JP3485549B2 - 救助用搬送具 - Google Patents
救助用搬送具Info
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- JP3485549B2 JP3485549B2 JP2001196955A JP2001196955A JP3485549B2 JP 3485549 B2 JP3485549 B2 JP 3485549B2 JP 2001196955 A JP2001196955 A JP 2001196955A JP 2001196955 A JP2001196955 A JP 2001196955A JP 3485549 B2 JP3485549 B2 JP 3485549B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、災害等
の緊急時に現場から傷病者等を救助するのに使用される
救助用搬送具に関する。
の緊急時に現場から傷病者等を救助するのに使用される
救助用搬送具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、傷病者等を搬送するために、周知
の担架が使用されている。この担架は、前後を同時に持
ち上げて傷病者等を搬送するものであり少なくとも二人
の救助者が必要になる。しかし、災害発生現場では、救
助者が不足することがあり、一人だけで傷病者等を迅速
且つ容易に搬送できる搬送具が必要になる。
の担架が使用されている。この担架は、前後を同時に持
ち上げて傷病者等を搬送するものであり少なくとも二人
の救助者が必要になる。しかし、災害発生現場では、救
助者が不足することがあり、一人だけで傷病者等を迅速
且つ容易に搬送できる搬送具が必要になる。
【0003】特開平9−84889号公報に開示された
「救助器具」は、この点に着目して提案されたものであ
り、傷病者等を載せるための板状の台と、その台に張り
付けられたシートと、台の下面に設けられたボールキャ
スタとを備える。この救助器具は、台に傷病者等を載せ
てシートで包み込み、シートの一端を一人の救助者が引
っ張ることにより、ボールキャスタで路面を走行させる
ようになってる。
「救助器具」は、この点に着目して提案されたものであ
り、傷病者等を載せるための板状の台と、その台に張り
付けられたシートと、台の下面に設けられたボールキャ
スタとを備える。この救助器具は、台に傷病者等を載せ
てシートで包み込み、シートの一端を一人の救助者が引
っ張ることにより、ボールキャスタで路面を走行させる
ようになってる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来公
報の「救助器具」では、台が単一の板材から構成されて
おり、人の肩幅程度の幅と、人の背丈程度の長さを有す
る。このため、不使用時に救助器具を保管するために
は、少なくとも台を置くことのできる保管スペースが必
要となり、適合する保管場所が限られることになった。
報の「救助器具」では、台が単一の板材から構成されて
おり、人の肩幅程度の幅と、人の背丈程度の長さを有す
る。このため、不使用時に救助器具を保管するために
は、少なくとも台を置くことのできる保管スペースが必
要となり、適合する保管場所が限られることになった。
【0005】又、この「救助器具」では、ボールキャス
タを使用していることから、路面が平坦でなければボー
ルキャスタを有効に機能させることができない。特に、
災害現場では、路面が不整地であったり、瓦礫等で覆わ
れたりすることが多く、ボールキャスタを路面に良好に
接触させて救助器具を円滑に移動させることは困難を伴
う。場合によっては、ボールキャスタが瓦礫等に引き掛
かって救助器具が動かなくなることも考えられ、瓦礫等
との接触によりボールキャスタが破損するおそれもあ
る。
タを使用していることから、路面が平坦でなければボー
ルキャスタを有効に機能させることができない。特に、
災害現場では、路面が不整地であったり、瓦礫等で覆わ
れたりすることが多く、ボールキャスタを路面に良好に
接触させて救助器具を円滑に移動させることは困難を伴
う。場合によっては、ボールキャスタが瓦礫等に引き掛
かって救助器具が動かなくなることも考えられ、瓦礫等
との接触によりボールキャスタが破損するおそれもあ
る。
【0006】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であって、その目的は、不整地や瓦礫等の上でも救助者
一人で容易かつ円滑に移動させることを可能とし、保管
のための省スペース化を図ることを可能とした救助用搬
送具を提供することにある。
であって、その目的は、不整地や瓦礫等の上でも救助者
一人で容易かつ円滑に移動させることを可能とし、保管
のための省スペース化を図ることを可能とした救助用搬
送具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、被救助者を横たえて載せ
るための載盤と、被救助者を載盤に固定するための固定
手段と、載盤を被救助者の身長方向へ引っ張るためのハ
ンドルとを備えた救助用搬送具であって、載盤は、被救
助者の身長方向に沿って延びて互いに並列に配置された
複数の棒材と、各棒材の間にそれぞれ配置されて隣り合
う棒材を互いに連結する複数の長尺材と、各棒材と各長
尺材は、その一方の両脇に沿って延びる連結溝に、その
他方の両脇に沿って延びる連結条を嵌め込むことにより
互いに回動可能に連結されるものであることと、各棒材
と各長尺材との間の相対移動を規制するための移動規制
手段とを備えたものであることを趣旨とする。
に、請求項1に記載の発明は、被救助者を横たえて載せ
るための載盤と、被救助者を載盤に固定するための固定
手段と、載盤を被救助者の身長方向へ引っ張るためのハ
ンドルとを備えた救助用搬送具であって、載盤は、被救
助者の身長方向に沿って延びて互いに並列に配置された
複数の棒材と、各棒材の間にそれぞれ配置されて隣り合
う棒材を互いに連結する複数の長尺材と、各棒材と各長
尺材は、その一方の両脇に沿って延びる連結溝に、その
他方の両脇に沿って延びる連結条を嵌め込むことにより
互いに回動可能に連結されるものであることと、各棒材
と各長尺材との間の相対移動を規制するための移動規制
手段とを備えたものであることを趣旨とする。
【0008】上記発明の構成によれば、載盤が、交互に
平行に配置された複数の棒材と複数の長尺材とにより構
成され、それらが連結溝と連結条の嵌め込みにより回動
可能に連結される。従って、棒材と長尺材とは連結部で
互いに折り曲げが許容され、載盤が変形可能となる。こ
の変形により、載盤上の被救助者に載盤が巻き付いて密
着する。この状態で、救助者が被救助者の身長方向へハ
ンドルを引っ張ることにより、載盤が各棒材の延びる方
向へ路面上を滑り移動し、被救助者が搬送される。
平行に配置された複数の棒材と複数の長尺材とにより構
成され、それらが連結溝と連結条の嵌め込みにより回動
可能に連結される。従って、棒材と長尺材とは連結部で
互いに折り曲げが許容され、載盤が変形可能となる。こ
の変形により、載盤上の被救助者に載盤が巻き付いて密
着する。この状態で、救助者が被救助者の身長方向へハ
ンドルを引っ張ることにより、載盤が各棒材の延びる方
向へ路面上を滑り移動し、被救助者が搬送される。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2に記
載の発明は、請求項1に記載の発明において、棒材及び
長尺材のうち少なくとも棒材が耐摩耗性材料より構成さ
れたことを趣旨とする。
載の発明は、請求項1に記載の発明において、棒材及び
長尺材のうち少なくとも棒材が耐摩耗性材料より構成さ
れたことを趣旨とする。
【0010】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明の作用に加え、載盤を構成する棒材及び長尺材の
うち少なくとも棒材が耐摩耗性材料より構成されること
から、少なくとも棒材の路面との接触による摩耗量が少
なくなる。
の発明の作用に加え、載盤を構成する棒材及び長尺材の
うち少なくとも棒材が耐摩耗性材料より構成されること
から、少なくとも棒材の路面との接触による摩耗量が少
なくなる。
【0011】上記目的を達成するために、請求項3に記
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の頭部を保持するための頭部ホルダを設けたこ
とを趣旨とする。
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の頭部を保持するための頭部ホルダを設けたこ
とを趣旨とする。
【0012】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明の作用に加え、被救助者の頭部が頭部ホルダによ
り保持されるので、搬送中の振動に対して頭部の位置が
安定に保たれる。又、被救助者の肩部が頭部ホルダに当
たることにより、被救助者の頭部方向への移動が押さえ
られる。
の発明の作用に加え、被救助者の頭部が頭部ホルダによ
り保持されるので、搬送中の振動に対して頭部の位置が
安定に保たれる。又、被救助者の肩部が頭部ホルダに当
たることにより、被救助者の頭部方向への移動が押さえ
られる。
【0013】上記目的を達成するために、請求項4に記
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の背中に当接する背当材を設けたことを趣旨と
する。
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の背中に当接する背当材を設けたことを趣旨と
する。
【0014】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明の作用に加え、載盤上で、被救助者の背中と載盤
との間に背当材が介在するので、被救助者の背中に伝わ
る衝撃等が背当材により緩和される。
の発明の作用に加え、載盤上で、被救助者の背中と載盤
との間に背当材が介在するので、被救助者の背中に伝わ
る衝撃等が背当材により緩和される。
【0015】上記目的を達成するために、請求項5に記
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の頭部を覆うための頭部カバーを設けたことを
趣旨とする。
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の頭部を覆うための頭部カバーを設けたことを
趣旨とする。
【0016】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明の作用に加え、被救助者の頭部が頭部カバーで覆
われるので、搬送中に落下物等から頭部が保護される。
の発明の作用に加え、被救助者の頭部が頭部カバーで覆
われるので、搬送中に落下物等から頭部が保護される。
【0017】上記目的を達成するために、請求項6に記
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の身体を覆うための身体カバーを設けたことを
趣旨とする。
載の発明は、請求項1に記載の発明において、載盤に、
被救助者の身体を覆うための身体カバーを設けたことを
趣旨とする。
【0018】上記発明の構成によれば、請求項1に記載
の発明の作用に加え、被救助者の身体が身体カバーで覆
われるので、搬送中に落下物等から身体が保護される。
の発明の作用に加え、被救助者の身体が身体カバーで覆
われるので、搬送中に落下物等から身体が保護される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の救助用搬送具を具
体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明す
る。
体化した一実施の形態を図面を参照して詳細に説明す
る。
【0020】図1に、本実施の形態の救助用搬送具1の
平面図を示す。この救助用搬送具1は、被救助者Mを横
たえて載せるための載盤2と、被救助者Mを載盤2に固
定するための本発明の固定手段としての脇締ベルト3、
胸締ベルト4及び腰締ベルト5と、載盤2を被救助者M
の身長方向へ引っ張るためのハンドル6と、被救助者M
の頭部Mhを保持するための頭部ホルダ7と、被救助者
Mの背中に当接する背当材8と、被救助者Mの身体を覆
うための身体カバー9と、被救助者Mの頭部Mhを覆う
ための頭部カバー10とを備える。
平面図を示す。この救助用搬送具1は、被救助者Mを横
たえて載せるための載盤2と、被救助者Mを載盤2に固
定するための本発明の固定手段としての脇締ベルト3、
胸締ベルト4及び腰締ベルト5と、載盤2を被救助者M
の身長方向へ引っ張るためのハンドル6と、被救助者M
の頭部Mhを保持するための頭部ホルダ7と、被救助者
Mの背中に当接する背当材8と、被救助者Mの身体を覆
うための身体カバー9と、被救助者Mの頭部Mhを覆う
ための頭部カバー10とを備える。
【0021】載盤2は、被救助者Mの身長方向に沿って
延び互いに並列に配置された複数の棒材11と、各棒材
11の間にそれぞれ配置されて隣り合う棒材11を互い
に連結する複数の長尺材12と、各棒材11と各長尺材
12との間の相対移動を規制するための本発明の移動規
制手段として複数のストッパ13とを備え、全体が略長
方形状に構成される。ここで、図1に示す載盤2の上、
下、左、右のそれぞれを、以下において、便宜上、載盤
2の前、後、左、右と定義する。
延び互いに並列に配置された複数の棒材11と、各棒材
11の間にそれぞれ配置されて隣り合う棒材11を互い
に連結する複数の長尺材12と、各棒材11と各長尺材
12との間の相対移動を規制するための本発明の移動規
制手段として複数のストッパ13とを備え、全体が略長
方形状に構成される。ここで、図1に示す載盤2の上、
下、左、右のそれぞれを、以下において、便宜上、載盤
2の前、後、左、右と定義する。
【0022】図2に、載盤2の縦断面の一部を拡大して
示す。各棒材11は、断面四角形状の中空状をなし、そ
の路面側(同図下側)の両脇角部が円弧状に形成され、
反路面側(同図上側)の両脇角部には、その長手方向に
沿って延びる連結溝11aが形成される。連結溝11a
は上方へ開口し、その内面は断面円形状に形成される。
各長尺材12は、板状をなし、その両脇に沿って延びる
連結条12aが形成される。連結条12の付け根部分
は、斜め下方へ折れ曲がる。連結条12は、連結溝11
aに整合する丸棒状に形成される。そして、各棒材11
の連結溝11aに、各長尺材12の連結条12aを嵌め
込むことにより、両者11,12が互いに連結され、図
2の上下方向へ回動可能に組み付けられる。このように
構成された載盤2では、図2の上側に被救助者Mを載せ
て各棒材11と各長尺材12の両方で被救助者Mを受け
持つことになる。この実施の形態では、棒材11の反路
面側が平坦面をなし、長尺材12が板状をなすことか
ら、載盤2の被救助者Mを受け持つ面(上面)全体が凸
凹の少ない平坦な面を構成することになる。このため、
載盤2の上で被救助者Mの乗り心地が損なわれることが
ない。又、この実施の形態では、棒材11の路面側も平
坦面をなすことから、棒材11が路面から受ける単位面
積当たりの押圧力を極力小さくすることが可能となる。
示す。各棒材11は、断面四角形状の中空状をなし、そ
の路面側(同図下側)の両脇角部が円弧状に形成され、
反路面側(同図上側)の両脇角部には、その長手方向に
沿って延びる連結溝11aが形成される。連結溝11a
は上方へ開口し、その内面は断面円形状に形成される。
各長尺材12は、板状をなし、その両脇に沿って延びる
連結条12aが形成される。連結条12の付け根部分
は、斜め下方へ折れ曲がる。連結条12は、連結溝11
aに整合する丸棒状に形成される。そして、各棒材11
の連結溝11aに、各長尺材12の連結条12aを嵌め
込むことにより、両者11,12が互いに連結され、図
2の上下方向へ回動可能に組み付けられる。このように
構成された載盤2では、図2の上側に被救助者Mを載せ
て各棒材11と各長尺材12の両方で被救助者Mを受け
持つことになる。この実施の形態では、棒材11の反路
面側が平坦面をなし、長尺材12が板状をなすことか
ら、載盤2の被救助者Mを受け持つ面(上面)全体が凸
凹の少ない平坦な面を構成することになる。このため、
載盤2の上で被救助者Mの乗り心地が損なわれることが
ない。又、この実施の形態では、棒材11の路面側も平
坦面をなすことから、棒材11が路面から受ける単位面
積当たりの押圧力を極力小さくすることが可能となる。
【0023】この実施の形態で、各棒材11及び各長尺
材12の両方は、耐摩耗性材料を押し出し成形すること
により形成される。特に、この実施の形態では、耐摩耗
性材料として、高分子ポリエチレン・6ナイロンが適用
される。この実施の形態では、棒材11の肉厚が「1.
5mm」に設定される。又、長尺材12は、連結条12
aを除く板部の肉厚が「1.5mm」に設定される。
材12の両方は、耐摩耗性材料を押し出し成形すること
により形成される。特に、この実施の形態では、耐摩耗
性材料として、高分子ポリエチレン・6ナイロンが適用
される。この実施の形態では、棒材11の肉厚が「1.
5mm」に設定される。又、長尺材12は、連結条12
aを除く板部の肉厚が「1.5mm」に設定される。
【0024】図1において、各ストッパ13は、金属板
片より構成され、載盤2の後側辺及び前側辺に沿って並
列に配置される。各ストッパ13は、その中央部が各棒
材11の上面にリベットで固定され、その両端部が当該
棒材11に隣り合う長尺材12の一部に係合する。
片より構成され、載盤2の後側辺及び前側辺に沿って並
列に配置される。各ストッパ13は、その中央部が各棒
材11の上面にリベットで固定され、その両端部が当該
棒材11に隣り合う長尺材12の一部に係合する。
【0025】脇締ベルト3は、載盤2上に被救助者Mを
横たえた状態で、その者Mの左右両脇から胸元に掛けて
締め付けるものである。胸締ベルト4は、同じく被救助
者Mを左右両腕から胸元に掛けて締め付けるものであ
る。腰締ベルト5は、同じく被救助者Mを左右両腰から
腹部に掛けて締め付けるものである。脇締ベルト3は、
それ独自が載盤2上に被救助者Mを締め付けるのに対
し、胸締ベルト4及び腰締ベルト5は、載盤2の左右両
側部と共に被救助者Mに巻き付ける形で被救助者Mを載
盤2に締め付ける。脇締ベルト3は、一本の帯体3a
と、その一端に設けられた雄バックル3bと、その他端
に設けられた雌バックル3cとを含む。胸締ベルト4及
び腰締ベルト5は、載盤2の左右両側部に固定された一
対の帯材4a,5aと、各帯材4a,5aに設けられた
雄バックル4b,5b及び雌バックル4c,5cとを含
む。対応する雄バックル3b,4b,5bと雌バックル
3c,4c,5cは、互いに結合と分離が自在である。
横たえた状態で、その者Mの左右両脇から胸元に掛けて
締め付けるものである。胸締ベルト4は、同じく被救助
者Mを左右両腕から胸元に掛けて締め付けるものであ
る。腰締ベルト5は、同じく被救助者Mを左右両腰から
腹部に掛けて締め付けるものである。脇締ベルト3は、
それ独自が載盤2上に被救助者Mを締め付けるのに対
し、胸締ベルト4及び腰締ベルト5は、載盤2の左右両
側部と共に被救助者Mに巻き付ける形で被救助者Mを載
盤2に締め付ける。脇締ベルト3は、一本の帯体3a
と、その一端に設けられた雄バックル3bと、その他端
に設けられた雌バックル3cとを含む。胸締ベルト4及
び腰締ベルト5は、載盤2の左右両側部に固定された一
対の帯材4a,5aと、各帯材4a,5aに設けられた
雄バックル4b,5b及び雌バックル4c,5cとを含
む。対応する雄バックル3b,4b,5bと雌バックル
3c,4c,5cは、互いに結合と分離が自在である。
【0026】身体カバー9は、合成樹脂製シート又はテ
ント生地等より構成され、可撓性を有する。図1に示す
ように、身体カバー9は長方形状をなし、その一方の長
辺が載盤2の右側辺に沿って取り付けられる。この身体
カバー9は、開放された他方の長辺を載盤2の左側辺に
届くように折り曲げることにより、被救助者Mを間に挟
んで載盤2が覆われる。この身体カバー9は、被救助者
Mの身体のみを覆うものであり、頭部Mhは覆わない。
ント生地等より構成され、可撓性を有する。図1に示す
ように、身体カバー9は長方形状をなし、その一方の長
辺が載盤2の右側辺に沿って取り付けられる。この身体
カバー9は、開放された他方の長辺を載盤2の左側辺に
届くように折り曲げることにより、被救助者Mを間に挟
んで載盤2が覆われる。この身体カバー9は、被救助者
Mの身体のみを覆うものであり、頭部Mhは覆わない。
【0027】図3には、図1の前面を拡大して示す。頭
部ホルダ7は、合成樹脂製の緩衝吸収材により構成さ
れ、その中央部には、頭部Mhを保持するための湾曲し
た凹み7aが設けられる。この凹み7aに頭部Mhを嵌
め合わせることになる。図1に示すように、頭部ホルダ
7の後端部7bは、被救助者Mの肩部に近接する位置ま
で延びており、この後端部7bに肩部が当たるようにな
っている。
部ホルダ7は、合成樹脂製の緩衝吸収材により構成さ
れ、その中央部には、頭部Mhを保持するための湾曲し
た凹み7aが設けられる。この凹み7aに頭部Mhを嵌
め合わせることになる。図1に示すように、頭部ホルダ
7の後端部7bは、被救助者Mの肩部に近接する位置ま
で延びており、この後端部7bに肩部が当たるようにな
っている。
【0028】図3に示すように、頭部カバー10は、頭
部ホルダ7に整合して配設される。頭部カバー10は、
カバー本体10aと、カバー本体10aを下から支持す
る一対の可倒フレーム10bと、両可倒フレーム10b
を回動可能に支持する左右一対のブラケット10cと、
可倒フレーム10bの上でカバー本体10aを固定する
ための固定ベルト(図示略)とを含む。カバー本体10
aは、合成樹脂(例えば「ポリカーボネイト」)より短
冊状に形成された半透明な複数の板片をシャッター状に
組み付けて構成される。金属製のブラケット10cは、
頭部ホルダ7の左右両側において載盤2上にリベットで
固定される。両可倒フレーム10bは金属線材より略U
字状に形成される。一方の可倒フレーム10bは、その
両端が両ブラケット10cに形成された長孔に沿って移
動可能に組み付けられる。他方の可倒フレーム10b
は、その一部が一方の可倒フレーム10bに回動可能に
連結され、その両端が両ブラケット10cに回動可能に
組み付けられる。この構成により、両可倒フレーム10
bを、図3に示す使用状態から折り畳み可能となる。
部ホルダ7に整合して配設される。頭部カバー10は、
カバー本体10aと、カバー本体10aを下から支持す
る一対の可倒フレーム10bと、両可倒フレーム10b
を回動可能に支持する左右一対のブラケット10cと、
可倒フレーム10bの上でカバー本体10aを固定する
ための固定ベルト(図示略)とを含む。カバー本体10
aは、合成樹脂(例えば「ポリカーボネイト」)より短
冊状に形成された半透明な複数の板片をシャッター状に
組み付けて構成される。金属製のブラケット10cは、
頭部ホルダ7の左右両側において載盤2上にリベットで
固定される。両可倒フレーム10bは金属線材より略U
字状に形成される。一方の可倒フレーム10bは、その
両端が両ブラケット10cに形成された長孔に沿って移
動可能に組み付けられる。他方の可倒フレーム10b
は、その一部が一方の可倒フレーム10bに回動可能に
連結され、その両端が両ブラケット10cに回動可能に
組み付けられる。この構成により、両可倒フレーム10
bを、図3に示す使用状態から折り畳み可能となる。
【0029】図1に示すように、背当材8は、長方形状
をなし、可撓性を有する合成樹脂材によりシート状に構
成される。この背当材8は、載盤2の上半部中央に固定
される。
をなし、可撓性を有する合成樹脂材によりシート状に構
成される。この背当材8は、載盤2の上半部中央に固定
される。
【0030】ハンドル6は、鋼管が略長方形のループ状
に折り曲げ形成される。図3に示すように、ハンドル6
の基端は、載盤2の前端に対して留金14により回動可
能に取り付けられる。
に折り曲げ形成される。図3に示すように、ハンドル6
の基端は、載盤2の前端に対して留金14により回動可
能に取り付けられる。
【0031】この他、この実施の形態では、図1に示す
ように、載盤2の後端に、脚用シート15と補助ロープ
16が設けられる。脚用シート15は、合成樹脂製シー
ト又はテント生地等より構成され、可撓性を有する。脚
用シート15は、被救助者Mの脚部が載盤2からはみ出
た場合に拡げて脚部を受けるものである。補助ロープ1
6は、載盤2の後端を必要に応じて持ち上げ進行方向の
制御を補助するために使用される。
ように、載盤2の後端に、脚用シート15と補助ロープ
16が設けられる。脚用シート15は、合成樹脂製シー
ト又はテント生地等より構成され、可撓性を有する。脚
用シート15は、被救助者Mの脚部が載盤2からはみ出
た場合に拡げて脚部を受けるものである。補助ロープ1
6は、載盤2の後端を必要に応じて持ち上げ進行方向の
制御を補助するために使用される。
【0032】次に、上記のように構成された救助用搬送
具1の使用例等について説明する。図4に、被救助者M
を搬送するときの使用状態を側面図に示す。
具1の使用例等について説明する。図4に、被救助者M
を搬送するときの使用状態を側面図に示す。
【0033】被救助者Mを搬送するには、先ず、載盤2
上に被救助者Mを仰向けに横たえて、その背中を背当材
8に当接させ、その頭部Mhを頭部ホルダ7に載せる。
上に被救助者Mを仰向けに横たえて、その背中を背当材
8に当接させ、その頭部Mhを頭部ホルダ7に載せる。
【0034】その後、脇締ベルト3の両バックル3b,
3cを連結することにより、同ベルト3を被救助者Mの
身体に装着し、その身体を載盤2に固定する。
3cを連結することにより、同ベルト3を被救助者Mの
身体に装着し、その身体を載盤2に固定する。
【0035】その後、身体カバー9で被救助者Mの身体
を覆い、胸締ベルト4の両バックル4b,4c、腰締ベ
ルト5の両バックル5b,5cをそれぞれ結合させる。
このとき、載盤2の左右両側辺部は上方へ湾曲して被救
助者Mの左右両側部に巻き付いて密着することなり、載
盤2は雨樋状に変形して被救助者Mを包むことになる。
この様な変形は、載盤2が、交互に配置された複数の棒
材11と複数の長尺材12とにより構成され、それらが
連結溝11aと連結条12aの嵌め込みにより回動可能
に連結されて折り曲げが許容されることにより得られる
ものである。ここで、身体カバー9は、載盤2の左右両
側辺の間で被救助者Mの身体を覆った状態で胸締ベルト
4及び腰締ベルト5により押さえられる。
を覆い、胸締ベルト4の両バックル4b,4c、腰締ベ
ルト5の両バックル5b,5cをそれぞれ結合させる。
このとき、載盤2の左右両側辺部は上方へ湾曲して被救
助者Mの左右両側部に巻き付いて密着することなり、載
盤2は雨樋状に変形して被救助者Mを包むことになる。
この様な変形は、載盤2が、交互に配置された複数の棒
材11と複数の長尺材12とにより構成され、それらが
連結溝11aと連結条12aの嵌め込みにより回動可能
に連結されて折り曲げが許容されることにより得られる
ものである。ここで、身体カバー9は、載盤2の左右両
側辺の間で被救助者Mの身体を覆った状態で胸締ベルト
4及び腰締ベルト5により押さえられる。
【0036】その後、被救助者Mの頭部Mhを、頭部カ
バー10で覆う。即ち、図4に示すように、頭部カバー
10の両可倒フレーム10bを、頭部Mhの顔面上方に
起こして展開させる。そして、その可倒フレーム10b
上にカバー本体10aを半円アーチ形状に載せて固定ベ
ルトで固定し、被救助者Mの顔面上方を頭部カバー10
で覆う。このようにして、救助用搬送具1による被救助
者Mの搬送準備を完了する。
バー10で覆う。即ち、図4に示すように、頭部カバー
10の両可倒フレーム10bを、頭部Mhの顔面上方に
起こして展開させる。そして、その可倒フレーム10b
上にカバー本体10aを半円アーチ形状に載せて固定ベ
ルトで固定し、被救助者Mの顔面上方を頭部カバー10
で覆う。このようにして、救助用搬送具1による被救助
者Mの搬送準備を完了する。
【0037】そして、上記状態から、図5に示すよう
に、被救助者Mの身長方向(前方向)へ救助者Rがハン
ドル6を引っ張ることにより、載盤2が各棒材11の延
びる方向に沿って路面上を滑りながら移動し、被救助者
Mが搬送される。このように、本実施の形態の救助用搬
送具1では、被救助者Mを搬送するために、載盤2をハ
ンドル6で引っ張るだけなので、周知の担架のように前
後を二人の救助者で持ち上げる必要がなく、一人の救助
者Rでも容易に使用して搬送作業を行うことができる。
この実施の形態では、鋼管製のハンドル6が使用され、
高い剛性が得られることから、傾斜地でも確かな操作性
を得ることができる。
に、被救助者Mの身長方向(前方向)へ救助者Rがハン
ドル6を引っ張ることにより、載盤2が各棒材11の延
びる方向に沿って路面上を滑りながら移動し、被救助者
Mが搬送される。このように、本実施の形態の救助用搬
送具1では、被救助者Mを搬送するために、載盤2をハ
ンドル6で引っ張るだけなので、周知の担架のように前
後を二人の救助者で持ち上げる必要がなく、一人の救助
者Rでも容易に使用して搬送作業を行うことができる。
この実施の形態では、鋼管製のハンドル6が使用され、
高い剛性が得られることから、傾斜地でも確かな操作性
を得ることができる。
【0038】ここで、載盤2は、その下面側に、移動方
向に対して凹凸となる部分を持たない。従って、図5に
示すように、路面が不整地であったり瓦礫等で覆われた
りして多数の凸凹を含む場合でも、それら凹凸と載盤2
とが引き掛かり合うことがなく、載盤2の移動が規制さ
れることがない。このため、不整地や瓦礫等の上でも、
一人の救助者Rにより救助用搬送具1を円滑に移動させ
ることができ、被救助者Mを容易に搬送することができ
る。同様の効果は、平坦な路面上でも得られることであ
る。
向に対して凹凸となる部分を持たない。従って、図5に
示すように、路面が不整地であったり瓦礫等で覆われた
りして多数の凸凹を含む場合でも、それら凹凸と載盤2
とが引き掛かり合うことがなく、載盤2の移動が規制さ
れることがない。このため、不整地や瓦礫等の上でも、
一人の救助者Rにより救助用搬送具1を円滑に移動させ
ることができ、被救助者Mを容易に搬送することができ
る。同様の効果は、平坦な路面上でも得られることであ
る。
【0039】又、上記と同様の理由から、載盤2では、
瓦礫等との接触による引き裂きや孔空き等の破損を極力
少なくすることができ、載盤2の耐久性を高めることが
できる。この結果、救助用搬送具1としての耐久性を向
上させることができる。
瓦礫等との接触による引き裂きや孔空き等の破損を極力
少なくすることができ、載盤2の耐久性を高めることが
できる。この結果、救助用搬送具1としての耐久性を向
上させることができる。
【0040】特に、この実施の形態では、載盤2を構成
する各棒材11及び各長尺材12が耐摩耗性材料(超高
分子ポリエチレン・6ナイロン)により構成されること
から、各棒材11や各長尺材12の路面等との接触によ
る摩耗量が少なくなる。このため、路面との接触摩擦に
よる摩耗・孔空きを抑えることができ、この意味でも載
盤2の耐久性を高めることができ、救助用搬送具1とし
ての耐久性を向上させることができる。
する各棒材11及び各長尺材12が耐摩耗性材料(超高
分子ポリエチレン・6ナイロン)により構成されること
から、各棒材11や各長尺材12の路面等との接触によ
る摩耗量が少なくなる。このため、路面との接触摩擦に
よる摩耗・孔空きを抑えることができ、この意味でも載
盤2の耐久性を高めることができ、救助用搬送具1とし
ての耐久性を向上させることができる。
【0041】ここで、耐摩耗性に関する一実験結果を示
す。載盤2上に実際に人を載せて救助用搬送具1をコン
クリート舗装路面上で「200m」だけ移動させた。そ
の結果、各棒材11の下面の摩耗量は最大でも「0.2
mm」以下であった。本実施の形態では、各棒材11の
肉厚が「1.5mm」であることから、各棒材11に孔
が空くまでに搬送可能な距離は「1500m」程度まで
延ばすことができる。
す。載盤2上に実際に人を載せて救助用搬送具1をコン
クリート舗装路面上で「200m」だけ移動させた。そ
の結果、各棒材11の下面の摩耗量は最大でも「0.2
mm」以下であった。本実施の形態では、各棒材11の
肉厚が「1.5mm」であることから、各棒材11に孔
が空くまでに搬送可能な距離は「1500m」程度まで
延ばすことができる。
【0042】更に、この実施の形態では、載盤2を構成
する各棒材11と各長尺材12とが連結溝11a及び連
結条12aにより機械的に連結される。従って、両者1
1,12を接着剤で化学的に連結した場合に比べ、無理
な折り曲げや高頻度の折り曲げに対する連結部の破損を
少なくすることができ、この意味でも載盤2の耐久性を
高めて、救助用搬送具1としての耐久性を向上させるこ
とができる。しかも、各棒材11及び各長尺材12が合
成樹脂による押し出し成形により得られ、それらが機械
的に組み付けられる構造であることから、接着剤で組み
付ける場合に比べ、構造が単純で故障のおそれが少なく
なる。
する各棒材11と各長尺材12とが連結溝11a及び連
結条12aにより機械的に連結される。従って、両者1
1,12を接着剤で化学的に連結した場合に比べ、無理
な折り曲げや高頻度の折り曲げに対する連結部の破損を
少なくすることができ、この意味でも載盤2の耐久性を
高めて、救助用搬送具1としての耐久性を向上させるこ
とができる。しかも、各棒材11及び各長尺材12が合
成樹脂による押し出し成形により得られ、それらが機械
的に組み付けられる構造であることから、接着剤で組み
付ける場合に比べ、構造が単純で故障のおそれが少なく
なる。
【0043】一方、被救助者Mの乗載感の点では、被救
助者Mの頭部Mhが頭部ホルダ7により保持される。こ
のことから、搬送中の振動に対して頭部Mhの位置が安
定に保たれる。このため、被救助者Mの頭部Mhに与え
る衝撃を緩和することができ、被救助者Mを安静に搬送
することができる。又、被救助者Mの肩部が頭部ホルダ
7の後端部7bに当たることにより、被救助者Mの頭部
方向(前方向)への移動が規制される。このため、搬送
中に被救助者Mの身体が前方向へずれることを防止する
ことができ、この点でも被救助者Mを安静に搬送するこ
とができる。
助者Mの頭部Mhが頭部ホルダ7により保持される。こ
のことから、搬送中の振動に対して頭部Mhの位置が安
定に保たれる。このため、被救助者Mの頭部Mhに与え
る衝撃を緩和することができ、被救助者Mを安静に搬送
することができる。又、被救助者Mの肩部が頭部ホルダ
7の後端部7bに当たることにより、被救助者Mの頭部
方向(前方向)への移動が規制される。このため、搬送
中に被救助者Mの身体が前方向へずれることを防止する
ことができ、この点でも被救助者Mを安静に搬送するこ
とができる。
【0044】又、この実施の形態では、載盤2上で、被
救助者Mの背中と載盤2との間に背当材8を介在させる
ので、被救助者Mの背中に伝わる熱や振動を含む衝撃等
が背当材8により緩和される。このことによっても、被
救助者Mをより安静に搬送することができる。
救助者Mの背中と載盤2との間に背当材8を介在させる
ので、被救助者Mの背中に伝わる熱や振動を含む衝撃等
が背当材8により緩和される。このことによっても、被
救助者Mをより安静に搬送することができる。
【0045】更に、被搬送者Mの安全性の点では、載盤
2上に被救助者Mを載せた状態で、載盤2の左右両側部
により被救助者Mの身体が包み込まれる。このことか
ら、救助用搬送具1を瓦礫等の上で滑らせるときに、被
救助者Mの左右両側部を瓦礫や障害物との接触から保護
することができる。このため、搬送中における被救助者
Mの身体の安全性を確保することができる。
2上に被救助者Mを載せた状態で、載盤2の左右両側部
により被救助者Mの身体が包み込まれる。このことか
ら、救助用搬送具1を瓦礫等の上で滑らせるときに、被
救助者Mの左右両側部を瓦礫や障害物との接触から保護
することができる。このため、搬送中における被救助者
Mの身体の安全性を確保することができる。
【0046】又、この実施の形態では、載盤2に、頭部
カバー10が設けられ、この頭部カバー10で被救助者
Mの頭部Mhが覆われる。従って、搬送中にコンクリー
ト片や小石等の落下物から顔面を含む頭部Mhが保護さ
れる。このため、搬送中における被救助者Mの頭部Mh
の安全性を確保することができる。特に、この実施の形
態では、頭部カバー10が、金属製の可倒フレーム10
bの上で合成樹脂製のカバー本体10aを支持する構成
であることから、構造的には小片の落下物に対して有効
な強度を確保することができる。しかも、頭部カバー1
0は、可倒フレーム10bが折り畳み可能で、カバー本
体10aが巻き付け可能である。このため、不使用時に
は、両部材10a,10Bをそれぞれコンパクトに縮小
して収納することができる。
カバー10が設けられ、この頭部カバー10で被救助者
Mの頭部Mhが覆われる。従って、搬送中にコンクリー
ト片や小石等の落下物から顔面を含む頭部Mhが保護さ
れる。このため、搬送中における被救助者Mの頭部Mh
の安全性を確保することができる。特に、この実施の形
態では、頭部カバー10が、金属製の可倒フレーム10
bの上で合成樹脂製のカバー本体10aを支持する構成
であることから、構造的には小片の落下物に対して有効
な強度を確保することができる。しかも、頭部カバー1
0は、可倒フレーム10bが折り畳み可能で、カバー本
体10aが巻き付け可能である。このため、不使用時に
は、両部材10a,10Bをそれぞれコンパクトに縮小
して収納することができる。
【0047】更に、この実施の形態では、身体カバー9
により被救助者Mの身体が覆われるので、搬送中に落下
物等から身体が保護される。このため、搬送中における
被救助者Mの身体の安全性を確保することができる。
により被救助者Mの身体が覆われるので、搬送中に落下
物等から身体が保護される。このため、搬送中における
被救助者Mの身体の安全性を確保することができる。
【0048】加えて、この実施の形態では、載盤2の後
端部に補助ロープ16が設けられるので、場合によって
は、補助ロープ16により救助用搬送具1の方向転換を
行うことができる。又、もう一人の救助者の手助けを得
て補助ロープ16により救助用搬送具1を二人で持ち上
げることもできる。その意味で、搬送具1としての操作
性を向上させることができる。
端部に補助ロープ16が設けられるので、場合によって
は、補助ロープ16により救助用搬送具1の方向転換を
行うことができる。又、もう一人の救助者の手助けを得
て補助ロープ16により救助用搬送具1を二人で持ち上
げることもできる。その意味で、搬送具1としての操作
性を向上させることができる。
【0049】一方、不使用時には、救助用搬送具1を次
のように取り扱うことができる。図6及び図7には、救
助用搬送具1の保管状態を示す。即ち、救助用搬送具1
を保管するには、図6に示すように、頭部カバー10の
可倒フレーム10bを前方へ、ハンドル6を後方へそれ
ぞれ倒して折り畳む。同様に、身体カバー9及び脚用シ
ート15を載盤2上へ折り畳む。更に、図6,7に示す
ように、頭部カバー10のカバー本体10aをロール状
に巻き付けて頭部ホルダ7の凹み7aに納める。併せ
て、図7に示すように、載盤2の左右両側部をそれぞれ
内側へ折り畳む。このようにすることにより、載盤2の
左右方向の幅、頭部カバー10の高さをそれぞれ縮小す
ることができ、救助用搬送具1を極力コンパクトにまと
めることができる。この結果、救助用搬送具1を保管す
るのに必要なスペースを縮小することができ、保管のた
めの省スペース化を図ることができる。つまり、従来の
救助器具では、保管のために、使用時と大きさの変わら
ない台を置くための保管スペースが必要になったのに対
し、本実施の形態では、不使用時に救助用搬送具1をコ
ンパクトにできる分だけ、保管のためのスペースを小さ
くすることができるのである。
のように取り扱うことができる。図6及び図7には、救
助用搬送具1の保管状態を示す。即ち、救助用搬送具1
を保管するには、図6に示すように、頭部カバー10の
可倒フレーム10bを前方へ、ハンドル6を後方へそれ
ぞれ倒して折り畳む。同様に、身体カバー9及び脚用シ
ート15を載盤2上へ折り畳む。更に、図6,7に示す
ように、頭部カバー10のカバー本体10aをロール状
に巻き付けて頭部ホルダ7の凹み7aに納める。併せ
て、図7に示すように、載盤2の左右両側部をそれぞれ
内側へ折り畳む。このようにすることにより、載盤2の
左右方向の幅、頭部カバー10の高さをそれぞれ縮小す
ることができ、救助用搬送具1を極力コンパクトにまと
めることができる。この結果、救助用搬送具1を保管す
るのに必要なスペースを縮小することができ、保管のた
めの省スペース化を図ることができる。つまり、従来の
救助器具では、保管のために、使用時と大きさの変わら
ない台を置くための保管スペースが必要になったのに対
し、本実施の形態では、不使用時に救助用搬送具1をコ
ンパクトにできる分だけ、保管のためのスペースを小さ
くすることができるのである。
【0050】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で以下のように実施することもできる。
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で以下のように実施することもできる。
【0051】(1)前記実施の形態では、棒材11に連
結溝11aを形成し、長尺材12に空状に形成したが、
棒材に連結条を形成し、長尺材に連結溝を形成してもよ
い。
結溝11aを形成し、長尺材12に空状に形成したが、
棒材に連結条を形成し、長尺材に連結溝を形成してもよ
い。
【0052】(2)前記実施の形態では、載盤2を構成
する棒材11を中空状に形成したが、これを省略して内
部充実状に形成してもよい。
する棒材11を中空状に形成したが、これを省略して内
部充実状に形成してもよい。
【0053】(3)前記実施の形態では、図2に示すよ
うに、長尺材12の表面を平坦に形成したが、例えば、
図8に示すように、各長尺材12の表面にその長手方向
に沿って延びる複数の凸条12bを設けてもよい。これ
ら凸条12bを設けることにより、長尺材12の表面が
水を被ったとき、被救助者の背中が直接水で濡れること
を防ぐことができ、長尺材12の表面の水はけを改善す
ることができる。
うに、長尺材12の表面を平坦に形成したが、例えば、
図8に示すように、各長尺材12の表面にその長手方向
に沿って延びる複数の凸条12bを設けてもよい。これ
ら凸条12bを設けることにより、長尺材12の表面が
水を被ったとき、被救助者の背中が直接水で濡れること
を防ぐことができ、長尺材12の表面の水はけを改善す
ることができる。
【0054】(4)前記実施の形態における棒材11及
び長尺材12の基本形状を適宜に変更してもよい。
び長尺材12の基本形状を適宜に変更してもよい。
【0055】(5)前記実施の形態では、載盤2に頭部
ホルダ7、頭部カバー10、背当材8、身体カバー9、
脚用シート15及び補助ロープ16を設けたが、これら
のうち少なくとも一つを省略してもよい。
ホルダ7、頭部カバー10、背当材8、身体カバー9、
脚用シート15及び補助ロープ16を設けたが、これら
のうち少なくとも一つを省略してもよい。
【0056】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
交互に並列配置された複数の棒材と複数の長尺材とを連
結溝と連結条の関係で回動可能に嵌め合わせて載盤を構
成し、載盤をハンドルで各棒材と平行な方向へ引っ張る
ようにしたので、不整地や瓦礫等の上でも救助者一人で
容易かつ円滑に搬送作業を行うことができ、不使用時に
はコンパクトにまとめて保管のための省スペース化を図
ることができる。
交互に並列配置された複数の棒材と複数の長尺材とを連
結溝と連結条の関係で回動可能に嵌め合わせて載盤を構
成し、載盤をハンドルで各棒材と平行な方向へ引っ張る
ようにしたので、不整地や瓦礫等の上でも救助者一人で
容易かつ円滑に搬送作業を行うことができ、不使用時に
はコンパクトにまとめて保管のための省スペース化を図
ることができる。
【0057】請求項2に記載の発明の構成によれば、棒
材及び長尺材のうち少なくとも棒材を耐摩耗性材料より
構成したので、請求項1に記載の発明の効果に加え、載
盤の耐久性を高めることができ、救助用搬送具としての
耐久性を向上させることができる。
材及び長尺材のうち少なくとも棒材を耐摩耗性材料より
構成したので、請求項1に記載の発明の効果に加え、載
盤の耐久性を高めることができ、救助用搬送具としての
耐久性を向上させることができる。
【0058】請求項3に記載の発明の構成によれば、載
盤に頭部ホルダを設けたので、請求項1に記載の発明の
効果に加え、被救助者の頭部に与える衝撃を緩和するこ
とができ、被救助者の身体が前方向へずれることを防止
することができ、被救助者を安静に搬送することができ
る。
盤に頭部ホルダを設けたので、請求項1に記載の発明の
効果に加え、被救助者の頭部に与える衝撃を緩和するこ
とができ、被救助者の身体が前方向へずれることを防止
することができ、被救助者を安静に搬送することができ
る。
【0059】請求項4に記載の発明の構成によれば、載
盤に背当材を設けたので、請求項1に記載の発明の効果
に加え、被救助者の背中に伝わる衝撃等を緩和して、被
救助者を安静に搬送することができる。
盤に背当材を設けたので、請求項1に記載の発明の効果
に加え、被救助者の背中に伝わる衝撃等を緩和して、被
救助者を安静に搬送することができる。
【0060】請求項5に記載の発明の構成によれば、載
盤に頭部カバーを設けたので、請求項1に記載の発明の
効果に加え、搬送中における被救助者の頭部の安全性を
確保することができる。
盤に頭部カバーを設けたので、請求項1に記載の発明の
効果に加え、搬送中における被救助者の頭部の安全性を
確保することができる。
【0061】請求項6に記載の発明の構成によれば、
載盤に身体カバーを設けたので、請求項1に記載の発明
の効果に加え、搬送中における被救助者の身体の安全性
を確保することができる。
載盤に身体カバーを設けたので、請求項1に記載の発明
の効果に加え、搬送中における被救助者の身体の安全性
を確保することができる。
【図1】一実施の形態に係り、救助用搬送具を示す平面
図である。
図である。
【図2】載盤の一部を示す縦断面図である。
【図3】救助用搬送具の使用状態を示す前面図である。
【図4】救助用搬送具の使用状態を示す側面図である。
【図5】救助用搬送具の使用例を示す側面図である。
【図6】救助用搬送具の折り畳み状態を示す側面図であ
る。
る。
【図7】救助用搬送具の折り畳み状態を示す前面図であ
る。
る。
【図8】別の実施の形態に係り、載盤の一部を示す縦断
面図である。
面図である。
1 救助用搬送具
2 載盤
3 脇締ベルト(固定手段)
4 胸締ベルト(固定手段)
5 腰締ベルト(固定手段)
6 ハンドル
7 頭部ホルダ
8 背当材
9 身体カバー
10 頭部カバー
11 棒材
11a 連結溝
12 長尺材
12a 連結条
13 ストッパ(移動規制手段)
M 被救助者
Mh 頭部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A61G 1/00
B62B 17/02
Claims (6)
- 【請求項1】 被救助者を横たえて載せるための載盤
と、 前記被救助者を前記載盤に固定するための固定手段と、 前記載盤を前記被救助者の身長方向へ引っ張るためのハ
ンドルとを備えた救助用搬送具であって、 前記載盤は、 前記被救助者の身長方向に沿って延びて互いに並列に配
置された複数の棒材と、 前記各棒材の間にそれぞれ配置されて隣り合う棒材を互
いに連結する複数の長尺材と、 前記各棒材と前記各長尺材は、その一方の両脇に沿って
延びる連結溝に、その他方の両脇に沿って延びる連結条
を嵌め込むことにより互いに回動可能に連結されるもの
であることと、 前記各棒材と前記各長尺材との間の相対移動を規制する
ための移動規制手段とを備えたものであることを特徴と
する救助用搬送具。 - 【請求項2】 前記棒材及び前記長尺材のうち少なくと
も前記棒材が耐摩耗性材料より構成されたことを特徴と
する請求項1に記載の救助用搬送具。 - 【請求項3】 前記載盤に、前記被救助者の頭部を保持
するための頭部ホルダを設けたことを特徴とする請求項
1に記載の救助用搬送具。 - 【請求項4】 前記載盤に、前記被救助者の背中に当接
する背当材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
救助用搬送具。 - 【請求項5】 前記載盤に、前記被救助者の頭部を覆う
ための頭部カバーを設けたことを特徴とする請求項1に
記載の救助用搬送具。 - 【請求項6】 前記載盤に、前記被救助者の身体を覆う
ための身体カバーを設けたことを特徴とする請求項1に
記載の救助用搬送具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001196955A JP3485549B2 (ja) | 2001-06-28 | 2001-06-28 | 救助用搬送具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001196955A JP3485549B2 (ja) | 2001-06-28 | 2001-06-28 | 救助用搬送具 |
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