JP3479928B2 - 半導体結晶の製造方法 - Google Patents
半導体結晶の製造方法Info
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Description
法に関するものであり、特に、赤外線センサに用いるH
gCdTe結晶中におけるキャリアのライフタイムを長
くするための半導体結晶の製造方法に関するものであ
る。
る赤外線検出装置としては、HgCdTe層に形成した
pn接合ダイオードをフォトダイオードとしたものを用
い、このフォトダイオードを一次元アレイ状或いは二次
元アレイ状に配置すると共に、読出回路との電気的なコ
ンタクトをとるために、フォトダイオードアレイ基板及
び読出回路基板を、双方に形成したIn等の金属のバン
プで貼り合わせる構造が採用されている。
閉管チッピング法を用いて、Teリッチの融液中でCd
Te基板11上にノン・ドープのp型HgCdTe層1
2を液相エピタキシャル成長させたのち、Hg蒸気中で
の熱処理により、Hg空孔の一部をHg原子で埋めるp
処理によって、p型HgCdTe層12の正孔濃度を
0.5〜5×1016cm-3に制御する。
のために、アルミナ研磨を行なって、p型HgCdTe
層12の厚さを15〜25μmに制御したのち、Bイオ
ンを選択的にイオン注入してn+ 型領域13を形成して
フォトダイオードとする。
を設けたのち、コンタクトホール16を介してn側電極
となるIn電極17を設け、このIn電極17を利用し
て読出回路基板(図示せず)と貼り合わせて赤外線検出
装置を構成していた。
ドープのHgCdTe液相エピタキシャル成長層を用い
たフォトダイオードの量子効率は、0.2〜0.5であ
り、検出感度が低いという問題があった。
エピタキシャル成長層中における、少数キャリアの寿命
(ライフタイム)が短く、pn接合に集まるキャリアの
数、図5の場合には、電子の数が少ないためである。
は、p型HgCdTe層の厚さを薄くして、電子がpn
接合に到達する前に消滅するのを低減させれば良いが、
厚さを薄くすると、フォトキャリアを発生するための体
積が減少するため、量子効率に限界があり、厚さとして
は15μmが下限となる。
下げれば、ライフタイムを長くすることができるが、キ
ャリア濃度を低くすると、ゼロバイアス抵抗が低下し、
暗電流が増加し、ノイズが増えるという問題がある。
数、Tを絶対温度、R0 をゼロバイアス抵抗、及び、q
を電荷素量とした場合、 Id =kT/(R0 ・q) で表されるため、ゼロバイアス抵抗R0 に反比例し、ゼ
ロバイアス抵抗R0 の低下と共に、暗電流Id が増加す
ることになるが、ゼロバイアス抵抗R0 は、Aをpn接
合の面積、NA をp型HgCdTe層におけるアクセプ
タ濃度、τe をp型HgCdTe層における電子のライ
フタイム、ni 2 をp型HgCdTe層及びn+ 型領域
における熱平衡状態の真性キャリア濃度の積、及び、d
を空間電荷領域分を除いたp型HgCdTe層の厚さと
した場合、 R0 ・A=(kT・NA ・τe )/(q2 ・ni 2 ・d) で表されるため、キャリア濃度、即ち、アクセプタ濃度
NA を低下させると、ゼロバイアス抵抗R0 が低下する
ためである。
cm-3であり、厚さの下限15μmと組み合わせた場合
の量子効率は、0.5程度であり、この様な方法では量
子効率の十分な改善が得られなかった。
行なってライフタイムを長くする方法も知られており、
HgメルトからHgCdTe層を成長させる場合には、
V族元素であるAsやSbを効果的にドープすることが
できるが、Teリッチメルトからの液相成長では、V族
元素のドープが困難であり、且つ、ドープしたとしても
p型不純物として活性化せず、n型を示すという問題が
ある。
場合にも、Ag等のI族元素の場合には、結晶中に容易
に取り込まれ、p型不純物として活性化するが、液相成
長後の熱処理工程、即ち、Hg空孔を埋めるp処理工程
において、I族元素がエピタキシャル成長層表面に移動
し、しかも100%活性化するため、表面の正孔濃度が
高くなる。
の結晶におけるSIMS(Secondary Ion
Mass Spectroscopy)分析によるA
g濃度分布を示す図であり、ほぼ2×1016cm-3程度
の均一な濃度分布を有しているのに対して、図6(b)
に示すp処理後の結晶の場合には、エピタキシャル成長
層表面の不純物濃度が1018cm-3程度に上昇している
のが確認されたが、これは、p処理工程において、Hg
空孔がHg原子で埋められる過程で、ドープされていた
Ag元素が表面に追い出されたことによるものと考えら
れる。
層にダイオードを形成すると、高キャリア濃度のpn接
合、即ち、p+ /n+ 接合となるため、トンネル電流に
起因するリーク電流が多く、且つ、微分抵抗が低くな
り、正常な電流−電圧特性を示さないという問題が生ず
る。
−電圧特性、及び、微分抵抗特性を示す図であり、電流
−電圧特性からは、逆バイアス時にリーク電流が流れて
ダイオード特性を示さないことが分かり、また、微分抵
抗特性からは、微分抵抗が低く、且つ、ゼロバイアス抵
抗R0 が小さいことが分かる。
CdTe成長層にIb族元素を制御性良く、且つ、活性
化しないがライフタイムが長くなるようにドープするこ
とを目的とする。
ローの説明図であり、この図1を参照して本発明におけ
る課題を解決するための手段を説明する。図1参照 (1)本発明は、半導体結晶の製造方法において、Hg
CdTeエピタキシャル成長層をIb族元素イオンを含
む溶液中に浸析することによって、前記HgCdTeエ
ピタキシャル成長層に前記Ib族元素のドーピングを行
なうものであって、溶液における過酸化水素水の容量比
が、5〜90%であることを特徴とする。
成長層をIb族元素イオンを含む溶液中に浸析する、
「(4)」の液相ドーピング工程を用いることによっ
て、HgCdTeエピタキシャル成長層中にIb族元素
をドーピングすることができる。この場合、Ib族元素を含む溶液における過酸化水素水
の容量比を5〜90%、より好適には30〜70%とす
ることによって、HgCdTeエピタキシャル成長層の
表面にIb族元素とHgとの合金等の異物を析出させる
ことなく、Ib族元素を均一にドープすることができ
る。
て、HgCdTeエピタキシャル成長層として、ノン・
ドープの結晶のキャリア濃度制御をHg空孔濃度制御に
よって行なった、5×1015cm-3〜5×1016cm-3
の正孔濃度のp型HgCdTeエピタキシャル成長層を
用いたことを特徴とする。
Hg空孔濃度制御によるキャリア濃度制御工程の後に行
なうことにより、Ib族元素を活性化することなくドー
プすることができる。
(2)において、溶液中のIb族元素の濃度を、1pp
b〜100ppmとすることを特徴とする。
ppb〜100ppmとすることによって、HgCdT
e結晶中におけるライフタイムを十分長くすることがで
きる。
(3)のいずれかにおいて、HgCdTeエピタキシャ
ル成長層をIb族元素イオンを含む溶液中に浸析する前
に、エッチングによって表面を清浄化することを特徴と
する。
工程の直前に、「(3)」の表面清浄化工程、特に、ブ
ロムメタノールによるエッチングを行なって、HgCd
Teエピタキシャル成長層に形成されているIb族元素
の拡散バリアとなる自然酸化膜等をエッチング除去する
ことにより、表面を常に清浄に保つことができるので、
Ib族元素のドーピングがスムーズに行なわれることに
なる。
(4)のいずれかにおいて、Ib族元素濃度を1〜10
0ppm、浸析時間を10〜90分、溶液の温度を10
〜30℃とすると共に、浸析時に超音波振動を加えるこ
とを特徴とする。
ppm、より好適には2〜20ppm、浸析時間を10
〜90分、より好適には15〜60分、溶液の温度を1
0〜30℃とすることによって、ライフタイムの改善を
可能にする程度の濃度のIb族元素を再現性良くドープ
することができ、また、浸析時に超音波振動を加えるこ
とによってIb族元素を均一にドープすることができ
る。
(5)のいずれかにおいて、Ib族元素がAgであるこ
とを特徴とする。
u,Cuを用いることができるが、この内で、Agがフ
ォトダイオード特性に悪影響を与える可能性が最も少な
い。
造方法において、HgCdTeエピタキシャル成長層を
Ib族元素イオンを含む溶液で研磨することによって、
HgCdTeエピタキシャル成長層に前記Ib族元素の
ドーピングを行なうものであって、溶液がコロイダルシ
リカ及び過酸化水素水とを含むことを特徴とする。
ダルシリカ及び過酸化水素水を加えることによって、コ
ロイダルシリカによる研磨が可能になり、それによっ
て、HgCdTeエピタキシャル成長層に形成されてい
る自然酸化膜等を研磨除去して表面を常に清浄に保つこ
とができるので、Ib族元素のドーピングがスムーズに
行なわれることになる。
て、過酸化水素水を加えた後のIb族元素を含む溶液の
pHを7.5以下にすると共に、Ib族元素濃度を1〜
100ppm、浸析時間を10〜90分、溶液の温度を
10〜30℃とすることを特徴とする。
族元素を含む溶液のpHを7.5以下、より好適には
7.0以下にすることによって、HgCdTeエピタキ
シャル成長層の表面にIb族元素とHgとの合金等の異
物が析出することがなく、且つ、Ib族元素濃度を1〜
100ppm、より好適には2〜20ppm、浸析時間
を10〜90分、より好適には15〜60分、溶液の温
度を10〜30℃とすることによって、ライフタイムの
改善を可能にする程度の濃度のIb族元素を再現性良く
ドープすることができる。
て、溶液中のIb族元素の濃度を1〜100ppbとす
ることを特徴とする。
〜100ppbとすることによって、HgCdTeエピ
タキシャル成長層中に結晶性の乱れた領域が点在してい
ても正常な電流−電圧特性を得ることができるので、結
晶性の乱れた領域に起因する画素欠陥の発生を防止する
ことができ、また、この濃度は5〜50ppbの範囲が
より好適である。
いて、溶液中に含有させるIb族元素を、Ib族元素を
含む物質をHgCdTeエピタキシャル成長層と同時
に、或いは、事前に研磨することにより溶液に供給する
ことを特徴とする。
〜100ppbとする場合には、秤量により1〜100
ppbの濃度にドーピングすることは困難であるので、
Ib族元素を含む物質をIb族元素の供給源とし、Hg
CdTeエピタキシャル成長層と同時に、或いは、事前
に研磨することにより溶液に供給することが望ましい。
おいて、Ib族元素を含む物質が、Ib族元素をドープ
したHgTe、CdTe、或いは、HgCdTeのいず
れかであることを特徴とする。
b族元素をドープしたHgTe、CdTe、或いは、H
gCdTeを用いた場合には、Ib族元素をドープした
HgTe、CdTe、或いは、HgCdTeを事前に研
磨するか、或いは、HgCdTeエピタキシャル成長層
を研磨する際に、Ib族元素をドープしたHgTe、C
dTe、或いは、HgCdTeをHgCdTeエピタキ
シャル成長層の周辺に貼り付けておき、HgCdTeエ
ピタキシャル成長層と同時に研磨して供給すれば良い。
おいて、Ib族元素を含む物質が、Ib族元素をドープ
した研磨治具であることを特徴とする。
b族元素をドープした研磨治具、例えば、Agをドープ
したステンレス製の研磨治具を用いることによって、研
磨の際に研磨治具も研磨されてAg等のIb族元素が溶
液中にドープされることになる。
おいて、Ib族元素を含む物質が、HgCdTeエピタ
キシャル成長層をアルミナ研磨したのちの表面に形成し
たIb族元素の薄膜であることを特徴とする。
長層をアルミナ研磨した場合には、表面層が変質してI
b族元素の拡散が起こらないので、アルミナ研磨したの
ちの表面にIb族元素の薄膜を直接堆積させ、研磨する
ことによって溶液にIb族元素を供給することができ
る。
おいて、Ib族元素を含む物質が、HgCdTeエピタ
キシャル成長層の表面に形成した保護膜上に設けたIb
族元素の薄膜であることを特徴とする。
長層をアルミナ研磨しない場合には、Ib族元素の拡散
が起きやすく、Ib族元素がHgCdTeエピタキシャ
ル成長層内に多量に拡散するので、ZnS等の保護膜を
介してIb族元素の薄膜を堆積させ、その後、研磨する
ことによって溶液にIb族元素を供給する必要がある。
至(14)のいずれかにおいて、Ib族元素がAgであ
ることを特徴とする。
u,Cuを用いることができるが、この内で、Agがフ
ォトダイオード特性に悪影響を与える可能性が最も少な
い。
及び図3を参照して説明する。なお、図2は、第1の実
施の形態のフローの説明図であり、また、図3は、第1
の実施の形態のフォトダイオードの特性の説明図であ
る。
において、閉管チッピング法を用いて、Teリッチの融
液中でCdTe基板上にノン・ドープのp型HgCdT
e層を液相エピタキシャル成長させたのち、のキャリ
ア濃度制御工程において、Hg蒸気中での熱処理によ
り、Hg空孔の一部をHg原子で埋めるp処理によっ
て、p型HgCdTe層の正孔濃度を0.5〜5×10
16cm-3、例えば、2.0×1016cm-3に制御し、次
いで、の表面研磨工程において、表面平坦化、及び、
厚みの均一化のためにアルミナ研磨を行なって、p型H
gCdTe層の厚さを15〜25μm、例えば、20μ
mに薄層化する。
ロムメタノールを用いてp型HgCdTe層を軽くエッ
チングすることによって、p型HgCdTe層の表面に
形成されている自然酸化膜等を除去して、表面を清浄化
する。
おけるAgの拡散に対するバリアとなる自然酸化膜等が
除去されるので、Agのドーピングがスムーズに行なわ
れ、且つ、ウェハ面内均一性が保たれることになる。
浸析する工程において、過酸化水素水(H2 O2 )と水
(H2 O)との容量比、即ち、H2 O2 /(H2 O2 +
H2O)が5〜90%、例えば、50%となる水溶液中
に、Ag濃度が1〜100ppm、例えば、10ppm
になるように硝酸銀(AgNO3 )を加えてAg添加過
酸化水素水溶液を作り、常温において、超音波振動をか
けながら、このAg添加過酸化水素水溶液中にp型Hg
CdTe層を10〜90分、例えば、30分浸析させ
る。
%、より好適には、30〜70%のH 2 O2 を加えるこ
とによって、p型HgCdTe層表面にAgとHgの合
金等の異物が析出することがなく、また、Ag濃度が1
〜100ppm、より好適には、2〜20ppmとなる
ようにAgNO3 を加えることによって、ライフタイム
を長くするのに十分で、且つ、フォトダイオードの特性
に悪影響を与えない程度の濃度のAgをドープすること
ができる。
分、より好適には15〜60分とし、溶液の温度を常温
近傍、即ち、10〜30℃とすることによってAgを再
現性良くドープすることができる。
型HgCdTe層の水洗を行い、アセトン等の有機溶剤
で洗浄して水分を除去したのち、乾燥させて、本発明の
半導体結晶の製造工程が完了する。
ド作製工程において、p型HgCdTe層にBイオンを
選択的にイオン注入してn+ 型領域を形成してフォトダ
イオードとし、次いで、ZnS膜等を設けたのち、コン
タクトホールを介してn側電極となるIn電極を設け、
このIn電極を利用して読出回路基板と貼り合わせて赤
外線検出装置を構成する。
Kにおける特性を示す図であり、電流−電圧特性から
は、逆バイアス時のリーク電流が低減して正常なダイオ
ード特性を示しているのが分かり、また、微分抵抗特性
からは、微分抵抗が高くなり、且つ、ゼロバイアス抵抗
R0 も高くなっているのが分かり、量子効率としては
0.6〜0.7の値が得られた。
行なわれ、p型HgCdTe層中のHg空孔がAgに置
き換わることにより、活性化エネルギーはHg空孔のア
クセプタレベルに相当する12meVから、Agの不純
物レベルに相当する4meVに変化しているが、Agの
ドープ後に熱処理工程を伴っていないので、Agが殆ど
活性化しておらず、80Kにおいてはキャリア濃度の変
化は殆ど生じていないため、低正孔濃度のp型HgCd
Te層のままである。
のライフタイムを短くするHg空孔の不純物準位を無く
す作用だけを行なうことによって、キャリア濃度を高め
ることなく、キャリアのライフタイムを長くすることが
できるものと考えられる。
の形態を説明する。 図4参照 まず、第1の実施の形態と同様に、の液相エピタキシ
ャル成長工程において、閉管チッピング法を用いて、T
eリッチの融液中でCdTe基板上にノン・ドープのp
型HgCdTe層を液相エピタキシャル成長させたの
ち、のキャリア濃度制御工程において、Hg蒸気中で
の熱処理により、Hg空孔の一部をHg原子で埋めるp
処理によって、p型HgCdTe層の正孔濃度を0.5
〜5×10 16cm-3、例えば、2.0×1016cm-3に
制御し、次いで、の表面研磨工程において、表面平坦
化、及び、厚みの均一化のためにアルミナ研磨を行なっ
て、p型HgCdTe層の厚さを15〜25μm、例え
ば、20μmに薄層化する。
おいて、コロイダルシリカ(pH=8.5)とH2 O2
(pH=4.5)とを容量比で1:1にした水溶液中に
Ag濃度が1〜100ppm、例えば、10ppmにな
るように硝酸銀(AgNO3)を加えて研磨液を作り、
常温において、この研磨液を用いてp型HgCdTe層
を10〜90分、例えば、30分研磨する。
Agの拡散に対するバリアとなる自然酸化膜等が除去さ
れるので、Agのドーピングがスムーズに行なわれ、且
つ、ウェハ面内均一性が保たれることになる。
適には、7.0以下になるように、H2 O2 の混合比を
選定することによって、p型HgCdTe層表面にAg
とHgの合金等の異物が析出することがなく、また、A
g濃度が1〜100ppm、より好適には、2〜20p
pmとなるようにAgNO3 を加えることによって、ラ
イフタイムを長くするのに十分で、且つ、フォトダイオ
ードの特性に悪影響を与えない程度の濃度のAgをドー
プすることができる。
分、より好適には15〜60分とし、溶液の温度を常温
近傍、即ち、10〜30℃とすることによってAgを再
現性良くドープすることができる。
HgCdTe層の水洗を行い、アセトン等の有機溶剤で
洗浄して水分を除去したのち、乾燥させて、本発明の第
2の実施の形態の半導体結晶の製造工程が完了する。
ド作製工程において、p型HgCdTe層にBイオンを
選択的にイオン注入してn+ 型領域を形成してフォトダ
イオードとし、次いで、ZnS膜等を設けたのち、コン
タクトホールを介してn側電極となるIn電極を設け、
このIn電極を利用して読出回路基板と貼り合わせて赤
外線検出装置を構成する。
浄化工程とAgドープ工程とを、コロイダルシリカ研磨
工程として一度の工程で行なうので、製造工程が簡素化
されるという利点がある。
上記の第1の実施の形態と同様に、正常な電流−電圧特
性、及び、高い微分抵抗特性を示すと共に、量子効率が
0.6〜0.7のフォトダイオードが得られる。
pm含む溶液中にp型HgCdTe層を浸漬して、Ag
をドープすることによって正常な電流−電圧特性、及
び、高い微分抵抗特性を示すと共に、量子効率が0.6
〜0.7のフォトダイオードが得られるが、それ以降の
研究によって1ppb〜100ppmの範囲においても
同様な効果が得られることが判明した。
っては、20mm角の結晶に数個〜数十個の結晶性の乱
れた領域が存在し、Ag濃度が1ppm〜100ppm
の場合には、この結晶性の乱れた領域にAgが過剰に集
積してキャリア濃度が高くなり、この領域にp+ /n+
接合が形成されてリーク電流が増大し、画素欠陥が発生
するという問題がある。
に示した良好な耐圧特性を示す電流−電圧特性が得られ
るものの、結晶性の乱れた領域においては図7に示した
ような耐圧特性の劣化した電流−電圧特性が得られる。
因する問題を解決するためには、上記の第1の実施の形
態及び第2の実施の形態における溶液中に含まれるAg
の濃度を1〜100ppb、より好適には5〜50pp
bにすれば良いことが判明した。
は、過酸化水素水と水との容量比が1:1の水溶液中
に、Ag濃度が1〜100ppb、例えば、10ppb
になるように硝酸銀を加えてAg添加過酸化水素水溶液
を作れば良い。
は、コロイダルシリカとH2 O2 とを容量比で1:1に
した水溶液中にAg濃度が1〜100ppb、例えば、
10ppbになるように硝酸銀を加えて研磨液を作れば
良い。
1000ccの溶液に対して1〜100μgのAgに相
当し、これはAgの原子数で5.6×1015〜5.6×
10 17cm-3であるので、この様な低濃度を秤量によっ
て精度良く制御することは非常に困難であり、或いは、
大量の溶液を形成してその一部を使用する場合には秤量
の困難性の問題は解決されるが、不使用の余分な溶液が
無駄になるという問題があるので、この様な問題点を解
決するための4つの方法を以下に示す。
ずれも上記の第2の実施の形態の変形例であり、第4の
改良した実施の形態以外は、のコロイダルシリカ研磨
工程以外は第2の実施の形態と実質的に同一であり、第
4の改良した実施の形態においては、の表面研磨工程
が存在しない点でも第2の実施の形態と相違するもので
ある。
ると、研磨液にAgをドープする際に、Ag供給源とし
てAgをドープしたダミーHgCdTe結晶を用い、こ
のダミーHgCdTe結晶を、研磨治具の結晶固着面の
研磨すべき結晶の周辺に貼り付けて、研磨液中において
研磨すべきp型HgCdTe層と同時に研磨する方法で
ある。
て、Ag濃度が1020cm-3の20mm角のダミーHg
CdTe結晶を1μm研磨した場合、 20mm×20mm×1μm×1020cm-3 =4×1×10-4×1020=4×1016 で、4×1016個の原子数となり、これは (4×1016)/(5.6×1015)≒7.14 で約7.1ppbに相当する。
量は、ダミーHgCdTe結晶のAg濃度、ダミーHg
CdTe結晶の面積、及び、研磨液の使用量に応じて、
研磨液中のAg濃度が1〜100ppb、より好適に
は、5〜50ppbになるようにすれば良い。
には、p型HgCdTe層の研磨と同時に研磨する必要
は必ずしもなく、ダミーウェハのみを固着した研磨治具
を用いて、事前に研磨することによって、研磨液中にA
gをドープしても良いものであり、この場合の方が、A
gのドープ量をp型HgCdTe層の研磨量と独立に制
御することができる。
ドープのHgCdTe結晶に限られるものでなく、Ag
ドープのHgTe結晶或いはAgドープのCdTe結晶
を用いても良いものであり、これらは2元化合物である
のでAgドープ結晶の準備・製造が容易であり、特に、
HgTeはCdTeに比べて融点が低いので準備・製造
が容易である。
ると、研磨液にAgをドープする際に、Ag供給源とし
てAgをドープしたステンレス製研磨治具を用い、研磨
すべき結晶をこの研磨治具に固着し、研磨液中において
p型HgCdTe層と同時に研磨する方法である。
て、Ag濃度が100ppm含まれ、研磨される部分の
表面積が100cm2 である研磨治具を1μm研磨した
場合、研磨されたステンレス中に含有されるAgの量は
約6μgであるので、これは、6ppbに相当する。
みならず、中空円筒部の側面も他の治具と接触し研磨さ
れるので、これらの総研磨量を考慮して、研磨液中のA
g濃度が1〜100ppb、より好適には、5〜50p
pbになるようにすれば良い。
には、通常数〜数百ppmのAgが含まれているので、
この含有量を正確に測定することが望まれる。
ると、研磨液にAgをドープする際に、Ag供給源とし
てp型HgCdTe層上に、Ag薄膜を蒸着し、研磨液
中においてp型HgCdTe層を研磨する工程におい
て、Ag薄膜を研磨する方法である。
て、20mm角のp型HgCdTe層上に10nmのA
g薄膜を蒸着した場合、Agの比重を10.5とする
と、 20mm×20mm×10nm×10.5g/cm-3=
4×1×10-6×10.5g=42×10-6g=42μ
g で、42ppbに相当する。
dTe層の面積、及び、研磨液の使用量に応じて、研磨
液中のAg濃度が1〜100ppb、より好適には、5
〜50ppbになるようにすれば良く、例えば、20m
m角のウェハ及び1000ccの研磨液を用いる場合に
は、Ag薄膜を約0.24〜23.8nmだけ蒸着すれ
ば良い。
ると、これはp型HgCdTe層の厚さが薄い場合であ
り、この場合には、アルミナ研磨による薄層化工程が必
要ないので、図4に示したのキャリア濃度制御工程の
後に、厚さ300nmのZnS保護膜を蒸着し、次い
で、Ag供給源としてZnS保護膜上に、Ag薄膜を蒸
着し、研磨液中においてp型HgCdTe層を研磨する
工程において、Ag薄膜を研磨する方法である。
e層の表面は変質してAgの進入・拡散が生じなくなっ
ているが、アルミナ研磨をしない状態の表面ではAgの
拡散が簡単に生じ、Agが結晶内に入りすぎるので、Z
nS保護膜を拡散防止膜として設けるものである。
て、20mm角のp型HgCdTe層上に10nmのA
g薄膜を蒸着した場合、Agの比重を10.5とする
と、上記の第3の改良した実施の形態と同様に42pp
bに相当する。
CdTe層の面積、及び、研磨液の使用量に応じて、研
磨液中のAg濃度が1〜100ppb、より好適には、
5〜50ppbになるようにすれば良いが、ZnS保護
膜中にAgが残留不純物的に自然にドープされている場
合があるので、その場合には、ZnS保護膜中のAgに
よるAg供給量の増加を相殺するように、Ag薄膜の膜
厚を決定すれば良い。
型HgCdTe層にドープする元素として、フォトダイ
オード特性に悪影響を与えないAgを用いているが、A
gに限られるものではなく、同じIb族に属するAu或
いはCuを用いても良いものである。
ドーピング方法を既に提案しているが(必要ならば、特
願平6−276420号参照)、この提案はフォトダイ
オード特性に悪影響を与えるIa族元素(Li,Na,
K)をIb族元素によって追い出すためのドーピングで
あり、本発明とは技術思想が異なるものである。
るためにのみ、HgCdTe結晶中にIb族元素を容易
にドープすることができるので、正常なダイオード特性
を示し、且つ、高い量子効率のフォトダイオードを再現
性良く形成することができ、画素欠陥のない高解像度の
赤外線センサの実用化に寄与するところが大きい。
ある。
の特性の説明図である。
ある。
説明図である。
イオードの特性の説明図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 HgCdTeエピタキシャル成長層をI
b族元素イオンを含む溶液中に浸析することによって、
前記HgCdTeエピタキシャル成長層に前記Ib族元
素のドーピングを行なうものであって、前記溶液におけ
る過酸化水素水の容量比が、5〜90%であることを特
徴とする半導体結晶の製造方法。 - 【請求項2】 上記HgCdTeエピタキシャル成長層
として、ノン・ドープの結晶のキャリア濃度制御をHg
空孔濃度制御によって行ない、正孔濃度を5×1015
cm―3〜5×1016cm―3としたp型HgCdT
eエピタキシャル成長層を用いたことを特徴とする請求
項1記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項3】 上記溶液中のIb族元素の濃度を、1p
pb〜100ppmとすることを特徴とする請求項1ま
たは2に記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項4】 上記HgCdTeエピタキシャル成長層
をIb族元素イオンを含む溶液中に浸析する前に、エッ
チングによって表面を清浄化することを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方
法。 - 【請求項5】 上記Ib族元素の濃度を1〜100pp
m、浸析時間を10〜90分、上記溶液の温度を10〜
30℃とすると共に、浸析時に超音波振動を加えること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半
導体結晶の製造方法。 - 【請求項6】 上記Ib族元素がAgであることを特徴
とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体結
晶の製造方法。 - 【請求項7】 HgCdTeエピタキシャル成長層をI
b族元素イオンを含む溶液で研磨することによって、前
記HgCdTeエピタキシャル成長層に前記Ib族元素
のドーピングを行なうものであって、前記溶液がコロイ
ダルシリカ及び過酸化水素水とを含むことを特徴とする
半導体結晶の製造方法。 - 【請求項8】 上記過酸化水素水を加えた後の上記Ib
族元素を含む溶液のpHを7.5以下にすると共に、前
記Ib族元素の濃度を1〜100ppm、浸析時間を1
0〜90分、前記溶液の温度を10〜30℃とすること
を特徴とする請求項7記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項9】 上記溶液中のIb族元素の濃度を、1〜
100ppbとすることを特徴とする請求項7記載の半
導体結晶の製造方法。 - 【請求項10】 上記溶液中に含有させるIb族元素
を、前記Ib族元素を含む物質を上記HgCdTeエピ
タキシャル成長層と同時に、或いは、事前に研磨するこ
とのいずれかにより前記溶液に供給することを特徴とす
る請求項9記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項11】 上記Ib族元素を含む物質が、前記I
b族元素をドープしたHgTe、CdTe、或いは、H
gCdTeのいずれかであることを特徴とする請求項1
0記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項12】 上記Ib族元素を含む物質が、前記I
b族元素をドープした研磨治具であることを特徴とする
請求項10記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項13】 上記Ib族元素を含む物質が、上記H
gCdTeエピタキシャル成長層をアルミナ研磨したの
ちの表面に形成した前記Ib族元素の薄膜であることを
特徴とする請求項10記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項14】 上記Ib族元素を含む物質が、上記H
gCdTeエピタキシャル成長層の表面に形成した保護
膜上に設けた前記Ib族元素の薄膜であることを特徴と
する請求項10記載の半導体結晶の製造方法。 - 【請求項15】 上記Ib族元素がAgであることを特
徴とする請求項7乃至14のいずれか1項に記載の半導
体結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP09757197A JP3479928B2 (ja) | 1996-09-06 | 1997-04-15 | 半導体結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23607496 | 1996-09-06 | ||
JP8-236074 | 1996-09-06 | ||
JP09757197A JP3479928B2 (ja) | 1996-09-06 | 1997-04-15 | 半導体結晶の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10135244A JPH10135244A (ja) | 1998-05-22 |
JP3479928B2 true JP3479928B2 (ja) | 2003-12-15 |
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JP2004111776A (ja) | 2002-09-20 | 2004-04-08 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 不純物導入方法、装置および素子 |
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- 1997-04-15 JP JP09757197A patent/JP3479928B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH10135244A (ja) | 1998-05-22 |
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