JP3485376B2 - 紫外線吸収剤 - Google Patents

紫外線吸収剤

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JP3485376B2 JP05650095A JP5650095A JP3485376B2 JP 3485376 B2 JP3485376 B2 JP 3485376B2 JP 05650095 A JP05650095 A JP 05650095A JP 5650095 A JP5650095 A JP 5650095A JP 3485376 B2 JP3485376 B2 JP 3485376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペンタエリスリトール
と、炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸及びメトキシ
ケイ皮酸との特定組成のエステル混合物からなる紫外線
吸収剤に関する。
【0002】
【従来の技術】地表に到達する紫外線は太陽光線中の約
6%にすぎないがゴム、塗料、インク等に対して着色、
褪色、強度低下、破壊を引き起こし、品質劣化をまね
く。このような紫外線による劣化を防止するため、これ
らの製品および素材を配合する各種製品には、紫外線吸
収剤が添加されている。
【0003】また、紫外線は、人間の皮膚に対しても紅
斑や黒化といった皮膚急性反応を惹起し、長期的には、
皮膚老化や癌を引き起こす。そういったことから、近
年、紫外線の皮膚への悪影響に対する危惧から、紫外線
吸収剤や紫外線散乱剤を配合した日焼け止め化粧品の開
発が盛んに行われ、様々な製品が発売されている。
【0004】これらの製品に配合されている紫外線吸収
剤は、その構造的にケイ皮酸系、PABA系、ベンゾフ
ェノン系、サリチル酸系、複素環系、カンファ−系、ジ
ベンゾイルメタン系、カルコン系などの分類がなされ、
数多くの紫外線吸収剤が開発されてきている。しかしな
がら、人の皮膚に使用される紫外線吸収剤は、安全性や
使用感触、さらに日焼け止めに配合する際の基材への溶
解性等の制約を受け、数多く開発されてきた紫外線吸収
剤中でもケイ皮酸系、ベンゾフェノン系の紫外線吸収剤
が皮膚外用剤に高い頻度で使用されている。化粧品にも
使用可能な紫外線吸収剤として、パラメトキシケイ皮酸
のエステル化合物を設計する上で、次の点を考慮しなけ
ればならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、パラメトキ
シケイ皮酸と、低分子量の低級アルコールとのエステル
は皮膚への刺激性が懸念される。逆に、高分子量の高級
アルコールとのエステルでは、皮膚刺激性は改善される
ものの紫外線吸収機能が低下し、また該エステルの融点
が上昇する傾向があり、他の配合成分との相溶性が悪く
なり、仮に液性を有するものであっても極めて粘稠性が
高く、化粧品製造時の作業性の低下は否めない。
【0006】さらに、パラメトキシケイ皮酸と、エチレ
ングリコールやグリセリン等とのエステルも紫外線吸収
剤として知られているが、前記高級アルコールエステル
の場合と同様に、常温で高粘性ないし固体状となり、他
の原材料との相溶性が劣るため、その利用範囲は限定さ
れるという問題点があった。
【0007】また、パラメトキシケイ皮酸エステル類を
配合した化粧品においては、前記した該エステル類の高
融点性、低相溶性に起因して製品の処方設計にはかなり
の熟練技術を必要とし、それにもかかわらず経時的な結
晶析出、沈殿、乳化破壊等を誘発して、製品全体の紫外
線吸収能の低下とそれに伴う配合成分の酸化、重合、変
敗(着色、異味、異臭の発生、腐敗)等の品質劣化現象
を引き起こすという問題点があり、この問題点に対する
技術的対策が大きな課題であった。
【0008】本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意研究
した結果、メトキシケイ皮酸エステルを含むペンタエリ
スリトールの特定組成のエステル混合物が、上記の問題
点を解決することを見出し、この知見に基づき本発明を
完成するに至った。
【0009】本発明の目的は、紫外線吸収能のあるメト
キシケイ皮酸エステルを化粧品に配合することを前提と
した時の前記問題点を根本的に解決すべく、安全性が高
く、所定の紫外線吸収能を保持しつつ、他の配合成分に
対して相溶性が優れ、品質劣化現象を起こすことのない
紫外線吸収剤を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、下記
一般式(I)、(II)、(III)で示されるエステル混合
からなる紫外線吸収剤である。
【化4】
【化5】
【化6】 (式中、R1、R2、R3、およびR4は同一または異な
り、炭素数7〜17の飽和分枝脂肪酸由来のアルキル基
を示し、Xはオルト位および/またはパラ位のメトキシ
基を示す。)
【0011】また、本発明は、上記一般式(I)、(I
I)及び(III)で示されるエステルの混合物であって、
一般式(I)、(II)及び(III)で示されるエステルの
混合割合(重量比)が、(I):(II):(III)=58
〜65:30〜35:3〜7であり、かつ10ppm エタ
ノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルにおいて極
大吸収波長が312nm、最大吸光度が0.1〜0.5で
ある紫外線吸収剤である。
【0012】さらに、本発明は、上記一般式(I)、(I
I)及び(III)で示されるエステルの混合物であって、
一般式(I)、(II)及び(III)で示されるエステルに
おいて、R1、R2、R3およびR4がすべて同一であっ
て、2−エチルヘキサン酸からカルボキシル基を除いた
残基であり、Xがパラ位のメトキシ基である紫外線吸収
剤である。
【0013】また、本発明は、ペンタエリスリトール1
モルに対し、2−エチルヘキサン酸を3.0〜3.8モ
ル、パラメトキシケイ皮酸を0.2〜1.0モルを仕込
み、エステル化することによって得られるエステル化合
物の混合物からなる紫外線吸収剤である。
【0014】以下、本発明を詳述する。本発明の紫外線
吸収剤は、ペンタエリスリトールと、炭素原子数8〜1
8の飽和分枝脂肪酸並びにオルト又はパラメトキシケイ
皮酸とが、特定の割合でエステル化されたエステル混合
物からなるものである。
【0015】具体的には、ペンタエリスリトール1モル
に炭素原子数8〜18の飽和分枝脂肪酸4モルがエステ
ル化されたテトラエステル(一般式(I))、ペンタエ
リスリトール1モルに炭素原子数8〜18の飽和脂肪酸
3モルとオルト又はパラメトキシケイ皮酸1モルとがエ
ステル化されたテトラエステル(一般式(II))、およ
びペンタエリスリトール1モルに炭素原子数8〜18の
飽和分枝脂肪酸2モルとオルトおよび/またはパラメト
キシケイ皮酸2モルとがエステル化されたテトラエステ
ル(一般式(III))の混合物から構成されている。
【0016】エステル化に用いる炭素原子数8〜18の
飽和分枝脂肪酸は、単一種類の飽和分枝脂肪酸を用いて
もよいが、複数種類の飽和分枝脂肪酸を用いることもで
きる。
【0017】具体的には、イソオクチル酸(2−エチル
ヘキサン酸、2,4,4−トリメチルペンタン酸)、イ
ソノナン酸(3,5,5−トリメチルヘキサン酸)、イ
ソデカン酸(3,7−ジメチルオクタン酸)、イソドデ
カン酸(6−プロピルノナン酸)、ネオトリデカン酸、
イソテトラデカン酸(12−メチルトリデカン酸)、イ
ソペンタデカン酸(2−メチルテトラデカン酸、5−メ
チルテトラデカン酸)、イソヘキサデカン酸(2,2−
ジメチルテトラデカン酸)、イソステアリン酸(2−ヘ
プチルウンデカン酸)、多メチル分枝鎖を有するエメリ
−社製イソステアリン酸等を例示できる。
【0018】最も好ましくは、上記の飽和分枝脂肪酸の
うち、2−エチルヘキサン酸を単独使用する場合であ
る。
【0019】また、メトキシケイ皮酸は、オルト位およ
び/またはパラ位にメトキシ基を有するものが使用で
き、より好ましくはパラメトキシケイ皮酸である。
【0020】本発明の紫外線吸収剤を構成する上記3種
類のテトラエステルは公知の方法によって調整すること
ができる。すなわち、直接エステル合成法、エステル交
換法、個別エステルの混合法等があり適宜選択すればよ
い。
【0021】直接エステル合成法では、ペンタエリスリ
トールと、1種もしくは2種以上の炭素原子数8〜18
の飽和分枝脂肪酸とオルトおよび/またはパラメトキシ
ケイ皮酸とを各々所定量(反応当量)混合し、無触媒下
または硫酸、塩酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、
ニッケル、スズ、チタン、これら金属の酸化物、塩化物
等のエステル化触媒の存在下、無溶媒中もしくはキシレ
ン、トルエン等の非水性有機溶媒を共存させて反応を行
い、エステル化反応物にアルカリ脱酸、活性炭脱色、シ
リカゲル分画、減圧脱臭等の精製処理を施すことにより
本発明のエステル混合物からなる紫外線吸収剤を得るこ
とができる。
【0022】例えば、ペンタエリスリトール1モルに対
し、2−エチルヘキサン酸を3.0〜3.8モル、パラ
メトキシケイ皮酸を0.2〜1.0モルを仕込み、直接
エステル合成法により、エステル化することによって本
発明の紫外線吸収剤を得ることができる。
【0023】エステル交換法では、ナトリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド等の金属アルコラート、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアル
カリ性物質を触媒として、ペンタエリスリトールと、1
種もしくは2種以上の炭素原子数8〜18の飽和分枝脂
肪酸の低級アルコール(炭素原子数1〜4)エステル
と、オルト又はパラメトキシケイ皮酸の低級アルコール
(炭素原子数1〜4)エステルとを、各々反応当量で混
合し、実質的に無水状態で50〜200℃、好ましくは
100〜180℃で、20〜40時間エステル交換反応
を行い、その後前記直接エステル合成法と同様の精製処
理を行えばよい。
【0024】また、一般式(I)、(II)および(III)
で示される個々のエステルを前記したエステル合成法あ
るいはエステル交換法により作成し、各々の所望量を混
合する方法によっても、本発明の紫外線吸収剤を調製す
ることができる。
【0025】本発明の紫外線吸収剤は、一般式(I)、
(II)および(III)で示される各テトラエステルが任
意の混合割合で含有されていてもよいが、その重量比
が、(I):(II):(III)=58〜65:30〜3
5:3〜7であるものが好ましく、さらに好ましくは、
(I):(II):(III)=60〜63:32〜33:4
〜5であり、かつ一般式(I)、(II)、(III)の混合
物を10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペ
クトルにおいて極大吸収波長(λmax )が312nm、最
大吸光度が0.1〜0.5であるものがより好ましく、
最も好ましくは、同極大吸収波長で最大吸光度が0.1
5〜0.3である条件を満足するものである。
【0026】メトキシケイ皮酸残基含有テトラエステル
が、上記数値範囲を超えて多く存在すると、粘性が急増
し紫外線吸収剤を使用する場合の作業性が悪くなり、ま
た併用成分との相溶性も低下する。逆に、メトキシケイ
皮酸残基含有テトラエステルが上記数値範囲を超えて少
なくなると使用単位量あたりの紫外線吸収能が低下する
ので所望の効果が得られにくくなる。
【0027】本発明の紫外線吸収剤の最も望ましい態様
は、(I)ペンタエリスリトールテトラ2−エチルヘキ
サン酸エステルと、(II)ペンタエリスリトールトリ2
−エチルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル
と、(III)ペンタエリスリトールジ2−エチルヘキサ
ン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステルとが組成比(重量
比)において、60〜63:32〜33:4〜5であ
り、かつ(I)+(II)+(III)の混合物を10ppm エ
タノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルにおいて
極大吸収波長が0.15〜0.3になるように調整した
ものである。
【0028】本発明の紫外線吸収剤の用途は限定されな
いが、従来の紫外線吸収剤を配合した化粧料、例えばサ
ンスクリーンクリーム、サンスクリーンローション、口
紅、サンスクリーンオイル、サンスクリーンジェル等に
配合することができる。
【0029】この場合、従来の紫外線吸収剤の一部もし
くは全量を本発明の紫外線吸収剤に置き換えることがで
き、また本発明の紫外線吸収剤の成分である一般式
(I)で示されるエステルは、従来の油性基剤の代替油
剤としても役立つ。本発明の紫外線吸収剤の化粧料への
配合量は、対象とする化粧料の種類により適宜に調整で
きるが、概してその処方全量に対して5〜50重量%、
好ましくは、7〜10重量%である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に従って更に詳細に説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。
【0031】[実施例1]ペンタエリスリトール11
1.9g、パラメトキシケイ皮酸73.2gおよび2−
エチルヘキサン酸414.9gを、攪拌機、温度計、窒
素ガス吹き込み菅および水分離菅を備えた1リットル四
ツ口フラスコに仕込み、触媒として塩化スズを仕込全量
の0.5重量%、還流溶媒としてキシレンを同5重量%
添加し、160〜240℃で30時間エステル化反応を
行わせ、反応物の酸価が低下しなくなった時点を反応終
点とした。次いで、室温まで冷却後、触媒を濾別し、活
性炭を用いて脱色処理、さらに3mmHgの減圧下に水蒸気
を吹き込み脱臭処理を施して、淡黄色の油状物質(試料
Aとする)395gを得た。このものは、酸価:0.
1、水酸基価:0.3、ケン化価:345、粘度:30
2(センチポイズ/25℃)、10ppm エタノール溶液
で測定した紫外線吸収スペクトルのλmax :312nm、
最大吸光度:0.17であった。また、ガスクロマトグ
ラフィー分析の結果、構成成分はペンタエリスリトール
テトラ2−エチルヘキサン酸エステル(a)、ペンタエ
リスリトールトリ2−エチルヘキサン酸モノパラメトキ
シケイ皮酸エステル(b)、およびペンタエリスリトー
ルジ2−エチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ皮酸エス
テル(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:
b:c=62.5:32.5:5.0であった。なお、
本発明の紫外線吸収剤である試料Aと汎用的な化粧品原
料との相溶性は、後述する表1のとおり優れたものであ
った。
【0032】[実施例2]ペンタエリスリトール10
8.3g、パラメトキシケイ皮酸70.8g、および2
−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン
酸=1/1(モル比)の混合脂肪酸420.9gを、実
施例1と同様の方法でエステル化および精製処理して淡
黄色の油状物質(試料Bとする)385gを得た。試料
Bは、酸価:0.1、水酸基価:0.3、ケン化価:3
30、粘度:300(センチポイズ/25℃)、10pp
m エタノール溶液で測定した紫外線吸収スペクトルのλ
max :312nm、最大吸光度:0.16であった。ま
た、実施例1と同様に、ガスクロマトグラフィー分析の
結果、構成成分はペンタエリスリトールジ2−エチルヘ
キサン酸ジ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル
(a)、ペンタエリスリトールトリ2−エチルヘキサン
酸モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル
(b)、ペンタエリスリト−ルモノ2−エチルヘキサン
酸トリ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル
(c)、ペンタエリスリト−ルジ2−エチルヘキサン酸
モノ3,5,5−トリメチルヘキサン酸モノパラメトキ
シケイ皮酸エステル(d)、ペンタエリスリト−ルモノ
2−エチルヘキサン酸ジ3,5,5−トリメチルヘキサ
ン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル(e)、および
ペンタエリスリト−ルモノ2−エチルヘキサン酸モノ
3,5,5−トリメチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ
皮酸エステル(f)の6種類であり、組成比率(重量
比)は(a+b+c):(d+e):f=62:33:
5であった。さらに試料Bと化粧品用汎用原料との相溶
性は後述(表1)のとおり良好であった。
【0033】[実施例3]ペンタエリスリトール10
4.1g、パラメトキシケイ皮酸108.9gおよび
3,5,5−トリメチルヘキサン酸387.0gを実施
例1と同様の方法でエステル化および精製処理して淡黄
色の油状物質(試料Cとする)392gを得た。試料C
は酸価:0.1、水酸基価:0.4、ケン化価:31
8、粘度:308センチポイズ/25℃、実施例1と同
様に測定した紫外線吸収スペクトルのλmax :312n
m、最大吸光度:0.17であった。またガスクロマト
グラフィ−分析の結果、構成成分はペンタエリスリト−
ルテトラ3,5,5−トリメチルヘキサン酸エステル
(a)、ペンタエリスリト−ルトリ3,5,5−トリメ
チルヘキサン酸モノパラメトキシケイ皮酸エステル
(b)およびペンタエリスリト−ルジ3,5,5−トリ
メチルヘキサン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステル
(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:
c=60.8:33.7:5.5であった。なお、試料
Cと汎用的な化粧品用原料との相溶性は、表1に示すと
おり優れたものであった。
【0034】[実施例4]ペンタエリスリトール11
1.4g、オルトメトキシケイ皮酸87.5gおよび2
−エチルヘキサン酸401.1gを実施例1と同様の方
法でエステル化および精製処理して淡黄色の油状物質
(試料Dとする)390gを得た。試料Dは酸価:0.
1、水酸基価:0.3、ケン化価:342、粘度:30
3センチポイズ/25℃、実施例1と同様に測定した紫
外線吸収スペクトルのλ max :312nm、最大吸光度:
0.17であった。またガスクロマトグラフィ−分析の
結果、構成成分はペンタエリスリト−ルテトラ2−エチ
ルヘキサン酸エステル(a)、ペンタエリスリト−ルト
リ2−エチルヘキサン酸モノオルトメトキシケイ皮酸エ
ステル(b)およびペンタエリスリト−ルジ2−エチル
ヘキサン酸ジオルトメトキシケイ皮酸エステル(c)の
3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:c=6
3.0:32.5:4.5であった。なお、試料Dと汎
用的な化粧品用原料との相溶性は、表1に示すとおり優
れたものであった。
【0035】[実施例5]ペンタエリスリトール66.
9g、パラメトキシケイ皮酸43.8gおよび2−ヘプ
チルウンデカン酸489.3gを実施例1と同様の方法
でエステル化および精製処理して淡黄色の油状物質(試
料Eとする)394gを得た。試料Eは酸価:0.1、
水酸基価:0.4、ケン化価:194、粘度:348セ
ンチポイズ/25℃、実施例1と同様に測定した紫外線
吸収スペクトルのλ max :312nm、最大吸光度:
0.15であった。またガスクロマトグラフィ−分析の
結果、構成成分はペンタエリスリト−ルテトラ2−ヘプ
チルウンデカン酸エステル(a)、ペンタエリスリト−
ルトリ2−ヘプチルウンデカン酸モノパラメトキシケイ
皮酸エステル(b)およびペンタエリスリト−ルジ2−
ヘプチルウンデカン酸ジパラメトキシケイ皮酸エステル
(c)の3種類であり、組成比率(重量比)はa:b:
c=64:32:4であった。なお、試料Eと汎用的な
化粧品用原料との相溶性は、表1に示すとおり優れたも
のであった。
【0036】[比較例1]ペンタエリスリト−ル10
0.2g、パラメトキシケイ皮酸393.6gおよび2
−エチルヘキサン酸106.2gを実施例1と同様の方
法でエステル化および精製、更にシリカゲルカラム分画
して黄色の油状物質(ペンタエリスリト−ルモノ2−エ
チルヘキサン酸トリパラメトキシケイ皮酸エステル)3
58gを得た。しかし、この物質は25℃では粘性が高
く、ほとんど流動性をもたなかった。
【0037】[比較例2]ペンタエリスリト−ル96.
2gおよびパラメトキシケイ皮酸503.8gを実施例
1と同様の方法でエステル化および精製、更にシリカゲ
ルカラム分画して黄色の油状物質(ペンタエリスリト−
ルテトラパラメトキシケイ皮酸エステル)385gを得
た。しかし、この物質は25℃では粘性が高く、ほとん
ど流動性をもたなかった。
【0038】表1 相 溶 性
【表1】 注)相溶性試験方法:化粧品用原料100gに試料を滴
下、混合し、透明状態に溶解する試料の最大重量を測定
し(25℃)、[透明に溶解した試料の最大重量]/
[化粧品用原料の重量]×100の値が5未満を×、5
以上80未満を△、80以上を○とした。 試料F:(モノ2−エチルヘキサン酸ジパラメトキシケ
イ皮酸グルセリル:従来の紫外線吸収剤) 試料G:(ブチルメトキシジベンゾイルメタン:従来の
紫外線吸収剤)
【0039】
【発明の効果】本発明の紫外線吸収剤は、その取扱いや
作業性に不都合や困難性を生じることがない適度な粘性
を有する油状物であり所定の紫外線吸収能を有する優れ
た紫外線吸収剤である。
【0040】また、本発明の紫外線吸収剤をその用途と
して化粧料に使用した場合には、汎用的な化粧品原料と
の相溶性に優れているので、本発明の紫外線吸収剤を配
合した化粧料は、保存安定性に優れ、乳化分離、結晶析
出、沈殿、変敗現象等を発生することなく、長期間にわ
たり紫外線遮閉、品質維持が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中根 俊彦 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 株式会社資生堂 第一リサーチセンター 内 (72)発明者 土屋 剛 東京都葛飾区奥戸2−8−10 (72)発明者 西田 穣 東京都稲城市東長沼1709−8 (56)参考文献 特開 平7−173027(JP,A) 特開 平6−32720(JP,A) 特開 昭50−76238(JP,A) 特開 平5−194171(JP,A) 特開 昭64−7941(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/00 - 7/50 C09K 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)、(II)、(III)で示
    されるエステル混合物からなる紫外線吸収剤。 【化1】 【化2】 【化3】 (式中、R1、R2、R3、およびR4は同一または異な
    り、炭素原子数7〜17の飽和分枝脂肪酸由来のアルキ
    ル基を表し、Xはオルト位および/またはパラ位のメト
    キシ基を表す。)
  2. 【請求項2】 一般式(I)、(II)および(III)で示
    されるエステルの混合割合(重量比)が(I):(I
    I):(III)=58〜65:30〜35:3〜7であ
    り、かつ10ppm エタノール溶液で測定した紫外線吸収
    スペクトルにおいて極大吸収波長が312nm、最大吸光
    度が0.1〜0.5である請求項1記載の紫外線吸収
    剤。
  3. 【請求項3】 一般式(I)、(II)および(III)で示
    されるエステルにおいて、R1、R2、R3およびR4がす
    べて同一であって、2−エチルヘキサン酸からカルボキ
    シル基を除いた残基であり、Xがパラ位のメトキシ基で
    ある請求項1または2記載の紫外線吸収剤。
  4. 【請求項4】 ペンタエリスリトール1モルに対し、2
    −エチルヘキサン酸を3.0〜3.8モル、パラメトキ
    シケイ皮酸を0.2〜1.0モルを仕込み、エステル化
    することによって得られるエステル化合物の混合物から
    なる紫外線吸収剤。
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