JP3481218B2 - 光造形物の処理方法 - Google Patents

光造形物の処理方法

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JP3481218B2
JP3481218B2 JP2001155102A JP2001155102A JP3481218B2 JP 3481218 B2 JP3481218 B2 JP 3481218B2 JP 2001155102 A JP2001155102 A JP 2001155102A JP 2001155102 A JP2001155102 A JP 2001155102A JP 3481218 B2 JP3481218 B2 JP 3481218B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュター等で
設計された三次元モデルを多数層に平行スライスした際
の各断面パターンに基づいて、光硬化型樹脂をレーザー
光で硬化させて各パターンの硬化樹脂薄層を一層ずつ形
成して積層して得られる、光造形物の処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、航空機、建造物、家電、
玩具、日用雑貨等の各種工業分野における製品や部品の
設計・デザイン構成をCAD、CAM、CAE等のコン
ピュター上で行う手法が広く普及している。そして、こ
のようなコンピュター上で設計された三次元モデルを具
象化した実体モデルを製作する最新の手段として、例え
ば図4(イ)に示すようにコンピュター1上で設計モデ
ルM0 を、同図(ロ)の如く厚さ数十〜数百μm単位の
多数層P1 〜Pn に平行スライスした時の各断面パター
ンのデータを作成し、このデータから直接に立体樹脂モ
デルを得る光造形法が登場している。
【0003】この光造形法では、図4(ハ)に示すよう
に、紫外線硬化型樹脂の如き光硬化性樹脂の溶液2を収
容した造形槽3内に昇降台座4を有すると共に、この造
形槽3上にXYスキャナー付きのレーザヘッド5が配置
した光造形装置を用いる。そして、レーザヘッド5の制
御装置(図示省略)に前記断面パターンのデータを入力
し、まず昇降台座4の上面位置を溶液2の液面2aから
前記スライスした多数層の一層分の厚みに相当する深さ
に設定し、液面2aにレーザービーム5aを最下層P1
の断面パターンに沿って照射することにより、該断面パ
ターン形状の硬化樹脂層P1 を形成し、次いで昇降台座
4を前記一層分の厚みだけ下降させてリコーター(図示
省略)にて層P1 上に溶液2を行き渡らせ、同様にレー
ザービーム5aを照射して硬化樹脂層P2 を層P1 上に
形成し、以降同様にして順次一層分ずつ昇降台座4を下
降させてレーザービーム5aを照射することにより、最
終的に硬化樹脂層P1 〜Pn が積層一体化した樹脂モデ
ルMを作製する。
【0004】しかして、このような光造形にて形成され
た樹脂モデルMは、一般的に内部にある程度(通常10
%程度)の未反応部分を残しており、完全には硬化して
いないために形態安定性や強度面で問題がある。そこ
で、従来より後処理として、樹脂モデルMの全体に比較
的に弱い光を所要時間照射することにより、未反応部分
を余さず光反応させて完全硬化に至らしめるポストキュ
ア行われている。また、試作品として流体力学的特性等
の特性試験に供したり、部品として機械装置に組み込ん
で実機テストを行う樹脂モデルMでは、光硬化性樹脂の
溶液2中に予め熱硬化性樹脂成分を混入しておき、光造
形して得られた該樹脂モデルMに対し、前記の光照射に
よるポストキュアに加えて加熱によるポストキュアを行
うことにより、含有する熱硬化性樹脂成分を硬化反応さ
せて機械的強度を高める手段も採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
光照射によるポストキュアや加熱によるポストキュアを
行う際、その設置姿勢における樹脂モデルが設置面から
離れた状態で側方へ大きく突出する部分を有する形態で
ある場合、その側方突出部分が処理中に自重によって垂
れるように変形し易く、完全硬化した樹脂モデルMの形
態及び寸法が設計モデルM0 からずれてしまうという問
題を生じていた。とりわけ、側方突出部分が他の器材と
の連結部を構成する実機テスト用モデルにおいては、前
記変形を生じると、連結不能になったり、その連結部が
流体通路をなすものでは該変形に伴う歪みによって流体
の漏れを生じるため、致命的な欠陥となる。
【0006】本発明は、上述の事情に鑑みて、光造形に
て製作した樹脂モデルがポストキュア時の設置姿勢にお
いて設置面から浮いた状態で側方へ大きく突出する部分
を有する形態であっても、設計モデルに対する高い形態
及び寸法精度を備えて完全硬化した樹脂モデルを得るこ
とが可能な光造形物の処理方法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、図面の参照符号を付して示せ
ば、三次元モデルMを多数層P〜Pに平行スライ
スした際の各層を、光硬化性樹脂の溶液2表面へのレー
ザービーム5aの照射による硬化層として順次に積層形
成して得られる光造形物10A,10Bに対し、光照射
によるポストキュアを施す光造形物の処理方法におい
、当該光造形物10A,10Bポストキュア時の
置姿勢設置面Sから離れて側方へ突出する側方突出部
10aに、予め光造形の際に連結用ねじ挿通孔14…を
設け、ポストキュア前に、接合界面に光硬化性樹脂の溶
液を介在させて前記連結用ねじ挿通孔14にナット17
を嵌挿し、部分的光照射で当該光硬化性樹脂を硬化させ
て前記ナット17を連結用ねじ挿通孔14に固着し、ポ
ストキュアの際に、前記光造形物の側方突出部10aに
対し、下端が設置面Sに達する支持具20を前記ナット
17にボルト18を螺挿することによって脱着自在に取
り付け、この支持具20に該側方突出部10aの自重の
一部を支承させることを特徴とするものである。
【0008】 上記構成によれば、光造形物10A,1
0Bのポストキュアの際、側方突出部10aが支持具2
0で支承されるために自重によって垂れるように変形す
ることはなく、光造形品として設計モデルに対する高い
形態及び寸法精度を備えて完全硬化した樹脂モデルが得
られる。また、支持具20は、連結用ねじ挿通孔14…
を利用してねじ止めするから、光造形物10A,10B
に対する着脱操作を容易に行える。しかも、ねじ止めは
ナット17にボルト18を螺挿して行うから、側方突出
部10aに対する支持具20の取り付けが容易になると
共に、その取付状態も安定したものとなる。しかして、
ナット17の固着のための部分的光照射は数秒程度で済
む。
【0009】請求項2の発明は、上記請求項1の光造形
物10A〜10Dの処理方法において、前記光造形物1
0A〜10Dが熱硬化性樹脂成分を含有し、この光造形
物10A〜10Dに加熱によるポストキュアを施すに当
たり、当該光造形物10A〜10Dの前記側方突出部1
0aに前記支持具20を脱着自在に取り付け、この支持
具20に該側方突出部10aの自重の一部を支承させる
構成としている。この場合、加熱によるポストキュアに
おいても、光照射によるポストキュア時と同様に、側方
突出部10aは支持具20で支承されるために自重によ
って垂れるように変形することはなく、光造形品として
設計モデルに対する高い形態及び寸法精度を備えて完全
硬化した高強度の樹脂モデルが得られる。
【0010】
【0011】 請求項の発明は、上記請求項1又は2
の光造形物の処理方法において、前記支持具20は、光
造形物10A,10Bの連結用ねじ挿通孔14にねじ止
めする取付部材21と、この取付部材21に上下方向に
沿う長孔22a,22aを介して高さ調整自在にねじ止
めする支脚部材22とで構成されるものとしている。こ
の構成では、支持具20は、光造形物10A,10Bに
対する取付位置の高さを長孔22a,22aの範囲で調
整できるから、連結用ねじ挿通孔13を有する側方突出
部10aの高さが異なる光造形物に共用可能となる。
【0012】 請求項の発明は、上記請求項1〜3の
いずれかの光造形物の処理方法において、前記側方突出
部10aの少なくとも先端側がパイプ状をなすと共に、
このパイプ状の先端に設けられたフランジ部13aに前
記連結用ねじ挿通孔14を有する構成としている。この
構成では、側方突出部10aは流体通路となるため、特
に流体力学的な特性試験や実機テストに供する樹脂モデ
ルの場合に、該側方突出部10aの先端のフランジ部1
3aには高い寸法精度が要求されるが、やはり支持具2
0によってポストキュア中の変形を防止できる上、該支
持具20の取り付けにフランジ部13aの連結用ねじ挿
通孔14を利用できる。
【0013】
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光造形物の処
理方法について、図面を参照して具体的に説明する。図
1及び図2は第一実施例、図3は第二実施例を示す。
【0015】第一実施例の光造形物10Aは、6気筒自
動車エンジン用エアインテークサージタンクの性能テス
ト用モデルであり、既述のように、コンピュター上で設
計した三次元モデルを多数層に平行スライスした時の各
断面パターンのデータを作成し、このデータを光造形装
置のコントローラに入力し、常法に従って紫外線硬化型
樹脂溶液と紫外線レーザヘッドを用いて光造形して得ら
れたものである。
【0016】この光造形物10Aでは、エアインテーク
サージタンクとして、水平方向に長いタンク部11の片
側の側縁に、逆L字形に曲折した6本の分配管12…が
並列状態で相互に一体化した状態で連通接続すると共
に、該タンク部11の反対側の側縁中央に、角形フラン
ジ部13aを有する短筒状の吸気口13が一体に突設さ
れており、分配管12…の端面と吸気口13の端面とが
互いに直角をなすように設定されている。吸気口13の
角形フランジ部13aの四隅には連結用ねじ挿通孔14
を有すると共に、分配管12…群の端面側には幅方向両
側部にボルト孔15a付きの取付片15が形成され、ま
た分配管12…群の幅方向中間部2ヵ所の隣接する分配
管12,12の狭間に沿うボルト挿通孔16を備えてい
る。
【0017】このような光造形物10Aは、光造形によ
って作製された段階では紫外線硬化型樹脂が完全には硬
化しておらず、そのままでは形態安定性や強度面で問題
があるため、全体に弱い紫外線を所要時間照射し、内部
に残留する未反応部分を余さず光反応させて完全硬化に
至らしめるポストキュアを施す必要がある。しかして、
性能テストの際には試験装置の給排気部に対して吸気口
13と分配管12…を各々連結してエアーを通すことに
なるから、ポストキュアにおいては、その連結に支障を
生じないように全体的な変形を阻止すると共に、これら
連結部からのエアー漏れを防止する上で分配管12…及
び吸気口13の端面の平面性を確保せねばならない。
【0018】そこで、光造形物10Aにポストキュアを
施すに際し、図1及び図2に示すように、吸気口13の
端面に支持具20を固着し、この支持具20によって吸
気口13側を受け支えることにより、分配管12…の端
面が設置面Sに面接触する設置姿勢とし、この状態で複
数箇所に配置した水銀ランプ等の紫外線光源(図示省
略)からの紫外線を該光造形物10Aの全体に一定時間
照射する。
【0019】この支持具30は、光造形物10Aの吸気
口13の端面にねじ止めする金属板製の取付部材21
と、この取付部材21に上下方向に沿う2本の長孔22
a,22aを介して高さ調整自在にねじ止めする金属製
で縦帯板状の支脚部材22とで構成されている。しかし
て、取付部材21は、吸気口13の角形フランジ部13
aに対応する方形部21aの四隅に、該角形フランジ部
13aの四隅の各連結用ねじ挿通孔14に合致する透孔
23…を有すると共に、方形部21aから下方へ延出す
る舌片部21bの前面に、支脚部材22の長孔22a,
22aに対応した一対のボルト24,24が植設されて
いる。
【0020】一方、光造形物10Aの角形フランジ部1
3aの各連結用ねじ挿通孔14には、図2に示すよう
に、ポストキュアを行う前に、予め金属製のナット17
が固着されている。このナット17は、その外周面又は
連結用ねじ挿通孔14の内周面に、光造形に用いたもの
と同様の紫外線硬化型樹脂溶液を塗着した状態で、該ね
じ挿通孔14に挿嵌し、この部分に紫外線を照射して界
面の紫外線硬化型樹脂を硬化させることにより、角形フ
ランジ部13aに固着一体化させたものである。なお、
このナット17の固着に要する紫外線の照射は数秒程度
でよいから、作業面での負担は少ない。
【0021】支持具20の取り付けは、まず取付部材2
1を光造形物10Aの角形フランジ部13aに当てが
い、その各透孔23を通してボルト18を連結用ねじ挿
通孔14のナット17に螺挿して締め付けることによ
り、該取付部材21を角形フランジ部12aに固着す
る。次に、取付部材21のボルト24,24を支脚部材
22の長孔22a,22aに嵌入させ、該支脚部材22
の下端が設置面Sに届く状態で、光造形物10Aの分配
管12…の端面が設置面Sに面接触するように吸気口1
3側の高さを設定し、この位置でボルト24,24にワ
ッシャ25を介してナット26,26を螺着して締め付
けることにより、支脚部材22を取付部材21に固着す
ればよい。
【0022】ポストキュアにおける紫外線の照射時間
は、光造形物10Aの大きさと紫外線の照射強度によっ
て異なるが、一般に数十分から数時間である。
【0023】上記のポストキュアにおいては、光造形物
10Aの設置姿勢において設置面Sから離れて側方へ突
出する側方突出部10a、つまりタンク部11と分配管
12…の基部側半部12aと吸気口13とからなる部分
は、分配管12…の先端側半部12bと支持具20とに
よって両側で支えられるため、処理中に自重によって垂
れるように変形することはなく、このポストキュア処理
によって残留していた紫外線硬化型樹脂の未反応部分が
余さず光反応することにより、光造形品として設計モデ
ルに対する高い形態及び寸法精度を備えて完全硬化した
樹脂モデルが得られる。
【0024】しかして、特に上記実施例では、分配管1
2…側の端面を設置面Sに面接触させると共に、支持具
20を吸気口13の角形フランジ部12aの端面四隅に
ねじ止めした設置姿勢でポストキュアを行うため、これ
ら端面の処理中における歪みも防止されて平面性が確保
される。従って、この光造形物10Aを用いて性能試験
等を行う際、吸気口13側及び分配管12…側を試験機
の吸排気部に対して漏れを生じない状態に確実に連結で
き、信頼性の高い試験データを得ることが可能となる。
【0025】これに対し、支持具20を用いず、光造形
物10Aを吸気口13側の端部と分配管12…側の端部
とが直接に設置面Sに接する設置状態、つまり両側の端
面が設置面に対して斜めになって端縁部でのみ設置面S
に接する状態としてポストキュアを行った場合は、これ
ら端面の処理中における歪みが避けられない。また、支
持具20に代えて、例えば上端にV字形のような窪みが
ある単なる倒れ止め用の受け具にて吸気口13側を支持
し、該光造形物10Aを前記実施例と同様の設置姿勢と
してポストキュアを行った場合は、やはり吸気口13の
角形フランジ部12aに歪みを生じ易い。そして、これ
らの歪みによって端面の平面性が損なわれるため、性能
試験においては試験機の吸排気部に対する連結が困難に
なり、例え連結できても連結部からの漏れを生じるか
ら、試験データは信頼性の乏しいものとなる。
【0026】更に前記実施例の構成では、光造形物10
Aの角形フランジ部12aの四隅にある連結用ねじ挿通
孔14を利用して支持具20をねじ止めするから、該支
持具20の取り付けが容易であると共に、その取付状態
も安定したものとなる。しかも、連結用ねじ挿通孔14
には予めナット17を嵌着しているから、支持具20の
ねじ止め操作ならびに処理後の取外し操作をより容易に
確実に行える上、性能試験等において吸気口13を試験
機の給気部に確実にねじ止め連結できるという利点があ
る。
【0027】一方、実機テスト等に供する光造形物で
は、そのテスト条件に耐える機械的強度を付与する目的
で、光造形に使用する紫外線(光)硬化型樹脂の溶液中
に副成分として熱硬化型樹脂成分を溶存させておき、得
られた光造形物に加熱によるポストキュアを施すことに
より、混在する熱硬化型樹脂成分を熱によって架橋硬化
反応させ、熱硬化型樹脂による強度向上を図ることが行
われている。しかして、このように熱硬化型樹脂成分を
混在させた光造形物においても、光造形にて製作した段
階では、その未硬化の樹脂成分を含むために紫外線
(光)硬化型樹脂単独の光造形物よりも更に強度に乏し
く変形し易い状態にある。従って、加熱によるポストキ
ュアを行う際、設置姿勢において設置面Sから離れて側
方へ大きく突出する側方突出部があれば、硬化が完了す
るまでの間に該側方突出部が自重によって変形する。
【0028】そこで、本発明においては、このような加
熱によるポストキュアを行う際にも、前記の紫外線
(光)照射によるポストキュア時と同様に、光造形物の
側方突出部に支持具を脱着自在に取り付け、この支持具
に該側方突出部の自重の一部を支承させた状態で処理を
行う。例えば、前記実施例の光造形物10Aでは、図1
及び図2に示す紫外線照射によるポストキュアの場合と
全く同様に、吸気口13の端面に支持具20を固着して
処理を行えばよい。
【0029】なお、このような熱硬化型樹脂成分を混在
させた光造形物についても、光造形にて製作した段階で
は紫外線硬化型樹脂の未反応部分を残しているから、既
述の紫外線照射によるポストキュアも行う必要がある。
しかして、この紫外線照射によるポストキュアと加熱に
よるポストキュアの順序は、どららが先であってもよい
し、両処理を同時つまり紫外線照射と加熱を同時に行う
ことも可能である。
【0030】図3は、6気筒自動車エンジン用インテー
クマニホールドを構成する3つの部材の樹脂モデルであ
る光造形物10B,10C,10Dを組付け状態でポス
トキュアを施す第二実施例を示す。この第二実施例で
は、上位のエアーインテークサージタンクをなす光造形
物10Bの各分配管12の端部と、中間部材をなす光造
形物10Cの各中継管部31とが突き合わせた相互の接
続フランジ部12c,31aにおいて貫通するボルト3
2とナット33を介して連結されると共に、この中間の
光造形物10Cと、下位のシリンダヘッド接続部をなす
光造形物10Dとが左右両側において長尺の連結ボルト
34を介して連結されている。
【0031】しかして、この設置状態では、上位の光造
形物Bにおけるタンク部11と分配管12…の基部側半
部12aと吸気口13とからなる部分は、設置姿勢にお
いて設置面Sから離れて側方へ突出する側方突出部10
aとなっているが、前記第一実施例に用いたものと同じ
支持具20を第一実施例と同様にして吸気口13の角形
フランジ部12aにねじ止め固着し、該側方突出部10
aの自重の一部を支承している。この第二実施例の場
合、吸気口13の位置は第一実施例のときよりも高位に
あるが、支脚部材22が長孔22a,22aによって取
付部材21に対する固定位置を上下に調整できるため、
支脚部材22の下端は設置面Sに届いている。
【0032】一方、下位の光造形物10Dの下方へ突き
出す接続管35…は、シリンダヘッドの配置に対応して
前向きに曲折したもの(3本)と後向きに曲折したもの
(3本)とがあり、いずれにしても設置面Sに対して端
面が傾斜しているため、そのままでは設置面Sに接した
端縁部のみに荷重がかかり、ポストキュア中に端面の歪
みを生じることになる。そこで、図示のように接続管3
5…の端面と設置面Sとの間に断面V字形の受け板3
6,36を介在させ、端面全体で荷重を受けるようにし
ている。
【0033】このような設置状態で紫外線照射もしくは
加熱によるポストキュアを行えば、前記第一実施例の場
合と同様に、側方突出部10aが処理中に自重によって
垂れるように変形することはなく、光造形品として設計
モデルに対する高い形態及び寸法精度を備えて完全硬化
した樹脂モデルが得られる。しかして、光造形物10B
の吸気口13の角形フランジ部13aの端面と、光造形
物10Dの接続管34…の端面の平面性も確保されるか
ら、この光造形物10B〜10Dを組み付けたマニホー
ルドを用いて性能試験等を行う際、試験機の吸排気部に
対して漏れを生じない状態に確実に連結でき、信頼性の
高い試験データが得られる。
【0034】 上記実施例1及び2では光造形物が自動
車エンジン用マニホールドの構成部品の樹脂モデルであ
る場合を例示したが、本発明の処理方法は、光照射なら
びに加熱によるポストキュアを施す際の設置姿勢におい
て、設置面Sから離れて側方へ突出する側方突出部10
aを生じる形態の光造形物全般に適用できる。とりわけ
側方突出部10aの少なくとも先端側がパイプ状で、先
端に連結用ねじ挿通孔を有するフランジ部を備える物品
の光造形物については、その連結用ねじ挿通孔を利用し
て保持具20をねじ止めすることによって端面の平面性
を確保できるため、本発明の適用効果が大きい
【0035】保持具20については、実施例では取付部
材21と長孔22a,22aを有する支脚部材22とで
高さ調整可能にしたものを例示したが、光造形物の種類
毎に対応した1部材からなるものも使用可能である。ま
た、取付部材21と支脚部材22との2部材の構成で
は、高さ調整のための長孔を取付部材21側に設けても
よい。
【0036】なお、ポストキュアにおける光造形物の設
置姿勢は、光造形時の姿勢とは直接的には関係しない。
しかして、光造形物の形状によっては光造形途上での各
部の受け支えのためにサポート部を一体形成する場合が
あるが、このサポート部はポストキュアの前に除去して
おいてもよいし、ポストキュア後に除去するようにして
もよい。また、光造形には一般的に紫外線硬化型樹脂が
使用されるが、可視光域での硬化反応を行う樹脂にて光
造形した場合はポストキュアにおいても可視光を照射す
ることになる。
【0037】
【発明の効果】請求項1の発明に係る光造形物の処理方
法によれば、光造形物に対して光照射によるポストキュ
アを施すに当たり、当該光造形物が設置姿勢において設
置面から離れて側方へ突出する側方突出部を有する場合
に、該側方突出部に下端が設置面に達する支持具を脱着
自在に取り付けて自重の一部を支承させることから、処
理中の該側方突出部の自重による変形を防止でき、設計
モデルに対する高い形態及び寸法精度を備えて完全硬化
した樹脂モデルが得られる。また、前記支持具は、光造
形物設けた連結用ねじ挿通孔を利用してねじ止めするこ
とから、光造形物に対する支持具の着脱操作を容易に行
えるという利点がある。しかも、光造形物の前記連結用
ねじ挿通孔には、部分的光照射による光硬化型樹脂の硬
化を利用して予めナットを固着し、このナットにボルト
を螺挿して前記ねじ止めを行うから、側方突出部に対す
る支持具の取り付けが容易になると共に、その取付状態
が安定したものになるという利点がある。
【0038】請求項2の発明によれば、上記の光造形物
の処理方法において、硬化性樹脂成分を含有する光造形
物に加熱によるポストキュアを施すに当たり、当該光造
形物の前記側方突出部に取り付けた支持具で自重の一部
を支承させることから、加熱によるポストキュアにおい
ても光照射によるポストキュア時と同様に側方突出部の
自重による変形を防止でき、もって光造形品として設計
モデルに対する高い形態及び寸法精度を備えて完全硬化
した高強度の樹脂モデルが得られる。
【0039】
【0040】 請求項の発明によれば、上記の光造形
物の処理方法において、前記支持具が光造形物に対する
取付位置の高さを調整可能であるから、同じ支持具を側
方突出部の高さが異なる光造形物に共用できるという利
点がある。
【0041】 請求項の発明によれば、上記の光造形
物の処理方法において、光造形物の前記側方突出部が流
体通路をなし、その先端に連結用のフランジ部を有する
場合に、該フランジ部の高い寸法精度を確保でき、流体
力学的な特性試験や実機テストに支障なく供し得る樹脂
モデルが得られる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例に係る光造形物の処理方
法を示し、(イ)図は光造形物の設置状態の側面図、
(ロ)図は同正面図である。
【図2】 同第一実施例における光造形物に対する支持
具の取り付けを示す分解斜視図である。
【図3】 同第二実施例に係る光造形物の処理方法にお
ける光造形物の設置状態を示す側面図である。
【図4】 光造形法の基本原理を説明するものであっ
て、(イ)図は設計した三次元モデルの画像を表示した
コンピュターの正面図、(ロ)図は該三次元モデルを上
下多数層に平行スライスする状態を示す模式図、(ハ)
図は光造形装置によに光造形の初期段階を示す概略縦断
側面図、(ニ)図は同光造形の最終段階を示す概略縦断
側面図である。
【符号の説明】
1 コンピュター 2 光硬化性樹脂溶液 2a 液面 3 造形槽 4 昇降台座 5 レーザヘッド 5a レーザービーム 10A〜10D 光造形物 10a 側方突出部 13 吸気口(側方突出部のパイプ状をなす
先端側) 13a フランジ部 14 連結用ねじ挿通孔 17 ナット 18 ボルト 20 支持具 21 取付部材 22 支脚部材 22a 長孔 M0 三次元モデル M 樹脂モデル P1 〜Pn 平行スライスした層 S 設置面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元モデルを多数層に平行スライスし
    た際の各層を、光硬化性樹脂の溶液表面へのレーザービ
    ームの照射による硬化層として順次に積層形成して得ら
    れる光造形物に対し、光照射によるポストキュアを施す
    光造形物の処理方法において、 当該光造形物のポストキュア時の設置姿勢設置面から
    離れて側方へ突出する側方突出部に、予め光造形の際に
    連結用ねじ挿通孔を設け、 ポストキュア前に、接合界面に光硬化性樹脂の溶液を介
    在させて前記連結用ねじ挿通孔にナットを嵌挿し、部分
    的光照射で当該光硬化性樹脂を硬化させて前記ナットを
    連結用ねじ挿通孔に固着し、 ポストキュアの際に、前記光造形物の側方突出部に対
    し、 下端が設置面に達する支持具を前記ナットにボルト
    を螺挿することによって脱着自在に取り付け、この支持
    具に該側方突出部の自重の一部を支承させることを特徴
    とする光造形物の処理方法。
  2. 【請求項2】 前記光造形物が熱硬化性樹脂成分を含有
    し、この光造形物に対して加熱によるポストキュアを施
    すに当たり、当該光造形物の前記側方突出部に前記支持
    具を脱着自在に取り付け、この支持具に該側方突出部の
    自重の一部を支承させる請求項1記載の光造形物の処理
    方法。
  3. 【請求項3】 前記支持具は、光造形物の連結用ねじ挿
    通孔にねじ止めする取付部材と、この取付部材に上下方
    向に沿う長孔を介して高さ調整自在にねじ止めする支脚
    部材とで構成される請求項1又は2に記載の光造形物の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記側方突出部の少なくとも先端側がパ
    イプ状をなすと共に、このパイプ状の先端に設けられた
    フランジ部に前記連結用ねじ挿通孔を有する請求項1〜
    3のいずれかに記載の光造形物の処理方法。
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