JP3470507B2 - 現像ロール及び現像装置 - Google Patents

現像ロール及び現像装置

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JP3470507B2
JP3470507B2 JP15453396A JP15453396A JP3470507B2 JP 3470507 B2 JP3470507 B2 JP 3470507B2 JP 15453396 A JP15453396 A JP 15453396A JP 15453396 A JP15453396 A JP 15453396A JP 3470507 B2 JP3470507 B2 JP 3470507B2
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developing roll
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二朗 岩代
紀雄 神原
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、複写機、プリンタ等の電子写真
画像形成装置において用いられる一成分現像装置におけ
る現像ロールと、それを用いた現像装置に係り、特に、
ゴースト現象の発生をより効果的に解消して、一層良好
な画質を確保する技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】静電潜像保持体上に形成された静電潜像を
現像し、可視像を形成する現像方法としては、その使用
する現像剤の種類等に応じて、従来より、各種の方法が
提案されており、その一つとして、現像剤としてトナー
だけを用いる一成分現像方式が知られている。更に、そ
のような一成分現像方式の中でも、特開昭54−518
48号公報等に明らかにされている如き、一成分系磁性
現像剤を使用した現像方式と、特開昭60−53975
号公報等に明らかにされている如き、一成分系非磁性現
像剤を使用した現像方式とが知られている。
【0003】具体的には、例えば、磁性現像剤を用いた
一成分現像方式にあっては、図1に示される如く、現像
剤担持体たる現像スリーブ乃至は現像ロール2は円筒状
を呈し、その内部にマグネットロール4を配置せしめて
なる構造を有するものであって、この現像ロール2に対
して、トナーボックス6内に収容された一成分系磁性現
像剤(トナー)8が供給され、マグネットロール4の磁
力により、かかる現像ロール2の表面上に保持せしめら
れる一方、現像剤規制部材たるドクターブレード10に
よる付着量の規制によって、現像剤8は、現像ロール2
上に薄層状に付着されると共に、必要な電荷が付与され
るようになっている。
【0004】一方、かかるトナーボックス6の開口部に
設けられた現像ロール2に対向するように、静電潜像保
持体たる感光ドラム12が配置されており、現像ロール
2とは逆方向に回転せしめられるようになっている。な
お、この感光ドラム12は、電極上に光導電性層を有し
た構成からなり、その表面に、一様に帯電させた後に像
光を照射することにより、静電潜像を形成し得るように
なっている。
【0005】そして、現像ロール2において、その表面
に形成された現像剤8の薄層は、現像ロール2の回転に
より、該現像ロール2と感光ドラム12とが対向する現
像領域へと送られるのであるが、現像ロール2には、高
圧交流電源14及び直流電源16から、直流重畳交流電
圧が印加され、感光ドラム12と現像ロール2との間隙
に振動電界が発生せしめられているところから、その振
動電界によって、現像ロール2上の電荷を有する現像剤
8が、感光ドラム12上の静電潜像に飛翔せしめられ、
これによって、現像が行なわれるようになっているので
ある。
【0006】ところで、このような一成分現像装置にお
ける現像ロール2は、通常、図2に拡大して示されてい
るように、アルミニウムやステンレススチール等からな
る円筒状パイプ20と、その外周表面にフェノール樹脂
等の絶縁性高分子材料に導電性カーボン等の導電材料を
適量含有させた半導電性組成物をコーティングしてな
る、所定厚さの半導電性被覆層22とから構成されてな
るものであると共に、初期画像の高画質化のために、更
に、その半導電性被覆層の表面が機械研磨され、粗面化
されて、用いられている。なお、非磁性現像剤を用いる
現像装置においては、現像ロール内にマグネットロール
を配置する必要がないところから、上記の円筒状パイプ
20に変えて、円柱(中実)状形態のものも、使用され
得ることとなる。
【0007】しかしながら、そのような半導電性被覆層
22が設けられてなる現像ロール2を用いた一成分現像
装置にあっては、かかる現像ロール2との摩擦によって
帯電付与が行なわれる一成分系現像剤(トナー)8を用
いるものであるところから、トナー帯電の調整が難し
く、現像ロール2上におけるトナー帯電の履歴による濃
度ムラ、所謂ゴースト現象がプリント紙面上に発生する
問題を内在している。
【0008】特に、現像ロール2のコーティングに用い
られる半導電性組成物のなかの絶縁性高分子材料の選択
において、離型性或いは機械的性質の優れたものだけに
注目して選択し、現像ロール2を作製する場合にあって
は、絶縁性高分子材料の有する一成分現像剤(トナー)
との帯電列の関係から、現像ロール2表面に形成される
トナー層中の現像ロール表面近傍に存在するトナーは、
非常に高い電荷を有することになり、現像ロール2の表
面に、鏡映力により強く引きつけられ、それによって、
トナーと現像ロールの摩擦の機会が持てなくなるため、
トナー層の厚み方向での帯電の傾き、バラツキが生じる
のである。この現象は、現像ロール2の回転に伴って進
行するため、その帯電特性の差に基づき、トナーの消
費、未消費部での現像特性に差が出てしまい、画像濃度
差乃至はムラとなって支障を来すこととなるのであり、
これが、所謂ゴースト現象として認識され、特に、低温
低湿環境下において、著しくなるのである。
【0009】一方、そのようなゴースト現象の発生を考
慮して、それに基づく問題が惹起されないように、前記
した絶縁性高分子材料の選択を行なった場合にあって
は、高温高湿環境下での画像出しにおいて、画像濃度が
低下する問題がある。
【0010】また、かかる現像ロール2においては、そ
の表面に熱的、物理的にトナーが付着し易いという問題
を内在しており、そのため、長期又は連続の使用によ
り、トナーがロール表面に付着して広がる現象、所謂ト
ナーフィルミング現象が生じ、その結果、トナーが充分
に帯電しなくなったり、ロール上にトナーが載り難くな
ったりする問題も内在するものであった。
【0011】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、画像濃度に著しく優れると共に、ゴースト現象の発
生がより効果的に抑制乃至は阻止され得た現像ロールを
提供することにあり、また他の課題とするところは、そ
のような現像ロールを用いて、画質維持性に優れた現像
装置を提供することにある。
【0012】
【解決手段】そして、本発明は、そのような課題を解決
するために、被膜形成性樹脂材料及び導電材料を主成分
とする半導電性の被覆層が表面に形成されてなる、一成
分現像方式に用いられる現像ロールにおいて、前記被膜
形成性樹脂材料として、平均重合度が1000以下のポ
リビニルブチラールとレゾール樹脂とメラミン樹脂との
3成分からなる樹脂組成物を用い、且つそれら3成分
が、重量比にて、次式:0.3≦A/B≦3、0<C/
(A+B)≦0.5(但し、Aはポリビニルブチラール
の量、Bはレゾール樹脂の量、Cはメラミン樹脂の量
を、それぞれ示す)を満足するように配合されているこ
とを特徴とする現像ロールを、その要旨とするものであ
る。
【0013】このように、本発明にあっては、一成分現
像装置に用いられる現像ロールの表面に形成される半導
電性被覆層の構成成分たる被膜形成性樹脂材料として、
特定のポリビニルブチラールとレゾール樹脂とメラミン
樹脂との3成分からなる樹脂組成物を用いると共に、そ
れら3成分を所定の割合において配合せしめたところ
に、大きな特徴を有しているのである。即ち、そのよう
な特定の3成分からなる樹脂組成物は、公知の各種の樹
脂材料の中から、本発明者らによる綿密なテストと試行
錯誤の結果、半導電性被覆層を構成する被膜形成性樹脂
材料に有用なものとして見出されたものであって、それ
ら3成分を所定割合にて配合してなる樹脂組成物を用い
て形成された半導電性被覆層を有する現像ロールにおい
ては、高温高湿環境下においても、高い画像濃度を与え
ると共に、帯電特性における差の発生が効果的に抑制乃
至は阻止され得て、現像剤の消費、未消費部での現像特
性に差が出るようなこともなく、以てゴースト現象の発
生が、極めて効果的に回避され得ることとなったのであ
る。
【0014】なお、かかる本発明に従う現像ロールにお
いて、前記被膜形成性樹脂材料として用いられる樹脂組
成物を構成するポリビニルブチラールは、有利には、3
00〜800の平均重合度を有しており、これによっ
て、ベタ黒濃度にて代表される画質特性の更なる改善が
達成され得るのである。
【0015】また、本発明は、上記した課題の達成のた
めに、静電潜像保持体上に形成された静電潜像を、現像
ロール上に担持せしめた一成分現像剤により現像して顕
像化するようにした、一成分現像方式の現像装置におい
て、該現像ロールが、その表面に形成された、被膜形成
性樹脂材料及び導電材料を主成分とする半導電性の被覆
層を有すると共に、該被膜形成性樹脂材料として、平均
重合度が1000以下のポリビニルブチラールとレゾー
ル樹脂とメラミン樹脂との3成分からなる樹脂組成物を
用い、且つそれら3成分が、重量比にて、次式:0.3
≦A/B≦3、0<C/(A+B)≦0.5(但し、A
はポリビニルブチラールの量、Bはレゾール樹脂の量、
Cはメラミン樹脂の量を、それぞれ示す)を満足するよ
うに配合されていることを特徴とする現像装置をも、そ
の要旨とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】ところで、本発明において被膜形
成性樹脂材料として用いられる樹脂組成物を構成する3
成分のうちの一つであるポリビニルブチラールは、よく
知られているように、ポリビニルアルコールを酸触媒の
存在下にブチルアルデヒドと反応させて得られる環状ア
セタール構造を有する樹脂であって、見掛け上、ビニル
ブチラール単位、酢酸ビニル単位及びビニルアルコール
単位からなるターポリマー構造を有するものであるが、
本発明では、そのようなポリビニルブチラールの(数)
平均重合度が1000以下のものが用いられることとな
る。けだし、ポリビニルブチラールの(数)平均重合度
が1000を越えるようになると、トナーフィルミング
現象が惹起されて、現像特性、ひいては画質に悪影響を
もたらすようになるからである。特に、トナーフィルミ
ング性の問題をより一層効果的に解消する上において、
ポリビニルブチラールの平均重合度は800以下、30
0以上とすることが望ましい。
【0017】また、かかる樹脂組成物を構成する3成分
のうちの残りの2成分の一方は、レゾール樹脂である
が、それも、よく知られているように、ホルムアルデヒ
ドとフェノールをアルカリ触媒で縮合反応させて得られ
る、反応性のメチロール基を有する初期縮合物であり、
上記ポリビニルブチラールとの間において(縮合)反応
を惹起して、硬化物(被膜)を与えるものである。更
に、残りのものの他の一つであるメラミン樹脂も、メラ
ミンとホルムアルデヒドを反応させて得られた、加熱に
より硬化せしめられ得る、通常の樹脂材料であって、必
要に応じて一価アルコールでエーテル化されたもの等が
用いられる。かかるメラミン樹脂は自己縮合する他、ポ
リビニルブチラールとレゾール樹脂との硬化反応にも寄
与し、化学的に結合した形態においても、硬化物中に存
在しているものである。特に、このメラミン樹脂は、ポ
リビニルブチラールやレゾール樹脂との結合や自己縮合
等にて、それら樹脂成分と一体化して、極性の強い樹脂
成分として働き、形成される半導電性被覆層によるトナ
ーの帯電を制御し、以てベタ黒濃度の如き画質特性を著
しく向上せしめる。
【0018】そして、それら3成分は、ポリビニルブチ
ラールの使用量をA(重量部)とし、またレゾール樹脂
の使用量をB(重量部)とし、更にメラミン樹脂の使用
量をC(重量部)としたときに、次式:0.3≦A/B
≦3、及び0<C/(A+B)≦0.5を満足する割合
において配合せしめられ、目的とする被膜形成性樹脂材
料としての樹脂組成物とされる。なお、かかる式におい
て、A/Bの値が0.3よりも小さくなると、ベタ黒濃
度にて代表される画質特性が悪化し、また3よりも大き
くなると、ポリビニルブチラールの割合が多くなって、
その有効な硬化を行ない難く、従って形成される半導電
性被覆層の特性が低下するようになる。特に、A/Bの
値としては、0.5〜2が好ましいのである。また、C
/(A+B)の値としても、トナーの帯電制御を有効に
行なう上において、0.5以下とする必要があるのであ
り、なかでも0.01〜0.1の範囲内の値が好適に採
用されることとなる。
【0019】本発明は、かくの如き特定の被膜形成性樹
脂材料(3成分からなる樹脂組成物)を用いて、現像ロ
ールの半導電性被覆層を形成したものであって、そのよ
うな現像ロールは、前記した図1や図2に示される如
き、公知の構造を有するものである。因みに、そのよう
な現像ロール(2)を構成するスリーブ基体としての円
筒状パイプ(20)は、従来と同様に、アルミニウム、
ニッケル、耐食鋼(ステンレス鋼)等の金属若しくはそ
の合金を用いて、円筒状に成形されてなるものであっ
て、その表面を電解、ブラスト、やすり等で所定の粗度
になるように処理したものが、一般に用いられることと
なるのである。
【0020】そして、かかる円筒状パイプ(20)の外
周表面に所定厚さで設けられて、本発明に従う現像ロー
ル(2)を与える半導電性被覆層(22)は、前記した
本発明に従うポリビニルブチラールとレゾール樹脂とメ
ラミン樹脂とからなる樹脂組成物を被膜形成性樹脂材料
として用い、これと導電材料とを主成分とする半導電性
組成物のコーティングによって形成されるものであり、
その際に用いられる導電材料としては、従来と同様なも
のが用いられ得るのである。具体的には、例えば、金属
粉末の他、C−TiO2 、C−ZnO等の導電性化合
物;グラファイト、カーボンブラック、カーボン繊維等
の導電性粉末や導電性繊維が挙げられ、また、ZnO、
SnO2 、TiO2 、In23 、MoO等の金属酸化
物も用いられ得るものである。
【0021】また、かかる本発明に従う特定の被膜形成
性樹脂材料と導電材料とを主成分とし、更に必要に応じ
て、他の公知の各種添加剤を添加せしめてなる半導電性
組成物は、目的とする半導電性被覆層(22)を形成す
るために、所定の溶媒を用いたコーティング液に調製さ
れることとなる。なお、その際の被膜形成性樹脂材料と
導電材料との配合割合は、目的とする半導電性被覆層
(22)の体積抵抗率に応じて、適宜に選択されること
となるが、一般に、被膜形成性樹脂材料の100重量部
に対して、導電材料は50〜150重量部の割合で配合
されて、分散せしめられることとなる。また、そのよう
にして形成された、目的とする半導電性被覆層(22)
の体積抵抗率は、一般に、103 〜107 Ωcm程度と
されることとなる。
【0022】さらに、上記の半導電性組成物のコーティ
ング液を用いた円筒状パイプ(20)に対するコーティ
ング操作は、公知の各種の手法に従って実施され得るも
のであって、例えば、ディッピング手法では、かかるコ
ーティング液中に円筒状パイプ(20)を浸漬して、引
き上げ、乾燥させた後、加熱処理(架橋硬化)すること
により、目的とする半導電性被覆層(22)が形成せし
められることとなる。何れにしても、円筒状パイプ(2
0)の表面に形成された半導電性組成物のコーティング
層に対しては、その硬化(架橋)反応のために、一般に
100〜200℃程度、好ましくは130〜180℃程
度の温度下において、30分〜1時間程度の加熱処理が
施される必要があり、それによって、かかる半導電性組
成物中のポリビニルブチラール、レゾール樹脂及びメラ
ミン樹脂の架橋乃至は縮合反応が惹起せしめられ、以て
目的とする半導電性被覆層(22)が形成されるのであ
る。
【0023】なお、そのような円筒状パイプ(20)上
に形成される半導電性被覆層(22)は、通常、10μ
m〜150μmの膜厚で設けられることとなり、望まし
くは20〜70μmの膜厚で形成されることとなる。ま
た、この半導電性被覆層(22)は、図2の如く、一層
のみから構成される場合の他、必要に応じて2層以上の
積層構造において構成されていても、何等差し支えな
い。更に、かかる半導電性被覆層(22)の表面には、
必要に応じて、従来と同様な研磨操作が施され、表面の
粗面化が図られることとなる。
【0024】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0025】実施例 1 先ず、下記表1に示される各種の数平均重合度のポリビ
ニルブチラール(PVB:電気化学工業株式会社製デン
カブチラール)を含む各種の樹脂組成物を調製した。な
お、レゾール樹脂(R)としては、住友デュレズ株式会
社製PR−50385を用い、またメラミン樹脂(M)
としては、大日本インキ化学工業株式会社製スーパーベ
ッカミンL−117(自己縮合型ブチル化メラミン樹
脂)を用いた。そして、この樹脂組成物の、下記表1に
示される各成分の配合量のものを、メチルエチルケトン
やメタノール等の適当な溶媒に溶解乃至は分散せしめた
後、導電材料としてのカラー用カーボンブラック(CC
B:三菱化学株式会社製カラーカーボン#2300)の
100重量部を配合して、ボールミル中において均一に
混合、分散せしめ、250cpsの粘度に調整した半導
電性被覆層形成用の各種コーティング液を得た。
【0026】
【表1】
【0027】次いで、直径:20.2mm、厚み:0.
7mmのアルミニウム製円筒体(パイプ)を準備して、
それを前記各種のコーティング液中に浸漬せしめた後、
引き上げ、そして乾燥させた後、加熱処理(架橋硬化)
することにより、50μmの膜厚において、かかる円筒
体の外周面上に半導電性被覆層を形成して、目的とする
各種の現像ロールを得た。更に、その後、この形成され
た半導電性被覆層の表面を、従来と同様にしてヘアライ
ン仕上げして(軸方向)、JIS規定のRaが約1.2
μmとなるように、粗面化した。
【0028】そして、かくして得られた各種の現像ロー
ルについて、それらを、それぞれ、一成分系磁性現像剤
を用いる市販の複写機に組み込み(感光ドラムと現像ロ
ールとの間は300μmとした)、以下のようにして、
画像濃度(ベタ黒濃度)、トナーフィルミング性及びゴ
ーストについての画質評価を行ない、その結果を、下記
表2に示した。
【0029】なお、画像濃度に関しては、上記の現像ロ
ールを組み込んでなる複写機を用いて、28℃×85%
RH環境下において画像出しを行ない、最大濃度でベタ
黒コピーを取り、そしてそのコピーの濃度をマクベス社
製の反射濃度計により測定した。なお、この測定値が大
きくなる程、高濃度であることを示している。
【0030】また、トナーフィルミング性の評価につい
ては、上記のベタ黒コピー3000枚後のベタ黒濃度を
上記と同様にして測定し、初期濃度に対する濃度低下の
度合が0.05未満の場合には○、0.05以上0.1
未満の場合には○- 、0.1以上0.15未満の場合に
は△、0.15以上0.2未満の場合には△- 、0.2
以上の場合には×として評価した。
【0031】さらに、ゴースト評価については、10℃
×15%RH環境下における画像出しにより、最大濃度
で所定大きさのベタ黒部のコピーを連続的に取り、ゴー
スト現象の発生の有無を評価した。なお、ゴースト部
は、紙の進行方向において、ベタ黒部から現像ロール一
回転分(1ピッチ)の距離に現れるものであるところか
ら、コピーにおけるベタ黒部のプリント部分から現像ロ
ール1ピッチ分離れた位置における部位の濃度とベタ黒
部との間の部分の濃度との差を、目視観察により、G0
(ゴースト全くなし)〜G4(ゴースト顕著)のグレー
ド判定を行ない、G0〜G1の場合に○:良好、G2の
場合に△:やや差が見られる、G3以上の場合に×:明
らかに像が区別出来る、の3段階表示により、評価し
た。
【0032】なお、下記表2には、参考例として、ステ
ンレススチール(SUS)パイプのみからなる現像ロー
ルの場合(参考例1)と、被膜形成性樹脂材料としてレ
ゾール樹脂のみを用い、上記と同様にして、半導電性被
覆層を形成してなる場合(参考例2)、更にはレゾール
樹脂と共にメラミン樹脂を用い、上記と同様にして、半
導電性被覆層を形成してなる場合(参考例3)について
も、同様に画質評価を行ない、その得られた結果が併せ
示されている。
【0033】
【表2】
【0034】かかる表1及び表2の対比より明らかなよ
うに、本発明に従う現像ロールを用いた発明例1〜6に
おいては、優れた画像濃度において、且つトナーフィル
ミング性の問題を何等惹起することなく、またゴースト
現象を何等発生させることなく、安定したプリント特性
を得ることが出来た。これに対して、ステンレススチー
ルパイプのみからなる現像ロールを用いる参考例1の場
合においては、ベタ黒部の現像履歴によるゴーストの発
生が認められ、またレゾール樹脂を主体とする樹脂材料
にて半導電性被覆層を形成してなる参考例2及び3の場
合にあっては、何れも、ベタ黒濃度において不充分であ
り、更に比較例1〜10の現像ロールにあっては、ベタ
黒濃度において、今一つ、充分でないものであったり、
トナーフィルミング性において劣るものとなった。
【0035】実施例 2 平均重合度が800であるポリビニルブチラール(PV
B:電気化学工業株式会社製デンカブチラール)を用
い、このポリビニルブチラール(PVB)とレゾール樹
脂(R)の使用量を、下記表3に示される如く、種々異
ならしめること以外は、実施例1と同様にして、ポリビ
ニルブチラールとレゾール樹脂とメラミン樹脂とからな
る各種の樹脂組成物を準備した後、更に、そのような樹
脂組成物を用いて、実施例1と同様にして、アルミニウ
ム製円筒体表面に半導電性被覆層を形成し、目的とする
現像ロールの各種のものを作製した。
【0036】そして、それら得られた各種の現像ロール
について、実施例1と同様にして、ベタ黒濃度、トナー
フィルミング性及びゴーストについての画像評価を行な
い、その結果を下記表3に併せ示した。
【0037】
【表3】
【0038】かかる表3の結果から明らかなように、本
発明に従う現像ロールを用いた発明例7〜10にあって
は、ベタ黒濃度、トナーフィルミング性及ゴーストの点
において、優れた特性を有していることを認めた。これ
に対して、メラミン樹脂に代えて、帯電制御剤として公
知のLiClO4 を用いた比較例11の現像ロールにあ
っては、かかるLiClO4 は帯電制御剤の他にも、イ
オン導電剤の機能を有するものであるところから、帯電
性が大となり、画像に悪影響をもたらし、ゴーストの発
生が認められる。このことより、トナーの帯電制御のし
易さの点において、メラミン樹脂が優れていることは、
明らかである。また、ポリビニルブチラールとレゾール
樹脂との比が本発明の範囲外となる、比較例12や13
の現像ロールにあっては、トナーフィルミング性及びベ
タ黒濃度の何れかにおいて、劣るものとなるのである。
【0039】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従う現像ロール及びそれを用いた現像装置にあって
は、その半導電性被覆層を構成する被膜形成性樹脂材料
として、所定重合度のポリビニルブチラールとレゾール
樹脂とメラミン樹脂とを特定割合において配合せしめて
なる樹脂組成物を用いていることによって、現像ロール
表面に形成される現像剤層において、その厚み方向での
帯電の傾き乃至はバラツキの発生を効果的に抑制し、以
て現像剤の消費、未消費部での現像特性に差が生じない
ようにして、ゴースト現象の発生を有利に抑制乃至は阻
止し得たものであり、しかも、トナーフィルミングを効
果的に抑制乃至は阻止して、著しく優れた濃度におい
て、良好な画質を形成し得ることとなり、そこに、本発
明の大きな技術的意義が存するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な現像装置の構成の一例を示す説明図で
ある。
【図2】図1の現像装置に用いられている現像ロールの
断面部分拡大図である。
【符号の説明】
2 現像ロール 4 マグネットロール 6 トナーボックス 8 現像剤 10 ドクターブレード 12 感光ドラム 14 高圧交流電源 16 直流電源 20 円筒状パイプ 22 半導電性被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−110602(JP,A) 特開 平7−82386(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被膜形成性樹脂材料及び導電材料を主成
    分とする半導電性の被覆層が表面に形成されてなる、一
    成分現像方式に用いられる現像ロールにおいて、前記被
    膜形成性樹脂材料として、平均重合度が1000以下の
    ポリビニルブチラールとレゾール樹脂とメラミン樹脂と
    の3成分からなる樹脂組成物であって、且つそれら3成
    分が、重量比にて、次式:0.3≦A/B≦3、0<C
    /(A+B)≦0.5(但し、Aはポリビニルブチラー
    ルの量、Bはレゾール樹脂の量、Cはメラミン樹脂の量
    を、それぞれ示す)を満足するように配合されている
    のを用い、更に、それらポリビニルブチラールとレゾー
    ル樹脂とメラミン樹脂との架橋乃至は縮合反応によっ
    て、前記被覆層が形成されていることを特徴とする現像
    ロール。
  2. 【請求項2】 前記ポリビニルブチラールが、300〜
    800の平均重合度を有している請求項1に記載の現像
    ロール。
  3. 【請求項3】 静電潜像保持体上に形成された静電潜像
    を、現像ロール上に担持せしめた一成分現像剤により現
    像して顕像化するようにした、一成分現像方式の現像装
    置において、該現像ロールが、その表面に形成された、
    被膜形成性樹脂材料及び導電材料を主成分とする半導電
    性の被覆層を有すると共に、該被膜形成性樹脂材料とし
    て、平均重合度が1000以下のポリビニルブチラール
    とレゾール樹脂とメラミン樹脂との3成分からなる樹脂
    組成物であって、且つそれら3成分が、重量比にて、次
    式:0.3≦A/B≦3、0<C/(A+B)≦0.5
    (但し、Aはポリビニルブチラールの量、Bはレゾール
    樹脂の量、Cはメラミン樹脂の量を、それぞれ示す)を
    満足するように配合されているものを用い、更に、それ
    らポリビニルブチラールとレゾール樹脂とメラミン樹脂
    との架橋乃至は縮合反応によって、前記被覆層が形成さ
    れていることを特徴とする現像装置。
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