JP3471784B2 - 乗物の車体用テーラードブランク製物品及びその製造方法 - Google Patents

乗物の車体用テーラードブランク製物品及びその製造方法

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JP3471784B2
JP3471784B2 JP2002154877A JP2002154877A JP3471784B2 JP 3471784 B2 JP3471784 B2 JP 3471784B2 JP 2002154877 A JP2002154877 A JP 2002154877A JP 2002154877 A JP2002154877 A JP 2002154877A JP 3471784 B2 JP3471784 B2 JP 3471784B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚のブランクを
溶接して得たテーラードブランクから製造される乗物の
車体用テーラードブランク製物品及びその製造方法に係
り、例えば、乗物のダッシュボードパネルのように、内
外を仕切る箇所に用いられる物品又は内外を仕切る部分
を有する物品に適用できるものである。
【0002】
【背景技術】乗物のダッシュボードパネルは、外気に晒
されるエンジンルームと外気から遮断状態になった車室
内とを区画するものであるため、内外を仕切るための仕
切り部材となっている。従来のダッシュボードパネル
は、実開昭59−172678号に示されているよう
に、厚板による下部パネルと薄板による上部パネルとを
スポット溶接で接合したものであった。
【0003】このようなダッシュボードパネルは、厚板
ブランク及び薄板ブランクを所定形状にプレス加工して
下部パネル及び上部パネルを生産した後、これらのパネ
ルをスポット溶接で接合し、次いで、パネル間の隙間の
防水処理を行うとともに、全体を塗装することにより製
造されていた。
【0004】ダッシュボードパネル以外の乗物の車体用
物品であって車室内外を仕切り箇所に用いられる部材
を、ブランクから生産された複数のパネルをスポット溶
接して製造する場合にも、従来では、以上のダッシュボ
ードパネルと同様の工程を経てに製造していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来技術による
と、スポット溶接は、複数のブランクをプレス加工して
所定形状となった複数のパネルを製造した後に行うた
め、プレス加工のための金型はブランクごとに必要とな
り、そのコストが高くなるという問題もある。また、複
数点在するスポット溶接部の間はパネル同士が接合され
ていないため、水滴の侵入による錆の発生を防止するた
めに特別の防水処理の作業工程が必要になり、それだけ
生産性を向上させることができないという問題もある。
【0006】本発明の目的は、プレス加工のための金型
の個数を従来に比べて削減でき、また、錆の発生を防止
するための特別の防水処理を不要とすることができるテ
ーラードブランク製物品及びその製造方法を提供すると
ころにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係るテーラード
ブランク製物品は、重ねられた端部同士がマッシュシー
ム溶接で接合されていてプレス加工されている2枚のブ
ランクを少なくとも一部の材料として用いて製造され、
前記2枚のブランクによる部分が内外を仕切る仕切り部
分になっていることを特徴とするものである。
【0008】このテーラードブランク製物品によると、
2枚のブランクは、重ねられた端部同士がマッシュシー
ム溶接で接合されるため、所定形状にするためのプレス
加工は、マッシュシーム溶接でブランク同士を接合した
後に行う。このため、プレス加工のための金型をブラン
クごとに用意する必要がない。また、2枚のブランクか
らなる部分が内外を仕切る部分となっていても、マッシ
ュシーム溶接によってブランク同士は隙間なく接合され
るため、錆の発生防止のための特別の防水処理は不要に
なる。
【0009】また、このテーラードブランク製物品によ
ると、ブランク同士はマッシュシーム溶接で接合される
ため、スポット溶接よりも接合強度を大きくでき、さら
に、スポット溶接よりもブランクの端部同士の重ね代を
小さくできるため、重量の軽量化と材料の歩留まり向上
とを達成できる。
【0010】このテーラードブランク製物品において、
2枚のブランクが厚板ブランクと薄板ブランクであっ
て、マッシュシーム溶接が、厚板ブランクの端部におけ
る外部に露出する外面側の面に薄板ブランクの端部にお
ける内面側の面が重ねられてなされている場合には、薄
板ブランクを、この薄板ブランクの内面が厚板ブランク
の内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げても
よい。
【0011】このようにすると、2枚のブランクが厚さ
の異なる厚板ブランクと薄板ブランクであっても、これ
らのブランクの内面は面一状態又はほぼ面一状態になっ
ているため、これらの内面を他の部品を取り付けるため
の取付面とすることができる。
【0012】また、本発明に係るテーラードブランク製
物品は、突き合わせられた端部同士がレーザー溶接で接
合されていてプレス加工されている2枚のブランクを少
なくとも一部の材料として用いて製造され、前記2枚の
ブランクによる部分が内外を仕切る仕切り部分になって
いることを特徴とするものである。
【0013】このテーラードブランク製物品では、2枚
のブランクは、突き合わせられた端部同士がレーザー溶
接で接合されるため、所定形状にするためのプレス加工
は、レーザー溶接でブランク同士を接合した後に行う。
このため、このテーラードブランク製物品でも、プレス
加工のための金型をブランクごとに用意する必要がな
い。また、2枚のブランクからなる部分が内外を仕切る
部分となっていても、レーザー溶接によってブランク同
士は隙間なく接合されるため、マッシュシーム溶接によ
る場合と同じく、錆の発生防止のための特別の防水処理
は不要になる。
【0014】また、このテーラードブランク製物品で
は、ブランク同士がレーザー溶接で接合されるため、ス
ポット溶接よりも接合強度を大きくでき、さらに、スポ
ット溶接と異なりブランクの端部同士を重ねる必要がな
いため、一層重量の軽量化と材料の歩留まり向上とを達
成できる。
【0015】このテーラードブランク製物品において、
2枚のブランクが厚板ブランクと薄板ブランクであっ
て、これらの厚板ブランクと薄板ブランクの外部に露出
する外面側の面同士が面一状態又はほぼ面一状態となっ
ている場合には、薄板ブランクを、この薄板ブランクの
内面が厚板ブランクの内面と面一状態又はほぼ面一状態
になるまで曲げてもよい。
【0016】このようにすると、2枚のブランクが厚さ
の異なる厚板ブランクと薄板ブランクであっても、これ
らのブランクの内面は面一状態又はほぼ面一状態になっ
ているため、これらの内面を他の部品を取り付けるため
の取付面とすることができる。
【0017】以上のマッシュシーム溶接とレーザー溶接
との両方によるテーラードブランク製物品において、溶
接部を跨いで外面に結合される結合部品を設ける場合に
は、この結合部品における溶接部と対応する部分を溶接
部から離間させるようにする。
【0018】これによると、結合部品を外面に結合した
後に、外面と内面とのうち少なくとも外面に耐久性を確
保するための塗装作業を行ったとき、外部に露出する外
面のマッシュシーム溶接による溶接部、レーザー溶接に
よる溶接部を確実に塗装できる。
【0019】テーラードブランク製物品の内面の塗装作
業を行う場合であって、この内面に、マッシュシーム溶
接による溶接部、レーザー溶接による溶接部を跨ぐ結合
部品を結合する場合には、この結合部品における溶接部
と対応する部分も、溶接部から離間させるようにする。
【0020】これによると、内面塗装についても、外面
塗装についての上記効果と同じ効果を得られる。
【0021】本発明に係るテーラードブランク製物品の
製造方法は、少なくとも厚板ブランクと薄板ブランクと
からなる部分が内外を仕切る仕切り部分になっているテ
ーラードブランク製物品を製造する方法であって、前記
厚板ブランクの端部と前記薄板ブランクの端部とを、前
記厚板ブランクの外部に露出する外面に前記薄板ブラン
クの内面を重ねてマッシュシーム溶接で接合し、次い
で、これらのブランクをプレス加工するとともに、前記
薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面が前記厚板ブ
ランクの内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲
げ加工し、この後、前記マッシュシーム溶接部を含めて
少なくとも前記厚板ブランクの外面及び前記薄板ブラン
クの外面を塗装することを特徴とするものである。
【0022】このテーラードブランク製物品の製造方法
によると、ブランク同士はマッシュシーム溶接で接合さ
れた後にプレス加工されて所定形状とされるため、プレ
ス加工のための金型をブランクごとに用意する必要がな
い。また、ブランク同士はマッシュシーム溶接で隙間な
く接合されるため、錆の発生防止のための特別の防水処
理を行う必要がない。さらに、ブランク同士はマッシュ
シーム溶接によってスポット溶接よりも大きな強度で接
合されることになり、また、マッシュシーム溶接はスポ
ット溶接よりもブランクの端部同士の重ね代を小さくで
きるため、重量の軽量化と材料の歩留まり向上とを達成
できる。
【0023】また、このテーラードブランク製物品の製
造方法によると、厚板ブランクの外部に露出する外面に
薄板ブランクの内面を重ねてマッシュシーム溶接して
も、薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面が厚板ブ
ランクの内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲
げ加工するため、これらの内面を他の部品を取り付ける
ための取付面とすることができる。
【0024】また、本発明に係るテーラードブランク製
物品の製造方法は、少なくとも厚板ブランクと薄板ブラ
ンクとからなる部分が内外を仕切る仕切り部分になって
いるテーラードブランク製物品を製造する方法であっ
て、突き合わせた前記厚板ブランクの端部と前記薄板ブ
ランクの端部とを、これらのブランクの外面同士を面一
状態又はほぼ面一状態にしてレーザー溶接で接合し、次
いで、これらのブランクをプレス加工するとともに、前
記薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面が前記厚板
ブランクの内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで
曲げ加工し、この後、前記レーザー溶接部を含めて少な
くとも前記厚板ブランクの外面及び前記薄板ブランクの
外面を塗装することを特徴とするものである。
【0025】このテーラードブランク製物品の製造方法
によると、ブランク同士はレーザー溶接で接合された後
にプレス加工されて所定形状とされるため、マッシュシ
ーム溶接による場合と同じく、プレス加工のための金型
をブランクごとに用意する必要がない。また、ブランク
同士はレーザー溶接で隙間なく接合されるため、錆の発
生防止のための特別の防水処理を行う必要がない。さら
に、ブランク同士はレーザー溶接によってスポット溶接
よりも大きな強度で接合され、また、レーザー溶接はス
ポット溶接と異なりブランクの端部同士を重ねる必要が
ないため、一層重量の軽量化と材料の歩留まり向上とを
達成できる。
【0026】また、このテーラードブランク製物品の製
造方法によると、厚板ブランクと薄板ブランクの外面同
士を面一状態又はほぼ面一状態にしてレーザー溶接して
も、薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面が厚板ブ
ランクの内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲
げ加工するため、マッシュシーム溶接による場合と同じ
く、これらの内面を他の部品を取り付けるための取付面
とすることができる。
【0027】以上のマッシュシーム溶接とレーザー溶接
との両方によるテーラードブランク製物品の製造方法に
おいて、溶接部を跨いでテーラードブランク製物品の外
面に結合される結合部品を設ける場合には、曲げ加工を
行った後であって塗装を行う前に、マッシュシーム溶接
部、レーザー溶接部を跨ぐ部分を有する結合部品を、厚
板ブランクの外面と薄板ブランクの外面とに、マッシュ
シーム溶接部、レーザー溶接部を跨ぐ前記部分をマッシ
ュシーム溶接部、レーザー溶接部から離間させて結合し
ておき、この後に塗装を行うようにする。
【0028】このようにすると、結合部品を外面に結合
した後に、この外面に耐久性を確保すための塗装作業を
行っても、外面のマッシュシーム溶接部、レーザー溶接
部を確実に塗装できることになる。このため、溶接部に
錆が発生するのを塗膜によって有効に防止できる。
【0029】また、厚板ブランクの内面と薄板ブランク
の内面を塗装する場合であって、これらの内面に、マッ
シュシーム溶接による溶接部、レーザー溶接による溶接
部を跨ぐ結合部品を結合する場合には、この結合部品に
おける溶接部と対応する部分を溶接部から離間させて結
合部品を厚板ブランクの内面と薄板ブランクの内面とに
結合し、この後、これらの内面の塗装を行うようにす
る。
【0030】これによると、内面塗装についても、外面
塗装についての上記効果と同じ効果を得られる。
【0031】また、以上のマッシュシーム溶接とレーザ
ー溶接との両方によるテーラードブランク製物品の製造
方法において、薄板ブランクを、この薄板ブランクの内
面が厚板ブランクの内面と面一状態又はほぼ面一状態に
なるまで曲げ加工することは、接合された厚板ブランク
と薄板ブランクをプレス加工するときに、このプレス加
工の作業工程の一つとして行ってもよく、また、プレス
加工の前又は後に、プレス加工とは別の作業工程として
行ってもよい。
【0032】また、以上の本発明に係るテーラードブラ
ンク製物品及びその製造方法において、薄板ブランク
を、この薄板ブランクの内面が厚板ブランクの内面と面
一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げ加工するとは、
厚板ブランクの内面が平坦面になっている箇所について
は、薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面が厚板ブ
ランクの内面の直線延長線と一致する位置又はほぼ一致
する位置まで曲げ加工して、薄板ブランクの内面を平坦
面とすることであり、そして、厚板ブランクの内面が湾
曲面になっている箇所については、薄板ブランクを、こ
の薄板ブランクの内面が厚板ブランクの内面の湾曲延長
線と一致する位置又はほぼ一致する位置まで曲げ加工し
て、薄板ブランクの内面を湾曲面とすることである。
【0033】以上の本発明に係るテーラードブランク製
物品及びその製造方法において使用できるブランクは金
属板によるもの、特に冷延鋼鈑、熱延鋼鈑によるもので
ある。本発明は、厚さ0.7mm〜3.2mmの鋼鈑に
有効に適用でき、鋼鈑は、メッキ等による表面処理がな
されていないものでもよく、亜鉛メッキ等の表面処理が
なされているものでもよい。また、本発明では、軟鋼鈑
から690MPA級の高張力鋼鈑までの各種強度の鋼鈑
を用いることができる。
【0034】また、本発明において、塗装は、電着塗装
でもよく、スプレー塗装でもよい。
【0035】本発明は、少なくとも一部に内外を仕切る
部分を有する物品に適用できる。その一例が、乗物の車
体の場合にはダッシュボードパネルである。乗物の車体
についての他の例は、フロントホイールハウスとフロン
トサイドフレームとからなる物品、リアホイールハウス
とリアサイドパネルインナーとからなる物品等である。
【0036】本発明に係るテーラードブランク製物品が
ダッシュボードパネルである場合には、このダッシュボ
ードパネルの下側の材料は厚板ブランクとなって、上側
の材料は薄板ブランクとなり、かつ薄板ブランクは、こ
の薄板ブランクの車室内空間を形成する内面が厚板ブラ
ンクの内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げ
られている。
【0037】このダッシュボードパネルによると、下側
の材料は厚板ブランクであるため、この部分の強度を、
乗物衝突時のフロントサイドフレームからの荷重を有効
に受けることができる大きさにでき、また、上側の材料
は薄板ブランクであるため、ダッシュボードパネル全体
の重量を軽くすることができる。
【0038】さらに、このダッシュボードパネルによる
と、厚板ブランクと薄板ブランクはエンジンルームを形
成する外面側の面同士がマッシュシーム溶接又はレーザ
ー溶接により連続状態又はほぼ連続状態となっており、
かつ薄板ブランクは、この薄板ブランクの車室内空間を
形成する内面が厚板ブランクの内面と面一状態又はほぼ
面一状態になるまで曲げられているため、ダッシュボー
ドパネルにおける前記溶接部の周辺の外面形状と内面形
状を逆にした場合と異なり、エンジンルーム側の外面に
水滴が溜まり易い窪み部や段差部が生ずるのをなくすこ
とができる。これにより、外部に露出するこの外面に錆
が発生するのを防止できる。
【0039】このようなダッシュボードパネルを前述し
たテーラードブランク製物品の製造方法によって製造す
るためには、ダッシュボードパネルの下側の材料を厚板
ブランクとし、上側の材料を薄板ブランクとし、これら
の厚板ブランクと薄板ブランクをマッシュシーム溶接又
はレーザー溶接により接合した後、薄板ブランクを、こ
の薄板ブランクの車室内空間を形成する内面が厚板ブラ
ンクの内面と面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げ
るための前記曲げ加工を行う。
【0040】また、本発明は乗物の車体以外の物品にも
適用でき、例えば、小型船舶の外板、洗濯槽の内板、テ
レビの外板、石油ストーブの外パネル、パソコンの外枠
等である。
【0041】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。以下の実施形態は、テーラード製物
品が乗物の車体を形成するダッシュボードパネル、特に
ダッシュボードロアーパネルの場合である。
【0042】図1〜図10は、マッシュシーム溶接を用
いる場合の実施形態を示す。図1に示すとおり、ダッシ
ュボードロアーパネルの材料は、共に鋼鈑製の厚板ブラ
ンク11と薄板ブランク12であり、これらのブランク
11,12の端部11A,12A同士は、マッシュシー
ム溶接で接合されるときに図2のように重ねられる。こ
の重ねは、図3に示すとおり、厚板ブランク11を下側
にし、薄板ブランク12を上側にして行う。これによ
り、厚板ブランク11と薄板ブランク12でダッシュボ
ードロアーパネルが形成されたときに、エンジンルーム
側となって外気に晒される側となる厚板ブランク11の
外面11Bに、車室内側となって外気から遮断される側
となる薄板ブランク12の内面12Cを重ねる。この状
態で厚板ブランク11と薄板ブランク12とをクランプ
する。
【0043】ブランク11,12の端部11A,12A
を接合するマッシュシーム溶接装置13は、端部11
A,12Aを加圧して押しつぶす上下の電極ローラ13
A,13Bを有する。電極ローラ13A、13Bは、こ
れらの電極ローラ13A,13Bの間で通電されながら
端部11A,12Aに沿って転がり移動する。これによ
り、図4に示すとおり、端部11Aと端部12Aは、こ
れらの端部11Aと12Aとの間にナゲット14が形成
されながら押しつぶされて接合され、これによって端部
11A,12Aの箇所には、厚板ブランク11と薄板ブ
ランク12の合計よりも厚さが小さいマッシュシーム溶
接部15ができる。このマッシュシーム溶接により、ダ
ッシュボードロアーパネルのエンジンルーム側の面とな
る厚板ブランク11の外面11Bと薄板ブランク12の
外面12Bは、連続状態又はほぼ連続状態になる。
【0044】なお、薄板ブランク12の外面12Bにお
ける厚板ブランク11側の先端エッジ部12Dは、厚板
ブランク11の外面11Bに対して若干の段差状態にな
っていてもよいが、大きな段差状態になっていると、後
述する電着塗装を行ったときにこのエッジ部12Dの表
面に塗膜を形成することが困難になり、この結果、エッ
ジ部12Dから錆が発生する。このため、エッジ部12
Dが大きな段差状態とならないように、マッシュシーム
溶接時において、電極ローラ13A、13Bによるブラ
ンク11,12の加圧力等を設定する。
【0045】この後、厚板ブランク11と薄板ブランク
12をプレス工程に送り、トランスファプレス加工を行
う。これにより、厚板ブランク11と薄板ブランク12
に絞り加工やピアス加工、さらにはトリミング加工等の
各種加工を順次行うことによってブランク11,12を
所定形状に加工し、図5で示したダッシュボードロアー
パネル16を製造する。図5は、ダッシュボードロアー
パネル16を車室内側に見た斜視図である。
【0046】ダッシュボードロアーパネル16を製造す
るためのトランスファプレス加工の中の一つの工程とし
て、図6で示した薄板ブランク12の曲げ加工を行う。
この曲げ加工は上型17と下型18とを用いて行われ、
下型18の上面18Aは平滑面であるが、上型17の下
面17Aには、マッシュシーム溶接部15から薄板ブラ
ンク12側へ少しずれた位置において、下向きに突出し
た突部19が設けられている。このため、薄板ブランク
12はこの突部19で曲げ加工されることになる。
【0047】この結果、図7で示されているとおり、厚
板ブランク11の内面11Cと薄板ブランク12の内面
12Cとは面一状態又はほぼ面一状態となる。図7で示
されている厚板ブランク11の箇所では、厚板ブランク
11の内面11Cは平坦面となっているため、この内面
11Cの直線延長線と一致する位置又はほぼ一致する位
置まで薄板ブランク12は曲げ加工され、この薄板ブラ
ンク12の内面12Cも平坦面となっている。これに対
して厚板ブランク11の内面11Cが湾曲面である箇所
では、薄板ブランク12は、この薄板ブランク12の内
面12Cが厚板ブランク11の内面11Cの湾曲延長線
と一致する位置又はほぼ一致する位置まで曲げ加工さ
れ、薄板ブランク12の内面12Cは、マッシュシーム
溶接部15の部分を除いて厚板ブランク11の内面11
Cとの連続性を有する湾曲面とされる。
【0048】なお、上型17と下型18でプレス加工を
行ったとき、内面11Cから膨出しているマッシュシー
ム溶接部15の膨らみ部15Aを加圧することにより、
この膨らみ部15Aを消滅させてもよい。
【0049】このようして、厚板ブランク11の内面1
1Cと薄板ブランク12の内面12Cとが面一状態又は
ほぼ面一状態になったダッシュボードロアーパネル16
を製造した後、エンジンルーム側から見たダッシュボー
ドロアーパネル16を示す図8のように、厚板ブランク
11の外面11Bと薄板ブランク12の外面12Bとか
らなるダッシュボードロアーパネル16の外面16Aに
は、この外面16Aにマッシュシーム溶接部15に跨っ
て結合される結合部品であるフロントサイドフレーム2
0をスポット溶接で接合する。また、面一状態又はほぼ
面一状態になっている厚板ブランク11の内面11Cと
薄板ブランク12の内面12Cとからなるダッシュボー
ドロアーパネル16の内面16Bにも、図9に示すよう
に、マッシュシーム溶接部15に跨って結合される結合
部品であるインシュレーターパネル21をスポット溶接
で接合する。
【0050】図9で示されているとおり、フロントサイ
ドフレーム20におけるマッシュシームシーム溶接部1
5と対応する部分20Aは、ダッシュボードロアーパネ
ル16から離れる方向へ少し湾曲しているため、この部
分20Aはマッシュシーム溶接部15から離間してい
る。また、インシュレーターパネル21におけるマッシ
ュシーム溶接部15と対応する部分21Aも、ダッシュ
ボードロアーパネル16から離れる方向へ少し湾曲して
いるため、この部分21Aもマッシュシーム溶接部15
から離間している。
【0051】以上のように、ダッシュボードロアーパネ
ル16にフロントサイドフレーム20、インシュレータ
ーパネル21が取り付けられ、さらにはダッシュボード
アッパーパネルやフロントホイールハウス等が取り付け
られて車体が出来上がった後、この車体を電着塗装装置
の浴槽に浸漬し、電着塗装を行う。この電着塗装時に、
ダッシュボードロアーパネル16のマッシュシーム溶接
部15の一部がフロントサイドフレーム20、インシュ
レーターパネル21によって覆われた状態になっていて
も、フロントサイドフレーム21のマッシュシーム溶接
部15と対応する部分20Aと、インシュレーターパネ
ル21のマッシュシーム溶接部15と対応する部分21
Aは、マッシュシーム溶接部15に密着しておらず、こ
の溶接部15から離れているため、電着塗装液はマッシ
ュシーム溶接部15に確実に付着する。これにより、マ
ッシュシーム溶接部15の表面に電着塗装による塗膜2
2が確実に形成される。また、エンジンルーム側となっ
て外部に露出することになるダッシュボードロアーパネ
ル16の外面16Aの全体に塗膜22が被覆される。
【0052】以上の実施形態によると、乗物の内部と外
部である車室内とエンジンルームを仕切るための仕切り
部材となっているダッシュボードロアーパネル16は、
厚板ブランク11と薄板ブランク12の端部11A,1
2A同士をマッシュシーム溶接で接合した後、厚板ブラ
ンク11と薄板ブランク12をプレス加工することによ
り製造されるため、このプレス加工のための金型は、プ
レス加工された厚板ブランクと薄板ブランクをスポット
溶接で接合してダッシュボードロアーパネルを製造する
場合と異なり、厚板ブランク11と薄板ブランク12ご
とに用意する必要ない。このため、金型の個数を減らす
ことができ、金型コストを削減できる。また、マッシュ
シーム溶接はブランク同士を隙間なく接合するため、製
造されたダッシュボードロアーパネル16に後工程とし
て錆の発生防止のための特別の防水処理作業を行う必要
がなく、それだけ作業工程数を削減でき、生産性の向上
を図ることができる。
【0053】また、マッシュシーム溶接はスポット溶接
よりも接合強度が大きいため、厚板ブランク11と薄板
ブランク12とを大きな強度で接合できる。さらに、マ
ッシュシーム溶接では、スポット溶接よりも厚板ブラン
ク11と薄板ブランク12の端部11A,12A同士の
重ね代を小さくできるため、その分だけダッシュボード
ロアーパネル16の重量を軽量化でき、また、材料の歩
留まりを向上させることができる。
【0054】また、本実施形態に係るダッシュボードロ
アーパネル16のエンジンルームを形成する外面16A
と車室内空間を形成する内面16Bは、電着塗装による
塗膜22で覆われているため、これらの外面16Aと内
面16Bの耐久性を向上させることができる。特に、外
面16Aを塗膜22で覆うことにより、外気に晒される
この外面16Aに雨水等の水滴が当たっても、水分、錆
に対する外面16Aの耐久性を向上させることができ
る。
【0055】また、本実施形態では、接合された厚板ブ
ランク11と薄板ブランク12のプレス加工時に、薄板
ブランク12を曲げ加工することにより、この薄板ブラ
ンク12の内面12Cが厚板ブランク11の内面11C
と面一状態又はほぼ面一状態となるようにしたため、こ
れらの内面11Cと12Cからなるダッシュボードロア
ーパネル16の内面16Bに、マッシュシーム溶接部1
5を跨ぐインシュレーターパネル21を所定どおり取り
付けることができる。また、厚板ブランク11の内面1
1Cと薄板ブランク12の内面12Cとに分かれて取り
付けられる複数の部品についても、これらの内面11C
と12Cは面一状態又はほぼ面一状態になっているた
め、いずれか一方の内面を基準面としてこれらの部品の
取り付けを行えるようになる。
【0056】また、ダッシュボードロアーパネル16の
外面16Aにフロントサイドフレーム20が、内面16
Bにインシュレーターパネル21がそれぞれマッシュシ
ーム溶接部15に跨って結合されても、これらのマッシ
ュシーム溶接部15と対応する部分20A,21Aはマ
ッシュシーム溶接部15から離間しているため、電着塗
装による塗膜22をこのマッシュシーム溶接部15の表
面に確実に形成でき、溶接部15での錆の発生を防止で
きる。
【0057】さらに、本実施形態によると、ダッシュボ
ードロアーパネル16の下側の材料は厚板ブランク11
であるため、乗物衝突時のおけるフロントサイドフレー
ム20からの荷重をこの厚板ブランク11からなる部分
で有効に受けることができる。また、ダッシュボードロ
アーパネル16の上側の材料は薄板ブランク12である
ため、ダッシュボードロアーパネル16の全体重量を軽
くすることができる。
【0058】また、本実施形態によると、薄板ブランク
12に図6の曲げ加工を行うことは、図7で述べたよう
に、薄板ブランク12の車室内側の面となる内面12C
が厚板ブランク11の内面11Cと面一状態又はほぼ面
一状態となるように行うため、図9で示した厚板ブラン
ク11と薄板ブランク12との間にできる窪み部23
は、ダッシュボードロアーパネル16の車室内側の内面
16Bに形成され、ダッシュボードロアーパネル16の
外気に晒されるエンジンルーム側の外面16Aに形成さ
れない。このため、窪み部23がダッシュボードロアー
パネル16の外面16Aに形成された場合と異なり、外
部に露出する外面16Aの窪み部23に水滴が溜まって
しまい、これによって長期間経過後にダッシュボードロ
アーパネル16に錆が発生するという問題をなくすこと
ができる。
【0059】図10は、フロントサイドフレーム20に
おけるマッシュシーム溶接部15と対応する部分の形状
に関する変形例である。この変形例では、マッシュシー
ム溶接部15と対応する部分20Bは、徐々にダッシュ
ボードロアーパネル16から離れる形状になっている図
9の部分20Aと異なり、ダッシュボードロアーパネル
16から急激に離れる形状になっている。
【0060】フロントサイドフレーム20におけるマッ
シュシーム溶接部15と対応する部分を図9の形状とす
るか図10の形状とするかは、その成形加工の容易性
や、ダッシュボードロアーパネル16への結合強度等を
勘案して自由に決めることができる。
【0061】次ぎに、レーザー溶接を用いる場合の実施
形態を図11〜図16で説明する。
【0062】図11に示すように、厚板ブランク31と
薄板ブランク32は、外面31B,32B同士が面一状
態又はほぼ面一状態とされて互いの端部31A,32A
が突き合わせられ、この状態で両方のブランク31,3
2はクランプされる。発振器33A、集光レンズ33B
を有するレーザー溶接装置33からのレーザー光33C
によって端部31A,32Aを溶接し、接合する。
【0063】図12は、レーザー溶接後の厚板ブランク
31と薄板ブランク32を示し、端部31A,32Aの
接合部はレーザー溶接部35となっており、厚板ブラン
ク31の外面31Bと薄板ブランク32の外面32B
は、連続状態又はほぼ連続状態となっている。
【0064】これ以後に行う作業は、前記マッシュシー
ム溶接による場合と同じである。すなわち、厚板ブラン
ク31と薄板ブランク32にトランスファプレス加工を
行うことにより、これらのブランク31,32からダッ
シュボードロアーパネル36を製造し、このトランスフ
ァプレス加工時に、図13の上型17と下型18とで薄
板ブランク32に曲げ加工を行う。これにより、図14
に示すように、薄板ブランク32の内面32Cを厚板ブ
ランク31の内面31Cと面一状態又はほぼ面一状態と
する。次いで、図15に示すように、ダッシュボードロ
アーパネル36の外面36Aにフロントサイドフレーム
20を、内面36Bにインシュレーターパネル21をそ
れぞれスポット溶接で取り付ける。フロントサイドフレ
ーム20とインシュレーターパネル22のそれぞれのレ
ーザー溶接部35と対応する部分20A,21Aは、溶
接部35から離間させる。
【0065】この後、ダッシュボードロアーパネル36
やフロントサイドフレーム20等からなる車体を電着塗
装し、レーザー溶接部35を含めたダッシュボードロア
ーパネル36の外面36A、内面36Bに塗膜22を被
覆する。
【0066】このレーザー溶接による場合でも、スポッ
ト溶接による場合と比較すると、前述したマッシュシー
ム溶接による場合と同じ効果を達成できる。この効果の
なかには、図15で示した厚板ブランク31と薄板ブラ
ンク32との間の窪み部43は、ダッシュボードロアー
パネル36の車室内側の内面36Bに形成され、エンジ
ンルーム側の外面36Aには形成されないため、外部に
露出する外面36Aに錆が発生するのを長期間に亘って
防止できるという効果が含まれる。
【0067】そして、レーザー溶接による場合には、厚
板ブランク31と薄板ブランク32の端部31A,32
A同士を重ねなくてもよいため、それだけダッシュボー
ドロアーパネルの重量を一層軽量化することができ、材
料の歩留まりも向上させることができる。
【0068】このレーザー溶接による場合でも、図16
に示すように、フロントサイドフレーム20におけるレ
ーザー溶接部35と対応する部分20Bを、ダッシュボ
ードロアーパネル36から急激に離れる形状にしてもよ
い。
【0069】
【発明の効果】本発明によると、プレス加工のための金
型の個数を従来に比べて削減でき、また、錆の発生を防
止するための特別の防水処理を不要にできるという効果
を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗物のダッシュボー
ドロアーパネルを製造するための材料となっている厚板
ブランクと薄板ブランクを示す平面図である。
【図2】厚板ブランクと薄板ブランクの端部同士をマッ
シュシーム溶接するために重ねた状態を示す平面図であ
る。
【図3】マッシュシーム溶接時を示す厚板ブランクと薄
板ブランクの縦断面図である。
【図4】マッシュシーム溶接後を示す厚板ブランクと薄
板ブランクの縦断面図である。
【図5】マッシュシーム溶接で接合された厚板ブランク
と薄板ブランクをトランスファプレス加工して製造され
たダッシュボードロアーパネルを示す車室内側から見た
斜視図である。
【図6】厚板ブランクの内面と薄板ブランクを内面とを
面一状態又はほぼ面一状態とするために、薄板ブランク
を曲げ加工するときを示す縦断面図である。
【図7】曲げ加工後を示す厚板ブランクと薄板ブランク
の縦断面図である。
【図8】フロントサイドフレームが結合されたダッシュ
ボードロアーパネルをエンジンルーム側から見た斜視図
である。
【図9】外面にフロントサイドフレームが、内面にイン
シュレーターパネルがそれぞれ取り付けられたダッシュ
ボードロアーパネルのマッシュシーム溶接部における縦
断面図である。
【図10】フロントサイドフレームにおけるマッシュシ
ーム溶接部と対応する部分を図9とは異なる形状とした
変形例を示す図9と同様の図である。
【図11】ダッシュボードロアーパネルをレーザー溶接
で接合される厚板ブランクと薄板ブランクから製造する
場合の実施形態において、厚板ブランクと薄板ブランク
をレーザー溶接で接合するときを示す縦断面図である。
【図12】レーザー溶接後を示す厚板ブランクと薄板ブ
ランクの縦断面図である。
【図13】薄板ブランクを曲げ加工するときを示す縦断
面図である。
【図14】曲げ加工後を示す厚板ブランクと薄板ブラン
クの縦断面図である。
【図15】外面にフロントサイドフレームが、内面にイ
ンシュレーターパネルがそれぞれ取り付けられたダッシ
ュボードロアーパネルのレーザー溶接部における縦断面
図である。
【図16】フロントサイドフレームにおけるレーザー溶
接部と対応する部分を図15とは異なる形状とした変形
例を示す図15と同様の図である。
【符号の説明】
11,31 厚板ブランク 11A,31A 端部 11B,31B 外面 11C,31C 内面 12,32 薄板ブランク 12A,32A 端部 12B,32A 外面 12C,32C 内面 13 マッシュシーム溶接装置 15 マッシュシーム溶接部 16,36 テーラードブランク製物品であるダッシュ
ボードロアーパネル 16A,36A 外面 16B,36B 内面 17,18 曲げ加工のための上型と下型 20 ダッシュボードロアーパネルのエンジンルーム側
の外面に結合される物品であるフロントサイドフレーム 20A,20B 溶接部と対応する部分 21 ダッシュボードロアーパネルの車室内側の内面に
結合される物品であるインシュレーターパネル 21A 溶接部と対応する部分 33 レーザー溶接装置 35 レーザー溶接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 簗瀬 典之 東京都昭島市松原町2丁目14番8号 菊 池プレス工業株式会社内 (72)発明者 下東 浩二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 兒玉 和実 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 渡邉 弘和 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 新里 文明 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平11−19787(JP,A) 実開 昭58−115468(JP,U) 実開 昭59−172678(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 25/08 B23K 11/00 570 B23K 11/06 510

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重ねられた端部同士がマッシュシーム溶
    接で接合されていてプレス加工されている厚板ブランク
    と薄板ブランクを少なくとも一部の材料として用いて製
    造され、前記2枚のブランクによる部分が内外を仕切る
    仕切り部分になっているとともに、前記マッシュシーム
    溶接が、前記厚板ブランクの端部における外部に露出す
    る外面に前記薄板ブランクの端部における内面が重ねら
    れてなされ、かつ前記薄板ブランクは、この薄板ブラン
    クの内面が前記厚板ブランクの内面と前記マッシュシー
    ム溶接部を跨いだ両側で面一状態又はほぼ面一状態にな
    るまで曲げられており、これらのブランクの内面に、前
    記マッシュシーム溶接部を跨ぐ部分を有する結合部品が
    結合されていることを特徴とする乗物の車体用テーラー
    ドブランク製物品。
  2. 【請求項2】 突き合わせられた端部同士がレーザー溶
    接で接合されていてプレス加工されている厚板ブランク
    と薄板ブランクを少なくとも一部の材料として用いて製
    造され、前記2枚のブランクによる部分が内外を仕切る
    仕切り部分になっているとともに、これらの厚板ブラン
    クと薄板ブランクの外部に露出する外面同士が前記レー
    ザー溶接部で面一状態又はほぼ面一状態となっており、
    かつ前記薄板ブランクは、この薄板ブランクの内面が前
    記厚板ブランクの内面と前記レーザー溶接部を跨いだ両
    側で面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げられてお
    り、これらのブランクの内面に、前記レーザー溶接部を
    跨ぐ部分を有する結合部品が結合されていることを特徴
    とする乗物の車体用テーラードブランク製物品。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の乗物の車体用テ
    ーラードブランク製物品において、前記厚板ブランクが
    下側の材料となっていて前記薄板ブランクが上側の材料
    となっており、かつ、これらのブランクの前記内面が車
    室内側の面となっていることを特徴とする乗物の車体用
    テーラードブランク製物品。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の乗物の車体用テーラー
    ドブランク製物品はダッシュボードパネルであることを
    特徴とする乗物の車体用テーラードブランク製物品。
  5. 【請求項5】 少なくとも厚板ブランクと薄板ブランク
    とからなる部分が内外を仕切る仕切り部分になっている
    乗物の車体用テーラードブランク製物品を製造する方法
    であって、 前記厚板ブランクの端部と前記薄板ブランクの端部と
    を、前記厚板ブランクの外部に露出する外面に前記薄板
    ブランクの内面を重ねてマッシュシーム溶接で接合し、
    次いで、これらのブランクをプレス加工するとともに、
    前記薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面が前記厚
    板ブランクの内面と前記マッシュシーム溶接部を跨いだ
    両側で面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げ加工
    し、この後、前記マッシュシーム溶接部を跨ぐ部分を有
    する結合部品を前記厚板ブランクの内面と前記薄板ブラ
    ンクの内面とに結合することを特徴とする乗物の車体用
    テーラードブランク製物品の製造方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも厚板ブランクと薄板ブランク
    とからなる部分が内外を仕切る仕切り部分になっている
    乗物の車体用テーラードブランク製物品を製造する方法
    であって、 突き合わせた前記厚板ブランクの端部と前記薄板ブラン
    クの端部とを、これらのブランクの外部に露出する外面
    同士を面一状態又はほぼ面一状態にしてレーザー溶接で
    接合し、次いで、これらのブランクをプレス加工すると
    ともに、前記薄板ブランクを、この薄板ブランクの内面
    が前記厚板ブランクの内面と前記レーザー溶接部を跨い
    だ両側で面一状態又はほぼ面一状態になるまで曲げ加工
    し、この後、前記レーザー溶接部を跨ぐ部分を有する結
    合部品を前記厚板ブランクの内面と前記薄板ブランクの
    内面とに結合することを特徴とする乗物の車体用テーラ
    ードブランク製物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6に記載の乗物の車体用テ
    ーラードブランク製物品の製造方法において、前記厚板
    ブランクが下側の材料となっていて前記薄板ブランクが
    上側の材料となっており、かつ、これらのブランクの前
    記内面が車室内側の面となっていることを特徴とする乗
    物の車体用テーラードブランク製物品の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の乗物の車体用テーラー
    ドブランク製物品はダッシュボードパネルであることを
    特徴とする乗物の車体用テーラードブランク製物品の製
    造方法。
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