JP3479441B2

JP3479441B2 - 拡大画像簡易表示装置

Info

Publication number: JP3479441B2
Application number: JP30879997A
Authority: JP
Inventors: 知博杉本
Original assignee: カネボウ株式会社
Priority date: 1997-11-11
Filing date: 1997-11-11
Publication date: 2003-12-15
Anticipated expiration: 2017-11-11
Also published as: JPH11143368A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料の販売促進
等に用いられる拡大画像簡易表示装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から、化粧品販売では、専門の販売
員が、店頭あるいは訪問販売先で、化粧品メーカーから
配布された化粧品販売促進用のシートにもとづいて、顧
客に化粧品の売り込みを行っている。上記販売促進用シ
ートは、通常、長方形の厚紙もしくはプラスチック板か
らなるシートの表面に、化粧品の種類やその使用方法、
肌の状態の模式図等を印刷したもので、販売員は、この
シートを顧客に提示しながら、顧客に対するカウンセリ
ングやアドバイス，具体的な化粧品の推奨等を行ってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記販
売促進用シートは、印刷物であるため、どうしても顧客
に対する訴求力が弱く、新製品の拡販につながりにくい
という問題がある。特に、拭き取り化粧料や洗顔料にお
いて、肌の汚れがよく落ちることを主張する場合、洗顔
前と洗顔後の肌の状態を示す拡大画像を並べて示すこと
が常套手段であるが、当たり前の示し方であるため、そ
の効果を充分に実感させることが困難である。

【０００４】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、肌に対する洗顔料の効果を顧客に訴求する場合
や、肉眼では見えない何らかの差異を簡単に検証したい
場合等に、それらの効果や差異を、印象的かつ明確に示
すことのできる、優れた拡大画像簡易表示装置の提供を
その目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の請求項１記載の拡大画像簡易表示装置は、
少なくとも正面と上面と左右の側面とを有し背面が広く
あいた略箱状の本体部と、板状もしくは多角柱状からな
り各面に互いに異なる拡大画像が表示された画像表示部
を有する画像表示体とを備え、上記本体部の上面に、所
定間隔で左右に並ぶ２個の穴が形成され各穴内に拡大レ
ンズが取り付けられて上から本体部内を覗けるようにな
っているとともに、上記本体部の左右の側面に、上記画
像表示体の両端部と係合しうる段差部もしくは切欠部が
設けられており、上記画像表示体の両端部と、上記本体
部の段差部もしくは切欠部とを係合させることにより、
画像表示体の画像表示部を、そのいずれかの面が上向き
で上記拡大レンズの焦点に合う高さとなる配置で、本体
部の内側空間に略水平に保持することができ、かつ上記
画像表示体を本体部の外に取り出すことなく、画像表示
部の各面を交互に上向きに位置決めできるようになって
いるという構成をとる。

【０００６】また、本発明の請求項２記載の拡大画像簡
易表示装置は、上記請求項１記載の装置のなかでも、画
像表示部に表示された拡大画像が、皮膚表面を１０〜５
０倍の倍率で撮影した拡大画像であり、本体部上面に取
り付けられた拡大レンズの倍率が２〜１０倍に設定され
ているという構成をとる。

【０００７】

【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。

【０００８】図１は、本発明を、皮膚表面の拡大画像を
簡易的に表示する装置に適用した一実施の形態を示して
いる。

【０００９】この拡大画像簡易表示装置は、洗顔料の販
売促進を企図して化粧品販売店の店頭等に設置されるも
ので、幅Ｗ＝１３ｃｍ、奥行きＤ＝１０ｃｍ、高さＨ＝
１２ｃｍの略箱状の本体部１と、板状の画像表示体２と
を備えている。

【００１０】上記本体部１の左右の側面３，４には、下
部がやや平たい円形の切欠部５が形成されており、この
左右の切欠部５の下縁部と、画像表示体２の左右両端に
設けられた係合部６の根元部とが係合して、画像表示体
２の画像表示部７が、上記本体部１の内側空間に、略水
平に保持されている。

【００１１】上記本体部１は、１枚の厚紙（厚み０．７
ｍｍ）を所定形状に切り抜き、立体的に組み立てて形成
したもので、その展開図は図２に示すようになってい
る。すなわち、正面８を中心にして、左右の側面３，４
と、上面９と、下面１０が、折り目（破線で示す。以下
同じ）を介して一続きに形成されている。そして、上面
９の奥側となる縁部に、折り目を介して折り返し片１１
が延設されており、上記左右の側面３，４の上下の縁部
に、折り目を介して折り返し片１２，１３が延設されて
いる。また、上記側面３，４には、背面側に折り返され
る折り返し片１４も延設されている。さらに、下面１０
の奥側となる縁部に、折り目を介して背面の下部となる
立ち上がり片１５が延設され、さらにその内側を補強す
るための折り返し片１６が延設されている。

【００１２】なお、正面８と上面９との間の折り目部分
に、２個の切込み１７が形成されており、この切込み１
７に、折り返し片１１の縁部に形成された突片１８が入
り込んで、折り返しが固定されるようになっている。

【００１３】また、下面１０と立ち上がり片１５との間
の折り目部分中央に、長めの切込み１９が形成され、そ
の左右に、２個の小さな切欠穴２０が形成されている。
上記切込み１９には、折り返し片１６の縁部に形成され
た突片２１が入り込んで、二重の背面を構成するように
なっている。そして、上記切欠穴２０には、左右の折り
返し片１３の縁部に形成された突片２２が入り込んで、
折り返し片１３と底面１０との重なりが固定されるよう
になっている。

【００１４】なお、正面８の中央には、球を模したイラ
スト２３があり、このイラスト２３内に、「お肌の６０
倍拡大」という見出し２４と、その下に「お肌がとびだ
す立体写真」という小見出し２５とが表示されている。
また、その下の、左右方向に延びる白線２６の上に、
「つもり肌とパーフェクト肌の違いがわかる！」という
キャッチフレーズ２７が小さい文字で表示され、その下
に、「３Ｄスキンビジョン」というこの装置の名称２８
が太い文字で表示されている。

【００１５】また、上面９の左右２個所に、中心と中心
の間隔が６ｃｍに設定された直径２．５ｃｍの切欠穴２
９が形成されており、折り返し片１１にも、これと重な
る配置で同形の切欠穴２９′が形成されている。そし
て、この切欠穴２９、２９′の間に、図３に示すよう
に、凸状の拡大レンズ３０が挟持されるようになってい
る。

【００１６】上記拡大レンズ３０は、外形が円形のもの
を２個用意して、それぞれを各切欠穴２９，２９′の開
口縁部で挟持するようにしてもよいが、この例では、図
４に示すように、長方形状のガラス板３１の左右に、２
個の拡大レンズ３０が一体的に形成されたものを用い、
ガラス板３１全体を、本体部１の上面９と折り返し片１
１の間に挟むようにしている。

【００１７】そして、上記拡大レンズ３０は、倍率が３
倍で、焦点が、本体部１内に保持された画像表示体２
（図１参照）の画像表示部７の上面に合うよう設定され
ている。したがって、この拡大画像簡易表示装置の本体
部１の上方から、上記拡大レンズ３０を覗くことによ
り、本体部１内に略水平に保持された画像表示体２の拡
大画像を、その３倍の大きさで見ることができる。

【００１８】なお、本体部１において、正面８の上部と
上面９にまたがって切欠穴５０が形成されているが、こ
れは、拡大レンズ３０を覗き込む際に、鼻が角に当たら
ないよう考慮したものである。

【００１９】一方、画像表示体２は、厚紙（厚み１ｍ
ｍ）を切り抜いて形成されており、図５に示すように、
略長方形状の画像表示部７と、その左右両端から側方に
突出形成された係合部６とを備えている。

【００２０】上記画像表示部７の片面７ａには、この拡
大画像簡易表示装置によって販売促進しようとする洗顔
料で洗顔した皮膚表面を２０倍の倍率で写真撮影した拡
大画像３２が印刷されている。この皮膚表面は、毛穴の
中まで完全に汚れが落ちており、非常に清潔になってい
ることがわかる。なお、その左側の係合部６には、青い
円の中に、白抜き文字で、「パーフェクト洗顔肌」とい
う文字３３が表示されており、右側の係合部６には、水
色の円の中に、「裏面もご覧下さい。」という文字３４
が表示されている。

【００２１】また、画像表示部７の他の面７ｂには、図
６に示すように、従来の、一般的な洗顔料で洗顔した皮
膚表面を２０倍の倍率で写真撮影した拡大画像３５が印
刷されている。この皮膚表面は、毛穴のなかに茶色い汚
れが残っており、清潔でないことがわかる。そして、そ
の左側の係合部６には、青い円の中に、白抜き文字で、
「つもり洗顔肌」という文字３６が表示されており、右
側の係合部６には、水色の円の中に、「裏面もご覧下さ
い。」という文字３７が表示されている。

【００２２】さらに、上記画像表示体２の係合部６の根
元部は、すでに述べたように、本体部１の左右の側面
３，４に設けられた切欠部５と係合し（図１参照）、係
合部６の残部は、本体部１の左右の側面３，４から側方
に突出するようになっている。そして、上記突出した係
合部６を両手で反転させることにより、いちいち画像表
示体２を本体部１の外に取り出すことなく、画像表示部
７の表裏の拡大画像３２，３５を交互に上向きに位置決
めすることができるようになっている。

【００２３】したがって、上記拡大画像簡易表示装置に
よれば、本体部１の上方から拡大レンズ３０を覗くこと
により、６０倍に拡大された皮膚表面の画像（表示され
た画像自体が２０倍、拡大レンズ３０によってその３倍
に拡大される）を見ることができる。覗くことによって
得られた拡大画像３２（３５）は、視覚的に限られてお
り、拡大レンズ３０を通して見るため、非常に立体感が
あり、微細な部分までくっきりとわかる。このため、従
来の洗顔料で洗顔された皮膚表面と、新製品にかかる洗
顔料で洗顔された皮膚表面の、汚れ落ちの程度の差異を
明確に把握することができ、これを覗いた顧客に、新製
品の優位性を充分に納得させることができる。そして、
２種類の拡大画像３２，３５を、拡大レンズ３０から目
を離すことなく、簡単な操作で交互に切り換えることが
できるため、両者の比較が非常にしやすい、という利点
を有する。

【００２４】なお、本体部１および画像表示体２は、必
ずしも厚紙で形成する必要はなく、例えばプラスチック
シートや板金で形成しても差し支えはない。また、形状
も、特に限定されないが、本体部１には、拡大レンズ３
０を保持する上面９と、これを支受する左右の側面３，
４および正面８が必要である。そして、背面（上記の例
では立ち上がり片１５によって部分的に形成されてい
る）は、画像表示体２の出し入れのために、広くあいて
いることが好ましい。

【００２５】また、画像表示体２は、板状である必要は
なく、例えば図７に示すように、三角柱を横に倒した形
状にしてもよい。この場合、画像表示部７が三面になる
ため、例えば「未洗顔の肌」，「従来の洗顔肌」，「新
製品による洗顔肌」といった、３種類の拡大画像を対比
して示すことができる。この場合、本体部１の左右の側
面３，４を、図示のようにＶ字状に切り欠いて段差を形
成し、この段差部４０に、画像表示体２の両端部をその
まま係合させることができる。

【００２６】もちろん、画像表示体２において、四角
柱，五角柱等、面の数を増やすことができ、その形状に
応じて、本体部１の左右の側面３，４の形状を適宜に設
計することができる。ただし、いずれの場合において
も、上から本体部１内を覗きながら、本体部１の側面
３，４から側方に突出する両端部（図１において係合部
６）を両手で操作することにより、いちいち画像表示体
２を本体部１から外に取り出すことなく、画像の切り換
えができるよう設定することが重要である。

【００２７】なお、画像表示体２の画像表示部７に設け
る拡大画像は、必ずしも拡大写真である必要はなく、拡
大写真を模した絵であっても差し支えはない。そして、
その拡大倍率は、画像の種類や拡大して見せたい部分の
大きさに応じて適宜に設定されるが、例えば上記の例の
ように、皮膚表面の汚れ等を見せる場合には、拡大レン
ズ３０を覗くことにより、本来の大きさの２０〜５００
倍程度に見えるよう設定することが好適である。そし
て、画像表示体２に、１０〜５０倍の拡大画像を表示
し、拡大レンズ３０により、これをさらに２〜１０倍に
拡大し、結果として上記の倍率のものが得られるように
設定することが特に効果的である。

【００２８】また、上記の例では、本発明を、皮膚表面
を拡大して表示する装置に適用し、洗顔料の販売促進に
役立てることとしたが、用途はこれに限るものではな
く、例えば頭皮や毛髪の拡大画像を見せて、シャンプー
やリンスの効果を顧客に示す装置としたり、肌荒れ防止
用のクリームや、目に見える薬効を備えた薬等の効果を
顧客に示す装置として用いることができる。さらに、繊
維製品の風合いや防水効果等を示す等、各種の商品の販
売促進用に用いることができる。

【００２９】つぎに、実施例について説明する。

【００３０】

【実施例】図１に示す拡大画像簡易表示装置を準備し、
専門のモニター１０人に拡大画像を覗かせたところ、モ
ニター１０人とも、「洗顔の効果の差異を、印象的に把
握することができ、非常に効果的である。」と評価し
た。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、本発明の請求項１記載の
拡大画像簡易表示装置によれば、本体部の上方から拡大
レンズを覗くことにより、実際よりもぐんと拡大された
画像をを見ることができる。そして、覗くことによって
得られる拡大画像は、視覚的に限られており、拡大レン
ズを通して見るため、非常に立体感があり、微細な部分
までくっきりとわかる。したがって、複数種類用意され
た拡大画像を、交互に比較することにより、両者の差異
を明確に把握することができる。しかも、上記複数種類
の拡大画像を、拡大レンズから目を離すことなく、簡単
な操作で交互に切り換えることができるため、両者の比
較が非常にしやすいという利点を有する。また、本発明
の装置は、構成が非常に簡単であることから、安価に提
供することができるという利点も有する。

【００３２】また、本発明の請求項２記載の拡大画像簡
易表示装置によれば、皮膚表面の状態を拡大してみるの
に好適な倍率のものが得られ、より明確にその特徴を把
握することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の外観斜視図である。

【図２】上記実施例に用いる本体部の展開図である。

【図３】上記実施例に用いる本体部の部分断面右側面図
である。

【図４】上記実施例に用いる拡大レンズの説明図であ
る。

【図５】上記実施例に用いる画像表示体の片面の説明図
である。

【図６】上記実施例に用いる画像表示体の他の面の説明
図である。

【図７】本発明の他の実施例の説明図である。

【符号の説明】

１本体部２画像表示体３，４側面５切欠部６係合部７画像表示部８正面９上面３０拡大レンズ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G09F 5/00 - 5/04 G02B 25/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも正面と上面と左右の側面とを
有し背面が広くあいた略箱状の本体部と、板状もしくは
多角柱状からなり各面に互いに異なる拡大画像が表示さ
れた画像表示部を有する画像表示体とを備え、上記本体
部の上面に、所定間隔で左右に並ぶ２個の穴が形成され
各穴内に拡大レンズが取り付けられて上から本体部内を
覗けるようになっているとともに、上記本体部の左右の
側面に、上記画像表示体の両端部と係合しうる段差部も
しくは切欠部が設けられており、上記画像表示体の両端
部と、上記本体部の段差部もしくは切欠部とを係合させ
ることにより、画像表示体の画像表示部を、そのいずれ
かの面が上向きで上記拡大レンズの焦点に合う高さとな
る配置で、本体部の内側空間に略水平に保持することが
でき、かつ上記画像表示体を本体部の外に取り出すこと
なく画像表示部の各面を交互に上向きに位置決めできる
ようになっていることを特徴とする拡大画像簡易表示装
置。
【請求項２】画像表示部に表示された拡大画像が、皮
膚表面を１０〜５０倍の倍率で撮影した拡大画像であ
り、本体部上面に取り付けられた拡大レンズの倍率が２
〜１０倍に設定されている請求項１記載の拡大画像簡易
表示装置。