JP3475393B2 - ディスク固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
ク等のディスクに形成された中心孔をケースに固定する
ディスク固定装置に係り、ディスクのサイズが異なる場
合でも、その中心孔を確実に固定することができるディ
スク固定装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】コンパクトディスク等のディスクを保管
する場合、一般的には、購入時のディスク収納ケースに
保管する。この収納ケースは、通常、プラスティック製
のトレーに上蓋を開閉自在に枢着した平状に形成され、
図１０に示すように、トレー３１の内側中心にボス３２
を突出状に形成してある。 【０００３】このボス３２は、トレー３１の内側面に全
体外周が円形を成す多数個のツメ３３、３３…を突出し
て夫々のツメ３３の上端を内側中央に向け、その中央部
では空隙３４を有して夫々のツメ３３、３３…が互いの
隙間３３ａによって独立的かつ弾性的に屈曲されるもの
としている。 【０００４】このようなボス３２の外径はディスクＤの
中心孔Ｃよりもわずかに大径を有するものであり、この
ボス３２にディスクＤの中心孔Ｃを挿着すると、ボス３
２の夫々のツメ３３、３３…を内方に僅かに屈曲した状
態にしてディスクＤの中心孔Ｃを係止した状態にする。 【０００５】しかしながら、このディスクＤの係止状態
では、収納ケースに外圧がかかって変形した場合等に、
ディスクＤの中心孔Ｃがボス３２の外周から外れやすい
という欠点があった。 【０００６】この欠点を解消するために、ディスクＤを
より確実に固定する装置として、国際公開番号ＷＯ９６
／１４６３６に開示された装置が提案されている。 【０００７】この装置は、図１１に示すように、プラス
ティック製のトレー３６に上蓋３７を開閉自在に枢着し
た平状の収納ケース３０の前記トレー３６の内側中心に
片持梁式に弾性支持された内側に伸びる少なくとも２片
の径方向アーム３８、３８が形成され、夫々の径方向ア
ーム３８、３８の内側上端にはボタン状部材３９、３９
が形成されたものである。 【０００８】また、図１２に示すように、夫々のボタン
状部材３９、３９の上部外周には外方に突出したリムま
たはリップ４０が形成され、夫々のボタン状部材３９、
３９の間には隙間４１が設けられ各ボタン状部材３９、
３９を中心に寄せた状態にすると、ボタン状部材３９、
３９の全体外径はディスクＤの中心孔Ｃを挿入し得る径
となる。 【０００９】また、トレー３６の周囲にはディスクの外
径に応じた径の環状リム４２、４２が形成され、ボタン
状部材３９、３９にディスクＤの中心孔Ｃを挿着した状
態にすると、環状リム４２、４２がディスクＤの外周下
面を支持することになる。 【００１０】このような収納ケースにディスクＤを挿着
する場合、図１２に示すように、ディスクＤの中心孔Ｃ
をボタン状部材３９、３９の外周縁に係止し、この状態
でディスクＤの中心孔Ｃの近傍上面を指で押すと、図１
３に示すように夫々のボタン状部材３９、３９が中央に
寄せられ、同時に中央に寄せられたボタン状部材３９、
３９の外周をディスクＤの中心孔Ｃが下方に摺動する。 【００１１】そして、ディスクＤの中心孔Ｃが径方向ア
ーム３８、３８の上縁に当接した時点で、指によるディ
スクＤの押圧を解除すると、図１４に示すように各ボタ
ン状部材３９、３９の弾性復帰力によって外径が広げら
れ、ディスクＤの中心孔Ｃがボタン状部材３９、３９の
リムまたはリップ４０に係止された状態となる。このと
き、ディスクＤの外周は周辺の環状リム４２の上端に当
接した状態となる。 【００１２】また、ディスクＤを取り外すときは、図１
５に示すように、ボタン状部材３９、３９の上面を指で
押し込む。このとき、上記のように、ディスクＤの外周
は環状リム４２の上端に当接して下方への移動が規制さ
れた状態にあるため、指で押し込んだ各ボタン状部材３
９、３９が下方に移動して中央に寄せられると、ディス
クＤの中心孔Ｃが各ボタン状部材３９、３９のリムまた
はリップ４０の係止状態から離脱する結果、ディスクＤ
の取り外しが可能となる。 【００１３】 【発明が解決しようとする課題】上記の構成において、
ボタン状部材３９、３９を指で押し込むことによってデ
ィスクＤが取り外し可能となるのは、ディスクＤの外周
が環状リム４２の上端に当接した状態にあって下方への
移動が規制されているからであり、ボタン状部材３９、
３９を指で押し込んだとき、これらのボタン状部材３
９、３９が中央に寄って外径を縮小した状態となるた
め、ディスクＤの中心孔Ｃに対する係止状態から離脱す
るのである。 【００１４】なお、仮に、環状リム４２が設けられてい
ない場合は、ボタン状部材３９、３９を指で押し込んで
も、ディスクＤの中心孔Ｃがリムまたはリップ４０の係
止状態から離脱することがない。 【００１５】このため、図１５に示すように、２点鎖線
で示すシングルディスクＳＤまたはミニディスクＭＤと
称せられるような小径ディスクをこの固定装置に挿着し
た場合、ディスクの外周が環状リム４２に当接しないた
め、ボタン状部材３９、３９を指で押し込んでも、その
中心孔Ｃは径方向アーム３８、３８の上縁に載置された
まま下方に移動するだけで、リムまたはリップ４０から
離脱することができない。 【００１６】従って、上記のような押圧式のボタン状部
材を備えた収納ケースでは、ボタン状部材を押し込んで
も小径ディスクの取り外しができないという欠点を有す
るものである。 【００１７】本発明はこのような従来の収納ケースの欠
点を解消するために成されたものでディスクの外径にか
かわらず、ディスクの中心孔を容易かつ確実に固定する
ことができ、また容易に取り外すことができるディスク
固定装置を提供することを目的とする。 【００１８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項１記載のディスク固定装置は、デ
ィスクの収納用トレーの内側面上に所定の高さを有する
台座と、該台座の中央部に形成された受台と、前記台座
の周囲に形成された支持用リブとから成り、前記台座は
前記支持用リブの内周から前記受台の外周に至るまで次
第に高さを増す断面湾曲状に形成され、前記支持用リブ
の高さが前記台座の最高部と同様の高さに形成され、さ
らに前記受台はディスクの中心孔を挿着する外径を有
し、該受台の上部から放射状に延出された複数の弾性係
止片が該受台の周囲の複数箇所に形成された切欠部の中
心から片持状に水平に延長されると共に夫々の弾性係止
片の球形の先端部が前記受台の外径よりもやや突出する
ように形成され、前記ディスクの中心孔を前記受台の外
周に当てて該ディスクを押し込むことにより、該ディス
クの周囲の下面が前記支持用リブの上端に支持された状
態で該ディスクの中心孔の周縁が夫々の弾性係止片の先
端部に係止されるようにしたことを特徴とする。 【００１９】 【００２０】 【００２１】 【００２２】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら説明する。 【００２３】本発明によるディスク固定装置１は、図１
に示すように、合成樹脂製のトレー２に上蓋３を開閉自
在に形成した平状の収納用ケース４の内側中心部に設け
られたもので、トレー２の内側面上に所定の高さを有す
る台座５と、この台座５の中心に形成された受台６と、
台座５の周囲に形成された支持用リブ７とを有するもの
である。 【００２４】本実施例において、図２に示すように、支
持用リブ７は約３mmの高さを有する円形に形成される一
方、台座５は支持用リブ７の内周から受台６の外周に至
るまで次第に高さを増す断面湾曲状に形成されると共
に、台座５の最高部５ａ、即ち受台６の外周における台
座５の最高部５ａと支持用リブ７の高さが同様の高さと
なるように形成されている（図４参照）。 【００２５】このような構成により、図６に示すよう
に、受台６に固定したディスクＤの中心孔Ｃの周囲の下
面とディスクＤの外周の下面とを台座５の最高部５ａと
支持用リブ７の上端とで支持することができる。 【００２６】また、図３に示すように、受台６はディス
クＤの中心孔Ｃを挿着する略円形状の外径を有し、受台
６の上部から放射状に複数の弾性係止片８、８…を延出
した構成とされている。即ち、本実施例においては、受
台６の周囲の複数箇所に切欠部９、９…が形成され、夫
々の切欠部９の中心から弾性係止片８が片持状に水平に
延長されている。 【００２７】なお、夫々の切欠部９、９…は受台６の周
囲に等間隔で４か所に形成され、台座５の周囲にもこの
切欠部９、９…を延長した構成としている。 【００２８】また、夫々の弾性係止片８、８…の先端部
は球形を成す球部１０に形成されると共に、その球部１
０の先端が受台６の外径よりもやや突出するように形成
されている。 【００２９】なお、本実施例において、弾性係止片８は
受台６の外周に４個設けられているが、受台６の外周対
向位置に少なくとも２個設ける必要があり、３個または
４個以上の弾性係止片８、８…を形成するようにしても
よい。 【００３０】上記の構成によって、図５に示すように、
ディスクＤの中心孔Ｃを受台６の外周に当てて押し込む
ことにより、図６に示すように、ディスクＤの中心孔Ｃ
の周囲の下面が支持用リブ７の上端と台座５の最高部５
ａに支持された状態となり、同時にディスクＤの中心孔
Ｃの周縁が夫々の弾性係止片８、８…の先端の球部１
０、１０…に係止される。 【００３１】さらに、図１その他の図面に示すように、
トレー２の上面には受台６の周りに所定の内径で２個の
円弧状の環状リム１２、１２が空所１２ａ、１２ａを空
けて形成されている。この環状リム１２には台座５の最
高部５ａと同様の高さを有する内側段差１３が形成さ
れ、例えば直径１２０mmのコンパクトディスクＤを収納
したとき、ディスクＤの外周下面が環状リム１２の内側
段差１３によって支持されるようにしている。 【００３２】また、直径１２０mmのコンパクトディスク
Ｄよりも大径のディスクＤを収納する場合は、環状リム
１２の内径をそのディスクＤの外径に応じたものに形成
することにより、種々の大径のディスクＤを環状リム１
２の内側段差１３で支持した収納状態とすることができ
る。 【００３３】さらに、図７に示すように、直径１２０mm
のコンパクトディスクＤよりも小径のミニディスクＭＤ
またはシングルディスクＳＤを収納すると、ディスクの
外周は環状リム１２の内側段差１３に到達せず、その外
周下面を支持することができないが、上記のディスクＤ
と同様に、ミニディスクＭＤまたはシングルディスクＳ
Ｄの中心孔Ｃを受台６の外周に当てて押し込むことによ
り、ミニディスクＭＤまたはシングルディスクＳＤは支
持用リブ７の上端に支持され、弾性係止片８、８…の先
端の球部１０、１０…で係止された固定状態を保つこと
ができる。 【００３４】従って、ディスクＤは環状リム１２の内径
の範囲内であれば、どのような小径ディスクであっても
適用可能である。 【００３５】なお、上記のように構成された収納用ケー
ス４は、例えばポリプロピレンによって形成され、収納
用ケース４に形成された台座５と受台６と支持用リブ７
と環状リブ１２とは一体成形で製造することが可能であ
る。また、台座５と受台６は同程度の厚さに形成され、
受台６に形成された夫々の弾性係止片８が弾性力を有す
るほか、受台６と台座５も弾性変形する構造とすること
が可能である。 【００３６】上記のように構成されたディスク固定装置
１にディスクＤを固定するには、図４に示すようにディ
スクＤの中心孔Ｃを載置する。このとき、ディスクＤの
中心孔Ｃは受台６の外周上縁にて弾性変形されていない
弾性係止片８、８…の先端の球部１０、１０…の上縁に
係合された状態になる。 【００３７】次いで、図５に示すように、このディスク
Ｄの中心孔Ｃの近傍の上面を指で下方に押し込むと、デ
ィスクＤの中心孔Ｃの周縁が夫々の球部１０、１０…を
押し下げ、これによって下方に湾曲した弾性係止片８、
８…の全体外径が縮小してディスクＤの中心孔Ｃが下方
に移動する。 【００３８】そして、図６に示すように、ディスクＤの
中心孔Ｃが各弾性係止片８、８…の球部１０、１０…と
の係合から離脱すると、ディスクＤの下面が支持用リブ
７の上端と台座５の最高部５ａに支持された状態に至
り、各弾性係止片８、８…は弾性復帰して外径を広げ、
ディスクＤの中心孔Ｃの周縁を係止した状態となる。 【００３９】なお、図７に示すように、ミニディスクＭ
ＤまたはシングルディスクＳＤを固定する場合にも、そ
の中心孔Ｃは上記のディスクＤと同様の内径に形成され
ているため、上記と同様の操作によってディスク固定装
置１に固定した状態にすることができる。 【００４０】また、上記のようにディスク固定装置１に
固定されたディスクＤを取り外すときは、図８に示すよ
うに、例えば親指で受台６を支え、他の指を環状リム１
２、１２間の空所１２ａからディスクＤの外周縁に当て
て持ち上げると、ディスクＤの中心孔Ｃが弾性係止片
８、８…の先端の球部１０、１０…に対する係止状態か
ら離脱する。 【００４１】次いで、図９に示すように、親指をディス
クＤの中心孔Ｃに当て、他の指をディスクＤの外周縁に
当てて、親指と他の指で挟んだ状態にしてディスクＤを
取り出すことができる。 【００４２】このようなディスクＤの取り外し操作は、
ディスクＤの外周が環状リム１２に支持されていない状
態のミニディスクＭＤまたはシングルディスクＳＤであ
っても同様に行うことができる。 【００４３】なお、上記のディスクＤの取り外し操作に
おいて、受台６が弾性変形する場合であって、ディスク
Ｄの外周下面が環状リブ１２、１２の内側段差１３で支
持されている場合には、親指で受台６を押し下げると、
ディスクＤの中心孔Ｃが弾性係止片８、８…の先端の球
部１０、１０…から直ちに離脱して取り外し可能とな
る。 【００４４】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のディスク
固定装置によれば、受台の上方からディスクを押圧する
だけで、ディスクの中心孔が弾性係止片の球形の先端部
に係止されると共に、その中心孔の周囲下面が支持用リ
ブの上端に支持された状態となるため、ディスクの固定
は該ディスクを上方から押し込む操作だけで容易に行う
ことができる。 【００４５】また、このようなディスクの固定状態は、
ディスクの中心孔が夫々の弾性係止片の先端部に係止さ
れることによって成されるため、一旦固定されたディス
クは容易に外れることがなく、確実な固定状態に保つこ
とができる。 【００４６】さらに、ディスクを取り外すときは、親指
で受台を支えて他の指をディスクの外周縁に当てて持ち
上げるだけで、弾性係止片による係止状態から離脱させ
ることができる。 【００４７】また、従来のようにディスクの外周を支持
する環状リムの有無に関係なくディスクを取り外すこと
が可能であるため、小径のディスクであってもその固定
及び取り外しを同様に行うことが可能となる。 【００４８】従って、市販されている最大外径のディス
クを収納可能とした内径を有する環状リムを設けた場
合、直径１２０mmのコンパクトディスクのほかに、さら
に小径のミニディスク及びシングルディスクの固定も可
能であり、種々の外径のディスクの収納固定が可能とな
る。 【００４９】また、本発明によるディスク固定装置は、
合成樹脂製の一体成形によって作成することができ、し
かも金型構造も簡単なものですむため、大量生産で安価
な製品の市場提供が可能となる。
ク等のディスクに形成された中心孔をケースに固定する
ディスク固定装置に係り、ディスクのサイズが異なる場
合でも、その中心孔を確実に固定することができるディ
スク固定装置に関するものである。 【０００２】 【従来の技術】コンパクトディスク等のディスクを保管
する場合、一般的には、購入時のディスク収納ケースに
保管する。この収納ケースは、通常、プラスティック製
のトレーに上蓋を開閉自在に枢着した平状に形成され、
図１０に示すように、トレー３１の内側中心にボス３２
を突出状に形成してある。 【０００３】このボス３２は、トレー３１の内側面に全
体外周が円形を成す多数個のツメ３３、３３…を突出し
て夫々のツメ３３の上端を内側中央に向け、その中央部
では空隙３４を有して夫々のツメ３３、３３…が互いの
隙間３３ａによって独立的かつ弾性的に屈曲されるもの
としている。 【０００４】このようなボス３２の外径はディスクＤの
中心孔Ｃよりもわずかに大径を有するものであり、この
ボス３２にディスクＤの中心孔Ｃを挿着すると、ボス３
２の夫々のツメ３３、３３…を内方に僅かに屈曲した状
態にしてディスクＤの中心孔Ｃを係止した状態にする。 【０００５】しかしながら、このディスクＤの係止状態
では、収納ケースに外圧がかかって変形した場合等に、
ディスクＤの中心孔Ｃがボス３２の外周から外れやすい
という欠点があった。 【０００６】この欠点を解消するために、ディスクＤを
より確実に固定する装置として、国際公開番号ＷＯ９６
／１４６３６に開示された装置が提案されている。 【０００７】この装置は、図１１に示すように、プラス
ティック製のトレー３６に上蓋３７を開閉自在に枢着し
た平状の収納ケース３０の前記トレー３６の内側中心に
片持梁式に弾性支持された内側に伸びる少なくとも２片
の径方向アーム３８、３８が形成され、夫々の径方向ア
ーム３８、３８の内側上端にはボタン状部材３９、３９
が形成されたものである。 【０００８】また、図１２に示すように、夫々のボタン
状部材３９、３９の上部外周には外方に突出したリムま
たはリップ４０が形成され、夫々のボタン状部材３９、
３９の間には隙間４１が設けられ各ボタン状部材３９、
３９を中心に寄せた状態にすると、ボタン状部材３９、
３９の全体外径はディスクＤの中心孔Ｃを挿入し得る径
となる。 【０００９】また、トレー３６の周囲にはディスクの外
径に応じた径の環状リム４２、４２が形成され、ボタン
状部材３９、３９にディスクＤの中心孔Ｃを挿着した状
態にすると、環状リム４２、４２がディスクＤの外周下
面を支持することになる。 【００１０】このような収納ケースにディスクＤを挿着
する場合、図１２に示すように、ディスクＤの中心孔Ｃ
をボタン状部材３９、３９の外周縁に係止し、この状態
でディスクＤの中心孔Ｃの近傍上面を指で押すと、図１
３に示すように夫々のボタン状部材３９、３９が中央に
寄せられ、同時に中央に寄せられたボタン状部材３９、
３９の外周をディスクＤの中心孔Ｃが下方に摺動する。 【００１１】そして、ディスクＤの中心孔Ｃが径方向ア
ーム３８、３８の上縁に当接した時点で、指によるディ
スクＤの押圧を解除すると、図１４に示すように各ボタ
ン状部材３９、３９の弾性復帰力によって外径が広げら
れ、ディスクＤの中心孔Ｃがボタン状部材３９、３９の
リムまたはリップ４０に係止された状態となる。このと
き、ディスクＤの外周は周辺の環状リム４２の上端に当
接した状態となる。 【００１２】また、ディスクＤを取り外すときは、図１
５に示すように、ボタン状部材３９、３９の上面を指で
押し込む。このとき、上記のように、ディスクＤの外周
は環状リム４２の上端に当接して下方への移動が規制さ
れた状態にあるため、指で押し込んだ各ボタン状部材３
９、３９が下方に移動して中央に寄せられると、ディス
クＤの中心孔Ｃが各ボタン状部材３９、３９のリムまた
はリップ４０の係止状態から離脱する結果、ディスクＤ
の取り外しが可能となる。 【００１３】 【発明が解決しようとする課題】上記の構成において、
ボタン状部材３９、３９を指で押し込むことによってデ
ィスクＤが取り外し可能となるのは、ディスクＤの外周
が環状リム４２の上端に当接した状態にあって下方への
移動が規制されているからであり、ボタン状部材３９、
３９を指で押し込んだとき、これらのボタン状部材３
９、３９が中央に寄って外径を縮小した状態となるた
め、ディスクＤの中心孔Ｃに対する係止状態から離脱す
るのである。 【００１４】なお、仮に、環状リム４２が設けられてい
ない場合は、ボタン状部材３９、３９を指で押し込んで
も、ディスクＤの中心孔Ｃがリムまたはリップ４０の係
止状態から離脱することがない。 【００１５】このため、図１５に示すように、２点鎖線
で示すシングルディスクＳＤまたはミニディスクＭＤと
称せられるような小径ディスクをこの固定装置に挿着し
た場合、ディスクの外周が環状リム４２に当接しないた
め、ボタン状部材３９、３９を指で押し込んでも、その
中心孔Ｃは径方向アーム３８、３８の上縁に載置された
まま下方に移動するだけで、リムまたはリップ４０から
離脱することができない。 【００１６】従って、上記のような押圧式のボタン状部
材を備えた収納ケースでは、ボタン状部材を押し込んで
も小径ディスクの取り外しができないという欠点を有す
るものである。 【００１７】本発明はこのような従来の収納ケースの欠
点を解消するために成されたものでディスクの外径にか
かわらず、ディスクの中心孔を容易かつ確実に固定する
ことができ、また容易に取り外すことができるディスク
固定装置を提供することを目的とする。 【００１８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項１記載のディスク固定装置は、デ
ィスクの収納用トレーの内側面上に所定の高さを有する
台座と、該台座の中央部に形成された受台と、前記台座
の周囲に形成された支持用リブとから成り、前記台座は
前記支持用リブの内周から前記受台の外周に至るまで次
第に高さを増す断面湾曲状に形成され、前記支持用リブ
の高さが前記台座の最高部と同様の高さに形成され、さ
らに前記受台はディスクの中心孔を挿着する外径を有
し、該受台の上部から放射状に延出された複数の弾性係
止片が該受台の周囲の複数箇所に形成された切欠部の中
心から片持状に水平に延長されると共に夫々の弾性係止
片の球形の先端部が前記受台の外径よりもやや突出する
ように形成され、前記ディスクの中心孔を前記受台の外
周に当てて該ディスクを押し込むことにより、該ディス
クの周囲の下面が前記支持用リブの上端に支持された状
態で該ディスクの中心孔の周縁が夫々の弾性係止片の先
端部に係止されるようにしたことを特徴とする。 【００１９】 【００２０】 【００２１】 【００２２】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しながら説明する。 【００２３】本発明によるディスク固定装置１は、図１
に示すように、合成樹脂製のトレー２に上蓋３を開閉自
在に形成した平状の収納用ケース４の内側中心部に設け
られたもので、トレー２の内側面上に所定の高さを有す
る台座５と、この台座５の中心に形成された受台６と、
台座５の周囲に形成された支持用リブ７とを有するもの
である。 【００２４】本実施例において、図２に示すように、支
持用リブ７は約３mmの高さを有する円形に形成される一
方、台座５は支持用リブ７の内周から受台６の外周に至
るまで次第に高さを増す断面湾曲状に形成されると共
に、台座５の最高部５ａ、即ち受台６の外周における台
座５の最高部５ａと支持用リブ７の高さが同様の高さと
なるように形成されている（図４参照）。 【００２５】このような構成により、図６に示すよう
に、受台６に固定したディスクＤの中心孔Ｃの周囲の下
面とディスクＤの外周の下面とを台座５の最高部５ａと
支持用リブ７の上端とで支持することができる。 【００２６】また、図３に示すように、受台６はディス
クＤの中心孔Ｃを挿着する略円形状の外径を有し、受台
６の上部から放射状に複数の弾性係止片８、８…を延出
した構成とされている。即ち、本実施例においては、受
台６の周囲の複数箇所に切欠部９、９…が形成され、夫
々の切欠部９の中心から弾性係止片８が片持状に水平に
延長されている。 【００２７】なお、夫々の切欠部９、９…は受台６の周
囲に等間隔で４か所に形成され、台座５の周囲にもこの
切欠部９、９…を延長した構成としている。 【００２８】また、夫々の弾性係止片８、８…の先端部
は球形を成す球部１０に形成されると共に、その球部１
０の先端が受台６の外径よりもやや突出するように形成
されている。 【００２９】なお、本実施例において、弾性係止片８は
受台６の外周に４個設けられているが、受台６の外周対
向位置に少なくとも２個設ける必要があり、３個または
４個以上の弾性係止片８、８…を形成するようにしても
よい。 【００３０】上記の構成によって、図５に示すように、
ディスクＤの中心孔Ｃを受台６の外周に当てて押し込む
ことにより、図６に示すように、ディスクＤの中心孔Ｃ
の周囲の下面が支持用リブ７の上端と台座５の最高部５
ａに支持された状態となり、同時にディスクＤの中心孔
Ｃの周縁が夫々の弾性係止片８、８…の先端の球部１
０、１０…に係止される。 【００３１】さらに、図１その他の図面に示すように、
トレー２の上面には受台６の周りに所定の内径で２個の
円弧状の環状リム１２、１２が空所１２ａ、１２ａを空
けて形成されている。この環状リム１２には台座５の最
高部５ａと同様の高さを有する内側段差１３が形成さ
れ、例えば直径１２０mmのコンパクトディスクＤを収納
したとき、ディスクＤの外周下面が環状リム１２の内側
段差１３によって支持されるようにしている。 【００３２】また、直径１２０mmのコンパクトディスク
Ｄよりも大径のディスクＤを収納する場合は、環状リム
１２の内径をそのディスクＤの外径に応じたものに形成
することにより、種々の大径のディスクＤを環状リム１
２の内側段差１３で支持した収納状態とすることができ
る。 【００３３】さらに、図７に示すように、直径１２０mm
のコンパクトディスクＤよりも小径のミニディスクＭＤ
またはシングルディスクＳＤを収納すると、ディスクの
外周は環状リム１２の内側段差１３に到達せず、その外
周下面を支持することができないが、上記のディスクＤ
と同様に、ミニディスクＭＤまたはシングルディスクＳ
Ｄの中心孔Ｃを受台６の外周に当てて押し込むことによ
り、ミニディスクＭＤまたはシングルディスクＳＤは支
持用リブ７の上端に支持され、弾性係止片８、８…の先
端の球部１０、１０…で係止された固定状態を保つこと
ができる。 【００３４】従って、ディスクＤは環状リム１２の内径
の範囲内であれば、どのような小径ディスクであっても
適用可能である。 【００３５】なお、上記のように構成された収納用ケー
ス４は、例えばポリプロピレンによって形成され、収納
用ケース４に形成された台座５と受台６と支持用リブ７
と環状リブ１２とは一体成形で製造することが可能であ
る。また、台座５と受台６は同程度の厚さに形成され、
受台６に形成された夫々の弾性係止片８が弾性力を有す
るほか、受台６と台座５も弾性変形する構造とすること
が可能である。 【００３６】上記のように構成されたディスク固定装置
１にディスクＤを固定するには、図４に示すようにディ
スクＤの中心孔Ｃを載置する。このとき、ディスクＤの
中心孔Ｃは受台６の外周上縁にて弾性変形されていない
弾性係止片８、８…の先端の球部１０、１０…の上縁に
係合された状態になる。 【００３７】次いで、図５に示すように、このディスク
Ｄの中心孔Ｃの近傍の上面を指で下方に押し込むと、デ
ィスクＤの中心孔Ｃの周縁が夫々の球部１０、１０…を
押し下げ、これによって下方に湾曲した弾性係止片８、
８…の全体外径が縮小してディスクＤの中心孔Ｃが下方
に移動する。 【００３８】そして、図６に示すように、ディスクＤの
中心孔Ｃが各弾性係止片８、８…の球部１０、１０…と
の係合から離脱すると、ディスクＤの下面が支持用リブ
７の上端と台座５の最高部５ａに支持された状態に至
り、各弾性係止片８、８…は弾性復帰して外径を広げ、
ディスクＤの中心孔Ｃの周縁を係止した状態となる。 【００３９】なお、図７に示すように、ミニディスクＭ
ＤまたはシングルディスクＳＤを固定する場合にも、そ
の中心孔Ｃは上記のディスクＤと同様の内径に形成され
ているため、上記と同様の操作によってディスク固定装
置１に固定した状態にすることができる。 【００４０】また、上記のようにディスク固定装置１に
固定されたディスクＤを取り外すときは、図８に示すよ
うに、例えば親指で受台６を支え、他の指を環状リム１
２、１２間の空所１２ａからディスクＤの外周縁に当て
て持ち上げると、ディスクＤの中心孔Ｃが弾性係止片
８、８…の先端の球部１０、１０…に対する係止状態か
ら離脱する。 【００４１】次いで、図９に示すように、親指をディス
クＤの中心孔Ｃに当て、他の指をディスクＤの外周縁に
当てて、親指と他の指で挟んだ状態にしてディスクＤを
取り出すことができる。 【００４２】このようなディスクＤの取り外し操作は、
ディスクＤの外周が環状リム１２に支持されていない状
態のミニディスクＭＤまたはシングルディスクＳＤであ
っても同様に行うことができる。 【００４３】なお、上記のディスクＤの取り外し操作に
おいて、受台６が弾性変形する場合であって、ディスク
Ｄの外周下面が環状リブ１２、１２の内側段差１３で支
持されている場合には、親指で受台６を押し下げると、
ディスクＤの中心孔Ｃが弾性係止片８、８…の先端の球
部１０、１０…から直ちに離脱して取り外し可能とな
る。 【００４４】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のディスク
固定装置によれば、受台の上方からディスクを押圧する
だけで、ディスクの中心孔が弾性係止片の球形の先端部
に係止されると共に、その中心孔の周囲下面が支持用リ
ブの上端に支持された状態となるため、ディスクの固定
は該ディスクを上方から押し込む操作だけで容易に行う
ことができる。 【００４５】また、このようなディスクの固定状態は、
ディスクの中心孔が夫々の弾性係止片の先端部に係止さ
れることによって成されるため、一旦固定されたディス
クは容易に外れることがなく、確実な固定状態に保つこ
とができる。 【００４６】さらに、ディスクを取り外すときは、親指
で受台を支えて他の指をディスクの外周縁に当てて持ち
上げるだけで、弾性係止片による係止状態から離脱させ
ることができる。 【００４７】また、従来のようにディスクの外周を支持
する環状リムの有無に関係なくディスクを取り外すこと
が可能であるため、小径のディスクであってもその固定
及び取り外しを同様に行うことが可能となる。 【００４８】従って、市販されている最大外径のディス
クを収納可能とした内径を有する環状リムを設けた場
合、直径１２０mmのコンパクトディスクのほかに、さら
に小径のミニディスク及びシングルディスクの固定も可
能であり、種々の外径のディスクの収納固定が可能とな
る。 【００４９】また、本発明によるディスク固定装置は、
合成樹脂製の一体成形によって作成することができ、し
かも金型構造も簡単なものですむため、大量生産で安価
な製品の市場提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるディスク固定装置を備えた収納用
ケースの内部を示す全体斜視図である。 【図２】本発明によるディスク固定装置とその周辺の環
状リム１２を示す斜視図である。 【図３】本発明によるディスク固定装置の上面図であ
る。 【図４】本発明によるディスク固定装置にディスクを載
置した状態を示す断面図であり、図２のＡ−Ａ線断面に
相当する部位を示す。 【図５】本発明によるディスク固定装置に載置したディ
スクを指で押圧している状況を示す断面図である。 【図６】本発明によるディスク固定装置にディスクを固
定した状態を示す断面図である。 【図７】本発明によるディスク固定装置にミニディスク
またはシングルディスクを固定した状態を示す断面図で
ある。 【図８】本発明によるディスク固定装置に固定したディ
スクを取り外している状況を示す断面図である。 【図９】本発明によるディスク固定装置に固定したディ
スクを取り外した状況を示す断面図である。 【図１０】従来のディスク固定装置にディスクを挿着し
た状況を示す部分斜視図である。 【図１１】従来の他のディスク固定装置の内部を示す斜
視図である。 【図１２】従来の他のディスク固定装置にディスクを載
置すると共に指で押圧しようとしている状況を示す部分
断面図であり、図１１のＢ−Ｂ線断面に相当する部位を
示す。 【図１３】従来の他のディスク固定装置にディスクを指
で押圧している状況を示す部分断面図である。 【図１４】従来の他のディスク固定装置にディスクを固
定した状況を示す部分断面図である。 【図１５】従来の他のディスク固定装置に固定したディ
スクを指で押圧して取り外している状況を示す部分断面
図である。 【符号の説明】 Ｄ…ディスク Ｃ…中心孔 １…ディスク固定装置 ２…トレー ３…上蓋 ４…収納用ケース ５…台座 ５ａ…台座の最高部 ６…受台 ７…支持用リブ ８…弾性係止片 ９…切欠部 １０…球部 １２…環状リム １２ａ…空所 １３…内側段差
ケースの内部を示す全体斜視図である。 【図２】本発明によるディスク固定装置とその周辺の環
状リム１２を示す斜視図である。 【図３】本発明によるディスク固定装置の上面図であ
る。 【図４】本発明によるディスク固定装置にディスクを載
置した状態を示す断面図であり、図２のＡ−Ａ線断面に
相当する部位を示す。 【図５】本発明によるディスク固定装置に載置したディ
スクを指で押圧している状況を示す断面図である。 【図６】本発明によるディスク固定装置にディスクを固
定した状態を示す断面図である。 【図７】本発明によるディスク固定装置にミニディスク
またはシングルディスクを固定した状態を示す断面図で
ある。 【図８】本発明によるディスク固定装置に固定したディ
スクを取り外している状況を示す断面図である。 【図９】本発明によるディスク固定装置に固定したディ
スクを取り外した状況を示す断面図である。 【図１０】従来のディスク固定装置にディスクを挿着し
た状況を示す部分斜視図である。 【図１１】従来の他のディスク固定装置の内部を示す斜
視図である。 【図１２】従来の他のディスク固定装置にディスクを載
置すると共に指で押圧しようとしている状況を示す部分
断面図であり、図１１のＢ−Ｂ線断面に相当する部位を
示す。 【図１３】従来の他のディスク固定装置にディスクを指
で押圧している状況を示す部分断面図である。 【図１４】従来の他のディスク固定装置にディスクを固
定した状況を示す部分断面図である。 【図１５】従来の他のディスク固定装置に固定したディ
スクを指で押圧して取り外している状況を示す部分断面
図である。 【符号の説明】 Ｄ…ディスク Ｃ…中心孔 １…ディスク固定装置 ２…トレー ３…上蓋 ４…収納用ケース ５…台座 ５ａ…台座の最高部 ６…受台 ７…支持用リブ ８…弾性係止片 ９…切欠部 １０…球部 １２…環状リム １２ａ…空所 １３…内側段差
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(56)参考文献 特開 平10−35765（ＪＰ，Ａ)
特開2001−10689（ＪＰ，Ａ)
特開2001−213493（ＪＰ，Ａ)
特開2001−192083（ＪＰ，Ａ)
特表2003−515501（ＪＰ，Ａ)
登録実用新案3052115（ＪＰ，Ｕ)
登録実用新案3034957（ＪＰ，Ｕ)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
B65D 85/57
G11B 23/03 601
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】ディスクの収納用トレーの内側面上に所定
の高さを有する台座と、該台座の中央部に形成された受
台と、前記台座の周囲に形成された支持用リブとから成
り、前記台座は前記支持用リブの内周から前記受台の外
周に至るまで次第に高さを増す断面湾曲状に形成され、
前記支持用リブの高さが前記台座の最高部と同様の高さ
に形成され、さらに前記受台はディスクの中心孔を挿着
する外径を有し、該受台の上部から放射状に延出された
複数の弾性係止片が該受台の周囲の複数箇所に形成され
た切欠部の中心から片持状に水平に延長されると共に夫
々の弾性係止片の球形の先端部が前記受台の外径よりも
やや突出するように形成され、前記ディスクの中心孔を
前記受台の外周に当てて該ディスクを押し込むことによ
り、該ディスクの周囲の下面が前記支持用リブの上端に
支持された状態で該ディスクの中心孔の周縁が夫々の弾
性係止片の先端部に係止されるようにしたことを特徴と
するディスク固定装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000078063A JP3475393B2 (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | ディスク固定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000078063A JP3475393B2 (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | ディスク固定装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2001261087A JP2001261087A (ja) | 2001-09-26 |
| JP3475393B2 true JP3475393B2 (ja) | 2003-12-08 |
Family
ID=18595524
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000078063A Expired - Fee Related JP3475393B2 (ja) | 2000-03-21 | 2000-03-21 | ディスク固定装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3475393B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5159879B2 (ja) * | 2008-05-20 | 2013-03-13 | 株式会社環境経営総合研究所 | ディスクホルダ |
-
2000
- 2000-03-21 JP JP2000078063A patent/JP3475393B2/ja not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JP2001261087A (ja) | 2001-09-26 |
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