JP3470759B2 - 生体用セラミックス多孔質部材 - Google Patents

生体用セラミックス多孔質部材

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JP3470759B2
JP3470759B2 JP2001315507A JP2001315507A JP3470759B2 JP 3470759 B2 JP3470759 B2 JP 3470759B2 JP 2001315507 A JP2001315507 A JP 2001315507A JP 2001315507 A JP2001315507 A JP 2001315507A JP 3470759 B2 JP3470759 B2 JP 3470759B2
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卓史 梅沢
明彦 市川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体用セラミックス
多孔質部材に関し、より詳細には、例えば人工骨、人工
骨補填材、徐放剤及び細胞培養を行うための担体等に好
適に使用でき、生体内の骨組織形成促進性に優れ、かつ
強度特性に優れたリン酸カルシウム系焼結体からなる生
体用セラミックス多孔質部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から外科、整形外科等の医療分野に
おいて、疾病、事故、手術等によって生じた骨の欠損部
及び空隙に対して、例えば自分の他の身体部分の骨や、
親、兄弟等の骨を採取、充填することで当該部分の骨組
織の再建を図ることが広く行われてきた。しかしなが
ら、骨採取のための手術は大きな苦痛を伴う上に、それ
に要する費用や労力も多大なものが必要とされる。ま
た、骨欠損部を人骨だけで補綴するにはその量に限度が
あり、欠損部分が広範囲に及ぶ場合には必要な量が確保
できない場合も多い。このため、近年、このような骨の
補綴用人工骨材に関する研究が盛んに行われるようにな
ってきている。
【0003】ところで、生体内に人工骨材を埋入するに
際しては、人工骨が、無毒、安全でしかも大きな機械強
度を有し、生体組織に対し親和性があり、骨組織の細胞
や血管組織と結合しやすい材料であることが要求され
る。このような材料として、これまでにリン酸三カルシ
ウム、ハイドロキシアパタイト等の焼結体からなるリン
酸カルシウム系焼結体が提案されている。
【0004】しかし、無気孔の(緻密な)リン酸カルシ
ウム系焼結体を埋入した場合には、生体内での骨組織形
成が速やかに行われず、治癒までに非常な長期間を必要
とするという問題がある。そのため、埋入するリン酸カ
ルシウム系焼結体の構造を多孔質体とし、体内に埋入し
た際に、生体組織と結合し易くした、すなわち、開気孔
内に骨組織が入り込むようにしたリン酸カルシウム系焼
結体が提案されている。
【0005】この提案されている従来の多孔質のリン酸
カルシウム焼結体は、未熟焼結体様の多孔質体からな
り、骨格壁部に無数の微細な開気孔を有するものであっ
た。ここで、未熟焼結体様とは、焼結体を形成する結晶
粒子間の接続が十分にされておらず、隙間があり、ひい
ては焼結体全体にわたって、結晶粒子の大きさよりも概
略小さい開気孔が多数存在している状態を意味する。従
来、骨格壁部に無数の微細開気孔を有する、未熟焼結体
様の多孔質(気孔径は小さく数ミクロン(μm)以下の
場合が多い)で構成されているものは、該微細開気孔に
よって骨形成が活発に行われると考えられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、提案されて
いる従来の生体用セラミックス多孔質部材(多孔質のリ
ン酸カルシウム焼結体)は、骨格壁部に無数の微細な開
気孔を有する未熟焼結体様の多孔質体からなるため、機
械的強度の低下をきたし、人工骨として用いる場合に所
要の強度が得られず、大きな骨欠陥部の治療には利用す
ることができないという課題があった。一方、前記した
ように機械的強度を保つために、生体用セラミックス部
材を緻密なリン酸カルシウム系焼結体で形成すると、前
記したように生体内での骨組織形成が速やかに行われ
ず、治癒までに非常な長期間を必要とするという課題が
あった。
【0007】本発明者等は、従来の生体用セラミックス
多孔質部材(リン酸カルシウム系焼結体)の上記欠点を
改善すべく鋭意研究を行った結果、前記リン酸カルシウ
ム系焼結体が特定の多孔質構造を有する場合に、リン酸
カルシウム系焼結体の強度の低下が少なく、人工骨、人
工骨補填材等として必要とされる強度を保持することを
見出した。また前記リン酸カルシウム系焼結体の特定の
多孔質構造にあっては、骨組織細胞(骨芽細胞等)や血
管が孔内に入り込むことによって、骨組織形成が早期に
なされることを見出した。そして、この知見に基づき本
発明にかかる生体用セラミックス多孔質部材を完成する
に至った。
【0008】本発明は、上記技術的課題を解決するため
になされたものであり、充分な機械的強度を維持し、し
かも骨組織形成速度が早く、人工骨、人工骨補填材等に
適した生体用セラミックス多孔質部材を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる生体用セ
ラミックス多孔質部材は、多数の気孔が三次元的に密に
分布し、隣接する気孔同士がそれらを区画する骨格壁部
において相互に連通した連球状開気孔を有するリン酸カ
ルシウム系焼結体からなる生体用セラミックス多孔質部
材において、前記リン酸カルシウム系焼結体を水銀ポロ
シメータにより測定した細孔径分布における孔径5ミク
ロン(μm)以上の開気孔の気孔体積が、全気孔体積の
80%以上であり、前記リン酸カルシウム系焼結体の孔
径5ミクロン(μm)未満の開気孔の気孔体積が、全気
孔体積の20%未満であることを特徴としている。
【0010】上記したように、本発明にかかる生体用セ
ラミックス多孔質部材は、骨組織細胞(骨芽細胞等)や
血管が入り込める連球状の開気孔が三次元的に密に形成
され、隣接する気孔を区画する骨格壁部分に孔径5ミク
ロン(μm)未満の開気孔がほとんど存在しないリン酸
カルシウム焼結体からなる点に構成上の特徴がある。即
ち、本発明にかかる生体用セラミックス多孔質部材は、
上記特定多孔質構造のリン酸カルシウム系焼結体からな
り、その骨組織細胞(骨芽細胞等)や血管の入り込む多
数の開気孔を有し、かつその骨格壁部分は気孔が実質的
に存在しないリン酸カルシウム焼結体である。好ましく
は水銀ポロシメータにより、測定した細孔径分布におけ
る孔径5ミクロン(μm)以上の気孔体積が全気孔体積
の90%以上であり、より好ましくは93%以上であ
る。
【0011】そのため、本発明にかかる生体用セラミッ
クス多孔質部材では、骨組織細胞(骨芽細胞等)や血管
が入り込み易く、骨組織形成速度が速い。しかも、骨格
壁部分には微細な気孔が実質的に存在しないため、緻密
なリン酸カルシウム系焼結体と比べて機械的強度の著し
い低下をきたすことなく、人工骨に適した所定の機械的
強度を得ることができる。なお、本発明にかかる生体用
セラミックス多孔質部材のように、隣接する気孔を区画
する骨格壁部分における微細な気孔を少なくするには、
完熟焼成することによって達成される。ここで、完熟焼
成とは、焼結体を形成する結晶粒子間の接続が十分にさ
れており、隙間がなく、ひいては焼結体全体にわたっ
て、結晶粒子の大きさよりも概略小さい開気孔が実質的
に存在しない状態をいう。
【0012】また、本発明にかかる生体用セラミックス
多孔質部材のように、完熟焼成されたものにも骨が充分
に形成され、本発明にかかる生体用セラミックス多孔質
部材が、人工骨、人工骨補填材等に適していることが認
められた。
【0013】ここで、前記リン酸カルシウム系焼結体の
水銀ポロシメータによる細孔径分布における累積体積分
率50%に対応する気孔径が、10〜600ミクロン
(μm)の範囲にあることが望ましい。このように、水
銀ポロシメータによる細孔径分布における累積体積分率
50%に対応する気孔径が10〜600ミクロン(μ
m)の範囲にあるため、骨組織細胞(骨芽細胞等)が生
体用セラミックス多孔質部材内部に導入され、骨形成が
速やかに行われる。ここで、累積体積分率50%に対応
する気孔径が10ミクロン(μm)未満の場合には、骨
組織細胞(骨芽細胞等)が生体用セラミックス多孔質部
材内部に良好に導入することができない。一方、累積体
積分率50%に対応する気孔径が600ミクロン(μ
m)を越える場合には、生体用セラミックス多孔質部材
内部に導入された骨組織細胞(骨芽細胞)が流出してし
まい、骨形成が困難になる。そのため、累積体積分率5
0%に対応する気孔径が、10〜600ミクロン(μ
m)の範囲にあることが好ましい。好ましくは、20〜
200ミクロン(μm)の間に累積体積分率50%に対
応する気孔径があることが強度や細胞の侵入しやすさ、
固定されやすさなどの点から好ましく、30〜100ミ
クロン(μm)であれば更に好ましい。
【0014】また、前記リン酸カルシウム系焼結体の気
孔率が、45%〜90%であることが望ましい。ここ
で、気孔率が45%未満の場合、気孔が分散状態とな
り、相互に連通した連球状開気孔を得ることができな
い。なお、相互に連通した連球状開気孔を有しない生体
用セラミックス多孔質部材にあっては、生体用セラミッ
クス多孔質部材内部に骨組織細胞(骨芽細胞等)を導入
できないという欠点を有する。また、リン酸カルシウム
系焼結体の気孔率が90%を越えると、生体用セラミッ
クス多孔質部材の機械的強度が低下し、人工骨として用
いるのに適さない。したがって、前記リン酸カルシウム
系焼結体の気孔率が、45%〜90%であることが好ま
しい。
【0015】更に、前記リン酸カルシウム系焼結体とし
ては、ハイドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム及
びそれらの複合材料から選ばれた一種の焼結体であるこ
とが望ましい。特に、ハイドロキシアパタイトが望まし
い。このようなリン酸カルシウム系焼結体を生体用セラ
ミックス多孔質部材としているため、細胞等が気孔に入
り易く、また一方でリン酸カルシウム系焼結体自体は人
体に吸収されたり、新しい骨が生成されるなどして、完
全な骨への転化がなされる。したがって、チタン、ステ
ンレス製等の部材のように、部材を取り除くために再手
術を行う必要はない。
【0016】更にまた、前記骨格壁部の表面が、リン酸
カルシウム系粒子を密に敷き詰めた構造であり、表面の
任意のリン酸カルシウム系粒子と、表面にあってその粒
子に隣接する他のリン酸カルシウム系粒子とが形成する
平面との間に形成される凹凸との距離が、平均粒子径以
下であることが望ましい。好ましくは、表面の任意のリ
ン酸カルシウム系粒子と、その粒子を含む平均粒子径の
5倍の径を有する円内の粒子によって形成される平面と
の間の凹凸の距離が、平均粒子径以下であることが好ま
しい。このような構造を備えているため、細胞が一様に
取りつき易く、また全体に行きわたる。また、骨格壁部
表面粒子に欠落がほとんどなく、よって亀裂発生の原因
となるものがなく、強度向上に有効である。リン酸カル
シウム系粒子が互いにしっかり結合してあり、脱落しづ
らく、洗浄も行い易い。
【0017】なお、表面の任意のリン酸カルシウム系粒
子と、表面にある他の隣接するリン酸カルシウム系粒子
が形成する平面との間に形成される凹凸との距離が平均
粒子径以下とは、図15における高さHがリン酸カルシ
ウムの平均粒子径以下であることを意味する。また、表
面の任意のリン酸カルシウム粒子と、その粒子を含む平
均粒径の5倍以内の径を有する円内の粒子によって形成
される平面との距離(凹凸)が平均粒子径以下とは、図
15におけるhが平均粒子径以下であることを意味す
る。前記したように該距離が平均粒子径以下である場合
には、周辺粒子と平坦面を形成しており、粒子同志の接
触部が大きいので脱落しづらく、強度向上にも寄与す
る。また表面に加工時に発生する切削粉などが存在する
とリン酸カルシウム系焼結体内部に流体が著しく侵入し
づらくなる傾向があるが、本発明のように表面粒子が強
固に固定されたリン酸カルシウム系焼結体では、前記切
削粉に相当する浮遊粒子の発生や残留をしっかりと抑制
することができるため、浮遊粒子のために流体が侵入し
づらくなるという心配が無くなる。
【0018】なお、当業者にはよく知られている通り、
水銀ポロシメータによる気孔の測定から得られる「気孔
径」とは、外部に開口する(一連の)気孔のうち、最も
狭い部分を表現するものであり、例えば図1で言えば、
2”での径ではなく3に相当する部分を検出する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の生体用セラミッ
クス多孔質部材にかかる実施形態を図面を参照してより
詳細に、かつ具体的に説明する。なお、本発明にかかる
生体用セラミックス多孔質部材をより理解しやすくする
ために、本発明にかかる実施形態と従来の生体用セラミ
ックス多孔質部材(従来品)とを対比しながら説明す
る。まず、本発明の実施形態の多孔質構造を図1に基づ
いて、また従来品を図2に基づいて説明する。なお、図
1は、本発明の実施形態を構成するリン酸カルシウム系
焼結体のある断面での多孔質構造を模式的に示した図で
あり、図2は、従来品のある断面での典型的な多孔質構
造を模式的に示した図である。
【0020】図1に示した本発明の実施形態は、リン酸
カルシウム系焼結体よりなる生体用セラミックス多孔質
部材であって、多数の球状の気孔2が骨格壁部に形成さ
れた開口3で連通した連球状の開気孔2’が3次元的に
密に形成された多孔質構造を有している。しかも、前記
球状の気孔を区画する骨格壁部1自体には、微細な開気
孔はほとんど形成されていない。なお、骨格壁部1の表
面には、微小な凹凸が形成されている。これに対して、
図2に示す従来の生体用セラミックス多孔質部材では、
開気孔5が3次元的に形成された多孔質構造を有してい
る。また、前記気孔5を区画する骨格壁部1自体には、
微細な開気孔6が形成されている。
【0021】このように、本発明にかかる生体用セラミ
ックス多孔質部材は、骨組織細胞(骨芽細胞等)や血管
が入り込める連球状の開気孔2’が三次元的に密に形成
されているため、骨組織細胞(骨芽細胞等)や毛細血管
が入り込み易く、骨組織形成速度が速い。特に、隣接す
る気孔2を区画する骨格壁部1には、従来品のような微
細な気孔6が実質的に存在しないため、機械的強度の著
しい低下をきたすことがない。
【0022】次に、本発明にかかる実施形態の多孔質構
造と従来品の多孔質構造の具体的な構造を図3〜図8に
示す。なお、図3(a)、(b)、(c)は、ハイドロ
キシアパタイトからなる本発明にかかる生体用セラミッ
クス多孔質部材の電子顕微鏡写真であって、(a)は、
倍率35倍、(b)は倍率150倍、(c)は倍率1
0,000倍で撮影したものである。また、図4
(a)、(b)、(c)は、従来品生体用セラミックス
多孔質部材(A社製、ハイドロキシアパタイト)の電子
顕微鏡写真であって、(a)は倍率35倍、(b)は倍
率150倍、(c)は倍率10,000倍で撮影したも
のである。図5(a)、(b)、(c)は、従来品生体
用セラミックス多孔質部材(B社製、ハイドロキシアパ
タイト+β―TCP)の電子顕微鏡写真であって、
(a)は、倍率35倍、(b)は倍率150倍、(c)
は倍率10,000倍で撮影したものである。
【0023】また、図6(a)、(b)、(c)は、従
来品生体用セラミックス多孔質部材(C社製、β―TC
P)の電子顕微鏡写真であって、(a)は倍率35倍、
(b)は倍率150倍、(c)は倍率10,000倍で
撮影したものである。更に、図7(a)、(b)、
(c)は、従来品生体用セラミックス多孔質部材(D社
製、ハイドロキシアパタイト)の電子顕微鏡写真であっ
て、(a)は倍率35倍、(b)は倍率150倍、
(c)は倍率10,000倍で、撮影したものである。
更にまた図8(a)、(b)、(c)は、従来品生体用
セラミックス多孔質部材(E社製、ハイドロキシアパタ
イト)の電子顕微鏡写真であって、(a)は倍率35
倍、(b)は倍率150倍、(c)は倍率10,000
倍である。
【0024】この電子顕微鏡写真からも明らかなよう
に、本発明にかかる生体用セラミックス多孔質部材の骨
格壁部1自体には、微細な開気孔6はほとんど存在せ
ず、骨格壁部1の表面に、微小な凹凸が形成されている
ことが認められる。これに対して、従来品の生体用セラ
ミックス多孔質部材の骨格壁部1には、微細な開気孔6
が存在していることが認められる。
【0025】次に、本発明にかかる生体用セラミックス
多孔質部材と、従来品の細孔径分布状態を水銀ポロシメ
ータ(水銀圧入測定法)により検証した。その結果を図
9〜図14に示す。ここで、図9は、本発明にかかる生
体用セラミックス多孔質部材(図3に示した試料)の水
銀圧入測定法による細孔分布図である。また、図10
は、従来品(図4に示した試料)の水銀圧入測定法によ
る細孔分布図であり、図11は、従来品(図5に示した
試料)の水銀圧入測定法による細孔分布図である。ま
た、図12は、従来品(図6に示した試料)の水銀圧入
測定法による細孔分布図であり、図13は、従来品(図
7に示した試料)の水銀圧入測定法による細孔分布図で
ある。更に、図14は、従来品(図8に示した試料)の
水銀圧入測定法による細孔分布図である。なお、各図中
の実線は細孔径の大きさの分布の様子を示し、点線は累
積体積分布の様子を示している。
【0026】図9に示されるように、この本発明の生体
用セラミックス多孔質部材は、水銀ポロシメータにより
測定した細孔径分布(水銀圧入法細孔径分布)におい
て、孔径5ミクロン(5μm)以上の気孔体積が、全気
孔体積の80%以上、より好ましくは90%以上を占め
る。したがって、孔径5ミクロン(5μm)未満の気孔
体積は、全気孔体積の20%未満、より好ましくは10
%未満が良い。これに対して、従来品では、図10〜図
14に示されているようにいずれも、気孔径5μm以上
の気孔体積が50%未満であり、少なくとも50%を越
える微細な開気孔(孔径5μm未満)を有する。
【0027】なお、図9に示されているように水銀ポロ
シメータにより測定した細孔径分布(水銀圧入法細孔径
分布)において、累積体積分率50%に対応する気孔径
は約60μmである。また、図10〜14に示されてい
るように水銀ポロシメータにより測定した細孔径分布
(水銀圧入法細孔径分布)において、累積体積分率50
%に対応する気孔径は、約0.1μm(図10)、約
2.5μm(図11)、約1.5μm(図12)、約3
μm(図13)、約0.3μm(図14)である。
【0028】このことから、本発明にかかる生体用セラ
ミックス多孔質部材は、従来品部材に比べて、骨格壁部
に存在する微細な開気孔が非常に少なく、実質的にほと
んど存在しないことが認められる。このように本発明に
かかる生体用セラミックス多孔質部材においては、多孔
質体の骨格壁部が、開気孔が非常に少ないリン酸カルシ
ウム系焼結体からなるため、(気孔径(平均)や気孔率
がほぼ等しい)従来品に比べて、曲げ強度等の強度特性
に優れている。逆に、曲げ強度を従来品程度とした場合
には、気孔率を高くすることができる。
【0029】本発明にかかる生体用セラミックス多孔質
部材(ハイドロキシアパタイト焼結体、気孔率75%程
度、球状の気孔の気孔径(中央値)略150μmの生体
用セラミックス多孔質部材)の曲げ強度は、5〜8MP
aで、同種の焼結体よりなる従来品(気孔率70%程
度、平均気孔径200μm程度)に比べて2倍〜3倍の
強度を有する。
【0030】なお、本発明では、焼結により粒成長した
リン酸カルシウム粒子が骨格を形成するのが好ましい。
このとき、原料粒子は複数個融合し、表面から顕微鏡で
観察すると全体に丸みを帯びた粒子となる。骨格壁部表
面が前記リン酸カルシウム系粒子を密に敷き詰めたよう
な比較的滑らかな構造であり、表面の任意のリン酸カル
シウム系粒子と、表面にある他の隣接するリン酸カルシ
ウム系粒子が形成する平面との間に形成される凹凸が平
均粒子径以下であるので、体液などのよどみが無く、細
胞が一様に取りつき易く、また全体に行きわたる。ま
た、骨格壁部表面粒子に欠落がほとんどなく、よって亀
裂発生の原因となるものがなく、強度向上に有効であ
る。
【0031】更に、骨格壁部表面がリン酸カルシウム系
粒子を密に敷き詰められた構造であるので、その表面の
断面形状は「逆ω」状の形状となり、そのわずかな凹部
に効率よく細胞が定着できると考えられる。また、リン
酸カルシウム系粒子が互いにしっかり結合してあり、脱
落しづらく、洗浄も行い易い。また、施術時の取扱いが
容易で、部分的破壊による粉体の発生が少なく、かつ患
部の形状に適合した形状を付加することが可能であり、
更に、顆粒形体で患部に補填する際に、充填操作により
顆粒自体がつぶれることがないため、骨補填材の気孔構
造が保たれ、骨形成に有効である。
【0032】また、本発明にかかる生体用セラミックス
多孔質部材において、前記連球状開気孔2’の気孔径3
は、累積体積分率50%に対応する気孔径、即ち、体積
分率中央値が10〜600μmの範囲にあることが好ま
しい。このように、生体用セラミック部材が多孔質構造
としたのは、骨組織細胞(骨芽細胞等)や毛細血管を容
易に進入させ、かつ安定に保持して効果的に骨形成を行
わせるためである。すなわち、気孔径(中央値)とし
て、10μm未満では骨組織細胞(骨芽細胞等)の進入
が容易でなく、600μmを越えると、体液の循環に伴
い、細胞が容易に流出して定着しないためである。
【0033】また、本発明にかかる生体用セラミックス
多孔質部材の気孔率は、45%〜90%であることが好
ましい。気孔率が45%未満であると骨組織細胞(骨芽
細胞等)や血管の生体用セラミックス多孔質部材内部へ
の進入が困難であり、一方、90%を越える気孔率では
充分な強度を維持することができないためである。本発
明では、気孔率は75%近傍が特に好ましい。
【0034】また、本発明にかかる生体用セラミックス
多孔質部材は、上記気孔内の骨格壁部1に焼結原料粒子
等による微小凹凸が存在することが好ましく、これによ
り骨組織細胞(骨芽細胞等)の定着化が図られ、骨の形
成が容易になされる。
【0035】本発明の生体用セラミックス多孔質部材を
構成するリン酸カルシウム系焼結体の具体例としては、
リン酸三カルシウム、ハドロキシアパタイト、オキシア
パタイト、リン酸四カルシウム、及びそれらからなる複
合材等を挙げることができ、その内でも、特にハドロキ
シアパタイト、リン酸三カルシウム、及びそれらの複合
材が好ましい。
【0036】次に、上記本発明にかかる生体用セラミッ
ク多孔質部材を構成するリン酸カルシウム系焼結体の製
造方法について、ハイドロキシアパタイトの場合を例に
説明する。例えば、平均粒径0.1乃至5μm程度のハ
イドロキシアパタイト[Ca10(PO4 6 (O
H)2 ]粉末に架橋重合性樹脂としてポリエチレンイミ
ン(Mn:8000〜10500程度)等を添加し、分
散媒として超純水を用いて混合・解砕し、スラリーを調
製する。次いで、該スラリーに起泡剤(ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、ラウリルベタイン、ラウリル硫
酸トリエタノールアミン等から選ばれた一種)を添加し
て攪拌し、起泡する。
【0037】更に架橋剤(ソルビトールポリグリシジル
エーテル等)を加え、泡沫状スラリーを成形型に入れて
泡構造を固定して乾燥し、次いで1100℃〜1300
℃程度の温度で焼結してハイドロキシアパタイト多孔質
焼結体を得る。この焼成は0.5時間〜3時間行われ、
完全焼結体様の多孔質体とされる。ここで、完熟焼成と
は、焼結体を形成する結晶粒子間の接続が十分にされて
おり、隙間がなく、ひいては焼結体全体にわたって、結
晶粒子の大きさよりも概略小さい開気孔が実質的に存在
しない状態をいう。そのため、生体用セラミックス多孔
質部材の骨格壁部1自体の微細な開気孔は消滅し、骨格
壁部1の表面に微小な凹凸が形成される。
【0038】上記本発明の方法においては、気孔が組織
内に密に形成されるので、その隣接する気孔を区画する
骨格壁部の厚さは薄く、乾燥時や焼結時に崩れて連通孔
となる。また、生体用セラミックス多孔質部材の成形に
際して、プレス成形を用いないため、気孔率の高い焼結
体を容易に得ることができる。更に、完全焼結体様の多
孔質体とされるため、骨格壁部1に微細な開気孔が形成
されるのを抑制することができる。
【0039】このようにして得られた本発明の生体用セ
ラミックス多孔質部材は、生体内の骨組織形成促進性に
優れ、かつ強度特性に優れているため、人工骨、人工骨
補填材等に適している。特に、ハイドロキシアパタイト
焼結体は人工骨、人工骨補填材に好適である。
【0040】
【実施例】「実施例1」平均粒径0.3μmのハイドロ
キシアパタイト[Ca10(PO4 6 (OH) 2 ]粉末
100重量部に架橋重合性樹脂としてポリエチレンイミ
ン(Mn8000〜10500)10.5重量部を添加
し、分散媒として超純水70重量部を用いて混合・解砕
し、スラリーを調製した。次いで、該スラリーに起泡剤
(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)0.3重量部
を添加して攪拌し、起泡させた。更に架橋剤(ソルビト
ールポリグリシジルエーテル)3.5重量部を加えて泡
構造を固定した後、その泡沫状スラリーを成形型に入れ
て乾燥し、次いで1200℃で約1時間焼結してハイド
ロキシアパタイト多孔焼結体(生体用セラミックス多孔
質部材)試料片(100×100×100mm)を得
た。この試料片の一部を用いて、水銀圧入法により該試
料の気孔径分布を測定した。その結果を図9に示した。
【0041】図9より、この生体用セラミックス多孔質
部では、気孔径5μm以上の細孔が97%以上で、気孔
径5μm未満の微細開気孔は非常に少ないないことが判
明した。また、嵩比重と真比重より求めた気孔率は、7
5%であった。次に、この多孔焼結体試料の曲げ強度を
測定したところ、8MPaであった。
【0042】「比較例1」市販のリン酸カルシウム系焼
結体3種[(A);図4に示した試料(A社製、:HA
p(ハイドロキシアパタイト)気孔率70%、(B);
図5に示した試料(B社製)HAp70%、βーTCP
(リン酸三カルシウム)30%、気孔率55%、
(C);図6に示した試料(C社製)、βーTCP、気
孔率75%]を用意し、夫々の焼結体の気孔分布を水銀
圧入法により求めた結果を図10〜図12に示す。これ
らの図より、従来品の多孔焼結体には、実施例に比較し
て気孔径5μm未満の微細な開気孔がかなり多く存在す
ることが認められた。なお、これらの曲げ強度は、Aが
2MPa、Bが4MPa、Cが3MPaであった。
【0043】「参考例1」実施例1の試料片から直径1
0mm、長さ4mmの小片を作製し、常法に従って滅菌
した後、ネズミの背中に埋植した。その結果、2週間後
には多孔体内に細胞が進入していることが観察され、こ
れは市販品Aの場合より1週間早かった。
【0044】なお、上記実施形態において、人工骨、人
工骨補填剤に適している旨、説明したが、本発明にかか
る生体用セラミックス多孔質部材は、生体内に埋入する
薬剤徐放材や細胞培養のための担体等にも好適に使用で
きる。特に、生体用セラミックス多孔質部材として、リ
ン酸三カルシウムは薬剤徐放材に好適である。
【0045】
【発明の効果】本発明にかかる生体用セラミックス多孔
質部材は、特定構造のリン酸カルシウム系焼結体からな
るため、生体内での骨組織形成速度が速く、かつ強度特
性に優れ、特に、人工骨、人工骨補填材、生体内埋入薬
剤徐放材として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる生体用セラミックス多
孔質部材を構成するリン酸カルシウム系焼結体の一断面
における多孔質構造を模式的に示した図である。
【図2】図2は、従来品の生体用セラミックス多孔質部
材の一断面における典型的な多孔質構造を模式的に示し
た図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態にかかるハイドロキ
シアパタイトからなる生体用セラミックス多孔質部材の
電子顕微鏡写真を示した図である((a)×35倍、
(b)×150倍、(c)×10,000倍)。
【図4】図4は、従来品の生体用セラミックス多孔質部
材を示す電子顕微鏡写真を示した図である((a)×3
5倍、(b)×150倍、(c)×10,000倍)。
【図5】図5は、従来品の生体用セラミックス多孔質部
材を示す電子顕微鏡写真を示した図である((a)×3
5倍、(b)×150倍、(c)×10,000倍)。
【図6】図6は、従来品の生体用セラミックス多孔質部
材を示す電子顕微鏡写真を示した図である((a)×3
5倍、(b)×150倍、(c)×10,000倍)。
【図7】図7は、従来品の生体用セラミックス多孔質部
材を示す電子顕微鏡写真を示した図である((a)×3
5倍、(b)×150倍、(c)×10,000倍)。
【図8】図8は、従来品の生体用セラミックス多孔質部
材を示す電子顕微鏡写真を示した図である((a)×3
5倍、(b)×150倍、(c)×10,000倍)。
【図9】図9は、本発明の生体用セラミックス多孔質部
材(図3の試料)の水銀圧入測定法による細孔分布を示
した図である。
【図10】図10は、従来品(図4の試料)の水銀圧入
測定法による細孔分布を示す図である。
【図11】図11は、従来品(図5の試料)の水銀圧入
測定法による細孔分布を示す図である。
【図12】図12は、従来品(図6の試料)の水銀圧入
測定法による細孔分布を示す図である。
【図13】図13は、従来品(図7の試料)の水銀圧入
測定法による細孔分布を示す図である。
【図14】図14は、従来品(図8の試料)の水銀圧入
測定法による細孔分布を示す図である。
【図15】図15は、骨格壁部の表面の粒子の間に形成
される凹凸の様子を説明する断面の模式図である。
【符号の説明】
1 骨格壁部 2 開気孔 2’ 連球状開気孔 3 開口 4 微小凹凸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茶木 勝弘 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミ ックス株式会社 開発研究所内 (56)参考文献 特開2000−302567(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の気孔が三次元的に密に分布し、隣
    接する気孔同士がそれらを区画する骨格壁部において相
    互に連通した連球状開気孔を有するリン酸カルシウム系
    焼結体からなる生体用セラミックス多孔質部材におい
    て、 前記リン酸カルシウム系焼結体を水銀ポロシメータによ
    り測定した細孔径分布における孔径5ミクロン(μm)
    以上の開気孔の気孔体積が、全気孔体積の80%以上で
    あり、前記リン酸カルシウム系焼結体の孔径5ミクロン
    (μm)未満の開気孔の気孔体積が、全気孔体積の20
    %未満であることを特徴とする生体用セラミックス多孔
    質部材。
  2. 【請求項2】 前記リン酸カルシウム系焼結体の水銀ポ
    ロシメータによる細孔径分布における累積体積分率50
    %に対応する気孔径が、10〜600ミクロン(μm)
    の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載された生
    体用セラミックス多孔質部材。
  3. 【請求項3】 前記リン酸カルシウム系焼結体の気孔率
    が、45%〜90%であることを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載された生体用セラミックス多孔質部
    材。
  4. 【請求項4】 前記リン酸カルシウム系焼結体が、ハイ
    ドロキシアパタイト、リン酸三カルシウム及びそれらの
    複合材料から選ばれた一種の焼結体であることを特徴と
    する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された生体
    用セラミックス多孔質部材。
  5. 【請求項5】 前記骨格壁部の表面が、リン酸カルシウ
    ム系粒子を密に敷き詰めた構造であり、表面の任意のリ
    ン酸カルシウム系粒子と、表面にある他の隣接するリン
    酸カルシウム系粒子が形成する平面との間に形成される
    凹凸がリン酸カルシウム系粒子の平均粒子径以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記
    載された生体用セラミックス多孔質部材。
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