の入力
に応じて、通信処理部２１６は送出手段１１４として動
作し、指定された情報表示板４２１に対してこの道路情
報を送出し（ステップ３０８）、その後、送出対象の全
ての情報表示板４２１への送信が終了したか否かを判定
する（ステップ３０９）。このステップ３０９の否定判
定の場合は、ステップ３０７に戻って、次の情報表示板
４２１についての加工処理および送信処理を行い、この
動作を繰り返して、全ての送信対象についての処理が終
了したときに、ステップ３０９の肯定判定として、配信
処理を終了すればよい。 【００２８】情報端末装置４２２1 〜４２２m に対応す
る情報配信装置２１０ｂおよびハイウェイラジオ送信装
置４２３1 〜４２３k に対応する情報配信装置２１０ｃ
も、同様にして、各情報端末装置４２２およびハイウェ
イラジオ送信装置４２３の設置位置を考慮して、道路情
報の編集処理および送信処理を行えばよい。この場合
は、範囲選択部２２２により、入力される道路情報に含
まれる位置情報に応じて、送出対象の出力手段１０２を
決定しているので、事故や渋滞などの発生箇所にかかわ
らず、その近辺の情報表示板４２１などの出力手段１０
２を介して利用者に確実に情報を提供することができ
る。 【００２９】また、イベントの種類に応じて、範囲選択
部２２２が選択する範囲を変更することが可能であるか
ら、イベントの緊急度に応じて、該当するイベントに関
する情報を利用者に提供する区間を限定したり、逆に全
ての出力手段１０２に対応する区間で利用者に提供した
り、といった柔軟な運用が可能である。特に、情報配信
装置２１０ｂにより、ハイウェイラジオ送信装置４２３
1 〜４２３k にそれぞれの設置位置を考慮した区間で発
生したイベントに関する道路情報を配信したことによ
り、各ハイウェイラジオ送信装置４２３に対応する区間
において利用者が受信するラジオ情報の内容を該当する
区間に近接した範囲の情報に限定することができる。こ
れにより、利用者は、ラジオ情報により、最も必要とし
ている進行方向の近接した区域の道路情報を確実に得る
ことができ、利用者の心理的な負担を大幅に軽減するこ
とができる。 【００３０】更に、上述したように、個々の出力手段１
０２ごとに情報を加工することができるから、例えば、
個々の情報表示板４２１の位置から測った渋滞区間を表
示することが可能となり、正確で直観的に把握しやすい
情報を利用者に提供することができる。 【００３１】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、イベント
の発生箇所にかかわらず、その近辺の出力手段を介して
利用者に確実に該当するイベントに関する情報を提供す
ることができ、更に、各出力手段の位置に応じて、提供
する情報の内容を加工することができるので、正確で直
観的に把握しやすい情報を利用者に提供することが可能
である。 【００３２】これにより、利用者の心理的な負担を大幅
に軽減し、快適な走行環境を提供することが可能とな
り、道路における安全性の向上を測ることができる。
利用者に道路情報を提供する道路交通情報提供システム
に関するものである。高速道路や一般道路においては、
道路上を走行する車両の安全を図り、利用者が快適に運
転できるように、ラジオ放送や情報表示板などにより、
様々な道路情報を利用者に提供している。 【０００２】このような道路情報の提供を管理する道路
交通情報提供システムにおいては、様々な道路情報を正
確に収集するとともに、利用者に正確で分かりやすい情
報を提供することが必要とされている。特に、近年で
は、利用者からよりきめ細かな情報の提供が要望されて
おり、これに伴って、より多様な情報を柔軟に提供する
ことが可能な情報提供システムが必要とされている。 【０００３】 【従来の技術】図５に、従来の道路交通情報提供システ
ムの構成例を示す。図５において、センタ４１０に備え
られた情報処理装置４１１は、各地に設置された様々な
種類のセンサなどを介して収集した情報に基づいて、所
定のフォーマットを有する道路情報を作成する構成とな
っている。 【０００４】例えば、情報処理装置４１１は、図６に示
すように、道路情報が表す事象を表すイベント情報とそ
の事象の発生場所を示す位置情報とを含んだ構成の道路
情報を作成すればよい。このようにして作成された道路
情報は、この情報処理装置４１１により、各所に設置さ
れた情報表示板４２１1 〜４２１n のそれぞれ，各サー
ビスエリアに設置された情報端末装置４２２1 〜４２２
m および各区間に配置されたハイウェイラジオ送信装置
４２３1 〜４２３k に配信され、利用者への情報提供処
理に供されている。 【０００５】このとき、情報処理装置４１１は、情報表
示板４２１が表示可能な情報に文字数など様々な制約が
あることを考慮して、その種類や概略の位置に基づい
て、道路情報をある程度選別して配信している。例え
ば、渋滞区間を文字情報として表示するために、管轄区
域内の路線に設置された多数の情報表示板４２１ａに道
路情報を配信する際には、これらの情報表示板４２１ａ
をその位置に基づいて幾つかのグループに分割し、渋滞
に関する道路情報から、これらのグループに属する情報
表示板４２１の位置に応じた位置情報を含んだ道路情報
を選別してそれぞれ配信している。 【０００６】また、一方、例えば、首都高速道路などの
全路線図上で渋滞区間を表示する構成の情報表示板４２
１ｂには、各所に設けられた情報表示板４２１ｂに同じ
情報を配信している。その一方、情報端末装置４２２や
ハイウェイラジオ送信装置４２３では、特に提供できる
情報に制限がないことから、各情報端末装置４２２およ
び各ハイウェイラジオ送信装置４２３には、それぞれセ
ンタ４１０の管轄区域全体に関する情報が配信されてい
た。 【０００７】 【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の道路交通情報提供システムにおいては、センタ４１０
の情報処理装置４１１が一括して、各所に設置された情
報表示板４２１や情報端末装置４２２およびハイウェイ
ラジオ送信装置４２３への道路情報の配信を管理してい
る。 【０００８】このため、個々の情報表示板４２１や情報
端末装置４２２およびハイウェイラジオ送信装置４２３
に、それぞれの利用者が必要としている情報を選択的に
配信することはできなかった。例えば、情報表示板４２
１は、上述したようにある程度のグループ分けがされて
いるが、かなり大まかな分け方であるため、かなり広い
範囲に散らばって設置された情報表示板４２１が１つの
グループに分類されてしまっている。また、このグルー
プ分けは、イベントの発生場所などにかかわらず固定的
なものであった。このため、図７に示すように、２つの
グループＡ，Ｂの境界付近まで続く渋滞などのイベント
が発生していても、この渋滞に関する道路情報が配信さ
れるのは、グループＡに属する情報表示板４２１（図７
において、符号〜で示す）に限られてしまい、グル
ープＢに属する情報表示板４２１（図７において、符号
〜で示す）には配信されない。このため、利用者
が、グループＢに対応する区間からグループＡに対応す
る区間に向かって走行する場合に、予備知識を持たない
まま、渋滞に遭遇してしまう可能性がある。 【０００９】また、従来の方式においては、各区間のハ
イウェイラジオ送信装置４２３により、路線全体に渡る
情報を繰り返し送信しているので、利用者は、この放送
を１サイクル分だけ聞くことで路線全体の概略の道路情
報を得ることができる。しかしながら、利用者が現在位
置の近辺の情報を得ようとしても、利用者が放送区間を
通過するタイミングによっては聞き逃してしまう場合が
あり、また、放送されている情報が路線全体に関するも
のであるため、各区間に関する詳細な情報を得ることが
できなかった。 【００１０】このように、従来の道路交通情報提供シス
テムでは、実際に道路を通行する利用者が必要としてい
る情報、すなわち、利用者自身の位置に近接した前方の
区間に関する情報を提供することができなかった。本発
明は、個々の情報提供手段がその位置に応じた適切な情
報を提供することが可能な道路交通情報提供システムを
提供することを目的とする。 【００１１】 【課題を解決するための手段】図１は、本発明の原理ブ
ロック図である。請求項１の発明は、センタに備えられ
た情報処理装置１０１により、道路上の走行にかかわる
情報を収集して、それぞれの事象に関する道路情報を作
成し、配信手段１１０を介して複数の出力手段１０２に
配信し、利用者への情報提供に供する構成の道路交通情
報提供システムにおいて、道路情報は、対象とする事象
を示す情報とこの事象の位置に関する情報とを含んだ構
成であり、配信手段１１０は、複数の出力手段１０２の
設置位置および出力する情報の制限を含む端末情報を保
持する端末情報保持手段１１１と、入力される道路情報
のそれぞれと、端末情報保持手段１１１が持つ複数の出
力手段１０２の出力する情報の制限とを照合し、この照
合結果に応じて、前記道路情報を送出する対象とする出
力手段１０２を送出対象として選択する照合手段１１２
と、道路情報に含まれる位置に関する情報を、送出対象
の出力手段１０２のそれぞれに対応する端末情報に含ま
れる設置位置に応じてそれぞれ変更する加工手段１１３
と、加工手段１１３による加工処理を施された道路情報
をそれぞれ対応する出力手段１０２に送出する送出手段
１１４とを備えた構成であることを特徴とする。 【００１２】 【作用】本発明は、照合手段１１２により、情報処理装
置１０１から受け取った道路情報と端末情報保持手段１
１１に保持された各出力手段１０２の設置位置および出
力可能な情報の制限とに基づいて、送出対象の出力手段
１０２を選択する。したがって、事象の発生場所にかか
わらず、その近辺に存在し、受け取った道路情報を出力
可能な出力手段１０２を確実に送出対象として選択する
ことができる。 【００１３】更に、加工手段１１３により、各送出対象
に対応する端末情報に含まれている設置位置、道路情報
に位置に関する情報として含まれている事象の継続区間
に関する情報を変更し、送出手段１１４を介して出力手
段１０２に送出することにより、個々の出力手段１０２
にそれぞれ適切な加工を加えた道路情報を送出し、利用
者への情報提供処理に供することができる。これによ
り、道路交通情報システムの各出力手段１０２が、その
位置に応じた適切な情報を利用者に提供することが可能
となる。 【００１４】 【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例につい
て詳細に説明する。図２は、本発明の道路交通情報提供
システムの実施例構成図である。図２において、情報処
理装置１０１に相当するセンタ４１０の情報処理装置４
１１は、例えば、３つの情報配信装置２１０ａ，２１０
ｂ，２１０ｃを介して、出力手段１０２に相当するｎ個
の情報表示板４２１1 〜４２１n ，ｍ個の情報端末装置
４２２1 〜４２２m およびｋ個のハイウェイラジオ送信
装置４２３1 〜４２３k のそれぞれに、情報を配信する
構成となっている。 【００１５】この情報配信装置２１０ａ，２１０ｂ，２
１０ｃのそれぞれは、配信手段１１０に相当するもので
あり、情報処理装置４１１からの道路情報を通信処理部
２１１を介して受け取り、入力情報管理部２１２によ
り、必要な情報を抽出して情報蓄積部２１３に蓄積し
て、情報編集部２１４による編集処理に供する構成とな
っている。 【００１６】また、これらの情報配信装置２１０ａ，２
１０ｂ，２１０ｃのそれぞれにおいて、端末管理部２１
５は、通信処理部２１６を介して、それぞれ情報表示板
４２１1 〜４２１n ，情報端末装置４２２1 〜４２２m
およびハイウェイラジオ送信装置４２３1 〜４２３k の
状態情報を受け取って、上述した情報編集部２１４によ
る編集処理に供する構成となっている。 【００１７】例えば、情報配信装置２１０ａ，２１０
ｂ，２１０ｃの端末管理部２１５は、それぞれ出力手段
１０２に対応する端末情報を格納する端末管理テーブル
２２１を備え、受け取った状態情報に基づいて、この端
末管理テーブル２２１を更新する構成とすればよい。こ
の端末管理テーブル２２１は、端末情報保持手段１１１
に相当するものであり、例えば、情報表示板４２１1 〜
４２１n に与えられた識別情報に対応して、それぞれの
端末情報として、個々の情報表示板における表示で必要
とされる道路情報の項目（例えば、イベントの種類，区
間情報など）や設置位置とともに、各情報表示板４２１
が正常に動作しているか否かを示す状態情報を格納する
構成とすればよい。また、端末管理テーブル２２１ｂ，
２２１ｃも同様に構成されている。 【００１８】また、図２において、情報配信装置２１０
ａ，２１０ｂ，２１０ｃのそれぞれに備えられた情報編
集部２１４は、道路情報の入力に応じて、それぞれ対応
する端末管理部２１５の端末管理テーブル２２１を参照
し、後述するようにして、道路情報の取捨選択などの編
集処理を行い、通信処理部２１６を介して、それぞれ情
報表示板４２１1 〜４２１n ，情報端末装置４２２1 〜
４２２m およびハイウェイラジオ送信装置４２３1 〜４
２３k に送出する構成となっている。 【００１９】以下、情報表示板４２１に道路情報を配信
する情報配信装置２１０ａを例にとって、図２ととも
に、図３に示す道路情報の配信動作を表す流れ図を参照
しながら、情報配信装置２１０の各部の詳細構成および
その動作について説明する。まず、道路情報の入力に応
じて、入力情報管理部２１２は、例えば、イベントコー
ドや位置情報に基づいて情報蓄積部２１３を検索し、こ
の検索結果に基づいて、情報蓄積部２１３の更新処理を
行う（ステップ３０１，３０２）。 【００２０】例えば、図４に示すＡ地点からＣ地点まで
の範囲についての渋滞に関する道路情報の入力に応じ
て、検索結果として、この範囲に少なくとも１部が重複
する範囲についての渋滞に関する情報が得られた場合
は、新しい道路情報によって、情報蓄積部２１３に既に
蓄積されていた道路情報を更新すればよい。また、該当
する検索結果が得られなかった場合は、新規の事象に関
する道路情報として、情報蓄積部２１３に追加すればよ
い。 【００２１】次に、情報編集部２１４の範囲選択部２２
２は、入力された道路情報の優先順位やイベントの種類
などを考慮して、該当する道路情報を提供するべき区間
を求め、この区間に含まれる情報表示板４２１を送出対
象候補として選択し、該当する情報表示板４２１の識別
情報を照合処理部２２３に送出する（ステップ３０
３）。 【００２２】例えば、上述した渋滞に関する道路情報の
場合は、Ａ地点の手前の地点（図４に符号Ｄで示す）か
らＣ地点までを道路情報を提供するべき範囲とし、この
範囲に設置された情報表示板４２１を送出対象候補とし
て選択すればよい。また、例えば、大地震の発生などの
ように極度に優先順位の高い道路情報は、全ての情報表
示板４２１を送出対象候補として選択すればよい。 【００２３】ステップ３０３で得られた送出対象を示す
識別情報の入力に応じて、照合処理部２２３は端末管理
テーブル２２１を参照し、該当する端末情報と道路情報
のイベントの種類とを照合し、最終的な送出対象の情報
表示板４２１を選択する（ステップ３０４）。ここで、
ステップ３０３で得られた送出対象の情報表示板４２１
には、例えば、風速や天候のみを表示するタイプのもの
も含めて、様々な種類の情報表示板４２１が含まれてい
るが、上述したステップ３０４の照合処理を行うことに
より、渋滞区間の表示が可能な情報表示板４２１のみを
最終的な送出対象として選択することができる。 【００２４】このように、端末管理テーブル２２１を参
照しながら、範囲選択部２２２と照合処理部２２３とが
動作することにより、照合手段１１２の機能を実現し、
入力された道路情報に応じて適切な情報表示板４２１を
選択し、送出処理に供することができる。次に、情報編
集部２１４の加工処理部２２４は、入力された道路情報
が、渋滞に関する情報のように、特定の区間に関するも
のであるか否かに基づいて、位置に応じた道路情報の加
工処理が必要か否かを判定する（ステップ３０５）。 【００２５】このステップ３０５における否定判定の場
合は、ステップ３０６に進み、通信処理部２１６を介し
て、ステップ３０１で入力された道路情報をそのまま送
出対象の情報表示板４２１のそれぞれに送出し、この送
出処理の終了後に配信処理を終了すればよい。一方、ス
テップ３０５の肯定判定の場合に、加工手段１１３に相
当する加工処理部２２４は端末管理テーブル２２１を参
照し、送出対象の情報表示板４２１のそれぞれの設置位
置を求めて、この設置位置と道路情報の区間との関係に
基づいて、道路情報に含まれる区間情報の変更を行う
（ステップ３０７）。 【００２６】例えば、図４に示したＢ地点に設置された
情報表示板４２１に対して、上述した渋滞に関する道路
情報を送出する際に、加工処理部２２４は、道路情報に
含まれている渋滞の区間を示す情報（「Ａ地点からＣ地
点まで」）と、情報表示板４２１に対応して端末管理テ
ーブル２２１を参照することでこの情報表示板４２１の
設置位置として得られるＢ地点に関する位置情報とから
Ｂ地点からＣ地点までの距離ＸKmを算出し、これを用い
て、道路情報を「Ｃ地点までのＸキロメートル」の区間
の渋滞を示す情報に変更すればよい。 【００２７】このようにして加工された道路情報の入力
に応じて、通信処理部２１６は送出手段１１４として動
作し、指定された情報表示板４２１に対してこの道路情
報を送出し（ステップ３０８）、その後、送出対象の全
ての情報表示板４２１への送信が終了したか否かを判定
する（ステップ３０９）。このステップ３０９の否定判
定の場合は、ステップ３０７に戻って、次の情報表示板
４２１についての加工処理および送信処理を行い、この
動作を繰り返して、全ての送信対象についての処理が終
了したときに、ステップ３０９の肯定判定として、配信
処理を終了すればよい。 【００２８】情報端末装置４２２1 〜４２２m に対応す
る情報配信装置２１０ｂおよびハイウェイラジオ送信装
置４２３1 〜４２３k に対応する情報配信装置２１０ｃ
も、同様にして、各情報端末装置４２２およびハイウェ
イラジオ送信装置４２３の設置位置を考慮して、道路情
報の編集処理および送信処理を行えばよい。この場合
は、範囲選択部２２２により、入力される道路情報に含
まれる位置情報に応じて、送出対象の出力手段１０２を
決定しているので、事故や渋滞などの発生箇所にかかわ
らず、その近辺の情報表示板４２１などの出力手段１０
２を介して利用者に確実に情報を提供することができ
る。 【００２９】また、イベントの種類に応じて、範囲選択
部２２２が選択する範囲を変更することが可能であるか
ら、イベントの緊急度に応じて、該当するイベントに関
する情報を利用者に提供する区間を限定したり、逆に全
ての出力手段１０２に対応する区間で利用者に提供した
り、といった柔軟な運用が可能である。特に、情報配信
装置２１０ｂにより、ハイウェイラジオ送信装置４２３
1 〜４２３k にそれぞれの設置位置を考慮した区間で発
生したイベントに関する道路情報を配信したことによ
り、各ハイウェイラジオ送信装置４２３に対応する区間
において利用者が受信するラジオ情報の内容を該当する
区間に近接した範囲の情報に限定することができる。こ
れにより、利用者は、ラジオ情報により、最も必要とし
ている進行方向の近接した区域の道路情報を確実に得る
ことができ、利用者の心理的な負担を大幅に軽減するこ
とができる。 【００３０】更に、上述したように、個々の出力手段１
０２ごとに情報を加工することができるから、例えば、
個々の情報表示板４２１の位置から測った渋滞区間を表
示することが可能となり、正確で直観的に把握しやすい
情報を利用者に提供することができる。 【００３１】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、イベント
の発生箇所にかかわらず、その近辺の出力手段を介して
利用者に確実に該当するイベントに関する情報を提供す
ることができ、更に、各出力手段の位置に応じて、提供
する情報の内容を加工することができるので、正確で直
観的に把握しやすい情報を利用者に提供することが可能
である。 【００３２】これにより、利用者の心理的な負担を大幅
に軽減し、快適な走行環境を提供することが可能とな
り、道路における安全性の向上を測ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の原理ブロック図である。
【図２】本発明の道路交通情報提供システムの実施例構
成図である。 【図３】道路情報の配信動作を表す流れ図である。 【図４】道路情報を説明する図である。 【図５】従来の道路情報提供システムの構成例を示す図
である。 【図６】道路情報の構成図である。 【図７】情報表示板のグループ分けを説明する図であ
る。 【符号の説明】 １０１，４１１ 情報処理装置 １０２ 出力手段 １１０ 配信手段 １１１ 端末情報保持手段 １１２ 照合手段 １１３ 加工手段 １１４ 送出手段 ２１０ 情報配信装置 ２１１，２１６ 通信処理部 ２１２ 入力情報管理部 ２１３ 情報蓄積部 ２１４ 情報編集部 ２１５ 端末管理部 ２２１ 端末管理テーブル ２２２ 範囲選択部 ２２３ 照合処理部 ２２４ 加工処理部 ４１０ センタ ４２１ 情報表示板 ４２２ 情報端末装置 ４２３ ハイウェイラジオ送信装置
成図である。 【図３】道路情報の配信動作を表す流れ図である。 【図４】道路情報を説明する図である。 【図５】従来の道路情報提供システムの構成例を示す図
である。 【図６】道路情報の構成図である。 【図７】情報表示板のグループ分けを説明する図であ
る。 【符号の説明】 １０１，４１１ 情報処理装置 １０２ 出力手段 １１０ 配信手段 １１１ 端末情報保持手段 １１２ 照合手段 １１３ 加工手段 １１４ 送出手段 ２１０ 情報配信装置 ２１１，２１６ 通信処理部 ２１２ 入力情報管理部 ２１３ 情報蓄積部 ２１４ 情報編集部 ２１５ 端末管理部 ２２１ 端末管理テーブル ２２２ 範囲選択部 ２２３ 照合処理部 ２２４ 加工処理部 ４１０ センタ ４２１ 情報表示板 ４２２ 情報端末装置 ４２３ ハイウェイラジオ送信装置
─────────────────────────────────────────────────────
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(56)参考文献 特開 平４−23099（ＪＰ，Ａ)
特開 平２−226400（ＪＰ，Ａ)
特開 平６−162388（ＪＰ，Ａ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
G08G 1/00 - 1/16
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 センタに備えられた情報処理装置によ
り、道路上の走行にかかわる情報を収集して、それぞれ
の事象に関する道路情報を作成し、配信手段を介して複
数の出力手段に配信し、利用者への情報提供に供する構
成の道路交通情報提供システムにおいて、 前記道路情報は、対象とする事象を示す情報とこの事象
の位置に関する情報とを含んだ構成であり、 前記配信手段は、 前記複数の出力手段の設置位置および出力する情報の制
限を含む端末情報を保持する端末情報保持手段と、 入力される道路情報のそれぞれと、前記端末情報保持手
段が持つ前記複数の出力手段の出力する情報の制限とを
照合し、この照合結果に応じて、前記道路情報を送出す
る対象とする出力手段を送出対象として選択する照合手
段と、 前記道路情報に含まれる位置に関する情報を、前記送出
対象の出力手段のそれぞれに対応する端末情報に含まれ
る設置位置に応じてそれぞれ変更する加工手段と、 前記加工手段による加工処理を施された道路情報をそれ
ぞれ対応する前記出力手段に送出する送出手段とを備え
た構成であることを特徴とする道路交通情報提供システ
ム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03202195A JP3488533B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | 道路交通情報提供システム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03202195A JP3488533B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | 道路交通情報提供システム |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08227495A JPH08227495A (ja) | 1996-09-03 |
| JP3488533B2 true JP3488533B2 (ja) | 2004-01-19 |
Family
ID=12347216
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03202195A Expired - Fee Related JP3488533B2 (ja) | 1995-02-21 | 1995-02-21 | 道路交通情報提供システム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3488533B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103745606B (zh) * | 2013-12-30 | 2016-01-20 | 北京交通大学 | 一种可变信息标志布设方法和系统 |
-
1995
- 1995-02-21 JP JP03202195A patent/JP3488533B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08227495A (ja) | 1996-09-03 |
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