JP3478821B2 - ペルオキシダーゼの予防および治療への応用 - Google Patents

ペルオキシダーゼの予防および治療への応用

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ペルオキシダーゼの予防および治療への応
用とウイルス性伝染病の予防法および治療法ならびに特
にペルオキシダーゼ薬剤の予防および治療への応用と単
純疱疹ウイルスやヒト免疫不全症ウイルスなどのエンヴ
ェロープ・ウイルス伝染病の予防と治療にこの種薬剤を
利用するための方法に関する。
発明の背景 エンヴェロープ・ウイルスとくに単純疱疹ウイルス
(HSV)やヒト免疫不全症ウイルス(HIV)がもつ細胞へ
の潜在的な毒性を予防し抑制するために有効な予防およ
び治療用薬剤の開発は、まだ不確かで問題が多い。
単純疱疹ウイルス(HSV−1、HSV−2など)は、その
存在が広く認められる。単純疱疹ウイルスによる伝染病
の予防および治療のために開発された予防薬および治療
薬ならびに予防法および治療法は、一般的にいって、ま
だ部分的にしか成功していない。
ヒトの乳に含まれる各種分泌物に抗ウイルス作用があ
ることは以前から知られている[マシューズ他「Lance
t」2:1388−1390(1976)、マイケルズ、R.H.「J.Immun
ol.」94:262−271(1964)、レグリード他「Acta Paed
riatz Scand.」75:696−701(1986)、アイザックス他
「J.Infect.Dis.」1954:969−971(1986)参照]。とく
に、ヒトの全乳は、単純疱疹ウイルス2に対して「in−
vivo」で抗ウイルス中和作用を示すことが認められてい
る。[ロペズ他「Arch.Fr.Pediatr.」46:263−265(198
9)]。この抗ウイルス作用が何に起因しているかにつ
いてはいくつかの説があるが、まだ確定的な説明は得ら
れていない。
乳の抗ウイルス作用の種たる原因は、従来、主として
そこに含まれる免疫グロビン(IgG)の存在によるもの
とされてきた。この抗ウイルス作用をもたらす物質とし
ては、他にも、熱に対して比較的安定性のある非脂質高
分子(マシューズ他、マイケルズ、いずれも上記書)お
よび/または分子重量が400,000ドルトンの分子(レグ
リード他、上記書)および/またはカプセルに包まれた
ウイルスのみに作用する脂質層成分(アイザックス他、
上記書)であるとする説がある。このように乳の抗ウイ
ルス作用の原因物質を特定できないために、乳あるいは
その成分あるいはそのシステムを抗ウイルスの目的に使
用することにはおのずから限界がある。
ヒトの唾液も、また単純疱疹ウイルス1を含む多くの
ウイルスに対する作用をもつことが以前から知られてい
る。[ジセリンク他「J.Infect.Dis.」137:583−586(1
978)参照]。残念ながら、ヒトの唾液の抗ウイルス作
用が何に起因しているかについてもまだ確定的な説明が
得られておらず、糖蛋白質[ラーナー他「J.Immunol.」
96:59−63(1966)]、免疫ゴロブリンA[トマシ「J.c
lin.Invest.」42:1552−1560(1963)]、あるいは免疫
グロブリンG[ジセリンク他、上記書]に起因するもの
とするなどさまざまな説がある。最近では、さらに、抗
ウイルス作用は、ウイルス中和作用によるものではなく
細胞保護作用によるものではないか、すなわち、唾液が
口部上皮細胞に直接作用して細胞をウイルスの感染から
防ぐのではないかという説も出されている[ハイネマ
ン、H.S.およびM.S.グリーンバーグ「Archs Oral Bio
l.」225:257−261(1980)参照]。残念ながら、唾液の
抗ウイルス作用が何に起因するかもまだ明らかとはなっ
ていない。
単純疱疹ウイルスによる感染およびそれがもつ細胞へ
の潜在的な毒性をあらゆる段階で予防し抑制することに
成功した薬剤は存在しない。
ヒト免疫不全症ウイルス(HIV)は、最近になってや
っとその存在が確認されたウイルスであるが、致命的で
広範に存在するウイルスである。これらHIVウイルスの
生化学および生理学的諸性質はまだほとんど知られてい
ない。「in−vitro」ではヒトの全唾液と1時間半以上
接触させることによってヒト免疫不全症ウイルス(HI
V)のフィトヘムアグルチニンで刺激されたリンパ球を
感染させる能力が抑制されるという報告がある。[フル
ツ「Lancet」2:1215(1986)]。しかし、培養時間がそ
れより短い場合には、顕著な消毒作用は認められない
[フルツ、上記書参照]。さらに、報告された唾液の資
料のすべてがHIV−1の伝染性の100%の抑制を保証して
いるわけではない[フォックス他「JADA」118:709−711
(1989)参照]。
現在までのところ、知り得る限りにおいて、HIVの感
染およびその細胞への潜在的な毒性の予防および治療に
常に成功することを立証した薬剤あるいは方法は存在し
ない。
予防と治療がとくに困難なエンヴェロープ・ウイルス
として、他にも、各種疱疹ウイルス(水痘−帯状疱疹ウ
イルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、ヒト疱疹
ウイルス6など)、パラミクソウイルス(ヒトのパライ
ンフルエンザウイルスなど)、オルトミクソウイルス科
のウイルス(AおよびB型インフルエンザウイルスな
ど)、ロータウイルス、コロナウイルス、レトロウイル
ス(ヒトのT細胞白血病ウイルス、ウシの白血病ウイル
ス、サルの免疫不全症ウイルスなど)などが挙げられ
る。
哺乳類の大部分の自然の外部分泌物には自然の抗菌作
用物質が含まれていることはよく知られている。とく
に、自然に発生し唾液や乳中に存在することが知られる
抗菌性のチオシアネート/ペルオキシダーゼ/H2O2系
は、広範に研究が行なわれている。
唾液中には抗菌性のペルオキシダーゼ依存系が存在す
ることが確認されており、これは、下記のようにハイポ
チオシアナイト(次亜チオシアン酸塩)(OSCN−)を生
成することができる。
[オラム、レイター「Biochem.J.」100:373−381(196
6)、ホッグ、ジャゴ「Biochem.J.」117:779−790(197
0)]、カールソン他「Infect.Immun.」44:581−586(1
984)]。唾液中に存在すると考えられており、この系
の中でチオシアネートを酸化するペルオキシダーゼは、
唾液ペルオキシダーゼおよびラクトペルオキシダーゼを
含む。乳の中にも同様な抗菌性のラクトペルオキシダー
ゼ依存系が存在することが確認されている。[オラム、
レイター「Biochem.J.」100:382(1966)]。実際、唾
液中で機能するチオシアネート/ペルオキシダーゼ/過
酸化水素系は、乳の中での同様に機能する。[クレバノ
フ、S.J.他「J.Dent Res.」(supp.)p.86(196
5)]。
「in votr」では、ペルオキシダーゼ/チオシアネー
ト/過酸化水素系が頻繁に歯および/または歯周組織を
破壊する原因となることが知られている若干の細菌に対
して抗菌効果をもつことが示されている。[カールソ
ン、上述書、コートイス他「J.Dent Res.」68(spec.i
ssue):1002(1989)参照]。この系の抗菌効果は、ま
た、頬面粘膜のアフタ性外傷の症例では「in vivo」で
も実証されている。[フージェンドーン、ピエッセンス
「J.Oral Pathl.」16:425−427(1987)]。
残念ながら、チオシアネート/ペルオキシダーゼ/過
酸化水素系の抗菌メカニズムはまだ正確には確認されて
いない。しかし、生理的pHでは、(この系で生成され
る)ハイポチオシアナイト(次亜チオシアン酸塩)が細
菌の必須アミノ酸および酵素のSH基の酸化に介在して細
菌の活動を抑制すると考えられている。さらに、ラクト
ペルオキシダーゼが同じく細菌の活動を抑制する抗菌作
用があるとみられるシアノ亜硫酸やシアノ硫酸などチオ
シアネート・イオンの高級オキシ酸の形成にかかわって
いるとの説もある。[ビヨルク、L.、O.クレッソン「J.
Dairy Sci.」63:919−921(1980)、ホッグ他、上記
書、プルイット他「Biochemistry」21:562−567(198
2)]。
チオシアネート/ペルオキシダーゼ/過酸化水素過酸
化物系を含んだ口部で活性化される抗菌性歯みがきも知
られている。口部に投与されると、この種の抗菌性歯み
がき中の酵素依存系が口腔内の自然の化学的環境中の
(酸素および/または水など)各種構成物質によっt活
性化されることになる。とくに、ペリコ他に与えられた
アメリカ合衆国特許第4564519号(以下ペリコ'519と呼
ぶ)は、2−酵素型の噛む口部活性化抗菌歯みがきを開
示している。この歯磨きは、チオシアネートとラクトペ
ルオキシダーゼを含み、この中、ラクトペルオキシダー
ゼは、歯みがき中の他の酵素系によって形成される過酸
化水素との相互作用によって、ハイポチオシアン酸(次
亜チオシアン酸)(HOSCN)を用いた酸−塩基の平衡溶
液中に存在する負の一価のハイポチオシアナイト(次亜
チオシアン酸塩)イオン(OSCN-)の形をとる細菌抑制
物質を生成する。
またモントゴメリー他に与えられたアメリカ合衆国特
許第4576817号には、消毒用のために抗菌性酵素を利用
した包帯およびガーゼが開示されている。このガーゼ
は、酵素を利用した用具を漿液と接触させて過酸化水素
を生成する目的で、漿液で活性化されるオキシドレダク
ターゼ(酸化還元酵素)を含んでいる。ある実施例で
は、この種の抗菌性包帯はラクトペルオキシダーゼなど
の過酸化性ペルオキシダーゼも含むように構成されてい
る。
ジャーナル「BIOFUTUR」(1990年2月、52ページ)に
は、共働すると各種感染症の治療に有用とおもわれる有
毒な遊離基を生成する2つの酵素を有する系が開示され
ている。この系は、グルコースの存在下でH2O2で生成す
るグルコース・オキシダーゼを含むものである。この系
は、また、H2O2とともに細胞にとって毒性の高いヨード
化物も含んでいる。残念ながら、この毒性の正確なメカ
ニズムはまだわかっていない。このジャーナルの中で
は、さらに、このグルコース・オキシダーゼ/ペルオキ
シダーゼ系がCandida albicansに対する単クローン抗
体と結合された場合にマウスのこの種感染症の予防に効
果があったことが報告されている。このグルコース・オ
キシダーゼ/ペルオキシダーゼ系は、また、HIVのgp120
フラクションのエピトープ用単クローン抗体と結合され
た場合にこのエピトープを表すSacharomycesの感染症に
効果があったことも報告されている。
ジャーナル「CLINICAL RESEARCH」Vol36、No.5(198
8)809Aには、「in vitro」では、ラクトペルオキシダ
ーゼ−ハロゲン化物−過酸化水素(LHHP)系が呼吸器シ
ンシチウム・ウイルス(RSV)の自己複製に効果があっ
たことが報告されている。また、ミエロペルオキシダー
ゼ−ハロゲン化物−ペルオキシダーゼ系(食細胞によっ
て捕食されたバクテリアに対するホスト防御メカニズム
の中で重要な役割を果たす)が、RSVに対するホストの
防御においてもある役割を果たしているのではないかと
いう説も出されている。
最後に、PCT特許出願第WO 8912457号の中には、マク
ロファージのレベルでヒトの自然の抗体活動を補強する
ためにミエロペルオキシダーゼをキャリヤと合わせたも
のをヒトに投与することが開示されている。この開示で
は、精製したミエロペルオキシダーゼをマクロファージ
に親和力を有するキャリヤと結合させ、キャリヤがミエ
ロペルオキシダーゼをマクロファージが抗体防御のため
にそれを補足して利用するところまで運ぶようにしてい
る。開示されているキャリヤには、マクロファージに親
和力を有する抗体あるいはその断片(結合エージェン
ト)が含まれている。他に利用できるキャリヤとして
は、特殊なリポゾームおよびヒトの血清アルブミンが示
されている。好ましくは、ミエロペルオキシダーゼおよ
びそれと結合されたキャリヤが、DNA組み替え技術を利
用して形成される。このような組成物が、人体の自然の
抗体防御機能を助け、高め、補強するために与えられ、
また、HIVを含めて各種伝染病の撲滅に有用であると考
えられている。
ペルオキシダーゼとチオシアネート/ペルオキシダー
ゼ/過酸化水素系の性質に関しては、それぞれに以前か
らいろいろなことが知られており、また、エンヴェロー
プ・ウイルス(とくに、単純疱疹およびヒトの免疫不全
症ウイルス)による感染症の予防および治療のための予
防および治療薬が求められているにもかかわらず、われ
われの知るかぎり、今日まで、エンヴェロープ・ウイル
スによる感染症の予防および治療のために、またとく
に、単純疱疹ウイルスおよびヒトの免疫不全ウイルスに
よる感染症の予防および治療のために、ペルオキシダー
ゼまたは過酸化物系を組み込んだ薬剤を利用したものは
いない。
したがって、HSVおよびHIVを含めてエンヴェロープ・
ウイルスによる感染症を予防しまた/または治療する予
防用および治療用ペルオキシダーゼ薬剤に対するニー
ズ、ならびに、それらに対する抑制作用を有する基質、
酸素供与体、あるいはペルオキシダーゼを自然に発生す
る濃度に頼るのではなく、それらを必要としている人々
に投与できるようにペルオキシダーゼを予防および治療
のための薬剤に応用することへのニーズが存在すると考
えられる。最後に、そのようなペルオキシダーゼ薬剤を
それを必要としている人々に予防および治療に効果のあ
る量だけ投与することによって、HSVおよびHIVを含むエ
ンヴェロープ・ウイルスの感染症を予防し治療する方法
に対するニーズも存在する。
発明の概要 本発明の主要な目的は、エンヴェロープ・ウイルスの
予防および治療のための薬剤の処方(製造)にペルオキ
シダーゼを使用(応用)する用途を提供することであ
る。
本発明の他の目的は、単純疱疹ウイルスおよびヒトの
免疫不全ウイルスを含めてエンヴェロープ・ウイルスの
感染症を予防および治療するための薬剤にペルオキシダ
ーゼを予防および治療の目的で応用する用途を提供する
ことである。
本発明のさらに他の主要な目的は、ペルオキシダーゼ
薬剤をそれを必要としている個人に予防および治療に効
果のある量を投与することによってウイルスに対する予
防法および治療法を提供することである。
本出願に関しては、「予防」という用語は、エンヴェ
ロープ・ウイルスとくにHSVおよびHIVの感染症を予防す
るおよび/または予防に役立つ薬剤、量、方法、用途、
作用等に関してさまざまに使用される。また、本出願に
関しては、「治療」という用語は、エンヴェロープ・ウ
イルスとくにHSVおよびHIVの感染症状を改善する薬剤、
量、方法、用途、作用等に関してさまざまに使用され
る。
本発明が教えるところにもとづいて、ここには、単純
疱疹ウイルスおよびヒトの免疫不全症ウイルスを含めて
エンヴェロープ・ウイルスの感染症を予防し治療するた
めの薬剤中にまたペルオキシダーゼ薬剤の投与の方法に
ペルオキシダーゼを予防および治療の目的で応用する用
途が開示されている。
本発明の好ましいペルオキシダーゼ薬剤(以下、「ペ
ルオキシダーゼ組成物」または単に「組成物」と呼ぶこ
とがある)とは、それだけでほぼ必要物を備えた抗ウイ
ルス系で、その利用者が、自然に発生する「in vivo」
化合物あるいはその濃縮物に依存しないでも作用するも
のである。この薬剤には、好ましくは過酸化水素を生成
するグルコース−グルコース・オキシダーゼ酵素系であ
る酸素供与体、たとえばラクトペルオキシダーゼのよう
なペルオキシダーゼ、ハロゲンおよびギハロゲンからな
るグループから選ばれた基質が含まれる。これらペルオ
キシダーゼ薬剤は、それを比較的短期間投与しただけで
もHSVおよびHIVなどのエンヴェロープ・ウイルスの予防
および治療に効果があるように処方される。好ましく
は、これら各種成分の濃縮および/または処方は、酸素
供与体およびペルオキシダーゼで生成される化合物の生
成を最大し、同時に酸素供与体の濃度をペルオキシダー
ゼの活動を妨害しないレベルに維持するように選ばれ
る。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤の処方は、唾液のチオ
シアネート−ペルオキシダーゼ系の各種成分を含み、ま
たややそれを模倣する形にすることが好ましいことが認
められている。そのような処方が好ましいのは、その成
分がヒトの外分泌物の純粋な成分であるためである。こ
のような処方は、さらに、その各種成分のいずれかによ
って食物の吸収が増進されるために薬剤の抗ウイルス作
用がいっそう高められることからも好ましい。
したがって、本発明は、最も好ましくは、それだけで
ほぼ必要物を備えて次亜チオシアン酸塩を生成する予防
および治療用のペルオキシダーゼ/チオシアネート/過
酸化水素薬剤であって、エンヴェロープ・ウイルスの感
染症の予防および治療のために利用者が自然に発生する
その「in vivo」の口内濃縮物に依存することなく適用
あるいは利用できる薬剤を提供するものである。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤によって予防および/
または治療されるエンヴェロープ・ウイルスには、他
に、パラミクソウイルス(ヒトのパラインフルエンザウ
イルスなど)、オルトミクソウイルス科のウイルス(A
およびB型インフルエンザウイルスなど)、ロータウイ
ルス、コロナウイルス、発疹ウイルス(帯状水痘ウイル
ス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、ヒト疱疹ウイ
ルス6など)、レトロウイルス(ヒトのT細胞白血病ウ
イルス、ウシの白血病ウイルス、サルの免疫不全症ウイ
ルスなど)が含まれる。
さらに、本発明が教えるところにもとづけば、単純疱
疹ウイルスやヒトの免疫不全ウイルスなどのエンヴェロ
ープ・ウイルスの感染症の予防および治療の方法が開示
される。この方法は、本発明のペルオキシダーゼ薬剤を
それを必要とする人に予防および治療に効果のある量だ
け投与することを含むものである。
以上の目的および本発明の他の目的は、添付の図面を
参照して行なう以下の説明から明かとなろう。
図面の簡単な説明 第1図は、HSV−1を本発明の薬剤のペルオキシダー
ゼ/チオシアネート/過酸化水素系で前治療した20分、
30分、および120分後に得られた結果を示す棒グラフで
ある。
第2図は、本発明の薬剤のペルオキシダーゼ/チオシ
アネート/過酸化水素系で治療した後に上清中の培養リ
ンパ球中のHIV生成p24の成長に関して得られた結果を示
す線グラフである。
第3図は、本発明の薬剤のペルオキシダーゼ/チオシ
アネート/過酸化水素系で治療した後に106の細胞ごと
のp24の細胞間成長に関して得られた結果を示す線グラ
フである。
第4図は、ラクトペルオキシダーゼとミエロペルオキ
シダーゼでの検定結果を示した線グラフである。
発明の詳細な説明 本発明のペルオキシダーゼ薬剤は、一種類のペルオキ
シダーゼを含むものである。好ましくは、ペルオキシダ
ーゼ薬剤は、HSVおよびHIVを含むエンヴェロープ・ウイ
ルスに対して抗ウイルス性を示すペルオキシダーゼ/酸
化可能な基質/酸素供与体系を含むものである。これら
の抗ウイルス性薬剤にあっては、ペルオキシダーゼが酸
素供与体(過酸化物)による基質(ハロゲンまたはギハ
ロゲン)の酸化の触媒作用を果たして、負の電荷をもつ
一価の酸化化合物を形成する。この薬剤は、求めあるい
は必要に応じて、HSVおよびHIVなどのエンヴェロープ・
ウイルスの感染症の予防および/または治療のためにそ
れを必要としている人にその予防および/または治療に
有効な量を投与できるように、予防および/または治療
の目的で処方することができる。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤は、また、パラミクソ
ウイルス、オルトミクソウイルス科のウイルス、ロータ
ウイルス、コロナウイルス、発疹ウイルス(帯状水痘ウ
イルス、サイトメガロウイルス、EBウイルス、ヒト疱疹
ウイルス6など)、レトロウイルス(ヒトのT細胞白血
病ウイルス−1、ウシの白血病ウイルス、サルの免疫不
全症ウイルスなど)などのエンヴェロープ・ウイルスの
感染症に対する予防および治療の用途に関しても有用で
ある。
本発明の薬剤の基質は、負の電荷をもつハロゲン、そ
の誘導体、負の電荷をもつギハロゲン、およびその誘導
体で構成されるグループから選ばれる。「ハロゲン」と
いう用語は、当該技術に熟達した人には周知の通り、元
素周期表のVII族に属する元素の負の電荷をもつ一価の
状態のものを指し、臭化物、塩化物、およびヨウ化物を
含む。「ギハロゲン」という用語は、負の電荷をもつ一
価のイオンおよびイオン化合物を指す。本発明の「ギハ
ロゲン」は、ナトリウムチオシアネート、カリウムチオ
シアネート、アンモニウムチオシアネート、鉄(III)
チオシアネートなどのチオシアネート塩およびその混合
物を含む。これらの基質およびその誘導体は、自然の物
質(たとえば、唾液およびヒトの乳)から抽出(遊離)
することもできるし、また自然のまたは化学的方法で生
成することもできる。これらは、いずれも、当該技術に
熟達した人には周知のものである。
本発明の薬剤中のペルオキシダーゼは、酸素供与体に
よる基質の酸化の触媒作用を果たして、酸化化合物を生
成する。これらのペルオキシダーゼには、セイヨウワサ
ビのペルオキシダーゼのような植物の(植物性)ペルオ
キシダーゼ、ならびに、唾液ペルオキシダーゼ、ラクト
ペルオキシダーゼ、ミエロペルオキシダーゼ、好酸性ペ
ルオキシダーゼなどのような哺乳類のペルオキシダーゼ
が含まれる。本発明の薬剤に用いられるペルオキシダー
ゼは、当該技術に熟達した人には周知の方法および手法
によって、セイヨウワサビや唾液から抽出されるペルオ
キシダーゼなどのように[たとえば、マンソン−ラテム
ツラ他「Biochemistry」27:233−239(1988)に記載さ
れているように]、あるいはまた、乳の誘導体(すなわ
ち乳漿)から抽出されるラクトペルオキシダーゼやリン
パ球から生成されるミエロペルオキシダーゼなどのよう
に、自然の環境から抽出することができる。これらのペ
ルオキシダーゼは、やはり当該技術に熟達した人には周
知のように、DNA組み替え技術によって生成されるペル
オキシダーゼ(ミエロペルオキシダーゼを含む)をも含
むものである。
[本出願に関しては、「国際単位」という用語は、pH7
および25℃で、毎分、1マイクロモルの基質の触媒作用
を行なう酵素の量を指す。酵素は、グラムまたはミリグ
ラムの適当ないずれか一方を用いて「IU」(国際単位)
で濃度を示したレーベルを付け、乾燥した状態または液
状で供給される。] ラクトペルオキシダーゼは、糖蛋白質で、商品として
は、乳から得られた凍結乾燥した粉末状のものが市販さ
れている。この市販のペルオキシダーゼは、80国際単位
(以下IUで表すことがある)の活性があり、L−チロシ
ン・ヨウ素化に関しては93,000の分子量があると推定さ
れる。ラクトペルオキシダーゼの物理化学的性質として
は、分子量78,000、部分比体積0.74、ヘム/分子1.0な
どが知られている。
唾液ペルオキシダーゼは、糖蛋白質で、唾液または耳
下腺の腺房から得ることができる。唾液ペルオキシダー
ゼの化学的特性は、よく知られていない。しかし、唾液
ペルオキシダーゼの物理化学的性質としては、分子量が
約80,000−100,000の範囲にあることなどが知られてい
る。
ミエロペルオキシダーゼも、やはり糖蛋白質である。
市販されているものの中には(アメリカ合衆国ミズーリ
州セントルイスのSIGMA社)、0.02Mの酢酸ナトリウム緩
衝剤から凍結乾燥したヒトのリンパ球から得られるミエ
ロペルオキシダーゼがある。この市販されているもの
は、40−100IUの活性がある。
セイヨウワサビのペルオキシダーゼも、糖蛋白質であ
る。市販されているものの中には(アメリカ合衆国ミズ
ーリ州セントルイスのSIGMA社)、基本的に塩を含まな
いものもある。この市販されているものは、固体mg当た
り250−330単位の活性がある。この商品の予備的研究で
は、その中に2つの塩基性アイソチームが含まれてお
り、酸性のアイソチームは含まれていないことが示され
ている。[ここで用いられる「単位」という用語は、pH
6および20℃で20秒間に1.0mgのプルプロガリンを生成す
るセイヨウワサビのペルオキシダーゼの量を指す。この
プルプロガリン(20秒)の単位は、25℃で毎分約18uM単
位と等価である。] 表I Aには、本発明の薬剤で利用する好ましいペルオ
キシダーゼ/基質の組み合わせの例を示す。
下記の表I Bには、(酸素供与体からの過酸化物−本
出願の説明に関しては過酸化水素−の存在下で)次亜ハ
ロゲン酸塩または次亜チオシアン酸塩化合物を生成する
ための本発明の表I Aの代表的な酵素系の反応を示す。
本発明の酸素供与体は、薬剤中で基質の酸化に必要な
過酸化物(たとえば、過酸化水素)を供給する。
好ましくは、酸素供与体は、基質、その基質に特定の
酵素、および水および/または酸素および/または水素
などの他の必要な反応物質を含む酵素系である。代わり
に、本発明の薬剤中においては、(過酸化水素の形で)
過酸化物を供給するために連鎖球菌あるいは一般には乳
酸菌と呼ばれている乳酸桿菌などの微生物を利用するこ
ともできる。この種乳酸菌の具体的な例としては、Lact
obaccillus casei、Streptococcus faecalis、Strept
ococcus mutansなどを挙げることができる。この種の
微生物(細菌)の使用は、局部塗布用の腟クリームとし
て使用するために処方される薬剤ではとくに好ましい。
本出願では、また、無機過酸化物(たとえば、過酸化
ナトリウム、過酸化マグネシウムなど)または有機過酸
化物(たとえば、過酸化ベンジル、過酸化尿素など)の
使用も考えられる。また、反応すると過酸化水素と生成
する薬品の使用も考えられる。また、過酸化水素自身を
酸素供与体として使用することもできる。実際になにを
酸素供与体として使用するかは、投与のための薬剤の処
方を含むいくつかの要因によって異なってくる。
最も好ましくは、酸素供与体は、酸化可能な基質、そ
の基質に特定の酸化還元酵素、および酸素および/また
は水など他の必要な反応物質を含む酵素系である。その
ような酸化可能な基質およびそれに特定の酸化還元酵素
の例は、ペリコ他に与えられたアメリカ合衆国特許第45
64519号(以下、ペリコ'519と呼ぶ)に挙げられてい
る。下の表II Aには、いくつかの例を示す。
表II Aの代表的な酵素系が過酸化水素を生成する反応
を表II Bに示す。
特定の出典から引用して表II Aに挙げた代表的な酸化
還元酵素の特性は、ペリコ'519に述べられているが、そ
こに説明されている関連する特性を、本出願の一部とし
て以下に引用する。
最も好ましくは、本発明のペルオキシダーゼ薬剤は、
ラクトペルオキシダーゼまたはミエロペルオキシダーゼ
のいずれかをチオシアネート(SCN-)基質およびグルコ
ース/グルコース・オキシダーゼ酵素系酸素供与体と組
み合わせたものを含んでいる。
上に述べたペルオキシダーゼ/基質/過酸化物系は、
好ましくは、使用者の自然に発生する「in vivo」での
基質、酸素供与体、ペルオキシダーゼ、および他の成分
の濃度にほぼ依存することなく適用あるいは使用できる
それだけでほぼ必要物を備えた系として「in vivo」で
使用する予防および治療用薬剤中に処方される。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤の有効性が、当該薬剤
が投与される自然に発生する環境によって生じることも
明らかにされている。たとえば、ヒトの口の中では、過
酸化水素の濃度は生物学的生産および唾液の流れの正関
数として変化する。自然の事象としてあるいは何らかの
医療処置から生じた事象として唾液の流れが低いレベル
にあるときは、カリウム・チオシアネートやペルオキシ
ダーゼなどの各種成分の口内濃度はそれに対応して低下
する。このことが、こんどは、薬剤が投与されたときに
その予防および治療効果を制限する限定要因になり得る
であろう。さらに、ペルオキシダーゼの口内濃度が唾液
の流れの低下によって抑えられると、過酸化水素の口内
濃度が閾値まで上昇し、そのため過酸化水素が薬剤のペ
ルオキシダーゼの作用を妨害するおそれがある。
したがって、上に記した薬剤中の基質、酸素供与体、
およびペルオキシダーゼの濃度は、過酸化水素とペルオ
キシダーゼの濃度を調和させて過酸化水素の濃度をそれ
によってペルオキシダーゼの作用が妨害されないレベル
に制限するように調節し制限しなければならない。
[ここで使用する限りにおいて、ミリモルという用語
は、薬剤の分子量に対応するグラムでの量を1000で割っ
たものを意味する。] 酸素供与体が過酸化水素自身である場合には、それ
は、通常本発明の薬剤1グラムまたは1ミリリットル中
に約2ないし300ミリモルの量で、また好ましくは薬剤
1グラムまたは1ミリリットル中に約3ないし300ミリ
モルの量で存在する。
酸素供与体が酸化可能な基質とその基質に特定の酸化
還元酵素である場合には、酸化可能な基質は、通常ペル
オキシダーゼ薬剤1グラムまたは1ミリリットル中に約
0.015ないし0.6ミリモルの量で、また好ましくは薬剤1
グラムまたは1ミリリットル中に約0.025ないし0.1ミリ
モルの量で存在し、また、酸化還元酵素は、通常薬剤1
グラムまたは1ミリリットル中に約0.5ないし500IUの量
で、また好ましくは薬剤1グラムまたは1ミリリットル
中に約1.0ないし40IUの量で存在する。
酸素供与体が無機または有機過酸化物である場合に
は、その過酸化物は、通常薬剤1グラムまたは1ミリリ
ットル中に約0.000006ないし0.6ミリモルの量で、また
好ましくは薬剤1グラムまたは1ミリリットル中に約0.
00006ないし0.06ミリモルの量で存在する。
基質は、通常薬剤1グラムまたは1ミリリットル中に
約0.0000008ないし0.01ミリモルの範囲の量で、また好
ましくは薬剤1グラムまたは1ミリリットル中に約0.00
0008ないし0.006ミリモルの範囲の量で存在する。
基質がチオシアネート塩(ギハロゲン)である場合に
は、それは、通常薬剤1グラムまたは1ミリリットル中
に約0.0001ないし0.01ミリモルの範囲の量で、また好ま
しくは薬剤1グラムまたは1ミリリットル中に約0.001
ないし0.006ミリモルの範囲の量で存在する。薬剤の処
方にあたっては、酵素の作用を抑制または低減する金属
化合物の使用を避けるように注意しなければならない。
基質がハロゲンである場合には、それは、通常薬剤1
グラムまたは1ミリリットル中に約0.0000008ないし0.0
08ミリモルの量で、また好ましくは薬剤1グラムまたは
1ミリリットル中に約0.000008ないし0.004ミリモルの
量で存在する。
ペルオキシダーゼは、通常薬剤1グラムまたは1ミリ
リットル中に約0.01ないし50IUの量で、また好ましくは
薬剤1グラムまたは1ミリリットル中に約0.2ないし4.0
IUの量で存在する。
のぞましい場合には、ペルオキシダーゼ薬剤は、「in
vivo」での使用のためにペルオキシダーゼによって生
成される抗ウイルス性化合物を得る目的で、ある系の化
合物の一つまたは化合物の組み合わせの自然に発生する
「in vivo」濃度に依存するような系として処方できる
ことが明らかにされている。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤の抗ウイルス性予防お
よび治療効果は、本発明の薬剤の処方によって生成され
る化合物の濃度に依存する。これら化合物の生成される
濃度は、1マイクロモルから100ミリモルまでの間で変
化するが、5マイクロモルから1ミリモルの間の濃度が
好ましい。この値を達成するために、酸素供与体および
/または基質の濃度に対するペルオキシダーゼ単位の濃
度は、広い範囲で変化させることができる。
水の存在は、本発明のペルオキシダーゼ薬剤の酸化/
還元反応を促進する。水は、また、ある種の反応では反
応物質である。したがって、好ましくは、前記薬剤の処
方にあたっては、薬剤に最大限の安定性と保存寿命を与
えるために、水の使用を比較的低濃度にとどめる。
薬剤の中で活性化された酵素系の生成物が弱い有機酸
を含む場合には、薬剤を有機酸を中和する緩衝剤ととも
に処方すると有利である。適当な緩衝剤の一つは、重炭
酸ナトリウムである。
この点に関して、本発明のペルオキシダーゼ薬剤は、
生理的pHにほぼ近似するpHを示すように処方することが
好ましい。具体的には、本発明のペルオキシダーゼ薬剤
は、4.5から6.5の範囲のpHを有することが好ましく、6
から6.5の範囲のpHを示すことがとくに好ましい。
それだけで必要物を備えた活性の薬剤として処方する
ためには、薬剤の成分をいっしょに処方の中に入れ、し
かもその成分の少なくともいくつかは使用時まで互いに
化学的に分離された状態に保たれるようにすべきであ
る。たとえば、ペルオキシダーゼ、酸素供与体(酸素供
与体酵素系または微生物)は、行動の自由を拘束しある
いはマイクロカプセルに入れ、それらが使用されるとき
まで互いに反応し合わないようにすることもできる。上
に記した系のいかなる物質もいずれかの成分によって破
壊あるいは化学反応を抑制されることがなければ、薬剤
は、単純疱疹ウイルスおよびHIVを含めてエンヴェロー
プ・ウイルスに作用する。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤は、特定の状況下での
投与にとって好ましい任意の適当な方法で、薬学的に許
容されるキャリヤとともに処方することができる。たと
えば、薬剤を口内の感染症の治療に経口投与する歯みが
き(チューインガム、うがい薬、ペースト状歯みがき、
スプレー、薬用ドロップ、食べられるボンボンなど)と
して処方することもできる。あるいは、薬剤をそれを必
要とする人の皮膚、目、毛など局部に投与するための局
部処方薬(スプレー、ゲル、クリーム、点眼剤、シャン
プーなど)としておよび/または包帯またはガーゼに組
み込んで処方することもできる。最後に、薬剤を体内投
与用の注射液として処方することもできる。
本発明の薬剤を局部、経口、あるいは注射用処方とし
て調製し包装するための方法、機器、および加工処理技
術は、当該技術分野では開発が進んでおりまたよく知ら
れている。
本発明の薬剤のペルオキシダーゼ/基質/過酸化物系
は、このような処方に組み込むのに適している。しか
し、本出願に記載されている酵素は、強い剪断力や高い
温度などの条件下では劣化し不活性化するおそれがあ
る。したがって、酵素が薬剤の処方の他の成分と混ぜ合
わされて完成品になる期間中、加工処理条件は、いかな
る長期間でも温度が55℃より上に上昇しないように制御
しなければならない。
保存の安定性を高めるために、本発明の薬剤のペルオ
キシダーゼの処方および調製で行われる混和は、ほぼ自
由な水のない状態で行ない、また、完成品は、できるだ
け空気および水分に曝さないように包装しなければなら
ない。
本発明のペルオキシダーゼ薬剤は、以下に説明する例
によってさらによく理解されよう。ただし、これらの例
は、あくまで説明のためのものであって、いかなる意味
でも本発明の範囲を限定するものではない。
実施例I 下の表IIIは、チューインガム、噛める錠剤、薬用ド
ロップなどの経口投与用歯磨きとして処方されるペルオ
キシダーゼ薬剤用の薬学的に許容されるキャリヤの基礎
処方例を示したものである。
表III中、処方(a)および(b)は、チューインガ
ムの形での薬学的に許容されるキャリヤを示し、処方
(c)および(d)は、錠剤および薬用ドロップの形で
の薬学的に許容されるキャリヤを示している。これらの
処方の中で、ナトリウム・サッカリンはアスパルテーム
で置換できる。
以下の各例は、本発明にもとづく経口投与で予防およ
び治療に効果のある量を供給するための歯みがきの調製
に使用できる各種成分およびそれらの濃度を示したもの
である。
実施例II 下の表VIIIは、クリームまたはゲル状であるいは包帯
またはガーゼに組み込んで局部的に投与する局部用薬剤
として処方されるペルオキシダーゼ薬剤用の薬学的に許
容されるキャリヤの基礎処方例を示したものである。
表VIII中、処方(a)は、ゲルの形での薬学的に許容
されるキャリヤを示しており、処方(b)は、クリーム
の形での薬学的に許容されるキャリヤを示している。
以下の各表は、本発明にもとづく局部用ペルオキシダ
ーゼ薬剤の調製に使用できる各種成分およびそれらの予
防および治療に効果のある量を示したものである。
実施例III 下の表XIは、点眼薬または洗眼薬として局部的に投与
する洗眼液用に処方される本発明のペルオキシダーゼ薬
剤のための薬学的に許容されるキャリヤの基礎処方例を
示したものである。
以下の各表は、本発明にもとづく洗眼薬の調製に使用
できる各種成分およびそれらの予防および治療に効果の
ある量を示したものである。
組成物は、2つの部分に分けて処方され、使用に先立
って組み合わし、よく振って2つの部分が溶けて混ざり
合うようにする。
第1の部分は、ラクトペルオキシダーゼとグルコース
・オキシダーゼの混合物である。第2の部分は、ホウ
酸、水和ホウ酸ナトリウム(10 H2O)、ビタミンA、0.
0025%のアスコルビン酸、カリウム・チオシアネート、
水、グルコースの5ml溶液である。この5ml溶液(第2の
部分)は、第1の部分と混ぜ合わし、よく振って粉末が
溶けるようにする。投与は、通常の点眼薬と同様にして
行なう。
実施例IV 内部(注射)投与用の注射組成物(溶液)として処方
されるペルオキシダーゼ薬剤のための薬学的に許容され
るキャリヤの基礎処方例を示す。この基礎組成物は、塩
化ナトリウム0.15モルとリン酸ナトリウム60ミリモルの
緩衝液(pH)である。この組成物に、ミエロペルオキシ
ダーゼ30単位を加え、溶液を混ぜて薬剤を調製する。
[この例に用いられている限りにおいて、単位とは、オ
ート−ジアニシジンを使用して室温で1分間に470nmで
吸光度1単位を増大させる触媒作用を果たすために必要
な酸素の量を指す。クラウイックス他「Gastroenterolo
gy」vol.87:1344−1350ページ(1984)参照。上の意味
では、1マイクログラムは1単位に等しい。] 次に、この薬剤の予防または治療に効果のある量(た
とえば、約0.5ml)を、必要としている患者に投与す
る。好ましくは、この投与は、筋肉内注射によって行な
う。
同じ溶液を通常認められているような噴霧療法を適用
してスプレーで使用してもよい。
実施例V この例は、本発明のペルオキシダーゼ薬剤のペルオキ
シダーゼ/基質/過酸化物系のエンヴェロープ・ウイル
スとくに単純疱疹ウイルス−1に対する効果を示すもの
である。ペルオキシダーゼ薬剤のペルオキシダーゼ/基
質/過酸化物系は、下の表XIIIに示す処方を用いて調製
される。
舌、鼻咽頭窩、および外陰部の滲出液から4株のHSV
−1ウイルスが得られた。これらの試料をプールし、次
に、免疫蛍光法を用いて型の決定を行なってHSV−1と
した。その後、MRCS細胞および成長媒質内で増殖させ
た。遠心分離によって細胞と細胞デブリスの分離を行な
った。次に、ウイルスをアリコートにして液体窒素内で
貯蔵した。
次に、HIV−1のプールの試料を10から10のフォール
ドに希釈し、下から3番目の細胞に対する毒性の規定濃
度にして、これを各実験およびコントロールのベースラ
インにとった。
次に、上の表XVに示したペルオキシダーゼの処方を等
量のベースライン規定濃度のHVS−1プール懸濁液と混
ぜ合わせた(1ml/1ml)。
これらウイルスとペルオキシダーゼ処方の混合物を、
37℃で30分、60分、および120分孵置した。次に、これ
ら混合物を10から10のフォールドに希釈し、5の指数関
数的に濃度が減少する懸濁液を得た。これらの懸濁液の
各々から50マイクロリットルを試料としてとり、「in
vitro」で育てたフィブロブラストの層に接種した。接
種後、細胞の培養物を7日間検査した。細胞に対する毒
性の評価を次の要領で半定量的に行なった。0から25%
までを1+、25から50%までを2+、50から75%までを
3+、75から100%までを4+。
コントロールは、酸化作用のある半分を等量のHBSS緩
衝液で置換して安定させた。逆に、ブランクは、処方の
完全な酸化系を保持したが、ウイルスの半分は成長媒質
で置換された。
予備処理されたウイルスの細胞に対する毒性をペルオ
キシダーゼ処方と接触させなかった懸濁液のウイルスと
比較した。この比較の結果は下記のように表した。
1. 効果なし:すなわち、実験とコントロールの間に細
胞に対する毒性の差はない。
2. 遅延効果:細胞に対する毒性の発現前に誘導期が最
低24時間延ばされた場合。
3. 抑制効果:ウイルスの細胞に対する毒性の完全な抑
制が認められた場合。
HSV−1プールの20の試料の各々を5つの連続希釈で
分散させ(10ー4から10ー8)て、ペルオキシダーゼ処
方と混ぜ合わせて処理した。これらの試験を等しい数の
コントロールと比較し、その結果をプロットしたのが図
1である。
図1を見てわかるように、ペルオキシダーゼ処方の存
在下で120分の孵置によってHSV−1の細胞に対する毒性
の潜在力が完全に抑制された。60分および30分の孵置で
は、それぞれ、完全な抑制の2/3および1/3、遅延の1/3
および1/6の効果が得られた。しかし、オキシダーゼ処
方と30分だけ孵置した試料の1/2では、細胞に対する毒
性の損失は認められなかった。
混合物の最高濃度(H)を検定したとき、少数の例で
は、酸化作用のある半分によるフィブロブラスト層に対
する直接の毒性を避けることができなかった。しかし、
その後の希釈(すなわち、H x 10ー1)の間にこの毒性
は認められなくなり、したがってウイルス自身の毒性の
読みに混乱を生じることはなかった。
それでも、実験結果はウイルスの細胞に対する毒性力
の明確な低下を示している。これは、時間依存的である
ように思われる。
実施例VI この例は、本発明のペルオキシダーゼ薬剤のペルオキ
シダーゼ/基質/過酸化物系のエンヴェロープ・ウイル
スとくにヒトの免疫不全ウイルスに対する効果を示すも
のである。ペルオキシダーゼ薬剤のペルオキシダーゼ/
基質/過酸化物系は、下の表XIVに示す処方で調製され
た。
HIVアリコートは、ARV−4細胞系の表面部分から得
た。次に、これらのアリコートをすぐに等量の表XIVに
示したペルオキシダーゼ処方と混ぜ合わせ、37℃で1時
間から2分間孵置した。
次に、HIVとペルオキシダーゼ処方の混合物をフィト
ヘムアグルチニンで刺激したヒトのリンパ球の培養物に
接種した。アリコートの最終希釈度は、1:20、1:100、
および1:200であった。ウイルスを緩衝液のみの中で予
備孵置してコントロールを得た。培養物には、11日目
に、再び新鮮なリンパ球を供給した(図2の矢印)。ウ
イルスの成長は、細胞内(106の細胞毎に)または表面
部分のいずれかでELISAを用いてp24を検出してモニター
した。
コントロールの実験では、ウイルスは、最終希釈度1:
20および1:100でヒトのリンパ球に接種したとき、初期
に細胞内p24を生成した。しかし、1:200の希釈度では、
p24の生成が遅延し、その量も少なかった。それに比し
て、ペルオキシダーゼ処方で処理したウイルスは、1:20
の希釈度でも少量のp24しか生成しなかった。図2およ
び3は、これらの実験の結果をまとめて示したものであ
る。
15日目に、リンパ球の培養物は、1:200で希釈された
ウイルスを接種したコントロールで106毎に90pgのp24を
生成したが、ペルオキシダーゼ処方で1時間処理した後
1:20に希釈したウイルスを接種したものでは25pgしか検
出されなかった。これより高い希釈度のものでは、106
の細胞中でp24は検出されなかった。しかし、107の細胞
の培養物は、p24がその後に表面部分にこぼれたために
全体が感染粒子によって汚染された。
コントロールの実験のウイルスがもたらした細胞変性
効果は、リンパ球をペルオキシダーゼ処方のみで処理し
た後は観察されなかった。それに比して、混合物からSN
Cを除外すると(したがってH2O2の蓄積を許すと)、
最も低い希釈度(1:20)でも細胞に対する毒性があるこ
とが証明された。
2分、10分、20分、30分、および60分の予備孵置で活
力的実験を行なった。希釈しないペルオキシダーゼ処方
と2分間接触させるだけで、充分に試料のHIVの感染力
の低下が認められた。
実施例VII この例も、本発明のペルオキシダーゼ薬剤のペルオキ
シダーゼ/基質/過酸化物系のエンヴェロープ・ウイル
スとくにヒトの免疫不全ウイルスに対する効果を示すも
のである。この例で使用したペルオキシダーゼは、精製
したヒトのミエロペルオキシダーゼを組み替えたもので
あった。
MPO−MIXを調製した。このMPO−MIXは、500ulの培地
(RPMI、Gibco、および5%胎児の子牛の血清、Serala
b)にナトリウム・チオシアネート(20ug/ml)、グルコ
ース1%、グルコース・オキシダーゼ(6mU/ml)、およ
び10から40ug/mlの精製したヒトのミエロペルオキシダ
ーゼを組み替えたものを加えたものであった。このヒト
のミエロペルオキシダーゼを組み替えたものは、特許出
願PCT/EP89/00668に記載されている方法を使用して生成
された。しかし、このようなミエロペルオキシダーゼ
は、任意の適当なものから得られることを理解すべきで
ある。
感染したMolt3細胞すなわち1200TCID50(T細胞感染
ドーシス50%)から得られたHTLV III Bウイルスの60ul
ウイルス懸濁液を調製した。
最後に、2.106レポーター細胞Sup T1を得た。とく
に、ヒトのリンパ腫から得られたsup T1細胞(J.ホーキ
シー、アメリカ合衆国のペンシルヴェニア州フィラデル
フィア、ペンシルヴェニア大学)が利用された。
以下に説明するような標準的な実験手順が用いられ
た。
HTLV III Bウイルスのウイルス懸濁液(60ul)をMPO
−MIX(500ul)に加え、得られた混合物を37℃で15分間
孵置した。次に、混合物をSup T1細胞のペレット(2.10
6の細胞を含む)に移し、ゆっくりかき回しながらさら
に37℃で30分間孵置した。次に、細胞を培地(RPMIおよ
び胎児の子牛の血清)で2回洗浄し、ペレットにし、同
じ培地、すなわち2.105細胞/mlの細胞密度で再び懸濁さ
せた。次に、これらの再懸濁させた細胞を37℃で10日間
培養した。
3日目、5日目、および7日目に培養物の顕微鏡検査
(モニター)を行ない、syncitiaの形成などの細胞変性
効果を記録した。10日目には、細胞培養物450ulが回収
された。次に、この450ulの細胞培養物を、10% Triton
X−100を含み使用前は−20℃で保存されていた緩衝剤
で処理した食塩水50ulと混ぜ合わせた。その後、試料を
ELISAで分析してp24HTLV III B抗原(ウイルスの子孫)
を定量した。より正確には、選ばれたELISAは、HTLV II
I Bp24蛋白質を測定して、p24に対して育てられたマウ
スの単クローン抗体(アメリカ合衆国Dupont社)を一次
抗体として使用し、ビチオンと呼ばれるヒトの抗HTLV I
II B免疫グロブリンを二次抗体として使用する。strept
avidin−セイヨウワサビ・ペルオキシダーゼ抱合体(Am
ersham)およびOPDA発色性基質(Sigma)を用いて具体
的な複合が明にされた。光学密度は、490nmと測定され
た。
下の表XVにこれらの実験の結果を示す。これらの結果
は、10から40ug/mlの範囲の濃度でヒトのミエロペルオ
キシダーゼを組み替えたものを含む本発明のペルオキシ
ダーゼ薬剤が、HTLV III Bウイルスの複製を完全に抑制
することを示している。
表XVからわかるように、試料1、2、3では、syncit
iaがまったく観察されず、ウイルスの複製の抑制が認め
られた。試料4では、syncitiaおよびウイルスの複製の
両方で正の制御が認められた。試料5では、負の制御が
認められ、検定物中にはウイルスが存在しなかった。試
料6では、MPO酵素にその基質の一つ(H2O2)が欠如し
ていた。したがって、ウイルスの複製に対する作用はま
ったく認められなかった。最後に、試料7では、検定物
中にMPOが存在していないので、ウイルスの複製に対す
る作用はまったく認められなかった。
上の検定を全部合わせてみると、ミエロペルオキシダ
ーゼを適当な濃度で本発明の薬剤のペルオキシダーゼ系
に使用すればHTLV III Bウイルスの複製が完全に抑制さ
れることが示されている。
実施例VIII この例は、ペルオキシダーゼ/基質/過酸化物系の抗
ウイルス作用ならびにミエロペルオキシダーゼ/基質/
過酸化物系の性愛期の疱疹デンジクネズミ・モデル(腟
内テンジクネズミ・モデル)における生殖器ウイルスに
対する効果を示すものである全ウイルスに対する効果を
示すものである。
20匹のハートリー・テンジクネズミの腟内に10 5 pfu
のHSV2 MSウイルスを接種した。4日目から始めて24日
目まで毎日連続してこれらのテンジクネズミの疱疹病変
状態(0から4までの尺度で)の発現および発達をモニ
ターし、下記の3種類のゲルのいずれか1つを用いて処
置した。
1. 表IXの例9Aのゲルの処方通りのコントロール・ゲル
(4匹のテンジクネズミのグループ用)。
2. ラクトペルオキシダーゼの200IUではなくラクトペ
ルオキシダーゼの88IU(ゲル100gあたり)を使用した以
外は表IXの例9Aにしめした通りの処方で調製したラクト
ペルオキシダーゼ/基質/過酸化物系を含むゲル(8匹
のテンジクネズミのグループ用)。
3. ラクトペルオキシダーゼの200IUではなくミエロペ
ルオキシダーゼの70.8IU(ゲル100gあたり)を使用した
以外は表IXの例9Aにしめした通りの処方で調製したミエ
ロペルオキシダーゼ/基質/過酸化物系を含むゲル(8
匹のテンジクネズミのグループ用)。
疱疹の病変状態は、連続する2段階で発生した。第1
の段階(一次感染)は、接種されたウイルスによるもの
であり、第2の段階(再発)は、神経細胞内に潜伏して
いる状態で存在したウイルスの、多少とも頻繁な、再活
性化によるものである。
処置は、外部生殖器の周囲に現われた疱疹の病変部に
0.6グラムのゲルを塗布することによって行なった。こ
れらの実験の結果を表XVI(一次感染に対する処置の効
果を示したもの)および表XVII(再発に対する処置の効
果を示したもの)ならびに図4のグラフに示す。
表XVIおよび図4からわかるように、一次感染による
病変部は、概して重度が高く(最高点2.5−3)、4日
目から12−14日目まで続いた。一方、再発による病変部
は、比較的良性で(最高点0.5−1)、平均して3−4
日後に消えた。これらの処置の結果は、ラクトペルオキ
シダーゼおよびミエロペルオキシダーゼを含んだゲルが
一次感染の重度、最高点数、および期間を有意に低減す
ることを明らかに示している。
図2および図3の説明 図2は、リンパ球培養物中でHIVによって生成されたp
24の成長を表面部分のp24を測定して得られた結果で示
した図である。図3は、リンパ球培養物中でHIVによっ
て生成されたp24の成長を106の細胞ごとに細胞内のp24
を測定して得られた結果で示した図である。
図2および図3に用いられている記号は、以下の通り
である。実線 :緩衝液のみ中での予備孵置1時間。点線 :酸化作用のある錯合体中での予備孵置1時間。HIVの
初期プールの最終的な希釈物:1:20(●○)、1:100(■
□)、1:200(▲△)。
以上の説明および例から、当該技術分野に通常程度に
熟達している人には、本発明の精神および範囲から逸脱
することなく等価の変更を行なうことが可能なことは明
らかであろう。
フロントページの続き (72)発明者 ボレン アレックス ベルギー国,B―1701 イッテルベー ク,ガースベークストラート 65 (72)発明者 モギルブスキー ニコル ベルギー国,B―1150 ブリュッセル, リュ ペ ドゥクロワ 4 (56)参考文献 特開 昭59−231011(JP,A) 欧州特許出願公開361908(EP,A 2) 国際公開89/12457(WO,A1) Science,Vol.167, (1970)pp.195−196 Research in Veter inary Science,Vol. 28,(1980)pp.116−122 The Journal of In fectious Diseases, Vol.129,No.3,(1974)pp. 345−348 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/44

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結合エージェントと結合していないペルオ
    キシダーゼを、該ペルオキシダーゼに特異的な酸素供与
    体及び酸化可能な基質と共に有効成分として使用するエ
    ンヴェロープ・ウイルス感染症の予防又は治療用薬剤の
    製造方法であって、エンヴェロープ・ウイルスが単純疱
    疹ウイルス又はヒトの免疫不全ウイルスであり、酸素供
    与体が第2の基質及び第2の基質に特異的な酵素を含む
    酵素系であり、それによって過酸化水素が形成されるこ
    とを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記酵素系の第2の基質がグルコースであ
    り、該酵素系の酵素がグルコース・オキシダーゼである
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記酸化可能な基質がチオシアネート塩で
    あることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記酸化可能な基質が塩化物、臭化物、ヨ
    ウ化物からなる群から選ばれたハロゲン化物であること
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記ペルオキシダーゼが哺乳動物のペルオ
    キシダーゼであることを特徴とする、請求項1記載の方
    法。
  6. 【請求項6】前記ペルオキシダーゼがミエロペルオキシ
    ダーゼであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】前記ペルオキシダーゼが植物のペルオキシ
    ダーゼであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】前記酸化可能な基質がチオシアネート塩で
    あり、前記ペルオキシダーゼが哺乳動物のペルオキシダ
    ーゼであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】前記酸化可能な基質が塩化物、臭化物、ヨ
    ウ化物からなる群から選ばれたハロゲン化物であり、前
    記ペルオキシダーゼが植物のペルオキシダーゼであるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】前記酸化可能な基質がチオシアネート塩
    であり、前記酸素供与体がグルコース基質及びグルコー
    ス・オキシダーゼを含む酵素系であり、前記ペルオキシ
    ダーゼがラクトペルオキシダーゼであることを特徴とす
    る、請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】前記酸化可能な基質がチオシアネート塩
    であり、前記酸素供与体がグルコース基質及びグルコー
    ス・オキシダーゼを含む酵素系であり、前記ペルオキシ
    ダーゼがミエロペルオキシダーゼであることを特徴とす
    る、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】前記薬剤が局部用薬剤であることを特徴
    とする、請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】前記薬剤が口内歯磨き剤であることを特
    徴とする、請求項1記載の方法。
  14. 【請求項14】前記薬剤が注射できる組成物であること
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】エンヴェロープ・ウイルスの予防又は治
    療用薬剤の調製のための方法において、請求項1記載の
    組成物が薬学的に許容されるキャリヤと組み合わされる
    ことを特徴とする方法。
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