JP3467753B2 - 画像処理システム、画像処理方法および画像処理モジュールを記録した媒体 - Google Patents

画像処理システム、画像処理方法および画像処理モジュールを記録した媒体

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JP3467753B2 JP18678899A JP18678899A JP3467753B2 JP 3467753 B2 JP3467753 B2 JP 3467753B2 JP 18678899 A JP18678899 A JP 18678899A JP 18678899 A JP18678899 A JP 18678899A JP 3467753 B2 JP3467753 B2 JP 3467753B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理システ
ム、画像処理方法および画像処理モジュールを記録した
媒体に関し、特に、少なくとも2つ以上の画像処理モジ
ュールが相互に接続し、各画像処理を実行する画像処理
システム、画像処理方法および画像処理モジュールを記
録した媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータなどでは、画像をドットマ
トリクス状に配置された画素にて構成する画像データと
して表し、この画像データに対して所定の画像処理を実
行してている。一方、近年、仮想的なドットマトリクス
状の領域に対して、オブジェクト画像を適宜配置して一
枚の画像を表す手法が利用されている。すなわち、文字
だけを表すオブジェクト画像や、イメージを表すオブジ
ェクト画像を個別に用意し、所定の順番で重ね合わせて
画像を完成させる。このような画像を扱う際、コンピュ
ータの処理の都合上、一つのオブジェクト画像を複数に
分割することが多い。例えば、オブジェクト画像が大き
くなるのにつれてデータ量も極めて多大となり、一体と
して処理するには処理資源の負担が大きくなるからであ
る。一方、コンピュータで複数の段階に分けて画像を処
理することも可能であり、アプリケーションのように内
部において自由に処理できるものの他、オペレーティン
グシステムの一部として機能するドライバやモジュール
によってメモリなどの制約を強く受けながら処理しなけ
ればならないものもある。すなわち、メモリなどの制約
を受ける場合、分割されたオブジェクトデータを連結し
て元のオブジェクト画像を生成することなく、画像処理
をしなければならないものがある。従来、画像処理を実
行するモジュールはオブジェクトデータの処理を実行す
る場合に、ドライバに対してオブジェクトデータへのア
クセスを要求する。そして、要求を受け付けたドライバ
はオブジェクトデータから所定の処理領域を形成し、こ
の処理領域を要求のあったモジュールに引き渡してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のものに
おいては、画像処理を実行するモジュールは一つしかな
く、ドライバは単にこのモジュールに提供する画像領域
を形成し引き渡してしていた。しかし、異なる画像処理
を実行するモジュールが複数ある場合、ドライバは各モ
ジュールの要求に応じて所定の処理領域を形成しなけれ
ばならないため、処理が煩雑になっていた。本発明は、
上記課題にかんがみてなされたもので、各モジュールを
実行して所定の画像データを生成する場合、各モジュー
ル間にて画像処理に必要な処理領域を要求しつつ生成さ
せるため、ドライバの処理負荷を低減させることが可能
であるとともに、画像処理を実行するモジュールを適宜
増加減することが可能な画像処理システム、画像処理方
法および画像処理モジュールを記録した媒体の提供を目
的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1にかかる発明は、個別に所定の処理対象デ
ータに対して画像処理を実行する少なくとも2つ以上の
画像処理モジュールを組み合わせて利用する画像処理シ
ステムであって、上記画像処理を実行するに際して、当
該画像処理に必要となる処理対象データを他の画像処理
モジュールに要求するとともに、当該他の画像処理モジ
ュールがこの要求に基づいて生成した処理対象データを
利用して画像処理を実行する画像処理実行機能を有する
画像処理モジュールと、他の画像処理モジュールからの
要求を受け付けた際に、上記画像処理を実行した処理対
象データを当該他の画像処理モジュールが利用するのに
必要十分な領域だけ生成する生成機能を有する画像処理
モジュールとを具備する構成としてある。
【0005】上記のように構成した請求項1にかかる発
明においては、個別に所定の処理対象データに対して画
像処理を実行する少なくとも2つ以上の画像処理モジュ
ールを組み合わせて利用する画像処理システムを提供す
る。この画像処理システムは、少なくとも画像処理実行
機能を有する画像処理モジュールと、生成機能を有する
画像処理モジュールとの2つの画像処理モジュールにて
構成され、画像処理実行機能を有する画像処理モジュー
ルは、個別の画像処理を実行するに際して、この画像処
理実行機能にて、当該画像処理に必要となる処理対象デ
ータを他の画像処理モジュールに要求する。また、生成
機能を有する画像処理モジュールは、他の画像処理モジ
ュールからの要求を受け付けた際に、当該生成機能を有
する画像処理モジュールでの個別の画像処理を実行しつ
つ、当該他の画像処理モジュールが利用するのに必要十
分な領域だけの処理対象データを生成する。
【0006】上述した処理対象データは、画像データ全
体から所定のデータ領域を抽出して構成するものであっ
てもよいし、画像データから抽出したオブジェクト画像
により構成されるものであってもよい。また、処理対象
データのデータ形式は、ドットマトリクス状の画素にて
形成されるビットマップデータであってもよいし、描画
されている図形などが所定の描画命令にて記述されたベ
クターデータであってもよい。
【0007】画像処理実行機能を有する画像処理モジュ
ールは、個別に実行する画像処理に必要となる処理対象
データを他の画像処理モジュールに要求し、この要求に
従って生成機能を有する画像処理モジュールが処理対象
データを生成する。ここで、画像処理実行機能を有する
画像処理モジュールは、この生成された処理対象データ
を利用して所定の画像処理を実行する。このように、画
像処理システム全体として、画像処理実行機能と生成機
能とのそれぞれを有する少なくとも2つ以上の画像処理
モジュールを適宜利用することによって、複数の画像処
理を施した画像データを生成することが可能になってい
る。
【0008】一方、生成機能を有する画像処理モジュー
ルが他の画像処理モジュールから要求を受けた場合は、
個別の画像処理を実行しつつ、生成機能にて当該要求に
対応する必要十分な領域の処理対象データを生成する。
従って、要求した画像処理モジュールにおいては、画像
処理実行機能にてこの処理対象データを利用して個別の
画像処理を実行することになる。すなわち、画像処理実
行機能を有する画像処理モジュールが、個別の画像処理
を施す処理対象データを必要とするときに、生成機能を
有する画像処理モジュールに向かって、この必要な処理
対象データを要求し、この要求を受けた生成機能を有す
る画像処理モジュールは、個別の画像処理を実行しつ
つ、この画像処理を実行した処理対象データに基づいて
要求してきた画像処理モジュールの画像処理が利用する
のに必要十分な領域の処理対象データを生成する。ここ
で、画像処理実行機能を有する画像処理モジュールが生
成機能を有する画像処理モジュールに対して処理対象デ
ータを要求する態様は、直接、当該生成機能を有する画
像処理モジュールに要求しても良いし、他の画像処理モ
ジュールを介在して間接的に当該生成機能を有する画像
処理モジュールに要求しても良い。
【0009】上述した画像処理実行機能は、他の画像処
理モジュールに対して必要な処理対象データを示した要
求を実施することができればよく、その要求の手法は、
多種の方法が採用できる。例えば、各画像処理モジュー
ル間にて所定のデータの送受を実行可能なプロセス間通
信により実施してもよいし、各画像処理モジュールが共
有にアクセス利用できる共有メモリを使用して実施して
もよい。むろん、これらに限定されるものではなく、各
画像処理モジュールが共有して使用可能なリソースを使
用して実施すればよく、適宜採用可能である。また、画
像処理モジュールは、所定の処理対象データに対して個
別の画像処理を実行することができればよく、その画像
処理の内容は特に限定されない。例えば、強調処理、拡
大処理、色調処理などがある。むろん、それぞれ強調に
使用するパラメータ、拡大に使用するパラメータなどを
変更することによって、各処理を複数にしてもよい。こ
のように、別個の画像処理実行機能を有する画像処理モ
ジュールと、生成機能とを有する画像処理モジュールと
により画像処理システムを構成することによって、本発
明を実現することが可能になる。一方、本画像処理シス
テムを構成する少なくとも2つ以上の画像処理モジュー
ルにおいて、各画像処理モジュールに画像処理実行機能
と、生成機能とを組み込んで、各画像処理モジュールが
処理対象データを「要求する」こともでき、「要求され
る」こともできるようにしてもよい。そこで、請求項2
にかかる発明は、上記請求項1に記載の画像処理システ
ムにおいて、上記画像処理実行機能および生成機能は、
一の画像処理モジュールに組み込まれる構成としてあ
る。上記のように構成した請求項2にかかる発明におい
ては、一の画像処理モジュールに画像処理実行機能およ
び生成機能を組み込む。これにより、各画像処理モジュ
ールは、処理対象データを他の画像処理モジュールに対
して「要求する」ことが可能になるとともに、他の画像
処理モジュールから「要求される」ことも可能になる。
【0010】
【0011】画像処理実行機能が他の画像処理モジュー
ルに必要な処理対象データを要求する際の単位の一例と
して、請求項3にかかる発明は、上記請求項1または請
求項2のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
上記画像処理実行機能は、上記処理対象データがドット
マトリクス状に配置された画素から構成される場合、要
求する処理対象データとして当該複数の画素を有する所
定数のライン単位にて形成される処理領域を要求し、上
記生成機能は、同ライン単位によって当該要求に対応す
る処理領域を生成する構成としてある。上記のように構
成した請求項3にかかる発明においては、処理対象デー
タがドットマトリクス状に配置された画素から構成され
るとき、処理対象データを複数の画素を有するライン単
位によって形成する。かかる場合、画像処理実行機能
は、同ライン単位に基づいて必要な処理対象データを要
求する。例えば、画像処理モジュールA,Bがあり、処
理対象データの要求が画像処理モジュールAから画像処
理モジュールBへと行われるとする。かかる場合、画像
処理モジュールAは、画像処理を1ラインの処理対象デ
ータに実行するとき、画像処理モジュールBに対して、
1ラインの処理対象データを要求する。同様に、画像処
理モジュールBは、画像処理を1ラインの処理対象デー
タにデータに実行するとき、画像処理モジュールAに対
して1ラインの処理領域を生成するように要求する。こ
のように、各画像処理モジュールA,B間にて実行され
る「要求」や「生成」を複数画素にて形成されるライン
単位にて実施する。
【0012】また、画像処理実行機能が他の画像処理モ
ジュール必要な処理対象データを要求する際の単位の他
の一例として、請求項4にかかる発明は、請求項1〜請
求項3のいずれかに記載の画像処理システムにおいて、
上記画像処理実行機能は、上記処理対象データがドット
マトリクス状に配置された画素から構成される場合、要
求する処理対象データとして所定数の画素単位にて形成
される処理領域を要求し、上記生成機能は、同画素単位
によって要求に対応する処理領域を生成する構成として
ある。上記のように構成した請求項4にかかる発明にお
いては、処理対象データがドットマトリクス状に配置さ
れた画素から構成されるとき、処理対象データを複数の
画素を有する所定数の画素単位によって生成する。この
とき、画像処理実行機能は、同画素単位により必要な処
理対象データを要求する。かかる場合、要求を受けた他
の画像処理モジュールの生成機能は、画素単位で処理対
象データを生成する。これによって、より小さい範囲に
て処理対象データを生成することが可能になる。
【0013】上述したようにライン単位および画素単位
を処理対象データとして各画像処理モジュールにて画像
処理を実行することが可能になる。一方で、画像処理に
複数単位の処理対象データを必要とする画像処理モジュ
ールもある。かかる場合に好適な一例として、請求項5
にかかる発明は、上記請求項1〜請求項4のいずれかに
記載の画像処理システムにおいて、上記画像処理実行機
能は、後段の画像処理モジュールが画像処理に利用する
のに必要十分な領域を含めた上で、必要となる上記領域
の処理対象データを他の画像処理モジュールに要求する
構成としてある。上記のように構成した請求項5にかか
る発明において、任意の画像処理モジュールの画像処理
実行機能は、当該画像処理モジュールの後段において画
像処理を行う画像処理モジュールの画像処理で必要な処
理領域を含めた処理領域を前段の画像処理モジュールに
要求する。例えば、画像処理モジュールA,Bがあり、
処理領域の要求が画像処理モジュールAから画像処理モ
ジュールBへと行われるとする。かかる場合、画像処理
モジュールAは個別の画像処理を1ラインの処理対象デ
ータに実行する場合であって、この画像処理モジュール
Aの後段の画像処理モジュールが5ラインの処理対象デ
ータに対して画像処理を実行する場合には、画像処理モ
ジュールBに対し、5ラインの処理領域を生成するよう
に要求する。そして、画像処理モジュールBは、個別の
画像処理を1ラインの処理対象データに実行する場合に
は、当該画像処理モジュールBにて5ライン分の画像処
理を実行し、この5ライン分の画像処理が完了したら、
画像処理モジュールAはこの5ラインを画像処理に利用
する。ここで、画像処理モジュールが生成した処理領域
を展開して、他の画像処理モジュールにて利用可能にす
る手法の一例として、請求項6にかかる発明は、請求項
1〜請求項5のいずれかに記載の画像処理システムにお
いて、上記生成機能は、所定の記憶領域に個別に処理対
象データを展開して生成する構成としてある。上記のよ
うに構成した請求項6にかかる発明において、各画像処
理モジュールの生成機能は、生成する処理対象データを
所定の記憶領域に個別に展開する。すなわち、各画像処
理モジュールは、個別の画像処理を実行した処理対象デ
ータを格納する記憶領域を確保すればよく、他の画像処
理モジュールにて生成された処理対象データを自己の記
憶領域に取り込む必要がないため、記憶領域を有効に利
用することができるようになる。
【0014】各画像処理モジュールはそれぞれ単独で個
別の画像処理を実行することが可能であり、画像処理シ
ステムとしては少なくとも2つ以上の画像処理モジュー
ルを組み合わせて利用可能になっている。このとき、各
画像処理モジュールは、所定の順序で画像処理を実行す
る。一方、順番が最後でない各画像処理モジュールは、
個別の画像処理が終われば、処理対象データは必要なく
なる。かかる場合、この必要のない処理対象データを順
次上記記憶領域から解放することができれば好適であ
る。そこで、請求項7にかかる発明は、上記請求項6に
記載の画像処理システムにおいて、上記各画像処理モジ
ュールは、組み合わせて利用されるにあたり所定の順番
で順序付けられるとともに、上記生成機能は、後順位の
画像処理モジュールがある場合、上記記憶領域に個別に
生成した処理対象データから以降の画像処理モジュール
で不要な処理対象データを順次解放する構成としてあ
る。上記のように構成した請求項7にかかる発明におい
て、画像処理システムは、複数の画像処理モジュールを
連結して組み合わせ、所定の順序にて利用して一連の画
像処理を実行する。このとき、各画像処理モジュール
は、個別に実行する画像処理が順序の最後でないとき、
画像処理が終わると、この画像処理の対象から外れた処
理対象データを個別の記憶領域から解放する。これによ
り、順序が最後でない画像処理モジュールは、画像処理
が終了した処理対象データを全て記憶領域に展開してお
く必要がなくなるため、画像処理に必要とする最低限の
記憶領域を確保することができる。すなわち、記憶領域
を有効かつ効率的に利用することが可能になる。
【0015】画像処理モジュールが元画像データから処
理対象データを用意する場合がある。この元画像データ
は、画像のイメージそのままに形成されている場合もあ
れば、画像がランダムに分割されるとともに、この分割
データがランダムに配置されて元画像データを形成する
場合もある。このようにランダムに配置されて元画像デ
ータが形成されている場合に好適な画像処理モジュール
の機能の一例として、請求項8にかかる発明は、請求項
1〜請求項7のいずれかに記載の画像処理システムにお
いて、上記生成機能は、所定の元画像データから処理対
象データを生成するとともに、同処理対象データを生成
するに際して、利用頻度の高い処理対象データを限定し
て利用可能にする構成としてある。上記のように構成し
た請求項8にかかる発明において、生成機能は、元画像
データから処理領域を生成するに際し、利用頻度の高い
処理領域を限定して利用可能にする。例えば、従来、ラ
ンダムに分割された分割データから所定の処理対象デー
タを生成する場合、すべての分割データを検索しつつ、
この処理対象データに該当する分割データを抽出して処
理対象データを生成していた。従って、画像処理モジュ
ールは、処理対象データの要求を受けるごとに元画像デ
ータの検索を実行するとともに、該当する分割データを
抽出し、処理対象データを生成しなければならなかっ
た。しかし、任意の処理対象データを生成した後は、こ
の処理対象データを生成するに際して抽出した分割デー
タが次の処理対象データの生成に利用される確率は高い
ため、このうような利用頻度が高い分割データを限定し
て利用可能にしておく。この利用可能にする手法は、こ
の分割データを他の記憶領域に確保しておき、検索する
際はこの記憶領域のみを検索する手法にて実現してもよ
いし、この分割データが元画像データにて存在する位置
を示すポインタを保持して実現してもよい。
【0016】任意の画像処理モジュールが自己の画像処
理を実行して1ラインの領域を形成するために必要とす
る処理領域が5ラインの場合、最初の要求では5ライン
必要となるが、この5ラインによって画像処理を実行し
1ラインを生成した後は、順次1ラインを要求し、画像
処理の実行の際に、先頭の1ラインを処理対象から除外
し新規な5ラインにて画像処理を実行する。かかる場
合、5ラインを要求する処理と1ラインを要求する処理
を個別にするとよい。そこで、請求項9にかかる発明
は、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像処理シ
ステムにおいて、上記画像処理実行機能は、初期画像処
理時に必要な処理対象データを要求する初期処理対象デ
ータ画像処理実行機能と、初期画像処理以降の通常時に
必要な処理対象データを要求する通常処理対象データ画
像処理実行機能とを備える構成としてある。上記のよう
に構成した請求項9にかかる発明において、初期処理対
象データ画像処理実行機能機能は、初期画像処理時に必
要な処理対象データを要求する。上述した例によると5
ラインを要求する。また、通常処理対象データ画像処理
実行機能は、初期画像処理以降の通常時に必要な処理対
象データを要求する。上述した例によると1ラインを要
求する。ここで、初期画像処理時とは、上述したように
画像処理モジュールが画像処理の対象となる処理対象デ
ータを全く保持していない場合をいう。
【0017】このように、個別に所定の処理対象データ
に対して画像処理を実行する少なくとも2つ以上の画像
処理モジュールを組み合わせて利用する手法は必ずしも
実体のあるシステムに限られる必要はなく、その方法と
しても機能することは容易に理解できる。そこで、請求
項10〜請求項18は、上述した請求項1〜請求項9の
いずれかに記載した画像処理システムの機能を実現可能
な画像処理方法を提供するものである。すなわち、必ず
しも実体のある画像処理システムに限らず、その機能を
実現可能な画像処理方法としても有効である。
【0018】ところで、画像処理システムを実現する各
画像処理モジュールは、システムとして構成された場合
において本発明を構成することは上述した通りである。
一方で、この画像処理モジュールは所定の記録媒体に記
録されて頒布され得るものであり、かかる場合は、この
所定の記録媒体においても本発明が機能し得るものと考
えることができる。そこで、請求項19〜請求項24
は、上述した請求項1〜請求項9のいずれかに記載した
画像処理システムの機能を実現可能な画像処理モジュー
ルを記録した媒体を提供するものである。ここで、この
記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録
媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒
体においても全く同様に考えることができる。また、一
次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問
う余地無く同等である。さらに、一部がソフトウェアで
あって、一部がハードウェアで実現されている場合にお
いても発明の思想において全く異なるものではなく、一
部を記録媒体上に記憶しておいて必要に応じて適宜読み
込まれるような形態のものとしてあってもよい。
【0019】以上説明したように本発明は、複数の画像
処理モジュールを適宜組み合わせて利用する画像処理シ
ステムにおいて、画像処理実行機能を有する画像処理モ
ジュールでの画像処理に必要な処理対象データを、生成
機能を有する画像処理モジュールに生成させるため、処
理対象データを管理するためのモジュールを必要とする
ことが無くなり、画像処理システムを簡素化することが
可能となる。また、請求項2にかかる発明によれば、各
画像処理モジュールにて処理対象データを「要求する」
「要求される」ことを可能にすることによって、各画像
処理モジュールが相互に処理対象データを送受すること
ができるため、一義的に画像処理の順序を固定する必要
が無く、柔軟な画像処理システムを構築することが可能
になる。また、請求項3にかかる発明によれば、ライン
単位で処理領域を特定するため、処理領域を確保する領
域を小さくすることができる。さらに、請求項4にかか
る発明によれば、画素単位で処理領域を特定するため処
理領域を確保する領域をより小さくすることができる。
さらに、請求項5にかかる発明によれば、複数単位の処
理対象データの要求および生成を行うことが可能にな
る。さらに、請求項6にかかる発明によれば、各画像処
理モジュールが個別の記憶領域に画像処理を実行した処
理対象データを保存するため、各画像処理モジュールで
の処理結果を利用することが可能になる。さらに、請求
項7にかかる発明によれば、各画像処理モジュールにて
画像処理に必要のない処理対象データを記憶領域を解放
するため、当該記憶領域を有効かつ効率的に利用するこ
とが可能になる。
【0020】さらに、請求項8にかかる発明によれば、
画像処理モジュールは高速に処理対象データを形成する
ことが可能になる。さらに、請求項9にかかる発明によ
れば、初期画像処理時と通常画像処理時に使用する画像
処理実行機能を別個にするため、処理を高速化すること
が可能になる。さらに、請求項10〜請求項18にかか
る発明によれば、上記請求項1〜請求項9に記載した画
像処理システムと同様な効果を奏する画像処理方法を提
供することができる。さらに、請求項19〜請求項24
にかかる発明によれば、上記請求項1〜請求項9に記載
した画像処理システムと同様な効果を奏する画像処理モ
ジュールを記録した媒体を提供することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面にもとづいて本発明の
実施形態を説明する。図1は本発明の一実施形態にかか
る画像処理システムを実現するハードウェアの一例とし
てのコンピュータシステム10をブロック図により示し
ている。本コンピュータシステム10は、画像データを
直接的に入力する画像入力デバイスとして、スキャナ1
1aとデジタルスチルカメラ11bとビデオカメラ11
cとを備えており、コンピュータ本体12に接続されて
いる。それぞれの入力デバイスは画像をドットマトリク
ス状の画素で表現した画像データを生成してコンピュー
タ本体12に出力可能となっており、ここで同画像デー
タはRGBの三原色においてそれぞれ256階調表示す
ることにより、約1670万色を表現可能となってい
る。
【0022】コンピュータ本体12には、外部補助記憶
装置としてのフロッピーディスクドライブ13aとハー
ドディスク13bとCD−ROMドライブ13cとが接
続されており、ハードディスク13bにはシステム関連
の主要プログラムが記録されており、フロッピーディス
クやCD−ROMなどから適宜必要なプログラムなどを
読み込み可能となっている。また、コンピュータ本体1
2を外部のネットワークなどに接続するための通信デバ
イスとしてモデム14aが接続されており、外部のネッ
トワークに同公衆通信回線を介して接続し、ソフトウェ
アやデータをダウンロードして導入可能となっている。
この例ではモデム14aにて電話回線を介して外部にア
クセスするようにしているが、LANアダプタを介して
ネットワークに対してアクセスする構成とすることも可
能である。
【0023】ここで、外部補助記憶装置のうち、フロッ
ピーディスクドライブ13aやCD−ROMドライブ1
3cについては、記録媒体自身が交換可能であり、この
記録媒体に画像データが記録された状態で供給されるこ
とにより、画像入力デバイスの一手段ともなりうる。ま
た、モデム14aやLANアダプタを介してネットワー
クにアクセスした場合、このネットワークから画像デー
タが供給されることもあり、このような場合も画像入力
デバイスの一手段となりうる。この他、コンピュータ本
体12の操作用にキーボード15aやポインティングデ
バイスとしてのマウス15bも接続され、さらに、マル
チメディア対応のためにスピーカ18aやマイク18b
を備えている。一方、画像出力デバイスとして、ディス
プレイ17aとカラープリンタ17bとを備えている。
ディスプレイ17aについては水平方向に800画素と
垂直方向に600画素の表示エリアを備えており、各画
素毎に上述した1670万色の表示が可能となってい
る。むろん、この解像度は一例に過ぎず、640×48
0画素であったり、1024×768画素であるなど、
適宜、変更可能である。
【0024】また、印刷装置としてのカラープリンタ1
7bはインクジェットプリンタであり、CMYKの四色
の色インクを用いて記録媒体たる印刷用紙上にドットを
付して画像を印刷可能となっている。画像密度は360
×360dpiや720×720dpiといった高密度
印刷が可能となっているが、階調表限については色イン
クを付すか否かといった2階調表現となっている。色イ
ンクについては、かかる四色のものに限らず、色の薄い
ライトシアンやライトマゼンタを加えた六色によってド
ットの目立ちを低減させることも可能であるしインクジ
ェット方式に限らずカラートナーを利用した静電写真方
式などを採用することも可能である。このような画像入
力デバイスを使用して画像を入力しつつ、画像出力デバ
イスに表示あるいは出力するため、コンピュータ本体1
2内では所定のプログラムが実行されることになる。そ
のうち、基本プログラムとして稼働しているのはオペレ
ーティングシステム(OS)12aであり、このオペレ
ーティングシステム12aにはディスプレイ17aでの
表示を行わせるディスプレイドライバ(DSPDRV)
12bとカラープリンタ17bに印刷出力を行わせるプ
リンタドライバ(PRT DRV)12cが組み込まれ
ている。これらのドライバ12b,12cの類はディス
プレイ17aやカラープリンタ17bの機種に依存して
おり、それぞれの機種に応じてオペレーティングシステ
ム12aに対して追加変更可能である。また、機種に依
存して標準処理以上の付加機能を実現することもできる
ようになっている。すなわち、オペレーティングシステ
ム12aという標準システム上で共通化した処理体系を
維持しつつ、許容される範囲内での各種の追加的処理を
実現できる。
【0025】この基本プログラムとしてのオペレーティ
ングシステム12a上でアプリケーション12dが実行
される。アプリケーション12dの処理内容は様々であ
り、操作デバイスとしてのキーボード15aやマウス1
5bの操作を監視し、操作された場合には各種の外部機
器を適切に制御して対応する演算処理などを実行し、さ
らには、処理結果をディスプレイ17aに表示したり、
カラープリンタ17bに出力したりすることになる。か
かるコンピュータシステム10では、画像入力デバイス
であるスキャナ11aなどで写真などを読み取って画像
データを取得することができる他、デジタルスチルカメ
ラ11bで撮影した画像データを取得したり、ビデオカ
メラ11cで撮影した動画としての画像データを取得す
ることができる。このような画像データは最終的に画像
出力デバイスとしてのディスプレイ17aで表示した
り、カラープリンタ17bで印刷することになるが、元
の画像データのままでは写りが悪いなどの問題があるこ
とが多く、そのような場合には、何らかの修正が行われ
る。この修正を行うのは、一般的にはフォトレタッチな
どのアプリケーション12dなどであるが、本画像処理
システムではアプリケーション12dが印刷処理を実行
するときに出力されるオブジェクトデータに対してプリ
ンタドライバ12cが同修正処理を実行する。
【0026】印刷処理の際、アプリケーション12dは
オペレーティングシステム12aに対してオブジェクト
データを出力する。図2は、印刷イメージの処理単位の
変化を示しており、本来、一つの印刷イメージP.I.
は処理の都合上、分割オブジェクトデータa(1)〜a
(n)に分割され、さらにプリンタドライバ12cの処
理を経てカラープリンタ17bが処理可能なラスタデー
タb(1)〜b(n)として出力される。このプリンタ
ドライバ12cがオペレーティングシステム12aに組
み込まれた状態でのシステム上の概略構成を図3に示し
ており、API層から本プリンタドライバ12cが提供
する機能管理オブジェクトP1にアクセスされ、この機
能管理オブジェクトP1は、分割画像管理オブジェクト
P2によって上記分割オブジェクトデータの管理を実行
しつつ、処理画像管理オブジェクトP3によって処理画
像を取得する。この処理画像を取得するにあたって機能
管理オブジェクトP1は同処理画像管理オブジェクトP
3に対して必要領域を要求するし、その処理の前提とし
て予め分割オブジェクトデータに関して分割画像登録の
処理を実行する。すなわち、処理画像管理オブジェクト
P3が実際の画像処理を実行する拡大処理オブジェクト
P4と強調処理オブジェクトP5を介して分割画像管理
オブジェクトP2に対して処理対象となる画像領域を通
知するため、分割画像管理オブジェクトP2は既に登録
されている分割オブジェクトデータのうちの必要なもの
だけをメモリ上に展開して利用可能とし、展開された結
果を利用して強調処理オブジェクトP5と拡大処理オブ
ジェクトP4が画像処理を実行することになる。
【0027】図4は入力される分割オブジェクトデータ
と取得される処理画像とを示している。同図において、
元の画像をソース(Source)画像と呼ぶととも
に、拡大処理と強調処理を実施された画像をデスティネ
イション(Destination)画像と呼ぶことに
すると、入力される分割オブジェクトデータは9分割さ
れたS−Unit.a〜iである。ここで、デスティネ
イション画像は、一体として処理することも可能である
が、この場合も分割して処理するものとし、各分割画像
をD−Unit.A〜Cと呼ぶ。D−Unit.A〜C
を得るためには処理前の画像領域を利用可能であること
が必要であるが、入力されているのはS−Unit.a
〜iであって、全てを利用可能となっているか否かは分
からない。従って、処理画像管理オブジェクトP3から
分割画像管理オブジェクトP2に対して対応するS−U
nit.a〜iを利用可能とするように要求し、そのよ
うにして利用可能にされるのがS−Area.a〜cで
ある。ただし、このS−Area.a〜cは領域として
は拡大前のD−Unit.A〜Cと一致するものではな
く、周縁領域を含むものとなっている。このように周縁
領域を含むのは、拡大処理オブジェクトP4と強調処理
オブジェクトP5で画像処理する際に処理対象の画素だ
けでは処理が不可能であり、その周囲の画素も参照しな
ければならないからである。
【0028】次に、各画像処理で参照する周縁領域を図
5および図6に示す。具体的な処理内容については詳述
しないが、図5に示す強調処理では対象画素を基準とし
て上方と左方に1画素、右方と下方に2画素を参照する
必要がある。また、図6に示す拡大処理では、対象画素
を基準として右方左方と下方に1画素、上方に2画素を
参照する必要がある。周縁領域を参照する必要がある具
体的な演算例として、フィルタ処理が上げられる。この
場合の強調処理と拡大処理の例にあてはめれば、強調処
理においては4×4画素分のフィルタを利用し、拡大処
理においては3×4画素分のフィルタを利用するので、
周縁領域が必要になるといえる。図7は処理画像管理オ
ブジェクトP3から分割画像管理オブジェクトP2に必
要領域が通知される過程を示している。同図において、
最終的に取得される処理画像の領域が、最初の必要領域
S−Area’として処理画像管理オブジェクトP3に
要求されると、同処理画像管理オブジェクトP3は、拡
大処理オブジェクトP4にこれを通知する。すると、拡
大処理オブジェクトP4では自己の拡大倍率が2倍であ
るときには上記必要領域S−Area’の元となる画像
領域は1/2倍である。ただし、参照する画素は上方、
右方、下方、左方に対してそれぞれ1、2、2、1画素
づつであることを強調処理オブジェクトP5に通知す
る。この強調処理オブジェクトP5では拡大を行わない
ため、本来的に必要なのは拡大処理オブジェクトP4で
必要とする画像領域であり、上記必要領域S−Are
a’の1/2倍であるとともに、その周縁領域の(1,
2,2,1)画素である。しかし、自己においても周縁
領域を参照する必要があり、さらに周縁領域の(2,
1,1,1)画素を加えて分割画像管理オブジェクトP
2に通知する。すなわち、このような修正を加えた画像
領域S−Areaは必要領域S−Area’の1/2倍
の領域と、その周縁領域の(3,3,3,2)画素を加
えた領域となる。むろん、このような周縁領域の大きさ
は拡大処理オブジェクトP4や強調処理オブジェクトP
5の演算手法に依存しており、他の演算例では強調処理
において上下左右の全てに2画素を要求しつつ、拡大処
理で上方と左方に1画素、右方と下方に2画素を要求す
るというようなものもある。
【0029】一方、分割画像管理オブジェクトP2は、
機能管理オブジェクトP1を介して個々の分割オブジェ
クトデータが入力されており、領域としての情報を管理
しながら実体についてはスプールファイルに格納して分
割画像登録を実施している。スプールファイルはハード
ディスク13b上に格納されるため、他の処理オブジェ
クトは直接的に参照したり利用することはできない。し
かしながら、この分割画像管理オブジェクトP2は以上
のようにして通知された画像領域S−Areaを他のオ
ブジェクトから利用できるようにするため、メモリ上に
展開する。この際、必要とされた画像領域S−Area
のそのままをメモリ上に展開するのではなく、図8に示
すように、あくまでも画像領域S−Areaを包含する
に足るS−Unit.a〜iがどれにあたるかを調査
し、該当する全てのS−Unit.a〜iをメモリ上に
展開する。ここで分割オブジェクトデータの数が少なけ
れば画像領域S−Areaを包含するS−Unit.a
〜iがどれであるかを判断するのは容易である。各S−
Unit.a〜iの実体データは、ハードディスク13
b上に格納されるものの、各領域に関するヘッダ情報
は、図9に示すようなテーブルに格納されている。各テ
ーブルには次のS−Unit.a〜iの情報開始位置を
示すポインタnext_ptrが備えられている。本来
であれば、このポインタをたどることによって全てのS
−Unit.a〜iのヘッダ情報を参照することができ
るが、各S−Unit.a〜iが画像領域S−Area
の一部とでも重なり合うか否かを判断するのはいくつか
の比較演算を繰り返さなければならず、演算回数が多大
となってしまう。一方、分割オブジェクトユニットの配
置情報などから必ずしも全てのS−Unit.a〜iと
対比する必要もなく、現実的には参照すべきS−Uni
t.a〜iは限られている。例えば、図9に示す例であ
れば、S−Areaを展開するに際し、斜線を示すS−
Unit.a〜iだけを参照できればよく、一時的にで
はあるがこのテーブルにおけるポインタnext_pt
rを振り替えておくようにしている。
【0030】本実施形態においては、ポインタnext
_ptrにより参照するS−Unit.a〜iを振り替
えて間接的にS−Areaを形成するS−Unit.a
〜iを指定し、S−Areaを高速に生成可能な構成を
採用しているが、むろん、S−Areaを高速に生成可
能にする手法は限定されるものではない。図21に示す
ようにS−Areaの生成に必要なS−Unit.a〜
iをハードディスクと比較して相対的に高速アクセス可
能な主メモリやキャッシュメモリなどのメモリに格納さ
せ、S−Areaの生成時に参照させるようにしてもよ
いし、図22に示すように各S−Unit.a〜iにI
D1〜9を振り分けるとともに、このID1〜9により
順不同に配置されたS−Unit.a〜iがソース画像
の元画像を形成できるような順番に配置するIDテーブ
ルを形成し、S−Areaの生成時に参照するようにし
てもよい。
【0031】以上のようにして分割画像管理オブジェク
トP2が画像領域S−Areaを包含する全てのS−U
nit.a〜iをメモリ上に展開したら、強調処理オブ
ジェクトP5が強調処理を実行し、次いで拡大処理オブ
ジェクトP4が拡大処理を実行する。強調処理では対象
画素の周縁領域として(2,1,1,1)画素が必要で
あり、強調処理の結果として生成される画像領域は図1
0に示すように周縁領域として(2,1,1,1)画素
を省いた破線内の領域となる。また、同様にして拡大処
理では対象画素の周縁領域として(1,2,2,1)画
素が必要であり、強調処理の結果として生成される画像
領域は図11に示すように周縁領域として(1,2,
2,1)画素を省いた破線内の領域となる。むろん、拡
大処理は内部に格子点を補間生成するものであるから、
得られる処理画像は縦横2倍に拡大される結果、最初の
必要領域S−Area’と一致することになる。
【0032】次に、分割画像管理オブジェクトP2がメ
モリ上にS−Areaを展開する他の実施例を説明す
る。かかる実施例におけるプリンタドライバ12cがオ
ペレーティングシステム12aに組み込まれた状態での
システム上の概略構成を図23に示す。同図において、
API層から本プリンタドライバ12cが提供する機能
管理オブジェクトP100にアクセスされ、この機能管
理オブジェクトP100は、分割画像管理オブジェクト
P200によって分割オブジェクトデータの管理を実行
しつつ、処理画像管理オブジェクトP300より拡大お
よび色調に関する画像処理が実施された画像データを1
ラインごと取得し、取得したライン単位の画像データを
積み上げてデスティネーション画像を形成する画像デー
タを生成する。
【0033】具体的には、各モジュールにおいて色調処
理オブジェクトP500が分割画像管理オブジェクトP
200より引き渡された所定のライン単位の画像データ
に対して色調処理を実施し、所定のライン単位の画像デ
ータを形成し拡大処理オブジェクトP400に引き渡
す。次に、拡大処理オブジェクトP400は、この色調
処理が為された画像データに対して拡大処理を実施し、
1ラインの画像データを形成し処理画像管理オブジェク
トP400に引き渡し、機能管理オブジェクトP100
は処理画像管理オブジェクトP300より1ラインごと
に画像データを取得しつつ積み上げてデスティネーショ
ン画像を生成する。
【0034】ここで、本実施形態においては、拡大処理
オブジェクトP400は、1ラインの拡大処理後の画像
データを生成するため、同1ラインと参照ラインとを含
め5ラインの画像データを必要とする。従って、色調処
理オブジェクトP500に対して5ラインの画像データ
の引き渡しを通知することになる。また、色調処理オブ
ジェクトP500は、1ラインの色調処理後の画像デー
タを生成するため、当該1ラインの画像データのみでよ
い。従って、分割画像管理オブジェクトP200に対し
て1ラインの画像データの引き渡しを要求することにな
る。むろん、これらの処理にて必要とするライン数は、
特に限定されるものではなく、各オブジェクトの処理内
容に応じて適宜変更可能である。
【0035】次に、図24に入力される分割オブジェク
トデータと取得される処理画像とを示す。同図におい
て、元の画像をソース(Source)画像と呼ぶとと
もに、拡大処理と色調処理を実施された処理画像をデス
ティネイション(Destination)画像と呼ぶ
ことにする。また、入力される分割オブジェクトデータ
は9分割されたS−Unit.A〜Iである。ここで、
デスティネイション画像は、一体として処理することも
可能であるが、本実施例においてはライン単位に分割し
てラインごとに生成され、このラインごとに生成された
ものを積み上げて最終的なデスティネーション画像が生
成されるものとする。また、デスティネーション画像を
分割するライン単位の各分割画像をD−ライン.0〜n
と呼ぶ。ここで、nは整数であり、生成されるデスティ
ネーション画像の総ライン数を示している。最初に、D
−ライン.0を得るために、処理画像管理オブジェクト
P300は、拡大処理オブジェクトP400に対して1
ラインの引き渡しを通知する。ここで、拡大処理オブジ
ェクトP400は、1ラインの拡大処理を実行するため
に、上述したように5ラインの画像データを必要とす
る。従って、次の色調処理オブジェクトP500に対し
て5ラインの引き渡しを通知する。色調処理オブジェク
トP500は、色調処理を実行するにあたり1ラインの
画像データにて処理可能であるため、分割画像管理オブ
ジェクトP200に1ラインの画像データの引き渡しを
通知する。
【0036】そして、分割画像管理オブジェクトP20
0は、分割画像データS−Unit.A〜Iより所定の
1ラインの画像データを形成し、色調処理オブジェクト
P500に引き渡す。色調処理オブジェクトP500
は、この引き渡された1ラインのデータに色調処理を実
施し、色調処理が終わると、拡大処理オブジェクトP4
00からは5ラインを要求されているため、5ライン分
の色調処理が終わるまで、分割画像管理オブジェクトP
200に1ラインを引き渡しを通知し、分割画像管理オ
ブジェクトは、要求に従い順次1ラインを生成し、色調
処理オブジェクトに渡す。そして、色調処理オブジェク
トP500は、引き渡された1ラインの画像データに順
次色調処理を実行する。色調処理オブジェクトP500
は、5ラインに対する色調処理が終わると、拡大処理オ
ブジェクトP400にこの5ラインを引き渡す。拡大処
理オブジェクトP400は、この引き渡された5ライン
の内後ろ4ラインを参照して先頭1ラインの強調処理を
実施する。そして、色調処理も強調処理も実施された1
ラインのデスティネーション画像が生成され、処理画像
管理オブジェクトP300に引き渡される。
【0037】最初の1ラインのデスティネーション画像
が生成されると、以降、順次nラインまで、1ラインご
とデスティネーション画像が生成される。この1ライン
の画像を生成するにあたり、処理画像管理オブジェクト
P300は、拡大処理オブジェクトP400に1ライン
の引き渡しを通知する。ここで、拡大処理オブジェクト
P400は、既に、色調処理が終わっている5ラインを
引き渡されている。従って、この5ラインのうち先頭の
1ラインを不参照の扱いとし、2番目のラインについて
拡大処理を実施するために、色調処理オブジェクトP5
00に1ラインの引き渡しを通知する。この通知を受け
ると色調処理オブジェクトP500は、分割画像管理オ
ブジェクトP200に1ラインの引き渡しを通知する。
分割画像管理オブジェクトP200は、S−Unit.
A〜Iより所定の1ラインを形成し、色調処理オブジェ
クトP500に引き渡す。色調処理オブジェクトP50
0は、この引き渡された1ラインに対して色調処理を実
施し、拡大処理オブジェクトP400に引き渡す。拡大
処理オブジェクトP400は、この引き渡された1ライ
ンを既に引き渡されている4ラインの最後尾に付加し
て、5ラインの処理領域を形成し、上述した2番目のラ
インについて拡大処理を実施する。この2番目の1ライ
ンについて拡大処理が終わると、処理画像管理オブジェ
クトP300に引き渡す。機能管理オブジェクトP10
0は、このように処理画像管理オブジェクトP300が
取得した各オブジェクトにて各処理が実施されたライン
単位の画像データを順次積み上げてデスティネーション
画像を生成する。
【0038】以上のようにして、最初に分割画像管理オ
ブジェクトP200が色調処理オブジェクトP500に
対して1ラインの画像領域をメモリ上に展開して引き渡
し、色調処理オブジェクトP500が色調処理を実行
し、色調処理オブジェクトP500において5ラインの
画像データを生成すると、拡大処理オブジェクトP40
0に引き渡し、拡大処理を実行する。そして、5ライン
より生成された1ラインの画像データを処理画像管理オ
ブジェクトP300に引き渡す。そして、以降は、処理
画像管理オブジェクトP300,拡大処理オブジェクト
P400,色調処理オブジェクトP500,分割画像管
理オブジェクトP200間にて1ラインの引き渡し通知
および形成し、あるいは、画像処理を実行した1ライン
の画像データを逆方向にて順次引き渡し、機能管理オブ
ジェクトP100にて積み上げることによりデスティネ
ーション画像を生成する。本実施形態においては、分割
画像管理オブジェクトP200から色調処理オブジェク
トP500に引き渡される1ラインの画像データおよび
色調処理オブジェクトP500から拡大処理オブジェク
トP400に引き渡される5ラインあるいは1ラインの
画像データがS−Areaを構成することはいうまでも
ない。また、本実施形態においては、画像処理を実行す
る順番を色調処理オブジェクトP500→拡大処理オブ
ジェクトP400としているが、むろん、これに限定さ
れるものではなく、拡大処理オブジェクトP400→色
調処理オブジェクトP500としてもよいし、所定の設
定により、拡大処理オブジェクトP400あるいは色調
処理オブジェクトP500のいずれか一方のみを実行す
るようにしてもよい。
【0039】ここで、図12にプリンタドライバ12c
における手続の流れを示す。同図においては、オペレー
ティングシステム12aに組み込まれた状態でのプリン
タドライバ12cの概略構成を示しているが、図3では
プリンタドライバ12c単独での視点で示しており、さ
らにプリンタドライバ12c内を本来のドライバの機能
に近い処理と、付加的な機能に近い処理とに分割し、左
欄にドライバ機能をまとめ、右欄にモジュール機能をま
とめている。すなわち、手順1においてはドライバ機能
としてソース画像の取得処理があり、これは機能管理オ
ブジェクトP1と分割画像管理オブジェクトP2の機能
といえる。次に、手順2はフォトインスタンス取得処理
があるが、これは各オブジェクト画像ごとに別個・並行
に処理するために現在の実行処理対象を確認するための
ものである。
【0040】以上が前処理に対応し、処理の流れとして
は手順3においてモジュールの側からドライバの側に向
けて処理画像領域を上述したように通知する 一方、手順4では要求された処理画像領域を含むソース
画像(S−Unit.a〜i)をドライバ側が登録し、
これに続いて手順5では画像処理として強調処理および
拡大処理を実行することになる。なお、画像処理は、オ
ブジェクト画像全体についての評価を行っておき、その
評価結果に基づいて処理を実行する。例えば、あるオブ
ジェクト画像が全体的に暗いのであれば、画像処理で明
るく修整すればよい。この場合、オブジェクト画像は分
割オブジェクトデータに分割されてしまっているから、
それぞれのオブジェクトデータをまとめて評価するか、
個別的にオブジェクトデータについて評価しつつも、最
終的には各オブジェクト画像ごとに評価をまとめる必要
がある。
【0041】本来、分割オブジェクトデータとオブジェ
クト画像との対応関係は付けられていないのが通常であ
り、この対応付けはプリンタドライバ12cの側で行わ
なければならない。この対応付けの一つの手法として、
仮想領域に分割オブジェクトデータを展開してオブジェ
クト画像を連結する手法があるし、別の手法として分割
オブジェクトデータ同士の重なり合いや隣接具合から同
じオブジェクト画像であるか否かを判断する手法があ
る。いずれの手法を採用するかはシステムの相違によっ
てまちまちである。
【0042】一方、上述したように画像処理のためにオ
ブジェクト画像を評価するには、オブジェクト画像全体
にわたって画素の情報をサンプリングすることが有効で
あり、簡易である。このようなサンプリングは、オブジ
ェクト画像と分割オブジェクトデータとの対応関係が分
かる前後のどちらで実行しても良い。すなわち、対応関
係が分かる前に分割オブジェクトデータごとにサンプリ
ングしておき、対応関係が分かってからサンプリング結
果を統合することもできるし、対応関係が分かってから
各オブジェクト画像ごとに対応する分割オブジェクトデ
ータをサンプリングすることもできる。このようにサン
プリングの実行タイミングは条件に応じてさまざまであ
り、図12においても実行可能な三つのタイミングに対
応して破線で示している。なお、ドライバの側で行うと
いってもサンプリング用のモジュールを用意することも
可能である。
【0043】手順5の画像処理は、このサンプリング結
果を利用して実行され、生成された画像がデスティネー
ション画像となって手順6にて登録される。そして、登
録されたデスティネーション画像は手順7でドライバ側
にて出力されることになる。そして、最終的にデスティ
ネーション画像が取得されたら手順8でソース画像をメ
モリから解放する。ここでソース画像の解放タイミング
は特に制限されるものではない。例えば、一つのS−A
reaごとに登録・解放を実行するとすれば使用メモリ
領域を低減できる反面、作業が煩わしい。これに対して
使用メモリ領域の制限が少ない場合は、登録・解放の作
業をこまめに行わなくても良いと言える。
【0044】なお、上述した例では、デスティネーショ
ン画像を取得する意味で必要領域を通知しており、生成
されるデスティネーション画像は任意のメモり領域に展
開されればよい。これに対してスプールファイル自体に
対して拡大処理を実行したい場合もある。この場合は、
拡大処理された画像をスプールファイルに対して付加
し、元画像ファイルのポインタを拡大処理された画像フ
ァイルにリンクさせればよい。例えばスプールファイル
から読み出して仮想画像を構築し、画像処理を施してか
ら元のスプールファイルを書き換えたいという処理があ
るとする。かかる場合に、拡大処理をスプールファイル
中の画像ファイルに施してしまえば仮想画像上で拡大処
理を実現しなくても良くなる。しかしながら、拡大処理
すればスプールファイル中の画像ファイルよりも大きく
なるから、拡大後の画像ファイルで書き換えることはで
きない。従って、拡大後の画像データをスプールファイ
ルの後に付加していき、ポインタのリンクを張り替える
ようにするのである。
【0045】次に、拡大処理の具体的手法について説明
する。一般に、ドットマトリクス状の画素からなる画像
についてその格子間に新たに画素を生成する処理を拡大
処理と呼んで広く実行されている。これは、ディスプレ
イ17aの解像度とカラープリンタ17bの解像度に相
違があるような場合、画素単位で割り当ててしまうと一
定の大きさに表示されなくなるといった不具合を解消す
るためである。ここで、拡大処理には、次に示す手法が
知られている。 1.最近隣内挿法(単純水増しコピー)
【0046】2.3次たたみ込み補間(以下、3次補間
という) 前者のものは数学的に最も高速な拡大手法であるし、後
者のものはきれいな拡大結果を得られる反面で数学的に
は大量の演算を必要として時間がかかるという特徴を有
している。いずれにしても、これらは画像処理の技術用
語としてはフィルタ処理と呼ばれている。ここで、図1
3や図14は別々のフィルタ[1],[2]を使用して
拡大前の画像aから拡大後の画像Aを生成する原理を示
している。この場合、拡大前の画像aの数点を利用して
フィルタ[1],[2]にかけることにより、拡大後の
画像Aのある1点を求めることができる。従って、拡大
後の画像Aの全画素について本来的には演算を繰り返す
ことになる。
【0047】ところで、フィルタ[1],[2]には処
理結果について差があるはずである。すなわち、前者は
荒く見え、後者は滑らかに見えるように思われる。しか
しながら、拡大結果を使用して印刷した場合、人間の目
の認識の限界により必ずしもその差を認識することがで
きない。すなわち、高度な演算を要するフィルタ[2]
だけで拡大した場合と、フィルタ[1],[2]を併用
して拡大した場合とにおいて、拡大結果の差を認識でき
ない場合がある。図15は、後者の手順を示しており、
元の画像aに対してフィルタ[2]を利用して拡大処理
を実行し、一度、画像a’を生成した後に、今度はフィ
ルタ[1]を利用して拡大処理を実行し画像Aを得てい
る。むろん、先のフィルタ[2]の拡大処理は3次補間
を要するのでモジュールで実行し、フィルタ[1]の拡
大処理はドライバで実現するようにしてもよい。この場
合、もちろんフィルタ[1]とフィルタ[2]の拡大倍
率によっては肉眼でも差が分かるが、そのような差が分
からない範囲の組合せであるならば、処理時間のかかる
フィルタ[2]にて生成する画像a’の面積は小さいた
め高速な処理を期待できる。なぜなら、拡大処理後の画
像の面積に比例して演算量も多くなるからである。
【0048】図16は、3次補間の場合の既存の格子点
と補間点との配置を示すとともに、数1は、この3次補
間のフィルタ処理を行列演算式で示している。
【数1】 なお、関数f(t)については、 f(t) = {sin(πt)}/πt で表され、UまたはVをWに置き換えることにより、 t0 = 1+(W−|W|) t1 = (W−|W|) t2 = 1−(W−|W|) t3 = 2−(W−|W|) で表すことができる。
【0049】このような3次補間演算は、一般的に多く
の演算量を要することになるが、補間点の位置によって
は高速化が可能であり、より具体的には整数倍の拡大に
限れば処理量はかなり低減することができる。なお、こ
こでいう整数倍とは原点が格子線の交差点上に置かれる
ようになる倍率のことであって、拡大処理前後の格子点
数の比を意味するものではない。図17は、この定義で
いうところの2倍の拡大であり、図18は、3倍の拡大
である。図中、大きな白丸が原点で、小さい黒丸が補間
点である。これらの図から分かるように、整数倍の拡大
においては、補間点のいくつかは格子線上に配置され
る。以下、具体的な高速化手段について説明する。
【0050】(1) 格子線上の補間点の演算簡易化 整数倍の拡大においては、補間点のいくつかは格子線上
に配置される。従って、数1は、簡易化(演算量が減
る)される。すなわち、補間点が格子線上に存在すると
いうことは、W(UあるいはVのいずれか)が0になる
ことを意味する。よって、 t0 = 1、 t1 = 0、 t2 = 1、 t3 = 2 となる。このとき、 f(t) は、上式より以下のよう
になる。 f(0) = 1、 f(1) = 0、 f(2) = 0 よって、Y軸に関しては格子線上に存在する場合のX軸
上の補間点は、
【数2】 によって算出することになり、X軸に関しては格子線上
に存在する場合のY軸上の補間点は、
【数3】 によって算出することになる。この数2、数3から明ら
かなように拡大処理の演算を簡易化することが可能にな
る。
【0051】(2) 複数のフィルタを用意することに
よる高速化 整数倍のときに格子線上に位置する補間点はもっとも特
異な例であるが、格子線上にない場合でも倍率を固定す
るとともに、補間点ごとのフィルタ処理を用意すれば、
f(t) は定数化できるので演算処理を高速化できる。か
かる場合、f(t) を定数化すると、
【数4】 により表されることになる。ここにおいて、A〜D、K
〜N は、補間点の場所Wによって一意的に決定されう
るものであり、予め演算してテーブルに保存しておけば
よい。
【0052】ここで、拡大処理において2倍の場合につ
いて図17を参照してみると、局所的には4個の点を補
間しなければならないので拡大処理前の画像aを画像A
に拡大する場合、4つのフィルタを用意することにな
る。これを図で表したものが図19であり、複数のフィ
ルタ処理を用意することを前提とすれば、f(t) の
定数化が可能になる。f(t) の定数化が実現する具
体的な高速化は以下のような理由による。まず、f
(t) の定数化そのこと自体による高速化が可能であ
る。なぜならば、f(t) の定数化は、f(t) で表
せられる3次補間関数の演算の除去を意味するからであ
る。次に、演算種別の変化によって高速化が可能であ
る。一般に、CPUにとって同じ1回の掛け算でも、
“変数 * 変数” より “定数 * 変数”の方が高速な
処理となる。従って、数1と数4とを比較した場合、数
4の方が高速化されることが分かる。さらに、一方の定
数化によって“定数 * 変数”のかけ算を演算テーブル
にて代用することにより、高速化することができる。
【0053】以上の高速化の効果をまとめると次のよう
になる。1つの補間点を求めるために、1つのフィルタ
処理を行なう従来の手法によれば、 ・3次補間関数の演算 ・20回の“変数 * 変数”の演算 が必要である。しかしながら、上に述べたように複数の
フィルタ処理を前提とした場合には、 ・16回の演算テーブルへのアクセス ・4回の“定数 * 変数”の演算 により実現できる。従って、複数のフィルタを用意した
方が高速化を実現できる。また、先に述べた格子線上の
補間点の演算簡略化についても、同様にして複数のフィ
ルタ処理を用意して実現可能である。そして、このよう
な複数のフィルタ処理を用意することによる高速化と、
格子線上にある補間点の式の簡略化による高速化は、整
数倍であれば何倍でも有効である。
【0054】(3)その他の高速化 (a)2のn乗倍の拡大における特異な補間点の演算式
の簡略化2のn乗倍の拡大においては(nは1以上の整
数)、最近傍の原点と原点の2分の1にある場所の点を
結んだ格子線(図17の破線)に補間点が置かれるが、
X軸上の場合は、
【数5】 により表され、Y軸上の場合は、
【数6】 により表されることになる。この場合、ベクトルの対称
性を利用することにより、 ・16回の演算テーブルへのアクセス ・2回の“定数 * 変数”の演算 だけで補間点を求めることができる。
【0055】(b) 各フィルタ間で共用できる演算の
保存による演算量の節約 補間点数分のフィルタを用意することによって、高速化
できることはすでに述べたが、各フィルタ間で共用でき
る演算を保存することによって演算量を節約することが
できる。 (c)4倍拡大における高速化の例 図20は、4倍拡大におけるコーディング例を示してい
る。上述した高速化が具体的に適用されている行に注釈
を付している。すなわち、高速化は、 ・原点のコピー ・格子線上の簡易式 ・各フィルタ間で共用できる演算の保存 ・2のn乗倍の特異点の簡易式 という手法で表れている。
【0056】上述してきたように整数倍の補間拡大に限
れば処理量はかなり低減することができる。従って、局
所的に補間位置を特定することが高速化に有効であるこ
とが分かった。かかる整数倍による補間拡大の方法を適
用する場合、整数倍の補間に限定せず、少数倍の補間拡
大についても応用することが考えられる。ここでは、拡
大処理の他の実施例について、少数倍、具体的には1.
25倍の補間拡大について考察する。この1.25倍の
補間拡大における局所的な作用を図25に示す。同図に
おいて、局所的な1.25倍とは、4点の原点を補間点
の1点を含めて5点にすることである。すなわち、平面
において、16点の原点を補間点を含めて25点に拡大
することをいう。
【0057】従って、図25に示すように補間点の座標
は予め推測することが可能であり、そのことによる演算
の効率化および演算量の低減は上述した整数倍の補間拡
大による実施例と同様である。よって、それぞれの補間
点ごとに最適なフィルタを用意すればよいことになる。
ここでは、それぞれの補間点ごとのフィルタを子フィル
タと呼び、16点の原点から補間点を含め25点の画素
を生成する。これらの子フィルタを使用した全体のフィ
ルタをフィルタ16to25と呼ぶ。ここで、フィルタ
16to25を構成する子フィルタに必要なベクトル要
素を示す。 ・P1〜P5を求めるために必要な1024倍されたベ
クトル要素 P1:{0,1024,0,0} P2:{VA,VB,VC,VD} P3:{VE,VF,VG,VH} P4:{VH,VG,VF,VE} P5:{VD,VC,VB,VA} なお、VA〜VHは3次元補間関数とその補間位置から
予め求められる定数である。
【0058】このように、ある画像を1.25倍にする
ことを考えた場合、フィルタ16to25を16点ずつ
周期的に通すことになる。しかし、一般的にはフィルタ
16to25を通すことができない余りの領域が出るこ
とは自明である。従って、フィルタ16to25を適用
する場合、参照画素の影響も考えなければならない。こ
の余った領域は別のフィルタを通すことになるので、均
一性がなくなり、歪みが生じる。ただし、これは人間の
目の誤差の範囲内であることを前提とする。
【0059】ここで、フィルタ16to25を通した場
合のソース画像とデスティネーション画像の大きさの関
係を示す。ソース画像1辺の長さをsLとすると、フィ
ルタ16to25を通して得られるデスティネーション
画像の1辺の長さdLは、以下のようになる。 ・dL = {(sLー1)/4}*5+1 { }は整数部分 ・・・・式(1) となる。ただし、複数の連続した局所的な箇所であっ
て、参照画素の影響がなければ、 ・dL = {sL/4}*5 ・・・・式(2) となる。
【0060】次に、画像データを形成する画素数が4の
倍数である場合に、1.25倍の補間拡大を実施するこ
とについて検証する。具体的に、本実施形態においては
デジタルカメラの補間拡大などにより必要とされてい
る、「1280画素*960画素」を1.25倍により
補間拡大し、「1600画素*1200画素」に修正す
るということについて検証する。かかる場合、X座標お
よびY座標は、Nを整数とすると、4*Nの画素数を5
*Nの画素数に変換することを示している。式(2)を
使用して、sLに4*Nを代入すると、 ・dL_1=[4*N/4]*5 ・・・・(3) =[N]*5 =5*N となり、局所的な1.25倍が利用可能であることが分
かる。ただし、全体の大きさを考えた場合は、式(1)
に基づいて考えなければならないので、 ・dL_2=[4*(N−1)/4]*5+1 ・・・・(4) =[N−1/4]*5+1 ・・・・(4−1) =5*N−4 ・・・・(4−2) となる。式(4−2)は、デスティネーション画像とし
て4画素足りない状態を示し、式(4−1)は(N−
1)回しか、フィルタ16to25を通していないこと
を示している。このことから、ソース画像でフィルタ1
6to25を適用することができる画素は、4*(N−
1)点であり、4N−4(N−1)=4点は未処理のま
まであることが分かる。また、デスティネーション画像
としてフィルタ16to25により取り出せる画素は、
5*(N−1)であり、5N−5(N−1)=5点が生
成できないことになる。従って、ソース画像の残りの4
点からデスティネーション画像における不足分5点を生
成する方法を考える必要がある。
【0061】このソース画像の残りの4点からデスティ
ネーション画像における不足分5点を生成する方法を図
26示す。同図において、局所的には3点を4点にす
る、すなわち、4/3=1.3333・・・・倍(以
下、1.3倍)の補間拡大になる。ここで、この局所的
な1.3倍の補間拡大に必要となるベクトル要素は以下
のようになる。 ・P1〜P4を求めるために必要な1024倍されたベ
クトル要素 P1:{0,1024,0,0} P2:{VK,VL,VM,VN} P3:{VX,VY,VY,VX} P4:{VN,VM,VL,VK} なお、VK〜VN,VX,VYは3次元補間関数とその
補間位置から予め求められる定数である。
【0062】以上のことから、フィルタ16to25で
処理できなかった箇所については、X方向には、フィル
タ12to25X、Y方向にはフィルタ12to25Y
を使用する。また、X,Y方向ともに1.25倍できな
い箇所はフィルタ9to16を使用する。ここで、この
フィルタ12to15Yを使用する際の原点と補間点の
相関を示した相関図を図27に示す(フィルタ12to
25Xは90度回転した図になる。)。このように、
1.25倍の補間拡大では、局所的には1.25倍と
1.3倍の補間拡大を実行する。かかる場合、フィルタ
16to25、フィルタ12to20X、フィルタ12
to20X、フィルタ9to16を使用すると補間拡大
が可能となり、これに伴い補間拡大処理の高速化を実現
することが可能になる。
【0063】これらのフィルタで必要なベクトル要素を
まとめると、14個のベクトル要素が必要になる。よっ
て、それぞれのベクトル要素に0〜255を掛けた、2
56個の要素から形成される14個の演算テーブルを使
用することにより演算数を減らすことが可能になる。こ
こで、この演算テーブルの要素1個の大きさを4バイト
とすると、1個の演算テーブルの大きさは、1024バ
イト(1KB)である。これが14個あるので、演算テ
ーブルに必要なメモリは14KBとなる。
【0064】このように、各管理オブジェクトP100
〜P300と、各画像処理オブジェクトP400,P5
00を組み合わせた画像処理システムにおいて、各オブ
ジェクトP300〜P500は自己の画像処理に必要な
処理領域を前のオブジェクトP200,P400,P5
00に要求する。そして、要求を受けたオブジェクトは
分割画像管理オブジェクトP200が形成した所定の領
域の引き渡しを受けたり、各オブジェクトP400,P
500が自己の画像処理を実行したものを積み上げて形
成した処理領域の引き渡しを受ける。従って、各オブジ
ェクトは前後のオブジェクトと接続し、要求のあった処
理領域を引き渡すのみでよく処理構成を簡易にすること
が可能になる。また、各オブジェクトは前後に接続する
オブジェクトと相互にデータの授受を可能にすればよ
く、オブジェクトが増加減しても、管理オブジェクトP
100〜P300を修正する必要がないため、柔軟な画
像処理システムを構築することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる画像処理システム
を実行するコンピュータシステムのブロック図である。
【図2】印刷イメージの処理単位の変化を示す図であ
る。
【図3】オペレーティングシステムに組み込まれた状態
でのプリンタドライバの概略構成を示す図である。
【図4】画像の処理単位を示す図である。
【図5】強調処理で必要な周縁領域を示す図である。
【図6】拡大処理で必要な周縁領域を示す図である。
【図7】モジュール側からドライバ側に必要領域を要求
する際に通知する過程を示す図である。
【図8】S−AreaとS−Unitの関係を示す図で
ある。
【図9】S−Unitのポインタテーブルを示す図であ
る。
【図10】強調処理を実行する場合の実質的処理対象領
域を示す図である。
【図11】拡大処理を実行する場合の実質的処理対象領
域を示す図である。
【図12】プリンタドライバにおける手続の流れを示す
図である。
【図13】第1のフィルタ処理による拡大処理を示す図
である。
【図14】第2のフィルタ処理による拡大処理を示す図
である。
【図15】二段階のフィルタ処理による拡大処理を示す
図である。
【図16】3次補間の格子点と補間点の関係を示す図で
ある。
【図17】2倍補間の格子点と補間点の関係を示す図で
ある。
【図18】3倍補間の格子点と補間点の関係を示す図で
ある。
【図19】4つのフィルタ処理を利用した3次補間によ
る拡大処理を示す図である。
【図20】4倍拡大におけるコーディング例を示す図で
ある。
【図21】S−Unitについて処理対象となるものを
分離格納した場合の図である。
【図22】S−Unitの処理領域テーブルを示す図で
ある。
【図23】他の実施の形態におけるオペレーティングシ
ステムに組み込まれた状態でのプリンタドライバの構成
を示す図である。
【図24】他の実施の形態おける画像の処理単位を示す
図である。
【図25】1.25倍補間の格子点と補間点の関係を示
す図である。
【図26】1.3倍補間の格子点と補間点の関係を示す
図である。
【図27】フィルタ12to15Yを使用する際の原点
と補間点の相関を示した相関図である。
【符号の説明】
10…コンピュータシステム 11a…スキャナ 11a2…スキャナ 11b…デジタルスチルカメラ 11b1…デジタルスチルカメラ 11b2…デジタルスチルカメラ 11c…ビデオカメラ 12…コンピュータ本体 12a…オペレーティングシステム 12b…ディスプレイドライバ 12c…プリンタドライバ 12d…アプリケーション 13a…フロッピーディスクドライブ 13b…ハードディスク 13c…CD−ROMドライブ 14a…モデム 14a2…モデム 15a…キーボード 15b…マウス 17a…ディスプレイ 17b…カラープリンタ 18a…スピーカ 18b…マイク

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 個別に所定の処理対象データに対して画
    像処理を実行する少なくとも2つ以上の画像処理モジュ
    ールを組み合わせて利用する画像処理システムであっ
    て、 上記画像処理を実行するに際して、当該画像処理に必要
    となる処理対象データを他の画像処理モジュールに要求
    するとともに、当該他の画像処理モジュールがこの要求
    に基づいて生成した処理対象データを利用して画像処理
    を実行する画像処理実行機能を有する画像処理モジュー
    ルと、 他の画像処理モジュールからの要求を受け付けた際に、
    上記画像処理を実行した処理対象データを当該他の画像
    処理モジュールが利用するのに必要十分な領域だけ生成
    する生成機能を有する画像処理モジュールとを具備する
    ことを特徴とする画像処理システム。
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載の画像処理システム
    において、 上記画像処理実行機能および生成機能は、一の画像処理
    モジュールに組み込まれることを特徴とする画像処理シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 上記請求項1または請求項2のいずれか
    に記載の画像処理システムにおいて、 上記画像処理実行機能は、上記処理対象データがドット
    マトリクス状に配置された画素から構成される場合、処
    理対象データとして当該複数の画素を有する所定数のラ
    イン単位にて形成される処理領域を要求し、 上記生成機能は、同ライン単位によって当該要求に対応
    する処理領域を生成することを特徴とする画像処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜請求項3のいずれかに記
    載の画像処理システムにおいて、 上記画像処理実行機能は、上記処理対象データがドット
    マトリクス状に配置された画素から構成される場合、処
    理対象データとして所定数の画素単位にて形成される処
    理領域を要求し、 上記生成機能は、同画素単位によって要求に対応する処
    理領域を生成することを特徴とする画像処理システム。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の画像処理システムにおいて、 上記画像処理実行機能は、後段の画像処理モジュールが
    画像処理に利用するのに必要十分な領域を含めた上で、
    必要となる上記領域の処理対象データを他の画像処理モ
    ジュールに要求することを特徴とする画像処理システ
    ム。
  6. 【請求項6】 上記請求項1〜請求項5のいずれかに記
    載の画像処理システムにおいて、 上記生成機能は、所定の記憶領域に個別に処理対象デー
    タを生成することを特徴とする画像処理システム。
  7. 【請求項7】 上記請求項6に記載の画像処理システム
    において、 上記各画像処理モジュールは、組み合わせて利用される
    にあたり所定の順番で順序付けられるとともに、 上記生成機能は、後順位の画像処理モジュールがある場
    合、上記記憶領域に個別に生成した処理対象データから
    以降の画像処理モジュールで不要な処理対象データを順
    次解放することを特徴とする画像処理システム。
  8. 【請求項8】 上記請求項1〜請求項7のいずれかに記
    載の画像処理システムにおいて、 上記生成機能は、所定の元画像データから処理対象デー
    タを生成するとともに、同処理対象データを生成するに
    際して、利用頻度の高い処理対象データを限定して利用
    可能にすることを特徴とする画像処理システム。
  9. 【請求項9】 上記請求項1〜請求項8のいずれかに記
    載の画像処理システムにおいて、 上記画像処理実行機能は、初期画像処理時に必要な処理
    対象データを要求する初期処理対象データ画像処理実行
    機能と、初期画像処理以降の通常時に必要な処理対象デ
    ータを要求する通常処理対象データ画像処理実行機能と
    を備えることを特徴とする画像処理システム。
  10. 【請求項10】 個別に所定の処理対象データに対して
    画像処理を実行する少なくとも2つ以上の画像処理モジ
    ュールを組み合わせて利用する画像処理方法であって、 上記画像処理を実行するに際して、当該画像処理に必要
    となる処理対象データを他の画像処理モジュールに要求
    するとともに、当該他の画像処理モジュールがこの要求
    に基づいて生成した処理対象データを利用して画像処理
    を実行する画像処理実行工程と、 他の画像処理モジュールからの要求を受け付けた際に、
    上記画像処理を実施した処理対象データを当該他の画像
    処理モジュールが利用するのに必要十分な領域だけ生成
    する生成工程とを具備することを特徴とする画像処理方
    法。
  11. 【請求項11】 上記請求項10に記載の画像処理方法
    において、 上記画像処理実行工程および生成工程は、一の画像処理
    モジュールに組み込まれることを特徴とする画像処理方
    法。
  12. 【請求項12】 上記請求項10または請求項11のい
    ずれかに記載の画像処理方法において、 上記画像処理実行工程は、上記処理対象データがドット
    マトリクス状に配置された画素から構成される場合、要
    求する処理対象データとして当該複数の画素を有する所
    定数のライン単位にて形成される処理領域を要求し、 上記生成工程は、同ライン単位によって当該要求に対応
    する処理領域を生成することを特徴とする画像処理方
    法。
  13. 【請求項13】 上記請求項10〜請求項12のいずれ
    かに記載の画像処理方法において、 上記画像処理実行工程は、上記処理対象データがドット
    マトリクス状に配置された画素から構成される場合、要
    求する処理対象データとして所定数の画素単位にて形成
    される処理領域を要求し、 上記生成工程は、同画素単位によって要求に対応する処
    理領域を生成することを特徴とする画像処理方法。
  14. 【請求項14】 上記請求項10〜請求項13のいずれ
    かに記載の画像処理方法において、 上記画像処理実行工程は、後段の画像処理で必要な処理
    領域を含めた上で必要となる上記処理領域を前段の画像
    処理モジュールに要求することを特徴とする画像処理方
    法。
  15. 【請求項15】 上記請求項10〜請求項14のいずれ
    かに記載の画像処理方法において、 上記生成工程は、所定の記憶領域に個別に処理対象デー
    タを生成することを特徴とする画像処理方法。
  16. 【請求項16】 上記請求項15に記載の画像処理方法
    において、 上記各画像処理モジュールは、組み合わせて利用される
    にあたり所定の順番で順序付けられるとともに、 上記生成工程は、後順位の画像処理モジュールがある場
    合、上記記憶領域に個別に生成した処理対象データから
    以降の画像処理モジュールで不要な処理対象データを順
    次解放することを特徴とする画像処理方法。
  17. 【請求項17】 上記請求項10〜請求項16のいずれ
    かに記載の画像処理方法において、 上記生成工程は、所定の元画像データから処理対象デー
    タを生成するとともに、同処理対象データを生成するに
    際して、利用頻度の高い処理対象データを限定して利用
    可能にすることを特徴とする画像処理方法。
  18. 【請求項18】 上記請求項10〜請求項17のいずれ
    かに記載の画像処理方法において、 上記画像処理実行工程は、初期画像処理時に必要な処理
    対象データを要求する初期処理対象データ画像処理実行
    工程と、初期画像処理以降の通常時に必要な処理対象デ
    ータを要求する通常処理対象データ画像処理実行工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  19. 【請求項19】 所定の処理対象データに対して画像処
    理を実行するとともに、当該画像処理を実行するに際し
    て、少なくとも2つ以上の画像処理モジュールと適宜処
    理対象データの送受が可能な画像処理モジュールをコン
    ピュータで実行可能なプログラムにて記録した媒体であ
    って、 上記画像処理を実行するに際して、後段の画像処理で必
    要となる処理領域を含めた上で当該画像処理に必要とな
    る処理対象データを前段の他の画像処理モジュールに要
    求するとともに、当該他の画像処理モジュールがこの要
    求に基づいて生成した処理対象データを利用して画像処
    理を実行する画像処理実行機能を実現することを特徴と
    する画像処理モジュールを記録した媒体。
  20. 【請求項20】 所定の処理対象データに対して画像処
    理を実行するとともに、当該画像処理を実行するに際し
    て、少なくとも2つ以上の画像処理モジュールと適宜処
    理対象データの送受が可能な画像処理モジュールをコン
    ピュータで実行可能なプログラムにて記録した媒体であ
    って、 上記画像処理を実行するに際して、当該画像処理に必要
    となる処理対象データを他の画像処理モジュールに要求
    するとともに、当該他の画像処理モジュールがこの要求
    に基づいて生成した処理対象データを利用して画像処理
    を実行する画像処理実行機能と、 他の画像処理モジュールからの要求を受け付けた際に、
    上記画像処理を実施した処理対象データを当該他の画像
    処理モジュールが利用するのに必要十分な領域だけ生成
    する生成機能とを実現することを特徴とする画像処理モ
    ジュールを記録した媒体。
  21. 【請求項21】 上記請求項19または請求項20のい
    ずれかに記載の画像処理モジュールを記録した媒体にお
    いて、 上記画像処理実行機能は、上記処理対象データがドット
    マトリクス状に配置された画素から構成される場合、要
    求する処理対象データとして当該複数の画素を有する所
    定数のライン単位にて形成される処理領域を要求し、 上記生成機能は、同ライン単位によって当該要求に対応
    する処理領域を生成することを特徴とする画像処理モジ
    ュールを記録した媒体。
  22. 【請求項22】 上記請求項19〜請求項21のいずれ
    かに記載の画像処理モジュールを記録した媒体におい
    て、 上記画像処理実行機能は、上記処理対象データがドット
    マトリクス状に配置された画素から構成される場合、要
    求する処理対象データとして所定数の画素単位にて形成
    される処理領域を要求し、 上記生成機能は、同画素単位によって要求に対応する処
    理領域を生成することを特徴とする画像処理モジュール
    を記録した媒体。
  23. 【請求項23】 上記請求項20請求項22のいずれ
    かに記載の画像処理モジュールを記録した媒体におい
    て、 上記生成機能は、所定の元画像データから処理対象デー
    タを生成するとともに、同処理対象データを生成するに
    際して、利用頻度の高い処理対象データを限定して利用
    可能にすることを特徴とする画像処理モジュールを記録
    した媒体。
  24. 【請求項24】 上記請求項19に記載の画像処理モジ
    ュールを記録した媒体において、 上記画像処理実行機能は、初期画像処理時に必要な処理
    対象データを要求する初期処理対象データ画像処理実行
    機能と、初期画像処理以降の通常時に必要な処理対象デ
    ータを要求する通常処理対象データ画像処理実行機能と
    を備えることを特徴とする画像処理モジュールを記録し
    た媒体。
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