JP3469779B2 - リニアモータ駆動往復機構の制御装置 - Google Patents

リニアモータ駆動往復機構の制御装置

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JP3469779B2
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リニアコンプレッ
サーの如くリニアモータを駆動源とする往復機構の制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、冷蔵庫の如き冷却装置において
は、膨張した冷媒ガスを圧縮する装置として、リニアモ
ータによってシリンダー内でピストンを往復駆動してガ
ス圧縮を行なうリニアコンプレッサーの開発が進められ
ている(例えば特願平8−268446号)。
【0003】リニアコンプレッサーにおいては、ピスト
ンが上死点に達したときのピストンヘッドとシリンダー
上壁の間隙(トップクリアランス)が小さい程、高い体積
効率が得られるので、例えばトップクリアランスが10
0μmとなる様、リニアモータの制御が行なわれる。リ
ニアモータの制御においては、ピストンの変位を測定
し、該測定値に基づいてピストンの上死点を検知し、検
知された上死点が目標の上死点に近づく様、フィードバ
ック制御が行なわれる。
【0004】ここで、ピストンの変位を精度良く測定す
るために、レーザ変位計や差動トランスの如く変位に応
じて連続的なセンサー信号が得られる変位センサーを採
用することが可能であるが、この様な変位センサーは小
型化が困難であり、リニアコンプレッサーに内蔵した場
合、大型化を招くため、MRセンサーの如く小型の変位
センサーの採用が検討されている。MRセンサーは、磁
気抵抗効果型素子(MR素子)と、N極とS極が交互に着
磁されたマグネット板から構成され(例えば、平成7年
電気学会全国大会「磁気抵抗(MR)素子とセンサ」参
照)、MR素子がマグネット板と対向して一方向に移動
する過程で、正弦波のセンサー信号を出力するものであ
る。従って、該センサー信号を方形波に変換し、該方形
波をカウントすることによって、変位を測定することが
出来る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、MRセンサ
ーを用いた変位の測定においては、マグネット板の着磁
ピッチによって分解能が決定されるが、分解能の小さな
センサーでは、MR素子とマグネット板との間のギャッ
プを小さく設定する必要があるため、分解能の細かさの
設定には限界がある。従って、MRセンサーをリニアコ
ンプレッサーに装備して、ピストンの変位を測定し、該
測定データに基づいてリニアモータの制御を行なう場
合、MRセンサーの分解能よりも高い精度の位置制御を
行なうことが出来ない。上述の理由から、例えば100
μmの分解能を有する変位センサーを採用する場合に
は、トップクリアランスを100μm以内に精度良く制
御することは困難である。
【0006】本発明の目的は、リニアモータを駆動源と
する往復機構の制御装置において、MRセンサー等の変
位検出器から得られる離散位置データに基づいて、変位
検出器自体が有する分解能よりも高精度の変位測定を実
現し、往復出力部を精度良く位置制御することである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】本発明に係るリニアモータ
駆動往復機構の制御装置は、往復出力部の変位を検知し
て該変位を離散位置データとして出力する変位検出器
と、変位検出器から出力される離散位置データに基づい
て往復出力部の上死点を検知する上死点検知手段と、検
知された上死点に応じてリニアモータを制御するモータ
制御手段とを具え、上死点検知手段は、変位検出器から
出力される離散位置データに基づいて、往復出力部の変
位の時間的変動を正弦波で近似したときの正弦波のピー
ク点を導出し、該ピーク点を往復出力部の上死点として
検知する。ここで、リニアモータ駆動往復機構の往復出
力部とは、リニアモータによって往復駆動される機構部
分であって、例えばリニアコンプレッサーにおいてはピ
ストンである。
【0008】上記制御装置は、リニアモータによって駆
動される往復出力部の変位が正弦波状に変動することを
利用して、往復出力部の上死点を精度良く推定するもの
である。即ち、変位検出器からは一定周期で離散位置デ
ータが出力されるため、これらの離散位置データの最大
値をとったとしても、該位置データは、往復出力部の真
の上死点に対して、変位検出器の分解能(例えば100
μm)を最大とする誤差を有することになる。しかしな
がら、リニアモータによって駆動される往復出力部の変
位は正弦波を描いて変動するので、変位検出器から得ら
れる一連の離散位置データは、高い精度で正弦波上にプ
ロットされることなる。従って、これらの離散位置デー
タによって、往復出力部の変位の時間的変動を表わす正
弦波を規定することが可能であり、該正弦波のピーク点
を往復出力部の真の上死点として検知することが出来る
のである。
【0009】具体的構成において、変位検出器は、往復
出力部が所定の原点位置を通過する時点の離散位置デー
タを零基準値として出力するものであって、例えば、N
極とS極が交互に着磁されたマグネット板に対し、磁気
抵抗効果型素子を対向配備したMRセンサーを採用する
ことが出来る。変位検出器から得られる一連の離散位置
データから前記正弦波を導出する手法としては、フーリ
エ変換などの周知の手法が採用出来るが、変位が高調波
成分の少ない正弦波を描いて変動する場合、下記手法が
簡易であり、且つ高精度の結果が得られる。
【0010】即ち、変位検出器から出力される離散位置
データが、零基準値を負側から正側へクロスした後、再
度、零基準値を負側から正側へクロスするまでの期間内
で、離散位置データが所定の基準変位値を越えているか
どうかを判断して、該基準変位値を超える離散位置デー
タの個数を計数する。ここで、前記期間内に得られる離
散位置データの総数と、基準変位値を超える離散位置デ
ータの個数との比は、正弦波のピーク点(上死点)におけ
る変位と、基準変位値との比によって、一義的に決ま
る。従って、基準変位値を超える離散位置データの個数
を計数すれば、該計数値、前記期間内に得られる離散位
置データの総数、及び基準変位値に基づいて、ピーク点
における変位を算出することが出来る。
【0011】具体的には、基準変位値Std_ST、離散
位置データの出力周期SampT、正弦波の周波数Freq、
及び離散位置データの計数値kに基づいて、下記数2に
よって、ピーク点における変位Max_STを算出するこ
とが出来る。
【数2】Max_ST=Std_ST/sin(π/2−Samp
T・π・Freq・k)
【0012】尚、前記期間内における離散位置データの
最大値が、前記基準変位値を下回っているときは、往復
出力部に対する位置制御の精度が多少低くとも、往復出
力部が限界位置を越える虞れはないので、上記数2によ
るピーク点の変位の算出は省略して、前記最大値を往復
出力部の上死点として検知することが可能である。これ
によって、演算処理の高速化を図ることが出来る。
【0013】
【発明の効果】本発明に係るリニアモータ駆動往復機構
の制御装置によれば、MRセンサー等の変位検出器から
得られる離散位置データに基づいて、変位検出器自体が
有する分解能よりも高精度の変位測定を実現し、往復出
力部を精度良く位置制御することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をリニアコンプレッ
サーに実施した形態につき、図面に沿って具体的に説明
する。本発明に係るリニアコンプレッサー(1)は、図3
に示す如く、円筒状のケーシング(10)の上端部及び下端
部に夫々設けられた一対のシリンダー(11a)(11b)と、シ
リンダー(11a)(11b)内に夫々嵌挿された一対のピストン
(12a)(12b)とを具え、ピストン(12a)(12b)のヘッドとシ
リンダー(11a)(11b)の上壁の間には、一対の圧縮室(13
a)(13b)が形成されている。又、各シリンダー(11a)(11
b)には、圧縮室(13a)(13b)内のガス圧に応じて開閉する
吸入バルブ(14a)(14b)と吐出バルブ(15a)(15b)が取り付
けられている。
【0015】一対のピストン(12a)(12b)は夫々、1本の
ロッド(16)の一方の端部及び他方の端部に連結されてお
り、該ロッド(16)は、一対の軸受け(17a)(17b)及びコイ
ルばね(18a)(18b)によって、ケーシング(10)及びシリン
ダー(11a)(11b)内を往復動自在に支持されている。
【0016】また、リニアコンプレッサー(1)は、ピス
トン(12a)(12b)を往復駆動するためのリニアモータ(20)
を具えている。該リニアモータ(20)はボイスコイルモー
タであって、ヨーク部(10a)及び永久磁石(21)を含む固
定部と、コイル(23)及び円筒状の支持部材(24)を含む可
動部とを具えている。ヨーク部(10a)は、ケーシング(1
0)の一部を構成している。永久磁石(21)は、ヨーク部(1
0a)の内周壁に固定されている。支持部材(24)の一方の
端部は、永久磁石(21)と本体胴部(12)の外周壁の間の円
筒状空間に遊挿され、他方の端部はロッド(16)の中央部
に連結されている。コイル(23)は、支持部材(24)の前記
一方の端部に取り付けられ、永久磁石(21)に対向してい
る。
【0017】ロッド(16)の中央に突設したアーム(160)
には、N極とS極が一定ピッチで交互に着磁されたマグ
ネット板(42)が固定される一方、ケーシング(10)の内面
に形成した突部(100)には、マグネット板(42)に対向し
て、MR素子(41)が取り付けられ、MR素子(41)及びマ
グネット板(42)によって変位センサー(4)が構成されて
いる。該変位センサー(4)は、変位に応じたA相及びB
相の出力と、ロッド(16)が一対のピストン(12a)(12b)の
原点位置に達したときのZ相の出力を有し、100μm
の分解能を発揮するものである。
【0018】上記リニアコンプレッサー(1)は、ピスト
ン(12a)(12b)、ロッド(16)、コイル(23)、及び支持部材
(24)の質量、圧縮室(13a)(13b)のガスのばね定数、コイ
ルばね(18)のばね定数等から決まる共振周波数を有して
おり、該共振周波数は、通常、商用電力の周波数(例え
ば60Hz)付近に設定される。この共振周波数でリニ
アモータ(20)を駆動することにより、上下一対の圧縮室
(13a)(13b)内で交互にガスを圧縮することが出来る。
【0019】図1に示す如く、リニアコンプレッサー
(1)には、モータドライバー(3)、制御回路(5)及びセ
ンサー信号処理回路(6)からなる駆動制御装置(2)が接
続されている。モータドライバー(3)は、リニアコンプ
レッサー(1)のリニアモータに駆動電流Iを供給するも
のである。リニアコンプレッサー(1)のピストンの変位
に応じて変位センサー(4)から出力される正弦波のセン
サー信号Sは、センサー信号処理回路(6)に供給され
て、方形波に変換された後、該方形波の個数がカウント
され、該カウント値に基づいて、ピストンの変位を表わ
す離散位置データPaが作成され、制御回路(5)に供給
される。尚、前記カウント値は、変位センサー(4)から
得られるZ相の信号に基づいてリセットされ、これによ
って、離散位置データPaは、ピストンの原点位置を零
点とする変位を表わすことになる。この結果、制御回路
(5)には、変位センサー(4)からのセンサー信号出力周
期に応じたサンプリングタイムSampTで離散位置デー
タPaが供給されることになる。制御回路(5)は、セン
サー信号処理回路(6)からの離散位置データPaに応じ
て制御信号φcを作成し、該信号をモータドライバー
(3)へ出力して、出力電流Iを制御する。ここで、方形
波のカウントは、制御回路(5)に設けたカウンターによ
って行なう構成も採用可能である。
【0020】図2は、図1に示す制御回路(5)の主要部
の構成を表わしている。図示の如く制御回路(5)は、位
置指令値生成部(30)、位置・速度制御部(31)、電流指令
値生成部(32)、位置・速度検出部(33)、上下死点検出部
(34)、電流・速度位相差検出部(35)、電流ゲイン制御部
(36)、振幅中立位置制御部(37)、及び周波数制御部(38)
から構成されている。
【0021】位置・速度検出部(33)は、センサー信号処
理回路(6)から離散位置データPaを取り入れて、位置
現在値Pnowとするとともに、位置現在値Pnowを
微分して速度現在値Vnowを求める。
【0022】上下死点検出部(34)は、位置・速度検出部
(33)から得られる一連の位置現在値Pnowに基づい
て、ピストン(12a)(12b)の上死点と原点の間の上死点側
振幅、及び下死点と原点の間の下死点側振幅を検出す
る。上死点側振幅及び下死点側振幅の検出は、位置指令
Prefの1サイクルが終了する毎、即ち位置指令Pr
efがゼロクロス点(−→+)を通過するごとに行なわれ
る。
【0023】電流・速度位相差検出部(35)は、位置・速
度検出部(33)で生成された位置現在値Vnowと電流指
令値生成部(32)で生成された電流指令値Irefとの位
相差を検出する。位相差の検出は、位置現在値Pnow
の1サイクルが終了するごと即ち位置現在値Pnowが
ゼロクロス点(−→+)を通過するごとに行なわれる。
【0024】位置指令値生成部(30)は、メモリに格納さ
れたサインテーブルと、振幅Aと、角周波数ωと、シフ
ト量Bと、式Pref=Asinωt+B(正弦関数)
とに基づいて位置指令値Prefを生成し、生成した位
置指令値Prefを位置・速度制御部(31)に与える。
【0025】位置・速度制御部(31)は、位置指令値生成
部(30)で生成された位置指令値Prefと位置・速度検
出部(33)で生成された位置現在値Pnowと偏差Pre
f−Pnowに基づいて速度指令値Vrefを生成し、
更に速度指令値Vrefと位置・速度検出部(33)で生成
された速度現在値Vnowとの偏差Vref−Vnow
に基づいて速度制御値Vcを生成する。
【0026】電流指令値生成部(32)は、位置・速度制御
部(31)で生成された速度制御値Vcと、電流ゲインGi
と、式Iref=GiVcとに基づいて電流指令値Ir
efを生成し、更に電流指令値Irefを制御信号φc
に変換してモータドライバー(3)に与える。モータドラ
イバー(3)の出力電流Iの制御は、例えばPWM方式で
行なわれる。
【0027】電流ゲイン制御部(36)は、上下死点検出部
(34)で検出された上死点側振幅及び下死点側振幅を比較
し、上死点側振幅及び下死点側振幅のうちのいずれか大
きい方を最大振幅現在値Anowとし、この最大振幅現
在値Anowが予め定められた最大振幅目標値Aref
に一致するように電流指令値生成部(32)で用いられる電
流ゲインGiの値をピストン(12a)(12b)の振動の1サイ
クルごとに制御する。また、電流ゲイン制御部(36)は、
ピストン(12a)(12b)の振動の数百(例えば300)サイ
クルに1回、電流・速度位相差検出部(35)で検出された
位相差が予め定められた許容値を越えているかどうかを
判断し、越えている場合は電流指令値生成部(32)で用い
られる電流ゲインGiの値を数%減少させる。このよう
に位置・速度制御部(31)による位置・速度制御に加えて
最大振幅の制御を行ない、かつ周波数制御に先立って電
流ゲインGiを数%減少させることにより、ピストン(1
2a)(12b)のヘッドとシリンダー(11a)(11b)の上壁との衝
突を確実に回避することが出来る。
【0028】振幅中立位置制御部(37)は、上下死点検出
部(34)で検出された上死点側振幅及び下死点側振幅を比
較し、上死点側振幅と下死点側振幅の差が小さくなるよ
うに位置指令値生成部(30)で用いられるシフト量Bを位
置指令値Prefの1サイクルが終了するごとに制御す
る。即ち振幅中立位置制御部(37)は、上死点側振幅の方
が下死点側振幅よりも大きい場合はシフト量Bを負側
(下方向)に補正し、上死点側振幅の方が下死点側振幅
よりも小さい場合はシフト量Bを正側(上方向)に補正
する。通常、シフト量Bはバルブの非対称性等の装置の
特性によりほぼ一定になるため、シフト量Bの1回あた
りの制御量は小さな値(例えば1μm)に設定されてい
る。このようにシフト量Bを制御することにより、一対
のピストン(12a)(12b)のトップクリアランスを同等に精
度よく制御することができる。
【0029】周波数制御部(38)は、電流・速度位相差検
出部(35)によって検出された位相差が予め定められた許
容値を越えているかどうかを判断し、越えている場合は
位相差がなくなるように位置指令値生成部(30)で用いら
れる角周波数ωを補正する。位相差の補正は、電流ゲイ
ン制御部(36)によって電流ゲインGiの値を数%減少す
るのとほぼ同時に行なわれる。これにより、位相差の補
正によって効率が改善され、ピストン(12a)(12b)の振幅
が大きくなってピストン(12a)(12b)のヘッドがシリンダ
ー(11a)(11b)の上壁に衝突することが防止される。
【0030】図4〜図6は、図1で示した制御回路(5)
の動作を示すフローチャートである。このフローチャー
トに従って、図1〜3に示すリニアコンプレッサー(1)
及び駆動制御装置(2)の動作について説明する。
【0031】まず位置指令値生成部(30)で位置指令値P
refが生成され、位置・速度制御部(31)で速度制御値
Vcが生成され、位置・速度制御部(31)で制御信号φc
が生成される。モータドライバー(3)からリニアモータ
(20)のコイル(23)に電流が供給されると、リニアモータ
(20)の可動部が往復運動を開始して、ガスの圧縮が開始
される。
【0032】図4のステップS1では、位置・速度検出
部(33)によって離散位置データPaの読み込みが行なわ
れ、ステップS2では、位置・速度検出部(33)によって
位置現在値Pのw及び速度現在値Vnowが算出され
る。ステップS3では、位置・速度制御部(31)によって
速度制御が行なわれる。即ち、位置・速度制御部(31)
は、速度指令値Vrefと速度現在値Vnowとの偏差
に基づいて速度制御値Vcを生成し電流指令値生成部(3
2)に与える。
【0033】ステップS4では、電流指令値生成部(32)
によって速度制御値Vcと電流ゲインGiの積である電
流指令値Irefが生成され、ステップS5において電
流指令値生成部(32)から電流指令値Irefに応じた電
流指令データ即ち制御信号φcがモータドライバー(3)
に出力される。ステップS6にて、制御回路(5)に含ま
れる第1カウンタ(図示せず)のカウント値がインクリ
メント(+1)され、ステップS7において第1カウン
タのカウント値が設定値(例えば3)に到達したか否か
が判断される。
【0034】ステップS7にて第1カウンタのカウント
値が設定値に到達していた場合は、ステップS8に移行
し、位置指令値生成部(30)において位置補正量及び周波
数設定値に基づいて振幅A及び角周波数ωが生成され、
更に、サインテーブル、振幅A、シフト量B及び角周波
数ωに基づいて、位置指令値Pref=Asinωt+
Bが生成される。ステップS9では、位置・速度制御部
(31)によって位置制御が行なわれる。即ち位置・速度制
御部(31)は、位置指令値Prefと位置現在値Pnow
の偏差に基づいて速度指令値Vrefを生成する。位置
制御が終了した後、ステップS10にて第1カウンタの
カウント値がリセットされる。
【0035】ステップS7において第1カウンタのカウ
ント値が設定値に到達していない場合は、ステップS8
〜S10は実行されない。次いでステップS11にて位
置指令値Prefの1サイクルが終了したか否かが判断
される。
【0036】ステップS11において位置指令値Pre
fの1サイクルが終了したと判断した場合は、図5のス
テップS12〜S17に移行し、上下死点検出部(34)に
よって、位置・速度検出部(33)から得られる位置現在値
Pnowに基づいてピストン(12a)(12b)の上死点側振幅
及び下死点側振幅が算出される。
【0037】図7は、該算出手続きの原理を表わしてい
る。センサー信号処理回路(6)からは、図示の如く一定
のサンプリングタイムSampTで離散位置データが得ら
れ、これらのデータは、一定周波数Freqを有する正弦
波を描くことになる。ここで、離散位置データが負の値
から正の値へクロスした後、正の値から負の値へゼロク
ロスするまでのT/2周期内で所定の基準ストロークS
td_STを越える期間をt、該期間tに対応する円座標
上の角度をθ、該期間t内に得られる離散位置データの
個数をkとした場合、図中の角度θ′と、基準ストロー
クStd_STと、上死点位置における変位Max_STとの
間には、下記数3の関係が成り立つ。
【0038】
【数3】 また、図中の角度θと、基準ストロークStd_ST
と、上死点位置における変位Max_STとの間には、
下記数4の関係が成り立つ。
【数4】
【0039】又、前記期間tは、角度θを用いて下記数
5で表わすことが出来る。
【数5】t=θ/(2π・Freq)
【0040】数4と数5を整理し、更にt=k×Sam
pTの関係式を用いて、式を整理すると、下記数6が得
られる。
【数6】
【0041】従って、基準ストロークStd_ST、サン
プリングタイムSampT、正弦波の周波数Freq、及び離
散位置データの個数kに基づいて、上記数6によって、
上死点における変位Max_STを算出することが出来る
のである。
【0042】そこで、先ず図5のステップS12にて、
上死点側のカウント値が0を越えているかどうかを判断
し、ノーのときはステップS13に移行して、位置現在
値の最大値を最大ストローク(上死点側振幅)とする。
又、ステップS12にてイエスと判断されたときは、ス
テップS14に移行し、上記数6を用いて上死点におけ
る変位(最大ストローク)Max_STを算出する。次にス
テップS15では、下死点側のカウント値が0を越えて
いるかどうかを判断し、ノーのときはステップS16に
移行して、位置現在値の最小値を最小ストローク(下死
点側振幅)とする。又、ステップS15にてイエスと判
断されたときは、ステップS17に移行し、上記数6を
用いて下死点における変位(最小ストローク)Max_ST
を算出する。
【0043】その後、ステップS18では、上死点側振
幅と下死点側振幅の大小関係が比較され、上死点側振幅
の方が下死点側振幅より大きい場合は、ステップS19
に移行し、振幅中立位置制御部(37)によってシフト量B
の補正量として負の補正量が設定され、ステップS20
では、最大振幅現在値Anowとして上死点側振幅が設
定される。
【0044】ステップS18における大小比較の結果、
下死点側振幅の方が上死点側振幅より大きい場合は、ス
テップS21に移行し、振幅中立位置制御部(37)によっ
てシフト量Bの補正量として正の補正量が設定され、ス
テップS22では、最大振幅現在値Anowとして下死
点側振幅が設定される。ステップS23において電流ゲ
イン制御部(36)によって最大振幅現在値Anowが最大
振幅目標値Arefに一致するように電流ゲインGiが
制御、設定された後、ステップS24に移行し、上下死
点検出部(34)において位置現在値Pnowの最大値及び
最小値がリセットされる。続いて、ステップS25で
は、上死点側のカウンタをリセットすると共に、下死点
側のカウンタをリセットする。
【0045】一方、図4のステップS11にて位置指令
値Prefの1サイクルが終了しなかったと判断した場
合は、ステップS12〜S25は実行されない。次いで
ステップS26では、上下死点検出部(34)において位置
現在値Pnowの最大値及び最小値の検出・保持が行な
われる。
【0046】その後、図6のステップS27に移行し
て、位置現在値が上死点側基準ストロークを越えている
かどうかを判断し、イエスのときはステップS28にて
上死点側カウンタをインクリメントした後、ノーのとき
はステップS28を実行することなく、ステップS29
に移行する。ステップS29では、位置現在値が下死点
側基準ストロークを越えているかどうかを判断し、イエ
スのときはステップS30にて下死点側カウンタをイン
クリメントした後、ノーのときはステップS30を実行
することなく、ステップS31に移行する。
【0047】ステップS31では、位置現在値Pnow
の1サイクルが終了したか否かが判断される。ここで、
位置現在値Pnowの1サイクルが終了したと判断され
た場合は、ステップS32に移行し、電流・速度位相差
検出部(35)によって電流指令値Irefと速度現在値V
nowの位相差が検出される。次に、ステップS33に
おいて第2カウンタ(図示せず)のカウント値がインク
リメントされ、ステップS34において第2カウンタの
カウント値が設定値(300)に到達したか否かが判断
される。
【0048】ステップS34において第2カウンタのカ
ウント値が設定値に到達したと判断された場合は、ステ
ップS35に移行し、電流指令値Irefと速度現在値
Vnowの位相差が許容値以内か否かが判断される。ス
テップS35にて許容値以内でないと判断された場合
は、ステップS36に移行し、周波数制御部(38)によっ
て位置指令値Prefの周波数の制御・設定が行なわ
れ、ステップS37では、電流ゲイン制御部(36)によっ
て電流指令値Irefの電流ゲインGiが数%削減され
る。ステップS35において位相差が許容値以内である
と判断された場合は、ステップS36、S37は実行さ
れない。
【0049】次いでステップS38において第2カウン
タのカウント値がリセットされる。ステップS31にて
位置現在値Pnowの1サイクルが終了していないと判
断された場合は、ステップS32〜S38は実行されな
い。ステップS34において第2カウンタのカウント値
が設定値に到達していないと判断された場合は、ステッ
プS35〜S38は実行されない。その後、ステップS
39において制御手続きを終了するか否かが判断され、
イエスの場合は手続きを終了し、ノーの場合は、再び図
4のステップS1に戻って、同様の手続きを繰り返す。
【0050】上記手続きによれば、数6を用いた簡易な
演算によって迅速に上死点側振幅及び下死点側振幅を算
出することが出来、図1に示す制御回路(5)によるリニ
アモータの制御に供することが出来る。又、離散位置デ
ータが上死点側及び下死点側の基準ストロークを越えな
いときは、数6の演算を省略して、位置現在値の最大値
及び最小値を夫々上死点側振幅及び下死点側振幅とする
ので、演算時間が更に短縮される。
【0051】尚、本発明の各部構成は上記実施の形態に
限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の
変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、電流
・速度位相差検出部(35)において電流指令値Irefと
速度現在値Vnowの位相差を検出し、この位相差が無
くなるように位置指令値Prefの周波数を制御した
が、これに限るものではなく、位置指令値Prefと位
置現在値Pnowの位相差を検出し、この位相差が90
°になるように位置指令値Prefの周波数を制御して
もよい。又、本発明は、図2に示す如き2ピストン型の
リニアコンプレッサーに限らず、1ピストン型のリニア
コンプレッサーに実施することも可能であって、この場
合には、図4〜図7に示す手続きの上死点側についての
演算処理のみを実行すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るリニアコンプレッサーの駆動制御
装置の構成を表わすブロック図である。
【図2】駆動制御装置を構成する制御回路のブロック図
である。
【図3】リニアコンプレッサーの構造を表わす断面図で
ある。
【図4】制御回路の制御手続きを表わすフローチャート
である。
【図5】図4の第1の分図である。
【図6】図4の第2の分図である。
【図7】上下死点算出の原理を説明する図である。
【符号の説明】
(1) リニアコンプレッサー (2) 駆動制御装置 (3) モータドライバー (4) 変位センサー (41) MR素子 (42) マグネット板 (5) 制御回路 (6) センサー信号処理回路 (34) 上下死点検出部 (20) リニアモータ (11a)(11b) シリンダー (12a)(12b) ピストン (13a)(13b) 圧縮室 (16) ロッド
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 35/04 G01H 17/00 F04B 49/00 351

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リニアモータによって往復出力部を往復
    駆動する往復機構の制御装置において、往復出力部の変
    位を検知して該変位を離散位置データとして出力する変
    位検出器と、変位検出器から出力される離散位置データ
    に基づいて往復出力部の上死点を検知する上死点検知手
    段と、検知された上死点に応じてリニアモータを制御す
    るモータ制御手段とを具え、上死点検知手段は、変位検
    出器から出力される離散位置データに基づいて、往復出
    力部の変位の時間的変動を正弦波で近似したときの正弦
    波のピーク点を導出し、該ピーク点を往復出力部の上死
    点として検知することを特徴とするリニアモータ駆動往
    復機構の制御装置。
  2. 【請求項2】 変位検出器は、往復出力部が所定の原点
    位置を通過する時点の離散位置データを零基準値として
    出力し、上死点検知手段は、 変位検出器から出力される離散位置データが、零基準値
    を負側から正側へクロスした後、再度、零基準値を負側
    から正側へクロスするまでの期間内で、離散位置データ
    が所定の基準変位値を越えているかどうかを判断して、
    該基準変位値を超える離散位置データの個数を計数し、
    該計数値に基づいて、前記正弦波のピーク点を算出する
    請求項1に記載のリニアモータ駆動往復機構の制御装
    置。
  3. 【請求項3】 上死点検知手段は、基準変位値Std_S
    T、離散位置データの出力周期SampT、正弦波の周波
    数Freq、及び離散位置データの計数値kに基づいて、
    下記数1によって、前記正弦波のピーク点における変位
    Max_STを算出する請求項2に記載のリニアモータ駆
    動往復機構の制御装置。 【数1】Max_ST=Std_ST/sin(π/2−Samp
    T・π・Freq・k)
  4. 【請求項4】 上死点検知手段は、前記期間内における
    離散位置データの最大値が、前記基準変位値を下回って
    いるときは、該最大値を往復出力部の上死点として検知
    する請求項2又は請求項3に記載のリニアモータ駆動往
    復機構の制御装置。
  5. 【請求項5】 変位検出器は、N極とS極が交互に着磁
    されたマグネット板に対し、磁気抵抗効果型素子を対向
    させて構成されるMRセンサーである請求項1乃至請求
    項4の何れかに記載のリニアモータ駆動往復機構の制御
    装置。
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