JP3484463B2 - 液体中のタンパク質成分の濃度および全タンパク質の濃度を定量するための毛管電気泳動の使用 - Google Patents

液体中のタンパク質成分の濃度および全タンパク質の濃度を定量するための毛管電気泳動の使用

Info

Publication number
JP3484463B2
JP3484463B2 JP51081895A JP51081895A JP3484463B2 JP 3484463 B2 JP3484463 B2 JP 3484463B2 JP 51081895 A JP51081895 A JP 51081895A JP 51081895 A JP51081895 A JP 51081895A JP 3484463 B2 JP3484463 B2 JP 3484463B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
internal standard
protein
standard compound
signal
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51081895A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08504277A (ja
Inventor
ワン、ハン−ピン
リウ、チェン−ミン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Beckman Coulter Inc
Original Assignee
Beckman Coulter Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Beckman Coulter Inc filed Critical Beckman Coulter Inc
Publication of JPH08504277A publication Critical patent/JPH08504277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3484463B2 publication Critical patent/JP3484463B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44717Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones
    • G01N27/44721Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones by optical means
    • G01N27/44726Arrangements for investigating the separated zones, e.g. localising zones by optical means using specific dyes, markers or binding molecules
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44743Introducing samples

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流体中のタンパク質成分を測定しかつ/ま
たは流体中の全タンパク質濃度を測定する方法に関す
る。
多くの状況下で、体液中、たとえば、血清、尿または
脳脊髄液中の単一標識タンパク質、たとえば、血清アル
ブミンの濃度と全タンパク質の濃度の両者を知ることは
重要である。生物学的サンプル中で、たとえば、ヒト血
清アルブミンが、多数の理由のいずれかによりしばしば
測定される。このタンパク質の濃度は、組織の損傷また
は炎症の結果としてのタンパク質異化作用、吸収不良症
候群または栄養失調により起こされるアミノ酸の減少し
た吸収、腎臓障害たとえばネフローゼ症候群または慢性
糸球体腎炎(chronic glomuleronephritis)によるタ
ンパク質損失、またはタンパク質の代謝とバランスとに
影響するほかの状態を検出するために使用できる。ヒト
血清アルブミンが尿中で低濃度で存在する1つの状態
は、糖尿病である。
血清中に見られる他のタンパク質、たとえば、α
抗トリプシン、α−酸糖タンパク質およびC−反応性
タンパク質は、特に、急性段階での炎症のすべての標識
である。さらに他のタンパク質、たとえば、α−フェ
トプロテインおよび癌胎児性抗原も、悪性障害の潜在的
な標識としてしばしばモニターされる。他のタンパク質
が、特定の病気の状態または炎症の状態についての標識
としてしばしば測定される。
典型的には、血清の定量的なタンパク質測定は、比濁
法または比色法により行なわれる。血清の定量的な分析
は、典型的には、1次元または2次元のゲル電気泳動に
より行われる。極端に豊富なタンパク質のいくつかの場
合では、たとえば、ヒト血清アルブミンでは、染料結合
法、たとえば、ブロモクレゾールグリーンによるアルブ
ミンの測定が利用できる。
しかしながら、複雑な生物学的なサンプルたとえば血
漿中のタンパク質の定性的な分離と測定を与えるこれら
の方法、たとえば、2次元電気泳動は、関与する特定の
タンパク質の濃度またはサンプル中の全タンパク質濃度
の正確な定量的な測定を容易には与えることができな
い。同様に、全タンパク質濃度を正確に測定する方法
は、サンプル中の特定のタンパク質の濃度を測定できな
い。したがって、これらの結果を両方得るためには、多
数のテストをしなければならない。このことは、追加の
器具の使用、多くのサンプルおよび多くの時間を必要と
する。これは、また、テストの1つで起こる汚染または
誤差の可能性を増加する。
よって、サンプル中のタンパク質の定性的な分析をも
たらし、かつまたサンプル中の特定のタンパク質の濃度
および全タンパク質濃度をもたらすタンパク質測定の改
良された方法に対する要求がある。好ましくは、そのよ
うな方法は、多数のタンパク質の測定に適当であり、広
い範囲のタンパク質濃度について働き得る。好ましく
は、この方法は、広範囲の生物学的なサンプルおよび非
生物学的なサンプルたとえば尿、脳髄液、涙、精液また
は膣液および環境廃棄物サンプルを扱い得る。
要約 我々は、毛管電気泳動を用いて複雑なサンプル中のタ
ンパク質を定量する方法を発明した。この方法は、サン
プル中の単一タンパク質の濃度を測定することとサンプ
ル中の全タンパク質濃度を測定することの両者に用いら
れ得る。
通常、サンプル中の単一タンパク質の濃度を測定する
方法は、次の各段階を含んでなる: (1)少なくとも1種類のタンパク質を含むサンプルに
既知量の内部標準化合物を加える段階であり、該内部標
準化合物が、その濃度に関して検知信号を生じ、タンパ
ク質から電気泳動的に分離し得る内部標準化合物である
段階; (2)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
かけて該タンパク質と該内部標準化合物とを相互に分離
しかつサンプル中の他の成分から分離する段階; (3)内部標準化合物により生じる検知信号とタンパク
質により生じる検知信号とを測定してタンパク質信号の
内部標準信号との比を測定する段階;および (4)タンパク質信号の内部標準信号との比に対するタ
ンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のタンパク質濃
度を測定する段階。
典型的には、検知信号(detector signal)は、スペ
クトルの紫外線中の光および/または可視領域中の光の
吸収により生じる信号である。
測定されるべきタンパク質は、ヒト血清アルブミン、
骨髄腫タンパク質、プレアルブミン、レチノール結合タ
ンパク質、α−抗トリプシン、α−酸糖タンパク
質、α−フェトプロテイン、ハプトグロビン、α
マクログロブリン、セルロプラスミン、トランスフェリ
ン、β−マイクログロブリン、C−反応性タンパク
質、フェリチンまたは癌胎児性抗原のようなタンパク質
であり得る。測定されるべき典型的なタンパク質は、ヒ
ト血清アルブミンである。
典型的な、内部標準化合物は、少なくとも1つのハロ
ゲンにより置換された安息香酸である。好ましくは、内
部標準化合物は、ジクロロ安息香酸、モノクロロ安息香
酸またはトリクロロ安息香酸である。さらに好ましく
は、内部標準化合物は、ジクロロ安息香酸である。高度
に好ましい内部標準化合物は、2,4−ジクロロ安息香酸
である。代案として、内部標準化合物は、トリクロロ安
息香酸であってもよく、その場合は、非常に好ましい内
部標準は、2,4,6−トリクロロ安息香酸である。
好ましくは、内部標準化合物が、2,4−ジクロロ安息
香酸であるとき、分離された標識タンパク質と内部標準
化合物の吸光度が測定される波長は、214nmである。
通常、少なくとも1種のタンパク質を含むサンプル中
の全タンパク質濃度を測定する方法は、次の各段階を含
んでなる: (1)少なくとも1種類のタンパク質を含むサンプルに
既知量の内部標準化合物を加える段階であり、該内部標
準化合物が、その濃度に関して検知信号を生じ、タンパ
ク質から電気泳動的に分離し得る内部標準化合物である
段階; (2)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
にかけて該タンパク質と該内部標準化合物とを相互に分
離しかつサンプル中の他の成分から分離する段階; (3)内部標準化合物により生じる検知信号とサンプル
中のすべてのタンパク質により生じる全検知信号とを測
定して全タンパク質信号の内部標準信号との比を測定す
る段階;および (4)タンパク質信号の内部標準信号との比に対するタ
ンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のタンパク質の
全濃度を測定する段階。
内部標準化合物は、特定のタンパク質を測定する方法
について上記したように選択する。
図面の簡単な説明 本発明のこれらのおよび他の特徴、態様並びに利点
は、次の説明、添付の請求の範囲および添付の図面を参
照してさらに良く理解されよう。
図1は、280nmでのDCBAの吸光係数を測定するため280
nmでのDCBAの吸光度を濃度に対してプロットしたグラフ
である。
図2は、DCBAからのアルブミンの分離を示している21
4nmで測定される吸光度での電気泳動図である。
図3は、ヒト血清アルブミン濃度に対して内部標準ピ
ークの面積により割った緩衝液中のアルブミンの毛管電
気泳動ピークの面積をプロットすることにより得られる
標準曲線を示すグラフである。
図4は、サンプル中の内因性アルブミンについて補正
後、アルブミン濃度に対して内部標準ピークの面積によ
り割ったスパイクされた(spiked)血清サンプル中のア
ルブミンの毛管電気泳動ピークの面積をプロットするこ
とにより得られる標準曲線を示すグラフである。
図5は、サンプルが既知濃度のヒト血清アルブミンに
よりスパイクされたヒト血清であることを別として図2
に示したのと同様な電気泳動図である。
図6は、本発明の方法とシンクロン(Synchron)法に
より得られたアルブミン濃度の結果の相互関係を示すグ
ラフである。
図7は、本発明の方法とアレイ(Array)法により得
られたアルブミン濃度の結果の相互関係を示す同様なグ
ラフである。
図8は、本発明の方法とシンクロン法により得られた
血清サンプル中の全タンパク質濃度の結果の相互関係を
示すもう1つの同様なグラフである。
図9は、pH10.2でのDCBAからのプレアルブミンを含む
血清成分の分離を示す電気泳動図である。
図10は、pH10.2でのトリクロロ安息香酸(TCBA)から
のプレアルブミンを含む血清成分の分離を示す電気泳動
図である。
図11は、使用尿サンプルを、ゲル濾過カラムを通すこ
とにより処理して干渉する小分子を除去したことを別と
して、図3と同様な尿中のアルブミンの測定についての
標準曲線グラフである。
図12は、本発明の方法とアレイ法により得られたヒト
尿中のアルブミンの結果の相互関係を示す同様なグラフ
である。
図13は、本発明の方法とシンクロン法により得られた
ヒト尿中の全タンパク質の結果の相互関係を示す同様な
グラフである。
説明 我々は、多数のタンパク質を含むサンプル中の特定の
タンパク質の量を測定するため、またはサンプル中の全
タンパク質濃度を測定するための両方に使用できる方法
を発明した。この方法は、毛管電気泳動により分離され
たタンパク質により生じた検知信号の検出に依存し、広
範囲のサンプルと広範囲の標識タンパク質に利用でき
る。
I.毛管電気泳動によるタンパク質検出の一般的な原理 A.高分子の光学的な検出 タンパク質により生じた多数の検出可能な信号が、毛
管電気泳動の後にその検出のために使用され得る。これ
らの信号には、必ずしも限定するものではないが、次の
ものがある:スペクトルの紫外線中の光または可視部分
中の光の吸収から得られる信号、蛍光および/または化
学発行から得られる信号、屈折率変化から得られる信号
および旋光たとえば円偏光二色性および旋光分散から生
じる信号。典型的には、スペクトルの紫外線の光または
可視部分の光の吸収が用いられる。他の種類の信号、た
とえば、電気化学的な反応から得られる信号も用いられ
得る。
ほとんどの高分子は、紫外線または可視光線のそれら
による吸収により検出可能である。この吸収は、分子の
電子的な構造の結果であり、それぞれの分子に特異的な
吸収スペクトルを生じる。希薄溶液での任意の波長で、
透過した輻射線の強度と入射輻射線の強度との間の関係
は、ベール−ランバートの法則:I=Io×10−εlcにより
支配され、ここで、Ioは、入射輻射線の強度であり、I
は、濃度cモル/の溶液を含む1cmの厚みのセルを透
過した輻射線の強度である。量εは、単位をリットル・
モル-1・cm-1とした吸収係数である。
したがって、透過輻射線の測定と既知の強度の入射輻
射線とから、吸光係数が特定の波長でわかっているもの
としかつビーム路程(pathlength)もわかっている限
り、任意の溶質の濃度が測定され得る。本発明の方法に
適する毛管電気泳動装置を含む紫外線吸収の測定のため
の典型的な装置では、セルの厚みは、セルの構成から判
る。
実際上、下記するように、セルの厚みは一定であるの
で、必要とされるすべては、内部標準についての同じ波
長での吸収と比較される特定のピークについての紫外線
または可視吸収の比である。次にこの比が、タンパク質
紫外線吸収の内部標準吸収との比に対するタンパク質濃
度の標準曲線と関連づけられて用いられる。
サンプルが、2種以上のタンパク質種を含み、たとえ
ば毛管電気泳動によりタンパク質種がそれぞれ分離され
るとすると、サンプル中の全タンパク質濃度は、それぞ
れの分離された種から得られた信号を積算し、積算で得
られた全積算信号を用いて全タンパク質濃度を標準曲線
から外挿することにより測定され得る。これにより、サ
ンプル中の全タンパク質濃度が得られる。
1.タンパク質の検出 比較的遠紫外の波長214nmでタンパク質を検出するこ
とが好ましい。この波長では、タンパク質分子のペプチ
ド結合が、吸収する。この波長では、さまざまなタンパ
ク質の吸光係数が実質的に等しい、すなわち、次に示す
変数のいずれにも吸光係数の依存性がほとんどない:タ
ンパク質のアミノ酸組成、タンパク質の一次構造、また
はタンパク質の二次構造、三次構造または四次構造。し
たがって、この波長での吸収は、全タンパク質濃度の優
れた尺度であり、また、混合物に初めに依存する他のタ
ンパク質から分離される個々のタンパク質の濃度を測定
するのにも適切である。このことは、以下に述べるよう
に、毛管電気泳動中に起こるものである。
別法として、タンパク質は、約280nmを中心とした波
長の範囲でのその紫外線吸収により検知され得る。波長
のこの範囲での吸収は、芳香族アミノ酸残基、特に、チ
ロシンおよびトリプトファンに主に起因し、また程度は
低いがフェニルアラニンに主に起因する。したがって、
この範囲の波長での吸収は、タンパク質のアミノ酸組成
で変化する。これは、また、タンパク質の二次、三次お
よび四次構造で変化する:その理由は、この範囲の波長
での吸収が、溶剤との関与する残基の相互作用にかなり
の程度依存するからである。通常214nmで行うのが好ま
しいが、ある場合では、より長い波長で行うことが望ま
しいであろう。
2.核酸の検出 核酸は、260nmの範囲で強い紫外線吸収を有してい
る。この吸収は、ヌクレオチド塩基であるアデニン、シ
トシン、グアニンおよびチミン(またはRNAに対してウ
ラシル)の複素環に起因する。核酸については、さまざ
まな塩基が、異なる吸収極大と吸収強度を有するので、
モル吸収強度は、塩基組成によりある程度変化する。吸
収は、また、核酸の二次構造により変化する。自然のDN
Aのような二本鎖核酸は、一本鎖核酸とは異なり、塩基
1モルあたりに約30%低い紫外線吸収を有する。この働
きは、ハイポクロミズムとして知られている。しかしな
がら、核酸の組成およびストランデッドネス(stranded
ness)が判ると、その濃度は、紫外線吸収の強度から容
易に測定され得る。
3.他の高分子の検出 多くの補欠分子団、特に、金属含有補欠分子団、たと
えば、ヘム誘導体は、多数の波長で、特に、いくらか長
い波長で吸収する。よって、そのような補欠因子団を含
む成分に結合した多糖類またはタンパク質は、紫外線吸
収によりまたは可視吸収によっても検出可能である。関
与する波長は、関与する特定の金属、補欠分子団の構造
および分子の残部に対するその関係に依存しよう。
B.毛管電気泳動 タンパク質を含む高分子を分離する1つの好ましい方
法は、毛管電気泳動である。
1.毛管電気泳動の基本的な原理 毛管ゾーン電気泳動(CZE)または毛管電気泳動は、
大きな分子および小さな分子の両方を高度に効率的に分
離する細い穴(narrow−bore)(10−200μmの内径)
の毛管を使用する技術である。この分離は、毛管内で緩
衝溶液とイオン種の電気浸透と電気泳動的流れを起こす
ことのできる高い圧電、典型的には1000−30,000ボルト
の使用により促進される。分離の性質と後続する電気泳
動図は、従来のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAG
E)と最新の高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)と
の中間に似ている特性を有している。
毛管のサンプル入力とサンプル出力との間の流体を移
動させる力は、サンプル入力とサンプル出力との間に適
当な電圧を確立させることにより与えられ、上記したよ
うに電気泳動の力と電気浸透の力を発生する。
電気浸透は、毛管の壁への表面電荷の結果である。分
離に典型的に用いられる溶融シリカ毛管は、毛管内に入
っている緩衝液と接触しているイオン化可能なシラノー
ル基を有している。溶融シリカのpIは、約1.5である。
イオン化の度合いは、緩衝液のpHにより主に制御され
る。pHが1.5よりも大きなほとんどの緩衝液は、毛管壁
をイオン化できる。負に荷電した基は、緩衝液から正に
荷電したイオンを引きつけ、電気的な二重層をつくりだ
す。電圧を毛管を横断してかけると、二重層の拡散部分
の陽イオンは、それらと一緒に水を有するカソードの方
向へと移動する。結果は、負の電極の方向への緩衝溶液
の電気浸透流れ(EOF)である。一方、緩衝溶液中の、
負に荷電した被験体、たとえば、タンパク質、ペプチド
または他の種は、EOFに抗して電気泳動移動により正の
電極に向け移動し得る。正の電極(アノード)に向かう
被験体の電気泳動移動にもかかわらず、EOFは、被験体
の電気泳動を圧倒し、被験体は、負の電極(カソード)
に向け移動する。電気泳動移動は、分離されるべきそれ
ぞれの分子すなわちタンパク質の電荷−質量比に依存す
る。それぞれの分子は、その大きさおよびアミノ酸組成
に依存して特定の電荷−質量比を有していて、よって、
異なる速度で移動する。毛管電気泳動装置では、検出窓
が、サンプルが電気泳動フィールドに入る位置に関連し
て配置されているので、サンプルは、EOFにより検出窓
へと運ばれる。したがって、EOFに対する運動が速けれ
ば速いほど、特定のタンパク質が検出窓を遅く通り過ぎ
る。このことは、流れに抗して漕いでいるのであるが漕
ぎ得るよりも速い速度で下流へと運ばれる非常に動きの
悪いボートの漕ぎ手のグループに似ている。下流のある
距離をおいた位置にいる観察者は、最も遅く漕いでいる
漕ぎ手にまず達するが、これは、漕ぎ手の正味の動き
が、流れの動きに最も近いからである。最も激しく漕い
でいる漕ぎ手は、実際は、観察者に最も遅く達する。し
たがって、負に荷電した高い割合のアミノ酸残基により
起こされる高度の負の電荷を持ったタンパク質が分離
し、グルタメートが、最も遅く検出窓に到達する。した
がって、毛管電気泳動で測定されるものは、時間の関数
として検出窓を通るサンプルの吸収である。この曲線
は、特定のタンパク質種に対応する一連のピークを生じ
る。したがって、ピークの下の面積全体を求める(inte
grate)ことは、特定のタンパク質の量を定量するのに
使用され得、電気泳動図のすべてのピークの下の面積全
体を求めることは、サンプルの全タンパク質含量を定量
するのに用いることができる。
2.毛管電気泳動を行う装置 毛管電気泳動のプロセスは、適当な電気泳動の力を生
じることができ、得られるピークが検出され得る装置で
行うことができる。典型的には、毛管電気泳動システム
は、円形断面であり円筒状の輪郭を有する石英または溶
融シリカの毛管を有していて、紫外線エミッターおよび
モノクロメーターを備えていて所望の波長を選択するよ
うになっていて、さらに、光検出器を備えていてサンプ
ルを通過した紫外線を検出するようになっている。毛管
の典型的な寸法は、25μmの内径x27cmの全長である。
適当な毛管は、Polymicro Technologies,Phoenix,Ariz
onaにより製造されたものである。毛管の外面は、毛管
を損傷から守るようにポリイミドで被覆されていてよ
い。光学モジュールおよび検出器は、回転輪に組み込ん
だ214ナノメータのフィルターおよびUV光源(重水素ラ
ンプ)さらに窓の開口と整合する検出器を含み得る。窓
は、管の出口から6.5cmのところに位置し得る。214nmで
の紫外線吸光度に基づくタンパク質の検出用の適当な装
置は、Beckman Instruments P/ACE 2000 CEシステ
ム(Beckman Instrument,Fullerton,CA)である。この
システムは、コンピュータコントロールされていて、適
当なソフトウエアー、たとえば、CCEソフトウエアーに
より使用でき、IBM−両立パーソナルコンピューターた
とえばIBM PS/2により使用できる。他の適当な毛管電
気泳動装置も使用できる。
検出された信号は、特定の波長を示し、ペプチド結合
については、特に、214ナノメータを示したが、電気泳
動システムが、多くの異なる波長で働き得るのは明白で
ある。多数の不連続な波長での信号は、管に適用された
1つまたはそれ以上の検出路に適用できる。波長のその
ような範囲は、窓幅を構成するマスキングが、管壁の望
ましくない部分を通ることから選択された波長での信号
を適当に排除する限り、電磁(光学)スペクトルで広範
囲であるか、あるいは限定されていてもよい。
本発明の方法に用いられる電気泳動システムは、単一
毛管電気泳動ユニットについて説明してあるが、多数の
システムを、連続してまたはタンデム式(tandem)にし
て連続的な監視プロセス、たとえばサンプル中のタンパ
ク質濃度の時系列を与えるようにしてもよいのは明らか
である。これは、炎症または免疫反応のような臨床状態
での展開を監視する時に有用であろう。
他の状況下では、選択的な角度で毛管の中心軸線の回
りに角度をもって配置した多数の入力窓と出力窓を有す
ることも可能である。異なる状況下では、異なる選択さ
れた波長の入力光が、軸線の回りの選択された入力窓を
通って毛管に入力され得る。次に、異なる出力窓が、管
の中のサンプルについての適当な情報を有する光を受け
取る。この配置は、たとえば、2つまたはそれ以上の内
部標準に関してサンプル中のタンパク質および核酸の濃
度の両者を測定するのに使用され得る。
II.個々のタンパク質濃度および全タンパク質濃度を測
定する特定の方法 A.個々のタンパク質濃度を測定する方法 本発明に従うサンプル中のタンパク質成分の濃度を測
定する方法は、次の各段階を含んでなり得る: (1)少なくとも1種のタンパク質を含むサンプルに既
知量の内部標準化合物を加える段階であり、該内部標準
化合物が、少なくとも1つのハロゲンで置換された安息
香酸からなる群から選択され、その濃度に関して検知信
号を生じ、タンパク質から電気泳動的に分離し得る内部
標準化合物である段階; (2)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
にかけて該タンパク質と該内部標準化合物とを相互に分
離しかつサンプル中の他の成分から分離する段階; (3)内部標準化合物により生じた検知信号とタンパク
質により生じた検知信号とを測定してタンパク質信号の
内部標準信号との比を測定する段階;および (4)タンパク質信号の内部標準信号との比に対するタ
ンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のタンパク質濃
度を測定する段階。
典型的には、検知信号は、電磁放射性(電磁線)信号
である。典型的には、電磁放射性信号は、スペクトルの
紫外線および/または可視領域の光の吸収により生じる
ものである。しかしながら、他の検出可能な電磁放射性
信号も使用でき、電気化学的な反応から生じる信号のよ
うなタンパク質濃度に関連する他の信号も使用できる。
タンパク質信号の内部標準信号に対する比に対するタ
ンパク質濃度の標準曲線を作るためには、使用内部標準
の絶対濃度を知る必要あるいは使用波長の内部標準のモ
ル吸光係数を知る必要はない。使用内部標準の相対的な
濃度を知るか、または標準曲線上のすべての点に対して
内部標準の同じ濃度を使用する必要があるだけである。
この相対的な濃度は、分光光度法により測定され得る。
しかしながら、標準曲線を確立するためには、曲線を
形成するように分析したタンパク質サンプルの実際のタ
ンパク質濃度を知る必要がある。上記したように、214
ナノメータでのタンパク質の吸光度は、この波長が使用
されるなら、タンパク質の組成または構造による変化は
ほとんど無いので、典型的なタンパク質たとえばヒト血
清アルブミンについてのモル吸光係数は、他のタンパク
質に、無視できる誤差で使用できる。あるいは、タンパ
ク質は、実質的な均一性(homogeneity)まで精製さ
れ、ビウレット反応、ケルダール窒素測定、ローリー
(Lowry)タンパク質検定、または、染料結合検定など
の手順により定量され得、既知濃度のタンパク質の溶液
が準備され得る。
検出されるべきタンパク質は、いずれのタンパク質で
もよい。たとえば、検出されるべきタンパク質は、ヒト
血清アルブミン、骨髄腫タンパク質、プレアルブミン、
レチノール結合タンパク質、α−抗トリプシン、α
−酸糖タンパク質、α−フェトプロテイン、ハプトグ
ロビン、α−マクログロブリン、セルロプラスミン、
トランスフェリン、β−マイクログロブリン、C−反
応性タンパク質、フェリチンまたは癌胎児性抗原であっ
てよい。他のタンパク質も同様に測定され得る。検出さ
れるべき典型的なタンパク質は、ヒト血清アルブミンで
ある。
典型的には、少なくとも1つのハロゲンにより置換さ
れた安息香酸は、モノクロロ安息香酸、ジクロロ安息香
酸、または、トリクロロ安息香酸である。好ましくは、
吸光度の測定が、214nmでなされるなら、少なくとも1
つのハロゲンで置換された安息香酸は、ジクロロ安息香
酸である。より好ましくは、内部標準化合物は、2,4−
ジクロロ安息香酸である。別法として、吸光度測定が、
214nmで行われるなら、少なくとも1つのハロゲンで置
換された安息香酸は、トリクロロ安息香酸であってよ
く、好ましくは、2,4,6−トリクロロ安息香酸である。
例18で、下記に述べているように、内部標準を選択す
る1つの基準は、内部標準を含むサンプルの毛管電気泳
動の後に得られるタンパク質成分と内部標準との間の分
離の度合いである。この分離の度合いは、電気泳動に使
用されるpHにより変化し得る。プレアルブミンと2,4−
ジクロロ安息香酸との間の分離の度合いは、10.3よりも
大きいpH値で、プレアルブミンと2,4,6−トリクロロ安
息香酸との間の分離の度合いよりも大きい。したがっ
て、電気泳動を10.3よりも大きいpH値で行うなら、2,4
−ジクロロ安息香酸の使用が好ましい。
測定を、214ナノメータ以外の波長で行うと、使用内
部標準化合物は、その波長で有意的な吸収を有し、サン
プル中のタンパク質から容易に分離できるものである。
そのような標識化合物は、所望の吸収を有する芳香族ま
たは複素環の化合物であろう。有機化合物についての吸
収のデータは、たとえば、the Sadtler Research La
boratoriesからの刊行物、the “Atlas of Spectral
Data and Physical Constans for Organic Com
pounds",CRC Press,Cleveland,Ohioおよび“Organic
Electronic Spectral Data"(発行元Interscience,Ne
w York)に見ることができる。通常、ほとんどの複素
環および芳香族の化合物は、その異なる電荷/質量比の
ためタンパク質から容易に分離できる。
標準曲線が準備できると、タンパク質の量は、電気泳
動図で、測定されるべきタンパク質に対するピークの下
の面積全体を求め、ピークから得られる全電磁放射性信
号の比を内部標準についての信号により計算し、標準曲
線からタンパク質の量を測定することにより容易に測定
され得る。
この方法は、生物学的流体および非生物学的流体の両
方を含むタンパク質含有サンプルについて用いられ得
る。たとえば、血漿、血清、脳脊髄液、尿、リンパ、精
液または膣分泌液、痰、胃洗浄の生成物、気管支洗浄の
生成物、肺洗浄の生成物あるいは臨床の実際で出会う他
の流体について使用できる。同様に、この方法は、環境
廃棄物を含む非生物学的サンプルおよび微生物成長また
は汚染の証拠としてタンパク質を含み得る他のサンプル
に使用できる。
ある場合には、潜在的に干渉する物質たとえば脂質ま
たは他の物質を除去することによりサンプルの予備的な
抽出または精製を行うことが望ましいであろう。そのよ
うな手順は、本分野で公知であり、ここでさらに説明す
る必要はない。
B.全タンパク質濃度の測定方法 本発明は、サンプル中の全タンパク質濃度を測定する
方法も包含する。この方法は、サンプル中のそれぞれの
分離したタンパク質から検出信号を積算し、次に、全信
号を用いてタンパク質濃度を測定することによりサンプ
ル中の全タンパク質濃度を測定することを含んでいる。
ここで用いられているように、用語『タンパク質濃度』
は、『タンパク質含量』をも含む、すなわち、サンプル
中のタンパク質の全質量を含み、単位容量当たりの質量
だけではない。サンプルの容量が判ると、タンパク質の
含量は、タンパク質濃度に容量をかけることにより簡単
に計算できる。しかしながら、ある場合には、通常は固
体であるサンプルまたは部分的に固体であるサンプルあ
るいは固体物質の抽出により得られるサンプルでは、サ
ンプルの容量は、完全には判らず、したがって結果は、
タンパク質の含量で報告される。
通常、この方法は、次の段階を含んでいる: (1)少なくとも1種のタンパク質を含むサンプルに既
知量の内部標準化合物を加える段階であり、該内部標準
化合物が、その濃度に関して検知信号を生じ、タンパク
質から電気泳動的に分離し得る内部標準化合物である段
階; (2)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
にかけて該タンパク質と該内部標準化合物とを相互に分
離しかつサンプル中の他の成分から分離する段階; (3)内部標準化合物により生じた検知信号とサンプル
中のすべてのタンパク質により生じた全検知信号とを測
定して全タンパク質信号の内部標準信号との比を測定す
る段階;および (4)全タンパク質信号の内部標準信号との比に対する
タンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のタンパク質
の全濃度を測定する段階。
この方法では、電気泳動の段階が、サンプル中のタン
パク質から内部標準化合物を分離する。
内部標準信号に対する全タンパク質の信号の比が得ら
れると、全タンパク質濃度が、上記のように単一タンパ
ク質の濃度を測定したのと同じようにして標準曲線から
測定され得る。
この方法は、極めて広いダイナミックレンジを有し、
広い範囲にわたり、全タンパク質濃度を測定するために
用いられ得る。
本発明を以下の例により説明する。例は、説明を目的
とするだけであり、本発明を限定するものではない。
例 例1 内部標準溶液の標準化 再現性のある結果が得られることを確実にするため、
内部標準溶液の準備の方法を標準化した。一定量の2,4
−ジクロロ安息香酸(DCBA)を秤量し(10mg)、0.2ml
のジメチルホルムアミド(DMF)に溶解して500mg/mlの
原液をつくった。さらに希釈をDMFで行って、0.1〜0.5m
g/mlのDCBA濃度の溶液をつくった。200ナノメータ〜300
ナノメータの紫外線スペクトルをこれらの溶液について
とり、280ナノメータでの吸光度の値を記録した。図1
は、DCBAの吸光度の値が、化合物の濃度に直線的に比例
したことを示している、すなわち、化合物がベールの法
則に従うことを示している。この観察に基づき、これら
の例で用いられたすべてのDCBA原液を、容量で1:1000で
希釈して、280ナノメータで1.59の吸光度の値を与える
ようにした。電気泳動の後、実際の吸光度の測定は、21
4ナノメータで行われたこと注目されたい。標準化の手
順は、天秤でのDCBAの秤量で生じるであろう実験誤差を
避けることを意図している。
例2 2,4−ジクロロ安息香酸(DCBA)および2,4,6−トリクロ
ロ安息香酸(TCBA)の280nmと214nmでの吸光係数の測定 内部標準の相対的な濃度が、再現性あるように測定で
きるようにするため、DCBAおよびTCBAの吸光係数を両方
の化合物について280nmと214nmで測定した。DCBAおよび
TCBAに対する方法は、同一とした。DCBAについては、DC
BAの正確な量を秤量し、ジメチルホルムアミド(DMF)
に溶解させて10mg/mlの濃度とした。10mg/mlの溶液か
ら、DMFによる一連の希釈を行い、0.1mg/ml〜1.0mg/ml
の濃度の一連の標準DCBA溶液をつくった。280nmでの吸
光度の値をこれらの溶液についてDMFに対して記録し、
それらの濃度に対してプロットした。これらの結果を図
1に示す。データの直線的な回帰分析は、次の式をもた
らした: Y=2.97X+0.059 ここで、Yは、吸光度であり、Xは、DCBAの濃度(mg/m
l)である。すべての続く実験では、DCBAの濃度は、
式: X=(Y−0.059)/2.97 を用いて計算した。同様な結果が、280nmおよび214nmで
TCBAについて得られた。
例3 214nmでのヒト血清アルブミンおよびヒト免疫グロブリ
ンGの吸光係数の測定 上記したように、280nmでのタンパク質の紫外線吸収
は、芳香族アミノ酸残基、特にチロシンおよびトリプト
ファン、さらにはフェニルアラニンに主に帰せられる。
280nmでの吸光度は、特定のタンパク質の組成およびUV
吸収アミノ酸残基の豊富さに依存してタンパク質ごとに
異なる。一方、214nmでのタンパク質の吸収はペプチド
結合に主に帰せられる。この波長での吸光度は、ペプチ
ド結合の数に直線的に依存し、ペプチド結合の数は、関
与する特定のタンパク質種あるいはその組成に関係な
く、タンパク質の質量に比例する。214nmでのタンパク
質検出のもう1つの利点は、タンパク質の吸光係数が通
常280nmよりも214nmで大きいことである。
したがって、アルブミンおよびヒト免疫グロブリンG
の吸光係数は、214nmで測定した。アルブミンおよび免
疫グロブリンG溶液は、ICS希釈剤(75mM塩化ナトリウ
ム、20mMりん酸カリウム、pH7.0)でつくった。タンパ
ク質の濃度は、アルブミンと免疫グロブリンGのそれぞ
れの1mg/ml溶液について0.58および1.38の吸光係数を用
いて280nmで紫外線吸光度を用いて測定した。214nmでの
アルブミンおよび免疫グロブリンGについての吸光度の
値を、1mg/ml溶液について測定し、アルブミンについて
14.2、免疫グロブリンGについて14.7であることが判っ
た。これらの結果も、214nmでの検出感度が、アルブミ
ンについての280nmでの約25(14.2/0.58)倍であり、免
疫グロブリンGについて、検出感度が214nmで約11倍高
かった(14.7/1.38)ことを示した。
例4 アルブミン対DCBAのピーク面積比を用いて電気泳動図か
らアルブミン濃度を計算する換算係数の確立 一連のアルブミン溶液をつくり、それぞれの溶液のア
ルブミン濃度を、1cmの光路を用い280nmで1mg/ml溶液に
ついて吸光係数0.58に基づき分光測光法により測定し
た。DCBA原液を、1:1000希釈が、280nmで吸光度値1.59
を与えるような濃度とした。各アルブミン溶液(30μ
l)を希釈剤DCBA原液270μlと混合し、原液のアルブ
ミンの最終濃度を2mg/ml〜8mg/mlの範囲とした。
各混合物を、次の手順により毛管電気泳動にかけた。
装置 Beckman P/ACE 2000 CEシステムを、『System Go
ld』の改良型であるBeckman CCEソウトウエアーにより
使用し、これをIBM PS/2 PCにより制御した。電気泳
動を、未処理溶融シリカ毛管中で行った。毛管の表面
を、ポリイミドにより被覆し、毛管を破損から保護した
(Polymicro Technologies,Inc.,Phoenix,AZ)。光学
モジュールと検出器は、UV光源(重水素ランプ)および
回転輪に入っている214ナノメータのフィルター、さら
に窓の開口と整合した検出器を含んでいた。窓は、管の
出口から6.5cmの位置にあった。
毛管電気泳動試薬 ランニング緩衝液は、次のようにして準備した:ほう
酸9.27gを量りとり、脱イオン水800mlに溶解した。pHメ
ーターを、2つの標準pH溶液でpH7.0と10.0で校正して
から、ほう酸溶液を1NのNaOHによりpH10.2に調節した。
次に、ほう酸溶液を、容量装置により最終容量1000mlに
調節してから、0.22μm膜(Corning,Corning,NY,Filte
r Catalog Number 25952)を通して濾過してから、
ガラスの瓶で室温で保存した。
DCBA含有サンプル希釈剤は、次のようにして準備し
た:100mgの2,4−ジクロロ安息香酸(Eastman Kodak,Ro
chester,NY)を200μlのジメチルホルムアミド(J.T.B
aker,Phillipsburg,NJ)に溶解させた。この溶液を、DC
BAが完全に溶解するまで攪拌した(vortexed)。次に、
40μl容量のDCBA溶液を上記のようにしてICS希釈剤100
mlに加えた。DCBA含有サンプル希釈剤を0.22μl膜を通
して濾過してから、ガラス瓶で室温で保存した。
すすぎ溶液Aは、1NのNaOHであった。すすぎ溶液B
は、脱イオン水であった。
毛管電気泳動の手順 血清を、上記したように血液サンプルから集め、血清
の1部をDCBA含有サンプル希釈剤9部で希釈するように
して、最終全容量300μlに希釈した。次に、バイアル
を、電気泳動装置のサンプル皿に載せた。電気泳動のパ
ラメータは、次のように設定した:毛管は27μmx20cmで
あった。測定の波長は、214nmであった。温度は、24℃
であった。注入モードは、10秒間の圧力注入であった。
分離電圧は、10キロボルトであった。分離時間は、7分
であった。電流は、ほぼ20μAであった。
作業シーケンスは次のように設定した:カラムは、ラ
ンニング緩衝液で1.5分間すすいだ。カラムは、0.5分間
ランニング緩衝液で平衡とさせた。圧力注入を述べたよ
うに10秒間おこなってから、分離を7分間10キロボルト
で行った。次に、カラムをすすぎ溶液Aで1分間すすい
でから、すすぎ溶液Bで1分間すすいだ。
カラムの保守は、次のようにした:それぞれの日の初
めに、カラムをすすぎ溶液Aで1分間、すすぎ溶液Bで
5分間、ランニング緩衝液で15分間すすいだ。それぞれ
の日の終わりに、カラムをすすぎ溶液Aで1分間、すす
ぎ溶液Bで5分間すすいだ。
データ分析については、CCEソフトウエアーを用い
て、ベースラインを調節し、内部標準の吸光度を正規化
し、2つの内部標準で移動時間を正規化した。次に『デ
リミット』積分器機能(“delimit"integrator functi
on)を用いて、ピークの下の相対的面積、およびタンパ
ク質ピーク面積の内部標準ピーク面積のそれに対する比
を計算した。
典型的な電気泳動図を図1に示す。アルブミンのDCBA
に対するピーク面積比を計算した。直線的な関係が、比
とアルブミンの濃度の間に観察された(図3)。直線的
な回帰分析を用いて、傾斜が、1.0mg/mlアルブミン溶液
について0.1029であることが判った。この回帰分析の結
果は、さらに行う実験のためのアルブミン濃度を計算す
るための換算係数として用いた。
例5 スパイクされたヒト血清サンプルを用いる血清アルブミ
ン濃度の測定 血清の何らかの成分が、分析に影響するかどうかを知
るため、同じ実験を、精製したヒト血清アルブミンによ
りスパイクされたヒト血清を用いて行った。天然のアン
ストリップド(unstripped)ヒト血清をこれらの実験で
用いたので、バックグランドピークが、内因性のアルブ
ミンに起因するゼロドーススパイクされた標準溶液に現
れた。ゼロドースでのピーク面積比を、すべてのアルブ
ミン濃度の比から差し引いた。得られる比の増加分を図
4に示すように濃度に対してプロットした。このデータ
の直線的な回帰分析は、次の式により示される直線を生
じた: Y=0.112X+0.128 したがって、未知のサンプルのアルブミンの濃度は、式 X=(Y−0.128)/0.112 により測定され得る。これらの実験は、血清の添加は、
分析にほとんどまたはまったく影響しないことを示し
た。
例6 血液サンプル中のヒト血清アルブミンの定量 ヒト血液サンプルを、Vacutainer Red Top Appara
tus(Becton−Dickinson,Franklin Lakes,NJ)により
集めた。血液が凝結した後、血清を集め、サンプル希釈
剤(Beckman Instruments,Inc.,Fullerton,CA,ICS希釈
剤、75mMの塩化ナトリウムと20mMのりん酸カリウムを含
み、pH7.0)で希釈した。
毛管電気泳道を、DCBA内部標準を用いて上記のように
行った。アルブミンとDCBAだけを用いた校正作業で観察
されたのと同じ直線関係が、アルブミン濃度とアルブミ
ンの血清中のDCBAに対するピーク面積比との間に観察さ
れ(図3)、血清の他の成分の存在が分析に干渉しない
ことを示した。
例7 本発明の方法とアルブミン濃度を測定する他の方法との
間の相関関係 本発明の方法の信頼性を、本発明により得られた結果
とシンクロン(Synchron)(Beckman Instruments,Ful
lerton,CA)法およびアレイ(Array)(Beckman Instr
uments)法で得られた結果との間の相関関係を測定する
ことによりテストした。さまざまな量の血清アルブミン
をヒト血清サンプル中でスパイクして0.2mg/mlから4.0m
g/mlまでの範囲のアルブミン濃度を有する試験体を得
た。サンプルを次の3つの方法によりアルブミン濃度に
ついて分析した:シンクロン、アレイおよび本発明の毛
管電気泳動法。毛管電気泳動による血清サンプルの典型
的な電気泳動図を図5に示す。各サンプルのアルブミン
の濃度は、アルブミンのDCBAに対するピーク面積比をと
り、換算係数で割ることにより計算され、標準曲線から
外挿され、次に、他の方法で得られた結果と比較され
た。表1および2(図6および7)は、本発明の毛管電
気泳動法とシンクロンとの間で、相関関係係数が、0.99
39で傾斜が1.055を有し、本発明の方法とアレイとの間
で、相関関係係数が、0.9786で傾斜が0.899であること
を示す。これらの結果は、本発明の方法で得られた結果
と他の十分に確立された方法で得られた結果との間の高
度の相関関係を示す。
例8 血清中の全タンパク質濃度の測定 電気泳動図から、214nmでの電気泳動したタンパク質
の吸光度から得られる全信号を測定し、サンプルの全タ
ンパク質濃度を、全タンパク質信号を用いて測定した。
サンプルの全タンパク質は、全タンパク質信号の内部標
準信号に対する比を計算し、次に、タンパク質信号の内
部標準信号に対する比をタンパク質濃度に関連づける標
準曲線から全タンパク質濃度を測定することにより計算
した。それぞれのサンプルの全タンパク質濃度も、シン
クロン法により測定した。表3および図8は、この2つ
の方法の間の相関関係の結果を示す。相関関係係数は、
0.9977であり、傾斜0.94が得られた。この場合も、これ
らの方法の間の高度の相関関係を示す。
例9 さまざまなpHでのジクロロ安息香酸とトリクロロ安息香
酸の内部標準としての比較 血清タンパク質成分と、電気泳動が行われるpHの関数
としての内部標準との間の分離を測定するため、内部標
準である2,4−ジクロロ安息香酸(DCBA)と2,4,6−トリ
クロロ安息香酸(TCBA)とを血清サンプルの毛管電気泳
動で比較した。
DCBAについて、電気泳動を24℃でBeckamn P/ACE 20
00システムで実質的に上記のようにして行った。使用毛
管は、直径25μmで有効長さ20cmであった。検出波長
は、214nmであった。分離電圧は、10kvであり、分離時
間は8分であった。サンプル注入は、圧力注入モードで
10秒間であった。血清サンプルは、0.04%(v/v)のジ
メチルホルムアミド、0.02%(w/v)のDCBAおよび1%
のポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(Thesi
t,Sigma,St.Louis,MO)を含むBeckman ICS希釈剤で10
倍に希釈した。電気泳動緩衝液は、pHを9.5〜10.5に調
節した150mMのほう酸であった。
プレアルブミンとDCBAについての移動時間(分)を表
4に示す。DCBAについてpH10.2で得られる電気泳動図を
図9に示す。
電気泳動は、pH値10.0〜10.3で内部標準としてTCBAを
用いて同じように行なった。プレアルブミンとTCBAにつ
いての移動時間(分)を表5に示す。TCBAについてのpH
10.2で得られる電気泳動図を図10に示す。結果は、pH値
9.5〜10.3で、DCBAまたはTCBAは、有効な内部標準であ
り、10.3よりも大きいpH値で、プレアルブミンとTCBAと
の間の分離は減少し(データは示してない)、プレアル
ブミンとDCBAとの間の分離は良好であった。したがっ
て、10.3より大きいpHでは、DCBAは、内部標準として好
ましい。プレアルブミンに関心が持たれなく、サンプル
中に存在しないなら、DCBAおよびTCBAの両者が、内部標
準として用いられ得る。
例11 毛管ゾーン電気泳動による糖尿病尿サンプル中のマイク
ロアルブミンの定量 糖尿病尿サンプル中の低濃度のアルブミンまたはマイ
クロアルブミンの定量に、本発明の方法を用いた。血清
について上記の方法を、内部標準としてTCBAを用いて行
った。あらかじめBio−GelTM P6ゲル濾過カラム(Bio
−Rad,Richmond,CA)を通して濾過した正常な尿をスパ
イクするため一連の標準血清アルブミン溶液を用い、20
μg/ml〜640μg/mlの各種アルブミン濃度の尿サンプル
をつくった。尿サンプルを次に上記したように毛管電気
泳動により分析した。
結果を図11に示す。次の式: Y=0.0041X−0.26 により表される直線が得られた。この式から、未知サン
プルについて、尿アルブミンの濃度が、電気泳動図の内
部標準に対するアルブミンのピーク面積比から外挿によ
って推定され得る: X(μg/ml)=(Y−0.26)/0.041。
最低濃度(20μg/ml)で、2より大きい信号対ノイズ比
が得られた。これは、ほぼ最も低い信頼できて検出可能
な濃度である。糖尿病患者についての尿マイクログロブ
リンの臨床的に有意的な濃度範囲は、20μg/ml〜200μg
/mlである。したがって、この方法は、糖尿病患者の診
断を補助するのに使用できる。
16の尿サンプルを、本発明の方法とアレイシステムを
用いてマイクロアルブミンから分析した。結果を図12に
示す。データの直線的回帰は、傾斜1.3、切片7.927を有
する相関関係0.9916を示した。アレイ法で得たアルブミ
ンの低い回収率は、本発明の方法とアレイとの間で、カ
リブレーター(検量線)でのアルブミン濃度の測定方法
の違いにおそらく起因する。
例11 アルブミンおよび全タンパク質についての尿サンプルの
分析 いくつかの尿サンプルを、本発明の毛管電気泳動法と
アレイ360(Beckman Instruments,Fullerton,CA)シス
テムによりアルブミンについて分析した。
結果は、図12に示す。データの直線的回帰分析は、相
関関係係数0.9916、傾斜1.3、切片7.9を有する直線を生
じた。これらの結果は、アレイ法よりも毛管電気泳動法
で30%高いアルブミン回収率を示した。
本発明の毛管電気泳動法を、尿全タンパク質を測定す
るために用い、結果を、シンクロンCX4(Beckman Inst
ruments,Fullerton,CA)法により得た結果と比較した。
これらの結果を比較したところ、相関関係係数は、0.98
67であり、傾斜は、0.83であり、切片は、−0.462であ
った(図13)。このことは、CX4法についてよりも毛管
電気泳動法についてタンパク質のいくらか低い回収率を
示した。
本発明の利点 本発明は、サンプル中の関心のもたれる標識タンパク
質の濃度とサンプル中の全タンパク質濃度の両者を測定
する迅速で、効率的で、信頼がおけ、再現性ある方法を
提供する。この方法は、タンパク質を検出するのに使用
でき、広いダイナミックレンジを有する。これは、タン
パク質の特定の基との試薬の特定な反応を必要としない
ので、干渉に比較的耐える。これは、すべての種類の生
物学的なサンプルおよび非生物学的なサンプルに有用で
ある。
本発明を、本発明のある好ましい様式についてかなり
詳細に説明したが、他の様式も可能である。したがっ
て、添付の請求の範囲とその精神は、ここに含まれた好
ましい様式の記載に限定されるものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リウ、チェン−ミン アメリカ合衆国 92687 カリフォルニ ア州 ヨーバ リンダ ビア デル ビ ソンテ 5855 (56)参考文献 特開 平5−203624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/447

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルブミンを定量する方法であって、 (a)アルブミンを含むサンプルに既知量の内部標準化
    合物を加え、該内部標準化合物が、2つ又はこれ以上の
    ハロゲンにより置換されている安息香酸からなる群から
    選択され、その濃度に関して検知信号を生じ、アルブミ
    ンから電気泳動的に分離し得る内部標準化合物であり、 (b)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
    にかけて該アルブミンと該内部標準化合物とを相互に分
    離しかつサンプル中の他の成分から分離し、 (c)該内部標準化合物により生じる検知信号と該アル
    ブミンにより生じる検知信号とを測定してアルブミン信
    号の内部標準信号との比を測定し、そして (d)アルブミン信号の内部標準信号との比に対するタ
    ンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のアルブミン濃
    度を測定する 各段階を含んでなる方法。
  2. 【請求項2】検知信号が、検出可能な電磁放射性信号で
    ある請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】検知信号が、スペクトルの紫外線および/
    または可視領域の光の吸収により生じる信号である請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】内部標準化合物が、ジクロロ安息香酸およ
    びトリクロロ安息香酸からなる群から選択される請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】内部標準化合物が、ジクロロ安息香酸であ
    る請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】内部標準化合物が、2,4−ジクロロ安息香
    酸である請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】内部標準化合物が、トリクロロ安息香酸で
    ある請求項4記載法。
  8. 【請求項8】内部標準化合物が、2,4,6−トリクロロ安
    息香酸である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】分離されたアルブミンと内部標準化合物の
    吸光度が測定され波長が214nmである請求項6記載の方
    法。
  10. 【請求項10】タンパク質を定量する方法であって、 (a)少なくとも1種のタンパク質を含むサンプルに既
    知量の内部標準化合物を加え、該内部標準化合物が、2
    つ又はこれ以上のハロゲンにより置換されている安息香
    酸からなる群から選択され、その濃度に関して検知信号
    を生じ、タンパク質から電気泳動的に分離し得る内部標
    準化合物であり、 (b)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
    にかけて該タンパク質と該内部標準化合物とを相互に分
    離しかつサンプル中の他の成分から分離し、 (c)該内部標準化合物により生じる検知信号と該タン
    パク質により生じる検知信号とを測定してタンパク質信
    号の内部標準信号との比を測定し、そして (d)タンパク質信号の内部標準信号との比に対するタ
    ンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のタンパク質濃
    度を測定する 各段階を含んでなる方法。
  11. 【請求項11】タンパク質が、アルブミン、骨髄腫タン
    パク費、プレアルブミン、レチノール結合タンパク質、
    α−抗トリプシン、α−酸糖タンパク質、α−フ
    ェトプロテイン、ハプトグロビン、α−マクログロブ
    リン、セルロプラスミン、トランスフェリン、β−マ
    イクログロブリン、C−反応性タンパク質、フェリチン
    および癌胎児性抗原からなる群から選択される請求項10
    記載の方法。
  12. 【請求項12】検知信号が、検出可能な電磁放射性信号
    である請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】検知信号が、スペクトルの紫外線および
    /または可視領域の光の吸収により生じる信号である請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】内部標準化合物が、ジクロロ安息香酸お
    よびトリクロロ安息香酸からなる群から選択される請求
    項10記載の方法。
  15. 【請求項15】内部標準化合物が、ジクロロ安息香酸で
    ある請求項14記載の方法。
  16. 【請求項16】内部標準化合物が、2,4−ジクロロ安息
    香酸である請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】内部標準化合物が、トリクロロ安息香酸
    である請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】内部標準化合物が、2,4,6−トリクロロ
    安息香酸である請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】分離されたタンパク質と内部標準化合物
    の吸光度が測定される波長が214nmである請求項16記載
    の方法。
  20. 【請求項20】少なくとも1種のタンパク質を含むサン
    プル中の全タンパク質濃度を測定する方法であって、 (a)少なくとも1種のタンパク質を含むサンプルに既
    知量の内部標準化合物を加え、該内部標準化合物が、2
    つ又はこれ以上のハロゲンにより置換されている安息香
    酸からなる群から選択され、その濃度に関して検知信号
    を生じ、タンパク質から電気泳動的に分離し得る内部標
    準化合物であり、 (b)該サンプルと該内部標準化合物とを毛管電気泳動
    にかけて該タンパク質と該内部標準化合物とを相互に分
    離しかつサンプル中の他の成分から分離し、 (c)該内部標準化合物により生じる検知信号と該サン
    プル中のすべてのタンパク質により生じる全検知信号と
    を測定して全タンパク質信号の内部標準信号との比を測
    定し、そして (d)全タンパク質信号の内部標準信号との比に対する
    タンパク質濃度の標準曲線からサンプル中のタンパク質
    の全濃度を測定する各段階を含んでなる方法。
  21. 【請求項21】検知信号が、検出可能な電磁放射性信号
    である請求項20記載の方法。
  22. 【請求項22】検知信号が、スペクトルの紫外線および
    /または可視領域の光の吸収により生じる信号である請
    求項21記載の方法。
  23. 【請求項23】内部標準化合物が、ジクロロ安息香酸お
    よびトリクロロ安息香酸からなる群から選択される請求
    項20記載の方法。
  24. 【請求項24】内部標準化合物が、ジクロロ安息香酸で
    ある請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】内部標準化合物が、2,4−ジクロロ安息
    香酸である請求項24記載の方法。
  26. 【請求項26】内部標準化合物が、トリクロロ安息香酸
    である請求項23記載の方法。
  27. 【請求項27】内部標準化合物が、2,4,6−トリクロロ
    安息香酸である請求項26記載の方法。
  28. 【請求項28】分離されたタンパク質と内部標準化合物
    の吸光度が測定される波長が214nmである請求項25記載
    の方法。
JP51081895A 1993-10-07 1994-09-15 液体中のタンパク質成分の濃度および全タンパク質の濃度を定量するための毛管電気泳動の使用 Expired - Fee Related JP3484463B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13351493A 1993-10-07 1993-10-07
US08/133,514 1993-10-07
PCT/US1994/010402 WO1995010041A1 (en) 1993-10-07 1994-09-15 Use of capillary electrophoresis for quantitating the concentration of protein components and of the total protein in fluids

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08504277A JPH08504277A (ja) 1996-05-07
JP3484463B2 true JP3484463B2 (ja) 2004-01-06

Family

ID=22458964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51081895A Expired - Fee Related JP3484463B2 (ja) 1993-10-07 1994-09-15 液体中のタンパク質成分の濃度および全タンパク質の濃度を定量するための毛管電気泳動の使用

Country Status (9)

Country Link
US (1) US5490909A (ja)
EP (1) EP0672249B1 (ja)
JP (1) JP3484463B2 (ja)
AT (1) ATE180056T1 (ja)
AU (1) AU669308B2 (ja)
CA (1) CA2149903C (ja)
DE (1) DE69418450T2 (ja)
ES (1) ES2131708T3 (ja)
WO (1) WO1995010041A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6045995A (en) * 1994-08-24 2000-04-04 Isis Pharmaceuticals, Inc. Capillary electrophoretic detection of nucleic acids
GB9509410D0 (en) 1995-05-10 1995-07-05 Imperial College Molecular imaging
US5543730A (en) * 1995-05-17 1996-08-06 Altera Corporation Techniques for programming programmable logic array devices
WO1997005475A1 (en) * 1995-08-01 1997-02-13 Signet Diagnostic Corporation Method for measuring the volume of liquid and/or solid in a suspension
US5922184A (en) * 1997-07-21 1999-07-13 Bio-Rad Laboratories, Inc. Computer-directed detection of paraproteins
JPH1073569A (ja) * 1996-08-30 1998-03-17 Oriental Yeast Co Ltd 蛋白の測定
US6113763A (en) * 1996-11-04 2000-09-05 Board Of Trustee Operating Michigan State University Method for measuring cellular chemical profiles
US5804384A (en) * 1996-12-06 1998-09-08 Vysis, Inc. Devices and methods for detecting multiple analytes in samples
US6156179A (en) * 1998-07-09 2000-12-05 Bio-Rad Laboratories Computer directed identification of paraproteins
ITMI20011850A1 (it) * 2001-09-03 2003-03-03 Univ Pavia Metodo per la separazione e la quantificazione di due conformazioni di beta2-microglobulina in equilibrio dinamico
US7381317B2 (en) * 2002-08-12 2008-06-03 Beckman Coulter, Inc. Methods and compositions for capillary electrophoresis (CE)
US20070014699A1 (en) * 2005-06-23 2007-01-18 Beckman Coulter, Inc, Methods and apparatus for improving the sensitivity of capillary zone electrophoresis
WO2008082670A2 (en) * 2006-12-28 2008-07-10 Wako Pure Chemical Industries, Ltd. Method and system for internal standardization of assays
US7808641B2 (en) * 2007-04-13 2010-10-05 C Technologies Inc. Interactive variable pathlength device
CA2646944A1 (en) * 2007-11-30 2009-05-30 Her Majesty The Queen In Right Of Canada, As Represented By The Minister Of National Defence Serum components that bind to threat agents
DE102010047427A1 (de) * 2010-10-04 2012-04-05 Karlsruher Institut für Technologie Selektive Proteinquantifizierung mittels multivariater Auswertung von UV-Absorptionsspektren
US20220291177A1 (en) * 2019-07-23 2022-09-15 The University Of British Columbia Apparatus and methods for detecting and quantifying analytes
CN110873683B (zh) * 2019-12-04 2021-08-03 中国计量科学研究院 基于es-dma-cpc的高准确度蛋白质标准物质定值方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5917142A (ja) * 1982-07-20 1984-01-28 Olympus Optical Co Ltd デンシトグラムの記録方法
US4927265A (en) * 1988-04-29 1990-05-22 501 Microphoretic Systems, Inc. Detector for fluorescence and absorption spectroscopy
US5139630A (en) * 1991-05-31 1992-08-18 Beckman Instruments, Inc. Identification of sample constituents utilizing capillary electrophoresis
US5310462A (en) * 1991-05-31 1994-05-10 Beckman Instruments, Inc. Quantitation of samples utilizing capillary electrophoresis
US5120413A (en) * 1991-05-31 1992-06-09 Beckman Instruments, Inc. Analysis of samples utilzing capillary electrophoresis
US5145567A (en) * 1991-11-14 1992-09-08 Beckman Instruments, Inc. Capillary zone electrophoretic analysis of isoenzymes
US5202006A (en) * 1992-04-17 1993-04-13 Beckman Instruments, Inc. Analysis of hemoglobin variants by capillary zone electrophoresis

Also Published As

Publication number Publication date
DE69418450T2 (de) 1999-09-16
AU669308B2 (en) 1996-05-30
US5490909A (en) 1996-02-13
EP0672249A1 (en) 1995-09-20
WO1995010041A1 (en) 1995-04-13
ES2131708T3 (es) 1999-08-01
CA2149903C (en) 2004-03-02
ATE180056T1 (de) 1999-05-15
JPH08504277A (ja) 1996-05-07
EP0672249B1 (en) 1999-05-12
CA2149903A1 (en) 1995-04-13
AU7835394A (en) 1995-05-01
DE69418450D1 (de) 1999-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3484463B2 (ja) 液体中のタンパク質成分の濃度および全タンパク質の濃度を定量するための毛管電気泳動の使用
US5431793A (en) Quantitative analysis of glycosylated hemoglobin by immunocappillary electrophoresis
US5599433A (en) Capillary electrophoresis of glycosylated proteins
Chen et al. Low-cost, high-sensitivity laser-induced fluorescence detection for DNA sequencing by capillary gel electrophoresis
Kuhr et al. Capillary electrophoresis
Swaile et al. Laser-based fluorimetric detection schemes for the analysis of proteins by capillary zone electrophoresis
US8097472B2 (en) System and method for the separation of analytes
US6974527B2 (en) Multidimensional separations employing an array of electrophoresis channels
US7638024B2 (en) Capillary electrophoresis method
Kim et al. Quantitative analysis of serum proteins separated by capillary electrophoresis
Tseng et al. Selective determination of adenine-containing compounds by capillary electrophoresis with laser-induced fluorescence detection
Wijnen et al. Capillary electrophoresis of serum proteins. Reproducibility, comparison with agarose gel electrophoresis and a review of the literature
Zhang et al. High-sensitivity laser-induced fluorescence detection for capillary electrophoresis
Altria et al. Capillary electrophoresis as a routine analytical tool in pharmaceutical analysis
JPH05196604A (ja) 毛管電気泳動を利用する試料成分の同定
JP3162484B2 (ja) 毛管電気泳動を利用する試料の定量
LeCaptain et al. Characterization of DNA–protein complexes by capillary electrophoresis-single molecule fluorescence correlation spectroscopy
Guzman et al. Capillary electrophoresis as a diagnostic tool: determination of biological constituents present in urine of normal and pathological individuals
Timperman et al. Tutorial review. Capillary electrophoresis with wavelength-resolved fluorescence detection
Soini et al. Determination of naproxen in serum by capillary electrophoresis with ultraviolet absorbance and laser‐induced fluorescence detection
Clark et al. The determination of the geometric isomers and related impurities of dothiepin in a pharmaceutical preparation by capillary electrophoresis
Williard et al. Electrophoresis of hemoglobin on polyacrylamide gels: precise method for measurement of hemoglobin A2
EP0848251A2 (en) Homogeneous on-line assays using capillary electrophoresis
Lim et al. Simple and sensitive laser‐induced fluorescence detection for capillary electrophoresis and its application to protein separation
Jenkins Clinical applications of capillary electrophoresis: Status at the new millennium

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081024

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees