JP3467231B2 - プログラマブルコントローラを用いたホットランナー温度制御装置 - Google Patents

プログラマブルコントローラを用いたホットランナー温度制御装置

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幸樹 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はプログラマブルコ
ントローラを用いた温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機のホットランナーの温度制御
を行うものとして、例えば、アナログユニット方式とか
マイコンボード方式(特許第1597129号)などが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者のアナ
ログユニット方式にあっては、以下のような不都合、欠
陥が見出される。
【0004】(1)制御点数が多くなると制御点数分の
ユニットが必要となり、サイズが大きくなり高価とな
る。
【0005】(2)汎用の温度制御ユニットは、あらゆ
る加熱ヒーターに対応しているため、ホットランナー専
用の自社ノウハウプログラムを組み込むことが不可能で
ある。
【0006】(3)設定値を入力・変更する場合、制御
点数分のボリュームやカウンタを設定する必要があり、
使いづらい。
【0007】(4)設定値の記憶・呼び出しの機能が無
い。
【0008】(5)外部機器とのインターフェースプロ
グラムを組み込むのが困難で、高価なシステムとなる。
【0009】(6)タイマーやカウンターなど増設が困
難で、高価となる。
【0010】また、後者のマイコンボード方式にあって
も、以下のような問題点が見出される。
【0011】(1)表示器(タッチパネル付きLCD)
を制御する場合、画面表示の基本的なプログラムから設
計・開発する必要があり、大変多くの工数が掛かる。
【0012】(2)外部機器とのインターフェースプロ
グラムに特注プログラムの要望があると、作成に多くの
工数を要する。
【0013】(3)プログラム変更には、熟練度を要す
るため、特注プログラム対応が困難となる。
【0014】(4)ハード設計(ノイズ対策)が困難で
ある。
【0015】この発明は叙上の点に着目して成されたも
ので、設計制御を簡単にして能率的で短期間で行えるよ
うにすると共に、小型・低コスト化を可能にしたプログ
ラマブルコントローラを用いたホットランナー制御装置
を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は下記の構成を
備えることにより、上記課題を解決することができる。
【0017】(1)溶融樹脂をホットランナーよりゲー
トを介して所望のキャビティ内に射出成形することがで
きる射出成形装置に用いるものであって、前記ホットラ
ンナーの温度制御を、温度制御モジュールと、電源モジ
ュールと、CPUモジュールと、入出力モジュール等を
備えたプログラマブルコントローラを用いて行うことを
特徴とするプログラマブルコントローラを用いたホット
ランナー温度制御装置。
【0018】(2)温度制御モジュールは、プログラマ
ブルコントローラから受け取ったホットランナーのヒー
タ設定温度と、プログラマブルコントローラと通ずるホ
ットランナーの温度入力回路から受け取った実測温度と
を比較して温度制御を行い、その制御値を出力回路によ
り出力できるようにして成ることを特徴とする前記
(1)記載のプログラマブルコントローラを用いたホッ
トランナー温度制御装置。
【0019】(3)プログラマブルコントローラは、タ
ッチパネル付きLCDを備え、このタッチパネル付きL
CDへの表示入力制御、成形機とのインターロック
その他接点信号の入出力、パソコンとの通信を含むこと
を特徴とする前記(1)又は(2)記載のプログラマブ
ルコントローラを用いたホットランナー温度制御装置。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、この発明の一実施例の形
態を説明する。
【0021】図1は、この発明に係る全体のシステム構
成図、図2は、具体的なハードウエア構成を示す説明図
である。
【0022】各図において、1は必要な数のホットラン
ナー21,22,23,24を設けた射出成形機の金型側構
成、3はプログラマブルコントローラを用いたホットラ
ンナー温度制御装置を示し、内部構成には、電源モジュ
ール4、CPUモジュール5、入出力モジュール6およ
びホットランナー温度制御モジュール7で構成するプロ
グラマブルコントローラ15が設けられており、かつこ
のホットランナー温度制御装置3は、前記金型側構成1
の各ホットランナー21,22,23,24と熱電対による
入力ケーブル8および各ホットランナー21,22
3,24に内蔵したヒータへの出力ケーブル9が接続さ
れている。
【0023】なお、この発明における図示されたホット
ランナー21,22,23,24は、図示しないが、いづれ
も射出成形機のキャビティのゲートに通ずるランナー部
分の中心軸上に配設される従来周知のプローブ型のもの
を示しており、かつ、必要に応じてホットランナー
1,22,23,24の先端先鋭部分には、ゲートに貯溜
してゲートを閉じる働きを呈する固化樹脂を間欠的に加
熱して、ゲートに貯溜する固化樹脂を加熱溶融してゲー
トを開くようにした間欠加熱型ヒータ(スピアシステム
構成のヒータ)を設ける場合を含むものである。
【0024】また、このホットランナーは、上述の構成
に代え、ホットランナーの外周壁内に沿って円管状にヒ
ータを内蔵させる方式のものにも同様に実施できる。
【0025】10はインターフェース基板を示し、プロ
ーブ型のホットランナーの熱電対の温度入力回路10a
が設けられている。11はバックプレーン基板を示し、
プローブ型ホットランナーのヒータへの電流を出力でき
る出力回路11aを備えている。12は上記インターフ
ェース基板10と、バックプレーン基板11と前記温度
制御モジュール7とを接続するバスラインである。な
お、図示では、インターフェース基板10およびバック
プレーン基板11がプログラマブルコントローラ15よ
り外された状態で示されているが、之等の両基板10,
11は、ホットランナー温度制御装置3の空処に整然と
組み込まれていることは勿論である。
【0026】13は、プログラマブルコントローラ3と
接続されているタッチパネル付きのLCDであって、作
業者の制御,設定等を簡単に操作できるようになってい
る。
【0027】叙上の構成により成るので、射出成形機の
ホットランナーの温度制御、設定温度の入力、実測温度
の表示、外部機器とのインターロックその他接点入出
力は、全てプログラマブルコントローラ15の電源モジ
ュール4、CPUモジュール5、入出力モジュール6お
よび温度制御モジュールによって行うことができ、パソ
コンリンクモジュールを追加するだけで、外部パソコン
(ウインドウズ(登録商標))との接続ができる。
【0028】そして、この温度制御ブロックは、ホット
ランナーを備える金型側構成1のマニホールドとボディ
の温度制御と、必要なホットランナーに設けられる間欠
加熱を行う先端先鋭部分の温度制御を行うことができ、
かつ前記温度制御モジュール7は、プログラマブルコン
トローラ15より得られたホットランナーのヒーター設
定温度と、ホットランナーの温度入力回路10aから得
られた実測温度とを比較して制御値を演算し、これを出
力回路11aよりホットランナーに送り出すことができ
る。したがって、成形材料樹脂の種類,品質と成形品の
形状など、高精度成形に必要なホットランナーの温度制
御を理想な状態で行わせることができる。
【0029】なお、この発明に用いられるプログラマブ
ルコントローラ15は、開発言語が複雑なアセンブラか
ら解り易いラダーに置き換えられており、またタッチパ
ネル付きLCDの基本プログラムが設置されていたり、
シリアル通信やLANインターフェースなど様々な拡張
モジュールが組み込まれているので、ハードウエアの設
計が簡略化できる。
【0030】
【発明の効果】この発明によれば、プログラマブルコン
トローラを用いたことにより、ホットランナー射出成形
機の温度制御の主な設定作業の内、設定温度の入力、実
測温度の表示,外部機器とのインターロック・その他接
点入・出力および外部パソコンとの接続を簡単に行うこ
とができ、ホットランナーの温度をホットランナー温度
制御モジュールを用いて、成形機メーカー独自の設定が
簡単かつ容易に設定できるのできわめて操作が能率的で
あって、格別な熟練を要せず、しかも高速でかつ全体を
高容量にして小型化できる。
【0031】さらに、この発明によれば、通信ネットワ
ークを用いた遠隔メンテナンスも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る全体のシステム構成図
【図2】 図1に示すプログラマブルコントローラを用
いたホットランナー温度制御装置の具体的構成を示す説
明図
【符号の説明】
1 金型側構成 21,22,23,24 ホットランナー 3 プログラマブルコントローラを用いたホットランナ
ー温度制御装置 4 電源モジュール 5 CPUモジュール 6 入出力モジュール 7 ホットランナー温度制御モジュール 8 熱電対による入力ケーブル 9 出力ケーブル 10 インターフェース基板 10a 温度入力回路 11 バックプレーン基板 11a 出力回路 15 プログラマブルコントローラ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂をホットランナーよりゲートを
    介して所望のキャビティ内に射出成形することができる
    射出成形装置に用いるものであって、前記ホットランナ
    ーの温度制御を、温度制御モジュールと、電源モジュー
    と、CPUモジュールと、入出力モジュール等を備え
    たプログラマブルコントローラを用いて行うことを特徴
    とするプログラマブルコントローラを用いたホットラン
    ナー温度制御装置。
  2. 【請求項2】 温度制御モジュールは、プログラマブル
    コントローラから受け取ったホットランナーのヒータ設
    定温度と、プログラマブルコントローラと通ずるホット
    ランナーの温度入力回路から受け取った実測温度とを比
    較して温度制御を行い、その制御値を出力回路により出
    力できるようにして成ることを特徴とする請求項1記載
    のプログラマブルコントローラを用いたホットランナー
    温度制御装置。
  3. 【請求項3】 プログラマブルコントローラは、タッチ
    パネル付きLCDを備え、このタッチパネル付きLCD
    への表示入力制御、成形機とのインターロックその
    他接点信号の入出力、パソコンとの通信を含むことを特
    徴とする請求項1又は2記載のプログラマブルコントロ
    ーラを用いたホットランナー温度制御装置。
JP2000189511A 2000-06-23 2000-06-23 プログラマブルコントローラを用いたホットランナー温度制御装置 Expired - Lifetime JP3467231B2 (ja)

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