JP3471441B2 - リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置 - Google Patents

リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置

Info

Publication number
JP3471441B2
JP3471441B2 JP24949594A JP24949594A JP3471441B2 JP 3471441 B2 JP3471441 B2 JP 3471441B2 JP 24949594 A JP24949594 A JP 24949594A JP 24949594 A JP24949594 A JP 24949594A JP 3471441 B2 JP3471441 B2 JP 3471441B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
superconductor
flywheel
permanent magnet
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24949594A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08116630A (ja
Inventor
隆一 嶋田
正樹 斉藤
太一 俵
英一 手嶋
操 橋本
将元 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP24949594A priority Critical patent/JP3471441B2/ja
Publication of JPH08116630A publication Critical patent/JPH08116630A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3471441B2 publication Critical patent/JP3471441B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C32/00Bearings not otherwise provided for
    • F16C32/04Bearings not otherwise provided for using magnetic or electric supporting means
    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/0408Passive magnetic bearings
    • F16C32/0436Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part
    • F16C32/0438Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part with a superconducting body, e.g. a body made of high temperature superconducting material such as YBaCuO
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2361/00Apparatus or articles in engineering in general
    • F16C2361/55Flywheel systems
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/16Mechanical energy storage, e.g. flywheels or pressurised fluids

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導体を利用してエ
ネルギーを貯蔵するエネルギー貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電力需要は急増しており、最大電
力の毎年の伸率は5〜10%に達している。これに伴っ
て日間、季節間の電力需要格差も増大し、エネルギーの
貯蔵がますます必要になっており、様々なエネルギー貯
蔵技術が検討されている。例えば、応用物理、第61
巻、第3号、1992、p.214〜p.225、「エ
ネルギー貯蔵の現状と将来」など、各種のエネルギー貯
蔵技術の中で、フライホイール効果(はずみ車効果)を
利用して、電気エネルギーを回転エネルギーとして貯蔵
し、必要なときに逆に回転エネルギーを電気エネルギー
に変換するフライホイール式エネルギー貯蔵装置は古く
から知られていたが、従来のフライホイールの形状は、
円盤型をしていて、中心に軸があり軸受けによって支え
られていた。このような形状のフライホイールでは、そ
の形状のまま大きくしようとすると軸受け荷重の増加、
円盤の中心付近に置ける応力集中、鋳造設備・鍛造設備
の現状規模等の問題により、現存する最大規模のフライ
ホイール(直径6.6m)よりも大型のフライホイール
の作製は実質的に不可能であった。そのため、エネルギ
ー貯蔵容量が実用規模まで大型化したフライホイール式
エネルギー貯蔵装置はまだ実現されていない。
【0003】最近、上記の問題を解決するための手段と
して、新しいコンセプトとして、いわゆるリング型フラ
イホイールが提案されている(特開平3−15237参
照)。この新しいコンセプトのリング型フライホイール
では、フライホイールの回転体の形状が円盤状ではな
く、ロータ軸を持たずリムのみで構成されたリング形
状、即ちドーナツのような形状をしていて、磁気浮上に
よって支持されているものである。該回転体をリング形
状にすることにより、従来円盤中心部に発生した応力集
中の問題がなくなるとともに、軸受け荷重の問題も生じ
なくなり、また軸受け摩擦の損失がないため、長周期の
エネルギーの充放電運転が可能になり、さらにフライホ
イールの大型化も容易になるとしており、その結果、リ
ング型フライホイールによるエネルギー貯蔵では、実用
規模の大型化が可能な新しいエネルギー貯蔵技術として
期待できるとするものである。
【0004】しかしながら、上述のリング型フライホイ
ールによるエネルギー貯蔵においては、これまではリン
グ型フライホイールの浮上方式として常電導吸引型磁気
浮上を採用していたので、リング型フライホイールが大
型化すると浮上回転制御の信頼性が問題であった。常電
導吸引型磁気浮上というのは、リング型フライホイール
が磁性材料を用いて形成され、その上方に永久磁石があ
り、基本的にはリング型フライホイールを永久磁石を用
いて上部から吸引浮上させる方法をいう。しかし、静磁
場による磁気浮上が本質的に不安定であるため、上記永
久磁石に電磁石を組み合わせて電磁石による磁場を変化
させることにより磁気浮上を安定化させる。即ち、永久
磁石による上部方向への吸引力と下部方向への重力が釣
り合った点(平衡点)からリング型フライホイールが上
昇した場合、電磁石の磁場を永久磁石の磁場と逆向きに
して全体としての吸引力を弱め、リング型フライホイー
ルを平衡点に戻す。逆に、リング型フライホイールが平
衡点から下降した場合、電磁石の磁場を永久磁石の磁場
と同じ向きにして全体としての吸引力を強め、リング型
フライホイールを平衡点に戻す。リング型フライホイー
ルの位置は、位置センサによって検出され、フィードバ
ック回路を通して電磁石の電流値を制御する。リング型
フライホイールによるエネルギー貯蔵装置を大型化する
と、位置センサの数を増やし、リング型フライホイール
の全体のバランスを考えながら電磁石の電流制御をする
必要があるので、リング型フライホイールの浮上を安定
化させるための制御が複雑になっていく。リング型フラ
イホイールが回転しているときは、浮上と回転の両方の
バランスをとる必要があるので、ますます制御が複雑に
なる。 また、上記の問題を解決するための他の手段と
して、軸受けの代わりに、超電導体を用いてフライホイ
ールの回転体を磁気浮上させる方法が、特開平4−21
7830号、特開平4−271238号、特開平4−2
82050号、特開平4−295201号、特開平4−
370417号、特開平5−49191号、特開平5−
87142号、特開平5−161284号、特開平5−
248436号、特開平6−2646号および特開平6
−22477号の各公報をはじめ多くのに開示されてい
る。これらに開示されている手段によれば、回転可能に
磁気浮上させる方法として、支持体として超電導体を用
いて、これに対向させてフライホイールの回転体に磁石
を組み込んで磁気浮上させるものであり、該手段を利用
することにより、従来の機械式軸受による支持による軸
受け荷重の問題も生じなくなり、また軸受摩擦の損失が
ないため、長周期のエネルギーの充放電運転が可能とな
るものである。
【0005】しかしながら、これらに開示されている回
転体はいずれも円盤形状であるため、円盤中心部に発生
した応力集中の問題を解決することができず、フライホ
イールの大型化を実現することはできないものであっ
た。
【0006】なお該回転体を回転駆動させる手段として
は、該回転体である円盤の中心部に回転軸を取付けて該
回転軸の先端部に従来公知の発電電動機を設けて行う方
法が大半であり、この場合には、上述したような課題を
回避することは事実上、不可能に近いものであった。ま
た特開平4−217830号公報等においては、こうし
た回転軸を用いる代わりに、従来公知のアウターロータ
形誘導発電電動機またはインナーロータ形誘導発電電動
機を用いた例が開示されているが、この場合には、ロー
タを磁化する励磁電流(ないし界磁電流)を供給する必
要があり、フライホイールの回転効率が低下するとする
問題点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は上述
のような問題点を解決し、安定な浮上を維持するのに複
雑な制御機構を必要としない、構造が簡単で大型化が容
易なリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置
を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、回転損失が小さく、かつ
回転駆動が容易な、超電導体と永久磁石間の磁気浮上力
を利用したリング型フライホイールによるエネルギー貯
蔵装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を達成すべく、新規な超電導体を利用してエネルギー
を貯蔵するエネルギー貯蔵装置について鋭意検討した結
果、単に従来技術であるところの軸受けの代わりに超電
導体を用いてフライホイールの回転体を磁気浮上させる
手段と、フライホイールの回転体の形状を従来技術であ
る円盤の代わりにロータ軸を持たずリムのみで構成され
たリング形状を用いて磁気浮上によって支持するとする
手段とを組み合わせるだけでは、上記課題を解決するこ
とができず、これらを組み合わせた場合には、ロータ軸
を持たないため、磁気浮上鉄道のように、外部から非接
触状態で電磁力を利用して加速・減速することによりエ
ネルギーの入出力を行わなければならないが、この場合
の回転駆動のためには、ある程度の磁気むらが必要なの
であるが、磁気むらの存在は回転損失の原因となる。他
方、回転損失の低減のために永久磁石が組み込まれたリ
ング型フライホイールの周方向の表面磁束密度の均一性
を向上させると、リング型フライホイールの回転駆動の
効率が低下するという相反する問題が存在し、かかる新
たな課題が、浮上と回転駆動を行うために磁石を用いる
必要があり、さらにこの場合浮上に用いる超電導体と
対向している磁石では、回転損失を低減するために回転
方向(周方向)に均一であるとした性質と回転駆動に
用いる駆動用コイル(エネルギー入出力部)と対向して
いる磁石では、回転駆動を可能とするために磁気勾配
(磁気むら)を有するとした性質との相反する性質を同
時に解決しなければならないこととする知見を得、超電
導体と対向する磁石面を均一にし、他方の駆動用コイル
に対向する磁石面は磁場勾配を有するようにする必要が
あることを見出だし、この知見に基づき本発明を完成す
るに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明の目的は、(1) 電気
エネルギーを機械的回転運動エネルギーに変換し、かつ
機械的回転運動エネルギーを電気エネルギーに変換する
ために用いるエネルギー入出力部と、ピン止め効果を発
揮し得る超電導体と、前記超電導体と対向する磁石面を
均一にし、前記エネルギー入出力部に対向する磁石面は
磁気勾配を有し、相互に干渉しないように永久磁石をリ
ング形状の回転体に設けてなるフライホイールと、を備
えたことを特徴とするリング型フライホイールによるエ
ネルギー貯蔵装置により達成される。
【0011】また、本発明は、(2) 上記(1)に示
すリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置に
おいて、前記リング形状の回転体が磁性材料を用いて形
成され、前記永久磁石が該回転体に組み込まれ、かつ該
永久磁石が前記超電導体と対向していない側に該回転体
の該磁性材料部分から突出していることを特徴とするリ
ング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置によっ
ても達成される。
【0012】さらに、本発明は、(3) 上記(1)に
示すリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置
において、前記リング形状の回転体が磁性材料を用いて
形成され、前記永久磁石が、前記超電導体との間でピン
止め効果を利用して磁気浮上力を発揮させる作用を生じ
させるように前記回転体に内設された浮上用永久磁石
と、前記エネルギー入出力部との間で磁気勾配を利用し
て回転駆動力を発揮させる作用を生じさせるように該超
電導体と対向していない側の該回転体に外設された回転
用永久磁石とからなることを特徴とするリング型フライ
ホイールによるエネルギー貯蔵装置によっても達成され
る。
【0013】さらにまた、本発明は、(4) 上記
(1)に示すリング型フライホイールによるエネルギー
貯蔵装置において、前記フライホイールが、前記超電導
体との間でピン止め効果を利用して磁気浮上力を発揮さ
せる作用を生じさせる浮上用永久磁石により形成された
前記リング形状の回転体と、前記エネルギー入出力部と
の間で磁気勾配を利用して回転駆動力を発揮させる作用
を生じさせるように該超電導体と対向していない側の該
回転体に外設された回転用永久磁石と、からなることを
特徴とするリング型フライホイールによるエネルギー貯
蔵装置によっても達成される。
【0014】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、フライホイー
ルの回転体は、ロータ軸を持たずリムのみで構成された
リング形状であり、このようなリング型フライホイール
を浮上させる手段として、ピン止め力の強い超電導体
(例えば、特開平2−153803号公報参照)と永久
磁石間の磁気浮上力を用い、リング型フライホイールに
永久磁石を組み込み、永久磁石と対向する位置に超電導
体を配置し、該超電導体を冷却する前に、リング型フラ
イホイールを所定の距離だけ離して保持する。
【0015】このとき、図5に示すように、該永久磁石
58から出た磁力線51は、超電導体54を自由に貫通
する。この状態で超電導体54を冷却すると、該超電導
体54内を貫通していた磁力線51はピン止めされ、動
けなくなってしまう。
【0016】その後、リング型フライホイールの保持を
なくすと、リング型フライホイールの重力と超電導体と
永久磁石の磁気浮上力が釣り合った点(平衡点)で他の
構成部材に対して非接触な状態で浮上する。
【0017】この超電導体との間で生じる磁気浮上力
は、永久磁石等の静磁場による不安定な浮上と異なり、
磁力線がピン止めされることにより生じるので本質的に
安定な浮上力を持つものである。即ち、リング型フライ
ホイールが平衡点から上昇した場合下降させる力が働
き、逆にリング型フライホイールが平衡点から下降した
場合上昇させる力が働き、リング型フライホイールは平
衡点に戻る。超電導による本質的に安定な磁気浮上力は
横方向にも働くので、リング型フライホイールが横方向
にずれた場合にも、平衡点に戻そうとする力が働く。即
ち、超電導体と永久磁石間の磁気浮上力を利用すること
によって、構造が簡単にできる。また、リング型フライ
ホイールを大型化しても、超電導体の数を増やすだけで
あり、基本的な構造は変わらない。
【0018】従って、リング型フライホイールを浮上さ
せる手段として、上述したような超電導体とこれと対向
する永久磁石の該磁石面との間の磁気浮上力を用いれ
ば、複雑な制御機構を必要としないで安定な浮上を実現
できる。そのため、構造が簡単なリング型フライホイー
ルによるエネルギー貯蔵装置を提供することが可能とな
る。
【0019】さらに本請求項1に係る発明では、上記超
電導体と対向する永久磁石の該磁石面とエネルギー入出
力部の駆動用コイルに対向する磁石面とが相互に干渉し
ないように、該永久磁石を一体化させる事により、ある
いは別個独立にそれぞれの磁石面を有する磁石を形成
し、該磁石の駆動用コイルに対向する磁石面を、例え
ば、該磁石の磁石面を円周上に一定間隔をあけて取り付
けて磁場勾配を有するようにし、かかる磁気勾配を利用
して回転駆動力を発揮させる作用を生じさせることによ
り、回転駆動に必要な磁気勾配(磁気むら)の存在が回
転損失を生じない範囲で発生することができるものであ
る。
【0020】すなわち、超電導体と対向する永久磁石の
該磁石面とエネルギー入出力部の駆動用コイルに対向す
る磁石面とが相互に干渉しないようにすることで、回転
損失の低減のためにリング型フライホイールの周方向の
表面磁束密度の均一性を向上させる事ができ、かつ該フ
ライホイールの回転損失を生ぜず、回転駆動の効率の低
下も回避する事ができるものである。
【0021】次に請求項2ないし4に記載の発明(請求
項1の上位概念に対する中位ないし下位概念に相当す
る)による作用を図6を参照して説明する。図6は本発
明のリング型フライホイール(および超電導体)の他の
一実施態様に付いての構成を示すもので、図6(a)が
フライホイールの断面図であり、図6(b)がフライホ
イールの側面図であり、図6(c)がフライホイールお
よび超電導体の断面図であり、図6(d)がフライホイ
ールおよび超電導体の側面図である。図6に示すフライ
ホイールのリング形状の回転体であるリング型フライホ
イールの外周リング62と内周リング63は磁性材料を
用いて形成されており、永久磁石61は、リング型フラ
イホイールの外周リング62と内周リング63に組み込
まれている。図6では、永久磁石61は、A側64にリ
ング型フライホイールの外周リング62と内周リング6
3から突出しているが、B側65には突出していない。
図6(a)では永久磁石61は、リングの同径方向に磁
化しており、磁力線66は図6に示すようになる。
【0022】リング型フライホイールの外周リング62
と内周リング63が磁性材料を用いて形成されているた
め、複数個の永久磁石61がリング型フライホイールの
外周リング62と内周リング63に組み込まれていて
も、永久磁石61からでる磁力線66の大部分は一度リ
ング型フライホイールの外周リング62と内周リング6
3を形成している磁性材料に入ってから再び永久磁石6
1に戻るので、リングの周方向の表面磁束密度の均一性
は向上する。特に図6(b)のB側65のように、永久
磁石61がリング型フライホイールの外周リング62を
形成する磁性材料から突出していない場合には、表面磁
束密度分布67の均一性はさらに向上する。逆に、A側
64では、磁性材料は周方向に均一に存在しても、永久
磁石61がリング型フライホイールの外周リング62を
形成する磁性材料から突出しているために、表面磁性密
度分布68の均一性がB側の表面磁束密度分布67より
も低下する。したがって、表面磁束密度の均一性が高い
B側65に超電導体(図示せず)を配置すれば回転損失
を低減でき、またある程度磁気むらが存在するA側64
に回転駆動用コイル(図示せず)を配置すれば、回転駆
動を容易に行うことができるものである。
【0023】同様のことが、請求項2(ないし1)の他
の実施態様の1種である請求項3または4においてもい
える。
【0024】すなわち、請求項3に記載の発明では、上
記請求項2に記載の発明における永久磁石として図6
(c)〜(d)に示すように1つの永久磁石61で浮上
と回転を兼ねており、該磁石61がリングの同径方向
(横向き)、すなわち外周面側がN極で、内周面側がS
極になるように磁化されており、該一体化された磁石6
1が超電導体69と対向しない上部面のA側64に突出
し、下部面のB側65は磁石61の磁化面が磁性材料と
同一面となるように、該磁性材料を用いた回転体たる外
周リング62と内周リング63の間に等間隔に取り付け
られているものを用いる代わりに、請求項3に記載の発
明のリング型フライホイールおよび超電導体の一実施態
様における構成を表す断面図である図7に示すように、
超電導体79との間でピン止め効果を利用して磁気浮上
力を発揮させる作用を生じさせるようにリング型フライ
ホイールたる外周リング72と内周リング73から突出
することなく内設された浮上用永久磁石71を用い、該
磁石71とは別にエネルギー入出力部(図示せず)との
間で磁気勾配を利用して回転駆動力を発揮させる作用を
生じさせるように該超電導体79と対向していない側、
例えば、上記浮上用永久磁石71の上部面のA側74の
外周リング72と内周リング73部分から突出するよう
に外設された回転用永久磁石76を用いた場合などが相
当するものであり、上記請求項2の発明と同様の作用を
奏するものである。
【0025】また、請求項4に記載の発明では、上記請
求項2に記載の発明におけるフライホイールとして図6
(c)〜(d)に示すように、該磁性材料を用いた回転
体たる外周リング62と内周リング63を用いる代わり
に、図8(a)〜(b)に示すように、リング型フライ
ホイール81を一体化とし、該リング型フライホイール
81自体が超電導体89との間でピン止め効果を利用し
て磁気浮上力を発揮させる作用を生じさせる浮上用永久
磁石(81)としても用いる事ができるように該リング
型フライホイール81が縦向き、例えば、超電導体89
と対向する下部面のB側85を連続的にS極とし、上部
面のA側84をN極として磁化している磁石であり、ま
た、上記請求項2に記載の発明におけるフライホイール
として図6(c)〜(d)に示すように、1つの磁石で
浮上と回転を兼ねた永久磁石61のうち、超電導体69
と対向しない上部面のA側64に突出した部分の磁石6
1の代わりに、先の図8(a)〜(b)に示すように、
エネルギー入出力部(図示せず)との間で磁気勾配を利
用して回転駆動力を発揮させる作用を生じさせるように
該超電導体89と対向していない側、例えば、上部面の
A側84に一定の間隔をあけて該リング型フライホイー
ル81から突出するように外設された回転用永久磁石8
6を用いた場合に相当するものであり、上記請求項2の
発明と同様の作用を奏するものである。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照にして説
明する。
【0027】実施例1 図1は、本発明の超電導体と永久磁石間の磁気浮上力を
利用したリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵
装置の一実施態様を表した概念図である。図1より、本
発明の超電導体と永久磁石間の磁気浮上力を利用したリ
ング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置は、超
電導体部1、リング型フライホイール部2およびエネル
ギー入出力部3からなる3つの構成要件に大別される。
なお、図1に示すエネルギー入出力部3は、1箇所しか
示していないが、本発明においては該エネルギー入出力
部3を複数箇所に設置することは任意であり、使用用途
等に応じて、適宜決定されるものである。
【0028】図2と図3は、リング型フライホイールに
よるエネルギー貯蔵装置における断面の概略図の例を示
す。図2は、超電導体4がリング型フライホイール7の
下方にある例である。この場合、超電導体4と永久磁石
8との磁気浮上力は反発力となる。図3は、超電導体4
がリング型フライホイール7の上方にある例である。こ
の場合、超電導体4と永久磁石8との磁気浮上力は吸引
力となる。もちろん両方組み合わせることも可能であ
る。
【0029】まず最初に超電導体部1に関して説明す
る。超電導体部1は、図2および図3より、主に、超電
導体4と冷却容器6から構成される。本発明の超電導体
4は、ピン止め効果を発揮し得るものであれば特に制限
されるものでないが、好ましくは、ピン止め力の強い超
電導体が望ましい。本実施例の超電導体4は、QMG材
と呼ばれるもので、単結晶状のREBa2 Cu3 7-x
相(REは希土類元素およびそれらの組み合わせ)中に
RE2 BaCuO5 相が微細分散している酸化物超電導
体で、液体窒素温度でピン止め力の強い材料である(特
願昭63−261607参照)。具体的に、超電導体の
作製方法の一例を以下に述べる。原料粉であるイットリ
ウム(Y)、バリウム(Ba)、銅(Cu)の酸化物を
それぞれ1.3:1.7:2.4の比で秤量し、それに
白金を0.5重量%加える。この混合粉を十分混練して
から仮焼する。次に、仮焼粉を所定の形状に成形し、9
00〜1200℃の温度域で熱処理をして結晶成長させ
る。最後に、酸素雰囲気中でアニールして酸素付加を行
なう。上述した方法で作製することにより、単結晶状の
REBa2 Cu3 7-x 相中にRE2 BaCuO5 相が
微細分散している酸化物超電導体が作製できる。微細分
散しているRE2 BaCuO5 相が、有効なピン止め点
として考えられており、高い磁気浮上力を示す。ここで
単結晶状とは、完璧な単結晶でなく小傾角粒界など実用
に差し支えない欠陥を有するものを包含するという意味
である。本実施例のように、YとBaとCuを1.3:
1.7:2.4の比で秤量した場合、微細分散している
RE2 BaCuO5 相の割合はモル分率で30%に相当
するが、30%に限定する必要はない。また、本実施例
ではY系の酸化物超電導材料を用いたが、先に述べたよ
うに本発明に利用可能な超電導体自体はピン止め効果を
発揮し得るものであれば特に制限されるものでなく、従
って本実施例においても上述のY系の酸化物超電導材料
以外にも、例えば、Hg系、Tl系、Bi系の酸化物超
電導材料等でもピン止め力の強い材料であれば代替えで
きる事はいうまでもない。
【0030】超電導体4に超電導性を発現させるために
は、臨界温度以下に冷却しなければならない。本実施例
の超電導体4の臨界温度は絶対温度で92度なので、冷
却容器6を液体窒素5で充填することで、超電導体4を
臨界温度以下に冷却することができる。冷却方法として
は、冷却容器6に液体窒素5等の冷却剤を充填する方法
以外に、該冷却剤を該超電導体4の臨界温度以下に保持
できるように冷凍機を併用することが望ましい態様の1
種といえる。さらに冷却効率を高めるためには、冷却容
器6に断熱材などを用いてなるものがより望ましいもの
である。
【0031】次にリング型フライホイール部2に関して
説明する。リング型フライホイール部2は、主に、リン
グ形状の回転体であるリング型フライホイール7と永久
磁石8と格納容器9から構成される。ここで、該リング
を回転させると引っ張り応力(δt )は、 δt =ρ(rω)2 (式1) (上記式1中、ρは密度(kg/m3 )、rは半径、ω
は角速度)で表され、またエネルギー(E)は、 E=Iω2 /2 (式2) (上記式2中、Iは慣性モーメントで、I=ρ2πr3
S、ここでSは断面積)であるから、これより、 E=δt πrS (式3) と表される。したがってエネルギー(E)は、半径
(r)と引っ張り強さ(δ)によって決まるといえ、
リング型フライホイール7に貯蔵できるエネルギー量
(E)は、リング型フライホイール7を形成する材料の
引張り強度に比例するので、FRPや高張力鋼等のよう
な引張り強度が大きい材料の方が望ましい。また、リン
グ型フライホイール7を形成する材料としては、上述の
ような引張り強度が大きい材料の方が望ましい他に、磁
性材料を用いれば、リング型フライホイール7の周方向
での表面磁束密度の均一性を高めることができるので、
より望ましいものである。さらにリング型フライホイー
ル7を空気中で回転させると、空気抵抗があるので、大
きなエネルギー損失を生じる。そのためリング型フライ
ホイール7を格納する格納容器9を密閉し、該容器9内
部を0.1Torr程度あるいはそれ以下に真空排除す
ることにより、回転中のエネルギー損失を小さくするこ
とができる。該容器9内部を真空排除する代わりに、ヘ
リウム等の軽い気体で充填することでもエネルギー損失
は小さくできる。
【0032】また、永久磁石8は、超電導体4との間で
ピン止め効果を利用して磁気浮上力を発揮させる作用お
よびエネルギー入出力部3との間で磁気勾配を利用して
回転駆動力を発揮させる作用を生じさせるように上述の
リング型フライホイール7に組み込まれた状態に置かれ
ることで、リング型フライホイール7を浮上させる機能
および該リング型フライホイール7を回転駆動させる機
能を発現させることが可能となる。永久磁石8に示すう
ち、超電導体4との間でピン止め効果を利用して磁気浮
上力を発揮させる作用を生じさせるための該永久磁石の
磁石面部分では、超電導体4と対向する表面の磁束密度
が大きいほど、浮上力も大きくなるので、希土類系の永
久磁石のように表面磁束密度は大きい材料、例えば、N
d−Fe−B系やSm−Co系の永久磁石等が望まし
い。同様に、永久磁石8に示すうち、エネルギー入出力
部3の駆動用コイルとの間で磁気勾配を利用して回転駆
動力を発揮させる作用を生じさせるための該永久磁石の
磁石面部分についても希土類系の永久磁石のように駆動
用コイルと対向する表面の磁束密度が大きい材料、例え
ば、Nd−Fe−B系やSm−Co系の永久磁石等のほ
うが望ましい。
【0033】次に、エネルギー入出力部3に関して説明
する。従来のロータ軸を有する円盤形状のフライホイー
ル式エネルギー貯蔵装置の場合、発電電動機がロータ軸
に取付けられており、その発電電動機を通してエネルギ
ーの入出力を行なうものであったが、本発明のリング型
フライホイールによるエネルギー貯蔵装置では、ロータ
軸を持たないため、磁気浮上鉄道のように、外部から非
接触状態で電磁力を利用して加速・減速することにより
エネルギーの入出力を行う必要がある。
【0034】図4は、本実施例の回転駆動の1実施態様
を示すが、本発明は、以下の例示に限定されるものでな
く、エネルギー入出力部との間で磁気勾配を利用して回
転駆動力を発揮させる作用を生じさせるように永久磁石
をリング形状の回転体に設けてなるとする本発明に示す
技術思想に基づき他の多くの回転駆動の態様が導かれる
ものであることはいうまでもない。
【0035】まず、エネルギー入出力部との間で磁気勾
配を利用して回転駆動力を発揮させる作用を生じさせる
ようにリング形状の回転体たる外周リング42と内周リ
ング(図示せず)の間であって、かつ円周方向に一定の
間隔をあけていずれの磁石も該回転体の同径方向に外周
面にN極、内周面にS極がくるように設置し、これによ
り磁気むらが形成されるように設けられた永久磁石41
の間隔と同期した間隔を有するエネルギー入出力部の回
転駆動用コイル48を2組用意し、該2組の回転駆動用
コイル48と48′とを永久磁石41の間隔の1/4周
期ずらしてそれぞれ配置する。これら2組の回転駆動用
コイル48および48′は、ホール素子による磁気セン
サ49からの信号によって回転駆動用電源47および4
7′を介して交互に駆動される。該永久磁石41が図4
の斜線で示した位置にあるときには、実線で示した回転
駆動用コイル48にそれぞれ図4に示すように回転駆動
用電源47より電流が流れる。図4では、該永久磁石4
1に対向している所では上向きに電流が流れ、永久磁石
41に対向していない所では下向きに電流が流れる。磁
場が存在している場所で電流を流すとローレンツ力が働
くが、回転駆動用コイル48が固定されているため、そ
の反作用としてリング型フライホイール側の永久磁石4
1に力が働く。コイルに流れている電流の向きが反対の
時は働く力も逆向きになるが、永久磁石41に対向して
いる所と対向していない所では磁場の強さが異なるの
で、その結果ローレンツ力も異なり、リング型フライホ
イールは一方向に動くことになる。しかしながら、リン
グ型フライホイールが永久磁石41の間隔の半分だけ動
く(図4の点線の位置にある永久磁石41′)と、リン
グ型フライホイールの働く力は逆向きになる。これを避
けるためには、リング型フライホイールが永久磁石41
の間隔の1/4周期だけ動いたときに、磁気センサ49
からの信号によって回転駆動用電源47′を介して、も
う一方の回転駆動用コイル48′を駆動すればよく、常
に一方方向に力が働くことになる。以上の原理により、
リング型フライホイールを回転駆動できる。
【0036】図9は、直径80mmのQMG材を用いた
超電導体の磁気浮上力のデータである。本データの材料
を用いれば、最大50kgの重量を浮上することが可能
である。例えば、揚水発電所に匹敵するエネルギー貯蔵
量である500万kWh級のエネルギーを貯蔵する場
合、直径320mで重量320000トンのリング型フ
ライホイールを浮上させる必要があるので、この場合、
上記サイズの超電導体が640万個あればよいことにな
る。
【0037】実施例2 以下、本発明の他の実施態様を示す実施例を図面を参照
して説明する。
【0038】図10は、本実施例の超電導体部を示す。
超電導体部は、超電導体104 と冷却容器105 と液体
窒素106 からなる。なお、本実施例の超電導体104 は、
QMG材と呼ばれるもので、実施例1で使用したと同様
のものを用いて製造した。本実施例では、直径46mm
のQMG材を16個使用した。また、本実施例では、冷
却容器105 として発泡スチロールを用いたが、他の断熱
性の高い材料を用いることも可能である。また、本実施
例では、超電導体104 を液体窒素106 を用いて冷却した
が、冷却機を併用して冷却することも可能である。
【0039】図11は、本実施例のリング型フライホイ
ール部を示す。リング型フライホイール部は、回転体た
る外周リング112 および内周リング113 と、該外周リン
グ112 と内周リング113 に組み込まれ、超電導体(図示
せず)と対向していない側に該回転体たる外周リング11
2 と内周リング113 部分から突出している永久磁石111
とからなる。永久磁石111 は、超電導体との間でピン止
め効果を利用して磁気浮上力を発揮させる作用およびエ
ネルギー入出力部との間で磁気勾配を利用して回転駆動
力を発揮させる作用を生じさせるように超電導体と対向
する位置に置かれ、浮上機能および回転駆動機能を有す
る。従って永久磁石111 の超電導体に対向する表面およ
び回転駆動用コイルに対向する表面に付き磁束密度が大
きいほど浮上力および回転駆動力も大きくなるので、N
d−Fe−B系やSm−Co系などの希土類系の永久磁
石が望ましい。本実施例では、38mm×21mm×6
mmのNd−Fe−B系永久磁石を16個使用した。ま
た、本実施例では、外周リング112 と内周リング113 は
共に軟鉄を用いて作製されたが、他の磁性材料で作製す
ることも可能である。外周リング112 の外径は272m
m、内周リング113の外径は240mmで、直径方向の
厚さ8mmと高さ21mmは両者に共通である。永久磁
石111 は、外周リング112 と内周リング113 の間に、図
11に示すように組み込まれ、この場合に永久磁石111
の磁極は、外周面側をN極とし、内周面側をS極となる
ように配置した。リング型フライホイールの総重量は
2.7kgである。
【0040】次に、図12と図13は、リング型フライ
ホイールが浮上しているところの側面図である。図12
が、永久磁石121 をリング型フライホイールに組み込む
ときに、縦に組み込み、永久磁石121 をリング型フライ
ホイールの上部に突出させたものの例である。図13
が、比較のため、永久磁石(図示せず)をリング型フラ
イホイールに組み込むときに、横に組み込み、該永久磁
石をリング型フライホイールの上部に突出させないもの
の例である。図12と図13のどちらの場合も、超電導
体124 および134 を冷却する前の超電導体124 、134 と
永久磁石121 、131 (図示せず)間の距離は10mmに
設定し、超電導体124 、134 を臨界温度以下に冷却した
後、設定を解除すると、リング型フライホイールの重力
と超電導体124 、134 と永久磁石121 、131 (図示せ
ず)間の浮上力が釣り合った点での超電導体124 、134
と永久磁石121 、131 (図示せず)間の距離は8mmで
あった。浮上力は、図12と図13でほとんど差はなか
った。また、本実施例の回転駆動の態様は、実施例1で
図4を用いて説明したと同様ものもとした。
【0041】実施例1で示す図4の回転駆動コイル48
を用いて、図12と図13のリング型フライホイールを
回転駆動させてみた。図12の場合、240回転/分ま
で約1分で加速できた。一方、図13の場合、加速する
ことができなかった。本実施例の結果により、本発明が
超電導体と永久磁石間の磁気浮上力を利用したリング型
フライホイールの実現に有効であることが示された。
【0042】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
係るリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置
によれば、超電導体と対向する磁石面を均一にし、他方
の駆動用コイルに対向する磁石面は磁場勾配を有するよ
うにする超電導体と永久磁石間の磁気浮上力およびエネ
ルギー入出力部と永久磁石間の非誘導タイプの電磁力
(ローレンツ力)を利用して、リング型フライホイール
を非接触状態で浮上回転させることによりエネルギーを
貯蔵しているので、安定な浮上を維持するのに複雑な制
御機構を必要としないで構造が簡単でかつ大型化が可能
なリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置を
実現することができる。従って、本発明は、広範な技術
分野において、リング型フライホイールによるエネルギ
ー貯蔵装置の実用化を可能にする。
【0043】また、請求項2ないし4に記載の発明に係
るリング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置に
よれば、リング型フライホイールが磁性材料を用いて形
成ないし超電導体との間でピン止め効果を利用して磁気
浮上力を発揮させる作用を生じさせる浮上用永久磁石に
より形成され、またエネルギー入出力部との間で磁気勾
配を利用して回転駆動力を発揮させる作用を生じさせる
ように該超電導体と対向していない側の該回転体に外設
された回転用永久磁石が永久磁石が超電導体と対向して
いない側のリング型フライホイールの磁性材料部分から
突出する状態で形成されているため、超電導体と対向し
ている側の浮上用永久磁石の磁石面では円周方向の表面
磁束密度の均一性が高く、超電導体と対向していない回
転駆動コイル側と対向している回転用永久磁石の磁石面
では均一性が低く磁気むらが存在する結果、回転損失が
小さく、かつ回転駆動が容易な、超電導体を利用したリ
ング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置を実現
することができる。したがって、本発明は、広範な技術
分野において、リング型フライホイールによるエネルギ
ー貯蔵装置の実用化を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超電導体と永久磁石間の磁気浮上力
を利用したリング型フライホイールによるエネルギー貯
蔵装置の概略図である。
【図2】 本発明の一実施例のリング型フライホイール
によるエネルギー貯蔵装置の断面の概略図である。
【図3】 本発明の他の実施例のリング型フライホイー
ルによるエネルギー貯蔵装置の断面の概略図である。
【図4】 本発明の実施例の回転駆動の原理を示す概略
図である。
【図5】 永久磁石の磁力線が超電導体にピン止めされ
ていることを示す概略図である。
【図6】 本発明のリング型フライホイールおよび超電
導体の構成を示す概略図である。図6(a)は、リング
型フライホイールの断面図であり、図6(b)は、リン
グ型フライホイールの側面図であり、図6(c)は、リ
ング型フライホイールおよび超電導体の断面図であり、
図6(d)は、リング型フライホイールおよび超電導体
の側面図である。
【図7】 本発明のリング型フライホイールおよび超電
導体の他の一実施態様における構成を示す概略断面図で
ある。
【図8】 本発明のリング型フライホイールおよび超電
導体の他の一実施態様における構成を示す概略図であ
る。図8(a)は断面図であり、図8(b)は側面図で
ある。
【図9】 ピン止め力の強い超電導体の浮上力の測定デ
ータの一例である。
【図10】 本発明の実施例の超電導体部を示す概略図
である。
【図11】 本発明の実施例のリング型フライホイール
部を示す概略図である。
【図12】 本発明の実施例のリング型フライホイール
の概略図である。
【図13】 比較のために用いたリング型フライホイー
ルの概略図である。
【符号の説明】
1…超電導体部、 2…リング型フ
ライホイール部、 3…エネルギー入出力部、 4…超電導体、 5…液体窒素、 6…冷却容器、 7…リング型フライホイール、 8…永久磁石、 9…格納容器 41、41′…永久磁石、 42…外周リン
グ、 47、47′…回転駆動用電源、 48、48′…
回転駆動用コイル、 49…磁気センサ、 51…磁力線、 54…超電導体、 58…永久磁
石、 61…永久磁石、 62…外周リン
グ、 63…内周リング、 64…上部面の
A側、 65…下部面のB側、 66…磁力線、 67…B側の表面磁束密度分布、 68…A側の表
面磁束密度分布、 69…超電導体、 71…永久磁
石、 72…外周リング、 73…内周リン
グ、 74…上部面のA側、 76…回転用永
久磁石、 79…超電導体、 81…リング型
フライホイール、 84…上部面のA側、 85…下部面の
B側、 86…回転用永久磁石、 89…超電導
体、 104 …超電導体、 105 …冷却容
器、 106 …液体窒素、 111 …永久磁
石、 112 …外周リング、 113 …内周リン
グ、 121 …永久磁石、 122 …外周リン
グ、 124 …超電導体、 125 …冷却容
器、 126 …液体窒素、 132 …外周リン
グ、 134 …超電導体、 135 …冷却容
器、 136 …液体窒素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手嶋 英一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 橋本 操 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 田中 将元 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式会社先端技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭53−16807(JP,A) 特開 昭55−132439(JP,A) 特開 昭55−145816(JP,A) 特開 平2−153803(JP,A) 特開 平3−15237(JP,A) 特開 平4−217830(JP,A) 特開 平4−271238(JP,A) 特開 平4−282050(JP,A) 特開 平4−295201(JP,A) 特開 平4−370417(JP,A) 特開 平5−49191(JP,A) 特開 平5−87142(JP,A) 特開 平5−161284(JP,A) 特開 平5−248436(JP,A) 特開 平6−2646(JP,A) 特開 平6−22477(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/30 - 15/315 H02J 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気エネルギーを機械的回転運動エネル
    ギーに変換し、かつ機械的回転運動エネルギーを電気エ
    ネルギーに変換するために用いるエネルギー入出力部
    と、 ピン止め効果を発揮し得る超電導体と、 前記超電導体と対向する磁石面を均一にし、前記エネル
    ギー入出力部に対向する磁石面は磁気勾配を有し、相互
    に干渉しないように永久磁石をリング形状の回転体に設
    けてなるフライホイールと、 を備えたことを特徴とするリング型フライホイールによ
    るエネルギー貯蔵装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のリング型フライホイー
    ルによるエネルギー貯蔵装置において、 前記リング形状の回転体が磁性材料を用いて形成され、 前記永久磁石が該回転体に組み込まれ、かつ該永久磁石
    が前記超電導体と対向していない側に該回転体の該磁性
    材料部分から突出していることを特徴とするリング型フ
    ライホイールによるエネルギー貯蔵装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のリング型フライホイー
    ルによるエネルギー貯蔵装置において、 前記リング形状の回転体が磁性材料を用いて形成され、 前記永久磁石が、前記超電導体との間でピン止め効果を
    利用して磁気浮上力を発揮させる作用を生じさせるよう
    に前記回転体に内設された浮上用永久磁石と、前記エネ
    ルギー入出力部との間で磁気勾配を利用して回転駆動力
    を発揮させる作用を生じさせるように該超電導体と対向
    していない側の該回転体に外設された回転用永久磁石と
    からなることを特徴とするリング型フライホイールによ
    るエネルギー貯蔵装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のリング型フライホイー
    ルによるエネルギー貯蔵装置において、 前記フライホイールが、前記超電導体との間でピン止め
    効果を利用して磁気浮上力を発揮させる作用を生じさせ
    る浮上用永久磁石により形成された前記リング形状の回
    転体と、 前記エネルギー入出力部との間で磁気勾配を利用して回
    転駆動力を発揮させる作用を生じさせるように該超電導
    体と対向していない側の該回転体に外設された回転用永
    久磁石と、 からなることを特徴とするリング型フライホイールによ
    るエネルギー貯蔵装置。
JP24949594A 1994-10-14 1994-10-14 リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置 Expired - Lifetime JP3471441B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24949594A JP3471441B2 (ja) 1994-10-14 1994-10-14 リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24949594A JP3471441B2 (ja) 1994-10-14 1994-10-14 リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08116630A JPH08116630A (ja) 1996-05-07
JP3471441B2 true JP3471441B2 (ja) 2003-12-02

Family

ID=17193823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24949594A Expired - Lifetime JP3471441B2 (ja) 1994-10-14 1994-10-14 リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3471441B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016001478A1 (en) * 2014-07-04 2016-01-07 Teraloop Oy System and method for storing high capacity electric energy

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016001478A1 (en) * 2014-07-04 2016-01-07 Teraloop Oy System and method for storing high capacity electric energy
US10840737B2 (en) 2014-07-04 2020-11-17 Teraloop Oy System and method for storing high capacity electric energy

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08116630A (ja) 1996-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5831362A (en) Magnet-superconductor flywheel and levitation systems
US6231011B1 (en) Satellite angular momentum control system using magnet-superconductor flywheels
US5214981A (en) Flywheel energy storage with superconductor magnetic bearings
US5436516A (en) Inertial device for energy storage
US20070080595A1 (en) Superconductive non-contact rotary device
US5540116A (en) Low-loss, high-speed, high-TC superconducting bearings
US6737777B2 (en) Magnetic bearing and use thereof
JPH04178127A (ja) エネルギー貯蔵装置
Hull Flywheels on a roll
JP2003219581A (ja) 超電導フライホイ−ル電力貯蔵装置
Han et al. Design and characteristics of a superconductor bearing
JP3554070B2 (ja) 超電導磁気軸受装置
US20020047398A1 (en) High temperature superconductor bearings
JP3471441B2 (ja) リング型フライホイールによるエネルギー貯蔵装置
JP3665878B2 (ja) 軸受装置およびその始動方法
JP2008038605A (ja) 高温超電導体により浮上させた円筒型風力発電機
Zhang et al. Reaction wheel with HTS bearings for mini-satellite attitude control
JPH08296645A (ja) 磁気軸受装置
US20220034363A1 (en) Hts bearing and flywheel systems and methods
JP2799802B2 (ja) 超電導浮上型回転装置
Tixador et al. Hybrid superconducting magnetic suspensions
JP2003004041A (ja) フライホイール型超電導磁気軸受及びそのシステム
JPH0681845A (ja) 超電導軸受装置
JPH09233803A (ja) 高速回転機器用制動装置
JP3663472B2 (ja) 永久磁石使用軸受装置および永久磁石回転装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030805

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070912

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080912

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090912

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100912

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110912

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120912

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130912

Year of fee payment: 10

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term