JP3486609B2 - インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インク、インクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置

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JP3486609B2
JP3486609B2 JP2000382294A JP2000382294A JP3486609B2 JP 3486609 B2 JP3486609 B2 JP 3486609B2 JP 2000382294 A JP2000382294 A JP 2000382294A JP 2000382294 A JP2000382294 A JP 2000382294A JP 3486609 B2 JP3486609 B2 JP 3486609B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドを長期
放置してもオリフィスでのインクの目づまりを起こしに
くく、しかもオフイスや学校で一般的に使用されている
非塗工紙、いわゆる普通紙に記録したときに、記録画像
の濃度が高く、印字特性が紙の種類にほとんど影響され
ずにブルーのモノカラー色の再現を行うことができる新
規なインク(記録液)、これを用いたインクジェット記
録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインク
ジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、筆記具用、スタンプ用、記録
計用及びインクジェット記録用等、紙等の被記録材に記
録を行う為のインクとして、実に様々な組成物の提案が
為されている。それらは各種の染料を水又はその他の有
機溶剤に溶解又は分散せしめたものである。
【0003】又、インクジェット記録方法においても、
様々の方式が提案されており、帯電した液滴を連続的に
発生させ、該液滴の一部を記録に使用する方式、又、圧
電素子を有する記録ヘッドに信号を与え、該信号に応じ
てインクの液滴を発生させて記録を行う方式、或はまた
記録ヘッドの室内のインクに記録信号に対応した熱エネ
ルギーを与え、該エネルギーにより、液滴を発生させ記
録を行う方式等がある。この様なインクジェット記録方
式に用いるインクは、その記録方式の特異性から、筆記
具、スタンプ用、記録計用のインクに比べ、多くの特性
(例えばオリフィス先端で目づまりせず、信号応答性が
良く、高速記録が可能である等の吐出特性、画像の滲み
が少なく、しかも高濃度である等の記録特性)で一層厳
密な条件が要求される。
【0004】従来から、イエローインク、マゼンタイン
ク及びシアンインクについては種々検討されてきてお
り、フルカラー記録の分野で実用化されているものもあ
る。近年、ビジネス文書の作成や家庭におけるハガキへ
の印字等、フルカラーとはいわないまでもカラー記録
(いわゆるモノカラー記録)への需要も高まっている。
かかるモノカラー記録においては、インクカートリッジ
を交換するだけで種々の色、例えばレッド、グリーンあ
るいはブルーの色が印字できるものであるが、かかる色
調のインクはいまだ実用に供されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、記録ヘッドを長期放置してもオリフィスでのインク
の目づまりを起こしにくく、しかもオフイスや学校で一
般的に使用されている非塗工紙、いわゆる普通紙に記録
したときに、記録画像の濃度が高く、滲みがほとんどな
く、しかも印字特性が紙の種類にそれほど影響されずに
ブルーのモノカラー色の再現を行うことができる新規な
インク(記録液)、これを用いたインクジェット記録方
法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェ
ット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明にかかるインクは、
第1の染料及び第2の染料及びこれを溶解又は分散する
ための水性液媒体を含み、前記第1の染料がC.I.ダ
イレクトブルー199であり、前記第2の染料が下記式
表わされる化合物であり、前記第1の染料と第2の染
料との混合比が、重量比で5:1〜2:1の範囲にあ
り、且つ該インク中の染料濃度がインク全重量の1〜
2.5重量%であることを特徴とするものである
【外2】
【0007】
【0008】また本発明にかかるインクジェット記録方
法は、第1の染料及び第2の染料及びこれを溶解又は分
散するための水性液媒体を含み前記第1の染料がC.
I.ダイレクトブルー199であり、前記第2の染料が
記式で表わされる化合物であり、前記第1の染料と第
2の染料との混合比が、重量比で5:1〜2:1の範囲
にあり、且つ染料濃度がインク全重量の1〜2.5重量
%であるインクジェット記録用インクの滴を記録信号に
応じてオリフィスから吐出させて被記録材に記録を行な
う工程を有することを特徴とするものである
【外3】
【0009】
【0010】また本発明にかかる記録ユニットは、上記
のインクジェット記録用インクを収容しているインク収
容部及び該インクをインク滴として吐出させる為のヘッ
ド部を具備していることを特徴とするものである。
【0011】また本発明にかかるインクカートリッジ
は、上記のインクを収容しているインク収容部を具備し
ていることを特徴とするものである。
【0012】また本発明にかかるインクジェット記録装
置は、上記のインクジェット記録用インクを収容してい
るインク収容部と該インクをインク滴として吐出させる
為のヘッド部とを有していることを特徴とするものであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】(好ましい実施態様)次に好まし
い実施態様を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0014】<インク組成>インクに使用される染料と
しては、記録ヘッドを使用しない状態で長期放置した際
に発生するオリフィスの目づまりを防止するために、イ
ンク中の含有量を極力低くすることが必要である。しか
し多くの染料は、その濃度を低くすると十分な色調の画
像が得られない。そこで本発明では、使用する染料の濃
度が低いにもかかわらず、高濃度の記録画像が得られ、
発色性に優れた染料の組合わせを見出したのである。
【0015】本発明のブルーインクに好適に使用される
染料としては、第1の染料としてのC.I.ダイレクト
ブルー199と第2の染料としての下記式で表わされる
化合物の組合わせである。
【外4】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】これら第1の染料と第2の染料の混合比率
は、重量比で5:1〜2:1、より好ましくは5:1〜
3:1の範囲である。
【0021】本発明で用いるこれらの染料は、熱エネル
ギーをインクに作用させてインク滴をオリフィスから吐
出させるインクジェット用のインクの色材として用いて
も、ヒーター面上に染料自体あるいは染料の分解生成物
の沈殿物を生じにくい、いわゆるコゲの発生を抑えるこ
とができるので好ましい。
【0022】これらの染料のインク中での濃度は、発色
性及び記録ヘッドの長期放置後のオリフィスの目づまり
を防止するという観点から、インク全重量の1〜2.5
重量%、より好ましくは1.5〜2.3重量%の範囲で
ある。
【0023】次に本発明で用いる液媒体成分について述
べる。一般に液媒体成分として用いられる溶剤として
は、目づまり防止を目的とした多価アルコール類等の高
沸点溶剤があるが、これらは表面張力が低いため普通紙
上において、液滴が不規則な滲みとなりやすく、画像品
位が低下してしまう。よって、目づまり防止と高品位画
像を両立させることが難しい。その点、グリセリンやチ
オグリコールは高沸点溶剤でありながら表面張力が高い
ため、高品位な画像が得られかつ吸湿性が高いため少量
で目づまり防止効果が得られる。これらの溶剤の含有量
としては、インク全重量の1〜20重量%、好ましくは
1〜15重量%である。本発明では溶剤としてグリセリ
ンとチオジグリコールを併用することが好ましい。特に
チオジグリコールは、染料の発色濃度を向上させる(助
長する)ことができると共に記録休止後の再吐出性に優
れるので好ましいものである。
【0024】本発明では溶剤として好適にはグリセリン
とチオグリコールを用いるものであるが、目づまり防止
効果を更に向上させるために尿素あるいはチオ尿素を併
用するのが好ましい。本発明に用いる尿素あるいはチオ
尿素をインクに添加するとグリセリンとの併用によっ
て、インク中の水分がすべて蒸発して、グリセリン、染
料及び尿素あるいはチオ尿素のみになったときにも、こ
れらの溶剤の粘度は上昇せず流動性を保つという特性を
有する。それ故、染料の量に比して多価アルコールの添
加量を小さくすることができるので、印字品位、定着性
に更に有利になる。かかる尿素あるいはチオ尿素の使用
量は、インク全重量に対して、0.5〜15重量%、よ
り好ましくは2〜10重量%の範囲である。
【0025】上記の組み合わせ、即ち該染料とグリコー
ル及び/またはチオジグリコール及び水の系からなるイ
ンクでは、定着性(画像乾燥性)の問題を解決するには
不十分であり、この問題を解消するために本発明では脂
肪族1価アルコールを使用する。従来では、界面活性剤
の様な浸透剤の使用が提案されていたが、この場合、定
着性は改善されるものの、普通紙上において不定形又は
不規則な滲みが発生し、画像品位が低下するという問題
があった。その点、脂肪族1価アルコールを用いると、
滲みが均一で、且つ液滴の紙への滲透能力及び蒸発能力
を促進する作用がある為、画像品位を低下させることな
く、定着性を速める事が出来る。脂肪族1価アルコール
の中でも、好ましいものは、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール及びn−ブチルアルコールである。そ
の中でも、イソプロピルアルコールは、他のアルコール
に比し臭気がなく画像品位を維持しつつ定着性を改善す
ることが可能な為、とりわけ好ましいものである。脂肪
族1価アルコールの含有量としては、インク全重量に対
して0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%であ
る。
【0026】又、水の含有量としては、インク全重量に
対して60〜90重量%、より好ましくは70〜90重
量%である。
【0027】以上述べた成分の他に本発明では、必要に
応じて粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、防カ
ビ剤、防錆剤等の添加剤を添加することも可能である。
【0028】本発明のインクのpHは、インクに接する
部材への影響、インクの保存安定性、染料の溶解性その
他を考慮して適切な範囲が選ばれる。特に記録ヘッド内
のインクに熱エネルギーを与えて液滴を発生させ記録を
行う記録方法において、染料の溶解安定性とヘッドの連
続吐出安定性との間に密接な関係があり、染料が最も安
定に溶解する様なインクのpHを選択しなければならな
い。本発明のインクでは、pH7.5〜11の範囲が適
当であり、pH8.5〜10.5の範囲が最も適当であ
る。
【0029】以上の如き本発明のインクを用いて種々の
タイプの普通紙にインクジェット記録を行った場合、従
来のインクを用いた場合の様な、紙の種類により画像品
位が低下したり、画像濃度が低下したり、或は定着性が
悪くなる等の問題を生じることがなく良好な記録が可能
である。
【0030】本発明のインクは、後述する熱エネルギー
の作用により液滴を吐出させて記録を行なうインクジェ
ット記録方法にとりわけ好適に用いられるが、その他の
インクジェット記録方法及び一般の筆記具用としても使
用出来る。
【0031】
【実施例】以下に実験例を挙げて、本発明のインクにつ
いて詳述する。
【0032】参考例1、2 下記の組成物を十分撹拌した後、孔径0.22μmのフ
ロロポアフイルター(住友電気工業製のフイルター、商
標名)で加圧濾過し、参考例のグリーンインクとした。
【0033】尚「部」は重量部を表す。
【0034】インク1 ダイレクトブルー199 1.3部 ダイレクトイエロー86 0.7部 グリセリン 5.1部 チオジグリコール 4.9部 尿素 5.0部 イソプロピルアルコール 4.1部 脱イオン水 残 部 残 部インク2 C.I.アシッドブルー9 1.4部 C.I.ダイレクトイエロー86 0.6部 グリセリン 5.2部 チオジグリコール 5.0部 尿素 5.2部 イソプロピルアルコール 3.8部 脱イオン水 残 部 このインクを、後述する図2に示す、熱エネルギーをイ
ンクに付与してインク滴をオリフィスから吐出させるイ
ンクジェット記録用の記録ユニットのインク吸収体(本
例ではポリウレタンを使用)に充填し、かかる記録ユニ
ットを図1のインクジェット記録装置に装着した。かか
る装置を用いて普通紙である4024DP(ゼロックス
社製)及びNPドライSK紙(キヤノン製)に印字を行
った。その結果、いずれも濃度が高く、滲みのほとんど
ない鮮明なブルーの画像が得られた。又インクの定着性
も良好であり、いわゆるコゲも発生しなかった。次にイ
ンクを充填した図2に示す記録ユニットを1か月間放置
した後、再度印字を開始してもオリフィスの目づまりは
観察されなかった。これらのインクは、インク吸収体の
材料であるポリウレタンとのマッチングにも優れてい
た。
【0035】参考例3、4 下記に示す組成のインクを参考例1と同様に調製し、参
考例のレッドインクとした。
【0036】 インク3 例示化合物1の染料 1.4部 C.I.ダイレクトイエロー 860.6部 グリセリン 4.9部 チオジグリコール 5.1部 尿素 5.0部 イソプロピルアルコール 4.0部 脱イオン水 残部インク4 C.I.アシッドレッド 521.5部 C.I.アシッドイエロー 230.5部 グリセリン 5.0部 チオジグリコール 5.2部 尿素 5.1部 イソプロピルアルコール 3.8部 脱イオン水 残部 これらのインクを用いて参考例1と同様にして印字性能
及び吐出性能の評価を行った。その結果、参考例1と同
様に良好であった。
【0037】 実例1及び参考例5 下記に示す組成のインクを参考例1と同様に調製し、本
願発明のブルーインク(インク5)及び参考例のブルー
インク(インク6)とした。
【0038】インク5 C.I.ダイレクトブルー199 1.6部 例示化合物1の染料 0.4部 グリセリン 4.9部 チオジグリコール 5.1部 尿素 5.0部 イソプロピルアルコール 4.0部 脱イオン水 残 部インク6 C.I.アシッドブルー9 1.5部 C.I.アシッドレッド52 0.5部 グリセリン 5.0部 チオジグリコール 5.2部 尿素 5.1部 イソプロピルアルコール 3.8部 脱イオン水 残 部 これらのインクを用いて参考例1と同様にして印字性能
及び吐出性能の評価を行った。その結果、参考例1と同
様に良好であった。以上説明した様に本発明のインクを
用いることにより、(1)記録ヘッドを放置した後でも
オリフィスの目づまりを生じにくい、(2)染料濃度が
低いにもかかわらず、高濃度の画像が得られる、(3)
普通紙の種類に影響されず、再現性の良いブルー色の画
像が得られる、(4)普通紙に印字しても滲みがほとん
ど発生しない画像が得られる、等の利点があり、とりわ
け熱エネルギーを作用させてインク滴をオリフィスから
吐出させて記録を行うインクジェット記録用のインクと
して好適である。
【0039】以下、本発明のインクジェット記録装置に
係る実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】図1乃至図5は、本発明が実施もしくは適
用される好適なインクジエツトユニツトIJU、インク
ジエツトヘツドIJH、インク収容部であるインクタン
クIT、記録ユニットであるインクジエツトカートリツ
ジIJC、インクジエツト記録装置本体IJRA及び夫
々の関係を説明するための説明図である。以下これらの
図面を用いて各部構成の説明を行う。
【0041】(装置本体の概略説明)図1は、本発明に
適用されるインクジエツト記録装置IJRAの概観図の
一例である。図において、駆動モータ5013の正逆回
転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介し
て回転するリードスクリユー5005の螺旋溝5004
に対して係合するキヤリツジHCはピン(不図示)を有
し、矢印a、b方向に往復移動される。このキヤリツジ
HCには、インクジエツトカートリツジIJCが搭載さ
れている。5002は紙押え板であり、キヤリツジ移動
方向にわたって紙をプラテン5000に対して押圧す
る。5007、5008はフオトカプラで、キヤリツジ
のレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ
5013の回転方向切替等を行うためのホームポジシヨ
ン検知手段である。5016は記録ヘッドの前面をキヤ
ツプするキヤツプ部材5022を支持する部材で、50
15はこのキヤツプ内を吸引する吸引手段でキヤツプ内
開口5023を介して記録ヘツドの吸引回復を行う。5
017はクリーニングブレードで、5019はこのブレ
ードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持
板5018にこれらは支持されている。ブレードは、こ
の形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用
できることはいうまでもない。
【0042】本例でのインクジエツトカートリツジIJ
Cは、図2の斜視図でわかるように、インクの収納割合
が大きくなっているもので、インクタンクITの前方面
よりもわずかにインクジエツトユニツトIJUの先端部
が突出した形状である。このインクジエツトカートリツ
ジIJCは、インクジエツト記録装置本体IJRAに載
置されているキヤリツジHC(図1)の後述する位置決
め手段、及び電気的接点とによって固定支持されると共
に、該キヤリツジHCに対して着脱可能なタイプであ
る。
【0043】(インクジエツトユニツトIJU構成説
明)インクジエツトユニツトIJUは、電気信号に応じ
て膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネル
ギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行う方式の
ユニツトである。
【0044】図2において、100はSi基板上に複数
の列状に配された電気熱変換体(吐出ヒータ)と、これ
に電力を供給するAl等の電気配線とが成膜技術により
形成されて成るヒータボードである。200はヒータボ
ード100に対する配線基板であり、ヒータボード10
0の配線に対応する配線(例えばワイヤボンデイングに
より接続される)と、この配線の端部に位置し本体装置
からの電気信号を受けるパツド201とを有している。
【0045】1300は複数のインク流路を夫々区分す
るための隔壁や共通液室等を設けた溝付天板で、インク
タンクから供給されるインクを受けて共通液室へ導入す
るインク受け口1500と、吐出口を複数有するオリフ
イスプレート400を一体成型したものである。これら
の一体成型材料としてはポリサルフオンが好ましいが、
他の成型用樹脂材料でも良い。
【0046】300は配線基板200の裏面を平面で支
持する例えば金属製の支持体で、インクジエツトユニツ
トの底板となる。500は押えばねであり、M字形状で
そのM字の中央で共通液室を押圧すると共に前だれ部5
01で液路の一部を線圧で押圧する。ヒータボード10
0および天板1300を押えばねの足部が支持体300
の穴3121を通って支持体300の裏面側に係合する
ことで、これらを挟み込んだ状態で両者を係合させるこ
とにより、押えばね500とその前だれ部501の付勢
力によってヒータボード100と天板1300とを圧着
固定する。又、支持体300は、インクタンクITの2
つの位置決め凸起1012及び位置決め且つ熱融着保持
用凸起1800、1801に係合する位置決め用穴31
2、1900、2000を有する他、装置本体IJRA
のキヤリツジHCに対する位置決め用の突起2500、
2600を裏面側に有している。加えて支持体300は
インクタンクからのインク供給を可能とするインク供給
管2200(後述)を貫通可能にする穴320をも有し
ている。支持体300に対する配線基板200の取付
は、接着剤等で貼着して行われる。尚、支持体300の
凹部2400、2400は、それぞれ位置決め用突起2
500、2600の近傍に設けられており、組立てられ
たインクジエツトカートリツジIJC(図12)におい
て、その周囲の3辺を平行溝3000、3001の複数
で形成されたヘツド先端域の延長点にあって、ゴミやイ
ンク等の不要物が突起2500、2600に至ることが
ないように位置している。この平行溝3000が形成さ
れている。蓋部材800は、インクジエツトカートリツ
ジIJCの外壁を形成すると共に、インクジエツトユニ
ツトIJUを収納する空間部を形成している。又、この
平行溝3001が形成されているインク供給部材600
は、前述したインク供給管2200に連続するインク導
管1600を供給管2200側が固定の片持ちばりとし
て形成し、インク導管の固定側とインク供給管2200
との毛管現象を確保するための封止ピン602が挿入さ
れている。尚、601はインクタンクITと供給管22
00との結合シールを行うパツキン、700は供給管の
タンク側端部に設けられたフイルターである。
【0047】このインク供給部材600は、モールド成
型されているので、安価で位置精度が高く形成製造上の
精度低下を無くしているだけでなく、片持ちばりの導管
1600によって大量生産時においても導管1600の
上述インク受け口1500に対する圧接状態が安定化で
きる。本例では、この圧接状態下で封止用接着剤をイン
ク供給部材側から流し込むだけで、完全な連通状態を確
実に得ることができている。尚、インク供給部材600
の支持体300に対する固定は、支持体300の穴19
01、1902に対するインク供給部材600の裏面側
ピン(不図示)を支持体300の穴1901、1902
を介して貫通突出せしめ、支持体300の裏面側に突出
した部分を熱融着することで簡単に行われる。尚、この
熱融着された裏面部のわずかな突出領域は、インクタン
クITのインクジエツトユニツトIJU取付面側壁面の
くぼみ(不図示)内に収められるのでユニツトIJUの
位置決め面は正確に得られる。
【0048】(インクタンクIT構成説明)インクタン
クは、カートリツジ本体1000と、インク吸収体90
0とインク吸収体900をカートリツジ本体1000の
上記ユニツトIJU取付面とは反対側の側面から挿入し
た後、これを封止する蓋部材1100とで構成されてい
る。900はインクを含浸させるための吸収体であり、
カートリツジ本体1000内に配置される。1200は
上記各部100〜600からなるユニツトIJUに対し
てインクを供給するための供給口であると共に、当該ユ
ニツトをカートリツジ本体1000の部分1010に配
置する前の工程で供給口1200よりインクを注入する
ことにより吸収体900のインク含浸を行うための注入
口でもある。
【0049】本例では、インクを供給可能な部分は、大
気連通口とこの供給口とになるが、インク吸収体からの
インク供給性を良好に行うための本体1000内リブ2
300と蓋部材1100の部分リブ2500、2400
とによって形成されたタンク内空気存在領域を、大気連
通口1401側から連続させてインク供給口1200か
ら最も遠い角部域にわたって形成している構成をとって
いるので、相対的に良好かつ均一な吸収体へのインク供
給は、この供給口1200側から行われることが重要で
ある。この方法は実用上極めて有効である。このリブ1
000は、インクタンクの本体1000の後方面におい
て、キヤリツジ移動方向に平行なリブを4本有し、吸収
体が後方面に密着することを防止している。又、部分リ
ブ2400、2500は、同様にリブ1000に対して
対応する延長上にある蓋部材1100の内面に設けられ
ているが、リブ1000とは異なり分割された状態とな
っていて空気の存在空間を前者より増加させている。
尚、部分リブ2500、2400は蓋部材1000の全
面積の半分以下の面に分散された形となっている。これ
らのリブによってインク吸収体のタンク供給口1200
から最も遠い角部の領域のインクをより安定させつつも
確実に供給口1200側へ毛管力で導びくことができ
た。1401はカートリツジ内部を大気に連通するため
に蓋部材に設けた大気連通口である。1400は大気連
通口1401の内方に配置される撥液材であり、これに
より大気連通口1401からのインク漏洩が防止され
る。
【0050】前述したインクタンクITのインク収容空
間は長方体形状であり、その長辺を側面にもつ場合であ
るので上述したリブの配置構成は特に有効であるが、キ
ヤリツジの移動方向に長辺を持つ場合又は立方体の場合
は、蓋部材1100の全体にリブを設けるようにするこ
とでインク吸収体900からのインク供給を安定化でき
る。
【0051】又、インクタンクITの上記ユニツトIJ
Uの取付面の構成は図4によって示されている。オリフ
イスプレート400の突出口のほぼ中心を通って、タン
クITの底面もしくはキヤリツジの表面の載置基準面に
平行な直線をL1とすると、支持体300の穴312に
係合する2つの位置決め凸起1012はこの直線L1上
にある。この凸起1012の高さは支持体300の厚み
よりわずかに低く、支持体300の位置決めを行う。こ
の図面上で直線L1の延長上には、キヤリツジの位置決
め用フツク4001の90ー角の係合面4002が係合
する爪2100が位置しており、キヤリツジに対する位
置決めの作用力がこの直線L1を含む上記基準面に平行
な面領域で作用するように構成されている。図4で後述
するが、これらの関係は、インクタンクのみの位置決め
の精度がヘツドの吐出口の位置決め精度と同等となるの
で有効な構成となる。又、支持体300のインクタンク
側面への固定用穴1900、2000に夫々対応するイ
ンクタンクの突起1800、1801は前述の凸起10
12よりも長く、支持体300を貫通して突出した部分
を熱融着して支持体300をその側面に固定するための
ものである。上述の線L1に垂直でこの突起1800を
通る直線をL3、突起1801を通る直線をL2とした
とき、直線L3上には上記供給口1200のほぼ中心が
位置するので、供給部の口1200と供給管2200と
の結合状態を安定化する作用をし、落下や衝撃によって
もこれらの結合状態への負荷を軽減できるので好ましい
構成である。又、直線L2、L3は一致していず、ヘツ
ドIJHの吐出口側の凸起1012周辺に突起180
0、1801が存在しているので、さらにヘツドIJH
のタンクに対する位置決めの補強効果を生んでいる。
尚、L4で示される曲線は、インク供給部材600の装
着時の外壁位置である。突起1800、1801はその
曲線L4に沿っているので、ヘツドIJHの先端側構成
の重量に対しても充分な強度と位置精度を与えている。
尚、2700はインクタンクITの先端ツバで、キヤリ
ツジの前板4000の穴に挿入されて、インクタンクの
変位が極端に悪くなるような異変時に対して設けられて
いる。2101は、キヤリツジHCとのさらなる位置決
め部との係合部である。
【0052】インクタンクITは、ユニツトIJUを装
着された後に蓋800で覆うことで、ユニツトIJUを
下方開口を除いて包囲する形状となるが、インクジエツ
トカートリツジIJCとしては、キヤリツジHCに載置
するための下方開口はキヤリツジHCと近接するため、
実質的な4方包囲空間を形成してしまう。従って、この
包囲空間内にあるヘツドIJHからの発熱はこの空間内
の保温空間として有効となるものの長期連続使用として
は、わずかな昇温となる。このため本例では、支持体の
自然放熱を助けるためにカートリツジIJCの上方面
に、この空間よりは小さい幅のスリツト1700を設け
て、昇温を防止しつつもユニツトIJU全体の温度分布
の均一化を環境に左右されないようにすることができ
た。
【0053】インクジエツトカートリツジIJCとして
組立てられると、インクはカートリツジ内部より供給口
1200、支持体300に設けた穴320および供給タ
ンク600の中裏面側に設けた導入口を介して供給タン
ク600内に供給され、その内部を通った後、導出口よ
り適宜の供給管および天板400のインク導入口150
0を介して共通液室内へと流入する。以上におけるイン
ク連通用の接続部には、例えばシリコンゴムやブチルゴ
ム等のパツキンが配設され、これによって封止が行われ
てインク供給路が確保される。
【0054】尚、本実施例においては天板1300は耐
インク性に優れたポリサルフオン、ポリエーテルサルフ
オン、ポリフエニレンオキサイド、ポリプロピレンなど
の樹脂を用い、オリフイスプレート部400と共に金型
内で一体に同時成型してある。
【0055】上述のように一体成型部品は、インク供給
部材600、天板・オリフイスプレート一体、インクタ
ンク本体1000としたので組立て精度が高水準になる
ばかりでなく、大量生産の品質向上に極めて有効であ
る。又部品点数の個数は従来に比較して減少できている
ので、優れた所望特性を確実に発揮できる。
【0056】また本例では、インク吸収体の材料として
ポリウレタンを使用する。
【0057】(キヤリツジHCに対するインクジエツト
カートリツジIJCの取付説明)図5において、500
0はプラテンローラで、記録媒体Pを紙面下方から上方
へ案内する。キヤリツジHCは、プラテンローラ300
0に沿って移動するもので、キヤリツジの前方プラテン
側にインクジエツトカートリツジIJCの前面側に位置
する前板4000(厚さ2mm)と、カートリツジIJ
Cの配線基板200のパツド201に対応するパツド2
011を具備したフレキシブルシート4005、及びこ
れを裏面側から各パツド2011に対して押圧する弾性
力を発生するためのゴムパツド4006を保持する電気
接続部用支持板4003と、インクジエツトカートリツ
ジIJCを記録位置へ固定するための位置決め用フツク
4001とが設けられている。前板4000は位置決め
用突出面410をカートリツジの支持体300の前述し
た位置決め突起2500、2600に夫々対応して2個
有し、カートリツジの装着後はこの突出面4010に向
う垂直な力を受ける。このため、補強用のリブが前板の
プラテンローラ側に、その垂直な力の方向に向っている
リブ(不図示)を複数有している。このリブは、カート
リツジIJC装着時の前面位置L5よりもわずかに(約
0.1mm程度)プラテンローラ側に突出しているヘツ
ド保護用突出部をも形成している。電気接続部用支持板
4003は、補強用リブ4004を前記リブの方向では
なく垂直方向に複数有し、プラテン側からフツク400
1側に向って側方への突出割合が減じられている。これ
は、カートリツジ装着時の位置を図のように傾斜させる
ための機能も果している。又、支持板4003は電気的
接触状態を安定化するため、プラテン側の位置決め面4
008とフツク側の位置決め面4007を有し、これら
の間にパツドコンタクト域を形成すると共にパツド20
11対応のボツチ付ゴムシート4006の変形量を一義
的に規定する。これらの位置決め面は、カートリツジI
JCが記録可能な位置に固定されると、配線基板300
の表面に当接した状態となる。本例では、さらに配線基
板300のパツド201を前述した線L1に関して対称
となるように分布させているので、ゴムシート4006
の各ボツチの変形量を均一化してパツド2011、20
1の当接圧をより安定化している。本例のパツド201
の分布は、上方、下方2列、縦2列である。
【0058】フツク4001は、固定軸4009に係合
する長穴を有し、この長穴の移動空間を利用して図の位
置から反時計方向に回動した後、プラテンローラ500
0に沿って左方側へ移動することでキヤリツジHCに対
するインクジエツトカートリツジIJCの位置決めを行
う。このフツク4001の移動はどのようなものでも良
いが、レバー等で行える構成が好ましい。いずれにして
もこのフツク4001の回動時にカートリツジIJCは
プラテンローラ側へ移動しつつ位置決め突起2500、
2600が前板の位置決め面4010に当接可能な位置
へ移動し、フツク4001の左方側移動によって90ー
のフツク面4002がカートリツジIJCの爪2100
の90ー面に密着しつつカートリツジIJCを位置決め
面2500、4010同志の接触域を中心に水平面内で
旋回して最終的にパツド201、2011同志の接触が
始まる。そしてフツク4001が所定位置、即ち固定位
置に保持されると、パツド201、2011同志の完全
接触状態と、位置決め面2500、4010同志の完全
面接触と、90度面4002と爪の90度面の2面接触
と、配線基板300と位置決め面4007、4008と
の面接触とが同時に形成されてキヤリツジに対するカー
トリツジIJCの保持が完了する。
【0059】このような装置を用いて以下に本発明での
実施例を示す。
【0060】図6は本発明の全体のシステムを表す構成
図である。構成としては記録手段と、好ましくはそれに
付属する種類判別手段と交換検知手段等から構成される
IJCユニットとそのIJCユニットに対してホームポ
ジション等でヘッドのメンテナンス等を行うブレード、
そのブレードをクリーニングするブレードクリーナー
(第1クリーナ)、記録手段から安定な記録状態を維持
するため吐出されるインクを受けるインク受け部材(第
2クリーナ)、記録手段のノズル内より強制的にインク
を排出させるインク強制排出手段等により構成されるク
リーニングユニットと記録手段に記録信号を与える記録
手段駆動素子とその記録素子駆動手段に印字パターンを
与えるラインバファーメモリー等のメモリー手段を有す
るコントロールユニットとそのコントロールユニットに
ホストからの印字パターンをコントロールユニットに適
した形に直すためのプリンタードライバーからなるホス
トユニットで構成されている。さらに記録手段により記
録媒体上に画像を記録するための記録媒体搬送手段と好
ましくはその際記録媒体の位置合わせをするためのレジ
スト調整手段を有する。それにより同一記録媒体を複数
回記録媒体搬送手段により搬送して印字記録を行っても
各記録回ごとの位置がずれないようにしたものである。
さらに被記録後の印字媒体を排出するための排紙手段を
有している。その際排紙手段にはいくつかの方法がすで
に示されているが一般的には排紙拍車を用いて被印字後
の記録媒体の印字面を拍車で押さえながら排出するもの
が多い。
【0061】図7は本発明のシステムを実施した場合の
一例の順序を示す。同一記録媒体を用いて複数回の印字
記録を行っている手順を示している。図7の(A)でま
ず第一回目の印字記録を行おうとしている状態を示して
いる。6005はオートシートフィーダーであり600
1はピックアップローラーである。6002はニードル
ローラーであり5000のプラテンローラーと平行に圧
接して設置されており記録媒体を搬送方向に送るための
搬送力を発生させている。6003は排紙拍車であり6
004の排紙ローラーとの間でやはり排紙の為の搬送力
を発生させるためのものである。図7の(B)において
は一度印字が終了して排紙された後の記録媒体を600
5のオートシートフィーダーに再セットしIJCを他の
種類のものに交換した状態を示している。よって記録媒
体上には第一回目の印字記録により印字されたインク
(A)が付着している状態をしめしている。図7の
(C)は再度IJCを交換して印字記録を行うために記
録媒体をセットした状態を示している。
【0062】通常はこのモノカラー印字においては単色
で印字を行うので通常のほぼ同時期に印字を行う複数個
の異なる色の記録素子を同一キャリッジ上に持つものに
比較して混色にじみや境界にじみ等の画像不良が非常に
おきにくいものとなっている。そのためコート紙等の専
用紙を用いなくとも普通紙に非常に高画質の印字を行う
ことが可能である。さらに同一の記録媒体で少なくとも
1回目の印字が終了したものを再通紙してもヘッド交換
やデータの交換等ですくなくとも数10秒の時間が開く
ので給紙系やその他へのインクの再転写等が起こりにく
くなっている。また色種や印字パターン、記録媒体種に
よって印字する順序等を変える方が良い場合が存在す
る。例えば印字するときのバックグラウンド色がありそ
の上に文字等のパターンが乗っている場合。すなわち背
景色により囲まれた印字領域が存在する場合は文字や線
等の背景色に囲まれる部分を最後に印字する方が良い結
果が得られる。
【0063】これをプリンタードライバー等のソフト上
で抽出して最適な印字順序を指示するようにしても良
い。またカラー印字で通常行われる千鳥、逆千鳥の重ね
印字やファインモードとよばれている異なるノズルを用
いて複数回の印字を行ないノズルの吐出量ムラやヨレに
よる画像不良を解消する方法を用いても良い。この際や
り方としては間引いたパターンで第1回目の印字を行い
排紙後再度同一ヘッドまたは異なるヘッドで間引いたパ
ターンを補間するように印字しても良い。さらに使用し
ているノズル数よりも少なくとも1ノズル以上がずれる
ように紙送りをして複数回の走査を行い画像を完成させ
ても良い。さらに色毎に使用ノズル数を変えたり、ライ
ン間の継ぎ目のレジ位置を変えたりする画像改良方法を
加えても良い。またモノカラーの場合は通常は単色づつ
の色重ねで印字を行う為に通常の複数の記録ヘッドをほ
ぼ横並びで持つカラーインクジェットと異なり往復印字
を行っても色の打ち込み順序が往路と復路で異なるよう
なことがないので往復カラー印字を行っても往路と復路
での打ち込み順差による色味の差が出ないので特殊な色
味の制御を行わなくとも往復印字が可能なため、にじみ
が無く、かつ色味が安定している為にかなりな高画質の
カラー印字物を得ることが可能である。
【0064】今までは高画質な印字が得られることを説
明してきたが同一記録媒体に複数回印字記録を行う場
合、単色印字では解決されていた問題がクローズアップ
される場合があった。それは排紙拍車の問題である。排
紙拍車にはいくつかの実用例があるが最も高性能かつ単
純な方法の一つに周面が連続的に被印字面に当接し回転
するようにしかつその材質にフッソ化合物等で出来たハ
ッスイ性能の高いものを用いてインクがその周面に転写
しないように工夫したものが実用化されている。これに
おいては同一の記録媒体に1回の印字を行う場合はもと
より複数回の印字を行っても被印字部のインクを非印字
部に転写させること無く、いわゆる拍車跡を出さずに印
字することが可能であった。しかし複数の色のIJCを
用いて同一記録媒体に複数回の記録を行う場合において
は、異なる色の高い印字比率の印字の上を拍車が通過す
る場合に異なる色の上でのみ拍車跡が生じてしまうとい
う問題である。これは原理的に説明すると拍車の周面で
なく側面に付着してるインク滴が異なる色の上で混ざる
為に生ずるものである。同一の色であれば側面のインク
が混ざっても問題ないが色が異なるが故に問題となって
しまう。印字されていないところや、印字比率が低いと
ころに於いては紙の膨潤による変形が少ないために拍車
の側面のインクが問題を起こすことは無かった。複数の
異なる色の印字を行う為には、拍車ユニット等の交換を
するようにしたものが最適である。具体的には拍車クリ
ーナーの付いているものや拍車の全く無いもの等の周知
の手段の組み合わせが考えられる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
(1)記録ヘッドを放置した後でもオリフィスの目づま
りを生じにくい、(2)染料濃度が低いにもかかわら
ず、高濃度の画像が得られる、(3)普通紙の種類に影
響されず、再現性の良いブルー色の画像が得られる、
(4)普通紙に印字しても滲みがほとんど発生しない画
像が得られるブルーインクが提供され、かかるインクは
とりわけ、熱エネルギーを作用させてインク滴をオリフ
ィスから吐出させて記録を行うインクジェット記録用イ
ンクとして好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット記録装置本
体を示す説明図である。
【図2】インクジェットカートリッジを示す分解斜視図
である。
【図3】インクジェットカートリッジを示す斜視図であ
る。
【図4】インクジェットカートリッジ一部の詳細を説明
するための図である。
【図5】インクジェットカートリッジの取り付けを説明
するための図である。
【図6】本発明のインクジェット記録装置のシステムを
表す図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置の使用形態を
表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09B 67/46 B41J 3/04 101Y (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 B41J 2/01 B41M 5/00 C09B 29/30 C09B 67/22 C09B 67/46

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の染料及び第2の染料及びこれを溶
    解又は分散するための水性液媒体を含むインクにおい
    て、前記第1の染料がC.I.ダイレクトブルー199
    であり、前記第2の染料が下記式で表わされる化合物で
    あり、前記第1の染料と第2の染料との混合比が、重量
    比で5:1〜2:1の範囲にあり、且つ該インク中の染
    料濃度がインク全重量の1〜2.5重量%であることを
    特徴とするインク 【外1】
  2. 【請求項2】 該水性液媒体が、グリセリンとチオジグ
    リコールとを含む請求項1に記載のインク。
  3. 【請求項3】 該水性液媒体が、更に尿素またはチオ尿
    素を含む請求項2に記載のインク。
  4. 【請求項4】 該水性液媒体が、更に脂肪族1価アルコ
    ールを含む請求項2または3に記載のインク。
  5. 【請求項5】 該インクがインクジェット記録用のイン
    クである請求項1〜4のいずれかに記載のインク。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のインクの滴を記録信号
    に応じてオリフイスから吐出させて被記録材に記録を行
    う工程を有することを特徴とするインクジェット記録方
    法。
  7. 【請求項7】 インクに熱エネルギーを作用させてイン
    ク滴を吐出させる請求項6に記載のインクジェット記録
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載のインクを収容している
    インク収容部、及び該インクをインク滴として吐出させ
    る為のヘッド部を具備していることを特徴とする記録ユ
    ニット。
  9. 【請求項9】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを作
    用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項8に
    記載の記録ユニット。
  10. 【請求項10】 請求項1〜5のいずれかに記載のイン
    クを収容しているインク収容部を具備していることを特
    徴とするインクカートリッジ。
  11. 【請求項11】 請求項5に記載のインクを収容してい
    るインク収容部と該インクをインク滴として吐出させる
    為のヘッド部とを有していることを特徴とするインクジ
    ェット記録装置。
  12. 【請求項12】 ヘッド部が、インクに熱エネルギーを
    作用させてインク滴を吐出させるヘッドを含む請求項1
    1に記載のインクジェット記録装置。
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