JP3485370B2 - 船体の修理方法 - Google Patents

船体の修理方法

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JP3485370B2
JP3485370B2 JP32424194A JP32424194A JP3485370B2 JP 3485370 B2 JP3485370 B2 JP 3485370B2 JP 32424194 A JP32424194 A JP 32424194A JP 32424194 A JP32424194 A JP 32424194A JP 3485370 B2 JP3485370 B2 JP 3485370B2
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清夫 稲田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、船体の修理方法に関
し、特に、船体外板の修理能率および精度を改善する技
術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外板が鋼鉄で形成された船体が衝突事故
などにより陥没したりあるいは亀裂が発生した時の修理
補修方法としては、損傷箇所の外周を切断除去し、除去
個所に既設船体外板の曲面を再現した補修外板を固設す
る方法が通常採用されている。このような船体の修理方
法においては、補修外板を得るために、従来、図16,
17に示す手法が行なわれていた。
【0003】同図に示す補修外板の作成方法は、まず、
損傷箇所Aの外周に切断除去部Bを設定し、損傷箇所A
を上下方向に横切るように、かつ、損傷箇所Aの幅方向
に沿って所定の間隔を隔てて木型枠Cを設置する。この
とき、木型枠Cは、ほぼ非損傷外板Dの曲がりに沿うよ
うな、複数に分割した多角形状のものが使用される。そ
して、木型枠Cが設置されると、その側面側にフエルト
ペンなどで外板曲面形状Eを外板dを見ながら手で模写
する。
【0004】次いで、張り糸Fを張設し、この張り糸F
に木型枠Cが設けられた位置に近接して、複数の下げ振
りGを設置し、下げ振りGから模写した外板曲面形状E
までの長さ(l1,2,…ln )を測り、各木型枠Cに模
写された外板曲面形状Eの相対的な位置関係を求める。
このようにして得られた外板曲面形状Eをそれぞれ紙型
に模写し、全部の外板曲面形状Eを保持する曲げ型見透
し線を決定して、補修外板を作成する。ところが、この
ような従来の船体の補修方法には、以下に説明する技術
的課題が指摘されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上述したよ
うな従来の船体補修方法では、木型枠Cの作成、高所で
の張り糸Fや下げ振りGの設置および計測、紙型の作成
など煩雑な作業が必要になり、作業能率が非常に悪くな
っていた。また、上記補修方法では、木型枠Cに模写し
た曲面形状Eを基準にして補修外板の曲面を決定してい
たが、この曲面形状Eは、非損傷外板Dを見ながら描い
たものなので、再現精度も不十分なものであった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、その目的とするところは、作
業能率がよく、高精度での補修が可能になる船体の補修
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、陥没や亀裂などの損傷個所を含む損傷外
板部を切断除去し、前記損傷外板部の除去個所に損傷前
の外板曲面を再現した補修外板を固設する船体の修理方
法において、前記損傷外板部の外周を画成する切断予定
線に沿って、所定の間隔をおいて複数の反射ターゲット
を設置し、3次元座標計測装置により各反射ターゲット
の3次元座標値を求める第1工程と、前記前記3次元座
標計測装置の座標系から船体座標系への座標変換を行な
う第2工程と、前記第2工程の前または後に実行され、
前記第1工程で求められた各反射ターゲットの3次元座
標値に基づいて、前記切断予定線内に任意の間隔で設定
される格子の各格子点の3次元座標値を曲面補間法によ
り求め、前記3次元座標値から前記補修外板を作成する
第3工程とを含むことを特徴とする。前記第3工程で前
記補修外板を作成する際に、前記3次元座標値から得ら
れた曲面を平面に展開して前記修理外板の板取りを決定
することができる。前記第3工程の曲面補間法は、前記
損傷外板部の曲率に応じて比例配分法またはラグランジ
ェ法のいずれかを選択することができる。前記反射ター
ゲットは、前記損傷外板部の背面に固設されたリブ板
(フレーム)に沿って配置することができる。
【0008】
【作用】上記構成の船体の補修方法によれば、3次元座
標計測装置により損傷箇所の外周に沿って設けられた反
射ターゲットの3次元座標値を測定すると、この測定値
に基づいて、曲面補間をして、切断除去した箇所に固設
する補修外板の曲面形状を再現することができる。ま
た、請求項2の構成によれば、補修外板を作成する際
に、3次元座標値から得られた曲面を平面に展開して修
理外板の板取りを決定するので、補修外板の製作および
固設が簡単に行なえる。さらに、請求項3の構成によれ
ば、曲面補間法は、前記損傷外板部の曲率に応じて比例
配分法またはラグランジェ法のいずれかを選択するの
で、得られる補修外板の再現精度がより一層向上する。
【0009】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について添附図面
を参照して詳細に説明する。図1から図15は、本発明
にかかる船体の補修方法の一実施例を示している。同図
に示す船体の補修方法は、この種の従来の補修方法と同
様に、陥没や亀裂などの損傷個所10を含み、その外周
を囲繞する損傷外板部12を切断除去し、損傷外板部1
2の除去個所に損傷前の外板曲面を再現した補修外板1
6を固設することを基本的な内容としている。
【0010】このような補修外板16を得るため工程
は、本実施例の場合には、以下の4工程で行なわれる。 第1工程 この第1工程では、図1に示すように、損傷外板部12
を画成するように、略矩形状に決定された切断予定線1
8に沿って、所定の間隔をおいて複数の反射ターゲット
20が設置される。この反射ターゲット20は、例え
ば、シート状のプリズムであって、シートの中心に十字
線が設けられているものを貼着する。
【0011】反射ターゲット20の設置箇所(F11〜F
nn)は、例えば、船体外板14の裏面側に溶着された垂
直方向に延びるリブ板22上に設けられる。このような
リブ板22の位置は、例えば、外板14に打撃を加えた
時の音から確認され、リブ板22上に反射ターゲット2
0を設置すると、リブ板22とともに損傷外板部12を
切断除去した場合に、補修外板16に新たなリブ板を予
め固着して、補修外板16とともに設置することができ
る。
【0012】なお、このような反射ターゲット20の設
置に際しては、一般には、後述する3次元測定装置で視
準しながら、視準角度を順次垂直方向に振りながら行な
うことにより、所望の位置に正確に貼着することができ
る。しかしながら、船体はドックの中に設置されている
ので、ドック勾配による傾きを持っているため、リブ板
22は、必ずしも垂直にはならない。
【0013】従って、反射シートの張り付け作業は、以
下の2つの方法がある。第1の方法は、簡易法であっ
て、損傷部の周辺に沿って、フレーム(リブ板22)上
に略矩形に切断点(計測点)を設定するとともに、その
上に反射シートを貼着する。このとき切断面の左端と右
端の測点の数は、同数に設定する。他の方法は、ラグラ
ンジェ法で船体フレームに沿って、そのフレーム上に損
傷を受けた部分の下部に3点、上部に3点を切停止、こ
れらの各点に反射シートを貼着する。
【0014】反射ターゲット20が所定の位置に設置さ
れると3次元座標計測装置24により各反射ターゲット
20が設置された箇所(F11〜Fnn)の3次元座標値が
測定される。図2には、3次元測定装置24により各反
射ターゲット20が設置された箇所(F11〜Fnn)の3
次元座標値を測定する際の状態を示しており、3次元測
定装置24は、測距測角儀24aと、マイクロコンピュ
ータ(以下、マイコンと略す)24bと、データコレク
タ24cとを有している。
【0015】測距測角儀24aは、視準望遠鏡と光波距
離計の光学系が同軸上に配置され、測角系には、エンコ
ーダが設けられていて、水平角および高度角(または天
頂角)がディスプレイに表示されるとともに、得られた
データをデータコレクタ24cに転送することができ
る。マイコン24bは、測距測角儀24aで測定した測
点までの距離と、2つの測点間の夾角および測点の天頂
角とから測点の座標値を演算するプログラムが内蔵され
ている。データコレクタ24cは、マイコン24bで演
算された座標値を記憶する。
【0016】反射ターゲット20が設置された箇所(F
11〜Fnn)の3次元座標値を測定する場合には、船体2
6がほぼ視準できる地点Aに測距測角儀24aを設置
し、標定点Cを原点として、例えば、南北方向をX軸,
鉛直方向をZ軸とする第1直交座標系(x−y−z系)
を設定することができる。本発明では、船体26の以外
の任意の2点C,Dを標定点とし、C点を原点とし標定
点Dまでの距離と水平角および天頂角をそれぞれ測距測
角儀24aで測定し、これらの測定値に基づいて、標定
点C,Dの座標値(x0,0,0 ),(x 1,1,1
をマイコン24bで演算して、データコレクタ24cに
記憶する。なお、C,D点は、船体上の計測点を原点と
し、第2点目と結んだ線をx軸としてもよい。
【0017】以上の準備作業が完了すると、船体26の
損傷箇所10を取り囲むようにして貼着されている反射
ターゲット20の設置箇所(F11〜Fnn)の3次元座標
値が順次測定され、データコレクタ24cに記憶され
る。 第2工程 この第2工程では、第1工程で求めた反射ターゲット2
0の設置箇所(F11〜Fnn)の3次元座標値の船体座標
系(ξーηーζ系)への座標変換が行なわれる。船体2
6の座標系については、造船所では、専ら船体26のセ
ンターラインをξ軸にとり、左舷方向をη軸とした船体
26に則したものが用いられている。
【0018】このような座標系では、船体座標の基準が
センターライン(ベースライン)になっている。ところ
が、船体26を補修する際には、船体26がドック内に
収納され、この状態での補修作業となるので、制約が大
きく、殆どセンターライン(ベースライン)を見通すこ
とができない。そこで、本実施例では、船体26のリブ
板22がセンターラインに対して直交する構造になって
いることに着目し、このフレーム(リブ板22)を利用
した船体座標系(ξーηーζ系)を設定することにし
た。一般に船体座標系は、舵柱の垂線とセンターライン
(ベースライン)の交点を原点としているが、ここで
は、図3に示すように、ξ軸をセンターラインの方向、
η軸をこれと直交する方向、ζ軸を鉛直方向にする。
【0019】本実施例では、上述したように第1工程で
反射ターゲット20は、フレーム(リブ板22)に沿っ
て設置され、この反射ターゲット20の設置箇所(F11
〜F nn)の3次元座標値は、任意に設定された第1直交
座標系(x−y−z系)で表されている。この第1直交
座標系(x−y−z系)は、一般には、船体座標系(ξ
ーηーζ系)に対して、図4に示すように、ドック勾配
によるζ軸方向の傾きδと、ξ軸方向のセンターライン
からの偏りθ1 をもっている。
【0020】従って、図2に示した状態において、δと
θ1 とが判れば、第1直交座標系(x−y−z系)で表
されている反射ターゲット20の設置箇所(F11
nn)の3次元座標値を船体座標系(ξーηーζ系)に
変換することができる。これをより詳細に説明すると、
本実施例では、反射ターゲット20がフレーム(リブ板
26)上に設置されており、このターゲット20の設置
箇所(F11〜F nn)は、1つの曲線上に位置している。
この曲線は、ドック勾配δと第1直交座標系(x−y−
z系)のセンターラインからの偏りθ1 をもっている。
これはC,D点を任意に設定し計測するためによるもの
である。
【0021】いま、このフレーム上に2つの点a(x
a,ya,za),b(xb,yb,zb)を想定し、
図4のように配置する。ここで、点bから第1直交座標
系(x−y−z系)のx軸に下した垂線の交点をPとす
る。また、点bから船体座標系(ξーηーζ系)のξ軸
に下した垂線の交点をQとする。このとき、a,P,b
が作る三角形は、センターラインに垂直な平面を作る。
【0022】ドック勾配δが予め与えられていると、線
分PQの長さは、 PQ=r=(za−zb)・tanδ で表される。Pの3次元座標値は、(xb,yb,z
a)で与えられ、Qの座標値は、Pを中心とし、半径r
の円とaを通る直線の接点として計算される。接線の方
程式を ax+by+cz=0 とすると、係数aとbは、次の式で与えられる。
【0023】
【数1】 この式で求めた係数を使って、接点の第1直交座標系
(x−y−z系)は、次のようにして求められる。 xq=xp+a・r yq=yp+b・r 但し、係数aとbは、直線と円の接点が2箇所あるの
で、上述した式から2個求められるが、船体26の右舷
ないしは左舷によって区別する必要がある。このように
してQの座標値が求められると、Pの座標値は、以下の
式で表される。 xb=−r・cosθ1 +xq yb=−r・sinθ1 +yq この式からθ1 は、 θ1 =cos-1{(xb−xq)/r} として求められる。
【0024】このようにしてドック勾配δおよび偏り角
θ1 が求まると、第1直交座標系(x−y−z系)に対
して、z方向にθ1 の回転、y方向にδの回転を与えれ
ば、船体座標系(ξーηーζ系)に変換することができ
る。
【0025】
【数2】 なお、この座標系の変換は、後述する第3工程の後に行
なってもよい。 第3工程 この第3工程では、第1工程で求められた各反射ターゲ
ット20の設置箇所(F11〜Fnn)の3次元座標値に基
づいて、切断予定線18内に任意の間隔で設定される格
子(メッシュ)の各格子点の3次元座標値を曲面補間法
により求める図7は、曲面補間法の一例を示している。
同図に示す曲面補間法は、船体26の損傷箇所10が比
較的平坦な場合に適用される方法であって、各格子点
(a11〜ann)の3次元座標値は、その周辺の反射ター
ゲット20の設置箇所(F11〜Fnn)の3次元座標値を
参照して、例えば、格子点間の長さの比例配分により求
められる。
【0026】図8は、曲面補間法の他の例を示してい
る。同図に示す曲面補間法は、船体26の損傷箇所10
が、急曲面の場合に適用される方法であって、各格子点
(b11〜bnn)の3次元座標値は、設置箇所(F11〜F
1nおよびFn1〜Fnn)のそれぞれの延長線上に、所定の
間隔をおいてそれぞれ複数の反射ターゲット20、例え
ば、上下にそれぞれ3箇所づつ設置して、これらの設置
箇所(F1119〜Fn2n )の3次元座標値を上述した第1
工程で求め、この3次元座標値に基づいて、ラグランジ
ェの近似式により求める。 第4工程 この工程では、第3工程で得られた船体座標系(ξーη
ーζ系)で表されたターゲット20の設置箇所(F11
nn)および格子点の3次元座標値に基づいて、修理外
板16の板取りが決定される。
【0027】修理外板16の板取りは、計測された3次
元座標値に基づく平板への展開作業であり、曲面座標の
平面座標への展開であって、曲率半径が非常に小さい場
合を除いて、本発明が対象としている船体の外板26の
ように比較的曲率半径が大きい場合には、曲面メッシュ
間隔が平面メッシュの対応する点間隔と等しくなるよう
な変換を行なうことにより、近似的に満足できる平面展
開が得られる。
【0028】平面展開の手順を図9〜図15に示してい
る。この展開手順では、まず、図9に示すように、外周
が切断予定線18に対応した大きさのエリアに対して、
任意間隔のメッシュが設定され、各メッシュ点は、j番
号とk番号とで表される。これらの各メッシュ点および
切断予定線との交点の3次元座標値は、前述した第3工
程でそれぞれ求められている。
【0029】ここで、計算の便宜のため、船体座標系
(ξーηーζ系)で示されている3次元座標値のデータ
をメッシュ基準の座標表示に変換する(例えば、船体座
標系のη軸方向を図9のZ軸方向に変換し、同ζ軸方向
をX軸方向に変換する)。この場合、下縁の点は、k=
1とし、上縁の点は、k=nとして表す。各メッシュ点
と縁辺の点は、第3工程で補間されて、3次元座標値と
して与えられているので、それぞれのメッシュ間隔は、
曲面座標を(Px,Py,Pz)とすると、次の式で計
算される(図10参照)。
【0030】
【数3】 次に、展開の基準となる中心点を指定し、この中心点に
最も近い座標値を有する点が指定される。3次元曲面か
ら平面への展開は、基準点からの距離によって誤差が蓄
積されて、近似精度に非常に大きく影響を及ぼすので、
図形の中心に近いところを指定する(図11参照)。次
いで、図12に示すように、中心点と隣あった点に基づ
いて、第3の点を求める。
【0031】いま、中心点がAで、これに最も近い隣あ
った点がBであるとすると、Aを中心としてAPを半径
(r2 )とした円と、Bを中心としてBPを半径
(r1 )とした円の交点として、P点の平面位置を特定
する。この場合、半径(r1 )は、BおよびP点の3次
元座標値から演算し、また、半径(r2 )もA,B点の
3次元座標値から求める。次に、点BおよびPを基準と
して、同様な手法により点Qの平面位置を特定し、この
ような手法を、図13に示すように、四方向に順次展開
することにより、3次元座標値に基づいて、曲面座標の
平面への展開が完了し、図14に示すような補修外板1
6の板取図形が得られる。
【0032】なお、このような手法に基づく曲面から平
面への展開方法では、縁辺部で組合せる点を持たない場
合があり得るが、予め上下端の座標値と同じ値をもつ予
備点を持たせることで解決できる。また、図9に示した
メッシュの間隔は、損傷外板部12の曲率に応じて適宜
選択することが望ましく、例えば曲率半径が小さい、大
きな曲がりの場合には、メッシュの間隔をかなり小さく
することにより、曲面を平面に展開した場合に精度を上
げることができる。
【0033】以上のようにして、板取形状が決定される
と、第3工程で損傷外板部12の3次元座標値が求めら
れているので、この3次元座標値により決定される曲面
の型を製作し、この型に板取りされた補修外板16をプ
レス加工すれば、切断除去された損傷外板部16の外周
形状を有し、かつ、損傷前の曲面が再現されたものが得
られる。
【0034】さて、以上のような工程で行なわれる船体
の補修方法によれば、高所での作業は、反射ターゲット
20の設置作業だけになるので、従来のこの種の方法と
比べて、高所作業の時間が大幅に低減されるとともに、
測定作業も迅速に行なわれ、作業能率が大幅に向上し、
高精度の補修外板16が得られる。また、上記実施例で
は、補修外板16を作成する際に、3次元座標値から得
られた曲面を平面に展開して修理外板16の板取りを決
定するので、補修外板16の製作および固設が簡単に行
なえるとともに、材料の無駄が無くなる。
【0035】さらに、上記実施例では、曲面補間法は、
損傷外板部12の曲率に応じて、曲率半径が大きいとき
には比例配分法を採用し、また、曲率半径が小さいとき
にはラグランジェ法を選択するので、得られる補修外板
16の再現精度がより一層向上する。図15は、本発明
の他の実施例の工程の一部を示しており、以下のその特
徴点についてのみ説明する。同図に示す実施例では、上
述した実施例の第3工程で、切断予定線18内に任意の
間隔で設定される格子の各格子点の3次元座標値を曲面
補間法により求めているので、この3次元座標値から損
傷外板部12のライン図を作成し、このライン図から型
を作成し、得られた型で損傷外板部12よりも大きな材
料をプレス加工し、その後に、外周を切断除去箇所に対
応した形状に加工する。
【0036】このような船体の修理方法では、材料の無
駄が発生するものの、作業能率や精度は、上記実施例と
同等の効果が得られる。なお、上記実施例で説明した各
工程での演算処理は、例えば、3次元座標計測装置24
のマイコン24bを利用してプログラム処理により行な
うことができる。
【0037】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる船体の補修方法によれば、作業能率がよ
く、高精度での補修が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる船体の補修方法が適用される船
体の要部斜視図である。
【図2】本発明にかかる船体の補修方法で補修箇所の座
標値を測定する際の説明図である。
【図3】船体座標系の説明図である。
【図4】船体座標系と測定座標系との関係を示す説明図
である。
【図5】測定座標系から船体座標系への座標変換をする
ときの説明図である。
【図6】測定座標系から船体座標系への座標変換をする
ときの説明図である。
【図7】反射ターゲットの3次元座標値から曲面補間を
する際の説明図である。
【図8】反射ターゲットの3次元座標値から曲面補間を
する際の別の例の説明図である。
【図9】本発明にかかる船体の補修方法で曲面上にメッ
シュ(格子)を設定する際の説明図である。
【図10】図9に示したメッシュの間隔を計算するとき
の説明図である。
【図11】図9に示した曲面上のメッシュを平面に展開
する際の説明図である。
【図12】図9に示した曲面上のメッシュを平面に展開
する際の説明図である。
【図13】図9に示した曲面上のメッシュを平面に展開
する際の説明図である。
【図14】図9に示した曲面上のメッシュを平面に展開
した形状の一例を示す平面図である。
【図15】本発明にかかる船体の補修方法の他の実施例
で使用するライン図である。
【図16】従来の船体の補修方法の一例を示す断面説明
図である。
【図17】図16の斜視図である。
【符号の説明】
10 損傷箇所 12 損傷外板部 14 外板 16 補修外板 18 切断予定線 20 反射ターゲット 22 リブ板 24 3次元座標計測装置 24a 測距測角義 24b マイコン 24c データコレクタ 26 船体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 9/00 B63B 3/00 B21D 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陥没や亀裂などの損傷個所を含む損傷外
    板部を切断除去し、前記損傷外板部の除去個所に損傷前
    の外板曲面を再現した補修外板を固設する船体の修理方
    法において、 前記損傷外板部の外周を画成する切断予定線に沿って、
    所定の間隔をおいて複数の反射ターゲットを設置し、3
    次元計測装置により各反射ターゲットの3次元座標値を
    求める第1工程と、 前記前記3次元計測装置の座標系から船体座標系への座
    標変換を行なう第2工程と、 前記第2工程の前または後に実行され、前記第1工程で
    求められた各反射ターゲットの3次元座標値に基づい
    て、前記切断予定線内に任意の間隔で設定される格子の
    各格子点の3次元座標値を曲面補間法により求め、前記
    3次元座標値から前記補修外板を作成する第3工程とを
    含むことを特徴とする船体の修理方法。
  2. 【請求項2】前記第3工程で前記補修外板を作成する際
    に、前記3次元座標値から得られた曲面を平面に展開し
    て前記修理外板の板取りを決定することを特徴とする請
    求項1記載の船体の修理方法。
  3. 【請求項3】 前記第3工程の曲面補間法は、前記損傷
    外板部の曲率に応じて比例配分法またはラグランジェ法
    のいずれかを選択することを特徴とする請求項1または
    2記載の船体の修理方法。
  4. 【請求項4】 前記反射ターゲットは、前記損傷外板部
    の背面に固設されたリブ板に沿って配置されることを特
    徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の船体の修
    理方法。
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