JP3476525B2 - 酸素・窒素ガス製造装置 - Google Patents

酸素・窒素ガス製造装置

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JP3476525B2
JP3476525B2 JP35313793A JP35313793A JP3476525B2 JP 3476525 B2 JP3476525 B2 JP 3476525B2 JP 35313793 A JP35313793 A JP 35313793A JP 35313793 A JP35313793 A JP 35313793A JP 3476525 B2 JP3476525 B2 JP 3476525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、酸素ガスを加圧状態
で得ることができる酸素・窒素ガス製造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来から、酸素ガスおよび窒素ガスは、
空気分離装置を用い、窒素と酸素の沸点の差を利用し両
者を分離することにより製造されている。この種の典型
的な空気分離装置は、図3に示すように、原料空気吸入
管1から原料空気を吸入し、これを空気圧縮器2で圧縮
し、パイプ3を経て第1および第2の熱交換器4,5を
経由して冷却し、さらに、パイプ7を経由し、精留塔8
の下部塔8′内に、液化点近くまで冷却した状態で導入
するようになっている。この下部塔8′内においては、
空気の精留が行われ、酸素に富んだ液体空気が下部塔
8′の底部に溜まり、窒素は気体の状態で上方に移行
し、下部塔8′の塔頂からパイプ10によって導出され
る。導出された窒素ガスは、第2および第1の熱交換器
5,4で熱交換し、常温近傍の製品窒素ガスとなり、パ
イプ33から導出される。下部塔8′の塔頂から導出さ
れる窒素ガスの一部は、パイプ17を経て上部塔8″の
凝縮器16内に導入され、ここで液化され液体窒素とな
ってパイプ18から、下部塔8′内に流下しその還流液
となる。上部塔8″には、下部塔8′の底部から酸素に
富んだ液体空気が、膨脹弁12′付きのパイプ12によ
って導入される。上部塔8″では液体空気の精留が行わ
れ、液体酸素9が底部に溜まり、窒素に富んだ排ガスが
塔頂からパイプ21で導出される。この導出された排ガ
スは、第2の熱交換器5を経由し、パイプ24ならびに
弁25を経て膨脹タービン26に入り、ここで断熱膨脹
して装置に必要な寒冷を発生し、ついでパイプ29を経
て第2および第1の熱交換器5,4に導入され、ここで
寒冷を原料空気に付与し、それ自身はパイプ31から大
気中に放出される。パイプ29に設けられた弁32は、
上部塔8″内の液面により、膨脹タービン26の系路2
1に対する排ガスの供給量を制御する。液体酸素は、上
部塔8″の底部から、パイプ10′で導出され、第2お
よび第1の熱交換器5,4を経て気化し、酸素ガスとな
り、ついで加圧ポンプPで加圧され、加圧状態の製品酸
素ガスとなり、需要に供される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の空気分離装置
において、製品ガスを加圧状態で得る必要がある場合、
製品として取り出されたガスを気体の状態で加圧ポンプ
により加圧しなければならない。しかしながら、上記ガ
スを気体の状態で加圧するためには、かなりのエネルギ
ーを必要とし、コスト高になるという難点がある。ま
た、上記装置では、通常、運転中の寒冷バランスが適正
に保たれるようコントロールされているため、予定外の
需要増大に応えるために単位時間当たりの原料空気供給
量を増大させても、膨脹タービンの発生寒冷量増大には
時間遅れを生じるため、製品酸素ガスの純度低下を招く
という問題もある。
【0004】この発明はこのような事情に鑑みなされた
もので、加圧状態の酸素ガスおよび窒素ガスを低コスト
で効率よく製造することができ、しかも予定外の需要増
大に対しても充分に応えることのできる、優れた酸素・
窒素ガス製造装置の提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の酸素・窒素ガス製造装置は、原料空気を
圧縮する空気圧縮手段と、上記圧縮空気を超低温に冷却
する熱交換手段と、上記超低温に冷却された圧縮空気を
導入し液化分離により酸素を液化し窒素を気体の状態で
保持する下部精留塔と、上記下部精留塔の底部から取り
出された液体空気を塔内に導入し液化分離により酸素を
液化し底部に貯留する上部精留塔と、上記上部精留塔の
底部側から液体酸素を取り出す液体酸素取出路と、上記
液体酸素取出路の先端から延び熱交換手段を経由して上
記液体酸素を気化させ製品として取り出す製品酸素ガス
取出路と、上記上部精留塔内に設けられ上記下部精留塔
内の気体窒素の一部を導入し凝縮して液化する凝縮手段
と、この凝縮手段から取り出された液体窒素を上記下部
精留塔に還流させる液体窒素還流路と、上記液体窒素還
流路を経由した液体窒素の一部を取り出す液体窒素取出
路と、上記液体窒素取出路の先端から延び上記熱交換手
段を経由して上記液体窒素を気化させて製品窒素ガスと
して取り出す窒素ガス取出路とを備え、上記液体酸素取
出路に液体酸素加圧用の第1の加圧手段が設けられてい
るとともに、その加圧手段より下流側の流路が上記熱交
換手段を経由したのち第1の膨脹タービンを経由し再度
上記熱交換手段を経由して寒冷を付与する構造に形成さ
れており、上記液体窒素取出路に液体窒素加圧用の第2
の加圧手段が設けられているとともに、その加圧手段よ
りも下流側の流路が上記熱交換器を経由したのち第2の
膨脹タービンを経由して再度上記熱交換手段を経由して
寒冷を付与する構造に形成されており、かつ上記下部精
留塔に液体窒素を供給する液体窒素貯蔵手段と、上記上
部精留塔に液体酸素を供給する液体酸素貯蔵手段と、上
記液体窒素貯蔵手段からの供給液体窒素量を制御する制
御手段と、上記液体酸素貯蔵手段からの供給液体酸素量
を制御する制御手段とが設けられ、上記上部精留塔また
は上記下部精留塔の液面が一定になるよう上記いずれか
一方の制御手段が作動するようになっているという構成
をとる。
【0006】
【作用】すなわち、この発明の装置は、精留塔を上下2
塔に分け、上部精留塔(以下「上部塔」と略す)で生成
される液体酸素を取り出し、これを液体の状態で加圧
し、ついで熱交換器に送り、さらに膨脹タービンに導入
し断熱膨脹させて寒冷を発生させ、その発生寒冷を熱交
換器に送り、装置の寒冷源としたものである。このよう
に、酸素を液体の状態で加圧すると、気体の状態で加圧
する場合に比べて加圧コストを大幅に低減することがで
きる(例えば、酸素は1モルが、気体であれば22.4
リットルであるに対し、液体では、酸素は16グラムに
すぎない)。しかも、この発明では、上記のように酸素
を液体の状態で加圧したのち熱交換器で気化させ、この
圧力を利用し膨脹タービン駆動させ寒冷を得ることか
ら、上記酸素加圧のために用いるエネルギーを寒冷発生
に援用することができ、その結果、製品コストの引き下
げを実現できるようになる。これが、この発明の最大の
特徴である。そのうえ、この発明では、下部精留塔(以
下「下部塔」と略す)に導入される還流液体窒素の一部
を、製品窒素ガスを得るために取り出し、これについて
も液体の状態で加圧し、ついで熱交換器で気化させ、こ
れを膨脹タービンに導入し断熱膨脹させて寒冷を発生さ
せ、その発生寒冷を再度上記熱交換器に送り、装置の寒
冷源に用いる。したがって、製品窒素ガスについても、
その加圧エネルギーを、膨脹タービンの駆動エネルギー
に援用できることから、製品窒素ガスのコストも大幅に
引き下げることができるようになる。しかも、予定外の
需要増大に応えるために単位時間当たりの原料空気供給
量を増大させると、上記膨脹タービンによる発生寒冷量
の増大には時間遅れが生じるが、この場合には、精留塔
内に溜まる液体の液面を維持するために、上記液体窒素
貯蔵手段もしくは液体酸素貯蔵手段から、寒冷源である
液体窒素もしくは液体酸素が下部塔内に補充供給される
ため、製品ガスの純度低下を招くことがない。
【0007】つぎに、この発明を実施例にもとづいて詳
しく説明する。
【0008】図1はこの発明の一実施例を示している。
図において、51は原料空気を圧縮する空気圧縮器、5
2はドレーン分離器、53はフロン冷却器、54は2個
一組の吸着塔である。吸着塔54は、内部にモレキュラ
ーシーブが充填されていて、空気圧縮機51により圧縮
された空気中のH2 O,CO2 ,CO等の不純分を吸着
除去する。55は、不純分が吸着除去された圧縮空気を
送る圧縮空気供給パイプである。56は、第1の熱交換
器であり、吸着塔54により不純分が吸着除去された圧
縮空気が送りこまれる。57は、第2の熱交換器であ
り、第1の熱交換器56を経た圧縮空気が送りこまれ
る。58は、上部塔59と下部塔60を備えた精留塔で
ある。
【0009】上記下部塔60は、第1および第2の熱交
換器56,57により超低温に冷却され、パイプ55を
経て送り込まれる圧縮空気をさらに冷却し、その一部を
液化し、液体空気61として底部に溜め、窒素を気体状
態で上部に溜めるようになっている。上部塔59の底部
側には、凝縮器62が内蔵されており、下部塔60の上
部に溜まる窒素ガスの一部が第1の還流用パイプ63を
介して送入される。この上部塔59内は、下部塔60内
よりも減圧状態になっており、下部塔の底部の貯留液体
空気(N2 50〜70%,O2 30〜50%)61が膨
脹弁65付きパイプ66で送り込まれ、気化して、上部
塔59の内部温度を液体窒素の沸点以下の温度に冷却す
るようになっている。この冷却により、凝縮器62内に
送り込まれた窒素ガスが液化する。この液体窒素は、第
2の還流用パイプ64を通って下部塔60の上部に還流
液として導入され、これが液体窒素溜め67を経て下部
塔60内を下方に流下し、下部塔60の底部から上昇す
る圧縮空気と向流的に接触し、冷却してその一部を液化
するようになっている。この過程で、圧縮空気中の高沸
点成分の酸素ガスは液化されて下部塔60の底部に溜ま
り、低沸点成分の窒素ガスが下部塔60の上部に溜ま
る。64aは気液分離器である。また、90は上記第2
の還流用パイプ64から分岐する液体窒素取出パイプ
で、上記還流する液体窒素の一部が取り出されるように
なっている。さらに、95は上記第2の還流用パイプ6
4に、図示していない液体窒素貯蔵タンクから液体窒素
を供給するパイプで、このパイプ95に設けられたコン
トロールバルブ96の開閉制御が、通常は、上部塔59
内に溜まる液体酸素の液面を常時検知する液面計82か
ら出力される電気信号によって行われるようになってい
る。すなわち、原料空気の増大等によって寒冷が不足し
て精留作用が不充分となり、上部塔59内に溜まる液体
酸素量が減少傾向になり、その液面が予め設定された高
さよりも低くなると、上記コントロールバルブ96が開
き、寒冷液体窒素が第2の還流用パイプ64に補充供給
され、常時液体酸素の液面が一定に制御されて精留のバ
ランスが保たれるようになっている。
【0010】一方、上記下部塔60の底部に溜まる液体
空気は、パイプ66を経由して上部塔59の上部に送り
込まれるようになっており、この上部塔59内において
精留作用を受け、それによって液体空気中の高沸点成分
の酸素が液化して上部塔59の底部に液体酸素71とし
て溜まるようになっている。80は、この酸素ガス製造
装置の起動時に、上部塔59内に液体酸素を供給するパ
イプで、図示していない液体酸素貯蔵タンクから延びて
いる。このタンクには、当該装置でつくられた液体酸素
または他の装置でつくられタンクローリ等で輸送されて
きた液体酸素が貯蔵されている。そして、上記パイプ8
0に設けられたコントロールバルブ81は、切り換えス
イッチ97の切り換え動作を受けて、前記コントロール
バルブ96に代わって、前記液面計82からの出力信号
で制御されるようになっている。すなわち、通常は、寒
冷不足の場合には、前記のように、液体窒素貯蔵タンク
から寒冷液体窒素の補充供給が行われるが、何らかのト
ラブルあるいはメインテナンス上の都合から、液体窒素
貯蔵タンクからの補充供給ができない場合に、上記切り
換えスイッチ97の切り換えによって、液体酸素貯蔵タ
ンクから寒冷液体酸素が補充供給され、上部塔59内の
液体酸素液面が一定に戻されるようになっている。な
お、窒素ガスを含む低沸点成分のガスは、上部塔59の
塔頂からパイプ70によって排ガスとして導出され、第
2および第1の熱交換器57,56を経由し、大気中に
放出されるようになっている。また、上部塔59の底部
に溜まった液体酸素71は、液体酸素導出パイプ72に
より導出され、第1の加圧ポンプ73によって加圧さ
れ、加圧された状態で第2の熱交換器57内に導入され
て気化し、製品酸素ガスとなって製品酸素ガス取出パイ
プ74から取り出されるようになっている。
【0011】注目すべきは、この酸素ガス取出パイプ7
4には、第1の膨脹タービン75が設けられており、製
品酸素ガスの加圧圧力を駆動源として寒冷を発生するよ
うになっていることである。すなわち、製品酸素ガス
は、上記第1の膨脹タービンに入るまでが35kg/c
2 程度の圧力であったものが、内部で10kg/cm
2 まで膨脹し、熱力学的外部仕事を行うことにより著し
く低温になって寒冷を発生し、その状態で再び第2の熱
交換器57に入り、さらに第1の熱交換器56に入って
原料空気と熱交換して発生寒冷を原料空気に付与し、そ
れ自身は常温となり、製品酸素ガス取出パイプ74の先
端から製品として取り出されるようになっている。な
お、上記第1の膨脹タービン75は、加圧された製品酸
素ガスを駆動源とすることから、酸素と反応しにくい材
料、例えば(銅合金、例えば真ちゅう、ニッケル合金
(Ni−Cr−Fe)、ステンレス(SUS316
L)、アルミ合金(Al−Zn))で構成され、爆発等
の災害の発生が未然に防止される。
【0012】また、前記液体窒素取出パイプ90から取
り出された還流液体窒素の一部は、第2の加圧ポンプ9
1によって加圧され、加圧された状態で第2の熱交換器
57内に導入されて気化し、窒素ガスとなって製品窒素
ガス取出パイプ92に導入されるようになっている。こ
の製品窒素ガス取出パイプ92には、第2の膨脹タービ
ン93が設けられており、窒素ガスの加圧圧力駆動源と
して、上記膨脹タービン75と同様、寒冷を発生するよ
うになっている。そして、上記窒素ガスは、再び第2の
熱交換器57に入り、さらに第1の熱交換器56に入っ
て原料空気と熱交換して発生寒冷を原料空気に付与し、
それ自身は常温となり、製品窒素ガス取出パイプ92の
先端から取り出されるようになっている。
【0013】なお、上記製品酸素ガス取出パイプ74の
先端側および上記窒素ガス取出パイプ92の先端側に
は、それぞれフィン式熱交換器100が設けられてい
る。これは、万一熱交換機56,57における寒冷バラ
ンスが崩れた場合に、超低温の液体酸素あるいは液体窒
素が取り出されることを防止するためのものである。
【0014】この装置を用い、例えばつぎのようにして
製品酸素ガスおよび製品窒素ガスを製造することができ
る。すなわち、まず空気圧縮器51により原料空気を圧
縮し、その原料空気を、ドレーン分離器52,フロン冷
却器53,不純分除去用の吸着塔54,第1および第2
の熱交換器56,57を経由させ、超低温の状態に冷却
して精留塔58の下部塔60内に送入する。
【0015】上記下部塔60内では、この送入圧縮空気
を、液体窒素溜め67から溢流する液体窒素と向流的に
接触させて冷却し、一部を液化して下部塔の底部に液体
空気61として溜める。この過程において窒素と酸素の
沸点の差(酸素の沸点−183℃,窒素の沸点−196
℃)により圧縮空気中の高沸点成分である酸素が液化
し、窒素が気体のまま残る。そして、下部塔60の天井
部に溜まった窒素ガスの一部は、第1の還流用パイプ6
3を経由して上部塔59に設けられた凝縮器62内に導
入され、ここで上部塔59の底部に溜まった液体酸素に
より冷却されて液化され、第2の還流用パイプ64を経
由し、下部塔60の還流液溜め67に導出される。
【0016】上記上部塔59には、下部塔60の底部の
貯留液体空気が、パイプ66,膨脹弁65を経由し、断
熱膨脹状態で送入され、精留作用を受ける。そして、高
沸点成分である酸素が液化して底部に溜まり、窒素ガス
を含む低沸点成分ガスが排ガスとして上部塔59の塔頂
からパイプ70を経由して送出される。この送出された
排ガスは、第2および第1の熱交換器57,56を経由
し、常温近くに昇温され大気中に放出される。上部塔5
9の底部に溜まった液体酸素71は、パイプ72を経由
し、液体の状態で第1の加圧ポンプ73で加圧されたの
ち第2の熱交換器57に導入され、ここで熱交換してガ
ス化し、製品酸素ガス取出パイプ74に導入される。そ
して、導入された酸素ガスは、この製品酸素ガス取出パ
イプ74に設けられた第1の膨脹タービン75により断
熱膨脹して寒冷を発生し、再び第2の熱交換器57に入
り、さらに第1の熱交換器56に入って、両熱交換器5
7,56において原料空気と熱交換し、それ自身は常温
の酸素ガスとなり、製品酸素ガス取出パイプ74の先端
から取り出される。また、液体窒素取出パイプ90によ
って取り出された還流する液体窒素の一部は、液体の状
態で第2の加圧ポンプ91で加圧されたのち第2の熱交
換器57に導入され、ここで熱交換してガス化し、製品
窒素ガス取出パイプ92に導入される。そして、導入さ
れた窒素ガスは、この製品窒素ガス取出パイプ92に設
けられた第2の膨脹タービン93により断熱膨脹して寒
冷を発生し、再び第2の熱交換器57に入り、さらに第
1の熱交換器56に入って、両熱交換器57,56にお
いて原料空気と熱交換し、それ自身は常温の窒素ガスと
なり、製品窒素ガス取出パイプ92の先端から取り出さ
れる。
【0017】なお、上記第1の膨脹タービン75および
第2の膨脹タービン93はともに定量運転されるが、原
料空気供給量の増大等に伴って寒冷不足が生じ、上部塔
59内に溜まる液体酸素量が減ってその液面が予め設定
された高さよりも低くなると、通常は、液面計82から
の出力信号を受けてコントロールバルブ96が開き、寒
冷液体窒素が第2の還流用パイプ64内に供給されて、
装置内の寒冷が補充される。また、上記寒冷液体窒素の
補充供給ができない場合には、切り換えスイッチ97の
切り換え動作により、液面計82からの出力信号をコン
トロールバルブ81が受けて、寒冷液体酸素が上部塔5
9内に供給される。これにより、精留のバランスが保た
れて液体酸素の液面が回復する。液面が回復すると、上
記コントロールバルブ96(または81)は閉じる。
【0018】したがって、この装置によれば、液体酸素
を、液体のまま加圧しているため、低コストで加圧製品
酸素ガスを得ることができる。しかも、上記加圧液体酸
素を気化させたのち第1の膨脹タービン75に導入する
ため、膨脹タービン75に入る前のガス圧が高くなり、
それによって断熱膨脹の効率を大幅に向上させることが
できる。この場合、製品酸素ガスを加圧するための加圧
ポンプ73の加圧圧力を援用できることから、エネルギ
ーの有効活用を実現でき、製品加圧ガスのコストをかな
り引き下げることができるようになる。一方、製品窒素
ガスの取り出しラインについても、上記と同様の構成が
取られていることから、製品窒素ガスのコストもかなり
引き下げることが可能となる。また、製品酸素ガスまた
は製品窒素ガスの需要量が急激に増加し、それに応じて
原料空気供給量を増大させたときに、上記両膨脹タービ
ン75,93によっては、発生寒冷を迅速に増加させる
ことができないが、このとき、上記液面計82からの出
力信号によりコントロールバルブ96(もしくは81)
が作動し、寒冷源である液体窒素(もしくは液体酸素)
を迅速に下部塔60(もしくは上部塔59)に供給し、
寒冷不足を解消することができる。したがって、製品ガ
スの純度低下を招くことがない。
【0019】なお、上記実施例では、液体窒素貯蔵タン
クから液体窒素を補充供給するパイプ95を、第2の還
流パイプ64に接続しているが、必ずしもこの位置に接
続する必要はない。下部塔60内の寒冷源である液体窒
素を補充すれば足りるのであり、例えば下部塔60内の
液体窒素溜め67に導入するようにしてもよいし、直接
下部塔69上部に導入するようにしてもよい。
【0020】また、上記実施例では、液面計82によっ
て上部塔59内の液体酸素の液面高さを読み取るように
しているが、液面計82を下部塔60側に設け、下部塔
60内に溜まる液体空気の液面高さを読み取るようにし
ても差し支えはない。
【0021】さらに、上記実施例では、液体窒素の一部
を、第2の還流用パイプ64から取り出すようにしてい
るが、液体窒素溜め67から取り出すようにしても差し
支えはない。
【0022】図2は、この発明の他の実施例の装置を示
している。この装置は、第1の加圧ポンプ73を密封ケ
ーシング73cに収容し、このケーシング73c内に液
体酸素を導入し加圧してパイプ72に導出するようにし
ている。そして、上記ケーシング73cの上部から気化
して生成した酸素ガスを上部塔59に戻す戻しパイプ2
3bが設けられている。また、第2の加圧ポンプ91を
密封ケーシング91cに収容し、このケーシング91c
内に液体窒素を導入し加圧してパイプ90に導出するよ
うにしている。そして、上記ケーシング91cの上部か
ら気化して生成した窒素ガスを下部塔60に戻す戻しパ
イプ91bが設けられている。それ以外の部分は図1の
装置と同じである。このように構成することにより、ガ
ス気泡を吸い込んで第1の加圧ポンプ73および第2の
加圧ポンプ91が空転する(ガス噛み現象)という事態
の発生が防止されるようになる。
【0023】
【発明の効果】以上のように、この発明の酸素・窒素ガ
ス製造装置は、精留塔を上下2塔に分け、上部塔で生成
される液体酸素を取り出し、これを液体の状態で加圧
し、ついで熱交換器に送り、さらに膨脹タービンに導入
し断熱膨脹させて寒冷を発生させ、その発生寒冷を熱交
換器に送り、装置の寒冷源としたものである。このよう
に、酸素を液体の状態で加圧すると、気体の状態で加圧
する場合に比べて加圧コストを大幅に低減することがで
きる。しかも、この発明では、上記のように酸素を液体
の状態で加圧したのち熱交換器で気化させ、この圧力を
利用し膨脹タービンを駆動させ寒冷を得ることから、上
記酸素加圧のために用いるエネルギーを寒冷発生に援用
することができ、その結果、製品コストの引き下げを実
現できるようになる。これが、この発明の最大の特徴で
ある。そのうえ、この発明では、下部塔に導入される還
流液体窒素の一部を、製品窒素ガスを得るために取り出
し、これについても液体の状態で加圧し、ついで熱交換
器で気化させ、これを膨脹タービンに導入し断熱膨脹さ
せて寒冷を発生させ、その発生寒冷を再度上記熱交換器
に送り、装置の寒冷源に用いる。したがって、製品窒素
ガスについても、その加圧エネルギーを、膨脹タービン
の駆動エネルギーに援用できることから、製品窒素ガス
のコストも大幅に引き下げることができるようになる。
しかも、予定外の需要増大に応えるために単位時間当た
りの原料空気供給量を増大させると、上記膨脹タービン
による発生寒冷量の増大には時間遅れが生じるが、この
場合には、精留塔内に溜まる液体の液面を維持するため
に、上記液体窒素貯蔵手段もしくは液体酸素貯蔵手段か
ら、寒冷源である液体窒素もしくは液体酸素が下部塔内
に補充供給されるため、製品ガスの純度低下を招くこと
がない。これらの利点から、この発明の装置は、鉄鋼製
造分野、化学工業分野、火力発電分野等、広い分野で有
効に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の構成図である。
【図2】この発明の他の実施例の構成図である。
【図3】従来例の構成図である。
【符号の説明】
51 空気圧縮器 56,57 熱交換器 58 精留塔 59 上部塔 60 下部塔 61 液体空気 71 液体酸素 72 液体酸素取出パイプ 73 第1の加圧ポンプ 74 製品酸素ガス取出パイプ 75 第1の膨脹タービン 81 コントロールバルブ 82 液面計 90 液体窒素取出パイプ 91 第2の加圧ポンプ 92 製品窒素ガス取出パイプ 93 第2の膨脹タービン 95 パイプ 96 コントロールバルブ 97 切り換えスイッチ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料空気を圧縮する空気圧縮手段と、上
    記圧縮空気を超低温に冷却する熱交換手段と、上記超低
    温に冷却された圧縮空気を導入し液化分離により酸素を
    液化し窒素を気体の状態で保持する下部精留塔と、上記
    下部精留塔の底部から取り出された液体空気を塔内に導
    入し液化分離により酸素を液化し底部に貯留する上部精
    留塔と、上記上部精留塔の底部側から液体酸素を取り出
    す液体酸素取出路と、上記液体酸素取出路の先端から延
    び熱交換手段を経由して上記液体酸素を気化させ製品と
    して取り出す製品酸素ガス取出路と、上記上部精留塔内
    に設けられ上記下部精留塔内の気体窒素の一部を導入し
    凝縮して液化する凝縮手段と、この凝縮手段から取り出
    された液体窒素を上記下部精留塔に還流させる液体窒素
    還流路と、上記液体窒素還流路を経由した液体窒素の一
    部を取り出す液体窒素取出路と、上記液体窒素取出路の
    先端から延び上記熱交換手段を経由して上記液体窒素を
    気化させて製品窒素ガスとして取り出す窒素ガス取出路
    とを備え、上記液体酸素取出路に液体酸素加圧用の第1
    の加圧手段が設けられているとともに、その加圧手段よ
    り下流側の流路が上記熱交換手段を経由したのち第1の
    膨脹タービンを経由し再度上記熱交換手段を経由して寒
    冷を付与する構造に形成されており、上記液体窒素取出
    路に液体窒素加圧用の第2の加圧手段が設けられている
    とともに、その加圧手段よりも下流側の流路が上記熱交
    換器を経由したのち第2の膨脹タービンを経由して再度
    上記熱交換手段を経由して寒冷を付与する構造に形成さ
    れており、かつ上記下部精留塔に液体窒素を供給する液
    体窒素貯蔵手段と、上記上部精留塔に液体酸素を供給す
    る液体酸素貯蔵手段と、上記液体窒素貯蔵手段からの供
    給液体窒素量を制御する制御手段と、上記液体酸素貯蔵
    手段からの供給液体酸素量を制御する制御手段とが設け
    られ、上記上部精留塔または上記下部精留塔の液面が一
    定になるよう上記いずれか一方の制御手段が作動するよ
    うになっていることを特徴とする酸素・窒素ガス製造装
    置。
  2. 【請求項2】 上記第1の膨脹タービンが、酸素に対す
    る反応性の小さい材料で構成された膨脹タービンである
    請求項1記載の酸素・窒素ガス製造装置。
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