JP3486437B2 - 塞栓術用カテーテル - Google Patents

塞栓術用カテーテル

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JP3486437B2 JP30951693A JP30951693A JP3486437B2 JP 3486437 B2 JP3486437 B2 JP 3486437B2 JP 30951693 A JP30951693 A JP 30951693A JP 30951693 A JP30951693 A JP 30951693A JP 3486437 B2 JP3486437 B2 JP 3486437B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血管塞栓術に用いる塞
栓術用カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】脳動脈瘤の一般的な治療として外科的に
開頭し、瘤頚部をクリッピングする方法があるが、これ
は外科的侵襲が大きくかつ合併症を伴う危険性を否定で
きない。そこで、大きな動脈瘤などの手術不能ないしは
困難な脳血管病変の治療成績向上のため、そして患者の
肉体的精神的および経済的負担の軽減のため外科手術侵
襲を加えず、血管カテーテルを用いて行う血管内外科治
療が近年盛んになった(後藤勝弥、Neurosurgeons 9, 2
29-239, 1990)。
【0003】例えば、脳血管障害治療においては、微小
なカテーテルを超選択的に脳動脈の患部に挿入し、当該
カテーテルにより導入される塞栓物質により、脳動脈瘤
などを閉塞して治療を行うことを目的としている。
【0004】脳血管は、他の部分と比較して血管壁が薄
いため、血流の側圧に対して抵抗が弱く、また、頭蓋内
で血管は複雑に走行し、特に分岐部にかかる応力によっ
て特に高血圧の患者では障害が生じやすい。脳動脈瘤
は、剖検の統計では成人100人に1人が動脈血管系に
有する瘤であり、直径約1mmから20mm以上の巨大
なものまで広い形状分布を持ち、発生部位もウイリス動
脈輪(Willis ring )を中心として脳動脈の多枝に渡っ
ている。破裂するとクモ膜下出血や脳内出血などの重篤
な脳血管障害を起こし、巨大化すると脳神経圧迫症候を
おこす。動静脈奇形は、脳血管奇形の中では最も多く、
またよく知られたものであり、蛇行、拡張した流入およ
び流出血管とそのあいだの動静脈吻合を有する血管の集
積からなっている。臨床的には比較的若年で発症する脳
内出血、クモ膜下出血、てんかん、進行性神経機能脱落
の原因として重要である。
【0005】塞栓術は、このような脳動脈病変部を塞栓
物質で閉塞し、病変部の血流を止めて患部を固化し、治
療するもので、必要な場合はさらに固化した患部の摘出
を行う。
【0006】脳動静脈奇形においては塞栓術が治療の中
心的役割を演ずるようになっており(Goto K.etal.Neuro
radiology 33[Suppl]193-194 1991)、脳動脈瘤におい
ても、近い将来同様な状況になると目されている(後藤
勝弥、医学のあゆみ153:635 1990)。この
ため、種々の塞栓材が研究されている。
【0007】従来、血管病変個所の閉塞用の液体とし
て、シアノアクリレート系の材料が多く用いられてきた
(J.Biomed, Mater. Res.,17, 167-177(1983) M.C. Har
pers他)。
【0008】また最近では、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体(エバールR )のジメチルスルホキシド(D
MSO)溶液を塞栓用の材料として用い、血液中でDM
SOを拡散させ、エバールR を析出させて血管を閉塞す
ることが提案されている(メディカルトリビューン、1
989年10月26日、46〜47頁)。
【0009】一方、カテーテルを用いて、動脈瘤内部で
切り離し可能なバルーン(離脱型バルーン)をふくらま
せて動脈瘤を塞ぎ、バルーンを動脈瘤内に留置する方法
もとられている(Journal of Neurosurgery,41, 125-14
5(1974), F.A.Serbinenko )。
【0010】ほかにも従来から用いられているものとし
て、金属コイル(ミニコイル)、ポリビニルアルコール
(PVA)スポンジ、アルコールおよび縫合糸などが治
療目的に応じて利用されてきた。
【0011】シアノアクリレート系の従来の材料では、
血管中で急速に固化重合するため、塞栓物質の注入が難
しく、強力な接着作用を有する本剤によって、カテーテ
ルが脳血管内に糊付けされるのを防ぐため注入終了と同
時にカテーテルをシースの外まで一気に抜去しなければ
ならず、取り扱いが困難であり、閉塞状況が不十分でも
再注入できない。また、血管壁への刺激も大きく、強い
炎症反応を引き起こすという問題があった。
【0012】エバールRをDMSO溶媒にとかして用い
る系は、流血に触れて析出したエバールR の中心部に、
いつまでも溶媒が残存したり、動脈瘤の塞栓術に用いた
場合は、動脈瘤出口から血管中にはみ出した部分は、分
岐部の流れに沿って付着するという問題がある。
【0013】また、溶媒のDMSOは、安全性が確立し
ておらず、(第11回日本バイオマテリアル学会大会予
稿集(1989)68、II−22 岩田博夫ほか)、さ
らに樹脂製の器具に障害を与えるなど、上述のような瘤
内へカテーテル介して直接注入する使用法の場合、最適
な溶媒であるとは必ずしも言えない。
【0014】また、動脈瘤の塞栓術には離脱型バルーン
が用いられることが多いが、バルーンを用いる場合で
は、バルーンと瘤内壁との反応が弱いので、瘤内部空腔
が充分埋まらないで、わずかでも内腔が残った場合再発
の危険性が高い。できるだけバルーンを大きく膨らませ
て瘤の内腔を多く埋めようとするとバルーンの内圧が高
まり動脈瘤の形を変えることになり、動脈瘤破裂の危険
がある。また、バルーンをカテーテルから切り離すとき
に牽引力をかけねばならず、これまた動脈瘤破裂の危険
性を増す。
【0015】現時点では、離脱型バルーン、ミニコイル
などを用いる方法でも、動脈瘤頚部の完全遮断が困難
で、親動脈の一部を閉塞する近位閉塞法を行うことが多
い(医学のあゆみ154.(7).432.(199
0)高橋明)が、この方法では、親動脈を犠牲にしなけ
ればならず、脳を血流障害の危険にさらすことになる。
巨大動脈瘤の塞栓術の為に離脱型バルーンとミニコイル
を使用する方法(後藤勝弥、日本血管造影IVR研究会
抄録集、1991)もあるが、高価なミニコイルを多数
要し、長時間かかるうえ、減圧効果が乏しい、すなわち
充填密度が低く留置直後は瘤内圧を軽減することが困難
という欠点がある。
【0016】その他、PVA顆粒、アルコール、縫合糸
などの材料は、取扱いが困難であることに加えて、治療
効果が不十分であることなど治療上問題点が多い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、安全で確実に動脈瘤の塞栓術を行なうことのできる
塞栓術用カテーテルを提案することにある。さらに本発
明の目的は、血管中への小片の飛散を抑えることが可能
な塞栓材料を形成できる塞栓術用カテーテルを提案する
ことにある。さらに本発明の目的は、糸状塞栓物を形成
できる塞栓術用カテーテルを提案することにある。また
本発明の目的は、溶媒の副作用をできるだけ抑えた血管
病変塞栓材料を形成できる塞栓術用カテーテルを提供す
ることにある。さらに、本発明の目的は、充填密度が高
く、留置直後に瘤内圧を軽減することが可能な塞栓術用
カテーテルを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】これらの目的は、本発明
の塞栓術用カテーテルによって解決される。即ち、前記
目的は、液状物質を導入する通路を有するカテーテルで
あって、前記液状物質を糸状塞栓物として形成する紡糸
手段を先端部に有する塞栓術用カテーテルによって達成
される。液状物質を導入する通路は該カテーテルの先端
部と基端部に開口部を有することが望ましい。
【0019】本発明の塞栓術用カテーテルは、前記液状
物質を導入する通路と隔別される他の通路を少なくとも
一つ有することが望ましい。さらに液状物質を導入する
通路は該カテーテルの先端部と基端部に開口してなるこ
とが望ましい。また、液状物質を導入する通路と隔別さ
れる他の通路をさらに少なくとも1つ有してなることが
望ましい。
【0020】また、前記紡糸手段が吐出手段を有するこ
とが望ましい。前記液状物質が反応型液状物質と、該反
応型液状物質を反応硬化せしめる他の液状物質からな
り、それぞれ独立した液状物質を導入する通路を通じて
先端部まで導入され、前記紡糸手段は反応型液状物質
と、該反応型液状物質を反応硬化せしめる他の液状物質
混合することにより糸状塞栓物質を形成せしめることが
望ましい。
【0021】本発明の塞栓術用カテーテルは、前記液状
物質は光照射により硬化する光反応型液状物質であり、
前記紡糸手段は該光反応物質を反応硬化せしめる光照射
手段を有することが望ましい。前記液状物質がズリ応力
により糸状塞栓物質を形成するものであり、前記紡糸手
段が前記液状物質にズリ応力を加えるズリ応力付加機構
を有することが望ましい。紡糸される糸の太さとしては
1〜100デニールであることが望ましい。
【0022】本発明の塞栓術用カテーテルは、カテーテ
ル内の貯留部分と、貯留部分に圧力をかける圧力負荷手
段と、カテーテル外部と貯留部分とを連通する通路と、
貯留部分に貯留した移動可能な液状物質を糸状連続体に
変化させる手段とからなる。さらに、本発明の塞栓術用
カテーテルは、本体部が比較的硬質で先端部が比較的柔
軟であり、先端部より糸状塞栓物を形成するものであ
る。
【0023】本発明の塞栓術用カテーテルは、カテーテ
ルの表面に生体適合性および潤滑性を備えるコート層を
有することが望ましい。さらに、カテーテルの表面に抗
血栓性と親水性を備えるコート層を有することが望まし
い。前記吐出手段は液状物質用通路の先端が縮径されて
いることが望ましい。
【0024】本発明の塞栓術用カテーテルは、糸状塞栓
物質を該カテーテルの先端より形成する形成部を備えて
なり、所望部位に該カテーテルを誘導して、該形成部よ
り形成した糸状塞栓物質により血液を固化させてなる。
【0025】本発明の塞栓術用カテーテルで形成される
糸状塞栓物質は、連続状の細径物であれば本発明の目的
に反しない限り適宜使用可能である。
【0026】本発明の塞栓術用カテーテルは、脳動脈瘤
の塞栓に用いる他、大動脈瘤等の脳血管以外の動脈瘤
や、食道静脈瘤等の静脈瘤に用いることができる。ま
た、内視鏡下外科手術によるガン腫瘍等の組織切除後の
欠損部補填など、管腔、体腔内の塞栓および補填術用カ
テーテルとして用いることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の塞栓術用カテーテルを好適実
施例に基づいて説明する。
【0028】本発明の図1(a)に示す塞栓術用カテー
テル1は、カテーテル本体部10、カテーテル先端部2
0及びカテーテル基部(操作部)30から構成される。
基部30は、液状物質導入ポート32とガイドワイヤー
ポート34から構成されたハブ36からなる。使用時に
は液状物質導入ポート32は基端部開口部として液状物
質が貯留した容器を接続し、圧力負荷手段により液状物
質に圧力をかけて後述するように先端部20から連続状
細径物を吐出する。
【0029】図1(b)はカテーテル本体部10の断面
図である。この図に示されるように、カテーテル本体部
10は液状物質を導入する通路50、すなわちカテーテ
ル基部30の導入ポート32から液状物質を導入してカ
テーテル1の先端から外部へ供給する通路(ルーメン)
50と、ガイドワイヤーもしくは観察鏡等を挿通する通
路(ルーメン)60を有している。なお、カテーテル1
の表面には、生体適合性及び潤滑性を備えるコート層を
有している(図示せず)。生体適合性及び潤滑性を備え
るコート層は、カテーテル表面での血栓形成の防止、カ
テーテルによる血管内膜損傷の防止、血管内壁との摩擦
低下によるスムースな血管内走行を可能としている。
【0030】図2は本発明の塞栓術用カテーテル1の本
体部10と先端部20の境界部分を示す断面図である。
図2(a)において、紙面左側がカテーテル1の先端部
20であり、右側が本体部10である。本体部10は、
断面径方向において内側に内層部22を有し、外側には
外層部12を有している。本体部10では、外層部12
の外径、厚みは軸方向で略同じである。内層部22の外
径も軸方向で略同じである。先端部20は、本体部10
の内層部22が延長して先端部20の外表面をなしてお
り、外層部12は先端は先端部20の基端に位置してお
り、先端部20を被覆していない。外層部12は比較的
剛性の高い、硬質な材料で形成しており、内層部22は
比較的柔軟な材料で形成している。内層部22には、液
状物質を導入する通路50が形成されている。さらに、
内層部22には液状物質を導入する通路50と隔別され
る他の通路として、ガイドワイヤーもしくは観察鏡等を
挿通する通路60が設けられている。
【0031】外層部12は、その先端付近121で略均
一の厚みが、先端に向かって外径が小さくなるように薄
くなっており、比較的剛性の高い外層部12のある本体
部10と比較的柔軟な内層部22のみの先端部20との
物性(剛性)を極端に変わることを緩衝している。先端
部20は柔軟で本体部10は剛性が高く、先端方向に柔
軟さが増大する境界部分を有することで、境界部分の折
れ曲がりを防止できる。また、外層部12の先端付近1
21の内面は、螺旋状や輪状の切れ込みを外側に貫通し
ない程度に設けることで、さらにキンクを防止できるよ
うになっている。さらに螺旋状や輪状の切れ込み、若し
くは内面を荒らすことにより内層部22の外表面と先端
付近121の内面を融着したときに外れにくくなる。先
端部20の内層部22は、先端に向かって外径が略同
一、若しくは細くなるように構成される。
【0032】図2(b)では図2(a)と同様に紙面左
側がカテーテル1の先端部20であり、右側が本体部1
0であり、同じ構成は同一番号を付している。本体部1
0は、断面径方向において内側に内層部22を有し、外
側には外層部12を有してる。本体部10では、外層部
12の外径、厚みは軸方向で略同じである。内層部22
の外径も軸方向で略同じである。先端部20は、本体部
10の外層部12が内層部22の先端側を延長して形成
しており、内層部12はその先端220を末端としてい
る。外層部12は比較的柔軟な材料で形成しており、内
層部22は比較的剛性の高い材料で形成している。本体
部10の内層部22先端部20の外層部12には、液状
物質を導入する通路50と、ガイドワイヤーもしくは観
察鏡等を挿通する通路60が軸方向に連続して設けられ
ている。
【0033】本体部内層部22の先端付近222は、先
端に向かって外径が小さくなっており、比較的剛性の高
い内層部22のある本体部20と比較的柔軟な外層部1
2のみの先端部10との物性(剛性)を極端に変わるこ
とを緩衝してキンクを防止する。また、内層部22の先
端付近222の外面は、螺旋状や輪状の切れ込みをそれ
ぞれの通路50、60に貫通しない程度に設けること
で、先端方向に柔軟さが増大することになり、さらにキ
ンクを防止できるようになっている。螺旋状や輪状の切
れ込み、若しくは内面を荒らすことにより外層部12の
内表面と先端付近222の外面を融着したときに外れに
くくなる。先端部20の内層部22は、先端に向かって
外径が略同一、若しくは細くなるように構成される。
【0034】図3は本発明の塞栓術用カテーテル1の先
端部20を示している。カテーテルの先端部20には、
紡糸手段として、液状物質を導入するルーメン(通路)
50から連通して、導入した液状物質を吐出形成して紡
糸する吐出口52を有する吐出ノズル54と、ガイドワ
イヤーもしくは観察鏡等挿通するルーメン(通路)60
の開口部62が設けられている。カテーテル先端部20
の外径は1mm程度である。
【0035】吐出ノズル54は、液状物質を導入するル
ーメン50の内径から吐出口52の内径まで小さくなる
ように形成されている。これは、所望外径の糸状塞栓物
を形成するためと、導入された液状物質に圧力がかかっ
て吐出口52から外部に吐出されたときのスピードが大
きくなるようにするためである。紡糸手段として吐出ノ
ズル54を備えることにより細径の連続状固形物を形成
することができる。吐出ノズルとしては、ルーメン50
の内径よりも実質的に小さな開口部であれば、テーパ状
に細径化されていなくても、糸状物が形成されるのであ
れば使用できる。
【0036】図4は図3の本発明のカテーテル1先端部
20の第1変形例である。先端部20では、ガイドワイ
ヤーもしくは観察鏡等挿通するルーメン60とその開口
部62は図3の態様と同じであるが、吐出ノズル54が
異なっている。すなわち、図4の吐出ノズル54は、液
状物質を導入するルーメン(通路)50の内径から先端
方向に徐々に径が小さくなる部分54aと、その先はほ
ぼ一定の内径を有し、ルーメン50よりも内径が小さい
吐出通路54b、およびその先の吐出口52から構成さ
れ紡糸手段を形成する。吐出通路54を所定長設けるこ
とにより、吐出口52から吐出されて糸状に形成される
塞栓物質の外径を一定に近く保つ作用を有する。吐出ノ
ズル54を備えることにより細径の連続状固形物を形成
することができる。
【0037】図5は図3の本発明のカテーテル1先端部
20の第2変形例である。図5(a)における紡糸手段
としての吐出ノズル54は、液状物質を導入するルーメ
ン(通路)50の内径から先端方向に徐々に径が小さく
なる部分54aと、ルーメン50側より圧力が増加した
場合に、カテーテルの先端部20の形成する材料(樹
脂)の弾性により、通路が形成して吐出口52から糸状
に塞栓物質が作られる閉塞通路54cからなる。
【0038】図5(b)は、図5(a)の先端部20の
断面図である。吐出口52及び閉塞通路54cは通常は
閉塞した状態であり、ルーメン50に塞栓物質の原料と
なる液状物質が充填されて、内圧が上昇すると先端方向
に徐々に径が小さくなる部分54aの内壁に力がかかっ
て、図中、破線でしめしたように閉塞通路54cが通路
が形成する。閉塞した吐出口52も同様に拡開して、液
状物質が閉塞通路54cの形成した通路と吐出口52を
通り、中実糸である糸状物質に紡糸される。液状物質が
血液に触れて糸状にその形を形成するものである場合、
紡糸するまでは、液状物質と瘤内の血液が非接触である
ことが好ましい。特に、溶質が溶媒中に溶けている溶液
を液状物質として用いる場合、溶媒が分散して溶質が析
出して塞栓物となるので、血液との接触が溶媒の分散に
結び付く。溶質は血液に対しては非溶解であれば、溶質
が析出して形をなす。そこで紡糸開始前に血液非溶解性
溶質が血液に接触していないことが好ましい。内圧を降
下させると閉塞通路54cが閉塞するので、塞栓術を中
断してもいつでも再開できる。
【0039】図6は本発明の塞栓術用カテーテル1の他
の実施例を示した先端部斜視図である。この実施態様は
カテーテル本体部、カテーテル先端部及びカテーテル基
部という基本構成は図1(a)のカテーテルと同一であ
る。また、先端部と本体部の境界部分は図2で表した構
造のいずれかを採用可能である。さらにガイドワイヤー
もしくは観察鏡等を挿通する通路(ルーメン)60と、
カテーテル基部から本体部、先端部にかけて通ずる通路
(ルーメン)56に、糸状塞栓物質を形成するためのカ
テーテル70が挿入されている。この糸状塞栓物質形成
用カテーテル70は、先端部72がルーメン56内に引
き込むこと及びルーメン56よりも所望の長さ突出させ
ることが自在にできるようになっている。先端部72は
テーパ状に先細り形状となっている。カテーテル70に
はその軸方向に基端部(図示せず)から先端部72まで
連通するルーメン74を有している。ルーメン74は液
状物質を導入し、先端部72より糸状塞栓材を形成する
ための通路である。ルーメン74の先端側内径は徐々に
小さくなっており、紡糸手段として糸状塞栓材を形成す
るためのノズルの機能を果たしている。先端部72は開
口されて、ルーメン74内で高められた圧力の液状物質
がその開口部より連続的に吐出される。
【0040】なお、先端部72の位置を確認しやすくす
るために、金や白金のX線造影部材を設けることが望ま
しい。糸状塞栓物質形成用カテーテル70を、カテーテ
ル1と摺動自在に設けることにより、カテーテル1を留
置した瘤内でも、糸状塞栓物質形成用カテーテルの先端
部72の位置を変えることができ、糸状塞栓物質の糸玉
が瘤内の奥から順に瘤開口部まで密に充填することがで
き、造影部材を先端部72に設けることにより位置を確
認しやすくなる。
【0041】図7は本発明の塞栓術用カテーテル1の他
の実施例の先端部である。図7(a)は先端部分の断面
図であり、図7(b)は先端部分の正面図である。この
実施態様はカテーテル本体部、カテーテル先端部及びカ
テーテル基部という基本構成は図1(a)のカテーテル
と同一であるが、液状物質を導入するルーメン(通路)
50の先端側が弾性部材80にて閉塞されている。弾性
部材80の基端部分は、先端側に向かってテーパ状に径
が小さくなるような、いわゆる円錐空間82が弾性部材
80と同軸状に形成されている。円錐空間82の頂点の
先は閉塞通路であり、円錐空間82側からの圧力が高ま
ることにより微小な通路が形成されて、ルーメン50の
液状物質が吐出口84から吐出されて糸状体に形成す
る。吐出口84はこのカテーテルは、ガイドワイヤーも
ルーメン50を用いて瘤内に導くことが可能である。弾
性部材80は、ガイドワイヤーの挿入・抜去を可能とす
る程度の弾性を備えている。図5の実施例と異なる点
は、閉塞部材を別部材として設けることにある。別部材
にすることで弾性部材の弾性力をカテーテルの材料に拘
束されずに選択できる。図5の実施例と同様に、紡糸前
の液状物質と血液の接触はこの弾性部材80によって阻
まれるので、紡糸がスムーズに進行する。弾性部材80
はルーメン50の所定内圧以下のときは閉塞している。
このカテーテルの先端に金や白金のX線造影部材を設け
ることによりX線透視下で塞栓術を施行しながらカテー
テル先端の位置を確認しやすくなる。
【0042】本実施例で用いられる液状物質としては、
水(血液)不溶性の溶質樹脂を有機溶媒に溶かしたもの
であり、血液中で溶媒が分散して溶質が析出するもので
ある。その組み合わせ(溶質/溶媒)としては、エチレ
ン−ビニルアルコール共重合体/ジメチルスルホキサイ
ド、セルロースアセテート樹脂(CAP)/エタノー
ル、エチレン−ビニルアルコール共重合体/50%ノル
マルプロパノールなどが使用できる。溶質樹脂の濃度と
しては、0.2〜20%であり、好ましくは1〜10%
である。0.2%未満だと、吐出した時に溶媒の分散が
うまく進まず、糸状にならない虞れがあり、また、20
%を越えると、非常に粘性が高過ぎて、吐出口から吐出
できない虞れがある。
【0043】血液中で溶媒が分散して溶質が析出する液
状物質をスピードを持たしてある程度細い糸状にするこ
とにより、素早く溶媒が分散して溶質が析出しやすく、
切れ切れになることなく連続物として成形される。単に
血液中に流すだけであると、Neurosurgeons (9, 229-2
39, 1990)のFig.1にその写真が掲載されているよ
うに、不定形物となり微小飛散物が多数存在することに
なる。連続物として成形するためには、糸状に吐出する
ことで溶質の析出と溶媒の分散を相乗的に促進させるこ
とが一つの方法である。
【0044】液状物質中にX線造影剤を混合すると、紡
糸して糸状塞栓物となっても、その位置がX線で容易に
確認できる。
【0045】本発明のカテーテルの使用方法について述
べると、まずカテーテル1は液状物質を供給するルーメ
ン50に、液状物質としてエチレン−ビニルアルコール
共重合体/ジメチルスルホキサイド(濃度5g/100
ml)を満たし、ガイドワイヤを用いて、脳動脈瘤内ま
でカテーテル先端部20を誘導する。その状態で、カテ
ーテル基部30の液状物質を注入する注入口である液状
物質導入ポート32からさらにエチレン−ビニルアルコ
ール共重合体/ジメチルスルホキサイドを注入すると、
カテーテル先端部20の吐出口52から吐出する。吐出
直後、溶媒であるジメチルスルホキサイドが血液中に分
散するために、エチレン−ビニルアルコール共重合体が
糸状に連なり紡糸される。注入を停止すると、液状物質
を吐出しなくなり、紡糸が終了し、糸が途切れる。吐出
口は10〜100μmと非常に小さいもので、したがっ
て、紡糸される糸も非常に細くなり、柔軟でしなやかさ
を有しており、瘤内で塊を形成するようになり、血栓の
発生を誘発し、瘤は閉塞される。
【0046】具体例として、熱可塑性ポリエステルエラ
ストマーを用いてチューブ(内径0.8mm、外径0.
99mm)に成形後、全長1250mmとし、基部にコ
ネクター(ハブ)を接続するとともに、先端部を外径
0.2mm、内径0.1mm、長さ2.5mmのノズル
となるよう熱成形して、本発明の塞栓術用カテーテルを
得た。
【0047】また、エチレンービニルアルコール共重合
体(EVAL,クラレ株式会社製、EC−R101、エ
チレン33モル%)5gをジメチルスルホキシド(和光
純薬工業株式会社、特級試薬)100mlに溶解して、
紡糸塞栓材の原料なる液状物質を得た。さらに塞栓時に
液状物質保護剤として、ジメチルスルホキシドのみの溶
液を準備した。液状物質保護剤は、液状物質が溶媒中の
溶質を析出させて塞栓材とするタイプのものである場
合、溶媒を分散することを防止もしくは抑制するもので
あれば何でもよい。
【0048】これらの紡糸塞栓状態を確認するため、生
理食塩水中に上記カテーテル先端部を入れ、生理食塩水
でカテーテル内をプライミングした後、紡糸開始に先立
ち、0.1mlの液状物質保護剤(ジメチルスルホキシ
ドのみの溶液)をカテーテル基部より注入した。引き続
き、基部コネクターに上記液状物質を満たした1mlシ
リンジを接続して、手動でシリンジを加圧して、カテー
テルのノズル先端より液状物質を吐出させた。
【0049】その結果、ノズル先端より紡糸が開始さ
れ、外径0.1mmないし0.2mm、長さ150mm
の連続した糸状物が、吐出直後から蛇行し、直ちに先端
側から編目状の球状塊になった。また、加圧を中断し、
カテーテルを僅かに引くことにより、紡糸端をノズルよ
り離脱することができた。また、連続的な形状のため、
液状物質が分離・析出して、異物として浮遊することは
認められなかった。液状物質注入開始から終了まで要し
た時間は5秒以内であった。
【0050】比較対象として、上記ノズルを備えないカ
テーテル(熱可塑性ポリエステルエラストマー製、内径
0.8mm、外径0.99mm、全長1250mm)と
用いて、同様の液状物質を注入して、生理食塩水中の析
出物(塞栓物)の形成を観察したところ、大小種々の塊
状物が複数形成された。さらに、加圧し間断無く吐出し
ようとすると、析出量が過剰になったり、かえって多く
のつぶ状塊の形成を促進する結果となった。これは、瘤
外へ過剰の塞栓物の流出や、つぶ状塊の流出の可能性が
あり、他の正常血管を塞栓する合併症の可能性を残して
いると考えられた。
【0051】本発明の塞栓術用カテーテルの他の実施例
として、図1の実施例の塞栓術用カテーテル1と同様に
カテーテル本体部、カテーテル先端部及びカテーテル基
部(操作部)から構成される塞栓術用カテーテル100
の先端部を図8に部分断面図として示した。
【0052】図8(a)で示す塞栓術用カテーテル10
0Aは、外管40と内管42からなる。内管42は外管
40の内部に収納されており、内管42の外表面と外管
40の内表面の空間にてルーメン40aをなしている。
外管40は先端にて開口しており、その開口部40bは
ルーメン40aと連通している。外管40の先端はテー
パ状に先細りの形状となっている。内管42は、ルーメ
ン42aが先端にて開口しており、その開口部42bは
外管40の開口部40bより所定距離基端側に位置して
いる。内管42の開口部42bと外管40の開口部40
bの外管40内壁で囲まれる空間はルーメン40cとし
て規定される。ルーメン40cの先端側は、先端方向に
狭くなっている。
【0053】ルーメン40aに液状物質を導入し、ルー
メン42aに後述する該液状物質と反応し固化させる液
状物質を導入する。両物質が混合するルーメン40cに
て反応して固化し始める。ルーメン40cに設けられた
コイル44は、両物質が撹拌する機能を有する。撹拌し
て混合を促進することで開口部40bから注出される物
質を確実に連続状固形体にすることができる。
【0054】図8(b)で示す塞栓術用カテーテル10
0Bは、外管40と内管42からなる。内管42は外管
40の内部に収納されており、内管42の外表面と外管
40の内表面の空間にてルーメン40aをなしている。
外管40は先端にて開口しており、その開口部40bは
ルーメン40aと連通している。外管40の先端はテー
パ状に先細りの形状となっている。内管42は、ルーメ
ン42aが先端部42cでは閉塞されているが、開口部
42bが内管42の周囲に複数設けられている。開口部
42bは同一軸線上に並んで開口しておらず、位置がず
れて設けられている。内管42の先端部42cは外管4
0の開口部40bより所定距離基端側に位置している。
内管42の先端部42cと外管40の開口部40bの外
管40内壁で囲まれる空間はルーメン40cとして規定
される。ルーメン40cの先端側は、先端方向に狭くな
っている。
【0055】ルーメン40aに液状物質を導入し、ルー
メン42aに後述する該液状物質と反応し固化する液状
物質を導入する。複数の両物質が交わるルーメン40c
にて反応して固化し始める。開口部42bは軸線上位置
がずれて設けられているので、ルーメン40aに流通す
る液状物質に偏りなく反応液が混合できる。ルーメン4
0cの軸方向の長さは両物質の反応時間によって調整で
きる。
【0056】本実施例で使用する用いられる液状物質と
しては、反応型液状物質と、該反応型液状物質を反応硬
化せしめる他の液状物質の組み合わせからなり、それぞ
れ独立したルーメンで先端部まで導入される先端部で混
合吐出され硬化して、糸を形成するものである。本実施
例で使用できる反応型液状物質と、該反応型液状物質を
反応硬化せしめる他の液状物質の組み合わせとしては、
エポキシ系二液硬化型樹脂の主剤と硬化剤、アクリル系
二液硬化型樹脂の主剤と硬化剤がある。
【0057】また、カテーテル先端部には、液状物質を
供給する2つのルーメンが合流して吐出形成して紡糸す
る吐出ノズルが設けられており、2種類の液状物質の合
流地点から、吐出ノズルの先端の開口部までの長さは液
状物質の硬化時間により適宜変えることができる。さら
に、他の実施例と同様にガイドワイヤーもしくは観察鏡
等挿通するルーメンの開口部も設けられていてもよい。
その場合はカテーテル基部(操作部)には、2種類の液
状物質を注入する2つの注入口及びガイドワイヤーもし
くは観察鏡等を挿入する挿入口が設けられている。
【0058】また、図6に示すように、瘤内に先端を留
置できるカテーテルの所定ルーメンに、図8で示すカテ
ーテルを挿入し、その先端を突出させて用いてもよい。
本実施例の使用方法について述べると、初めにカテー
テル部は液状物質を供給する一方のルーメンに反応型液
状物質である主剤を満たし、他方のルーメンには該反応
型液状物質を反応硬化せしめる他の液状物質である硬化
剤を満たしておく、また、吐出口内は2種類の液状物質
が突出前に混ざらないように生理食塩水で満たしてお
く。その状態で、ガイドワイヤを用いて、脳動脈瘤内ま
でカテーテル先端部を誘導する。カテーテル基部(操作
部)の液状物質を注入する注入口から液状物質を均等に
注入すると2種類の反応性物質が吐出口まで移動し、生
理食塩水が血液中に排出したあと、続いて吐出口で混合
され、硬化しながら次々と連続して糸状を呈しながら吐
出される。注入を停止すると、反応物質の供給が停止す
るため、紡糸が終了し、糸が途切れる。予め瘤の容積を
把握してから両物質の注入容積を計算して注入すること
が望ましい。
【0059】吐出口は50〜200μmと小さいもの
で、したがって、紡糸される糸も非常に細くなり、柔軟
でしなやかさを有しており、瘤内で塊を形成するように
なり、血栓の発生を誘発し、瘤は閉塞される。
【0060】他の実施例として、図9に示す塞栓術用カ
テーテルについて説明する。なお、図1や図3で説明し
た実施例と同一構成の場合同じ参照番号を付す。図9
(a)に示す塞栓術用カテーテル100Cは、カテーテ
ル本体部10、カテーテル先端部20及びカテーテル基
部(操作部)30よりなる。基部30は、液状物質導入
ポート32、ガイドワイヤーポート34および光ファイ
バーに光を送るための光源接続ポート38から構成され
たハブ36からなる。
【0061】本体部10と先端部20の境界部分は図2
で示した構成であるので、本体部10は剛性が高く押し
込み性に優れ、先端部20は柔軟で血管の追従性がよ
い。本実施例のカテーテル先端部20は図9(b)で示
すとおり、液状物質を吐出する吐出口2と吐出口に光
を照射する光ファイバー先端部16からなる吐出ノズル
54が設けられており、液状物質が吐出する寸前に光が
照射されるものである。光ファイバーの先端は鋭角に切
られており、その切面14には鏡になっており、光ファ
イバーを通過してきた光は反射して、光路を変え、その
すぐ隣にある液状物質のルーメン50の吐出口52内を
照らすようになっている。 本カテーテル100Cの吐
出ノズル54は、先端側が細径化されていない。光の照
射によって硬化して、切れ切れにならずに連続性を保つ
ことが可能であれば、吐出ノズルの形状は拘束されな
い。先端が細径化されることにより、より糸状物の生成
が有利であれば、細径化することが選択されるであろ
う。
【0062】さらに、他の実施例と同様にガイドワイヤ
ーもしくは観察鏡等挿通するルーメン60の開口部62
も設けられている。
【0063】光ファイバーの太さは、先端部の光量に影
響するために太い方がよいが、あまり太すぎるとカテー
テル自体の柔軟性がなくなるので、カテーテルの径が
0.5〜1mmである場合、おおよそ50から400μ
mの径のものが好ましい。また、極細径の光ファイバー
を複数本まとめたものでも良く、その断面積の合計は前
述ファイバーと同等とすることが好ましい。
【0064】本実施例で用いる液状物質としては光を照
射することにより硬化する光反応型液状物質であり、具
体的には、ポリエステルアクリラート、ウレタンアクリ
ラート、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等
を有するアクリル系の光硬化樹脂の他、光ラジカル付加
型および光カチオン重合型の感光性樹脂を用いることが
できる。
【0065】そしてカテーテル基部(操作部)30に
は、光ファイバーの後端に接続し、光を供給する光源
(図示せず)が設けられている。さらに液状物質導入ポ
ート32、ガイドワイヤーポート34が設けられてい
る。
【0066】光源の波長として、液状物質に合わせて適
宜変えられ、具体的にはポリエステルアクリラート、ウ
レタンアクリラートに対しては、300〜500nmの
波長の光源が適用される。また、光硬化樹脂としてはア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル等を有するア
クリル系の光硬化樹脂の他、光ラジカル付加型および光
カチオン重合型の感光性樹脂でもよい。
【0067】本実施例の使用方法について述べると、始
めにカテーテル100Cの液状物質を供給するルーメン
50に光反応型液状物質でみたしておく、その状態で、
ガイドワイヤを用いて、脳動脈瘤内までカテーテル先端
部20を誘導する。カテーテル基部(操作部)30の液
状物質を注入する液状物質導入ポート32から液状物質
を均等に注入すると吐出口52から吐出が始まる。吐出
と同時に光源から点灯すると液状物質に光が照射され、
硬化が始まり、硬化した物質が糸状に連なって吐出され
るようになる。糸を切るときは光源を消し、続いて注入
を停止すればよい。
【0068】図9の実施例の先端部20を図10に示す
構成の実施例を説明する。図10において、カテーテル
先端部20には液状物質を吐出する吐出口52と吐出口
に光を照射する光ファイバー先端部16からなる吐出ノ
ズル54が設けられており、ルーメン50より導入され
た液状物質が吐出する寸前に光が照射されるものであ
る。光ファイバーの先端は吐出口の同軸状中央に位置し
ており、光反応型物質は光ファイバーの先端をくるむよ
うにして吐出され、その内部から光が照射されるもので
ある。また、内視鏡の光源としても利用できる利点もあ
る。 光ファイバーはコアと、コアより屈折率の小さい
周辺部のクラッドとからなり、光をファイバー内に閉じ
込めるように設計されている。カテーテル先端部20に
おける光ファイバーは液状物質導入ルーメン50内に突
出する地点17を境に、地点17よりも先端側の光ファ
イバーはクラッドが設けられていない。それゆえに、吐
出ノズル54においてはクラッドのない光ファイバーか
ら周方向に光が照射されて、反応して硬化するまでが瞬
時でない液状物質でもクラッドのない部分の長さを調節
して用いることが可能となり、液状物質の選択の幅が広
がる。
【0069】さらに、他の実施例と同様にガイドワイヤ
ーもしくは観察鏡等挿通するルーメン60の開口部62
も設けられている。
【0070】ここでは2つの実施例を開示したが光ファ
イバーを透過した光が突出直前に光反応型液状物質に照
射されればよく、その形状は特に限定されるものではな
い。
【0071】次に図11、図12、図13を用いて、本
発明の別の実施例を説明する。図11は本実施例のカテ
ーテル100Dを脳動脈に留置した模式図である。カテ
ーテル100Dはカテーテル本体部10、カテーテル先
端部20及びカテーテル基部30より構成されている。
【0072】カテーテル本体部10をその断面図である
図12を用いて説明する。カテーテル本体部10は後述
するマイクロポンプ400(図13参照)に紡糸用液状
物質を供給する内孔310とガイドワイヤーもしくは観
察鏡等を挿通する挿通孔320および後述する光電変換
装置450に光を供給する複数の光ファイバー330を
有する。
【0073】図13はカテーテル先端部20の使用状態
を示している。カテーテル先端部20は形状記憶合金に
より形成される関節部420によりカテーテル本体部と
接合されている。この形状記憶関節は内部の内腔を対象
にして二本の形状記憶合金線430、430を対向さ
せ、これにおのおのマイクロヒータアレイ440,44
0が取り付けられており、そのおのおののマイクロヒー
タアレイ440,440は光電変換装置450、450
に接続されており、光ファイバー330を通じて光電変
換器に光が照射されると発電し、その電力でマイクロヒ
ータアレイ440,440が加熱し、形状記憶合金を所
定の形状に変化させることができ、これを利用してカテ
ーテル先端部20の方向を微妙にかえることができるも
のである。ここでは、形状記憶合金線430はループ状
に内腔に配置しマイクロヒータアレイを介して通電加熱
している。
【0074】また、カテーテル先端部20の先端部46
0にはマイクロポンプ400、さらにこのポンプ400
を駆動する電源となる光電変換装置470、マイクロポ
ンプにつながっている紡糸用マイクロノズル480、挿
通孔開口部490が設けられている。
【0075】光電変換装置470にはカテーテル本体部
10を通してカテーテル基部より連通される光ファイバ
ー(図示せず)が接続され、この光ファイバーを通じて
カテーテル基部より送られてくる光を光電変換装置47
0により電圧に変換し、この変換電圧によりマイクロポ
ンプ400を駆動する。
【0076】マイクロポンプ400はダイアフラム型の
マイクロポンプであり、紡糸用マイクロノズル480に
供給する前に先端部でさらにでマイクロポンプ400で
圧力を加えて、吐出する液状物質にズリ応力を与えるも
のである。
【0077】本実施例で用いる液状物質としてはフィブ
ロインなどのズリ応力を与えると紡糸できるものや、前
述した溶質析出タイプのものなどが使用可能である。
【0078】挿通孔開口部490はカテーテル基部より
連通するガイドワイヤーもしくは観察鏡挿通孔の開口部
であり、この開口部よりガイドワイヤー先端を出し血管
選択を行なったり、観察鏡により血管及び患部の観察を
行うことができる。
【0079】カテーテル基部30には操作し易い形状に
形成されたグリップ部600、及び液状紡糸材等の注入
部610、吐出操作スイッチ620、形状記憶合金の多
関節の通電屈曲方向制御用の操作ボール630等が配置
されている。また基部は内視鏡や吐出装置の光源装置、
及び内視鏡の映像の画面表示装置等を含むモニター部6
40にケーブル650で接続されている。
【0080】以上の構造を持つ塞栓術用カテーテル10
0Dの作用を実際に使用する代表的な手順として以下に
示す。
【0081】1.ガイドワイヤーにて誘導してカテーテ
ル先端部20を脳動脈瘤内500に留置する。ガイドワ
イヤーで誘導しにくい分岐の選択や瘤内500への微妙
な誘導は、光ファイバー330からの光を光電変換器を
介して電流に変換してマイクロヒータアレイ440が加
熱し、形状記憶合金線430を所定の形状に変化させる
ことができ、先端部20の方向を微妙にかえて行う。
【0082】2.脳動脈瘤内500に達したら、紡糸液
を紡糸液供給内腔310よりマイクロポンプ400へ供
給する。
【0083】3.マイクロポンプ400は光電変換装置
470により駆動しチャンバー内圧が高められる。そし
て紡糸液(フィブロインの溶液)をマイクロノズル48
0より高圧吐出し、塞栓物295が紡糸される。
【0084】4.吐出成形された糸状塞栓物295は連
続性があるため細かく瘤外501に流出する危険がな
い。また、瘤壁503を強く圧迫して破裂させる危険も
ない。
【0085】5.さらに、瘤内膜502との親和性また
は反応性に富む糸素材により瘤壁503に良く固着する
とともに、糸玉状になった糸状塞栓物295は血液と反
応し、凝固塊となって動脈瘤内500を完全閉塞する。
【0086】6.塞栓物295は紡糸液の吐出を中止す
れば終了となり、ガイドワイヤー等挿通孔320より観
察鏡を挿入しそれを確認する。
【0087】観察鏡は紡糸前のカテーテル先端位置、紡
糸中の状態確認にも役立つ。上記した手順以外にも使用
できることは自明である。
【0088】以上説明した本発明の塞栓術用カテーテル
から形成される糸状塞栓物としては、0.01〜1.0
mmの太さ有したものが好ましく、0.1〜0.5mm
の太さを有したものがさらに好ましい。取り扱う範囲内
で連続していれば外径の変動は塞栓術として影響されな
い。カテーテルからの吐出で捲縮がかかった糸状塞栓物
は糸玉状になりやすく瘤内の内部から充填できるので好
ましい。また、糸としては1〜100デニール、さらに
10〜50デニールの太さが好ましい。
【0089】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明は、塞栓術
カテーテルの先端に、紡糸用液状物質を糸状塞栓物とし
て形成する紡糸手段を設けたため、動脈瘤の塞栓物質と
して、糸状の塞栓物を用いることができ、従来にみられ
たような塞栓物質が瘤外に流出したり、塞栓物質により
脆弱な瘤壁を損傷するなどといった欠点をなくし、安
全、確実に動脈瘤治療ができるといった効果がある。
【0090】吐出成形された糸状の塞栓物質は連続性が
あるため、細かく分散し瘤外に流出する危険がない。
【0091】また、糸状の塞栓物質の塊になるため、従
来のバルーンや金属コイル、EVA等のポリマーのよう
に、留置後に瘤壁を強く圧迫して破裂させる危険もな
い。さらに充填密度が高く、留置直後すぐに瘤内圧を軽
減することが可能になる。 また、瘤内膜との親和性ま
たは反応性に富む糸状塞栓物質をもちいることにより瘤
壁に良く固着するとともに、糸玉状の塞栓物質は血液と
反応し、凝固塊となって動脈瘤を完全閉塞することが可
能である。
【0092】また、液状物質を導入する通路と隔別され
る他の通路を少なくとも一つ有することにより、ガイド
ワイヤや内視鏡の挿通路として利用でき、治療部位への
カテーテルの導入が早く行え、また、内視鏡により観察
しながら塞栓物質を紡糸できる。
【0093】そして、紡糸手段に吐出手段を設けること
により、紡糸の吹き出す方向が一定し、カテーテルの先
端方向の向きに応じて紡糸された糸が吹き出すために脳
動脈瘤内のいろいろな場所に糸を吹き出すことが可能と
なり、均一な糸玉状の塊を形成することができる。
【0094】さらに、液状物質を反応型液状物質と、反
応型液状物質を反応硬化せしめる他の液状物質から形成
し、それぞれ独立した液状物質を導入する通路を通じて
先端部まで導入され、紡糸手段は反応型液状物質と、反
応型液状物質を反応硬化せしめる他の液状物質混合して
糸状塞栓物質を形成することにより、先端部までの液状
物質に導入が行いやすく、また、液状物質の取り扱いが
容易になる。 また、液状物質は光照射により硬化する
光反応型液状物質であり、紡糸手段は光反応物質を反応
硬化せしめる光照射手段を有することにより、紡糸直前
まで液状を保つことができ、また、紡糸終了後の光を遮
断するだけで紡糸を容易に終了することができる。
【0095】さらに、液状物質がズリ応力により糸状塞
栓物質を形成するものであり、紡糸手段が液状物質にズ
リ応力を加えるズリ応力付加機構を有することにより、
紡糸直前まで液状を保つことができ、ズリ応力の付加を
停止するだけで容易に紡糸を停止できる。
【0096】また、紡糸される糸の太さとしては1〜1
00デニールとすることにより、柔軟性があり、容易に
糸玉状の塊を形成することができるようになり、凝固塊
が発生しやすくなるために、脳動脈瘤が確実に閉塞され
るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塞栓術用カテーテルの全体図及び断面
図である。
【図2】本発明の塞栓術用カテーテルの断面図である。
【図3】本発明の塞栓術用カテーテルの先端部の斜視図
である。
【図4】本発明の塞栓術用カテーテルの先端部斜視図で
ある。
【図5】本発明の塞栓術用カテーテルの先端部の斜視図
及び断面図である。
【図6】本発明の塞栓術用カテーテルの先端部斜視図で
ある。
【図7】本発明の塞栓術用カテーテルの先端部断面図で
ある。
【図8】本発明の塞栓術用カテーテルの先端部の断面図
である。
【図9】本発明の塞栓術用カテーテルの全体図及び先端
部の斜視図である。
【図10】本発明の塞栓術用カテーテル先端部の斜視図
である。
【図11】本発明の塞栓術用カテーテルを人体に挿入し
た状態を示す模式図である。
【図12】本発明の塞栓術用カテーテル本体部の断面図
である。
【図13】本発明のカテーテル先端部の斜視図である。
20:カテーテル先端部 54:吐出ノズル(紡糸手段) 52:吐出口 62:開口部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 25/00 - 31/00 A61B 17/00 - 17/12

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液状物質を導入する通路を有するカテー
    テルであって、該液状物質を糸状塞栓物として形成する
    紡糸手段を先端部に有することを特徴とする塞栓術用カ
    テーテル。
  2. 【請求項2】 前記液状物質を導入する通路は、該カテ
    ーテルの先端部と基端部に開口部を有する請求項1に記
    載の塞栓術用カテーテル。
  3. 【請求項3】 前記液状物質を導入する通路と隔別され
    る他の通路を少なくとも一つ有する請求項1又は2に記
    載の塞栓術用カテーテル。
  4. 【請求項4】 前記紡糸手段は、吐出手段を有している
    請求項1ないし3のいずれかに記載の塞栓術用カテーテ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記液状物質は、反応型液状物質および
    該反応型液状物質を反応硬化せしめる他の液状物質から
    なり、該反応型液状物質および該反応型液状物質を反応
    硬化せしめる他の液状物質はそれぞれ、前記通路および
    前記他の通路を通じて前記カテーテルの先端部まで導入
    され、前記紡糸手段は該反応型液状物質と、該反応型液
    状物質を反応硬化せしめる他の液状物質を混合すること
    により糸状塞栓物質を形成せしめるように構成されてい
    る請求項3に記載の塞栓術用カテーテル。
  6. 【請求項6】 前記液状物質は光照射により硬化する光
    反応型液状物質であり、前記紡糸手段は該光反応物質を
    反応硬化せしめる光照射手段を有する請求項1ないし4
    のいずれかに記載の塞栓術用カテーテル。
  7. 【請求項7】 前記液状物質がズリ応力により糸状塞栓
    物質を形成するものであり、前記紡糸手段が前記液状物
    質にズリ応力を加えるズリ応力付加機構を有する請求項
    1ないし4のいずれかに記載の塞栓術用カテーテル。
  8. 【請求項8】 前記塞栓術用カテーテルは、該カテーテ
    ル内の貯留部分と、該貯留部分に圧力をかける圧力負荷
    手段と、カテーテル外部と該貯留部分とを連通する通路
    と、該貯留部分に貯留した移動可能な液状物質を糸状連
    続体に変化させる手段とからなる請求項1ないし4のい
    ずれかに記載の塞栓術用カテーテル。
  9. 【請求項9】 前記塞栓術用カテーテルは、本体部が比
    較的硬質で先端部 が比較的柔軟であり、該先端部より糸
    状塞栓物を形成するものである請求項1ないし8のいず
    れかに記載の塞栓術用カテーテル。
  10. 【請求項10】 前記カテーテルの表面に生体適合性お
    よび潤滑性を備えるコート層を有する請求項1ないし9
    のいずれかに記載の塞栓術用カテーテル。
  11. 【請求項11】 前記カテーテルの表面に抗血栓性と親
    水性を備えるコート層を有する請求項1ないし9のいず
    れかに記載の塞栓術用カテーテル。
  12. 【請求項12】 前記液状物質を導入する通路の先端が
    縮径されていることにより前記吐出手段が形成されてい
    る請求項1ないし11のいずれかに記載の塞栓術用カテ
    ーテル。
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