JP3484575B1 - ピストンモータ - Google Patents

ピストンモータ

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JP3484575B1
JP3484575B1 JP2002341384A JP2002341384A JP3484575B1 JP 3484575 B1 JP3484575 B1 JP 3484575B1 JP 2002341384 A JP2002341384 A JP 2002341384A JP 2002341384 A JP2002341384 A JP 2002341384A JP 3484575 B1 JP3484575 B1 JP 3484575B1
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俊夫 伊藤
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Abstract

【要約】 【課題】 好適に高出力、高トルクを発生でき、シリン
ダを増設可能とする分配弁を備えたピストンモータを提
供する。 【解決手段】 シリンダブロック3とカムリング31
数のシリンダ4A、4B…とピストン5A、5B…
配弁23を具し、非回転状態に固定されたシリンダ
ブロック3に対しカムリング31が回転するピストンモ
ータ1であって、分配弁23は、環状油供給ポート11
aとシリンダの倍数で回転軸方向に形成された油供給ポ
ート12a、12b…と環状油排出ポート11bとシリ
ンダの倍数で回転軸方向に形成された油排出ポート13
a、13b…を有し、シリンダブロック3に固定された
油路分岐部材11と、カム数の倍数で回転軸方向に形成
された切換弁油供給ポート及び切換弁油排出ポートを有
し、油路分岐部材11とシリンダブロック3との間で相
対回転且つ摺動自在に設けられるとともに、カムリング
31に同期する切換弁41を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンモータに
関するものであり、詳しくは出力軸に対して垂直方向に
ピストンが配列したピストンモータに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、出力軸に対して垂直方向に、
つまり、ラジアル方向にピストンが配列したピストンモ
ータは、高トルク型のモータとして知られており、建設
機械等の駆動装置として広く使用されている。このよう
なピストンモータは、ラジアルピストンモータ、多行程
ラジアルピストンモータと呼ばれたり、単に油圧モータ
と呼ばれたり、又は、カムリングを有するのでカムモー
タ、さらに、シリンダブロックに中空部を有する場合に
は中空モータ、と様々な呼称で呼ばれたりしているが、
本明細書では、総括して「ピストンモータ」と記載す
る。
【0003】従来のピストンモータのシリンダブロック
には、周方向に偶数個のシリンダが等間隔で形成されて
おり、カムリングには、カム面の凸部と凹部を1組で1
カムとすると、偶数のカムが形成されていた。すなわ
ち、従来のピストンモータのシリンダブロックには、周
方向に180°間隔で2個を1組として形成されたシリ
ンダが複数組設けられており、各シリンダ組において外
側に配設されたカムリングのカム面の凸部と凹部の状
態、つまり位相が一致していた。そして、各シリンダ組
毎に、切り換えながら、高圧の油を同じタイミングで供
給して、その各シリンダ組に収容されたピストン及びロ
ーラでカムリングのカム面を押圧することにより、シリ
ンダブロックとカムリングとを相対回転させてピストン
モータを稼動させると共に、各シリンダ組に収容された
ピストンがカムリングから受ける反力(ピストントルク
とも呼ばれる)を180°の2箇所で受けて反力ベクト
ルを釣り合わせることにより、ピストンモータの回転軸
が振れないようにしていた(例えば、特許文献1参
照)。
【0004】また、従来のピストンモータおいて、シリ
ンダブロックのシリンダに油を供給又は油を排出する分
配弁は、カムリングに形成されたカム数に対応して形成
され、シリンダに連通し油を供給する油供給ポートと、
この油供給ポートとピストンモータの外部の油供給系と
を連通させる一般的には環状の環状供給ポートと、油を
排出する油排出ポートと、環状油排出ポートとを備える
ものであった。そして、この分配弁をシリンダブロック
に対して相対回転させることにより、油の供給、排出を
切り換えてピストンモータを稼動していた(例えば、特
許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】特公平5−49820号公報(第3−4
頁、第1図)
【特許文献2】特開平10−141209号公報(第4
−6頁、第2図、第3図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た特許文献1に記載された従来のピストンモータにおい
て、高出力、高トルクとするためには、180°間隔で
形成された各組のシリンダの容積を同じ割合で大きくす
ると共に、カムリングの肉厚を厚くして機械的強度を高
めたりしなければならず、これに伴ってピストンモータ
が大きくなってしまうという問題があった。
【0007】また、前記した特許文献2に記載された分
配弁では、ピストンモータを高出力、高トルクとするた
めシリンダを増設した場合に、油供給ポート、油排出ポ
ートも対応して増設しなければならず、複雑になってし
まうという問題点があった。
【0008】そこで、本発明は、好適に高出力、高トル
クを発生できるピストンモータを提供することを課題と
する。また、好適にシリンダを増設可能とする分配弁を
備えたピストンモータを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として請求項1に係る発明は、シリンダブロック
と、内周側にカム面が形成され、前記シリンダブロック
の外周面を囲んだ状態に配設されたカムリングと、前記
シリンダブロックに、回転軸を中心として径方向の外側
に延びて外周面に開口するように形成された複数のシリ
ンダと、前記カム面に対して進退自在に前記シリンダに
収容されたピストンと、記複数のシリンダのうちの前
記カム面に向い上昇行程にある各ピストンに対応する各
シリンダに、外部の油供給系から供給される油を分配供
給する分配弁とを、前記上昇行程にある各ピスト
ンが前記カム面を押圧することにより、非回転状態に固
定された前記シリンダブロックに対して、前記カムリン
が回転するように構成されたピストンモータであっ
て、前記分配弁は、前記外部の油供給系に連通し周方向
に環状で形成された環状油供給ポートと、前記環状油供
給ポートに連通し前記シリンダの倍数で回転軸方向に形
成された油供給ポートと、外部の油排出系に連通し周方
向に環状で形成された環状油排出ポートと、前記環状油
排出ポートに連通し前記シリンダの倍数で回転軸方向に
形成された油排出ポートとを有し、前記シリンダブロッ
クに固定された油路分岐部材と、前記カムリングのカム
数の倍数で回転軸方向に形成され、且つ周方向に交互に
配列した切換弁油供給ポート及び切換弁油排出ポートを
有し、前記油路分岐部材と前記シリンダブロックとの間
で相対回転且つ摺動自在に設けられるとともに、前記カ
ムリングに同期する切換弁とを備え、前記シリンダと前
記油供給ポート又は前記油排出ポートとを、前記切換弁
油供給ポート又は前記切換弁油排出ポートで切り換えて
連通可能としたことを特徴とするピストンモータであ
る。
【0010】ここで、「外部の油供給系に連通した環状
の環状油供給ポート」とは、外部の油供給系と油供給ポ
ートとの間に設けられ、外部の油供給系と油供給ポート
とをを連通し易くするためのものである。 また、「環
状」とは、環の一部が破断した、所謂「C形」も含む。
さらに、「シリンダブロックに対応した油供給ポート」
とは、油供給ポートの数が、シリンダの数に対応して形
成されており、各シリンダに油を供給できるようになっ
ていることを意味する。但し、例えば、シリンダブロッ
クの一段当りに多数のシリンダが形成されている場合、
また、多段でシリンダが形成されている場合は、実質的
に同一の油供給ポートを兼用して複数のシリンダ油を供
給してもよい。 したがって、環状油供給ポートはピスト
ンモータの回転軸に対して垂直方向に、油供給ポートは
回転軸方向に形成されていることが好ましく、このよう
に形成されていると回転軸方向からシリンダに油を供給
することが可能となる。 なお、環状油排出ポート、油排
出ポートについては、油の「供給」と「排出」が異なる
のみで、環状油供給ポート、油供給ポートと、同様であ
る。
【0011】このようなピストンモータによれば、シリ
ンダブロックに形成された周方向のシリンダの数、及
び、シリンダの段数に対応して、環状油供給ポートの大
きさをを自由に変更して油供給ポートを設けることによ
り、複数のシリンダに好適に油を供給することができ
る。
【0012】また、このようにシリンダブロックが固定
されてカムリングが回転するピストンモータは、一般的
に外周駆動型と呼ばれており、請求項1に係るピストン
モータによれば、適宜な手段でシリンダブロックを固定
し非回転状態として、ピストンモータを稼動することに
より、カムリングを回転させることが可能である。
【0013】請求項2に係る発明は、前記切換弁は、第
1切換部材と、第2切換部材と、前記第1切換部材と前
記第2切換部材との間に介装された弾性部材とを備え、
前記弾性部材により、前記第1切換部材は前記油路分岐
部材に付勢され、前記第2切換部材は前記シリンダブロ
ックに付勢されたことを特徴とする請求項1に記載のピ
ストンモータである。
【0014】このようなピストンモータによれば、切換
弁油供給ポートを経由してシリンダに油が供給される高
圧時、また、切換弁油排出ポートを経由してシリンダか
ら油が排出される低圧時にかかわらず、弾性部材によ
り、第1切換部材は油路分岐部材に、第2切換部材はシ
リンダブロックにそれぞれ付勢された状態であるので、
切換弁の移動によって油が漏れにくくすることができ
る。
【0015】請求項3に係る発明は、前記シリンダは、
周方向において等間隔で、少なくとも3以上の奇数個を
1組として形成されており、且つ、前記カムリングに
は、凸部と凹部を1組とするカムが前記奇数個の倍数の
数で形成されたことを特徴とする請求項1または請求項
2に記載のピストンモータである。
【0016】ここで、「シリンダは、周方向において等
間隔で3以上の奇数個を1組として形成されている」と
は、シリンダが周方向において等間隔で、「3、5、
7、9、11、13、15、17、…」個を1組として
形成されていることを意味する。すなわち、例えば、
「奇数個」が3、つまり、「シリンダが周方向において
等間隔で3個を1組として形成されている」とは、「シ
リンダが、周方向において、360°/3(個)、つま
り、120°間隔で形成された3個を1組としている」
ことを意味する。 その他に例えば、「周方向において等
間隔で5個を1組として形成されたシリンダ」とは、シ
リンダが周方向において、360°/5(個)、つま
り、72°間隔で形成されたことを意味する。
【0017】このようなピストンモータによれば、シリ
ンダが周方向に等間隔で少なくとも3以上の奇数個を1
組として形成されており、且つ、カムリングには凸部と
凹部を1組とするカムが、その奇数個の倍数の数で形成
されているので、奇数個を1組としたシリンダ組に対応
するカムリングのカム面の位相は一致することになる。
すなわち、そのシリンダ組に収容された各ピストンに対
するカム面の位相も一致する。 そして、カムリングのカ
ム数に対応した分配弁から、奇数個を1組とした各シリ
ンダ組毎に同じタイミングで同圧の油を供給することに
より、各ピストン組で同位相のカム面を押圧して、シリ
ンダブロックとカムリングとを相対回転させてピストン
モータを稼動させると共に、各ピストン組がカムリング
から受ける反力(ピストントルクとも呼ばれる)を奇数
個で受け反力ベクトルをつり合わせることにより、言い
換えれば、相殺(キャンセル)させることにより、ピス
トンモータの回転軸が振れないようにすることができ
る。
【0018】また、請求項3に係るピストンモータで、
例えば、従来のピストンモータと同等の回転トルクを発
生する場合には、少なくとも3以上の奇数個を1組とし
たピストン組でカムリングのカム面を押圧するので、ピ
ストン1個当たりの押圧力は、従来のピストンモータで
の(1/2)から(1/奇数個)に低減する。したがっ
て、シリンダ容量を小さく、つまり、ピストンを小型化
したりして、ピストンモータ全体を軽量化することがで
きる。そして、ピストン1個当りに掛かる押圧力も低減
するので、ピストン、シリンダブロック、カムリング、
及びローラの寿命も長くすることもできる。また、シリ
ンダブロックとカムリングを相対回転可能に支持する軸
受等も小型化することができる。さらに、シリンダを小
さくすることも可能であるので、例えば、シリンダブロ
ックに回転軸方向で、径の大きな貫通孔を形成して、そ
の貫通孔に大口径のシャフトを設けたりすることもでき
る。
【0019】請求項4に係る発明は、前記シリンダは、
回転軸方向に複数段で形成されていることを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のピストン
モータである。
【0020】このようなピストンモータによれば、シリ
ンダが回転軸方向に複数段で形成されおり、好適に高出
力、高トルクとすることが可能である。 また、このよう
にシリンダが回転軸方向に複数段で形成される場合に
は、各シリンダ段間で、または、各シリンダ段の外側に
配設されたカムリング間の位相を周方向にずらすことが
好ましい。このように各段間でシリンダ、または、カム
リングの位相をずらすことにより、ピストンモータの稼
動中に生じる脈動を相殺して低減することができる。
【0021】請求項5に係る発明は、同一段で形成され
るべく複数の前記シリンダの一部は、回転軸方向に段違
いで前記シリンダブロックに複数段で形成されており、
前記複数段に形成された一方の段のシリンダに収容され
たピストンと、他方の段のシリンダに収容されたピスト
ンとが、同じタイミングで前記カム面を押圧すると共
に、前記一方の段のシリンダに収容されたピストンと前
記他方の段のシリンダに収容されたピストンとが、前記
カム面から受ける反力を相殺させるようにしたことを特
徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
ピストンモータである。
【0022】ここで、「シリンダは回転軸方向に複数段
で形成されており、前記複数段に形成された一方の段の
シリンダに収容されたピストンと、他方の段のシリンダ
に収容されたピストンとが、同じタイミングで前記カム
面を押圧すると共に、前記各ピストンが前記カム面から
受ける反力を相殺させるようにしたこと」とは、例え
ば、従来のピストンモータのシリンダブロックにおい
て、同一段で周方向に180°間隔で形成されていた2
個のシリンダを、回転軸方向において別の段に、段違い
となるように配置したことを意味する。また、このよう
に別々の段にシリンダを形成することは、前記した奇数
個を1組としたシリンダ組に適用してもよい。
【0023】このようなピストンモータによれば、シリ
ンダがシリンダブロックに回転軸方向において段違いで
1組として形成されているので、各段においてシリンダ
を大きくしたり自在に変更することができる。したがっ
て、ピストンモータを高出力・高トルクとすることがで
きる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施形態について詳細に説明する た、第1実施
形態に係るピストンモータは、内側が固定支持されて外
側のケースが回転する外周駆動型のピストンモータであ
る。そして、第1実施形態に係るピストンモータの変形
例として、外側のケースが固定されて中心のシャフトが
回転するシャフト駆動型のピストンモータ(以下、「参
考ピストンモータ」と称する。)について説明する。さ
らに、第1実施形態に係るピストンモータは、地盤改良
を行う掘削機械に取り付けられるものであるが、本発明
の適用はこれに限定されるものではない。
【0028】[第1実施形態]本発明の第1実施形態に
係るピストンモータについて、図1から図7、図11を
適宜参照して説明する。参照する図面において、図1
は、第1実施形態に係るピストンモータの断面図であ
る。図2は、第1実施形態に係るピストンモータの一部
を拡大した斜視図である。図3は、図1に示す第1実施
形態に係るピストンモータのX−X断面図である。図4
は、図1に示す第1実施形態に係るピストンモータのY
−Y断面図である。図5は、第1実施形態に係るピスト
ンモータの油路分岐部材の一部を破断して示した斜視図
である。図6は、第1実施形態に係るピストンモータの
切換弁の一部を破断して示した斜視図である。図7は、
第1実施形態に係るピストンモータの動作状況を示す概
念図である。図11は、第1実施形態に係るピストンモ
ータと、後記する参考ピストンモータを備えた掘削機械
の一部の断面図である。なお、図1は第1実施形態に係
るピストンモータ1を周方向に部分的に変位して示した
ものである。また、図3、図4において、記載の都合
上、シャフトを省略した。
【0029】第1実施形態に係るピストンモータ1は、
図1に示すように、回転軸X線上のシャフト17とこれ
に固定されたシリンダブロック3を含んでなる内側の固
定部20と、シリンダブロック3の外周面を囲んだ状態
で配設されたカムリング31を含んでなる外側の回転部
30とを備えて構成されている。ピストンモータ1は、
図11に示すように、掘削機械100の中間高さ位置で
取り付けられるものであり、固定部20は、鉛直方向上
下に連結された固定軸101、101により支持されて
いる。また、固定部20と回転部30との間には、フロ
ントスラストベアリング61、リアスラストベアリング
62等が設けられており、回転部30は固定部20に回
転自在に支持されている。そして、シリンダブロック3
に収容された第1段ピストン5A、5B、…、第2段ピ
ストン7A、7B、…、がカムリング31のカム面32
を押圧することにより、外側の回転部30が回転する外
周駆動型(「アウター駆動モータ」と呼ばれることもあ
る)のピストンモータ1である。ここで、説明の都合
上、図1においてシャフト17の右側をピストンモータ
1のフロント側、左側をリア側とし、シャフト17の長
手方向を軸方向(または、回転軸X方向)とする。ま
た、ピストンモータ1の半径方向を径方向、円周方向を
周方向とする。
【0030】固定部20と回転部30との間には、フロ
ントスラストベアリング61、リアスラストベアリング
62の他、図1に示すように、フロントベアリングシー
ル63、リアベアリングシール64、フロントダストシ
ール65、65、リアダストシール66、66等のシー
ル材が設けられており、ピストンモータ1の内部が泥
水、水、埃、塵等から保護されるようになっている。フ
ロントスラストベアリング61、リアダストシール66
等の近傍には、オイルカップ又はグリースカップが設け
られており(図示しない)、フロントスラストベアリン
グ61等が好適に摺動回転できるようになっている。
【0031】(固定部)固定部20は、ピストンモータ
1の回転軸X線上を貫通したシャフト17と、このシャ
フト17の軸方向の略中間に固定された円柱状のシリン
ダブロック3とを主要部として構成されている。シリン
ダブロック3のフロント側には順に、後記する切換弁4
1の間隔を隔てて、円筒状の油路分岐部材11と、内側
フロントシールホルダ14とが設けられている。シリン
ダブロック3のリア側には内側リアシールホルダ15が
設けられている。そして、固定部20を構成するこれら
の部材は、ボルト、ピン、スプライン等により、シリン
ダブロック3、シャフト17に一体的に固定されてお
り、各部材の嵌合面には、適宜、Oリング、パッキン等
のシール部材(図示しない)が設けられており、ピスト
ンモータ1の内部が保護されるようになっている。この
ように固定部20を複数の部材から構成することによ
り、各部材の設計・加工・成型が容易となるだけでな
く、ピストンモータ1の組み立て、修理、破損時におい
て、各部材の部分的な取り扱いも容易となっている。後
記する回転部30についても同様である。
【0032】また、シリンダブロック3には、後記する
ように、フロント側の第1段シリンダ4A、4B…と、
リア側の第2段シリンダ6A、6B…とがそれぞれ形成
されている。第1段シリンダ4A、4B…には、第1段
ピストン5A、5B…収容されており、その径方向外側
には第1段ローラ8、8…がそれぞれ設けられている。
第2段シリンダ6A、6B…には、第2段ピストン7
A、7B…が収容されており、その径方向外側には、第
2段ローラ9、9…がそれぞれ設けられている。なお、
「第1段シリンダ4A、4B…」、「第2段シリンダ6
A、6B…」とは、シリンダブロック3において、同一
の周方向の同一高さ位置に形成されたシリンダを「同一
段」とみなし、説明の都合上、フロント側から「第1
段」、「第2段」と称呼することにする。これに対応し
て、第1段ピストン5A、5B…、第2段ピストン7
A、7B…、第1段ローラ8、8…、第2段ローラ9、
9…についても、同様とする。
【0033】(回転部)回転部30は、内周面にカム面
32が形成されたリング状のカムリング31を主要部と
して構成されている。カムリング31のフロント側には
順に、外側フロントベアリングホルダ33と外側フロン
トシールホルダ34とが設けられている。外側フロント
ベアリングホルダ33には、ガイド管47を介してリン
グ状の切換弁41が設けられている。切換弁41は、ガ
イド管47に軸方向にガイドされながら、前記した固定
部20を構成するシリンダブロック3と油路分岐部材1
1との間を摺動しながら、回転軸Xを中心としてカムリ
ング31と一体的に回転するようになっている。カムリ
ング31のリア側には順に、外側リアベアリングホルダ
35と、外側リアシールホルダ36とが設けられてい
る。また、回転部30を構成する各部材は、固定部20
と同様に、ボルト、ピン等により、カムリング31に一
体的に固定されており、適宜、Oリング等のシール部材
(図示しない)が設けられている。なお、第1実施形態
に係るピストンモータ1の分配弁23は、切換弁41と
前記した油路分岐部材11とを備えて構成されている。
【0034】そして、回転部30の外表面には、カバー
37とフロントエンドカバー38とが設けられている。
このようにピストンモータ1をカバー37、フロントエ
ンドカバー38で覆って保護し、さらに、前記したよう
に各部材間の隙間にシール材等を設けて密閉性を高める
ことにより、ピストンモータ1を図11に示すように掘
削機械100の回転駆動部として地中、つまり泥水中で
使用したり、その他に例えば、海等の水中で使用したり
することができるようになっている。
【0035】以下、固定部20、回転部30について詳
細に説明する。なお、以下に説明するピストンモータ1
を構成する円柱状、円筒状又はリング状の各部材は、特
に記載しない限り、回転軸Xと同心となるように設けら
れている。また、本発明に係るピストンモータ1を構成
する部材の形状は、円柱状、円筒状、リング状に限定さ
れるものではなく、実質的に複数の部材を組み合わせて
構成されたものであってもよい。
【0036】(シャフト)シャフト17は、肉厚の円筒
体であり、ピストンモータ1の回転軸X線上に設けられ
ている。シャフト17の肉厚部分の周壁には、軸方向に
油供給通路18と、油排出通路19と、ドレン90が形
成されている。そして、油供給通路18には、シャフト
17の外周面から径方向に連通孔18aが形成されてお
り(図2参照)、後記する油路分岐部材11の環状油供
給ポート11aに連通するようになっている。同様に、
油排出通路19には、連通孔19aが形成されており
(図2参照)、後記する油路分岐部材11の環状油排出
ポート11bに連通するようになっている。また、油供
給通路18、油排出通路19は、ピストンモータ1の外
部の、油圧ポンプ、油圧の高圧・低圧回路を切り換える
外部切換弁、油タンク、パイロット弁、リリーフ弁等か
らなる油供給系・油排出系(それぞれ図示しない)と接
続している。そして、油供給系(図示しない)から油供
給通路18を経由してシリンダブロック3に圧油が供給
され、シリンダブロック3から油排出通路19を経由し
て油排出系(図示しない)に、油が排出されるようにな
っている。
【0037】シャフト17の中空部17aは、図11に
示すように、ピストンモータ1を掘削機械100の回転
駆動源とした場合に、地盤を改良する固化材を地上から
ビット102まで供給する固化材供給通路として、好適
に使用できるようになっている。また、シャフト17の
周壁には、油供給通路18、油排出通路19、ドレン9
0の他に、フロント側からリア側に貫通する貫通孔9
1、91…が形成されている(図2参照)。貫通孔9
1、91…は、図11に示すように、ピストンモータ1
と後記する参考ピストンモータ2とを組み合わせて備え
た掘削機械100を構成する場合に、貫通孔91…を高
さ位置が異なるピストンモータ2の油供給通路又は油排
出通路として利用したり、掘削機械100の下端部から
エアを噴き出すためのエア通路としたり、掘削状況を計
測する計測機器の配線をしたりできるようになってい
る。
【0038】(シリンダブロック)シリンダブロック3
は、図1、図2に示すように、略円柱状であり、その中
心線上にスプライン(図示しない)が形成された貫通孔
を有しており、この貫通孔にシャフト17が挿通した状
態で固定されている。シリンダブロック3には、図2、
図3、図4に示すように、フロント側に15個の第1段
シリンダ4A、4B、4C、4D、4E、4F、4G、
4H、4I、4J、4K、4L、4M、4N、4Oと、
リア側に15個の第2段シリンダ6A、6B、6C、6
D、6E、6F、6G、6H、6I、6J、6K、6
L、6M、6N、6Oとが2段で形成されている。この
ように回転軸X方向に、2段わたって形成されたシリン
ダは、「タンデム構造のシリンダ」と呼ばれることもあ
る。
【0039】第1段シリンダ4A、4B、4C、…と、
第2段シリンダ6A、6B、6C、…とは、図3、図4
に示すように、各段において、回転軸Xを中心として径
方向の外側に開口するように放射状で、周方向に24°
間隔で順に形成されている。すなわち、第1段シリンダ
4A、4B、…において、第1段シリンダ4A、4F、
4Kを第1段第1組シリンダ4A、4F、4Kとする
と、第1段第1組シリンダ4A、4F、4Kは、回転軸
Xを中心として周方向に120°間隔で形成されてい
る。同様に、第1段第2組シリンダ4B、4G、4L
と、第1段第3組シリンダ4C、4H、4Mと、第1段
第4組シリンダ4D、4I、4Nと、第1段第5組シリ
ンダ4E、4J、4Oとは、第1段各組シリンダにおい
て、周方向に120°間隔でそれぞれ形成されている。
そして、第1段各組シリンダの位相は、周方向に24°
毎ずれている。つまり、第1実施形態に係るピストンモ
ータ1のシリンダブロック3の第1段目には、第1段シ
リンダ4A、4B、4C…が、請求項1に記載の「少な
くとも3以上の奇数個」を「3」として、周方向に12
0°間隔で3個を1組として周方向に24°毎ずれて、
合計5組形成されている。
【0040】第2段シリンダ6A、6B…も、第1段シ
リンダ4A、4B、…と同様に、第2段第1組シリンダ
6A、6F、6K、第2段第2組シリンダ6B、6G、
6L、第2段第3組シリンダ6C、6H、6M、第2段
第4組シリンダ6D、6I、6N、第2段第5組シリン
ダ第5組6E、6J、6Oとすると、第2段各組シリン
ダにおいて周方向に120°間隔でそれぞれ形成されて
おり、第2段各組シリンダの位相は、周方向に24°毎
ずれている。
【0041】このようにシリンダブロック3に、2段で
シリンダを形成することにより、ピストンモータ1を高
出力、高トルクとすることができる。また、例えば、1
段のシリンダでの出力トルクを、2段で出力するなら
ば、2段に分けてピストンモータ1を回転させることに
なるので、一段当りのシリンダ容量を小さくすることが
でき、シリンダブロック3の中心軸線上に径の大きな貫
通孔を形成することが可能となる。さらに、その他に例
えば、シリンダ数を減少することも可能となり、ピスト
ンモータ1の径方向の外形を小さくすることもできる。
【0042】前記したようにシリンダの大きさを小さく
して、シリンダブロック3に径の大きな貫通孔を形成し
た場合は、径の大きな太いシャフト17をシリンダブロ
ック3に挿通することが可能となり、これに伴ってシャ
フト17の中空部17aも径方向に大きくすることがで
きる。したがって、図11に示すように、ピストンモー
タ1を掘削機械100に備えた際には、地上から粘度の
高い固化材等であっても好適に通過させることができ
る。また、ピストンモータ1を外形を小さくすると、掘
削機械100による掘削時、掘削後の抜き取り時におい
て、掘削土等は、ピストンモータ1の周囲を鉛直上下方
向に、好適に移動できるようになる。
【0043】また、第1段シリンダ4A、4B、…と第
2段シリンダ6A、6B、…の位相は、図3に示すよう
に、周方向に12°ずれて形成されている。このように
位相を12°ずらして形成することにより、ピストンモ
ータ1の稼動中に、第1段シリンダ4A、4B、…と第
2段シリンダ6A、6B、…とが受ける脈動を互いに相
殺(キャンセル)できるようになっている。
【0044】さらに、図2に示すように、シリンダブロ
ック3のフロント側の端面から、軸方向に、第1段シリ
ンダ4A、4B、…とそれぞれ連通する第1段シリンダ
油給排ポート4a、4b、…と、第2段シリンダ6A、
6B、…とにそれぞれ連通する第2段シリンダ油給排ポ
ート6a、6b、…とが形成されており、それらの開口
部は、同一円周上に配列している。回転軸Xから、第1
段シリンダ油給排ポート4a、4b…、及び、第2段シ
リンダ油給排ポート6a、6b…の開口部までの距離d
1(図2参照)は、後記する切換弁41の第2切換部材
43に形成された第2切換部材油給排孔50、50、5
0…が配列した円の半径d6(図6参照)と等しくなっ
ている。
【0045】また、第1段シリンダ油給排ポート4a、
4b、…と第2段シリンダ油給排ポート6a、6b、…
とは、第1段シリンダ4A、4B、…と第2段シリンダ
6A、6B、…との周方向における12°の位相のずれ
に対応するように配列されている。すなわち、各シリン
ダ油給排ポートは、シリンダブロック3のフロント側の
端面において、周方向に、第1段シリンダ油給排ポート
4a、第2段シリンダ油給排ポート6a、第1段シリン
ダ油給排ポート4b、第2段シリンダ油給排ポート6
b、第1段シリンダ油給排ポート4c、第2段シリンダ
油給排ポート6c、…と交互に、且つ、12°間隔で配
列されている。
【0046】さらに、第1段シリンダ油給排ポート4
a、4b、…と第2段シリンダ油給排ポート6a、6
b、…とのシリンダブロック3の端面における開口部
は、隣接する第1段シリンダ油給排ポート4a、4b
…、または、第2段シリンダ油給排ポート6a、6b、
…の開口部と接触しない程度に、周方向にやや長い長孔
となっている。このように第1段シリンダ油給排ポート
4a、4b、…または第2段シリンダ油給排ポート6
a、6b、…の開口部を周方向に広げることにより、後
記する切換弁41の第2切換部材油給排孔50、50、
50…と連続的に好適に高圧、低圧に切り換わって、連
通できるようになっている。
【0047】(ピストン)第1段ピストン5A、5B、
5C、5D、5E、5F、5G、5H、5I、5J、5
K、5L、5M、5N、5O(合計15個)は、第1段
シリンダ4A、4B、4C…にそれぞれ収容されてお
り、径方向において進退自在に、すなわち、シリンダブ
ロック3の周面に出没自在となっている。同様に、第2
段ピストン7A、7B、7C、7D、7E、7F、7
G、7H、7I、7J、7K、7L、7M、7N、7O
(合計15個)は、第2段シリンダ6A、6B、6C…
にそれぞれ収容されており、径方向において進退自在と
なっている。したがって、第1段ピストン5A、5B、
5C、…と、第2段ピストン7A、7B、7C、…と
は、第1段、第2段において周方向に24°毎に配置さ
れている。後記する第1段ローラ8、8…、第2段ロー
ラ9、9…についても同様である。
【0048】(ローラ)第1段ローラ8、8…、第2段
ローラ9、9…は、共に略円柱状の部材である。第1段
ローラ8、8…は、第1段ピストン5A、5B…とカム
リング31のカム面32との間に設けられており、第1
段ピストン5A、5B…が伸長すると、第1段ローラ
8、8…の周面がカム面32を転動するようになってい
る。同様に、第2段ローラ9、9…は、第2段ピストン
7A、7B、…の径方向外側に設けられている。
【0049】(油路分岐部材)油路分岐部材11は、シ
リンダブロック3に形成された第1段シリンダ4A、4
B…、第2段シリンダ6A、6B…の数に対応して、油
供給通路18、または、油排出通路19を分岐させるた
めの部材である。油路分岐部材11は、図5に示すよう
に、肉厚で略円筒状の部材であり、シャフト17に挿通
された状態で固定されている(図1参照)。油路分岐部
材11の内周面には、回転軸Xに対して垂直の方向に環
状、且つ、溝状で、径方向の長さ、つまり溝の深さが異
なるように、フロント側で溝の深い環状油供給ポート1
1aと、リア側で溝が浅い環状油排出ポート11bと
が、軸方向に段違いで形成されている。
【0050】環状油供給ポート11aは、前記した連通
孔18aを介してシャフト17の油供給通路18と連通
しており、環状油排出ポート11bは、連通孔19aを
介してシャフト17の油排出通路19と連通している。
そして、環状油供給ポート11aから、軸方向で、油路
分岐部材11のリア側の端面に向かって、周方向に24
°毎の等間隔で、一段当りのシリンダ数(15個)に対
応した15個の油供給ポート12a、12b、12c、
12d…が形成されており、その開口部は同一円周上に
配列している。同様に、環状油排出ポート11bから1
5個の油排出ポート13a、13b、13c、13d…
が形成されている。
【0051】すなわち、第1実施形態においては、環状
油供給ポート11a及び油供給ポート12a、12b、
…が油路分岐部材11の周壁内において外側に形成され
ており、その内側に排出給環状ポート11b及び油排出
ポート13a、13b、…が形成されている。そして、
リア側の端面では、油供給ポート12a、12b…の開
口部と、油排出ポート13a、13b…の開口部とが、
径方向において段違いで、且つ、油供給ポート12a、
12b…の開口部が外側になるようにして、周方向に2
列となって形成されている。回転軸Xから油供給ポート
12a、12b…までの距離d2は、後記する切換弁4
1の第1切換部材油供給孔48a、48b…と回転軸X
との距離d4と等しくなっている。また、回転軸Xから
油排出ポート13a、13b…までの距離d 3は、後記
する切換弁41の第1切換部材油排出孔49a、49b
…と回転軸Xとの距離d5と等しくなっている。
【0052】さらに、第1実施形態では、油路分岐部材
11に、15個の油供給ポート12a、12b…と15
個の油排出ポート13a、13b…を設けたのみである
が、シリンダブロック3に形成された2段分のシリンダ
数に対応して、例えば、その倍数となるように、油供給
ポートと油排出ポートをそれぞれ30個づつ形成しても
よい。但し、第1実施形態においては、後記するよう
に、切換弁41の第1切換部材油供給孔48a、48b
…及び第1切換部材油排出孔49a、49b…を周方向
に沿った長孔とすることにより、2段のシリンダそれぞ
れに油を供給、または排出できるようになっている。
【0053】また、環状油供給ポート11a、環状油排
出ポート11bの径方向の大きさは、シリンダブロック
3に形成されたシリンダ数に応じて自由に変更すること
ができる。すなわち、環状油供給ポート11a、環状油
排出ポート11bを大きくすると、軸方向に多数の油供
給ポート、油排出ポートを形成することが可能である。
つまり、シリンダブロック3にシリンダを増設、又は、
シリンダを多段に増設しても、環状油供給ポート11
a、環状油排出ポート11bの径方向の大きさを適宜変
更することにより、容易に対応することができるように
なっている。
【0054】(カムリング)カムリング31は、略円筒
状の部材であり、その内周面にはカム面32が形成され
ている。カム面32には、周方向に9カム形成されてい
る。すなわち、カム面32には、9個の凸部と9個の凹
部が周方向に等間隔で交互に形成されている。言い換え
ると、カム面32には、周方向に120°間隔で形成さ
れた3個の1カムを第1カム組とすると、その第1カム
組に対して周方向に40°ずれた位置に第2カム組、さ
らに40°ずれた位置に第3カム組が形成されている。
また、第1段シリンダ4A、4B…と第2段シリンダ6
A、6B…とは、周方向に位相が12°ずれて形成され
たとしたが、カムリング31のカム面32の位相は同じ
である。すなわち、カム面32の位相を同じとして、第
1段シリンダ4A、4B…と第2段シリンダ6A、6B
…との位相をずらすことにより、第1段、第2段で受け
る脈動を相殺できるからである。
【0055】(切換弁)切換弁41は、前記したように
固定部20を構成する油路分岐部材11とシリンダブロ
ック3との間に設けられ、カムリング31と同期して回
転すると共に、カム面32の凹部凸部の位相に対応し
て、第1段シリンダ油給排ポート4a、4b…、第2段
シリンダ油給排ポート6a、6b…と、油供給ポート1
2a、12b…または油排出ポート13a、13b…と
を選択的に連通させるものである。
【0056】切換弁41は、図6に示すように、リング
状を呈するフロント側の第1切換部材42、同じくリン
グ状を呈するリア側の第2切換部材43と、この間に介
装された18本の連通部材44、44…とを備えて構成
されている。
【0057】第1切換部材42の外周面には、周方向に
120°間隔でフランジ部42a、42a、42aが形
成されており、第2切換部材43にも同様にフランジ部
43a、43a、43aが形成されている。フランジ部
42a、42a、42a、43a、43a、43aに
は、ガイド管47、47、47がそれぞれ挿通されてお
り、各ガイド管47の両端部は、図1に示すように、外
側フロントベアリングホルダ33にそれぞれ固定されて
いる。したがって、前記したように外側フロントベアリ
ングホルダ33は、カムリング31に一体的に固定され
ているので、切換弁41はカムリング31が回転すると
同期して一体的に回転するようになっている。また、こ
のように切換弁41をガイド管47、47…で軸方向の
みに移動するようにガイドしたことにより、切換弁41
の回転中、つまりピストンモータ1の稼動中に、切換弁
41が径方向にずれたり、振動したりして、油が漏れな
いようになっている。
【0058】第1切換部材42のフロント側の端面に
は、9個の第1切換部材油供給孔48a、48b、48
c…が、同一円周上に等間隔で形成されている。その内
側に、第1切換部材油供給孔48a、48b…が同一円
周上に形成されている。また、周方向において、第1切
換部材油供給孔48a、第1切換部材油排出孔49a、
第1切換部材油供給孔48b、第1切換部材油供給孔4
8c、第1切換部材油排出孔49c、第1切換部材油供
給孔48d、第1切換部材油排出孔49d、第1切換部
材油供給孔48e、第1切換部材油排出孔49e…と交
互に段違いに形成されている。
【0059】回転軸Xから第1切換部材油供給孔48
a、48b、49c…までの距離d4は、前記した油路
分岐部材11において、回転軸Xから前記した15個の
油供給ポート12a、12b、12c…までの距離d2
と等しくなっている。また、回転軸Xから第1切換部材
油排出孔49a、49b、49c…までの距離d5は、
同じく前記した油路分岐部材11において回転軸Xから
油排出ポート13a、13b、13c…の距離d3と等
しくなっている。さらに、第1切換部材油供給孔48
a、48b、48c…及び第1切換部材油排出孔49
a、49b、49c…は、周方向に長い曲率を有する長
孔形の開口部を有しており、このような長孔形の開口部
とすることにより、12°の位相違いで形成された第1
段シリンダ4A、4B、4C、4D…、と第2段シリン
ダ6A、6B、6C、6D…に好適に油を供給又は排出
できるようになっている。さらにまた、第1切換部材4
2のリア側の端面には、第1切換部材油供給孔48a、
48b…または第1切換部材油排出孔49a、49b…
にそれぞれ連通した18個の円柱状の凹部42b、42
b…が周方向に20°間隔で形成されており、後記する
連通部材44の端部がそれぞれ嵌合するようになってい
る。
【0060】第2切換部材43のリア側の端面には、1
8個の第2切換部材油給排孔50、50、50…が周方
向に20°間隔で形成されている。この第2切換部材油
給排孔50、50、50…は、周方向にやや長い曲率を
有する長孔を呈しており、シリンダブロック3の端面に
形成された第1段シリンダ油給排ポート4a、4b、
…、第2段シリンダ油給排ポート6a、6b、…と好適
に切り換わって連通できるようになっている。第2切換
部材油給排孔50、50、50…の回転軸Xからの距離
6は、前記したシリンダブロック3において、回転軸
Xから第1段シリンダ油ポート4a、4b…、第2段シ
リンダ油ポート7a、7b…までの距離d1と等しくな
っている。また、第2切換部材43のフロント側の端面
には、18個の第2切換部材油給排孔50、50、50
…にそれぞれ連通した18個の円柱状の凹部43b、4
3b…が周方向に20°間隔で形成されており、後記す
る連通部材44の端部がそれぞれ嵌合するようになって
いる。
【0061】連通部材44は、略円筒体であり、その一
端部を第1切換部材42の凹部42b、42b…に、他
端部を第2切換部材43の凹部43bに嵌合するように
して、第1切換部材42と第2切換部材43との間に介
装されている。したがって、切換弁41において、第1
切換部材42の9個の第1切換部材油供給孔48a、4
8b…は、9個の連通部材44の中空部45、45…を
介して、9個の第2切換部材油給排孔50、50、50
…に連通しており、9個の切換弁油供給ポートを形成し
ている。一方、9個の第1切換部材油排出孔49a、4
9b…は、9個の連通部材44、44…の中空部45、
45…を介して、9個の第2切換部材シリンダ側油給排
連通孔50、50、50…に連通しており、9個の切換
弁油排出ポートを形成している。
【0062】すなわち、切換弁41は、9個の切換弁油
供給ポートと9個の切換弁油排出ポートを有しており、
これらは周方向に交互に形成されており、切換弁41が
回転することで、油の供給、排出を連続的に行えるよう
になっている。なお、切換弁油供給ポートと切換弁油排
出ポートの数(各9個)は、カムリング31に形成され
た9個のカム数に対応して決められるものであり、カム
数の倍数であればよい。さらに、切換弁41の9個の切
換弁油供給ポートと9個の切換弁油排出ポートの周方向
における位相は、カムリング31におけるカム面32の
凸部と凹部に対応して設けられている。このように対応
させることにより、上昇行程のピストンを収容するシリ
ンダには油が供給され、下降行程のピストンが収容され
たシリンダからは油が排出されることにより、カムリン
グ31が連続的に回転するようになっている。
【0063】また、連通部材44の外周面の両端付近に
は、周方向に溝がそれぞれ形成され、その溝にOリング
51、51がそれぞれ設けられており、油が切換弁41
の外部に漏れにくくなっている。
【0064】連通部材44の内周面には、凸環状のバネ
係止縁44aが突出して形成されている。そして、この
バネ係止縁44aと第2切換部材43との間に、コイル
バネ46(弾性部材)が内装されている。このコイルバ
ネ46により、連通部材44と第2切換部材43、すな
わち、第1切換部材42と第2切換部材43とが、軸方
向において互いに離間する向きで付勢されるようになっ
ている。すなわち、切換弁41は、第1切換部材42が
油路分岐部材11に、第2切換部材43がシリンダブロ
ック3に、それぞれ付勢された状態で設けられている。
したがって、第1切換部材42と連通部材44と第2切
換部材43を経由して、シリンダブロック3に油が供給
される高圧油時、又はシリンダブロック3から油が排出
される油低圧時に関わらず、特に油低圧時においても、
切換弁41のフロント側及びリア側の摺動面から外部に
油が漏れにくくなっている。
【0065】また、前記したピストンモータ1の外部の
油供給系(図示しない)、油排出系(図示しない)を、
外部切換弁(図示しない)で切り換えることにより、逆
方向で油を供給・排出し、回転部を反転させることもで
きるようになっている。さらに、ピストンモータ1を高
速で稼動させるために、例えば、第1段目において、第
1段第1組シリンダ5A、5F、5Kと、第1段第3組
シリンダ5C、5H、5Mのみに、油の供給・排出を行
えるような低速・高速運転切換弁(図示しない)を設け
てもよい。
【0066】(作用)続いて、第1実施形態に係るピス
トンモータ1の作用について述べる。第1実施形態に係
るピストンモータ1を、図11に示すように、シャフト
17に固定軸101を連結して固定する。シャフト17
の油供給通路18を油圧ポンプ等からなる油供給系(図
示しない)に、油排出通路19を油タンク等からなる油
排出系(図示しない)に接続する。
【0067】それから、油供給通路18と、油路分岐部
材11の環状油供給ポート11a、油供給ポート12
a、12b、…、切換弁41の切換弁油供給ポート、及
び、油排出通路19と、油分岐部材11の環状油排出ポ
ート11b、油排出ポート13a、13b、13c、
…、及び、第1段シリンダ4A、4B…、第2段シリン
ダ6A、6B…、第1段シリンダ油給排ポート4a、4
b、…、第2段シリンダ油給排ポート6a、6b…に油
を満たす。
【0068】このような状態で、図7を参照して、ピス
トンモータ1の動作を第1段ピストン5A、5B、5C
…に着目して説明する。なお、図7は、説明の都合上、
第1段第1組ピストン5A、5F、5Kと、第1段第2
組ピストン5B、5G、5Lと、第1段第3組ピストン
5C、5H、5Mと、第1段第4組ピストン5D、5
I、5Nと、第1段第5組ピストン5E、5J、5Oと
を分け、且つ、展開して示したものである。また、第1
段第2組ピストン5B、5G、5Lが、上昇行程にある
とし、ピストンモータ1が稼動すると、カムリング31
は、図7において左側に移動するものとする。
【0069】第1段第2組ピストン5B、5G、5Lを
収容した第1段第2組シリンダ4B、4G、4Lに、切
換弁41の第1切換部材油供給孔48a、48d、48
gを経由して、外部の油供給系(図示しない)から圧油
がそれぞれ供給されることにより、第1段第2ピストン
5B、5G、5Lが径方向外側に伸長してカム面32を
押圧すると共に、ローラ8、8、8はカム面32との摩
擦力によりカム面32を転動し、カムリング31は、図
7において左側に移動して、ピストンモータ1が稼動す
る。
【0070】このとき、第1段第2組ピストン5B、5
G、5Lは、周方向に等間隔で120°間隔で形成され
ているので(図3参照)、第1段第2組ピストン5B、
5G、5Lがカム面32から受ける反力は相殺されて、
ピストンモータ1の回転軸が振れないようになってい
る。
【0071】一方、下降行程にある第1段第3組ピスト
ン5C、5H、5Mを収容する第1段シリンダ4C、4
H、4Mから、油が第1切換部材油排出孔49a、49
d、49gを経由して、外部の排出系(図示しない)に
排出される。
【0072】以上、図7において、上昇行程にある第1
段第2組ピストン5B、5G、5Lと、下降行程にある
第1段第3組ピストン5C、5H、5Mに着目して、ピ
ストンモータ1の動作を説明したが、シリンダブロック
3と、油路分岐部材11が固定されており、カムリング
31と同期して切換弁41が回転し、且つ、切換弁41
の9個の切換弁油供給ポートと9個の切換弁油排出ポー
トは、カム面32の凸部と凹部に対応して設けられてい
るので、カムリング31の回転に応じて、上昇行程のピ
ストンを収容するシリンダには油が供給され、下降行程
のピストンが収容されたシリンダからは油が排出される
ことにより、カムリング31が連続的に回転するように
なっている。また、第2段ピストン7A、7B、7C…
は、第1段ピストン5A、5B、5C…と比べて、位相
差12°の遅れで同様の運動をする。
【0073】すなわち、第1段第1組ピストン5A、5
F、5Kと、第1段第2組ピストン5B、5G、5L
と、第1段第3組ピストン5C、5H、5Mと、第1段
第4組ピストン5D、5I、5Nと、第1段第5組ピス
トン5E、5J、5Oと、第2段第1組ピストン7A、
7F、7Kと、第2段第2組ピストン7B、7G、7L
と、第2段第3組ピストン7C、7H、7Mと、第2段
第4組ピストン7D、7I、7Nと、第2段第5組ピス
トン7E、7J、7Oとは、各組で同期して、カムリン
グのカム面を押圧すると共に、各ピストン組がカム面か
ら受ける反力は、相殺、言い換えれば、キャンセルされ
るようになっている。したがって、回転軸Xは、ピスト
ンモータ1が稼動しても振れにくくなっている。
【0074】[参考ピストンモータ] 続いて、第実施形態に係るピストンモータを一部変形
しシャフト駆動型としたピストンモータ(参考ピストン
モータ)について、図8から図11を適宜参照して説明
する。参照する図面において、図8は、参考ピストンモ
ータの断面図である。図9は、参考ピストンモータの分
配弁構成する環状ポート部材の一部を破断して示した
斜視図である。図10は、参考ピストンモータの分配弁
を構成するポート部材の一部を破断して示した斜視図で
ある。図11は、参考ピストンモータと前記した第1実
施形態に係るピストンモータを備えた掘削機械の一部の
断面図である。なお、図8は参考ピストンモータ2を周
方向に部分的に変位して示したものである。
【0075】参考ピストンモータ2は、図8、図9、図
10に示すように、第1実施形態に係るピストンモータ
1の分配弁23の構成が異なるものである。ピストンモ
ータ2は、回転軸X線上のシャフト21とこれに固定さ
れたシリンダブロック3を含んでなる内側の回転部71
と、シリンダブロック3の外周面を囲んだ状態で配設さ
れたカムリング31を含んでなる外側の固定部70とを
備えて構成されている。そして、ピストンモータ2は、
図11に示すように、掘削機械100の下端部に取り付
けられるものであり、固定部70は固定軸101により
支持されている。また、固定部70と回転部71との間
には、フロントスラストベアリング61等が設けられて
おり、回転部71は固定部70に回転自在に支持されて
おり、内側のシャフト21が回転するシャフト駆動型
(「インナー駆動モータ」と呼ばれることもある)のピ
ストンモータ2である。
【0076】(固定部)固定部70は、フロント側から
リア側に、外側フロントシールホルダ34と、分配弁2
4と、カムリング31と、外側リアベアリングホルダ3
5と、外側リアシールホルダ36と、カバー39と、フ
ロントエンドカバー40とを備えて構成されている。
【0077】(回転部)回転部71は、ピストンモータ
2の回転軸X線上に貫通したシャフト21と、このシャ
フト21の軸方向の略中間位置に固定された円柱状のシ
リンダブロック3とを主要部として構成されている。シ
リンダブロック3のフロント側には順に、内側フロント
ベアリングホルダ52と、内側フロントシールホルダ1
4とが設けられている。シリンダブロック3のリア側に
は順に、内側リアシールホルダ15とが設けられてい
る。
【0078】(分配弁)分配弁24は、環状の環状油供
給ポート53aと環状の環状油排出ポート53bとが形
成された環状ポート部材53(図9参照)と、カム数に
対応して油供給ポート26と油排出ポート27とが形成
されたポート部材57と、第1実施形態で述べた第2切
換部材43と、連通部材44とを備えて構成されてい
る。
【0079】環状ポート部材53は、図9に示すよう
に、肉厚の略円筒状の部材であり、その内周面に環状、
且つ、溝状の環状油供給ポート53aと、環状油排出ポ
ート53bとが、回転軸X方向に段違いで形成されてい
る。そして、環状油供給ポート53aに連通するよう
に、環状ポート部材53の外周面から油供給孔53cが
形成されており、この油供給孔53cはピストンモータ
2の外部の油供給系(図示しない)と接続している。同
様に、環状油排出ポート53bには油排出孔53dが形
成されており、外部の油排出系(図示しない)と接続し
ている。
【0080】ポート部材57は、図10に示すように、
圧肉の略円筒状の部材であり、その周壁には、カムリン
グ31のカム数に対応した9個の油供給ポート26、2
6、…と9個の油排出ポート27、27、…が、周方向
において交互に形成されている。各油供給ポート26
は、図8に示すように、ポート部材57と環状ポート部
材53とを組み合わせた際に、環状油供給ポート53a
と連通するようになっている。同様に、各油排出ポート
27は、環状ポート部材53の環状排出ポート53bと
連通するようになっている。
【0081】また、油供給ポート26、26…と油排出
ポート27、27…とは、ポート部材57のリア側の端
面で、周方向に交互に開口部を形成している。この各開
口部は、略円柱状に広がっており、各開口部に前記した
連通部材44、44…(図6参照)が嵌合し、さらに、
前記した第2切換部材43、リング状のガイド管固定部
材58が順に取り付けられるようになっている。そし
て、第2切換部材43の外周部に設けられたガイド管4
7により、第2切換部材43は、回転軸X方向にガイド
され、さらに、内装されたコイルバネ46により、第2
切換部材43がシリンダブロック3に付勢された状態で
設けられており、油が漏れにくくなっている。
【0082】このようにして、分配弁24には、油供給
系のポートが、外部の油供給系(図示しない)から、油
供給孔53cと、環状油供給ポート53aと、油供給ポ
ート26、26…と、連通部材44の中空部45、45
…と、第2切換部材油給排孔50、50…を含んで形成
されている。一方、油排出系のポートは、外部の油排出
系(図示しない)まで、第2切換部材油給排孔50、5
0…と、連通部材44の中空部45、45…と、油供給
ポート27、27…と、環状油排出ポート53bと、油
排出孔53dを含んで形成されている。
【0083】そして、分配弁24は、カムリング31に
固定されており、且つ、シリンダブロック3は、カムリ
ング31に対して回転自在に支持されているので、上昇
行程にあるピストンを収容したシリンダに、分配弁24
を経由して選択的に油が供給されると共に、シリンダブ
ロック3、つまり、シャフト21も一体的に回転するこ
とにより、ピストンモータ2は稼動するようになってい
る。
【0084】(第1実施形態に係るピストンモータ
ピストンモータを備えた掘削機械) ここで、第1実施形態に係るピストンモータ1と、参考
ピストンモータ2を備えた掘削機械100について、図
11を参照して説明する。但し、第1実施形態に係るピ
ストンモータ1、参考ピストンモータ2の適用箇所は、
これに限定されることはない。
【0085】掘削機械100は、外周が回転駆動するピ
ストンモータ1を中間高さに、シャフトが駆動するピス
トンモータ2を下端に備えて構成されている。掘削機械
100の上端部には、固定ロッド107を備えており、
このロッド107はベースマシン(図示しない)で昇降
自在に支持されており、掘削時には掘削機械100を下
降し、掘削後の抜き取り時には掘削機械100を上昇で
きるようになっている。
【0086】上部のピストンモータ1のシャフト17
は、鉛直上下方向に固定軸101、101がそれぞれ連
結され、その上端は固定ロッド107の下端部に固定さ
れており、これによりピストンモータ1は支持されてい
る。鉛直下側の固定軸101の下端部にはフランジ部が
形成されており、このフランジ部は下部のピストンモー
タ2の外側の固定部70と連結しており、これによりピ
ストンモータ2は支持されている。固定軸101とピス
トンモータ2のシャフト21とは、スイベルジョイント
106を介して相対回転自在に連結されており、また、
固定軸101、101、固定ロッド107は、何れも中
空部を有する略円筒体であり、この中空部と、ピストン
モータ1の中空部17a、ピストンモータ2の中空部2
1aを経由して、ピストンモータ2のシャフト21の下
端に設けられたビット102の下面から、固化材を吐出
できるようになっている。
【0087】また、固定軸101の周壁には、前記した
シャフト17と同様、軸方向に複数の貫通孔が形成され
ており、ピストンモータ1とピストンモータ2の油供給
通路、油排出通路として独立して使用されている。した
がって、ピストンモータ1とピストンモータ2とは独立
して稼動できるようになっている。また、この他の貫通
孔は、ドレン、掘削機械100の下端部からエアを噴き
出すためのエア供給通路、各種計測機器の配線を行う配
線通路等として使用することができる。
【0088】ピストンモータ1の回転部30の鉛直方向
上下には、略円筒状の回転軸103、104が連結され
ており、ピストンモータ1が稼動すると、固定部30と
一体的に回転するようになっている。また、回転軸10
3、104と、ピストンモータ1の回転部30の周面に
は、掘削土を撹拌する撹拌翼105が設けられている。
したがって、ピストンモータ1が稼動して回転部30が
回転すると、回転部30と回転軸103、104と撹拌
翼105とが一体的に回転するようになっており、掘削
土を好適に撹拌することができる。
【0089】さらに、先に説明したように、第1実施形
態に係るピストンモータ1、参考ピストンモータ2は、
例えば従来のピストンモータと同程度の回転トルクを出
力するのみでよいならば、ピストン1個当りの押圧力が
1/2から1/3に低減するので、シリンダ容積を小さ
くすることができる。したがって、ピストンモータ1、
2の外径小さくすることができる。よって、掘削土が、
ピストンモータ1、2の周囲を鉛直方向に好適に移動す
ることが可能となる。また、ピストンモータ1において
は、その周面に径方向に大きな撹拌翼105を設けるこ
ともできる。
【0090】また、ピストンモータ1及びピストンモー
タ2は、シリンダの容量を小さくし、シリンダブロック
3の回転軸X方向の貫通孔を大きくすることにより、径
の大きなシャフト17、21を設けることもできる。こ
れに伴ってシャフト17、21の中空部17a、21a
を大きくすることにより、地上側から注入する固化材の
粘度が上昇しても好適に通過させて、ビット102から
吐出させることが可能である。
【0091】(変形例)以上、本発明の好適な実施形態
について一例を説明したが、本発明は前記実施形態に限
定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば以
下のような、適宜変更が可能である。
【0092】前記した第1実施形態では、シリンダブロ
ック3に同一段で、例えば第1段第1組シリンダ4A、
4F、4Kを形成し、これらにそれぞれ収容された3個
の第1段第1組ピストン5A、5F、5Kのなかで、カ
ムリング31から受ける反力を相殺させることにより、
ピストンモータ1、2の回転軸が振れないようにした
が、その他に例えば、前記した第1段第1組シリンダ4
A、4F、4Kのうち、第1段シリンダ4Kを別の段に
形成してピストンを収容し、カムリング31から受ける
反力を相殺させるようにしてもよい。
【0093】前記した第1実施形態では、第1段シリン
ダ4A、4B、…、第2段シリンダ6A、6B、…が、
シリンダブロック3に、各段において、120°間隔で
放射状に3個を1組として、合計5組形成されたとした
が、これに限定されることはなく、シリンダの組数は、
多くても少なくてもよい。例えば、シリンダブロック3
を径方向に大きくして、シリンダ数を増加させてシリン
ダの組数を増加させることが可能であり、また、シリン
ダを小さくすることによりシリンダの組数を増加させる
ことも可能である。したがって、ピストンモータ1に必
要とされる出力、トルクに応じて適宜変更することが可
能である。
【0094】前記した第1実施形態では、シリンダブロ
ック3に第1段シリンダ4A、4B、…、第2段シリン
ダ6A、6B、…とが、軸方向に2段で形成されている
としたが、この他に例えば、3段、4段、5段…でシリ
ンダを形成してもよい。このように複数段でシリンダを
形成することにより、ピストンモータ1、2は高出力・
高トルクとすることができる。
【0095】前記した第1実施形態では、掘削機械10
0に好適に組み込み可能であるピストンモータ1とした
ために、シャフト17は中空部17aを有し、その周壁
に油供給通路18等が形成されたとしたが、その他に例
えば、シャフト17は中空部17aが無い円柱状として
もよいし、また、ピストンモータ1、2の一端面側から
油が供給・排出されるように構成してもよい。
【0096】前記した参考ピストンモータ2における
配弁24は、その他に例えば、図12に示すように第1
実施形態と同様の構成の分配弁80としてもよい。分配
弁80は、油路分岐部材81と、第1実施形態で説明し
た切換弁41とを備えて構成されている。油路分岐部材
81は略円筒状の部材であり、前記した油路分岐部材1
1と異なり、その外周面から径方向に段違いで、環状且
つ溝状の環状油供給ポート81aと環状油排出ポート8
1bとが形成されている。そして、この油路分岐部材8
1の外側に摺動自在に嵌合した外側フロントベアリング
ホルダ82が設けられている。外側フロントベアリング
ホルダ82には、径方向に、環状油供給ポート81aに
連通する油供給孔82aと、環状油排出ポート81bに
連通する油排出孔82bがそれぞれ形成されており、油
供給孔82aと油排出孔82bは図示しない外部の油供
給系、油排出系と接続しており、油の供給、排出ができ
るようになっている。このような分配弁80によれば、
環状油供給ポート81aと環状油排出ポート81bの大
きさを自由に変更することで、多数のシリンダに対して
容易に油を供給、排出することができる。
【0097】前記した第1実施形態に係るピストンモー
タ1、参考ピストンモータ2は、掘削機械100に取り
付けられるものとしたが、その他に例えば、建設機械の
クローラの駆動源、振動ローラ等の締固め機械の振動モ
ータ等に、適宜利用してよい。
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、好適に高出力・高トル
クを発生できるピストンモータを提供することができ
る。また、好適にシリンダを増設可能とする分配弁を備
えたピストンモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るピストンモータの断面図で
ある。
【図2】第1実施形態に係るピストンモータの一部を拡
大した斜視図である。
【図3】図1に示す第1実施形態に係るピストンモータ
のX−X断面図である。
【図4】図1に示す第1実施形態に係るピストンモータ
のY−Y断面図である。
【図5】第1実施形態に係るピストンモータの油路分岐
部材の一部を破断して示した斜視図である。
【図6】第1実施形態に係るピストンモータの切換弁の
一部を破断して示した斜視図である。
【図7】第1実施形態に係るピストンモータの動作状況
を示す概念図である。
【図8】第実施形態に係るピストンモータを一部変形
しシャフト駆動型とした参考ピストンモータの断面図で
ある。
【図9】第実施形態に係るピストンモータを一部変形
しシャフト駆動型とした参考ピストンモータの分配弁を
構成する環状ポート部材の一部を破断して示した斜視図
である。
【図10】第実施形態に係るピストンモータを一部変
形しシャフト駆動型とした参考ピストンモータの分配弁
を構成するポート部材の一部を破断して示した斜視図で
ある。
【図11】第1実施形態に係るピストンモータと参考
ストンモータを備えた掘削機械の一部の断面図である。
【図12】図8に示す参考ピストンモータの変形例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 ピストンモータ(外周駆動型) 2 ピストンモータ(シャフト駆動型) 3 シリンダブロック 4A、4B、4C、4D… 第1段シリンダ 4a、4b、4c、4d… 第1段シリンダ油給排ポー
ト 5A、5B、5C、5D… 第1段ピストン 6A、6B、6C、6D… 第2段シリンダ 6a、6b、6c、6d… 第2段シリンダ油給排ポー
ト 7A、7B、7C、7D… 第2段ピストン 8 第1段ローラ 9 第2段ローラ 11 油路分岐部材(外周駆動型) 11a 環状油供給ポート(外周駆動型) 11b 環状油排出ポート(外周駆動型) 12a、12b、12c、12d… 油供給ポート(外
周駆動型) 13a、13b、13c、13d… 油排出ポート(外
周駆動型) 23 分配弁(外周駆動型) 24 分配弁(シャフト駆動型) 26 油供給ポート(シャフト駆動型) 27 油排出ポート(シャフト駆動型) 31 カムリング 32 カム面 41 切換弁 42 第1切換部材 43 第2切換部材 44 連通部材 46 コイルバネ(弾性部材) 47 ガイド管 48a、48b、48c、48d… 第1切換部材油供
給孔 49a、49b、49c、49d… 第1切換部材油排
出孔 50 第2切換部材油給排孔 53 環状ポート部材(シャフト駆動型) 57 ポート部材(シャフト駆動型) X 回転軸X
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F04B 1/107 1/113 (72)発明者 高瀬 義行 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 荒井 政男 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 藤谷 俊実 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 金子 研一 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 橋本 聡 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大 成建設株式会社内 (72)発明者 秋田 順一 東京都千代田区岩本町3丁目1番2号 岩本町東洋ビル2階 成幸工業株式会社 内 (72)発明者 林 清史 東京都千代田区岩本町3丁目1番2号 岩本町東洋ビル2階 成幸工業株式会社 内 (72)発明者 田村 英春 東京都千代田区岩本町3丁目1番2号 岩本町東洋ビル2階 成幸工業株式会社 内 (72)発明者 伊藤 俊夫 東京都千代田区岩本町3丁目1番2号 岩本町東洋ビル2階 成幸工業株式会社 内 (72)発明者 坂上 義春 埼玉県大宮市宮原3−700 (56)参考文献 特開 平3−182687(JP,A) 特開 平10−141209(JP,A) 特開 平5−79447(JP,A) 特開 平5−49820(JP,A) 特開 昭58−88471(JP,A) 実開 昭48−86237(JP,U) 実開 昭60−73884(JP,U) 実開 昭54−95641(JP,U) 実開 昭57−11279(JP,U) 実公 昭47−337(JP,Y1) 特表2001−522967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F03C 1/247 F03C 1/04 F03C 1/30 F03C 1/32 F04B 1/10 F04B 1/107 F04B 1/113

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダブロックと、 内周側にカム面が形成され、前記シリンダブロックの外
    周面を囲んだ状態に配設されたカムリングと、 前記シリンダブロックに、回転軸を中心として径方向の
    外側に延びて外周面に開口するように形成された複数の
    シリンダと、 前記カム面に対して進退自在に前記シリンダに収容され
    たピストンと、 記複数のシリンダのうちの前記カム面に向い上昇行程
    にある各ピストンに対応する各シリンダに、外部の油供
    給系から供給される油を分配供給する分配弁とを
    、 前記上昇行程にある各ピストンが前記カム面を押圧する
    ことにより、非回転状態に固定された前記シリンダブロ
    クに対して、前記カムリングが回転するように構成さ
    れたピストンモータであって、 前記分配弁は、 前記外部の油供給系に連通し周方向に環状で形成された
    環状油供給ポートと、前記環状油供給ポートに連通し前
    記シリンダので回転軸方向に形成された油供給ポー
    トと、外部の油排出系に連通し周方向に環状で形成され
    環状油排出ポートと、前記環状油排出ポートに連通し
    前記シリンダので回転軸方向に形成された油排出ポ
    ートとを有し、前記シリンダブロックに固定された油路
    分岐部材と、前記カムリングのカム数の倍数で回転軸方向に形成さ
    れ、且つ周方向に交互に配列した 切換弁油供給ポート
    切換弁油排出ポートを有し、前記油路分岐部材と前記
    シリンダブロックとの間で相対回転且つ摺動自在に設け
    られるとともに、前記カムリングに同期する切換弁とを
    備え、 記シリンダと前記油供給ポート又は前記油排出ポート
    とを、前記切換弁油供給ポート又は前記切換弁油排出ポ
    ートで切り換えて連通可能としたことを特徴とするピス
    トンモータ。
  2. 【請求項2】 前記切換弁は、 第1切換部材と、第2切換部材と、前記第1切換部材と
    前記第2切換部材との間に介装された弾性部材とを備
    え、 前記弾性部材により、 前記第1切換部材は前記油路分岐部材に付勢され、 前記第2切換部材は前記シリンダブロックに付勢された
    ことを特徴とする請求項に記載のピストンモータ。
  3. 【請求項3】 記シリンダは、周方向において等間隔
    で、少なくとも3以上の奇数個を1組として形成されて
    おり、 且つ、 前記カムリングには、凸部と凹部を1組とするカムが前
    記奇数個の倍数の数で形成されたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のピストンモータ。
  4. 【請求項4】 前記シリンダは、回転軸方向に複数段で
    形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれか1項に記載のピストンモータ。
  5. 【請求項5】 同一段で形成されるべく複数の前記シリ
    ンダの一部は、回転軸方向に段違いで前記シリンダブロ
    ックに複数段で形成されており、 前記複数段に形成された一方の段のシリンダに収容され
    たピストンと、他方の段のシリンダに収容されたピスト
    ンとが、同じタイミングで前記カム面を押圧すると共
    に、前記一方の段のシリンダに収容されたピストンと前
    記他方の段のシリンダに収容されたピストンとが、前記
    カム面から受ける反力を相殺させるようにしたことを特
    徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の
    ピストンモータ。
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