JP2000006249A - 光造形物の製造方法 - Google Patents

光造形物の製造方法

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JP2000006249A
JP2000006249A JP10179357A JP17935798A JP2000006249A JP 2000006249 A JP2000006249 A JP 2000006249A JP 10179357 A JP10179357 A JP 10179357A JP 17935798 A JP17935798 A JP 17935798A JP 2000006249 A JP2000006249 A JP 2000006249A
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design model
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resin
cross
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JP10179357A
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Hiroshi Uesugi
浩 植杉
Yoshinari Hasegawa
美成 長谷川
Naoko Uchida
尚子 内田
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NAKAKIN KK
Nakakin Co Ltd
Original Assignee
NAKAKIN KK
Nakakin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピューター等で設計された三次元モデル
を上下多数層に平行スライスした際の各断面パターンに
基づいて、光硬化型樹脂をレーザー光で硬化させて各パ
ターンの硬化樹脂薄層を一層ずつ形成して積層すること
により、設計モデルを具象化した樹脂造形品を得る光造
形物の製造方法として、既存の光造形装置を利用して従
来における最大サイズよりも大きい造形品を作製する手
段を提供する。 【解決手段】 設計モデルM1を自然状態で水平面F上
に置いたときに平面視で最長となる方向Lm が垂直方向
に対して傾斜する配置姿勢に設定し、この傾斜配置姿勢
で設計モデルM1を水平にスライスした際の各断面パタ
ーンにより、レーザー光5aの照射による硬化樹脂薄層
1 〜Pn の形成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピューター等
で設計された三次元モデルを上下多数層に平行スライス
した際の各断面パターンに基づいて、光硬化型樹脂をレ
ーザー光で硬化させて各パターンの硬化樹脂薄層を一層
ずつ形成して積層することにより、前記設計モデルを具
象化した樹脂造形品を得る光造形物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車、航空機、建造物、家電、
玩具、日用雑貨等の各種工業分野における製品や部品の
設計・デザイン構成をCAD、CAM、CAE等のコン
ピューター上で行う手法が広く普及しつつある。このよ
うな手法によれば、設計者やデザイナーのイメージ通り
に三次元モデルを画面上で視覚化して表現できると共
に、画像処理による部分的な形状変更や寸法の拡縮、デ
ータ入力による強度等の機械的特性の算出や検証も容易
であるため、製品開発の期間短縮、製品の品質向上、斬
新なデザインの選択等に繋がることが期待される。
【0003】しかるに、このようなコンピューター上で
設計された三次元モデルを具象化した実体モデルを製作
する場合、旧来のような職人的な手作り作業やNC(数
値制御)工作機械による切削作業では、多大な手間と時
間がかかるため、コンピューターシステムの利用価値が
半減する上、外形を主体とした造形になることから、中
空部や複雑な内部構造を有するものは予め適当な分割形
態として設計して製作後に組み立てる必要があった。
【0004】そこで、最新の技術として、三次元の設計
モデルのデータから直接に立体樹脂モデルを製作する光
造形法が登場している。この光造形法では、例えば図1
(イ)に示すようにコンピューター1にて三次元モデル
Mを設計し、この三次元モデルMをコンピューター1上
で同図(ロ)に示すように厚さ数十〜数百μm単位の上
下多数層P1 〜Pn に平行スライスしたときの各断面パ
ターンのデータを作成する。そして、同図(ハ)に示す
ように、紫外線硬化型樹脂の如き光硬化型樹脂の溶液2
を収容した造形槽3内に、平板状の昇降台座4が昇降自
在に配置されると共に、この造形槽3の上方にX−Yス
キャナー付きのレーザヘッド5が配置された造形装置を
用い、このレーザヘッド5の制御装置(図示省略)に設
計モデルMの前記断面パターンのデータを入力して自動
的に造形する。
【0005】この造形は、まず同図(ハ)の如く、昇降
台座4の上面位置を溶液2の液面2aから前記スライス
した層P1 〜Pn の一層分の厚みに相当する深さに設定
し、液面2aにレーザヘッド5からレーザビーム5aを
照射して最下位の層P1 の断面パターンに沿って走査す
ることにより、該断面パターンの形状を有する硬化樹脂
薄層からなる層P1 を形成し、次いで昇降台座4を前記
一層分の厚みだけ下降させて層P1 上に溶液2を行き渡
らせ、この位置で同様にレーザビーム5aの照射によっ
て硬化樹脂薄層からなる層P2 を層P1 上に形成し、以
降同様にして一層分ずつ昇降台座4を下降させながら層
3 から最上位の層Pn まで順次形成し、最終的に同図
(ニ)の如く硬化樹脂薄層からなる層P1 〜Pn が積層
一体化した樹脂造形物Wを造形したのち、昇降台座4を
液面2a上へ上昇させて該樹脂造形物Wを取り出し、要
すれば研磨や塗装等の後処理を施して完成品とする。な
お、図では省略しているが、通常の光造形装置にはリコ
ーターが付設されており、このリコーターを昇降台座4
の下降毎に液面2aに沿って往復させ、もって先に形成
した硬化樹脂薄層上に溶液2を確実に行き渡らせるよう
にしている。
【0006】このような光造形法によれば、コンピュー
ター上の設計モデルのデータから自動的に樹脂製の実体
モデルを製作でき、しかも設計モデルを平行スライスし
た際の各層に相当する硬化樹脂薄層を下位側から順に形
成して積層一体化することから、中空部や複雑な内部構
造を有するモデルでも全く支障なく一体物として設計通
りに忠実に具象化できる。従って、得られる樹脂造形物
は、形状確認用や営業用のサンプルのみならず、試作品
として流体力学的特性等の特性試験に供したり、部品と
して機械装置に組み込んで実機テストを行ったり、更に
は型マスターとしてアルミニウム製品や合成樹脂製品等
の量産用成形型の製作に利用することが可能である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の光造
形法では、平面で見たレーザビーム照射域つまりスキャ
ン範囲の大きさで造形品の最大サイズが決められてお
り、例えば板状の設計モデルを想定すると、その厚み方
向を上下方向として水平に平行スライスした断面パター
ンで硬化樹脂薄層を積層形成するため、図2(イ)に示
すように最大サイズの造形品W1 の長さL1 はレーザビ
ーム5aのスキャン範囲の最大幅が限界となる。従っ
て、これよりも設計モデルの寸法が大きい場合は、縮小
サイズの造形品を製作するか、設計モデルを分割した形
で光造形し、得られた分割品を一体化して本来のモデル
形態とする方法を採用せざるを得なかった。
【0008】しかるに、縮小サイズの造形品では設計モ
デルにそぐわない印象を与える懸念がある上、特性試験
に供したり機械装置に組み込むための試作品とできず、
型マスターとしても利用できないといった難点がある。
また、設計モデルを分割した形で光造形する方法は、分
割形態の設計から造形に要する時間が大幅に増える上、
分割品を接着やテーピング等で一体化したものでは全体
としての強度が低下するため、実体モデルとしての評価
テストを行えないという欠点がある。一方、寸法の大き
い設計モデルに対応するためにレーザビーム5aのスキ
ャン範囲を拡大するには、造形槽3と昇降台座4及びそ
の駆動機構を大型化せねばならず、設備コストの増大を
招くという問題がある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の事
情に鑑みて、既存の光造形装置を利用して従来における
最大サイズよりも大きい造形品を作製する手段について
種々検討を重ねた結果、光造形法では設計モデルを具象
化する際の造形方向に制約がない点を利用し、該設計モ
デルを本来の自然な配置姿勢ではなく斜めの配置姿勢に
おいて上下多数層に平行スライスするように設定し、そ
の各断面パターンのデータに基づいて昇降台座上で斜め
の配置姿勢の造形物を形成してゆく手法によれば、従来
の限界とされていた最大サイズよりも大きい造形品が作
製可能となることを見出し、本発明をなすに至った。
【0010】例えば、前記同様に板状の設計モデルを想
定すると、これを斜めに配置した姿勢で上下多数層に平
行スライスした各断面パターンの硬化樹脂薄層を積層し
て斜めの配置姿勢の造形物を形成するとすれば、この造
形物は、図2(ロ)に示すように、昇降台座4の下限位
置において、全体がレーザビームのスキャン範囲の最大
幅つまりL1 内に収まって、且つ上端が光硬化型樹脂溶
液2の液面2aから出ない範囲で作製できるから、図示
傾斜姿勢の造形物W2 が最大サイズとなる。この最大サ
イズの造形物W2 の長さL2 は、図2(ハ)に示すよう
に従来の最大サイズの造形品W1 の長さL1 よりも格段
に長く、その比率は昇降台座4の下限位置における液面
2aからの深さhによって異なるが、仮に深さh=L1
である場合にはL1 の√2倍弱(造形物の厚みがあるた
めに√2倍より短い)となる。
【0011】上記のように設計モデルを斜めの配置姿勢
に設定して光造形する手法は、板状以外の様々なモデル
形態にも適用できる。しかして、本発明では、この斜め
の配置姿勢は、三次元の設計モデルを自然状態で水平面
上に置いたときに平面視で最長となる方向が垂直方向に
対して傾斜する配置姿勢と定義する。
【0012】すなわち、本発明の請求項1に係る光造形
物の製造方法は、図面の参照符号を付して示せば、三次
元の設計モデルMを上下多数層P1 〜Pn に平行スライ
スした際の各断面パターンに基づいて、造形槽3に収容
した光硬化型樹脂溶液2の表面部をレーザー光5aの照
射によって硬化させて各断面パターンの硬化樹脂薄層を
下位側から一層ずつ形成すると共に、この硬化樹脂薄層
の形成毎に該樹脂溶液2中に浸漬した昇降台座4を一層
分ずつ下降させることにより、該昇降台座4上で硬化樹
脂薄層を順次積層一体化して設計モデルMを具象化した
樹脂造形物Wを得るに当たり、設計モデルMを自然状態
で水平面F上に置いたときに平面視で最長となる方向L
m が垂直方向に対して傾斜する配置姿勢に設定し、この
傾斜配置姿勢で当該モデルMを水平にスライスした際の
各断面パターンにより、前記レーザー光5aの照射によ
る硬化樹脂薄層の積層形成を行うことを特徴とするもの
である。
【0013】また請求項2の発明は、上記請求項1の光
造形物の製造方法において、設計モデルMに造形途上で
の傾斜配置姿勢を保持させるサポート部6を付加し、こ
のサポート部6を一体化した傾斜配置姿勢の設計モデル
Mを水平にスライスした際の各断面パターンにより、前
記レーザー光5aの照射による硬化樹脂薄層の積層形成
を行い、得られた樹脂造形物Mのサポート部6を除去す
る構成としている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る光造形物の製造方法
で対象とする三次元モデルは、既述のようにCAD、C
AM、CAE等のコンピューター上で直接に設計しても
よいし、旧来の図面等によって設計したものを立体モデ
ルとしてイメージ化して三次元CAD等に入力してもよ
い。そして、このような設計モデルを光造形法にて実体
モデルとして具象化するために、まずコンピューター上
で処理して上下多数層に水平スライスした際の各断面パ
ターンのデータを作成するが、本発明では、従来の限界
とされていた最大サイズよりも大きい造形品を作製可能
とする上で、該データ作成の基準とする設計モデルの姿
勢を本来の自然な設置姿勢ではなく傾斜配置姿勢、つま
り当該設計モデルを自然状態で水平面上に置いたときに
平面視で最長となる方向が垂直方向に対して傾斜する配
置姿勢に設定する。
【0015】ここで、設計モデルを自然状態で水平面上
に置くとは、例えば、置物や家電製品等のように設置姿
勢が定まったモデルではその本来の設置姿勢とすること
を意味し、また平たい形や長細い形等のように立てた状
態では保てないか倒れ易い形態のモデルでは寝かせ置い
た安定姿勢とすることを意味する。しかして、光造形法
では、レーザー光による光硬化型樹脂の硬化によって前
記の各断面パターンの硬化樹脂薄層を下位側から一層ず
つ形成し、これら硬化樹脂薄層を昇降台座上で順次積層
一体化することによって設計モデルを具象化した樹脂造
形物を得るが、該設計モデルが前記の自然な設置姿勢で
は造形領域からはみ出るために造形不能なサイズであっ
ても、本発明で定義する傾斜配置姿勢において造形領域
内に収まるサイズであれば造形可能となるから、従来の
ように設計モデルを分割構成したり縮小サイズの樹脂造
形物とする必要はない。
【0016】設計モデルを上下多数層に水平スライスす
る際の層厚は、一般に数十〜数百μmの範囲であり、当
然に薄いほど設計モデルをより忠実に具象化できるが、
それだけ多くの硬化樹脂薄層を積層するために実体モデ
ルの完成に時間がかかることになるから、実体モデルと
して要求される具象化精度に応じて適宜設定すればよ
い。また、傾斜配置姿勢の傾斜度合は、造形槽における
立体造形領域の大きさ(液面でのレーザ光のスキャン範
囲と液面から昇降台座の下限位置までの深さとで定ま
る)と、具象化すべき設計モデルのサイズとに応じて適
宜設定すればよい。因に、立体造形領域が正方形や長方
形であれば、設計モデルのサイズは、該立体造形領域の
対角線方向に対して前記自然状態での平面視で最長とな
る方向が一致する傾斜配置姿勢において最大となる。
【0017】本発明において前記の設計モデルから光造
形法にて実体モデルを作製するには、通常の光造形装置
を使用して従来同様に操作すればよい。この光造形に用
いる光硬化型樹脂としては、一般に紫外線硬化型樹脂が
使用されるが、遮光等によって造形及び保存環境を適切
にすれば可視光域での硬化特性を有する樹脂も使用可能
となる。しかして、この光硬化型樹脂を前記の各断面パ
ターンで硬化させるレーザ装置としては、使用する光硬
化型樹脂を高感度で硬化させる波長域及び出力のレーザ
光を出射でき、且つX−Yスキャナーやガルバノメータ
ーミラー等による描画露光機能を具備するものであれば
よく、例えばHe−Cdレーザ、Arレーザ、Nd:Y
AGレーザ等の紫外線レーザが一般的に使用される。
【0018】以下、本発明を図示実施例に基づいて具体
的に説明する。図3(イ)はコンピューター上で設計さ
れた第一実施例に係る略矩形厚板状の三次元モデルM1
の斜視図、同図(ロ)は同モデルM1の平面図を示し、
同図(イ)には光造形に用いる造形槽の立体造形領域Z
の大きさを仮想線で表している。この造形領域Zは、縦
横Lx ,Ly が同図(ニ)で示すつまりレーザヘッド5
のX−Y方向のスキャン範囲、高さhが造形槽3に収容
された光硬化型樹脂溶液2の液面2aに対する昇降台座
4の下限深さにて規定され、その縦横寸法Lx ,Ly
対し、設計モデルM1の長さL>Lx 、同幅w<Ly
なっている。
【0019】従って、この設計モデルM1は、水平面F
上に自然状態に置いた配置姿勢では該領域Zからはみ出
るが、該自然状態の配置姿勢での平面で見た最大長さL
m が立体造形領域Zの対角方向の長さ(点a,b間の距
離)よりも充分に短いため、最大長さLm が該対角方向
に概略沿うように長手方向一端側を持ち上げた傾斜配置
姿勢では立体造形領域Z内に収まる。そこで、図3
(ハ)に示すように、該設計モデルM1を傾斜配置姿勢
で上下多数層P1 〜Pn に平行スライスした際の各断面
パターンのデータを作成し、このデータに基づいて光造
形を行う。なお、図では判り易いように層P1 〜Pn
厚く示しているが、実際の層厚は既述のように数十〜数
百μmである。
【0020】光造形は、図3(ニ)に示すように、光硬
化型樹脂の溶液2を収容した造形槽3と、この造形槽3
内に昇降自在に配置された平板状の昇降台座4と、該造
形槽3の上方に配置したX−Yスキャナー付きのレーザ
ヘッド5とを備えた光造形装置を用い、このレーザヘッ
ド5の制御装置(図示省略)に設計モデルM1の前記断
面パターンのデータを入力し、通常の光造形法に準じて
自動的に造形する。
【0021】すなわち、光硬化型樹脂溶液2の液面2a
にレーザヘッド5からレーザビーム5aを前記スライス
した層P1 〜Pn の各断面パターンに沿って走査しつつ
照射し、これら層P1 〜Pn に対応する硬化樹脂薄層を
下位(層P1 )側から一層ずつ形成すると共に、昇降台
座4を最初は液面2aから前記スライスした層の一層分
の厚みに相当する深さとして、各硬化樹脂薄層の形成毎
に一層分の厚みだけ下降させる。これにより、昇降台座
4上には、順次積層する硬化樹脂薄層により、設計モデ
ルM1を具象化した樹脂造形物Wが当該モデルM1で設
定した傾斜配置姿勢として形成され、最終的に図3
(ニ)の仮想線で示すように最上位の層Pnまで形成し
たのち、昇降台座4を液面2a上へ上昇させて該樹脂造
形物Wを取り出し、要すれば研磨や塗装等の後処理を施
して完成品とする。
【0022】しかして、この場合の設計モデルM1は、
傾斜配置姿勢では自己保持できない形態であり、造形途
上の樹脂造形物Wを昇降台座4上で安定に保持できな
い。そこで実際には、図3(ホ)に示すように、設計段
階において設計モデルM1に造形途上での傾斜配置姿勢
を保持させるサポート部6…を付加し、このサポート部
6…を一体化した傾斜配置姿勢の設計モデルM1を水平
にスライスした際の各断面パターンにより、前記レーザ
ー光の照射による硬化樹脂薄層の積層形成を行い、造形
後の樹脂造形物Wよりサポート部6…を除去する。
【0023】図4(イ)〜(ハ)はコンピューター上で
設計された第二実施例に係るクランクシャフト形態の三
次元モデルM2を示す。この三次元モデルM2は、ロッ
ド部11の一端側にリンク接続用円環部12、同他端側
に半円弧状凹部13aを備えた駆動軸取付用部13が設
けられたものであり、平面F上に自然状態に置いた配置
姿勢では立体造形領域Z〔図4(ハ)参照)からはみ出
るが、その中心線O方向が同図(ハ)のように立体造形
領域Zの対角ab方向に概略沿う傾斜配置姿勢(平面F
上に自然状態に置いたときの平面で見た最大長さLm
向も当然に垂直方向に対して傾斜している)では該領域
Z内に収まるサイズである。
【0024】そこで、前記第一実施例と同様に、設計モ
デルM2を図4(ハ)の傾斜配置姿勢で上下多数層に平
行スライスした際の各断面パターンのデータを作成し、
このデータに基づいて光造形を行うが、この造形途上で
樹脂造形物を傾斜配置状態に安定に保つために、図5
(イ)(ロ)で示すように設計段階でモデルM2にサポ
ート部6…を付加する。これらサポート部6…は、モデ
ルM2における前記の傾斜配置状態で下向きになる面よ
り、昇降台板4の上面位置となる仮想水平面まで横断面
十字形やリブ付き薄片状の支脚を一体に垂設したもので
ある。しかして、実体モデルの製作は、これらサポート
部6…を含む形で前記の各断面パターンのデータを作成
し、このデータに基づいて既述同様に光造形を行ってサ
ポート部6…付きの樹脂造形物を得て、この樹脂造形物
のサポート部6…を折り取り、その折り取り痕を研磨に
て除去して完成品とする。
【0025】図6(イ),(ロ)はコンピューター上で
設計された第三実施例に係る曲管形態の三次元モデルM
3を示す。この三次元モデルM3は、曲管部14の両端
に接続用フランジ部15,16が一体形成されたもので
あり、同図(ロ)のように平面F上に自然状態に置いた
配置姿勢ではやはり立体造形領域Z〔図3(イ),図4
(ハ)参照)からはみ出るが、その自然状態の配置姿勢
における平面で見た最大長さLm 方向を垂直方向に対し
て傾斜させた傾斜配置姿勢では該領域Z内に収まるサイ
ズである。
【0026】従って、この設計モデルM3においても、
設計段階で前記の傾斜配置姿勢を保持させるためのサポ
ート部を付加し、これらサポート部を設けた傾斜配置姿
勢のモデルM3を基準として、これを上下多数層に平行
スライスした際の各断面パターンのデータを作成し、こ
のデータに基づいて既述同様に光造形を行い、図7に示
すようにサポート部6…付きの樹脂造形物Wを製作した
のち、そのサポート部6…を折り取った上で研磨して完
成品とする。
【0027】前記第一〜第三実施例の三次元モデルM1
〜M3は理解し易いように比較的単純な形態としている
が、本発明を適用するモデル形態には全く制約はなく、
また傾斜配置状態で自己保持可能なモデル形態の場合に
はサポート部6を省略できる。しかして、サポート部6
の横断面形状、大きさ、形成位置、形成密度等は、モデ
ル形態や樹脂造形物としての重量に応じて適宜設定すれ
ばよい。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る光造形物の製造方法によれ
ば、コンピューター上等で設計された三次元モデルを上
下多数層に平行スライスした際の各断面パターンに基づ
いて、光硬化型樹脂溶液の表面部をレーザー光の照射に
よって硬化させて各断面パターンの硬化樹脂薄層を下位
側から一層ずつ形成して設計モデルを具象化した樹脂造
形物を得る光造形において、設計モデルを本来の自然な
配置姿勢ではなく斜めの配置姿勢で前記多数層に平行ス
ライスした際の各断面パターンに基づいて同光造形を行
うことから、該設計モデルが従来での限界サイズを越え
る大きさであっても、傾斜配置姿勢で造形領域内に収ま
る限り、既存の光造形装置を何ら改変することなく用い
て容易に実寸法での造形が可能であり、従来のように設
計モデルを分割構成したり縮小サイズの樹脂造形物とす
る必要はない。従って、得られる樹脂造形品は、設計通
りのイメージを与える実体モデルとして形状確認用や営
業用のサンプルに好適に利用でき、そのまま試作品とし
て特性試験に供したり機械装置に組み込んだり、量産用
の成形型を製作する型マスターとしても利用することも
可能となる。
【0029】しかして、上記の光造形物の製造方法にお
いて、設計モデルに造形途上での傾斜配置姿勢を保持さ
せるサポート部を付加し、このサポート部を一体化した
傾斜配置姿勢の設計モデルを水平にスライスした際の各
断面パターンにより、前記レーザー光の照射による硬化
樹脂薄層の積層形成を行い、得られた樹脂造形物のサポ
ート部を除去する構成とすれば、傾斜配置姿勢では安定
に保持できないモデル形態であっても支障なく造形可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光造形法の基本原理を説明するものであっ
て、(イ)図は設計した三次元モデルの画像を表示した
コンピューターの正面図、(ロ)図は該三次元モデルを
上下多数層に平行スライスする状態を示す模式図、
(ハ)図は光造形装置による光造形の初期段階を示す概
略縦断側面図、(ニ)図は同光造形装置による光造形の
最終段階を示す概略縦断側面図である。
【図2】 光造形の手法による造形物サイズの違いを説
明するものであって、(イ)図は自然な配置状態での造
形を示す概略縦断側面図、(ロ)図は傾斜配置状態での
光造形を示す概略縦断側面図、(ハ)図は両配置状態と
して得られる最大サイズの樹脂造形物の側面図である。
【図3】 本発明の第一実施例に係る光造形物の製造方
法を示し、(イ)図は設計モデルを立体造形領域と対比
した斜視図、(ロ)図は同設計モデルの平面図、(ハ)
図は同設計モデルの傾斜配置状態での平行スライスを示
す側面図、(ニ)図は光造形状態を示す概略縦断側面
図、(ホ)図はサポート部を付加した同設計モデルの側
面図である。
【図4】 本発明の第二実施例に係る光造形物の製造方
法に適用する設計モデルを示し、(イ)図は平面図、
(ロ)図は水平面上に自然状態で載置した側面図、
(ハ)図は傾斜配置状態の斜視図である。
【図5】 同第二実施例における設計モデルにサポート
部を付加した形態を示し、(イ)図は側面図、(ロ)図
は底面図である。
【図6】 本発明の第三実施例に係る光造形物の製造方
法に適用する設計モデルを示し、(イ)図は平面図、
(ロ)図は水平面上に自然状態で載置した側面図であ
る。
【図7】 本発明の第三実施例に係る光造形物の製造方
法にて得られるサポート部付きの樹脂造形物の側面図で
ある。
【符号の説明】
1 コンピューター 2 光硬化型樹脂溶液 2a 液面 3 造形槽 4 昇降台座 5 レーザヘッド 5a レーザ光 6 サポート部 M 設計モデル M1〜M3 設計モデル W 樹脂造形物 P1 〜Pn 平行スライスした層 Z 立体造形領域 L 長さ Lm 平面で見た最大長さ w 幅
フロントページの続き (72)発明者 内田 尚子 大阪府枚方市春日北町2丁目10番5号 株 式会社ナカキン春日工場内 Fターム(参考) 4F213 AA36 AC05 WA25 WL05 WL13 WL35 WL50 WL62 WL73 WL96

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 三次元の設計モデルを上下多数層に平行
    スライスした際の各断面パターンに基づいて、造形槽に
    収容した光硬化型樹脂溶液の表面部をレーザー光の照射
    によって硬化させて各断面パターンの硬化樹脂薄層を下
    位側から一層ずつ形成すると共に、この硬化樹脂薄層の
    形成毎に該樹脂溶液中に浸漬した昇降台座を一層分ずつ
    下降させることにより、該昇降台座上で硬化樹脂薄層を
    順次積層一体化して設計モデルを具象化した樹脂造形物
    を得るに当たり、 設計モデルを自然状態で水平面上に置いたときに平面視
    で最長となる方向が垂直方向に対して傾斜する配置姿勢
    に設定し、この傾斜配置姿勢で当該モデルを水平にスラ
    イスした際の各断面パターンにより、前記レーザー光の
    照射による硬化樹脂薄層の積層形成を行うことを特徴と
    する光造形物の製造方法。
  2. 【請求項2】 設計モデルに造形途上での傾斜配置姿勢
    を保持させるサポート部を付加し、このサポート部を一
    体化した傾斜配置姿勢の設計モデルを水平にスライスし
    た際の各断面パターンにより、前記レーザー光の照射に
    よる硬化樹脂薄層の積層形成を行い、得られた樹脂造形
    物のサポート部を除去する請求項1記載の光造形物の製
    造方法。
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