JP3483922B2 - 眼科測定装置 - Google Patents

眼科測定装置

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JP3483922B2
JP3483922B2 JP32649093A JP32649093A JP3483922B2 JP 3483922 B2 JP3483922 B2 JP 3483922B2 JP 32649093 A JP32649093 A JP 32649093A JP 32649093 A JP32649093 A JP 32649093A JP 3483922 B2 JP3483922 B2 JP 3483922B2
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B3/00Apparatus for testing the eyes; Instruments for examining the eyes
    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/117Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions for examining the anterior chamber or the anterior chamber angle, e.g. gonioscopes

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は眼科測定装置、特に被検
眼前房中にレーザ光を入射し、これを空間的に走査し
て、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定する
とともに、装置と被検眼のアライメント状態を判定する
機能を有する眼科測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、人眼の前房内にレーザ光を照射
し、その反射/散乱光を受光して光学的アライメントの
状態を判断してから、測定を行なう眼科測定装置とし
て、フレアーメーターが知られている。
【0003】フレアーメーターの測定では前房内タンパ
ク質濃度(フレアー濃度)の測定を行なう。前房内のフ
レアー濃度は、前房内で一様であるとの前提の上で、空
間的に1点の前房内タンパク質濃度が測定できればよ
い。したがって、測定前のアライメントも空間的に1次
元の状態だけわかれば十分であった。
【0004】しかし、前房内に浮遊している細胞数密度
やタンパク質濃度の空間的な分布など、生体特性を表わ
す指標となり得る物理量が空間分布を持つような場合、
これを測定しようとしたとき、レーザ光は、空間的に2
次元以上で走査されなければならない。したがって、測
定前に行なわれるアライメントにおいても、レーザ光を
2次元的に走査することによってなされなければならな
い。
【0005】一方、従来の眼科測定装置のアライメント
は、1次元的なアライメント情報獲得手段であり、かつ
測定に最適な測定部位を選択するためのアライメント状
態判断機能であった。
【0006】例えば、非接触式眼圧計のアライメント方
法は、角膜の曲率中心と角膜頂点を結ぶ角膜軸線と観察
光学系の光軸との一致調整、及び角膜曲率中心から流体
出射ノズル先端までの距離の調整を行ない、正確な眼圧
値の測定に最適な位置を提供するためのものである。
【0007】また、屈折計におけるアライメント方式に
おいても、網膜上に2本の参照光を一点に結像させるこ
とによって、屈折率の測定に最適な位置を提供するため
のアライメント装置である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前房内に浮遊している
細胞数密度やタンパク質濃度の空間的な分布など、生体
特性を表わす指標となり得る物理量が空間分布を持って
おり、このような分布情報の測定に最適な場所を探すた
めのアライメントには、上記の従来のようなアライメン
ト機構は適しておらず、被検眼中で確保できる(測定可
能と判断される)測定可能範囲が狭くなってしまう問題
がある。
【0009】また、測定可能と判断される測定範囲が著
しく制限されてしまうため、アライメントを取るのに非
常に時間がかかる。
【0010】さらに、患眼の状態によってはアライメン
ト良好な場所がさらに制限され、このため、アライメン
トを合わせるのにさらに時間を要する。その結果、測定
時間が長くなり、検者、被検者ともに肉体的/精神的苦
痛を強いられることになる。
【0011】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、被検眼前房中でレーザ光を空間的に走査し
て、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定する
場合、測定可能領域を増大し、測定時間を短縮し、測定
精度を向上すべくアライメント判定を行なえる眼科装置
を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、本発明では、被検眼前房中でレーザー光を空間的
に走査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を
測定すると共に、装置と披検眼のアライメント状態を判
定する機能を有する眼科測定装置において、被検眼前房
中でレーザー光を走査し、被検眼方向からの反射ないし
散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な
分布情報を取得する手段と、前記受光強度の空間的な分
布状況を所定の判定基準に基づき解析することにより装
置と被検眼のアライメント状態を判定する手段とを有す
る基本構成(請求項1〜5)を採用した。特に、前記ア
ライメント判定においては、被検眼前房内からの散乱光
を二次元的に配置された複数個の測定点において受光
し、バックグラウンドノイズの信号強度を調べると共
に、受光点全体のバックグラウンドノイズの様子を調べ
ることによって、アライメントの状態を判断する(請求
項1)、被検眼前房内からの散乱光を二次元的に配置さ
れた複数個の測定点において受光し、得られた複数個の
バックグラウンド光強度における所定の光強度の割合に
応じてバックグラウンドノイズの強度を代表する代表値
を算出し、この代表値を所定の判定基準値と比較するこ
とによって、アライメントの状態を判断する(請求項
2)、被検眼前房内からの散乱光を二次元的に配置され
た複数個の測定点において受光し、バックグラウンドノ
イズの信号強度を調べると共に、前記複数個の測定点で
の受光強度の標準偏差を、あらかじめ規定した所定の基
準値と比較することによって、外乱光または眼内組織か
らの反射/拡散光の有無の程度を判定することにより前
記所定の判定基準を定める(請求項3)、被検眼前房内
からの散乱光を二次元的に配置された複数個の測定点に
おいて受光し、バックグラウンドノイズの信号強度を調
べると共に、前記複数個の測定点での受光強度の標準偏
差を、あらかじめ規定した所定の基準値と比較すること
によって、受光強度のデータ中に被検眼前房内の浮遊細
胞からの散乱光信号が含まれているかどうかを判定する
ことにより前記所定の判定基準を定める(請求項4)、
あるいは被検眼前房内からの散乱光を二次元的に配置さ
れた複数個の測定点において受光し、前記複数個の測定
点での受光強度から、所定の判定基準に基づきアライメ
ント状態を表わすランク情報を生成し、このランク情報
に基づきアライメント状態を判定すると共に、生成され
たランク情報またはアライメント状態を検者に知らせる
報知手段とを有する(請求項5)構成を用いるものとし
た。
【0013】
【作用】上記構成によれば、従来の1次元的なアライメ
ント情報に基づく判定とは異なり、被検眼方向からの反
射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度の
空間的な分布情報を取得し、この受光強度の空間的な分
布情報を所定の判定基準に基づき解析することにより、
装置と被検眼のアライメント状態を判定するために、被
検眼前房中でレーザ光を空間的に走査し生体分子からの
散乱光を受光し生体特性を測定する場合に最適なアライ
メント判定が可能となる。
【0014】
【実施例】
<装置の基本構成〉図1を用いて本発明の提案する測定
装置の測定系を説明する。レーザー光源1から放出され
たレーザ光は、レンズ2とレンズ3によって拡大、整形
され、ガルバノミラー4と5によって二次元的に走査さ
れながら、プリズム6を介し、レンズ7によって被検眼
20の前房内に集光される。検者は光学系全体を不図示
のジョイスティックなどの操作手段により操作すること
によって被検眼前房内の任意の場所に集光点を持ってく
ることができるようになっている。
【0015】レーザー光を照射された前房内の生体物質
(例えば蛋白分子や浮遊細胞など)からの散乱光はレン
ズ8によって集光され、平行光束とされた後、ハーフミ
ラー9によって光路が分割され、一方はレンズ16、1
7を介して検者が観察できるようになっている。
【0016】ハーフミラーによって光路が分割されたも
う一方の光はレンズ10によって視野限定のための受光
マスク12a上に結像され、受光マスク12aを通過し
た散乱光が光電子増倍管13で受光され、電気信号に変
換される。この電気信号は、光子計数法によってデジタ
ル化され、演算装置14によって解析される。後述のア
ライメント判定は、全てこの演算装置14によって受光
強度の空間あるいは時間的な分布を解析することによっ
て行われる。以下では、受光強度はフォトンカウント値
を用いる。
【0017】LEDなどによる光源19による枠状の測
定ウィンドウの像をレンズ18で、受光マスク12aと
共役な位置に結像させることによって、検者に測定ウィ
ンドウを提供し、検者は自分の測定しようとしている前
房内の位置関係を知ることができる。
【0018】この光源19は、後述のアライメント状態
の判定結果の表示に使用することもできる。たとえば、
アライメント状態を表すランク情報(後述)に応じてこ
の光源19の点灯状態を変えることによってアライメン
トの状態を検者に知らせることができる。この場合、た
とえば測定ウィンドウを点滅させ、その点滅周期を変化
させてもよいし、発光色を変化させても良く、また、後
述のようにアライメントの状態を報知する文字情報を表
示してもよい。
【0019】ガルバノミラー4は前房内におけるレーザ
光の水平走査に寄与し、ガルバノミラー5は垂直走査に
寄与する。
【0020】測定時、それぞれのガルバノミラーは図2
に示されている信号で制御される。図2から明らかなよ
うに、レーザービームが測定のために垂直に走査されて
いる間は水平方向は停止し、一回の垂直走査にともなう
測定が終了した後、水平走査が行われ、その間にレーザ
ービームの垂直方向の位置は初期状態に設定される。
【0021】測定時、レーザビームLは図3のような走
査を行う。図3においてVは垂直走査軸、Hは水平走査
軸を示しており、ここでは測定範囲は1mm×1mmの
大きさになっている。このようなレーザビームの走査を
行ったとき、図1の光学系において、光軸に対して直角
の方向から観察し、受光マスク12aによつて光軸方向
の視野を限定すると、三次元的な測定範囲を規定するこ
とができる。
【0022】一方、アライメント判定時には、図2の制
御信号波形を調節することによって図4に示すような走
査を行う。ここでは、たとえば測定範囲中で9個の測定
点(図中の1〜9の○印)を設定している。図3、図4
の比較から明らかなように、アライメント時には測定時
の1、16、32本目の走査のみを行い、測定体積の中
心(5)と外枠部分(1〜4、6〜9)を走査している
のがわかる。
【0023】図3のような操作方式で、前眼部炎症を起
こしている人眼の前房中を測定すると、前房中に存在す
る蛋白分子や浮遊細胞などにレーザ光が照射され、散乱
光を発する(図8)。この散乱光を図1で示した光学系
で受光すると、図5に示すような散乱光強度の時系列デ
ータが得られる。アルブミンやグロブリンなどの蛋白分
子(図5下)に比べて、直径が非常に大きい前房内浮遊
細胞(セル)からの散乱光は、スパイク状の散乱光とし
て観察される(図5上)。
【0024】このように、被検眼前房中でレーザ光を空
間的に走査して、受光強度の空間的な分布情報を取得す
ることにより、生体分子からの散乱光を受光し生体特性
を測定することができる。
【0025】このような測定を行う場合のアライメント
判定では、空間的に走査を行う以上、従来の1次元的な
アライメント判定とは異なる判定基準を用いる必要があ
る。
【0026】従来よりも測定可能な範囲を増大し、測定
時間を短縮し、測定精度を向上するために、本発明で
は、下記のように最低限測定可能でなければならない条
件を考慮した。
【0027】<アライメント判定の手順>本発明で提案
するアライメント状態判定のフローチャートを図6、図
7に示す。図6はアライメント時のメインルーチン、図
7はアライメント状態の判定で用いられるサブルーチン
である。
【0028】これらのフローチャートは上記図1中の演
算装置14にて実行される。以下、これらのフローチャ
ートに沿って本発明の実施例を説明する。
【0029】検者がジョイスティックに設けられている
スイッチを押すことによって、アライメント状態の判定
が開始される(図6のステップS1)。
【0030】まず、アライメントを判定するために駆動
される各種素子、パラメータが初期化される。アライメ
ント時には、図1中の2つのガルバノミラー4と5を、
図2の走査制御信号によって、レーザービームを図4の
ように走査する。このとき、図4中の○印を付した部分
1〜9にレーザー光が来たときに図1中12bの光電子
増倍管直前のシャッターを開き、時系列を測定する。以
後、この○印部分のことを「ブロック」と呼ぶことにす
る。便宜上、これらのブロックに図4に示すように1か
ら9までの番号をつけることにする。
【0031】上記、9ブロックで得られる時系列データ
よりバックグラウンド代表値を取り出し、これらの代表
値を用いてアライメントの良否を判断する。バックグラ
ウンド代表値として、得られた時系列の平均値を採用す
るのが最も理想的であるが、平均値計算には時間がかか
りすぎ、アライメント状態の判断が実時間で表示できな
くなってしまう。そこで、バックグラウンドの大きさを
表す代表値として以下のような値を採用することにし
た。
【0032】9ブロックから得られる時系列は、(1)
バックグラウンドと(2)セルの散乱光の成分からなっ
ている。セル1個の信号には15〜20個分のデータが
必要なので、バックグラウンドを表すデータを取り出す
には、1〜9の各ブロックで、少なくとも60個の時系
列データを取れば十分である。また、データはゆらぎを
持つため、バックグラウンドが低い場合、例えば {0、1、5、3、2、0、0、3、…} なる時系列が得られると考えられる。この時、単に時系
列データ中の最低値を取っただけでは9個のバックグラ
ウンド代表値が全部0になってしまい、バックグラウン
ドの状態が代表値に反映されない恐れがあるので、得ら
れる60個の時系列データのうち、(i)0の個数が時
系列データ数の40%以上あるときは、バックグラウン
ド代表値は0、(ii)0の個数が時系列データ数の4
0%未満のときには、バックグラウンド代表値は0を除
く、時系列中の最小値とした。
【0033】上記のような方法で、バックグラウンドの
高低、セルの有無に関係なく、各ブロックの時系列から
バックグラウンド代表値を決定することができる。
【0034】この代表値は1回のデータ採取後に各々算
出され、メモリに記憶されるが、この処理を10回繰り
返し(ステップS2)、10回分の値が集まると、10
回分の値を積分する。この各ブロックの10回分のバッ
クグラウンド代表値の積分を行ない(S3)この積分値
【0035】
【数1】
【0036】を使ってアライメントの良否を判断する。
【0037】上記xiからアライメント状態の判定に用
いる測定量を取得する。これらはxjの最大値をxma
x、各xjの差分値のうち最大値をΔxとして取得する
(ステップS6)。
【0038】また、各ブロックで取得された時系列デー
タの標準偏差σijを10回分足し合わせた値
【0039】
【数2】
【0040】の最大値σmaxも取得しておく(ステッ
プS4)。
【0041】これらの値を使ってアライメント状態判定
のサブルーチン(ステップS7)でアライメント状態の
判定が行われる。図7にステップS7の内容を詳細に示
す。
【0042】まず、ステップS21で、レーザー光が被
検者の睫毛に当たっている場合や被検者が瞬目を行って
いる場合を除くために、xmaxが基準となるフォトン
カウントを越えた場合を除く。この基準となるフォトン
カウント値は、以下のようにして決定されている。
【0043】被検者が瞬目をした場合、上記測定法で測
定されるフォトンカウント値の大きさは395[フォト
ンカウント/msec]以下であることを実験によって
確認した。
【0044】一方、本発明を採用する眼科測定装置で
は、虹彩色に限らず、健常眼は必ず測定できなければな
らない。また、白内障に対するIOL挿入手術の術前、
術後経過を診断する用途を考え、白内障患眼も測定でき
なければならない。白内障眼では、レーザービームが白
濁した水晶体に入射する。この時、水晶体からの反射光
は図8のように反射/拡散されるため、前房中に設定さ
れている測定ウィンドウの面積の大きさによって、この
水晶体の反射/拡散光の影響の度合いが異なる。
【0045】上述の白内障眼の前房部にレーザを入射
し、その側方散乱光を測定し、1サンプリング時間あた
りのフォトンカウントを調べた結果、図8のように、白
内障術前眼では白濁水晶体からの反射光の影響で、バッ
クグラウンドノイズが高くなっていた。
【0046】これらの結果から、上記アライメント状態
判定のうち、xmaxの判定基準フォトンカウント値を
395[フォトンカウント/msec]以下とすればよ
いと判断した。
【0047】すなわち、ステップS21では、9個の値
xiの最大値xmaxを調べ基準値xmaxと比較した
結果を表すためにアライメント状態のレベルを表す指標
rank1を準備し、 xmax>p0のときrank1=5 xmax≦p0のときrank1=0 とする。
【0048】次に、ステップS22において、9箇所の
ブロックで測定される散乱光強度時系列中に眼内組織等
からの反射/拡散光が測定に影響を与えない程度しか存
在しないことをチェックする。
【0049】図1で示した光学系で測定を行うと、図5
に示されている散乱光強度の時系列が得られる。アルブ
ミンやグロブリンなどの蛋白分子に比べて、直径が非常
に大きい前房内浮遊細胞からの散乱光は、スパイク状の
散乱光として観察される。
【0050】このようなフォトンカウンティング信号の
特長は信号強度の標準偏差がその平均値の平方根の大き
さになるということである。
【0051】
【数3】
【0052】ここで、avgは平均値、σは標準偏差で
ある。
【0053】バックグラウンドは角膜・虹彩からの反射
光、散乱光から成り立っている。測定される時系列デー
タを調べた結果、角膜・虹彩からの反射光、散乱光信号
の標準偏差がフレアーの散乱光信号の標準偏差に比べて
高くなる。
【0054】したがって、散乱光強度の標準偏差がその
平均値の平方根の値から著しくずれた場合には、何らか
の異常なノイズ信号が重畳していると考えられる。そこ
で、各ブロックの時系列の標準偏差の値を基準値と比較
することによって、角膜・虹彩からの反射/散乱光の、
測定される信号全体に対する割合を調べる方法を採用し
た。
【0055】そこで、アライメント状態のレベルを表す
視標、rank2を準備し、上記σmaxによって、 0 < σmax≦SD0 →rank2=0 SD0< σmax≦SD1 →rank2=1 SD1< σmax≦SD2 →rank2=2 SD2< σmax≦SD3 →rank2=3 SD3< σmax≦SD4 →rank2=4 SD4< σmax≦SD5 →rank2=5 SD5< σmax≦SDcell→rank2=0 のように分類する。
【0056】但し、浮遊細胞数密度の高い場合、対象と
する時系列中にセルピーク信号が入っている可能性が高
いので、これだけでは細胞数密度の多い場合にrank
2が0にならないと考え、σmaxがSDcell以上の値
のときは、時系列中にセル信号が入っていると判断して
rank2=0とするようにした。
【0057】ステップS23はバックグラウンド値の均
一性の判定に関するチェックである。バックグラウンド
がある程度の勾配を持っていても測定は可能である。こ
の勾配の程度を、各ブロックのバックグラウンド代表値
xiの差の最大値Δxiで表わした。Δxiが 0≦Δx≦Δp0 のとき、 rank3=0 とすれば、バックグラウンドの均一性を保証し、正しい
セル認識が行なわれる。以下、Δxの大きさによって、 Δp0≦Δxi≦Δp1→rank3=1 Δp1≦Δxi≦Δp2→rank3=2 Δp2≦Δxi≦Δp3→rank3=3 Δp3≦Δxi≦Δp4→rank3=4 Δp4≦Δxi →rank3=5 ・ ・ とした。
【0058】そして、ステップS21〜23で得たra
nk1、rank2、rank3の和 rankfinal=rank1+rank2+ran
k3 を、最終的なアライメント状態のレベルを表す指標ra
nkfinalとする(ステップS24)。
【0059】rankfinal値=0の時、アライメ
ントが合っていることになり、rankfinalの値
によって測定が可能かどうかを判断し、図7に示したサ
ブルーチンから図6のメインルーチンに戻る。その後、
アライメント状態を示すrankfinal値の大きさ
に対応させて図1中の光源19の点灯状態を変化させる
ことによってアライメント状態を検者に報知する。な
お、測定時(非アライメント時)には、rankfin
al値を5にしてメインルーチンに復帰する。
【0060】アライメント状態のレベルの表示は検眼鏡
内に投影された光学的な指標の点灯状態を変化すること
によって行なう。例えば、図1中の光源19を点滅させ
ておき、rankfinalの値に応じた点滅周期で指
標を点滅させるとか、視標の発光色を変化させる(図6
のステップS8)。
【0061】この時点で、測定のため検者によってジョ
イスティックのボタンが押されるのを待つ(S9)。検
者によってジョイスティックのボタンが押されたとき、
rankfinal値が0ならば、測定を行えるが(S
10、S11)、rankfinal値が0でないなら
ば、測定を禁止するとともに(S10、S12)再度ア
ライメント状態の判定のためのパラメータ取得のための
処理が繰り返される。ステップS13は測定結果の解
析、表示処理を示している。
【0062】上記のように、アライメント終了後、検者
はジョイスティックのボタンを押すことによって測定を
開始する。アライメント良好の場合でも、測定中に被検
者が測定中に瞬きをしたり、動いたりする場合を想定し
て、測定後、各走査のバックグラウンド値(但しこのバ
ックグラウンド値は測定で得られたもの)が上記p0以
上であったら、正確な測定が行われなかったと判断し
て、検眼鏡内あるいは表示ディスプレイにその旨を表示
し、測定がうまく行かなかったことを検者に知らせる。
これにより、アライメント後のアクシデントにも対処で
きる。
【0063】上記説明では、通常アライメントのran
kfinal=0にならないと測定ができないようにな
っているが、臨床上、バックグラウンドが高い被検眼で
は、幾何学的に正しい部位であってもアライメントのr
ankfinal=0の条件を満たせず、アライメント
状態を示す指標はrankfinal≠0の状態を保持
してしまう。このような被検者に対しても参考的に測定
が行なえるように、図7のアライメント判定サブルーチ
ンには次のような機能を付加してある。
【0064】アライメント時、表示ディスプレイのファ
ンクションキーを押せば(S25、S26)、アライメ
ントの良否によらず、rankfinalを強制的に0
として(S27)測定が行なえるようにした。但し解析
は正確さに欠ける(誤差30%以上)ので、その旨を表
示し、正確なデータと区別するようにした。
【0065】また、この機能は、1回の測定を可能に
し、1回測定を終えるとアライメント状態の判定を行な
い、状態が悪い場合は測定を禁止する通常の状態に戻
る。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、被検眼前房中でレーザ
光を空間的に走査して、被検眼前房方向からの反射ない
し散乱光あるいは外乱光を受光し、受光強度の空間的な
分布情報を獲得し、この受光強度の空間的な分布情報を
所定の判定基準に基づき解析する基本構成(請求項1〜
5)を採用し、特に前記アライメント判定においては、
被検眼前房内からの散乱光を二次元的に配置された複数
個の測定点において受光し、バックグラウンドノイズ、
外乱光や眼内組織からの反射/拡散光など測定の信頼性
に影響を与えるような情報を排除した上で、あるいは被
検眼前房内の浮遊細胞からの散乱光信号が含まれている
かどうかを判定した上で装置と被検眼のアライメント状
態を判定するようにしているので、可能な限り広い領域
における測定を行なえるようになる、という優れた効果
がある
【0067】また、アライメント状態をランク分けし
て、そのランクを検者に知らせるようにしている(請求
項5)ため、アライメントが合わせやすくなり、判定に
かかる時間を短縮できる。さらに、検者/被検者にかか
る肉体的苦痛を軽減できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による眼科測定装置の実施例の全体構成
を示す光学経路図である。
【図2】本発明におけるガルバノメータスキャナーを駆
動するための信号を示した説明図である。
【図3】本発明における測定時のレーザー走査方式を示
した説明図である。
【図4】本発明におけるアライメント判定時のレーザ走
査方式を示した説明図である。
【図5】本発明において測定される散乱光信号強度信号
の概略図である。
【図6】本発明におけるアライメント状態の判定のため
のメインルーチンを示したフローチャートである。
【図7】本発明におけるアライメント状態の判定のため
のサブルーチンを示したフローチャートである。
【図8】白内障眼モデルを示した説明図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源 3 整形レンズ 4 ガルバノミラー 5 ガルバノミラー 9 ハーフミラー 12a 受光マスク 12b フォトマルシャッター 13 光電子増倍管 14 演算装置 15 検眼鏡レンズ 16 検眼鏡レンズ 19 LED光源 20 被検眼
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−264044(JP,A) 特開 平2−177934(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 3/10 - 3/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検眼前房中でレーザー光を空間的に走
    査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定
    すると共に、装置と披検眼のアライメント状態を判定す
    る機能を有する眼科測定装置において、 被検眼前房中でレーザー光を走査し、被検眼方向からの
    反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度
    の空間的な分布情報を取得する手段と、 前記受光強度の空間的な分布状況を所定の判定基準に基
    づき解析することにより装置と被検眼のアライメント状
    態を判定する手段とを有し、 前記アライメント判定においては、被検眼前房内からの
    散乱光を二次元的に配置された複数個の測定点において
    受光し、バックグラウンドノイズの信号強度を調べると
    共に、受光点全体のバックグラウンドノイズの様子を調
    べることによって、アライメントの状態を判断すること
    を特徴とする眼科測定装置。
  2. 【請求項2】 被検眼前房中でレーザー光を空間的に走
    査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定
    すると共に、装置と披検眼のアライメント状態を判定す
    る機能を有する眼科測定装置において、 被検眼前房中でレーザー光を走査し、被検眼方向からの
    反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度
    の空間的な分布情報を取得する手段と、 前記受光強度の空間的な分布状況を所定の判定基準に基
    づき解析することにより装置と被検眼のアライメント状
    態を判定する手段とを有し、 前記アライメント判定においては、被検眼前房内からの
    散乱光を二次元的に配置された複数個の測定点において
    受光し、得られた複数個のバックグラウンド光強度にお
    ける所定の光強度の割合に応じてバックグラウンドノイ
    ズの強度を代表する代表値を算出し、この代表値を所定
    の判定基準値と比較することによって、アライメントの
    状態を判断することを特徴とする眼科測定装置。
  3. 【請求項3】 被検眼前房中でレーザー光を空間的に走
    査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定
    すると共に、装置と披検眼のアライメント状態を判定す
    る機能を有する眼科測定装置において、 被検眼前房中でレーザー光を走査し、被検眼方向からの
    反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度
    の空間的な分布情報を取得する手段と、 前記受光強度の空間的な分布状況を所定の判定基準に基
    づき解析することにより装置と被検眼のアライメント状
    態を判定する手段とを有し、 前記アライメント判定においては、被検眼前房内からの
    散乱光を二次元的に配置された複数個の測定点において
    受光し、バックグラウンドノイズの信号強度を調べると
    共に、前記複数個の測定点での受光強度の標準偏差を、
    あらかじめ規定した所定の基準値と比較することによっ
    て、外乱光または眼内組織からの反射/拡散光の有無の
    程度を判定することにより前記所定の判定基準を定める
    ことを特徴とする眼科測定装置。
  4. 【請求項4】 被検眼前房中でレーザー光を空間的に走
    査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定
    すると共に、装置と披検眼のアライメント状態を判定す
    る機能を有する眼科測定装置において、 被検眼前房中でレーザー光を走査し、被検眼方向からの
    反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度
    の空間的な分布情報を取得する手段と、 前記受光強度の空間的な分布状況を所定の判定基準に基
    づき解析することにより装置と被検眼のアライメント状
    態を判定する手段とを有し、 前記アライメント判定においては、被検眼前房内からの
    散乱光を二次元的に配置された複数個の測定点において
    受光し、バックグラウンドノイズの信号強度を調べると
    共に、前記複数個の測定点での受光強度の標準偏差を、
    あらかじめ規定した所定の基準値と比較することによっ
    て、受光強度のデータ中に被検眼前房内の浮遊細胞から
    の散乱光信号が含まれているかどうかを判定することに
    より前記所定の判定基準を定めることを特徴とする眼科
    測定装置。
  5. 【請求項5】 被検眼前房中でレーザー光を空間的に走
    査して、生体分子からの散乱光を受光し生体特性を測定
    すると共に、装置と披検眼のアライメント状態を判定す
    る機能を有する眼科測定装置において、 被検眼前房中でレーザー光を走査し、被検眼方向からの
    反射ないし散乱光、あるいは外乱光を受光し、受光強度
    の空間的な分布情報を取得する手段と、 前記受光強度の空間的な分布状況を所定の判定基準に基
    づき解析することにより装置と被検眼のアライメント状
    態を判定する手段とを有し、 前記アライメント判定においては、被検眼前房内からの
    散乱光を二次元的に配置された複数個の測定点において
    受光し、前記複数個の測定点での受光強度から、所定の
    判定基準に基づきアライメント状態を表わすランク情報
    を生成し、このランク情報に基づきアライメント状態を
    判定すると共に、生成されたランク情報またはアライメ
    ント状態を検者に知らせる報知手段とを有することを特
    徴とする眼科測定装置。
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