JP3476587B2 - ずれ重ねられた枚葉紙の流れを搬送する装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、搬送台と、この搬送台
の周囲をエンドレスに周回するように駆動可能な少なく
とも１つの搬送ベルトと、前記搬送台の下に配置された
少なくとも１つの吸気箱とを有し、この吸気箱は吸気開
口を通して搬送ベルトの下側と連結していて、この搬送
ベルトは貫通した吸気孔をもち、前記吸気箱が互いに独
立に負圧の作用を受けることができる少なくとも２つの
吸気室を有する、鱗状にずれ重ねられた(geschuppten)
枚葉紙(Bogen または Exemplar)の流れを輪転印刷機に
搬送する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】既にドイツ特許公開公報第４２０３５１
１Ａ１号で、ずれ重ねられた枚葉紙の流れを枚葉紙処理
機械に搬送する装置が開示されている。第１の負圧室
は、負圧源（真空源）によって絶えず真空の作用を受け
るが、第２の負圧室は前当ての手前で負圧による作動か
ら正圧による作動に切り替えられることができる。第２
の負圧室には、負圧源のほかに、正圧源も付属している
が、第１の負圧室は真空源のみと連結している。第２の
負圧室における吸気から送気への切り替えは、センサ装
置によって制御されて行われる。このセンサ装置は、遅
延手段と連結されて、第２の負圧室内で前当ての手前で
送風の突入を開始させる。この装置の短所は、一方では
正圧源を設けなければならず、他方では送風の突入の結
果として位置合わせ区域で枚葉紙の給紙が不正確になる
ことがある点である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上に
略述した公知の技術から出発して、極めて簡単な手段で
吸気モジュールを実現することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の装置は、吸気箱を形成している基体内に案
内形材（形材とは、断面が所定の形状をもつ棒状材料で
ある）が収容されており、気密を構成している前記案内
形材の縁部と基体の境界面（表面）との間に、基体内で
異なる平面上に延びている吸気路が形成されている。
基体内にはめ込まれた案内形材を吸気路の気密に利用す
ることにより、基体内の複数の平面上で吸気を案内する
ことが可能である。そうすることによって、吸気源から
さらに離れている吸気室内に（漏れによる低下のない）
有効な真空が生じることが保証される。さらに、基体の
下側には平らな面が生じ、したがって組立てが簡単にな
る。 基体内には、第１の案内形材と第２の案内形材と
が固定位置に配置される。第１および第２の案内形材
は、基体内で上下に設けられている。基体は、材料搬送
面と反対側において吸気板と連結している。この吸気板
には、気密条片が挿入されている。これらの気密条片
は、気密間隙の、大きなばらつきを補償できるスポンジ
ゴムなどの気密材料から作られている。そうすることに
よって、板曲げ部分を経済的に製造することができる許
容誤差で形成することができる。第１および第２の案内
形材は、Ｕ字形断面に形成されていて、かつ、折り曲げ
られた端部を有するので、吸気板を取り付けるときに、
案内形材によってそれぞれ区画された吸気路の気密を達
成することができる。

【０００５】折り曲げられた端部は、吸気板を取り付け
た状態では、折り曲げた端部の外側部分が吸気路の境界
（表面）をなし、かつ内側の縁が搬送ベルトを下から支
えるように、吸気板の気密条片に押し付けられている。
第１および第２の案内形材の形態により、基体内で互い
に独立に、かつ互いに対して気密にされた２つの吸気路
を構成することが可能となる。

【０００６】

【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【０００７】図１に、概ね基体２からなる本発明の吸気
モジュール１が示されている。基体２は、ガイドローラ
１１と駆動ローラ１２を収容していて、これらのローラ
上を搬送ベルト６が周回している。搬送ベルト６の空ベ
ルト部分９は、基体２の下側に沿って案内され、負荷ベ
ルト部分（材料搬送部分）８は基体２の上側を案内され
ており、搬送材料は吸気孔７を介して吸気作用で固定さ
れる。

【０００８】基体２内には、吸気路１７、１８、１９が
形成されており、これらを通していくつかの吸気室に
（図１に記されている矢印に従って）吸気が送り込まれ
る。２つの吸気室もしくは吸気路１８および１９は、ウ
ェブ５によって分割されている。吸気路１７は第１の案
内形材１３の下に延びており、第２の案内形材１４によ
って区切られている。吸気路１７はガイドローラ１１の
横にある吸気室の下に延びていて、この吸気室は吸気路
１７を通して真空の作用を受けることができる。吸気路
１７は、基体２の下部に向かって開いている。吸気路１
８は、第１の案内形材１３の形状に制約されてガイドロ
ーラ１１の横の吸気室まで延びており、それによって、
はめ込まれたウェブ５ａからウェブ５まで延びている区
域は真空の作用を受ける。さらに、中央吸気室の、吸気
路１８のすぐ上にある部分は負圧の作用を受ける。

【０００９】ウェブ５から駆動ローラ１２まで延びてい
る吸気室は、直接吸気路１９と連通し、この吸気路１９
を通して負圧にされる。

【００１０】基体２の一部開いた平面図に示されている
ように、吸気路１７、１８および１９は、それぞれ第１
の案内形材１３および第２の案内形材１４の側方で延
び、案内形材１３および１４の縁部１５および１６と、
基体２の内部に形成された空洞部に制限されて延びてい
る。切断面ＩＩＩ−ＩＩＩ、ＩＶ−ＩＶ、Ｖ−Ｖを再現
した図３、４および５には、吸気路１７および１９が基
体２内の異なる平面３および４上で走行していることが
示されている。

【００１１】図３は、切断方向ＩＩＩ−ＩＩＩに段違い
に延びる断面図を示す。

【００１２】基体２の上方には、搬送ベルト６の負荷ベ
ルト部分８が延びている。基体２内には、搬送ベルト６
の空ベルト部分９が収容されている。空ベルト部分９は
基体２内で第１の案内形材１３によって囲まれ、この案
内形材１３の折り曲げられた端部２０が吸気板１０の気
密条片２２の上に載っている。空ベルト部分９は、基体
２内に格納されているので、基体２は平らな板の上に簡
単にねじ止めできる。したがって、吸気は（図３の矢印
のように）基体２と第１の案内形材１３の縁部１５とに
よって区画された吸気路１９中を流れる。吸気路１９の
上部区域は、箱形の第１の案内形材１３の形状によって
制限されていて、基体２の上部平面３上にある。基体２
は、基体２と吸気板１０を貫通するねじ２３により、負
圧源のフランジに固定することができる。

【００１３】図４に再現された切断面ＩＶ−ＩＶでは、
吸気路１８も基体２の上部平面３上に延びていて、吸気
の流れが第１の案内形材１３の縁部１５の側を流れるこ
とが示されている。この図から分かるように、吸気路１
８の区域においても、搬送ベルト６の空ベルト部分９は
同様に格納されている。折り曲げた端部２０は、空ベル
ト部分９の外側を下から支えながら気密条片２２の上側
に接触している。

【００１４】図５の表現は、ガイドローラ１１に続く吸
気室を真空にする吸気路１７を通る断面図を示してい
る。図５および図１から明らかなように、吸気路１７は
２つの案内形材１３および１４によって限定されてい
て、基体２の下の平面４上にある。空ベルト部分９は、
第２の案内形材１４の折り曲げられた端部２１によって
囲まれている。折り曲げられた端部２１は、気密条片２
２上に載っている。したがって、吸気路１７は、基体２
内にはめ込まれた第１の案内形材１３の下方に延びてい
る。こうすることによって、ガイドローラ１１の直接横
にある吸気室の有効な負圧による作動が可能になる。こ
こでは、搬送ベルト６の空ベルト部分９を取り囲む機能
は第２の案内形材１４に割り当てられているので、環境
に対して閉鎖されていて、しかも吸気モジュール１を平
坦に形成することを可能にする吸気路１７が形成され
る。

【００１５】２つの案内形材１３および１４を組み合わ
せることにより、基体２内に吸気管路が作られる。追加
のチューブの必要性や継手の使用は完全になくなる。チ
ューブの案内に起因する問題がなくなるので、組み立て
の際に困難が生じない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の吸気装置の縦断面図である。

【図２】切断面ＩＩＩ−ＩＩＩ、ＩＶ−ＩＶ、Ｖ−Ｖを
有する基体の一部を開いた平面図である。

【図３】ＩＩＩ−ＩＩＩ切断方向の基体の横断面図であ
る。

【図４】ＩＶ−ＩＶ切断方向の基体の横断面図である。

【図５】Ｖ−Ｖ切断方向の基体の横断面図である。

【符号の説明】

１ 吸気モジュール ２ 基体 ３ 第１の平面 ４ 第２の平面 ５ ウェブ ６ 搬送ベルト ７ 吸気孔 ８ 負荷ベルト ９ 空ベルト １０ 吸気板 １１ ガイドローラ １２ 駆動ローラ １３ 第１の案内形材 １４ 第２の案内形材 １５、１６ 縁部 １７、１８、１９ 吸気路 ２０、２１ 折り曲げられた端部 ２２ 気密条片 ２３ ねじ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブルクハルド マース ドイツ連邦共和国 69115 ハイデルベ ルク ブルーメンシュトラーセ 48 (56)参考文献 特開 昭62−191344（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−217461（ＪＰ，Ａ) 実開 平３−82343（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65H 29/66 B65H 1/22 B65H 5/22 B65H 29/24

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 搬送台と、この搬送台を取り囲んでエン
   ドレスに周回するように駆動可能な少なくとも１つの搬
   送ベルトと、前記搬送台の下に配置された少なくとも１
   つの吸気箱とを有し、該吸気箱は吸気開口を通して搬送
   ベルトの下側と連結していて、この搬送ベルトは貫通し
   た吸気孔を備え、前記吸気箱は、互いに独立に負圧の作
   用を受けることができる少なくとも２つの吸気室を有す
   る、ずれ重ねられた枚葉紙の流れを輪転印刷機に搬送す
   る装置において、 吸気箱を形成している基体（２）内に案内形材（１３、
   １４）が収容されており、該案内形材の気密に構成され
   ている縁部（１５、１６；２０、２１）と基体（２）の
   表面との間に、基体（２）内で異なる平面（３、４）上
   において延びている吸気路（１７、１８、１９）が形成
   されていることを特徴とする、ずれ重ねられた枚葉紙の
   流れを輪転印刷機に搬送する装置。
2. 【請求項２】 第１の案内形材（１３）と第２の案内形
   材（１４）が基体（２）内で互いに上下に配置されてい
   る、請求項１に記載の装置。
3. 【請求項３】 基体（２）が、材料搬送面とは反対側に
   おいて吸気板（１０）と連結している、請求項１に記載
   の装置。
4. 【請求項４】 吸気板（１０）が気密条片（２２）を備
   えている、請求項３に記載の装置。
5. 【請求項５】 第１の案内形材（１３）と第２の案内形
   材（１４）が、Ｕ字形断面に形成されている、請求項１
   に記載の装置。
6. 【請求項６】 第１の案内形材（１３）と第２の案内形
   材（１４）が、搬送ベルト（６）の１つのローラ間ベル
   ト部分（９）を下から支える折り曲げられた端部（２
   ０、２１）を含んでいる、請求項１に記載の装置。
7. 【請求項７】 第１の案内形材（１３）と第２の案内形
   材（１４）の折り曲げられた端部（２０、２１）が、吸
   気板（１０）の気密条片（２２）に接触している、請求
   項４または６に記載の装置。
8. 【請求項８】 吸気路（１７、１８、１９）が基体
   （２）内において少なくとも２つの平行な平面（３、
   ４）上において延びている、請求項１に記載の装置。