JP3471917B2 - 圧縮機のアンローダ装置 - Google Patents

圧縮機のアンローダ装置

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JP3471917B2
JP3471917B2 JP23857294A JP23857294A JP3471917B2 JP 3471917 B2 JP3471917 B2 JP 3471917B2 JP 23857294 A JP23857294 A JP 23857294A JP 23857294 A JP23857294 A JP 23857294A JP 3471917 B2 JP3471917 B2 JP 3471917B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、往復形空気圧縮機の起
動負荷軽減および無負荷運転のための圧縮機のアンロー
ダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気圧縮機には運転時、設定さ
れた規定圧力まで吐出し圧力が上昇すると、自動的に無
負荷(圧縮しない)運転となるアンローダ装置が具備さ
れているものと、設定された規定圧力まで吐出し圧力が
上昇すると、圧縮機が停止する ページ(2) 圧力開閉器が具備されているものとがある。かかる従来
の圧縮機のうち、アンローダ装置を有する圧縮機は、図
3に示すごとく、バルブスぺーサー5の下面に、吸込通
気孔5aに挿通されたアンローダ制御用の単なる押棒か
らなるプランジャー6により開閉される吸込弁板たとえ
ばリード弁板4を有するもので、負荷軽減時、プランジ
ャー6の下方先端部にて直接吸込リード弁板4をある定
位置まで開離維持するように押し下げ無負荷運転するよ
うになっている。
【0003】しかしこの装置ににおいては、負荷軽減時
に、吸込通気孔5a上に設けられた下方先端部にて直接
吸込リード弁板4をある定位置まで開離するよう押し下
げ、この押し下げ距離を所定量維持するようになってい
るため、プランジャー6の押圧により下方に凹状にたわ
んだ吸込リード弁板4がシリンダー1内を往復運動する
ピストン2の頭部と衝突する。よって、この衝突による
変形破損を避けるためにピストン2の頭部には吸込リー
ド弁板4が入り込むのに余裕のある切欠溝2aを必要と
した。また、単なる押棒からなるプランジャー6の下方
先端部で、直接吸込リード弁板4を強制的に押圧するこ
とによって、負荷軽減時、吸込リード弁板4の押し下げ
距離を所定量維持するようになっているため、シリンダ
ー1内の圧力によって弁板4が上方にあおられたとき
に、プランジャー6の下方先端部によって、弁板4に変
形が生じ弁板4のシート不良を生じる欠点があった。
【0004】上記問題を改善するために、図2に示すよ
うに、制御用のプランジャー6の下端部にコイルばね8
を取り付けることにより、吸込リード弁板4を弾力的に
押圧することによって、ピストン2が上死点に至って、
吸込リード弁板4と当接しても、その衝撃力をコイルば
ね8の縮み作用によって吸収し緩和できるようにする圧
縮機のアンローダ装置については、本出願人が出願し
た、特公昭60−27833によって公知となってい
る。
【0005】 ページ(3)
【発明が解決しようとする課題】制御用のプランジャー
の下端部にコイルばねを取り付けることによって、ピス
トン頭部に切欠き溝を設ける必要がなくなり、ピストン
頭部と制御用プランジャー先端部の衝突による破損の恐
れもなくなり、吸込リード弁板の変形による弁板のシー
ト不良を生じる欠点もなくなった。しかし、制御用プラ
ンジャーの下端部にコイルばねを取り付けるに際して、
次の問題点のあることが明らかとなった。すなわち、前
記バルブスぺーサー5に明けられる孔5aは吸込空気抵
抗があまり大きくならない範囲で、できるだけ小さな径
で明けなければならない。この孔径が大きくなると、こ
の孔を閉鎖する吸込リード弁板4の幅を広くしなければ
ならない。孔径が大きく吸込リード弁板4の幅が広くな
ると、シリンダー内の空気圧力による吸込リード弁板へ
の曲げ応力が極端に大きくなり吸込リード弁板の曲がり
などによるシート不良の問題を発生する原因となる。し
たがって、この孔は必要最小限の孔径にしなければなら
ない。そのため、プランジャーの下端に取り付けるコイ
ルばねは、この小径孔を挿通することになり、コイルば
ねの僅かな倒れなどによって、バルブスぺーサーの吸込
通気孔5aに接触し、吸込通気孔5aの磨耗および接触
によるアンローダの作動不良を起こす原因となってい
た。
【0006】今一つは、コイルばねの下端部に取り付け
られる樹脂またはゴムは吸込リード弁板面を傷つけた
り、磨耗することのないようにしなければならないと同
時にキャップ10が容易にはずれないで確実に固定され
る簡単な機構が望まれていた。
【0007】一方近年急速に普及しているオイルフリー
圧縮機(無給油式圧縮機)において、従来給油式圧縮機
では圧縮機のヘッド部にピストン部からの油が浸透して
潤滑の役目をしていたが、オイルフリー圧縮機では油の
供給は全くないので、ヘッド部で接触摺動する部品は自
己潤滑性を持つ材質が必要となってきた。
【0008】 ページ(4)
【課題を解決するための手段】この発明は、圧縮機のシ
リンダーとシリンダーカバーとの間に吸込通気孔を形成
したバルブスぺーサーを挟持し、該バルブスぺーサーの
下面に、前記吸込通気孔に挿通されたアンローダ制御用
のプランジャーにより開放される吸込弁板を有するとと
もに、前記吸込弁板を前記プランジャーの下端に取り付
けられたコイルばねによって弾力的に押圧して開放する
圧縮機のアンローダ装置において、前記コイルばねの下
端面と側面を覆う樹脂またはゴムで成形されたキャップ
を取り付けた圧縮機のアンローダ装置で、前記コイルば
ねの下端面と側面を覆う樹脂またはゴム材質で成形され
たキャップが、底のある円筒形の筒で底部にコイルばね
に垂直に固定させるための凸部または凹部を形成してコ
イルばねの下端にねじ込んで固定し、樹脂材質は自己潤
滑性を有し、かつ圧縮機のヘッド温度に適応した耐熱性
を有するもので構成されたことを特徴とする。
【0009】
【作用】往復形空気圧縮機が運転し、設定された所定の
圧力まで吐出し圧力が上昇する。吐出し空気は脈動防
止、冷却等のため空気タンク等に一旦貯溜され、所定の
圧力まで上昇する。そして吐出し圧力が設定圧力まで上
昇したとき、アンローダ弁が開かれ空気タンクからの圧
縮空気がアンローダ装置の制御用ピストンに導かれる。
空気圧力によって作動する制御用ピストンに取り付けら
れたプランジャーと、その下端部にはめ込まれたコイル
ばねと、コイルばねの下端部にねじ込まれたキャップを
下に押圧することによって、吸込リード弁板を押し下げ
て吸込弁を開放する。空気圧縮機のピストンの上昇時、
吸込弁が開放されているため、空気は同じ吸込弁の吸込
通気孔から吐出され、吸込口から排気される。したがっ
て、圧縮作業が行われず無負荷運転となる。空気の消費
によって空気タンクの圧力が下がると前記アンローダ弁
が閉じられると同時に制御用ピストンを押していた圧力
空気もアンローダ弁から排気され大気圧となる。制御用
ピストンは戻し用のコイルばねによって押し上げられ、
同時に、プランジャー,コイルばね,キャップが引き ページ(5) 上げられ、吸込リード弁板がバルブスペーサーのシート
面に密着し、シートされ再び圧縮作業が開始され負荷運
転となる。
【0010】このとき制御用ピストンと共に動くプラン
ジャーの下端に取り付けられたコイルばねとその下端部
にねじ込まれたキャップによって、コイルばねが直接バ
ルブスぺーサーに接触することがなくなり、コイルばね
に固定して垂直に取り付けられた自己潤滑性を有する樹
脂またはゴムによって、吸込リード弁板は垂直に押し下
げられ、吸込リード弁板に余分な応力を与えることもな
くなる。キャップは自己潤滑性をもっているので、吸込
通気孔や吸込リード弁板と接触して磨耗することもな
い。また、圧縮機のバルブスぺーサー部は空気の圧縮熱
により高温となるので、ここに使用される樹脂またはゴ
ムは、この高温に十分耐えられるものとなっている。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づき説明
する。図1はこの発明に係る圧縮機のアンローダ装置を
示す要部断面図であり、従来の図2,図3と同一構成要
素の部分については同一符号を付した。図1において、
1は圧縮機のシリンダー、2はシリンダー1内を往復動
するピストン、3は吸込口16を有するシリンダーカバ
ー、前記シリンダー1とシリンダーカバー3との間にバ
ルブスぺーサー5を挟持している。バルブスぺーサー5
には、吸込通気孔5aおよび吐出用の吐出孔5bが穿設
され、その下面に吸込弁板例えば吸込リード弁板4、そ
の上面に、吐出リード弁板(図示せず)を取り付けてい
る。尚、吸込弁板はリード弁板の形状に限らない。シリ
ンダー1の頭部には、吸込リード弁板4の揚程を規制す
る凹部1aがあり、さらに、吸込通気孔5a内に挿通す
るアンローダ制御用のプランジャー6に固定してはめこ
まれたコイルばね8があり、コイルばね8の下端部に、
キャップ10がコイルばね8に固定してねじ込まれてい
る。11は制御用ピストン、12は制 ページ(6) 御用ピストンのシールのためのOリングが二重に取り付
けられている。13は制御用ピストンのシリンダーを持
つ蓋で、その接続部15は空気タンク等から分岐して送
られてくる制御用空気の供給口である。14はアンロー
ダ制御が解除されたとき、プランジャー6と共に制御用
ピストン11を元に戻すためのコイルばねである。制御
用ピストン11とプランジャー6との間にはゴム系の緩
衝板16が挿入されている。上記の構成において、圧縮
機の負荷運転時は、シリンダー1内を往復動するピスト
ン2が上死点の位置より下降し始めたとき、吸込リード
弁板4はピストン2の下降に伴う負圧力によって、吸込
リード弁板4自体のばね力に打ち勝ってバルブスぺーサ
ー5から離れ始め、ピストンが下死点の位置に到達する
まで、その開離は保持される。一方、ピストン2が上昇
し始めるとほとんど同時に、吸込リード弁板4は、弁板
4自身のばね力とシリンダー1内の空気圧力によってバ
ルブスぺサー5に着座するようになっている。
【0012】今、制御用の空気圧力が接続部15に送ら
れてくると、制御用ピストン11は、図のように下方に
押し下げられ、この制御用ピストン11挿入されたプラ
ンジャー6と、プランジャー6に固定されたコイルばね
8、キャップ10も同時に押し下げられる。キャップ1
0に押圧される吸込リード弁板4は、着座位置から離さ
れ、バルブスぺサー5に明けられた吸込通気孔5aが開
放状態となる。この状態でピストンが圧縮上昇過程に入
っても、圧縮されるべき空気は吸込通気孔5aから排気
され無負荷すなわちアンロードの状態となる。次に、こ
のアンロードの状態において、吸込リード弁板4の開度
は制御用ピストン11のストロークと、コイルばね8の
ばね強さと、吸込リード弁板4のばね強さによって決ま
るものであるが、アンロード時、常に運転しているピス
トン2が上死点位置にきたとき、コイルばね8の先端の
キャップ10によって開放されている吸込リード弁板4
にピストン2の上部がわずか直接接触する。そして、接
触してもコイルばね8のばね力によって吸収される、こ
れによって、圧縮機のヘ ページ(7) ッドクリアランスを最小限にすることを可能にして圧縮
効率を高めている。
【0013】コイルばね8は、吸込リード弁板4のばね
力に打ち勝って押し下げる強さをもち、かつ、吸込リー
ド弁板4が必要以上に開離しない自由長のものである。
またコイルばね8の下端部は、キャップ10に固着させ
るために密着巻となっている。キャップ10は円筒形の
底部に凸部が形成され、この凸部に前記コイルばね下端
部の密着巻部が固くねじ込まれる。キャップ10の円筒
部の長さは、吸込リード弁板4が開離したとき円筒部の
先端がバルブスぺーサーの吸込通気孔5aの下端からは
づれない長さであって、キャップ10の直径は吸込通気
孔5aとの間にできる隙間が、吸込み空気の通過する
際、大きな抵抗を受けずに通過するだけの十分な隙間を
有する径となっている。吸込通気孔5aの孔は前記通過
面積を確保するために、円形とは限らず長方形の吸込リ
ード弁板4の幅範囲内の長孔の場合もある。キャップ1
0のコイルばね8を固着するための凸部は、一例であっ
て、コイルばね8の外径を固定するための凹部であって
も同じ効果が得られる。キャップ10の材質が自己潤滑
性の樹脂またはゴムで作られるのは、キャップ10の底
面でアンローダ装置が作動するたびに吸込リード弁板面
を押圧することによる弁板の磨耗を防ぐことと、キャッ
プ10の側面がコイルばね8の芯ずれ等によって吸込通
気孔5aの側面に接触しながら上下することが生じても
吸込通気孔5aの磨耗を防ぐためのものである。自己潤
滑性の樹脂は圧縮機の圧縮熱によって温度上昇したヘッ
ド温度の熱に十分耐えるように、例えば4弗化樹脂を基
調としたものなどが使用される。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、吸込弁板を制御用の
プランジャーの下端に取り付けたコイルばねにより弾力
的に押圧するため、起動時および最高圧力時における負
荷軽減制御が正確かつ確実に行われ、しかもシリンダー
頭部のピストン切欠溝およびシ ページ(8) リンダー頭部の空室を設ける必要の無いため、ヘッドク
リヤランスを最小限にすることができ圧縮効率を高める
とともに、切欠溝,空室のない極めて簡単な構造とする
ことができる。
【0015】本発明では、コイルばねの下端面と側面を
覆う筒状のキャップを取り付けることによって、アンロ
ーダ装置の作動時、コイルばねが直接バルブスぺーサー
の吸込通気孔の側面に触れて、孔の端面でコイルばねが
引っ掛かって作動不良を起こす恐れがなくなると同時
に、吸込通気孔が磨耗することも防ぐことができた。ま
たキャップは完全にコイルばねに固定されているので、
キャップが外れるようなこともない。円筒長さが、吸込
リード弁板を押圧しても、バルブスぺーサーの吸込通気
孔から外れない長さを持っているので、このキャップが
吸込通気孔と吸込リード弁板の間に挟まることもなく、
圧力,回転変動等の条件変化に対しても完全に正常に作
動することが確認された。
【0016】自己潤滑性をもつ樹脂またはゴムで成形さ
れていることは、無給油式のオイルフリー圧縮機に特に
効果的である。給油式圧縮機においてはピストンに供給
される油がヘッド部ににじみ出て、吸込リード弁部やコ
イルばね部にも油がまわって潤滑性をもつが、オイルフ
リー圧縮機の場合は油がなく、摩擦による発熱によっ
て、焼付く危険がある。したがって、直接吸込みリード
弁やバルブスぺサーと接触するキャップが、潤滑性をも
つことは必須の条件となる。この潤滑性をもたせること
によって、オイルフリー圧縮機においても、吸込リード
弁板およびバルブスぺーサーの吸込通気孔の接触部分も
長時間の連続運転によっても磨耗がなく、確実な作動が
保証される効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す圧縮機頭部の一部断面図
【図2】 ページ(9) 従来例を示す一部断面図
【図3】従来例の他の例を示す一部断面図
【符号の説明】
1 シリンダー 2 ピストン 3 シリンダーカバー 4 吸込リード弁板 5 バルブスぺーサー 5a 吸込通気孔 6 プランジャー 8 コイルばね 10 キャップ 11 制御用ピストン

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮機のシリンダーとシリンダーカバー
    との間に吸込通気孔を形成したバルブスぺーサーを挟持
    し、該バルブスぺーサーの下面に、前記吸込通気孔に挿
    通されたアンローダ制御用のプランジャーにより開放さ
    れる吸込弁板を有するとともに、前記吸込弁板を前記プ
    ランジャーの下端に取り付けられたコイルばねによって
    弾力的に押圧して開放する圧縮機のアンローダ装置にお
    いて、前記コイルばねの下端面と側面を覆う樹脂または
    ゴムで成形されたキャップを取り付けたことを特徴とす
    る圧縮機のアンローダ装置。
  2. 【請求項2】 前記コイルばねの下端面と側面を覆う樹
    脂またはゴム材質で成形されたキャップにおいて、前記
    キャップが底のある円筒形の筒で底部にコイルばねに垂
    直に固定させるための凸部または凹部を形成することを
    特徴とする請求項1記載の圧縮機のアンローダ装置。
  3. 【請求項3】 前記樹脂材質で成形されたキャップにお
    いて、樹脂材質は自己潤滑性を有し、かつ、耐熱性を有
    することを特徴とする請求項1記載の圧縮機のアンロー
    ダ装置。
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EP1490598B1 (en) * 2002-03-29 2006-11-29 DeVilbiss Air Power Company Head pressure relief assembly
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