JP3467969B2 - 電池残量計 - Google Patents

電池残量計

Info

Publication number
JP3467969B2
JP3467969B2 JP13706996A JP13706996A JP3467969B2 JP 3467969 B2 JP3467969 B2 JP 3467969B2 JP 13706996 A JP13706996 A JP 13706996A JP 13706996 A JP13706996 A JP 13706996A JP 3467969 B2 JP3467969 B2 JP 3467969B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
amount
battery
voltage
current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13706996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09318716A (ja
Inventor
昭治 堺
利幸 河合
健 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Nippon Soken Inc filed Critical Denso Corp
Priority to JP13706996A priority Critical patent/JP3467969B2/ja
Publication of JPH09318716A publication Critical patent/JPH09318716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3467969B2 publication Critical patent/JP3467969B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に搭載
した電池の残量を測定する残量計に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電気自動車の電源としては、鉛蓄
電池が一般に知られている。この鉛蓄電池の場合、例え
ば、特開平6−34727号公報に開示されているよう
に、鉛蓄電池の残量が、この電池の予め設けた基準放電
電流における放電電圧と相関関係を有することに着目
し、鉛蓄電池の放電電流と放電電圧から上記基準放電電
流における放電電圧を算出することで残量を検出してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記鉛蓄電
池とは別に、近年、エネルギー密度が大きい等の理由を
根拠に、電気自動車用電源として、Ni系電池、例え
ば、Ni−MH電池が採用され始めている。この電池
は、鉛蓄電池と同様、二次電池であって、充電によって
繰り返し使用することが可能である。
【0004】しかし、このNi−MH電池は部分放電を
繰り返し行う、即ち、完全放電といえる放電終止電圧ま
で放電させずに充放電を繰り返す場合にいわゆるメモリ
効果を生ずる。このメモリ効果とは、電池の放電特性
が、図6にて曲線Aにて示すように、2段階階段状降下
特性を示すこと指して呼称している。メモリ効果という
名前の由来は、部分放電を繰り返していると、当該電池
が浅い放電深度のサイクルで受けた履歴を記憶して、そ
れが次回の放電時の放電電圧の変化として現れるのでこ
のように呼ばれている。
【0005】この点につき詳細に説明すると、Ni−M
H電池がメモリ効果を生じていない状態では、この電池
の放電特性は、図6にて曲線Bにて示すような曲線に沿
い変化する。しかし、部分放電を繰り返していくと、今
度は完全放電をしたときにメモリ効果により、放電特性
Bを示すことなく、放電特性Aにいう2段階階段状降下
特性を示すようになる。なお、メモリ効果は、当該電池
を完全放電した後に満充電すれば解消される。
【0006】従って、上記公報における鉛蓄電池の残量
と予め設けた基準放電電流における放電電圧との相関関
係に対応するNi−MH電池の放電特性Bをそのまま利
用して、このNi−MH電池の残量を検出するようにし
た場合、Ni−MH電池がそのメモリ効果の発生のため
放電特性Aを示していても、この電池の残量が放電特性
Bに基づいて検出されることになる。
【0007】即ち、図6にて示すようにメモリ効果の発
生のため放電特性Aを示していても、予め設けた基準放
電電流における放電電圧Vsが求められた場合に、電池
残量真値Qrに対して、放電特性Bから電池残量Qsが
検出されるという不具合が生じる。特に、電気自動車の
場合、電池の残量は、電気自動車の走行可能状態があと
どの位持続できるかどうかを示す指標となるだけに、走
行可能距離や走行可能時間を予測する上でも、また、安
全走行の上でも極めて重要な情報である。従って、検出
された残量はできるだけ高精度のものが望まれる。
【0008】これに対し、本発明者等が、図6の両放電
特性A、Bを比較検討した結果、Ni−MH電池にメモ
リ効果が発生した場合、放電特性Bをメモリ効果による
電圧降下量だけ電圧低下方向へ平行移動すれば、放電特
性Aにほぼ一致する放電特性Cを得ることができること
が分かった(図7参照)。このことは、放電特性Bをメ
モリ効果による電圧降下量だけ電圧低下方向へ平行移動
すれば、放電特性Aを精度よく予測できることを意味す
る。
【0009】また、Ni−MH電池がメモリ効果を発生
していない状態で満充電された場合でも、このNi−M
H電池の自己放電や経時劣化により、この電池の放電特
性が上記放電特性Bに従わない場合も生ずる。このよう
な場合にも、この放電特性Bによっては、Ni−MH電
池の残量を正しく検出することができない。そこで、本
発明は、以上のようなことに対処するため、電池のメモ
リ効果、自己放電や経時劣化により放電特性が変化して
も、この電池の実際の残量を常に正確に決定するように
した電池残量計を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題の解決にあた
り、請求項1から5に記載の発明によれば、記憶手段
が、電圧検出手段と電流検出手段による検出放電電圧と
検出充放電電流を一時的に記憶し、放電量演算手段が、
電流検出手段による検出充放電電流から電池の放電量を
演算し、回帰手段が、記憶手段で記憶した電圧と電流の
関係を一次関数に回帰する。すると、基準放電電圧演算
手段が当該一次関数に基づき予め決められた基準放電電
力或いは基準放電電流に応じ基準放電電圧を演算し、予
測手段が、予め記憶されている電池の基準放電電力或い
は基準放電電流における放電量と放電電圧の関係、即ち
放電特性を表す所定データと演算放電量と基準放電電圧
との関係を比較して、電池の以後の利用での放電特性を
予測する。そして、残量演算手段が予測手段の予測放電
特性に基づき電池の残量を決定する。
【0011】即ち、電池がメモリ効果、自己放電や経時
劣化による放電状態にあっても、上記所定データと電池
利用中に検出される放電特性とを比較して、電池のメモ
リ効果、自己放電や経時劣化による放電状態に対応した
現在の放電特性を予測しながら残量を検出しているので
常に正確に電池の残量を決定できる。ここで、請求項2
に記載の発明によれば、電池がメモリ効果発生による放
電状態にあるとき、電池のメモリ効果による電圧降下量
だけ上記所定データを放電電圧低下方向へ平行移動させ
ることにより上記放電特性の予測がなされる。
【0012】これにより、電池にメモリ効果が生じた場
合、この電池のメモリ効果による実際の放電状態に対応
した現在の放電特性を正しく予測できる。また、請求項
3に記載の発明によれば、電池が自己放電及び経時劣化
の少なくとも一方の後の放電状態にあるとき、この自己
放電及び経時劣化の少なくとも一方による満充電の低下
量だけ、上記所定データを放電量低下方向へ平行移動さ
せることにより上記放電特性の予測をする。
【0013】これにより、電池に自己放電及び経時劣化
の少なくとも一方が生じた場合、これによる放電状態に
対応した現在の放電特性を正しく予測できる。請求項4
に記載の発明によれば、電池がメモリ効果、自己放電や
経時劣化による放電状態にあっても、放電前期はメモリ
効果による放電電圧への影響が少ないため、先ず、基準
放電電圧を真値として自己放電や経時劣化の少なくとも
一方による満充電量の低下量を予め記憶されている前期
所定データとの比較により予測し、この低下量が一定値
に収束した後に今度は、演算放電量に上記低下量の収束
値を加えた値を真値として、メモリ効果による電圧降下
量を予測する。ここで電圧降下が起こった場合に、その
原因としてメモリ効果だけでなく自己放電や経時劣化に
よる可能性も残されているため、上記電圧降下量が他の
一定値に収束した後或いは電圧降下量の変動が開始して
から所定放電量放電後に再び基準放電電圧を真値として
自己放電や経時劣化の少なくとも一方による満充電量の
低下量の予測を再開する。これは放電終期にメモリ効果
による放電電圧への影響が少なくなることを利用してい
る。
【0014】これにより、電池に自己放電、経時劣化や
メモリ効果が混在して発生した場合であっても常に正確
に電池の残量を決定できる。また、請求項5に記載の発
明によれば、電池の所定放電量の放電毎に、満充電量の
低下量に基づく放電特性の予測と、メモリ効果による電
圧降下量に基づく放電特性の予測とを、交互に行う。こ
れにより、満充電量の低下量や電圧降下量が一定値に収
束しない場合にも常に正確に電池の残量を決定できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態を
図面に沿って説明する。図1は、本発明に係る電気自動
車用電池残量計の一実施の形態を示す概略構成図であ
る。図において、電池1は、二次電池の一種であるNi
−MH電池(公称容量100Ahを有する)を24個直
列接続したもので構成されている。また、この電池1の
両電極端子には、負荷2が接続されている。
【0016】検出器ユニット7は、電流検出器8、電圧
検出器9及び温度検出器10を備えており、電流検出器
8は電池1と負荷2との間に流れる電流を検出する。電
圧検出器9は電池1の両電極端子間の端子電圧を検出す
る。温度検出器10は、熱電対10aにより、電池1の
ケース温度をこの電池1の表面温度として検出する。そ
して、各検出器8〜10の検出出力はマイクロコンピュ
ータ5に入力される。
【0017】マイクロコンピュータ5は、図2及び図3
にて示すフローチャートに従い、コンピュータプログラ
ムを実行し、この実行中において、充電器(図示しな
い)からの充電完了信号及び各検出器8〜10による検
出出力に基づき電池1の残量の演算処理、表示装置11
の表示処理その他の各種処理を行う。また、メモリ5b
には、電池1と同一の仕様でメモリ効果の生じていない
正常な電池につき、次のような試験をして得た放電特性
(図6にて曲線B参照)が記憶されている。即ち、上記
正常な電池につき、満充電から完全放電までの間、15
モード走行を模擬した、電力指令連続充放電試験を行
い、電圧と電流を測定し、この値から放電量(Ah)を
演算すると共に、電圧と電流の回帰直線から基準電流1
00A放電時の基準放電電圧を演算し、上記放電特性B
として得た。上記測定を試験を行った場所の気温を変え
ることにより電池表面温度を変えて行った。なお、メモ
リ5bには、CPU5aの処理に必要な検出データが一
時的に記憶される。
【0018】表示装置11は、当該電気自動車の車室内
に設けられて、電池1の残量を運転者に表示する。この
ように構成した本実施の形態において、上記充電器によ
る電池1の満充電が完了すると、当該充電器から満充電
完了信号がマイクロコンピュータ5に入力される。これ
に伴い、マイクロコンピュータ5では、CPU5aが図
2及び図3のフローチャートに従いコンピュータプログ
ラムの実行を開始する。
【0019】この開始に伴い、ステップ20において、
CPU5aの内部が初期化される。この初期化では、電
池1の放電量を表すデータQ11、Q12(以下、放電
量データQ11、Q12)等の各種データが零とクリア
され、基準量Qbが「2」と設定され、フラグFがF=
1とセットされる。ステップ30でのNOとの判定の繰
り返し中に、当該電気自動車のイグニッションキーがオ
ンされると、ステップ30での判定がYESとなる。つ
いで、ステップ40にて、電池1の放電電流に対する電
流検出器8の検出出力、電池1の端子電圧に対する電圧
検出器9の検出出力及び電池1の表面温度に対する温度
検出器10の検出出力が0.1秒毎にサンプリングされ
る。
【0020】そして、ステップ50にて、これら各サン
プリング値の1秒間における平均値がそれぞれ平均放電
電流Ia、平均端子電圧Va及び平均表面温度Taとし
て演算され、メモリ5bに一時的に記憶される。次に、
ステップ60において、平均放電電流Iaが3600に
より除算される。そして、この除算値(Ia/360
0)が放電量Q11に加算され、この加算結果が放電量
Q11として更新される。
【0021】ステップ70においては、電池1の残量S
OCが、公称容量Q、上記Q11及び後述する補正放電
量Q2、Q3に応じて数1或いは数2の式に基づき算出
されて、表示装置11に出力されて表示される。なお、
数1による残量SOCは公称容量に対する残量、数2に
よる残量は現在の満充電量に対する残量を百分率で表
す。
【0022】
【数1】SOC=(Q−Q11−Q2−Q3)/Q×1
00(%)
【0023】
【数2】SOC=(Q−Q11−Q2−Q3)/(Q−
Q2−Q3)×100(%) ここで、残量SOCを、そのまま表示装置11に出力す
るのではなく、フィルタを通して表示装置11に出力す
るようにすれば、表示装置11の表示内容の変動を抑え
ることができる。従って、違和感のない表示とすること
ができる。
【0024】ステップ80では、放電量Q11が上記基
準量Qbより大きいか否かが判定される。放電量Q11
が基準量Qb以下の場合ステップ80における判定がN
Oとなり、ステップ40にリターンする。一方大きい場
合はステップ80における判定がYESとなり、ステッ
プ90及び100にて、ステップ50にて一時記憶され
た平均放電電流Ia及び平均端子電圧Vaが一次関数に
回帰され、基準電流100Aでの電池1の基準放電電圧
Vsが演算される。なお、基準放電電圧Vsは電池1の
温度によって変化するため、電池温度Taに基づいて求
められた基準放電電圧Vsを補正するとよい。
【0025】この点につき、以下に詳述する。電池1の
端子電圧、放電電流、内部抵抗をそれぞれV、I、rと
し、定数をVoとすると、これらの間には次の数3の式
による一次関数の関係が成立する。
【0026】
【数3】V=Vo−rI ここで、この数3の式につき検討してみる。図4は電池
1の端子電圧と放電電流との関係(以下、V−I特性と
いう)、即ち、数3の式の一次関数関係を示す。このV
−I特性は、電池1の放電が浅いうちは直線L1上にあ
る。そして、当該V−I特性での端子電圧は、当該電気
自動車の実走行中には、その加速等による電流変化に応
じ直線L1上に沿い移動する。また、電池1の放電深度
が深くなるにつれて、V−I特性が各直線L2、L3、
L4へと移行する。従って、上記数3の式は、放電深度
及び放電電流の変化に応じたV−I特性を満たす。
【0027】しかして、ステップ90において、ステッ
プ50にて一時的に記憶された平均放電電流Ia及び平
均端子電圧Vaが、上述のごとく、数3の式に回帰さ
れ、この回帰に伴い定数Vo及び内部抵抗rが演算され
る。これにより、数3の式が、定数Vo及び内部抵抗r
を具体的に特定した一次関数式として特定される。次
に、ステップ100において、数3の式に上記基準電流
100AをIとして代入することにより、端子電圧Vが
基準放電電圧Vsとして演算される。例えば、図4にて
電池1の放電深度が直線L2の状態のとき、直線L2と
I=100Aとの交点からVs=V12として定まる。
【0028】これにより、基準放電電圧Vsが数3の式
からI=100Aのときの端子電圧に相当する値に変換
されたことになる。ステップ110においては、上記一
時記憶データが初期化されるとともに、基準量Qbに2
が加算され、この加算結果が基準量Qbとして更新され
る。次に、電池1の放電特性の予測ルーチン120(図
2及び図3参照)の処理について説明する。このルーチ
ンでは、基準放電電圧Vsと上記放電特性Bとから、電
池1の自己放電及び経時劣化の少なくとも一方による満
充電量の低下量、又はメモリ効果による電圧降下量が算
出される。以下、図3のフローチャートに基づいて説明
する。
【0029】ステップ121においてフラグFが判定さ
れる。現段階では、フラグFはF=1であるから、予測
ルーチン120はステップ121aに進む。このステッ
プでは、次の数4の関数式に基づき電池1の自己放電及
び経時劣化の少なくとも一方による放電量低下量Q2が
算出される。
【0030】
【数4】Vs=f(Q11+Q2) ここで、関数f(Q11+Q2)は、電池1の放電特性
Bに基づく放電量と基準放電電圧Vsとの関係を表す関
係式に、放電量低下量Q2を加味したものである。な
お、数4の式は、Vs、Q11及びQ2の関係を示すマ
ップで特定してもよい。
【0031】ついで、ステップ122において、ルーチ
ン121aの処理の繰り返しにより算出される放電量低
下量Q2が一定値に収束したか否かが判定される。放電
量低下量Q2が一定値に収束した場合には、ステップ1
22における判定がYESとなり、ステップ122aに
てフラグFがF=2と更新される。その後、コンピュー
タプログラムが予測ルーチン120に達すると、このル
ーチン120がF=2に基づきステップ121からステ
ップ121bに進み、電圧降下量eが次の数5の式に基
づき算出される。
【0032】
【数5】e=|Vs−f(Q11+Q2)| この数5の式において、Vsは、上述した基準電流10
0Aにおける基準放電電圧である。また、f(Q11+
Q2)において、放電量Q11は上記ステップ60にお
いて更新され、放電量Q2は上記一定値に収束する前で
は変動しており、その後当該一定値に収束して定数とな
るものである。
【0033】ステップ123では、上記電圧降下量eが
所定値eoを超えたどうかが判定される。こで、所定値
eoは、電池1を構成するNi−MH電池一個あたりの
電圧、例えば、0.2Vに相当する。ステップ123に
おける判定がYESとなる場合には、ステップ123a
にて、この時点からの電池1の放電量Q12が、ステッ
プ50における平均放電電流Iaの積算に応じて次の数
6の式に基づき算出される。ここで、数6の式にはI=
Iaとして代入される。
【0034】
【数6】Q12=Q12+Ia/3600 続くステップ124では、上記放電量Q12が5Ahを
越えたかどうか、又は、電圧降下量eが他の一定値に収
束したかどうかが判定される。この判定を行う理由は、
電池1の電圧降下がメモリ効果の影響ではなく電池1の
自己放電及び経時劣化の少なくとも一方による場合も考
えられるためである。
【0035】ステップ124の判定がYESとなる場合
には、ステップ124aにて、フラグFがF=3と更新
される。その後、再び、コンピュータプログラムが予測
ルーチン120に進むと、このルーチンがF=3に基づ
きステップ121cに進み、再び、電池1の満充電量の
低下量Q3が次の数7の式に基づき算出される。
【0036】
【数7】Vs=f(Q11+Q2+Q3)−e ステップ130においては、当該自動車の走行が終了し
て、電池1が充電器により充電中であるか否かが判定さ
れる。走行が終了していなければステップ40にリター
ンし、終了して充電中であればルーチンを終了する。な
お、走行終了後、電池1を充電せずに当該電気自動車の
走行が再開された場合には、フラグF=1とし、上記Q
11、Q2、Q3を初期化せずにルーチンを再開する。
【0037】ここで、本実施の形態の効果を、これを確
認するために行った試験結果と共に述べる。予め図6の
放電特性Bに示すようなメモリ効果を発生するNi−M
H電池1個を電気負荷に接続して100Aにて定電流放
電させて、放電量と上記電池残量の読みとの関係を調べ
てみた。
【0038】比較のため本実施の形態でのマイクロコン
ピュータの処理中、図3のステップ122aのフラグの
値をF=2に更新する処理を、F=1とした電池残量計
を用意し、これを本実施の形態における予測ルーチン1
20を備えていない電池残量計(以後、従来型電池残量
計と記す。)とみなして、放電量と電池残量計の読みの
関係を調べた。
【0039】その結果を図5に示す。この図にて、実線
は、電池残量計が正確に残量を示す理想的な場合を表
す。これに対し、図5にて示す○印のプロットは本実施
の形態の電池残量計の場合を表す。また、図5にて示す
×のプロットは従来型電池残量計の場合を表す。メモリ
効果により電圧降下が生じる以前については、いずれの
場合も、同じ演算処理(図3のステップ121a)での
放電量Q2の算出のもとに残量を求めているので、本実
施の形態の電池残量計と同じ読みとなり実線で示した理
想的な場合とよく一致している。
【0040】しかし、メモリ降下により電圧降下が生じ
た場合、従来型電池残量計では、メモリ効果が発生し異
常な放電電圧であっても、放電電圧の値により放電量Q
2の算出を行うため、理想的な場合に比べ、残量の読み
が相当少なくなる。一方、本実施の形態の電池残量計で
は、既にフラグF=2となっているため、放電量Q2の
算出を行わず、メモリ効果による電圧降下量eの算出を
行う。放電量Q3の算出の基になる放電特性を予測し直
して残量を算出するので、メモリ効果による電圧降下の
影響を受けずに、理想的な場合との誤差が相当小さく抑
えている。このように本実施の形態の電池残量計では、
電池1にメモリ効果が発生している場合でも、電池残量
を、誤差を抑えて、知ることができ、電池の残量の有効
な利用を図ることができる。
【0041】また、メモリ効果ではなく電池の経時劣化
及び自己放電の少なくとも一方による電圧降下の場合で
も、所定放電量内で放電特性を予測し直す(ステップ1
24参照)ようにしたので、経時劣化及び自己放電の少
なくとも一方がある場合でも誤差を抑えて知ることがで
きる。なお、本実施の形態では、電池の自己放電及び経
時劣化の少なくとも一方による満充電量の低下量が一定
値に収束した後にメモリ効果による電圧降下量に基づく
放電特性の予測を行い、また、メモリ効果による電圧降
下量が他の一定値に収束した後或いは電池の所定放電量
の放電後に上記満充電量の低下量に基づく放電特性の予
測を行うようにすれば、電池の経時劣化による経時的電
圧降下や所定放電量の経時的放電後に放電特性の予測を
開始する場合でも、残量の決定誤差の増大を最小限に抑
えることができる。従って、電池に自己放電、経時劣化
やメモリ効果が発生した場合でも、常に正確に残量を決
定できる。
【0042】また、本発明の実施にあたっては、予測ル
ーチン120において、電池1の所定放電量の放電毎
に、放電量Q2或いはQ3と電圧降下量eの算出を交互
に切り換えるようにしてもよい。これにより、電池1の
満充電量の低下量や電圧降下量が一定値に収束しない場
合にも常に正確に電池1の実際の残量を決定できる。ま
た、上記実施の形態では、上記所定値e0は、0.2V
/個としたが、必ずしもこれに限定されるものではな
く、電池1の特性に応じて変えるようにしてもよい。
【0043】また、上記実施の形態では、基準電流を1
00Aとしたが、別の電流値又は電力値でもよい。ま
た、上記実施の形態では、電池1の放電量を放電量であ
る積算電流とした例について説明したが、これに代え
て、電力量としてもよい。また、本発明はNi−MH電
池以外にメモリ効果を発生する電池であれば、同様な効
果を達成するように実施できる。
【0044】また、本発明の実施にあたっては、Ni−
MH電池に限ることなく、メモリ効果を発生する各種の
電池に本発明を適用して実施してもよい。また、本発明
の実施にあたり、上記実施の形態の各フローチャートに
おける各ステップは、それぞれ、機能実行手段としてハ
ードロジック構成により実現するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブロック構成図で
ある。
【図2】図1のCPUにより実行されるコンピュータプ
ログラムを示すフローチャートである。
【図3】図2の放電特性の予測ルーチンの詳細フローチ
ャートである。
【図4】図1の電池の端子電圧と放電電流との関係を、
放電深度をパラメータとして示すグラフである。
【図5】上記実施の形態及び従来の電池の残量と放電量
との関係を示すグラフである。
【図6】図1の電池の放電電圧と放電量との関係をメモ
リ効果の発生の有無に応じて示すグラフである。
【図7】図1の電池の放電電圧と放電量との関係をメモ
リ効果の発生の有無に応じて示すグラフである。
【符号の説明】
1…電池、5…マイクロコンピュータ、5a…CPU、
5b…メモリ、8…電流計、9…電圧計。
フロントページの続き (72)発明者 浜田 健 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−126216(JP,A) 特開 平2−162275(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/36 G01R 19/00 - 19/32 H02J 7/00 - 7/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池(1)の放電電圧を検出する電圧検
    出手段(9)と、 前記電池の充放電電流を検出する電流検出手段(8)
    と、 前記電圧検出手段及び電流検出手段によってそれぞれ検
    出された放電電圧及び充放電電流を一時的に記憶する記
    憶手段(5b)と、 前記充放電電流から前記電池の放電量を演算する放電量
    演算手段(60)と、 前記記憶手段で記憶された放電電圧及び充放電電流に基
    づいてに放電電圧と放電電流との関係を一次関数に回帰
    する回帰手段(90)と、 前記一次関数に基づき予め決められた基準放電電力或い
    は基準放電電流に応じ基準放電電圧を演算する基準放電
    電圧演算手段(100)と、 前記基準放電電力或いは基準放電電流における放電量と
    放電電圧との関係と前記放電量演算手段によって演算さ
    れた放電量と基準放電電圧との関係とを比較して、前記
    電池の放電特性を予測する予測手段(120)と、 この予測手段の予測放電特性に基づき前記電池の残量を
    演算する残量演算手段(70)とを備えた電池残量計。
  2. 【請求項2】 前記予測手段が、前記電池がそのメモリ
    効果発生後の放電状態にあるとき、この電池のメモリ効
    果による電圧降下量だけ前記放電量と放電電圧との関係
    を放電電圧低下方向へ平行移動させることにより前記放
    電特性の予測をすることを特徴とする請求項1に記載の
    電池残量計。
  3. 【請求項3】 前記予測手段は、前記電池がその自己放
    電及び経時劣化の少なくとも一方の後の放電状態にある
    とき、前記電池の自己放電及び経時劣化の少なくとも一
    方による満充電量の低下量だけ前記放電量と放電電圧と
    の関係を放電量低下方向へ平行移動させることにより前
    記放電特性の予測をすることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の電池残量計。
  4. 【請求項4】 前記予測手段は、 予め記憶されている前記放電量と放電電圧との関係との
    比較により、先ず前記基準放電電圧演算手段で演算され
    た基準放電電圧に基づき前記満充電量の低下量の予測を
    行う第1予測手段(121a)と、 低下量の予測値が一定値に収束した後、この低下量の収
    束値に前記放電量を加えた放電量に基づき、前記メモリ
    効果による電圧降下量の予測を行う第2予測手段(12
    1b)と、 前記メモリ効果による電圧降下量が他の一定値に収束し
    た後或いは前記メモリ効果による電圧降下量の変動が開
    始してから所定放電量の放電後に、再び前記基準放電電
    圧演算手段で演算された基準放電電圧に基づき前記満充
    電量の低下量の予測を行う第3予測手段(121c)と
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の電池残量
    計。
  5. 【請求項5】 前記予測手段は、前記電池の所定放電量
    の放電毎に、前記満充電量の低下量に基づく前記放電特
    性の予測と、前記メモリ効果による電圧降下量に基づく
    前記放電特性の予測とを、交互に行うことを特徴とする
    請求項3に記載の電池残量計。
JP13706996A 1996-05-30 1996-05-30 電池残量計 Expired - Fee Related JP3467969B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13706996A JP3467969B2 (ja) 1996-05-30 1996-05-30 電池残量計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13706996A JP3467969B2 (ja) 1996-05-30 1996-05-30 電池残量計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09318716A JPH09318716A (ja) 1997-12-12
JP3467969B2 true JP3467969B2 (ja) 2003-11-17

Family

ID=15190183

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13706996A Expired - Fee Related JP3467969B2 (ja) 1996-05-30 1996-05-30 電池残量計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3467969B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4144116B2 (ja) * 1998-11-25 2008-09-03 トヨタ自動車株式会社 バッテリ充電状態検出装置
JP4626440B2 (ja) * 2005-08-10 2011-02-09 トヨタ自動車株式会社 アイドルストップ車両の制御装置
JP4797640B2 (ja) * 2006-01-18 2011-10-19 トヨタ自動車株式会社 二次電池の寿命推定装置
WO2010109977A1 (ja) 2009-03-25 2010-09-30 日本碍子株式会社 ナトリウム-硫黄電池の残存容量算出方法
JP6394548B2 (ja) * 2015-09-24 2018-09-26 トヨタ自動車株式会社 組電池の評価装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09318716A (ja) 1997-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3779484B1 (en) Method and apparatus for correcting state of health of battery, and management system and storage medium
US7012434B2 (en) Method for determining the amount of charge which can be drawn from a storage battery and monitoring device
CN108717164B (zh) 电池的荷电状态soc标定方法及系统
US5898292A (en) Process for evaluating remaining capacity of battery
US5539318A (en) Residual capacity meter for electric car battery
US7688033B2 (en) Method for detecting state of secondary battery and device for detecting state of secondary battery
EP2321663B1 (en) Apparatus and method for estimating state of health of battery based on battery voltage variation pattern
US7197487B2 (en) Apparatus and method for estimating battery state of charge
JP5442583B2 (ja) 電源装置用状態検知装置及び電源装置
US5606243A (en) Battery state judging apparatus
CN107091992A (zh) 电池组荷电状态soc估计方法及估计系统
JP3006298B2 (ja) 電池残存容量計
US11143710B2 (en) Device for estimating degradation of secondary cell, and method for estimating degradation of secondary cell
JP2004022183A (ja) 電池の劣化度算出装置および劣化度算出方法
WO2008099298A1 (en) Method and apparatus for determination of the state-of-charge (soc) of a rechargeable battery
JP3453821B2 (ja) 電池残存容量計測装置
CN111381180A (zh) 一种电池容量的确定方法和装置
JP4433535B2 (ja) 発電型電気自動車の電池制御方法
KR20240121779A (ko) 배터리 용량 결정 방법, 장치 및 저장 매체
EP4119963A1 (en) Secondary battery diagnosis device and method
US5698962A (en) Memory effect sensitive battery monitoring apparatus for electric vehicles
JP3467969B2 (ja) 電池残量計
CN115380221A (zh) 二次电池诊断设备及方法
JP4564999B2 (ja) 車載二次電池の内部状態検出装置
JP3634077B2 (ja) 電池残量計

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030805

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100905

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees