JP3488513B2 - エンドトキシンの吸着除去剤 - Google Patents
エンドトキシンの吸着除去剤Info
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Description
除去剤およびそれを用いた吸着除去方法に関する。更に
詳しくは、生物体にとって有害なエンドトキシンを含む
系から、該エンドトキシンを除去するためのエンドトキ
シンの吸着除去剤およびそれを用いた吸着除去方法に関
する。
キシンは化学的にはグラム陰性菌の細胞表層の構成成分
であるリポ多糖体およびその蛋白複合体であり、哺乳動
物の体内に入ると発熱や毒性を示す物質である。生物体
や生体成分を対象とした技術、例えば、バイオリアクタ
ー、細胞培養、各種の輸液・輸血療法などの進展に伴
い、これらの技術で用いられる液体に含まれる可能性が
あるエンドトキシンの除去が望まれている。また、生体
局所に存在するエンドトキシンが関与した疾患も知られ
ており、この場合もエンドトキシンの除去が望まれる。
させる方法として、熱、酸、アルカリ、ある種の界面活
性剤での処理などが知られているが、これらの方法の大
部分は手間もかかり、有用物質を失活させることも考え
られる。そこで、近年では、限外濾過膜(特開平4−2
2491号公報)やエンドトキシンと親和性のあるリガ
ンド、例えば含窒素複素環式化合物を固定化した不溶性
担体(特開昭57−183712号公報)などの利用が
試みられているが、安全面、除去能力や価格の点などで
解決すべき問題が残されているものが多く見受けられ
る。
ム塩を固定化した水不溶性固体のある種のものには殺菌
活性があり、その殺菌特性は薬剤中のアルカリ鎖長など
の違いや、被験菌の種類によりさまざまであること(J.
Antibact. Antifung. Agents Vol.19、p53-59、1991)
が報告されている。また、この殺菌特性を失わせること
なく安定に配合し、優れたプラークコントロール効果を
示すことを目的とした口腔用組成物に関する報告もなさ
れている(特開平5−310545号公報)。このよう
に、オルガノシリコン第四級アンモニウム塩を固定化し
た水不溶性固体については、殺菌活性やその安定配合に
関する研究はなされているが、エンドトキシンの吸着除
去に関する研究はいまだなされていない。
有効に吸着除去することのできるエンドトキシンの吸着
除去剤を提供することにある。本発明の他の目的は、こ
の吸着除去剤を用いて効率良くエンドトキシンを除去す
るエンドトキシンの吸着除去方法を提供することにあ
る。
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、その作用機序は明らかで
はないが、オルガノシリコン第四級アンモニウム塩を固
定化した水不溶性固体が、エンドトキシンを含む系にお
いて該エンドトキシンを極めて有効に吸着することを見
出し、本発明を完成するに至った。
(I)で示されるオルガノシリコン第四級アンモニウム
塩を固定化した水不溶性固体を有効成分として含有する
ことを特徴とするエンドトキシンの吸着除去剤、 R1 3N+ R2 SiR3 nX3-n ・ Y- (I) (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基な
どの加水分解可能な基であり、Yは塩素原子または臭素
原子を表す。R1 は同一または異なる炭素数1〜22の
1価の脂肪族炭化水素基を、R2 は2価の炭化水素基
を、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル基、フェニル
基、またはCF3 CH2 CH2 を表す。nは0、1また
は2を表す。) (2)一般式(I)で示されるオルガノシリコン第四級
アンモニウム塩において、3つのR1 のうちの2つがメ
チル基で残りの1つが炭素数8〜22のアルキル基であ
る、前記(1)記載の吸着除去剤、(3)一般式(I)
で示されるオルガノシリコン第四級アンモニウム塩にお
いて、3つのR1 のうちの2つがメチル基で残りの1つ
が炭素数16〜20のアルキル基であり、R2 が炭素数
2〜4のアルキレン基または−CH2 CH2 CH2 NH
CH2 CH2 −である、前記(1)記載の吸着除去剤、
(4)一般式(I)で示されるオルガノシリコン第四級
アンモニウム塩が一般式(II)で示されるものである、
前記(1)記載の吸着除去剤、
ル基を表す。) (5)前記(1)〜(4)いずれかに記載のエンドトキ
シンの吸着除去剤をカラムに充填し、エンドトキシン含
有溶液を該カラムに導通することを特徴とするエンドト
キシンの吸着除去方法、(6)前記(1)〜(4)いず
れかに記載のエンドトキシン吸着除去剤とエンドトキシ
ン含有溶液を混合攪拌し、次いで該エンドトキシン吸着
除去剤を分離することを特徴とするエンドトキシンの吸
着除去方法、(7)前記(1)〜(4)いずれかに記載
のエンドトキシン吸着除去剤をエンドトキシンの付着す
る物体表面に接触させることを特徴とするエンドトキシ
ンの吸着除去方法、に関する。
ではオルガノシリコン第四級アンモニウム塩を固定化し
て用いる。このオルガノシリコン第四級アンモニウム塩
は一般式(I): R1 3N+ R2 SiR3 nX3-n ・ Y- (I) で示される公知の化合物で、通常アルコール溶液として
市販されている。
アシル基などの加水分解可能な基であり、好ましくは−
OCH3 あるいは−OCH2 CH3 である。Yは塩素原
子または臭素原子であり、いずれでもよいが好ましくは
塩素原子である。R1 は同一または異なる炭素数1〜2
2の1価の脂肪族炭化水素基であり、特に3つのR1の
うちの2つがメチル基で残りの1つが炭素数8〜22の
アルキル基であることが好ましく、さらには3つのR1
のうちの2つがメチル基で残りの1つが炭素数16〜2
0のアルキル基であることがより好ましい。R2 は2価
の炭化水素基であり、特に炭素数2〜4のアルキレン基
または−CH2 CH2 CH2 NHCH2CH2 −である
ことが好ましい。R3 はメチル基のような炭素数1〜3
の低級アルキル基、フェニル基、またはCF3 CH2 C
H2 を表す。nは0、1または2を表し、好ましくは0
である。
ウム塩のうち、好適なものとして一般式(II)で表され
るものが挙げられるが、本発明においては特にこれに限
定されるものではない。
ル基のものが好ましい。
アンモニウム塩を固定化する水不溶性固体は、無機物質
および有機物質を含めていずれの水不溶性固体でもよ
く、また、該固体は合成または天然のいずれでもよい。
例えば、金属、金属酸化物および金属炭酸塩、珪酸質物
質、樹脂およびプラスチック、セルロース物質、キチン
・キトサン物質等を挙げることができる。特に好ましい
水不溶性固体の例としては、金属、金属酸化物および金
属炭酸塩として、例えば、鉄、アルミニウム、銅、ニッ
ケル、二酸化チタン、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化鉄、炭酸カルシウム、リン酸水素カルシウ
ム、および炭酸マグネシウム;珪酸質物質として、例え
ば、ガラス、シリカ、珪藻土、粉砕石英、マイカ、ゼオ
ライト、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカルシウ
ム、珪酸マグネシウム、および珪酸ジルコニウム;樹脂
およびプラスチックとして、例えば、ポリエステル、ポ
リアミド、酢酸セルロース、レーヨン、ポリスチレン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、シリコン樹脂、およびポリカーボネート樹
脂;セルロース物質として、例えば、木材、綿、および
麻;キチン・キトサン物質として、例えばキチン・キト
サンの多重合体が挙げられる。また、その他の天然有機
物質として、例えば、絹およびウールを挙げることがで
きる。これらの水不溶性固体の粒径は、通常10〜25
0μm、好ましくは50〜200μmのものが使用され
る。
は、自体公知の方法で前記の水不溶性固体に固定化する
ことができる。例えば、オルガノシリコン第四級アンモ
ニウム塩の溶液を浸漬または噴霧することによって水不
溶性固体を被覆し、ついで、被覆物質を乾燥させるかま
たは被覆工程の後に加熱することにより固定化すること
ができる。ここで用いる処理溶液は、好ましくはオルガ
ノシリコン第四級アンモニウム塩の水性または有機溶媒
溶液が用いられる。このような処理溶液は該オルガノシ
リコン第四級アンモニウム塩を水または有機溶媒、例え
ば、メタノール、エタノールまたはヘキサンに添加する
ことによって容易に調製される。処理溶液中のオルガノ
シリコン第四級アンモニウム塩の濃度は0.25〜10
重量%で満足な結果が得られる。
理固体の表面を風乾または加熱すると、オルガノシリコ
ン第四級アンモニウム塩の被膜が該固体の表面に固定化
される。この処理固体を65〜100℃で数分間加熱す
ると、オルガノシリコン第四級アンモニウム塩の被膜が
より強固に該固体の表面に固定化される。所望により、
通常のシラノール縮合触媒(例えば、水)を処理溶液に
添加してシラノール縮合性を高め、表面への固定化率を
向上させる事ができる。水不溶性固体への固定化量は、
0.1〜100μmole/gである。
ン第四級アンモニウム塩を固定化した水不溶性固体(以
下、吸着体ともいう)はエンドトキシンを効果的に吸着
するので、エンドトキシンを含有する系に吸着体を接触
させてエンドトキシンを該吸着体に吸着させた後、吸着
体と系を分離あるいは系から吸着体を除くことにより、
系内からエンドトキシンを有効に除去することができ
る。エンドトキシンの吸着処理は通常0〜70℃、好ま
しくは20〜50℃で行われ、また処理液中のpHは通
常3〜9が好ましい。
する具体的な方法としては、エンドトキシンを含む系が
エンドトキシンを含む溶液の場合、通常のカラム法やバ
ッチ法などが挙げられる。例えば、カラム法による場合
は吸着体をカラムに充填し、塩類溶液、水、緩衝液など
で洗浄後、エンドトキシン含有溶液を導通すれば、エン
ドトキシンは吸着体に吸着され、エンドトキシンを含ま
ない液が流出液として得られる。一方、バッチ法による
場合は吸着体にエンドトキシン含有溶液を加えて混合
し、該混合物を攪拌してエンドトキシンを吸着体に吸着
させた後、溶液の濾過や遠心分離等により吸着体を溶液
から分離することにより、エンドトキシンを含まない溶
液が得られる。
局所であったり、エンドトキシンが付着した物体表面で
ある場合、吸着体を含む溶液や組成物を系に接触させる
ことによりエンドトキシンを吸着させて除去することが
できる。この場合、接触時にあるいは接触させた後に、
機械的な方法、例えば、水流洗浄やブラシ、布、不織
布、紙などを用いることにより、エンドトキシンの吸着
率を高めて除去効率を上げ、処理後の吸着体を系から取
り除くことができる。また、本発明においては吸着体を
ブラシの毛、布、不織布、紙などにしみ込ませたり、繊
維に練りこみあるいは繊維表面に吸着させて使用するこ
ともできる。
クリームなどのペースト状、リンスなどの液状、あるい
はガム状等の形態に公知の方法で調製することができ
る。この場合、吸着体を単独あるいは2種以上を組み合
わせて、組成物全体に対してオルガノシリコン第四級ア
ンモニウム塩固定化水不溶性固体を0.001〜50重
量%、好ましくは0.01〜20重量%となるように配
合する。配合量がこの範囲より少ないと、十分なエンド
トキシン吸着除去効果が得られず、この範囲より多いと
組成物の性状が不安定となる。また、他の配合成分は特
に限定されるものではなく、殺菌剤などの薬効剤や香料
をはじめ、通常、この種の組成物に配合されるものが適
宜使用できる。
前記のような吸着体自体、吸着体を含む溶液、あるいは
吸着体を含む組成物を意味するものである。本発明にお
いて吸着されるエンドトキシンの由来は、特に限定され
ず、例えば大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、チフス菌
等、種々の微生物由来のエンドトキシンを吸着除去する
ことができる。従って、本発明の吸着除去剤は、例えば
水処理、エンドトキシンフリー水の作成、輸液、輸血用
血液からのエンドトキシンの除去、食品や飲料からのエ
ンドトキシンの除去、種々の容器やチューブ、医療用・
研究用器具からのエンドトキシンの除去等の用途におい
て使用される。
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。なお、特に断らない限り%は重量%
を表す。
オルガノシリコン第四級アンモニウム塩をシリカに固定
化したものに用いて、エンドトキシンの吸着除去効果を
以下のようにして評価した。その結果を表1に示す。
ム塩固定化シリカの調製 一般式(II)において、炭素数が1、8、16のオルガ
ノシリコン第四級アンモニウム塩を用い、20%無水ケ
イ酸懸濁液に対して、乾燥重量当り約0.2重量%に相
当する各オルガノシリコン第四級アンモニウム塩を加
え、均一な水懸濁液とした。この懸濁液を120℃でス
プレードライすることにより、オルガノシリコン第四級
アンモニウム塩固定化シリカ(固定化量:4μmole
/g)を調製し、試料とした。
体培地中で37℃、24時間培養した後、遠心分離(7
000rpm、10分間)により集菌した。得られた菌
体を滅菌生理食塩水で洗浄し、次いで菌体から Westpha
l らの温フェノール法(Methods Carbohyd. Chem. 5, 8
3-91, 1965) によりリポ多糖を抽出した。これをパイロ
ジェンフリー蒸留水(大塚製薬製)で所定の濃度(1μ
g/ml)に調製して試験エンドトキシン液とした。
(バッチ法) 前記(1)で調製した試料0.02gを100mlの三
角フラスコに入れ、パイロジェンフリー蒸留水18ml
を加えて十分に分散させた。この三角フラスコを37℃
の恒温槽に設置し、前記(2)で調製した試験エンドト
キシン液2mlを加えて、120ストローク/分で30
分間振盪した。その後、該三角フラスコを恒温槽から取
り出し、濾過により試料と濾液を分離し、濾液1mlを
パイロジェンフリー蒸留水で希釈した。この希釈液中の
エンドトキシン含量をエンドトキシン比色定量用キット
(トキシカラーシステム、生化学工業製)を用いて定量
した。尚、対照としてオルガノシリコン第四級アンモニ
ウム塩を固定化していないシリカを用いて同様に実験を
行った。
次式により算出した。 エンドトキシン吸着除去率(%)={(初期エンドトキ
シン含量)−(30分間接触後の濾液中エンドトキシン
含量)}/(初期エンドトキシン含量)×100
ルガノシリコン第四級アンモニウム塩固定化シリカは、
いずれも4種のグラム陰性菌から抽出したエンドトキシ
ンの全てに対して優れたエンドトキシン吸着除去効果を
示した。なお、その吸着除去効果はR1 のアルキル鎖が
C16のもので最も高く、C8、C1の順に高く認めら
れた。また、その吸着除去効果は意外にも対象とするエ
ンドトキシンの由来にかかわらず一様に高い値であっ
た。
ム塩を固定化した水不溶性固体は、前記のように、微生
物に対して殺菌活性を有することが従来より知られてい
るため、微生物に対する効果と本発明におけるエンドト
キシン吸着除去効果との関係を明確にするため、以下の
ようにして実験を行った。
体培地中で37℃、24時間培養した後、遠心分離(7
000rpm、10分間)により集菌した。得られた菌
体を滅菌生理食塩水で洗浄し、菌濃度が約107 個/m
lになるように生理食塩水に懸濁したものを試験菌液と
した。
スコに入れ、滅菌水36mlを加えて十分に分散させ
た。この三角フラスコを37℃の恒温槽に設置し、前記
(4)の試験菌液4mlを加えて、120ストローク/
分で30分間振盪した。その後、該三角フラスコを恒温
槽から取り出し、濾過により試料と濾液を分離し、濾液
1mlを滅菌生理食塩水で希釈した。次いで、この希釈
液0.1mlをブレインハートインヒュージョン寒天培
地上に塗洙し、37℃、48時間培養後、形成されたコ
ロニー数を計測した。これにより、30分間にわたる試
料と接触後の生菌数を算定することができる。尚、対照
としてオルガノシリコン第四級アンモニウム塩を固定化
していないシリカを用いて同様に実験を行った。
り算出した。 微生物吸着除去率(%)={(初期生菌数)−(30分
間接触後の生菌数)}/(初期生菌数)×100
シリコン第四級アンモニウム塩固定化シリカの微生物自
体に対する殺菌活性を微生物吸着除去効果として評価し
た場合は、その効果はアルキル基の長さおよび対象とす
る菌株によりさまざまであった。また、対照のシリカの
みの効果と同等の効果しか示さず、オルガノシリコン第
四級アンモニウム塩の固定化の効果が認められないもの
もあった。
リコン第四級アンモニウム塩固定化シリカの微生物に対
する効果は、エンドトキシン吸着除去効果とは関係のな
いものであることが明らかとなった。即ち、このような
本発明におけるエンドトキシン吸着除去効果は、オルガ
ノシリコン第四級アンモニウム塩固定化シリカとエンド
トキシンとの特異的な吸着によるものであるが、エンド
トキシンとの特異的な吸着は、エンドトキシンが遊離の
状態で存在する場合に有効であり、エンドトキシンがグ
ラム陰性菌の細胞表層に存在するままでは、その効果は
明らかではない。
18のオルガノシリコン第四級アンモニウム塩を実験例
の(1)と同様の方法で種々の担体に固定化したもの
(オルガノシリコン第四級アンモニウム塩の固定化量:
4μmole/g)を調製した。これらを用いてエンド
トキシン吸着除去効果を、Esherichia coli IFO14571由
来のエンドトキシンを用い、実験例と同様な方法により
評価した。結果を表3に示す。
シリコン第四級アンモニウム塩を固定化した試料1〜
5、7、9〜11は、固定化していない担体のみの対照
試料12〜15と比較して、明らかに高いエンドトキシ
ン吸着除去効果を示した。また、オルガノシリコン第四
級アンモニウム塩を固定化した試料は試料濃度が、0.
001〜50%の濃度で高い吸着除去効果を示すことが
わかる。更に、オルガノシリコン第四級アンモニウム塩
の鎖長はC5よりもC18の方が高いエンドトキシン吸
着除去効果を示す。
ニウム塩において、3つのR1 のうち2つがメチル基で
残りの1つが炭素数20のアルキル基であり、R2 が−
CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 −であり、R3 は
−CH2 CH3、Xは−OCH2 CH3 、YはBr、n
は1であるものをセルロースパウダーに固定化した吸着
体(固定化量:10μmole/g)を、内径10m
m、長さ100mmのカラムに充填した。尚、固定化は
実験例1と同様な方法により行った。次いで、Salmonel
la typhymurium LT2由来のエンドトキシンを100ng
/mlとなるようエンドトキシンフリーの20mMの緩
衝液(pHがそれぞれ3、4、5、6、7、8、9)に
懸濁したものを調製し、それぞれ50mlを上記カラム
に通液し、回収液のエンドトキシン含量を測定し、エン
ドトキシン吸着除去率を算出した。その結果、pH3〜
8のいずれのpHにおいても99.9%以上の高いエン
ドトキシン吸着除去効果が認められ、pH9においては
90%の吸着除去効果が認められた。
ニウム塩において、R1 が炭素数18のアルキル基であ
り、OCH3 をOC2 H5 に置換したものをシリコン樹
脂に固定化した(固定化量:6μmole/g)。これ
を直径0.5mmのナイロンフィラメント表面上に約3
%の割合でコーティングし、これを植毛したエンドトキ
シン吸着除去用ブラシを作成した。尚、固定化は実験例
1と同様な方法により行った。
その他成分を含む液に、実験例3の吸着体を10%の割
合で配合したエンドトキシン吸着除去用洗浄液を作成し
た。
り、生物体にとって有害なエンドトキシンを有効に吸着
除去することができる。
Claims (7)
- 【請求項1】 一般式(I)で示されるオルガノシリコ
ン第四級アンモニウム塩を固定化した水不溶性固体を有
効成分として含有することを特徴とするエンドトキシン
の吸着除去剤。 R1 3N+ R2 SiR3 nX3-n ・ Y- (I) (式中、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、アシル基な
どの加水分解可能な基であり、Yは塩素原子または臭素
原子を表す。R1 は同一または異なる炭素数1〜22の
1価の脂肪族炭化水素基を、R2 は2価の炭化水素基
を、R3 は炭素数1〜3の低級アルキル基、フェニル
基、またはCF3 CH2 CH2 を表す。nは0、1また
は2を表す。) - 【請求項2】 一般式(I)で示されるオルガノシリコ
ン第四級アンモニウム塩において、3つのR1 のうちの
2つがメチル基で残りの1つが炭素数8〜22のアルキ
ル基である、請求項1記載の吸着除去剤。 - 【請求項3】 一般式(I)で示されるオルガノシリコ
ン第四級アンモニウム塩において、3つのR1 のうちの
2つがメチル基で残りの1つが炭素数16〜20のアル
キル基であり、R2 が炭素数2〜4のアルキレン基また
は−CH2 CH2 CH2 NHCH2 CH2 −である、請
求項1記載の吸着除去剤。 - 【請求項4】 一般式(I)で示されるオルガノシリコ
ン第四級アンモニウム塩が一般式(II)で示されるもの
である、請求項1記載の吸着除去剤。 【化1】 (式中、R1 は炭素数16〜20のアルキル基を表
す。) - 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載のエンドト
キシンの吸着除去剤をカラムに充填し、エンドトキシン
含有溶液を該カラムに導通することを特徴とするエンド
トキシンの吸着除去方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4いずれかに記載のエンドト
キシン吸着除去剤とエンドトキシン含有溶液を混合攪拌
し、次いで該エンドトキシン吸着除去剤を分離すること
を特徴とするエンドトキシンの吸着除去方法。 - 【請求項7】 請求項1〜4いずれかに記載のエンドト
キシン吸着除去剤をエンドトキシンの付着する物体表面
に接触させることを特徴とするエンドトキシンの吸着除
去方法。
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JPH0819736A JPH0819736A (ja) | 1996-01-23 |
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- 1994-07-07 JP JP18051394A patent/JP3488513B2/ja not_active Expired - Fee Related
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