JP3487900B2 - ガドリニウムの同位体分離方法および装置 - Google Patents

ガドリニウムの同位体分離方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数の同位体を含むガ
ドリニウム蒸気に複数のパルスレーザ光を照射すること
によって、奇数核同位体のガドリニウムを選択的に励起
および電離させて分離回収するガドリニウムの同位体分
離方法および装置に係り、特に複数のパルスレーザ光の
出力タイミングおよび発振周波数を制御することによっ
て、奇数核同位体のガドリニウムを効率よく分離回収す
るガドリニウムの同位体分離方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属原料をレーザ光により多段階励起・
電離する技術は、特に同位体分離の分野で有用である。
例えばウラン同位体分離の分野において原子レーザ法を
利用した金属同位体分離方法は、ガス拡散法や遠心分離
法と比較すると同位体の分離効率が非常に高いという優
れた特性を持っている。この原子レーザ法は、ガドリニ
ウムの同位体分離に適用した場合にも、高い分離効率が
得られる。
【0003】原子レーザ法によるガドリニウムの同位体
分離プロセスは、同位体分離用ガドリニウム金属原料を
供給する金属原料供給工程と、供給された金属原料を加
熱・溶融し、金属蒸気を生じさせる金属蒸気発生工程
と、この金属原料から特定の同位体を選択的に励起させ
る励起工程と、第1段励起された特定同位体の金属原子
を光電離(イオン化)させ、イオン化同位体を電極に回
収する分離回収工程とに大別される。
【0004】ところで、同位体には偶数核同位体と奇数
核同位体とがあり、偶数核同位体の核スピンが零である
のに対し、奇数核同位体は核スピンを有する。このた
め、偶数核同位体の光吸収スペクトルラインが単一構造
であるのに対し、奇数核同位体の光吸収スペクトルライ
ンは複数本の分裂構造(超微細構造)を有している。
【0005】ガドリニウムの同位体分離において奇数核
同位体を分離対象とした場合、その奇数核同位体をレー
ザ光により多段階励起させる。この際、非対象同位体
(偶数核同位体および分離の対象ではない他の奇数核同
位体)との間に僅かな光吸収波長(周波数)のずれ(同
位体シフト)が存在するため、対象同位体(奇数核同位
体)の吸収波長(周波数)に合せて第1段励起用レーザ
光と別の励起・電離用レーザ光とを照射して、励起され
た奇数核同位体のエネルギ準位をさらに高め、対象奇数
核同位体のみをイオン化させて分離・回収している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、複数の
同位体を含むガドリニウム金属原子において、対象奇数
核同位体と非対象同位体との同位体シフトがあまり大き
くなく、超微細構造と単一構造を有する光共鳴吸収波長
(周波数)が交錯している場合、従来の方法では、非対
象同位体のディチューニング励起効果により、対象同位
体について十分高い分離性能が得られなかった。
【0007】また、ガドリニウムの核スピンIはI=3
/2であり比較的小さいため、各励起・電離段におい
て、対象奇数核同位体の光吸収周波数スペクトルが超微
細構造で分裂して拡がっている上に、その変数は比較的
少なく間隔が広い。このため、レーザ光の発振周波数ス
ペクトルと対象同位体の光吸収周波数スペクトルとの重
なり合い具合い(マッチング)が悪く、照射光エネルギ
のうち励起・電離に効率よく寄与しないディチューニン
グにした周波数成分が多く存在するので、高い出力がレ
ーザ光に必要とされ、十分高い経済性が得られなかっ
た。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、発振周波数スペクトル線幅が狭いパルスレーザ
光を照射し、適切な励起段について1パルス時間内で高
速に周波数掃引することで、対象同位体のみを選択的に
近共鳴多光子吸収励起・電離して非対象同位体のディチ
ューニング励起効果を低減するとともに、スペクトルの
マッチングを改善して照射光エネルギを励起・電離に効
率よく寄与させて所要レーザ光の出力を低減させること
で十分高い経済性を得ることができるガドリニウムの同
位体分離方法および装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明に係るガドリニウムの同位体分
離方法は、複数の同位体を含むガドリニウム金属原料を
加熱蒸発させて蒸気流を生成する蒸気流生成工程と、生
成したガドリニウム蒸気に出力タイミングおよび発振周
波数を制御した励起および電離用の複数段のパルスレー
ザ光を照射することによって、ガドリニウムの奇数核同
位体を選択的に近共鳴多光子吸収励起および電離してガ
ドリニウムイオンを生成するイオン生成工程と、上記ガ
ドリニウムイオンを電極に回収する回収工程とから成る
ことを特徴とする。
【0010】
【0011】請求項2の発明に係るガドリニウムの同位
体分離方法は、イオン生成工程において、第1段励起用
パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
位から電離準位への近共鳴3光子吸収遷移を生じさせ、
この場合、第1段励起用、第2段励起用、および電離用
パルスレーザ光のうち2つのレーザ光の発振周波数を固
定しておき、残りの1つのレーザ光の発振周波数を、3
つのレーザ光の周波数の和が奇数核同位体の共鳴3光子
吸収スペクトルの超微細構造を含む周波数範囲となるよ
うに、1パルス時間内で高速に周波数掃引する。
【0012】 請求項3の発明に係るガドリニウムの同
位体分離方法は、イオン生成工程において、第1段励起
用パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および
電離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定
準位から電離準位への主要遷移の近共鳴3光子吸収遷移
を生じさせ、この場合、第1段励起段、第2段励起段、
および電離段のそれぞれの主要遷移の共鳴1光子吸収ス
ペクトルの超微細構造のうち、第1段励起段と第2段励
起段あるいは第2段励起段と電離段のように連続する2
つの段のスペクトル構造がスペクトルの重心についてほ
ぼ対称な構造を有するものとし、この連続する2つの段
用のレーザ光の発振周波数は重心位置に固定しておき、
残りの1つの励起段または電離段用レーザ光の発振周波
数は、主要遷移の共鳴3光子吸収スペクトルの超微細構
造幅を含む周波数範囲となるように、1パルス時間内で
高速に周波数掃引する。
【0013】請求項4の発明に係るガドリニウムの同位
体分離方法は、イオン生成工程において、第1段励起用
パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
位から電離準位への近共鳴3光子吸収遷移を生じさせ、
この場合、第1段励起用、第2段励起用、および電離用
レーザ光のうち1つのレーザ光の発振周波数は固定して
おき、残りの2つのレーザ光の発振周波数は1パルス時
間内で高速に周波数掃引し、それら3つのレーザ光の周
波数の和が奇数核同位体の共鳴3光子吸収スペクトルの
超微細構造を含む周波数範囲となるようにする。
【0014】 請求項5の発明に係るガドリニウムの同
位体分離方法は、イオン生成工程において、第1段励起
用パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および
電離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定
準位から電離準位への主要遷移の近共鳴3光子吸収遷移
を生じさせ、この場合、第1段励起段、第2段励起段、
および電離段のそれぞれの主要遷移の共鳴1光子吸収ス
ペクトルの超微細構造のうち、1つの励起段または電離
段のものがスペクトルの重心近傍にほぼ集中する構造を
有するものとし、残りの2つの励起段または電離段のも
のの幅の和が主要遷移の共鳴3光子吸収スペクトルの超
微細構造幅にほぼ等しくなるような励起・電離準位を用
いて、前者の1つの励起段または電離段用のレーザ光の
発振周波数は重心位置に固定しておき、後者の2つの励
起段または電離段用レーザ光の発振周波数は、主要遷移
の共鳴3光子吸収スペクトルの超微細構造幅を含む周波
数範囲で、1パルス時間内で高速に周波数掃引する。
【0015】請求項6の発明に係るガドリニウムの同位
体分離方法は、イオン生成工程において、第1段励起用
パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
位から電離準位への近共鳴3光子吸収遷移を生じさせ、
この場合、第1段励起用、第2段励起用、および電離用
レーザ光の3つのレーザ光の発振周波数は1パルス時間
内で高速に周波数掃引し、それら3つのレーザ光の周波
数の和が奇数核同位体の共鳴3光子吸収スペクトルの超
微細構造を含む周波数範囲となるようにする。
【0016】 請求項7の発明に係るガドリニウムの同
位体分離方法は、イオン生成工程において、第1段励起
用パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および
電離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定
準位から電離準位への主要遷移の近共鳴3光子吸収遷移
を生じさせ、この場合、第1段励起段、第2段励起段、
および電離段のそれぞれのレーザ光の発振周波数は、主
要遷移の近共鳴3光子吸収が起きるような条件を成立さ
せながら、それぞれの励起段の主要遷移の共鳴1光子吸
収スペクトルの超微細構造幅を含む周波数範囲で、1パ
ルス時間内で高速に周波数掃引する。
【0017】 請求項8の発明に係るガドリニウムの同
位体分離方法は、請求項2から7までに記載の同位体分
離方法における3段階の光励起・電離工程に代えて、光
反応プロセスおよびレーザ装置台数の変更により、2段
階あるいは多段階の光励起・電離工程に拡張することを
特徴とする。
【0018】 請求項9の発明に係るガドリニウムの同
位体分離装置は、複数の同位体を含むガドリニウム金属
原料を加熱蒸発させて蒸気流を生成する蒸気流生成手段
と、上記蒸気流に照射される第1段励起用、第2段励起
用、および電離用パルスレーザ光を出力するレーザ光出
力手段とを備え、電離した奇数核同位体のガドリニウム
を電極に回収するガドリニウムの同位体分離装置におい
て、上記レーザ光出力手段から出力される上記第1段励
起用パルスレーザ光、上記第2段励起用パルスレーザ
光、および上記電離用パルスレーザ光の出力タイミング
および1パルス時間内での発振周波数を制御するレーザ
出力制御手段を備え、上記レーザ出力制御手段は、奇数
核同位体を選択的に近共鳴多光子吸収励起および電離
るようにレーザ光の発振周波数を時間の関数として制御
することを特徴とする。
【0019】請求項10の発明に係るガドリニウムの同
位体分離装置は、レーザ光出力制御手段が、パルスレー
ザ光の周波数を制御するための電気光学素子と、その素
子の作動およびパルスレーザ光の出力のタイミングを制
御するためのトリガー信号を出力するパルスジェネレー
タとを有する。
【0020】請求項11の発明に係るガドリニウムの同
位体分離装置は、請求項9または10に記載のガドリニ
ウムの同位体分離装置における3段階の光励起・電離手
段に代えて、光反応プロセスおよびレーザ装置台数の変
更により、2段階あるいは多段階の光励起・電離手段に
拡張することを特徴とする。
【0021】
【作用】上述した本発明においては、複数の同位体を含
むガドリニウム金属原料を蒸気流生成手段によって加熱
蒸発させて生成したガドリニウム蒸気流に向って、レー
ザ光出力手段から奇数核同位体の光吸収波長(周波数)
を有した複数のパルスレーザ光(第1段励起用パルスレ
ーザ光、第2段励起用パルスレーザ光、および電離用レ
ーザ光等)が出力される。
【0022】このとき、対象奇数核同位体の各励起段の
主要遷移の共鳴1光子吸収スペクトルの超微細構造が、
例えば図1に示すように複数本に分裂した構造となる場
合には、レーザ光は出力制御手段によって、例えば図2
に示すように出力タイミングおよび1パルス時間内での
発振周波数を異ならせるように制御してガドリニウム蒸
気流に照射する。
【0023】なお、図1では、基底準位、第1段励起準
位、第2段励起準位、電離準位について3波長3段階の
励起・電離を行うときに、各励起準位の全角運動量Jの
値が全て2である場合を零として示してある。ここでE
(1) は第1励起段の超微細構造スペクトルの重心、E
(2) ,Eg(3) は第2励起段、第3励起段の各超微細
構造スペクトルの重心である。このとき、各励起準位は
図3に示すように4本の超微細構造準位に分裂してお
り、各準位それぞれには、スピン角運動量I=3/2も
考慮した全角運動量F=1/2,3/2,5/2,7/
2が対応する。ここで、選択則ΔF=0または±1によ
り各上下準位間では複数の遷移が可能であるが、この中
でも遷移強度の大きいもの、すなわち主要遷移(この零
ではΔF=0の遷移)だけを抽出して表示すると図3の
ようなA,B,C,Dの4ラインになる。
【0024】レーザ光の出力タイミングおよび1パルス
時間内での発振周波数の制御は、例えば電気光学素子の
光周波数変調効果を利用して行う。すなわち、レーザ光
出力手段と電気光学素子とにパルスジェネレータからト
リガーパルスを所定のタイミングで出力することによっ
て、レーザ光出力装置および電気光学素子の作動タイミ
ングを制御して、レーザ光の出力タイミングおよび1パ
ルス時間内での発振周波数を制御する。
【0025】一方、レーザ光の照射を受けた基底準位の
奇数核同位体は、図2に示した照射パルスタイミングの
制御および1パルス時間内での発振周波数掃引の制御に
よって、図3に示すような各主要遷移ラインを経由する
近共鳴3光子吸収励起の効果で効率よく電離準位まで励
起されてイオン化され、電極に回収することができる。
【0026】これは、同一のパルス時間幅の中で、各励
起段のレーザ発振周波数が、各励起段の超微細構造スペ
クトルの主要遷移ラインをA→B→C→Dの順に通過し
てゆくように掃引されているため、基底準位→第1段励
起準位→第2段励起準位→電離準位についての励起が、
ほぼ同一のタイミングで各励起段の同一名の主要遷移ラ
イン近傍で生じる効果である。
【0027】すなわち、最も励起効率のよい3段階励起
遷移の組み合せとして、第1にA1→A2→A3、第2
にB1→B2→B3、第3にC1→C2→C3、第4に
D1→D2→D3の組み合せの順で、それら遷移ライン
周波数近傍での近共鳴3光子吸収励起が生じるため、奇
数核同位体が効率よく励起される。
【0028】なお、対象奇数核同位体のガドリニウムイ
オンが分離されたガドリニウム蒸気流は、電極を通過し
た後に付着板等に回収される。このとき、対象同位体以
外の非対象同位体についてのディチューニング励起は、
図2に示すようなレーザ照射条件下では、効率が低くな
り励起率が激減するため、対象同位体についての十分高
い分離性能が得られる。
【0029】例えば、偶数核の非対象同位体は、超微細
構造がなく単一の吸収スペクトルを有するため、各励起
段のレーザ発振周波数は掃引せずに、各励起段の共鳴吸
収周波数に同調しておくのが最も励起効率がよく、スペ
クトルのマッチングの面で、図2のようなレーザ照射条
件下ではディチューニング励起は起きにくい。
【0030】また、奇数核の非対象同位体は、対象同位
体とは異なる超微細構造で各励起段の吸収スペクトルが
分裂しているため、図2のように対象同位体の近3共鳴
光子吸収が効率よく生じるように最適化されたレーザ照
射条件下では、非対象の奇数核同位体の近共鳴3光子吸
収の効率は低く、スペクトルのマッチングの面でディチ
ューニング励起は起きにくい。
【0031】さらに、対象同位体の近共鳴3光子吸収が
効率よく生じるように図2のような出力タイミングと周
波数の最適化を行った各励起段のレーザについて、電離
率が最高となるように各段のレーザ出力バランスも最適
化すると、このレーザ出力バランスは非対象同位体の最
適レーザ出力バランスとは異なるために、非対象同位体
のディチューニング励起が出力バランスの面で起きにく
くなる効果も得られる。
【0032】また、ガドリニウムの核スピンIはI=3
/2であり、比較的小さいため、各励起・電離段におい
て、対象奇数核同位体の光吸収周波数スペクトルが超微
細構造で拡がっている上に、その主要遷移の本数は4本
で比較的少なく間隔が広いが、図2に示すようなレーザ
照射条件下では、各励起段のレーザ発振周波数が吸収遷
移ラインと一致するチャンスが増加するため、周波数固
定励起している場合よりも励起効率は改善される。すな
わち、照射光エネルギのうち励起・電離に効率よく寄与
しないディチューニングした周波数成分が少なくなるた
め、周波数固定励起している場合のような高いレーザ出
力は必要なくなり、所要レーザパワーが低減され、十分
高い経済性が得られる。
【0033】また、対象奇数核同位体の各励起段の主要
遷移の共鳴1光子吸収スペクトルの超微細構造のパター
ンの例および近共鳴3光子吸収励起効果の例とその効果
を生じさせるためのレーザ発振周波数掃引条件を図4、
図5に示す。
【0034】例えば図4(a)に示すような超微細構造
の場合において、図4(b)に示すような基底基準から
電離基準への近共鳴3光子吸収が、各励起段の同一名の
主要遷移ラインに関係して(例えばA1→A2→A3、
B1→B2→B3、…等)高効率に生じるようにするた
めには、第2段励起用、および電離用パルスレーザの2
つのレーザの発振周波数は固定しておき、残りの1つの
第1段励起用レーザの発振周波数は、奇数核同位体の共
鳴3光子吸収スペクトルの超微細構造幅を含む周波数範
囲となるように、1パルス時間内で高速に周波数掃引す
るとよい。なお、この場合の共鳴3光子吸収スペクトル
の超微細構造幅は、ちょうど各励起段の共鳴1光子吸収
スペクトルルの超微細構造幅の和に対応している。
【0035】また、特に、図4(c)に示すように、主
要遷移の共鳴1光子吸収スペクトルの超微細構造のう
ち、連続する2つの第2段励起・電離段のものがスペク
トルの重心についてほぼ対象な構造を有しており、残り
の1つの第1段励起段のものの幅が主要遷移の共鳴3光
子吸収スペクトルの超微細構造幅にほぼ等しくなるよう
な励起・電離準位を用いる場合は、前者の2つの第2段
励起・電離段用のレーザの発振周波数は重心位置に固定
しておき、後者の1つの第1段励起段用レーザの発振周
波数は、主要遷移の共鳴3光子吸収スペクトルの超微細
構造幅を含む周波数範囲となるように、1パルス時間内
で高速に周波数掃引するとよい。
【0036】なお、この場合は、図4(d)に示すよう
な基底準位から電離準位への近共鳴3光子吸収が、各励
起段の同一名の主要遷移ラインに関係して(例えばA1
→A2→A3、B1→B2→B3、…等)高効率に生じ
ており、このうち第1段励起準位から電離準位へは常に
近共鳴2光子吸収の条件が成立しているため。図4
(b)よりもさらに励起・電離効率は向上する。
【0037】 例えば図5(a)に示すような超微細構
造の場合において、図5(b)に示すような基底準位か
ら電離準位への近共鳴3光子吸収が、各励起段の同一名
の主要遷移ラインに関係して(例えばA1→A2→A
3、B1→B2→B3、…等)高効率に生じるようにす
るためには、1の電離用パルスレーザの発振周波数は固
定しておき、残りの2つの第1段励起用・第2段励起用
レーザの発振周波数は、1パルス時間内で高速に周波数
掃引し、それら3つのレーザ周波数の和が奇数核同位体
の共鳴3光子吸収スペクトルの超微細構造を含む周波数
範囲となるようにするとよい。なお、この場合の共鳴3
光子吸収スペクトメの超微細構造幅は、ちょうど各励起
段の共鳴1光子吸収スペクトルの超微細構造幅の和に対
応している。
【0038】また、特に、図5(c)に示すように、主
要遷移の共鳴1光子吸収スペクトルの超微細構造のう
ち、1つの電離段のものがスペクトルの重心近傍にほぼ
集中する構造を有しており、残りの2つの第1段・第2
段励起段のものの幅の和が主要遷移の共鳴3光子吸収ス
ペクトルの超微細構造幅にほほ等しくなるような励起・
電離準位を用いる場合は、前者の1つの電離段用のレー
ザの発振周波数は重心位置に固定しておき、後者の2つ
の第1段・第2段励起段用レーザの発振周波数は、主要
遷移の近共鳴3光子吸収が起きるような条件を成立させ
ながら、それぞれの励起段の主要遷移の共鳴1光子吸収
の超微細構造幅を含む周波数範囲で、1パルス時間内で
高速に周波数掃引するとよい。
【0039】なお、この場合は、図5(d)に示すよう
な基底準位から電離準位への近共鳴3光子吸収が、各励
起段の同一名の主要遷移ラインに関係して(例えばA1
→A2→A3、B1→B2→B3、…等)高効率に生じ
ており、このうち第2段励起準位から電離準位へは常に
近共鳴1光子効率の条件が成立しているため、図5
(b)よりもさらに励起・電離効率は向上する。
【0040】なお、前記対象奇数核同位体の各励起段の
遷移の共鳴1光子吸収スペクトル、基底準位から電離準
位への共鳴3光子吸収スペクトルの超微細構造について
は、説明の簡単化のために主要遷移ラインのみを考慮し
て近共鳴多光子吸収励起の効果(作用)を記した。しか
し、一般には、副次遷移ライン(主要遷移ライン以外の
遷移)の効果も全く同様に生じるので、基底準位から電
離準位への近共鳴多光子吸収を生じさせるためには、副
次遷移も含めた超微細構造スペクトルに対して、上記レ
ーザ照射タイミングと周波数掃引の適用を行なえば、同
位体分離の方法をさらに一般化することができる。
【0041】
【実施例】以下、本発明のガドリニウムの同位体分離方
法および装置を用いて、ガドリニウムの奇数核同位体G
d157の3波長3段励起・電離を行った際の一実施例
を、図6〜図9を参照して説明する。
【0042】図6は、本実施例に係るガドリニウムの同
位体分離装置の一構成例を示す概念図である。このガド
リニウムの同位体分離装置では、ほぼ真空状態に維持さ
れた密閉空間の内底部に、複数種類の同位体を含むガド
リニウムの金属原料1を収容した蒸発用るつぼ2が設置
されている。このガドリニウム金属原料1には電子銃3
から発射されて偏向磁場により曲げられた電子ビーム4
が照射される。
【0043】ガドリニウム金属原料1は加熱溶融されて
蒸発し、ガドリニウム蒸気流5を形成する。すなわち、
蒸発用るつぼ2、電子銃3、および電子ビーム4が蒸発
流生成手段を構成する。
【0044】ガドリニウム蒸気流5の流路上方には製品
回収用の電極6が設置されている。この電極6は、正電
位が印加される複数の陽電極7と、陽電極7の電位より
相対的に低い負電位が印加されている複数の陰電極8と
を、蒸気流5の流れ方向にほぼ平行に対向させて所要間
隔をおいて交互に配置して構成されている。各陽電極7
と各陰電極8との間には、光反応部9が形成され、各光
反応部9には蒸気流5の流れに対して直角方向にレーザ
光照射システム10からパルスレーザ光Sがそれぞれ照
射される。
【0045】レーザ光照射システム10は3系統から構
成され、例えば図7に示すように、奇数核同位体Gd1
57を選択的に励起させて電離させるための第1段励起
用、第2段励起用および電離用パルスレーザ光を出力す
る、銅蒸気レーザ励起の色素レーザ装置11A〜11C
と、これらの色素レーザ装置11A〜11Cの各出力側
に設けられ、1パルス時間内で高速に周波数掃引するた
めの周波数制御用電気光学素子12A〜12Cと、これ
らを周波数変調作動させるために印加する高周波高圧電
源13A〜13Cと、各色素レーザ装置11A〜11C
と高周波高圧電源13A〜13Cとのタイミングを制御
するためのトリガーパルスを送信するパルスジェネレー
タ14A〜14Cとを有する。
【0046】出力された各パルスレーザ光S1〜S3
は、合成用ミラー15A〜15Cによって同軸合成され
たパルスレーザ光Sとなり、ガドリニウム蒸気流に照射
される。
【0047】ここで、パルスレーザ光の出力タイミング
および発振周波数の制御方法について、図8および図9
によって説明する。図8は、図7の3系統のレーザ光照
射システムの中から1系統のレーザ光照射システム(1
1A〜14C)を抜き出して示したものであり、図9は
発振周波数の制御方法を示したものである。
【0048】図8に示すように、パルスジェネレータ1
4Aからのトリガーパルスtp1を受けて、同蒸気レー
ザ励起の色素レーザ装置11Aから、1パルス時間内で
周波数一定のパルスレーザ光Saが出力される。また、
パルスジェネレータ14Aからのトリガーパルスtp2
を受けて、電気光学素子12Aを作動させるための高周
波高圧電源13Aから、交流電圧E1が出力される。周
波数一定のパルスレーザ光Saは、電気光学素子12A
を通過するとき、電気光学効果を受けて、1パルス時間
内で高速に周波数掃引されたパルスレーザ光Sbとなっ
て周波数制御される。
【0049】このとき、パルスレーザ光Sbの掃引周波
数は、パルスレーザ光Saの発振周波数を中心として、
交流電圧E1と同一のサイクル周波数(周期)の正弦関
数で時間的に変化する周波数関数の一部分をパルス時間
幅で切り出した状態に制御される。また、パルスレーザ
光Sbが出力された直後に、再びパルスジェネレータ1
4Aからのトリガーパルスtp2を受けて、高周波高圧
電源13Aからの交流電圧E1の出力が切られる。
【0050】図8(a)〜(d)は、パルスレーザ光S
bの発振周波数の掃引制御例を示している。トリガーパ
ルスtp1とtp2のタイミング制御によって、同図
(a)のように低周波から高周波数へ掃引したり、
(b)のように高周波数から低周波数へ掃引したり、
(c)のように高周波数から低周波数へ掃引した後に再
び高周波数へ掃引したり、さらに(d)のように低周波
数から高周波数へ掃引した後に再び測定周波数へ掃引し
たりする。
【0051】周波数の最大掃引幅は交流電圧に比例する
ので、ガドリニウムの光吸収スペクトルの超微細構造の
幅に対応させて調整可能である。また、交流電圧のサイ
クル周波数(周期)を調整することで、ガドリニウムの
光吸収スペクトルの超微細構造の並び方に対応させて、
レーザの1パルス時間内での掃引周期を変化させること
も可能である。
【0052】本実施例では一例として、第1段励起段、
第2段励起段、電離段のGd−157の光吸収スペクト
ルが、それぞれ図8(e),(f),(g)のような超
微細構造を有している場合に、それぞれ励起・電離段に
おいて、同図(b),(a),(g)のような周波数パ
ターンとなるような掃引を行う。これにより、近共鳴3
光子吸収が効率的に起こる。
【0053】このような条件の下で、Gd−157の電
離率が最大となるように、さらに各励起・電離段のレー
ザ出力バランスを最適化すると、非対象同位体のディチ
ューニング励起が抑制されて選択性が向上し、かつ所要
レーザ出力も低減されて経済性が向上する。
【0054】このようにして励起・電離したGd−15
7イオンは、電場により図6の製品回収板16に分離回
収される。一方、電離しなかった非対象同位体は、図6
の円弧状の付着板16に回収される。
【0055】なお、図9(b)、(a)、(g)のよう
な周波数掃引の切り出しパターンは、トリガーパルスt
p1,tp2で決まるので、3系統のレーザそれぞれに
おいてこの制御を行った後に、合成レーザパルス光が同
時照射タイミングとなるように、各3系統間のトリガー
パルスtp1同士のタイミングも調整しておく必要があ
る。
【0056】以上の実施例によれば、複数の同位体を含
むガドリニウム金属原料1を加熱蒸発せしめて生成され
たガドリニウム蒸気流Sに、レーザ光出力制御手段によ
って出力タイミングおよび1パルス時間内での発振周波
数を制御された第1段励起用パルスレーザ光S1、第2
段励起用パルスレーザ光S2および電離用パルスレーザ
光S3を照射して、ガドリニウムの奇数核同位体を選択
的に近共鳴多光子吸収励起・電離させることによって、
非対象同位体についてのディチューニング励起効果が低
減され、さらには所要レーザ出力が十分抑えられるた
め、十分高い分離性能および十分高い経済性が得られ
る。
【0057】
【発明の効果】本発明に係るガドリニウムの同位体分離
方法および装置によれば、複数の同位体を含むガドリニ
ウム金属原料を加熱蒸発せしめて生成された蒸気流に、
レーザ光出力制御手段によって出力タイミングおよび発
振周波数を制御された複数段のパルスレーザ光を照射し
て、ガドリニウムの奇数核同位体を選択的に近共鳴多光
子吸収励起・電離させるので、非対象同位体についての
ディチューニング励起効果が低減でき、しかも所要レー
ザ出力が十分抑えられるので、十分高い分離性能および
十分高い経済性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概念説明で、ガドリニウムの主要遷移
の共鳴1光子吸収スペクトル超微細構造を示す図。
【図2】本発明におけるガドリニウムの同位体分離用パ
ルスレーザ光の出力タイミングおよび発振周波数制御を
示す図。
【図3】本発明におけるガドリニウムの超微細構造準位
間の主要遷移ラインを経由する近共鳴3光子吸収励起効
果を示す図。
【図4】本発明におけるガドリニウムの超微細構造準位
間の主要遷移ラインを経由する近共鳴3光子吸収励起効
果を示す図。
【図5】本発明におけるガドリニウムの超微細構造準位
間の主要遷移ラインを経由する近共鳴3光子吸収励起効
果を示す図。
【図6】本発明に係るガドリニウムの同位体分離装置の
一実施例を示す概略構成図。
【図7】本発明に係るガドリニウムの同位体分離装置の
一実施例におけるレーザ光照射システムを示す概略ブロ
ック図。
【図8】本発明に係るガドリニウムの同位体分離装置の
一実施例におけるレーザ光照射システムの1系統を示す
ブロック図。
【図9】図8における超微細構造スペクトルに対応させ
て発振周波数を制御する方法を示す図。
【符号の説明】
1 ガドリニウム金属原料 2 蒸発用るつぼ 3 電子銃 4 電子ビーム 5 ガドリニウム蒸気流 6 製品回収用電極 7 陽電極 8 陰電極 9 光反応部 10 レーザ光照射システム 11A〜11C 銅蒸気レーザ励起色素レーザ装置 12A〜12C 電気光学素子 13A〜13C 高周波高圧電源 14A〜14C パルスジェネレータ 15A〜15C 合成用ミラー 16 付着板 E 交流電圧 S 合成パルスレーザ光 S1〜S3 パルスレーザ光 Sa 周波数一定のパルスレーザ光 Sb 周波数掃引(チャーピング)されたレーザ光 tp1,tp2 トリガーパルス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒木 義雄 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会 社東芝 本社事務所内 (56)参考文献 特開 平5−301029(JP,A) 特開 昭63−229131(JP,A) 特開 平4−317722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 59/00 - 59/50

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の同位体を含むガドリニウム金属原
    料を加熱蒸発させて蒸気流を生成する蒸気流生成工程
    と、生成したガドリニウム蒸気に出力タイミングおよび
    発振周波数を制御した励起および電離用の複数段のパル
    スレーザ光を照射することによって、ガドリニウムの奇
    数核同位体を選択的に近共鳴多光子吸収励起および電離
    してガドリニウムイオンを生成するイオン生成工程と、
    上記ガドリニウムイオンを電極に回収する回収工程とか
    ら成ることを特徴とするガドリニウムの同位体分離方
    法。
  2. 【請求項2】 イオン生成工程において、第1段励起用
    パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
    離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
    位から電離準位への近共鳴3光子吸収遷移を生じさせ、
    この場合、第1段励起用、第2段励起用、および電離用
    パルスレーザ光のうち2つのレーザ光の発振周波数を固
    定しておき、残りの1つのレーザ光の発振周波数を、3
    つのレーザ光の周波数の和が奇数核同位体の共鳴3光子
    吸収スペクトルの超微細構造を含む周波数範囲となるよ
    うに、1パルス時間内で高速に周波数掃引する請求項1
    記載のガドリニウムの同位体分離方法。
  3. 【請求項3】 イオン生成工程において、第1段励起用
    パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
    離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
    位から電離準位への主要遷移の近共鳴3光子吸収遷移を
    生じさせ、この場合、第1段励起段、第2段励起段、お
    よび電離段のそれぞれの主要遷移の共鳴1光子吸収スペ
    クトルの超微細構造のうち、第1段励起段と第2段励起
    段あるいは第2段励起段と電離段のように連続する2つ
    の段のスペクトル構造がスペクトルの重心についてほぼ
    対称な構造を有するものとし、この連続する2つの段用
    レーザ光の発振周波数は重心位置に固定しておき、
    りの1つの励起段または電離段用レーザ光の発振周波数
    は、主要遷移の共鳴3光子吸収スペクトルの超微細構造
    幅を含む周波数範囲となるように、1パルス時間内で高
    速に周波数掃引する請求項1記載のガドリニウムの同位
    体分離方法。
  4. 【請求項4】 イオン生成工程において、第1段励起用
    パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
    離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
    位から電離準位への近共鳴3光子吸収遷移を生じさせ、
    この場合、第1段励起用、第2段励起用、および電離用
    レーザ光のうち1つのレーザ光の発振周波数は固定して
    おき、残りの2つのレーザ光の発振周波数は1パルス時
    間内で高速に周波数掃引し、それら3つのレーザ光の周
    波数の和が奇数核同位体の共鳴3光子吸収スペクトルの
    超微細構造を含む周波数範囲となるようにする請求項1
    記載のガドリニウムの同位体分離方法。
  5. 【請求項5】 イオン生成工程において、第1段励起用
    パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
    離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
    位から電離準位への主要遷移の近共鳴3光子吸収遷移を
    生じさせ、この場合、第1段励起段、第2段励起段、お
    よび電離段のそれぞれの主要遷移の共鳴1光子吸収スペ
    クトルの超微細構造のうち、1つの励起段または電離段
    のものがスペクトルの重心近傍にほぼ集中する構造を有
    するものとし、残りの2つの励起段または電離段のもの
    の幅の和が主要遷移の共鳴3光子吸収スペクトルの超微
    細構造幅にほぼ等しくなるような励起・電離準位を用い
    て、前者の1つの励起段または電離段用のレーザ光の発
    振周波数は重心位置に固定しておき、後者の2つの励起
    段または電離段用レーザ光の発振周波数は、主要遷移の
    共鳴3光子吸収スペクトルの超微細構造幅を含む周波数
    範囲で、1パルス時間内で高速に周波数掃引する請求項
    1記載のガドリニウムの同位体分離方法。
  6. 【請求項6】 イオン生成工程において、第1段励起用
    パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
    離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
    位から電離準位への近共鳴3光子吸収遷移を生じさせ、
    この場合、第1段励起用、第2段励起用、および電離用
    レーザ光の3つのレーザ光の発振周波数は1パルス時間
    内で高速に周波数掃引し、それら3つのレーザ光の周波
    数の和が奇数核同位体の共鳴3光子吸収スペクトルの超
    微細構造を含む周波数範囲となるようにする請求項1記
    載のガドリニウムの同位体分離方法。
  7. 【請求項7】 イオン生成工程において、第1段励起用
    パルスレーザ光、第2段励起用パルスレーザ光および電
    離用パルスレーザ光を同時照射して基底並びに準安定準
    位から電離準位への主要遷移の近共鳴3光子吸収遷移を
    生じさせ、この場合、第1段励起段、第2段励起段、お
    よび電離段のそれぞれのレーザ光の発振周波数は、主要
    遷移の近共鳴3光子吸収が起きるような条件を成立させ
    ながら、それぞれの励起段の主要遷移の共鳴1光子吸収
    スペクトルの超微細構造幅を含む周波数範囲で、1パル
    ス時間内で高速に周波数掃引する請求項1記載のガドリ
    ニウムの同位体分離方法。
  8. 【請求項8】 請求項2から7までに記載の同位体分離
    方法における3段階の光励起・電離工程に代えて、光反
    応プロセスおよびレーザ装置台数の変更により、2段階
    あるいは多段階の光励起・電離工程に拡張することを特
    徴とするガドリニウムの同位体分離方法。
  9. 【請求項9】 複数の同位体を含むガドリニウム金属原
    料を加熱蒸発させて蒸気流を生成する蒸気流生成手段
    と、上記蒸気流に照射される第1段励起用、第2段励起
    用、および電離用パルスレーザ光を出力するレーザ光出
    力手段とを備え、電離した奇数核同位体のガドリニウム
    を電極に回収するガドリニウムの同位体分離装置におい
    て、上記レーザ光出力手段から出力される上記第1段励
    起用パルスレーザ光、上記第2段励起用パルスレーザ
    光、および上記電離用パルスレーザ光の出力タイミング
    および1パルス時間内での発振周波数を制御するレーザ
    出力制御手段を備え、上記レーザ出力制御手段は、奇数
    核同位体を選択的に近共鳴多光子吸収励起および電離
    るようにレーザ光の発振周波数を時間の関数として制御
    することを特徴とするガドリニウムの同位体分離装置。
  10. 【請求項10】 レーザ光出力制御手段は、パルスレー
    ザ光の周波数を制御するための電気光学素子と、その素
    子の作動およびパルスレーザ光の出力のタイミングを制
    御するためのトリガー信号を出力するパルスジェネレー
    タとを有する請求項9記載のガドリニウムの同位体分離
    装置。
  11. 【請求項11】 請求項9または10に記載のガドリニ
    ウムの同位体分離装置における3段階の光励起・電離手
    段に代えて、光反応プロセスおよびレーザ装置台数の変
    更により、2段階あるいは多段階の光励起・電離手段に
    拡張することを特徴とするガドリニウムの同位体分離装
    置。
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