JP3483434B2 - 液晶装置 - Google Patents

液晶装置

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JP3483434B2
JP3483434B2 JP19761297A JP19761297A JP3483434B2 JP 3483434 B2 JP3483434 B2 JP 3483434B2 JP 19761297 A JP19761297 A JP 19761297A JP 19761297 A JP19761297 A JP 19761297A JP 3483434 B2 JP3483434 B2 JP 3483434B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モバイルコンピュ
ーターやPDA(Personal digital
assistant)と呼ばれる携帯用電子機器に用い
られる反射型の液晶に装置関し、特に均一な表示輝度を
得るものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶にて光学表示を行う方法
については種々提案されている。その一例としては、印
加電圧―透過率曲線に従って各画素への印加電圧を制御
し、所望のレベルの輝度を得る方法である。これは、T
N液晶を用いたアクティブマトリクスLCDの階調制御
方式として良く知られている。
【0003】ところで、最近、反射型の液晶装置を携帯
端末やペーパー感覚のディスプレイ等へ応用しようとす
る動きが特に目立つが、このような反射型の液晶装置の
場合は、バックライトを用いないため如何に良好な明る
さとコントラストを上げるかが問題となる。なお、通常
のTNやSTN液晶を用いた液晶装置は、2枚の偏光部
材が必要なため光量の損失が多く、良好な明るさとコン
トラストの点で問題があった。
【0004】そこで、ECBモードを用い偏光部材を1
枚することにより、光量の損失の少ない液晶装置を実現
しょうとする試みが発表されている(中村他:第18回
液晶討論会予稿集3D1l0,288(l992))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の液晶装置においては、液晶パネルの表面に反射板
を設け、その反射板としてAlの鏡面反射ミラーを使用
しているため、表示面に鏡面反射ミラーにより外界が写
り込んでしまうため、外部の光源と違う方向に対しては
適正な表面輝度が得られない。そして、このことは、あ
らゆる方向、位置で使用しようとも常に均一な表示輝度
が必要な携帯型には致命的な欠点となるという問題点が
あった。また、卓上型としても常に適正な位置の拡散型
の面積照明光源が必要となるという問題点があった。
【0006】なお、このような欠点を補うため、例えば
観察側基板表面に拡散板を貼るという方法も提案されて
いるが、その場合は反射の後、偏光部材を通って変調さ
れた光が再度その拡散板を通過するため、今度は拡散板
により画像がぼやけるという結果になる。つまり、白の
表示画質を鏡面のような金属質の物から白い紙にするた
めには拡散板の拡散性を大きくした方がよいが、その場
合文字や絵の画像がボケてしまうと言う他の問題点が生
じる。
【0007】本発明は、このような問題点を解決するた
めになされたものであり、外界が写り込まずに明るく良
好な表示が可能な液晶装置を提供することを第1の目的
とするものである。また、本発明は、非常に簡単な構成
で、あらゆる方向、位置で使用しようとも常に均一な表
示輝度が実現できる液晶装置を提供することを第2の目
的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、対向する一対
の基板にて液晶を挟持すると共に、前記液晶に対して走
査信号及び情報信号を印加して該液晶を駆動する液晶パ
ネルを備えた液晶装置において、前記液晶パネルの背面
側の基板に設けられ、前記走査信号を液晶に印加する複
数の走査電極と、前記液晶パネルの表面側の基板に設け
られ、前記情報信号を液晶に印加する複数の透明な情報
電極と、前記表面側の基板に設けられた偏光部材とを備
え、前記走査電極が金属の反射性且つ光拡散性表面を有
し、該表面側の基板から入射した光を該表面にて反射さ
せるとともに、前記液晶パネルを保持する為の筐体と、
該筐体に対して開閉可能に設けられた蓋と、を有し、該
蓋を、少なくとも該蓋の表面から入射した外光を透過拡
散させるよう透過型の拡散板にて形成したことを特徴と
するものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】また本発明は、前記蓋を回動可能に保持す
ると共に、開かれた場合には該蓋を前記液晶パネルに対
して鋭角的な開度に保持する保持手段を有することを特
徴とするものである。
【0013】
【0014】また本発明のように、液晶パネルの背面側
の基板に走査信号を液晶に印加する複数の走査電極を、
また液晶パネルの表面側の基板に情報信号を液晶に印加
する複数の透明な情報電極及び偏光部材をそれぞれ設け
ると共に、走査電極が金属の反射性且つ光拡散性表面を
有するようにすることにより、表面側の基板から入射し
た光を表面にて反射させるようにする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明する。
【0016】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る
液晶装置の概観図であり、同図において、1は次世代高
機能モバイル情報端末としての6型反射型の液晶装置、
2は画像表示用の液晶パネル、3は液晶パネル2が組み
込まれている筐体部、4は一端が筐体部3に軸支された
開閉可能な蓋である。
【0017】ここで、この蓋4は半透明の樹脂等、本実
施の形態においては半透明の白濁したプラスチックによ
り成形された透過型の拡散板にて形成されると共に、液
晶装置1を使用しないときは閉じられて液晶パネル2を
保護する一方、使用時、開かれて拡散性面積光源とし
て、後述するように透過してきた外光を均一に拡散させ
て液晶パネル2に入射させるものである。また、液晶パ
ネル2は、図2に示すように84μm角で、1024本
の情報電極と768本の走査電極により1024×76
8の画素2aからなる画面を持つ。
【0018】一方、図3は液晶パネル2の断面の一部を
模式的に示す図であり、図4は図3に示した断面と直交
する方向の断面の一部を模式的に示す図である。
【0019】図3,4において、5a,5bはガラス基
板、6は液晶パネル2の背面側のガラス基板(以下背面
側基板という)5a上に形成された走査電極、7は液晶
パネル2の観察側(図3において人の目が描かれている
側)の基板(以下観察側基板という)5bに形成された
情報電極、8a,8bは走査電極6及び情報電極7の表
面に形成された配向膜、9a、9bは両基板5a,5b
のギャップ調整用に配されたギャップ調整手段である。
このうち、9aは、ギャップが狭くなることを規制する
1.42μm径球状粒子からなるスペーサ、9bは、ギ
ャップが拡くなることを規制する熱硬化型又は紫外線硬
化型の硬化した接着剤である、10は両基板5a,5b
により挟持された強誘電性液晶である。
【0020】ところで、われわれの実験によると、強誘
電性液晶10を駆動する場合、走査電極6の方が情報電
極7に比べて負荷が大きいため、駆動電圧波形(走査信
号波形)の歪みがひどい。そして、このように駆動電圧
波形の歪みが大きい場合には、液晶10の正常なスイッ
チングができず、いわゆる駆動マージンが減少すること
から、駆動電圧波形の歪みを生じさせないよう走査電極
6の配線抵抗を低くする必要がある。
【0021】そこで、走査電極6の配線抵抗を低くする
ために走査電極6を金属、本実施の形態においては、A
l(アルミニウム)にて形成するようにしている。ここ
で、このAlにて形成された走査電極6は、Al成膜、
ホトレジスト塗布、パターン露光、ホトレジスト現像、
Alエッチング除法という一連のフォトリソグラフィー
工程にて、ほぼ画素2aと同じ幅となるように分離され
たストライプパターンからなる。なお、このように走査
電極6を金属にて形成することにより、低抵抗化を図る
ことができると共に、走査電極6の表面を反射性且つ拡
散性の表面として用いることができるようにしている。
【0022】一方、情報電極7は電気的な負荷が小さい
ため波形の歪みが小さく、このため情報電極7を酸化イ
ンジウム錫(ITO)のほか、酸化錫、酸化インジウム
等の材料にて形成された透明電極とすることができる。
ここで、このITO等により形成された情報電極7はス
トライプパターンに分割されると共に、走査電極6と直
交するようになっている。なお、このように情報電極7
を透明電極とすると共に、この情報電極7を観察側基板
5bに形成することにより、全画面にわたり開口率の高
い高品位な表示を実現することが可能となる。
【0023】ところで、液晶パネル2を製造する際は、
まず2つの基板2a,2bの間にエタノールの溶媒に分
散されたスペーサ9aを100〜700個/mm2 の密
度で散布した状態で、かつ両基板2a,2bを接着固定
するための上下基板接着用の粒子(トレパール東レ社
製)を散布した状態で2つの基板2a,2bを組み合わ
せ、この後硬化した接着剤9b及びスペーサ9aで保持
された間隙(1.42μm)に強誘電性液晶10を注入
するようにしている。なお、この液晶10は注入後、配
向処理された配向膜8a,8bにより表面安定型強誘電
液晶素子の構造となる。
【0024】ここで、本実施の形態では、強誘電性液晶
を複屈折モードで用いるようにしているが、この強誘電
性液晶としては自発分極を持ち、外部電界によってスイ
ッチング可能な液晶であれば良く、特にカイラルスメク
チック液晶や、強誘電性を示す液晶として好ましくはフ
ルオロカーボン末端鎖(部分)及び炭化水素鎖(部分)
からなり、両末端鎖(部分)が中心核によって結合され
た構造であって、スメクチック中間相または潜在的なス
メクチック中間相を有するフッ素含有液晶性化合物を少
なくとも1種を含有するカイラルスメクチック液晶組成
物を用いるようにする。
【0025】なお、図5は、本実施の形態で使用するに
好適な液晶材料の成分構造式と組成比を示す図であり、
この組成物における屈折率異方性は20℃〜40℃で、
約0.1であった。したがって、液晶層の厚みtを約
1.4μmに設定すれば、液晶層のレタデーションの値
を0.14μmと可視光の波長の1/4の領域の値に設
定することができる。
【0026】一方、図3,4において、11は観測側基
板5bの表面に貼られた偏光部材である偏光フィルムで
あり、蓋3からの入射光12は、この偏光フィルム11
により偏光され液晶10に入射するようになっている。
【0027】ここで、この液晶層の厚みtは上限を2μ
mとし、既述したように液晶層が略一軸性配向状態をも
ったときの液晶層のレタデーションの値が可視光波長の
1/4の範囲に入るように構成されているため、人射光
12が走査電極6で反射され、再度液晶10を通過した
ときはレタデーションの値は可視光波長の1/2になる
ようになっている。その結果、反射光が再度偏光フィル
ム11を通過すると、書き込み情報に応じた画像が観察
者に見えるようになる。
【0028】ところで、透過型の拡散板で形成された蓋
4は、図6で示すように太陽16や室内の照明光源17
からの光である外光を拡散させながら透過させることに
より拡散性面積光源として動作する一方、この蓋4は鋭
角的に開かれると共に、開かれた際には保持手段である
ホルダー18により、観察者が液晶パネル2全体を良好
に観察できる状態に保持されるようになっている。
【0029】ここで、このホルダー18により蓋4が保
持されると、太陽16や室内の照明光源17からの光1
3,14は蓋4の表面4aから入射した後、蓋4を透過
して拡散光13a,14aとなり、また一部観察者側か
ら入射する他の外光15は蓋4の裏面4bにて反射して
拡散光となるため、光源の位置によらず非常に効率良く
液晶パネル2に入射することができる。
【0030】さらに、拡散性面積光源としての蓋4から
液晶パネル2に入る拡散光12は、偏光フィルム11及
び液晶10を透過した後、走査電極6により反射し且つ
拡散され、この後液晶10及び偏光フィルム11を透過
して出射するが、この出射の際、観察者の目に均一に入
る光となる。
【0031】このように、走査電極6の表面を拡散性及
び反射性をもつ金属表面とすることにより、観察者は、
あらゆる方向、位置で使用しようとも液晶パネル面内で
明暗のムラない、外界が写り込まない均一な表示輝度が
得られるようになり、紙のような感覚の画質を得られ
る。また、蓋4によって太陽のような特異的な輝度の光
源12が直接液晶パネル表面で反射して観察者の目には
入ることもなく、良好に表示された見やすい画面を得る
ことができる。さらに、この効果は、一つの偏光フィル
ム11を備えると共に、情報電極7を透明電極とし、走
査電極6を金属にて形成するという非常に簡単な構成に
より奏されるものであり、コストを安くすることができ
る。
【0032】なお、本実施の形態では液晶として表面安
定型の強誘電性液晶を用いているためTN、STNを用
いた場合に比べ、 メモリ性を持つため、特に書き換え頻度が少ない携
帯端末においては低パワー化が可能となる。
【0033】 観測側基板5bの情報電極を透明電極
で、且つ背面側の基板5aの走査電極を反射面を兼用す
る金属電極で構成した単純マトリックスであるため高精
細(例えばVGA対応)化が可能となる。
【0034】 強誘電性液晶ゆえにスクロールを早
く、また単純な構成ゆえに(マスク2枚)コストを安く
することが可能となる。といった特徴がある。
【0035】ところで、これまでの説明では、一般には
観察者側から入射する光15よりは透過光13a,14
aの方が多いため、蓋4として半透明の材料を用いて透
過光/反射光両方を利用する構成であったが、蓋4を反
射型の拡散板にて形成することにより、開かれた蓋4の
裏面から入射した外光を反射拡散させるようにしてもよ
い。その場合、外側からの入射光は利用できないが材料
選択によっては保護蓋としての機能を高めることができ
る。
【0036】なお、本発明の蓋4に用いられる拡散部材
としては、樹脂バインダー中に、この樹脂と異なる屈折
率を持つ微粒子を分散させたものが好ましく用いられ
る。
【0037】この微粒子としてはMgF2 、CaF2
SiO2 、TiO2 、MgO、SnO2 、ポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリジビニルベンゼン、ポリサルフォ
ン等である。また、ガラスやアクリル板等を粗面化した
ものを拡散部材として用いてもよい。
【0038】次に、このような構成の液晶装置1の駆動
装置の構成について、図7を用いて簡単に説明する。
【0039】本発明に係る液晶装置1においては、同図
に示すように液晶パネル2には走査信号印加回路402
及び情報信号印加回路403が接続されており、これら
の走査信号印加回路402及び情報信号印加回路403
には駆動制御回路404及びグラフィックコントローラ
405が順に接続されている。そして、グラフィックコ
ントローラ405からはデータと走査方式信号とが、駆
動制御回路404を介して走査信号制御回路406及び
情報信号制御回路407へ送信されるようになってい
る。
【0040】このうちのデータは、これらの走査信号制
御回路406及び情報信号制御回路407によって走査
線アドレスデータと表示データに変換され、また他方の
走査方式信号は、そのまま走査信号印加回路402及び
情報信号印加回路403に送られるようになっている。
【0041】さらに、走査信号印加回路402は、走査
線アドレスデータによって決まる走査電極に走査方式信
号によって決まる波形の走査信号を印加し、また情報信
号印加回路403は、表示データによって送られる白又
は黒の表示内容と走査方式信号の2つによって決まる波
形の情報信号を印加するように構成されている。
【0042】図8は本発明に用いられる反射性且つ光拡
散性の電極を形成するに好適な薄膜形成装置を示す図で
ある。
【0043】同図において、20は、内部に基板5aと
スパッタリングターゲット23とを収容するチャンバ
ー、21はチャンバー20内を排気する為の排気口であ
り、真空ポンプ27、バルブ28及び排気管29を含む
排気手段に接続されている。22は、チャンバー20内
にスパッタリング用の処理ガスを供給する為の供給口で
あり、ガスボンベ30、40、バルブ31、33、4
1、43、マスフローコントローラ32、42及び供給
管34を含むガス供給手段に接続されている。
【0044】26は、基板5aを支持する基板支持体で
あり、不図示のヒータ及び冷却器と温度センサにより、
基板5aの温度調整を行うことができる。25は、ター
ゲット23を下向きに支持するターゲット支持体であ
り、不図示の冷却器を有している。24は、マグネトロ
ンスパッタを行う為の磁石である。35は、ターゲット
23と基板5aとの間にグロー放電を生じさせ、処理ガ
スのプラズマを生成する為の電力を供給するDC又はR
F電源である。
【0045】そして、このような構成の薄膜形成装置に
おける薄膜形成方法は以下のとおりである。
【0046】まず、ターゲット支持体25にAlやAg
からなる金属ターゲット23を取り付けると共に、基板
支持体26に基板5aを取り付ける。次に、チャンバー
20内を排気手段により1.0×10-3Pa〜2.0×
10-4Pa程度の圧力となるよう排気する。この後、ガ
ス供給手段によりAr、He、Ne、Xeのようなスパ
ッタリングガスとともに微量のO2 、CH4 やCO2
チャンバー20内に供給し、チャンバー内を0.1Pa
〜2.0Pa程度の圧力とする。
【0047】次に、電源35より電力を投入し、ターゲ
ット23と基板5aとの間にグロー放電を生じさせる。
この時の基板温度は100℃〜250℃程度である。な
お、本発明においては、形成される金属薄膜の表面が高
低差の平均が0.2μm以下0.1μm以上であるよう
な凹凸を有するように添加ガス(O2 やCO2 )の供給
量を調整する。
【0048】図9は、電源電圧としてDC3.0KW電
圧を用い、基板温度を200℃、Arガスを供給してチ
ャンバー内圧力を0.4Paとした基本条件下におい
て、二酸化炭素(CO2 )の添加量を変えて0.5μm
厚のAl膜を形成し、そのAl膜の波長550nm光に
対する強面反射率と、凹凸平均高低差とを測定した総量
を示している。
【0049】これから明らかなように、二酸化炭素(C
2 )の添加量を増加させるにつれ、表面粗さが増加
し、これに伴い鏡面反射率は低下している。これは、A
l表面の凹凸が激しくなるにつれ、入射光が散乱される
ようになり、鏡面反射成分が低下するためである。
【0050】そして、このように酸素及び炭素を添加し
たスパッタリングにより膜の鏡面反射率を低下させるこ
とにより、通常“白濁”と呼ばれる、紙の拡散特性に近
づけることができる。なお、金属表面に結晶粒を成長さ
せて凹凸を形成することにより鏡面反射率を低下させる
こともできるが、単なる結晶粒の成長による鏡面反射率
の低下の場合は“白濁”と違って黒っぽくなり適当でな
い。
【0051】本発明者らの実験では、明るさとコントラ
スト及び視野角特性等の観点で鏡面反射率が80%以下
の膜が拡散反射面としては好ましいと判断された。な
お、このようにした場合でも、偏光性の消失は殆ど無視
できた。
【0052】そして、このような反射特性を有する拡散
性反射面となる走査電極6を用いた場合、太陽16や照
明光源17(図6参照)から液晶10を通って走査電極
6の表面に入射する光は拡散光となるが、反射面と拡散
面が完全に一致しているため拡散反射像のボケが無い。
また、酸素添加により表面に凹凸を形成して拡散性を付
加した場合は、拡散性面積光源として観察者の目に均一
に入る光となるため、観察者はパネル部面内で明暗のム
ラなく紙のような感覚の画質を得られる。
【0053】以上、電極としてAlを用いる場合につい
て述べたが、これ以外にAl−Si、Al−Ti、Al
−Cu、Al−Si−Ti、Al−Si−Cu、Al−
TI−Cu等のアルミニウムアロイを用いることができ
る。
【0054】この場合もO2 、CH4 、CO2 等を導入
して反応性スパッタリングを行い、酸素及び又は炭素を
含む金属膜を光拡散性反射電極として用いることが望ま
しい。
【0055】更には、本発明の光拡散性反射性電極とし
てはAlに代えてAgを用いることができる。
【0056】図10は、スパッタリングにおける投入電
力をDC電圧2.0KW、基板温度200℃、チャンバ
内圧力0.4Pa、CO2 添加量3000ppmとした
時のAlとAgとの鏡面反射率を比較した結果を示して
いる。この結果から明らかなように銀(Ag)の方が反
射率が高いので、鏡面反射率が80%以下になるように
CO2 等の添加量を増やして反応性スパッタリングを行
うことが望ましい。なお、スパッタリングによる銀(A
g)膜の成膜法については、特開平6−77510又は
USP5,401,330を参照されたい。
【0057】更に本発明に用いられる金属電極のうち、
酸素及び炭素を含有させたAl又はAgを主成分とする
金属は、ウエットエッチングした時のエッチングのし易
さ、パターンの断面形状において優れており、1μm〜
500μm程の線幅のパターンが容易に且つ望まれる断
面形状をもって得られる。
【0058】また、本発明に用いられる金属電極は、そ
の上に形成される無機又は有機の絶縁性配向膜との密着
性も優れている。
【0059】スパッタリングターゲットとしてAlター
ゲットを用い、CO2 の添加量を変えてAlを成膜し、
4種のサンプルを用意した。
【0060】サンプル1はCO2 添加なし、サンプル2
はCO2 を3000ppm添加、サンプル3はCO2
5000ppm添加、サンプル4はCO2 を14000
ppm添加して成膜したものである。
【0061】その結果を表1に示す。
【0062】
【表1】 なお、同表において、エッチング残渣は、5μmのAl
のラインアンドスペースパターンを硝酸と燐酸と水と酢
酸によるウエットエッチングによって作製した時のスペ
ースにAl残渣がみられるか否かで評価した。
【0063】また膜はがれは、上述したラインアンドス
ペースパターンの上に酸化シリコン膜を成膜し、熱処理
した時の酸化シリコン膜の様子を観察して評価した。
【0064】なお、銀をパターニングする場合には、ウ
エットエッチングの時のエッチャントとして硝酸と燐酸
とに代えて (1)硫酸+酸化クロム (2)硫酸+重クロム酸カリ+塩化ナトリウム (3)水酸化アンモニウム+過酸化水素水 (4)塩化第二鉄のいずれかを用いればよい。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、太
陽光や人工光源からの照明光は液晶を通って走査電極の
表面に入射し、この光は比較的高反射率で反射されて非
常に効率がよく、また画像のボケが無い。また、反射性
電極の表面に凹凸が形成され、拡散性が付加されている
ので、照明光は観察者の目に均一に入る光となり、観察
者はパネル部面内で明暗のムラなく紙のような感覚で画
像を認識できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液晶装置の概観図。
【図2】上記液晶装置の液晶パネルの構成を示す図。
【図3】上記液晶パネルの断面の一部を模式的に示す
図。
【図4】上記液晶パネルの断面と直交する方向の断面の
一部を模式的に示す図。
【図5】本発明に用いられる液晶材料の成分構造式と組
成比を示す図。
【図6】前記液晶装置の蓋の表面から入射した外光が蓋
を透過して拡散光となり、また観察者側から入射する外
光は反射して拡散光となる様子を示す図。
【図7】本発明による液晶パネルの駆動装置を示す図。
【図8】本発明に用いられる電極用金属膜の薄膜形成装
置を示す図。
【図9】金属膜の表面粗さと鏡面反射率のCO2 添加濃
度依存性を示す図。
【図10】AlとAgの鏡面反射率を比較した図。
【符号の説明】
1 液晶装置 2 液晶パネル 2a 画素 3 筐体部 4 蓋 5a,5b ガラス基板 6 走査電極 7 情報電極 10 強誘電性液晶 11 偏光フィルム 16 太陽 17 照明光源 18 ホルダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/13 - 1/141 G09F 9/00 333 G09F 9/30 334

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する一対の基板にて液晶を挟持する
    と共に、前記液晶に対して走査信号及び情報信号を印加
    して該液晶を駆動する液晶パネルを備えた液晶装置にお
    いて、 前記液晶パネルの背面側の基板に設けられ、前記走査信
    号を液晶に印加する複数の走査電極と、 前記液晶パネルの表面側の基板に設けられ、前記情報信
    号を液晶に印加する複数の透明な情報電極と、前記表面
    側の基板に設けられた偏光部材とを備え、 前記走査電極が金属の反射性且つ光拡散性表面を有し、
    該表面側の基板から入射した光を該表面にて反射させる
    とともに、 前記液晶パネルを保持する為の筐体と、 該筐体に対して開閉可能に設けられた蓋と、を有し、 該蓋を、少なくとも該蓋の表面から入射した外光を透過
    拡散させるよう透過型の拡散板にて形成したことを特徴
    とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記蓋を回動可能に保持すると共に、開
    かれた場合には該蓋を前記液晶パネルに対して鋭角的な
    開度に保持する保持手段を有することを特徴とする請求
    項1記載の液晶装置。
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