JP3465537B2 - 入出力装置 - Google Patents

入出力装置

Info

Publication number
JP3465537B2
JP3465537B2 JP17245397A JP17245397A JP3465537B2 JP 3465537 B2 JP3465537 B2 JP 3465537B2 JP 17245397 A JP17245397 A JP 17245397A JP 17245397 A JP17245397 A JP 17245397A JP 3465537 B2 JP3465537 B2 JP 3465537B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display
input
liquid crystal
output device
display screen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP17245397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1124838A (ja
Inventor
雅昭 荒木
英二 西川
一広 鈴木
恒正 三田
和善 伊藤
壽一 美濃本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP17245397A priority Critical patent/JP3465537B2/ja
Publication of JPH1124838A publication Critical patent/JPH1124838A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3465537B2 publication Critical patent/JP3465537B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、ファク
シミリやプリンターなどのOA機器、パーソナルコンピ
ューターやワードプロセッサ、更にはハンデイ端末機器
や携帯型情報通信機器など電子機器に広く用いられる液
晶表示パネル、EL等を備えた入出力装置(ユーザーイ
ンタフェース装置)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の入出力装置として、例え
ば複写機やファクシミリ等のOA機器や電子機器のコン
トロールパネルなどに使用される入出力装置では、当該
機器の操作情報及びこの操作情報に応じた仮想操作ボタ
ンを表示する液晶表示画面等の情報入力ディスプレイを
備え、上記仮想操作ボタンの押圧によって機能選択やコ
ピー枚数の指示等の制御情報を当該機器に入力し得るも
のが知られている。
【0003】このような入出力装置に関する技術として
は、例えば、実開昭62−139025号公報、実開平
3−124542号公報、特開平6−332602号公
報及び特開昭63−247819号公報等に開示されて
いるものが既に提案されている。
【0004】上記実開昭62−139025号公報に係
る操作パネルスイッチは、多数表示を行なう操作パネル
スイッチであって、ドットマトリックス液晶表示素子の
上面に、複数の透明電極を有するメンブレンスイッチを
配置するように構成したものである。
【0005】また、上記実開平3−124542号公報
に係る液晶表示パネルを用いたスイッチ機構は、電子機
器の各種の機能をコントロールするスイッチ機構におい
て、電子機器の各種の機能を表すシンボル群が表示され
る液晶表示パネルと、複数画面分のシンボル群を記憶す
るメモリ部と、前記液晶パネルの前面に設けられてお
り、表示されたシンボル群に応じた機能に切り換えられ
る透明な感圧センサと、この感圧センサの機能を切り換
えるインターフェイス部と、前記液晶表示パネルを裏面
から照射するバックライトとを具備するように構成した
ものである。
【0006】さらに、上記特開平6−332602号公
報に係る情報処理装置は、種々の情報を表示する液晶デ
ィスプレイと、前記液晶ディスプレイの前面に張られた
感圧式タッチパネルと、前記液晶ディスプレイ上に適宜
表示され、表示時には、その表示上に入力された座標位
置を前記感圧式タッチパネルから受けとるソフトウェア
キーボードと、前記ソフトウェアキーボードの前面に置
いたり取り外したりする、前記ソフトウェアキーボード
のキー配列に合わせて上面にキーボタン状の突起を設
け、その突起の表面に前記ソフトウェアキーボードのキ
ー文字配列に合わせた文字を印刷などにより表示した突
起付キーボード入力補助部とを備えるように構成したも
のである。
【0007】一方、上記特開昭63−247819号公
報に係るタッチパネル入出力装置は、多数のキャラクタ
領域の集合として表示画面が構成される表示装置と、前
記画面上に重ねて設けられたマトリックス状のディジタ
ルタッチスイッチであって、1つの座標を検知する1つ
の区画領域の大きさが前記キャラクタ領域の区画とほぼ
等しく、かつ前記表示装置のキャラクタ領域の表示ピッ
チと前記ディジタルタッチスイッチの区画領域の検出ピ
ッチがほぼ等しいディジタルタッチスイッチとを有する
タッチパネル入出力装置において、前記表示装置のキャ
ラクタ領域に対して前記ディジタルタッチスイッチの区
画領域をX方向およびY方向に各々1/2ピッチずつず
らして重ねて配置するように構成したものである。
【0008】図24は上記の如く種々提案されている技
術のうち、従来の複写機のコントロールパネルの具体的
構造を示す分解図である。かかる従来の構造において、
上記情報入力ディスプレイは、板ガラスを張り合わせて
形成されている透過型の液晶表示画面21と、この表示
画面21の上に重畳配置されるタッチパネル22とから
構成されており、開口部23を有するパネル板24が当
該情報入力ディスプレイを覆うようになっている。ま
た、上記タッチパネル22は、2枚のガラス基板上に所
定のピッチ(例えば4mmピッチ)でITO等の透明な
導電性薄膜のマトリックスを形成した後に、これらガラ
ス基板を僅かな間隙を持たせて張り合わせたものであ
り、当該タッチパネル22の任意の位置を押圧すると、
かかる押圧力によって互いに対向する導電性薄膜が局所
的に接触して電気的導通を生じ、出力信号のレベル変化
に基づいてCPU回路25がタッチパネル22上の押圧
位置を特定するように構成されている。尚、図中におい
て符号26は上記液晶表示画面21を背後から照明する
蛍光灯、符号27は蛍光灯26の照射光を液晶表示画面
21の全面に拡散させる光拡散板、符号28は上記蛍光
灯26を点灯させるインバータ回路である。
【0009】このような従来の情報入力ディスプレイに
おいては、当該機器の使用機能に応じた仮想操作ボタン
を上記液晶表示画面21に表示し、これをユーザに押圧
させるようにすれば、ユーザはタッチパネル22上から
当該仮想操作ボタンを押圧することになるので、タッチ
パネル22上の押圧位置と仮想操作ボタンの表示位置と
の関係から、当該仮想操作ボタンが押圧されたか否かを
チェックすることができる。従って、かかる情報入力デ
ィスプレイを有する従来のコントロールパネルでは、上
記液晶表示画面21の表示内容を使用機能毎に変更する
ことにより、一つの仮想操作ボタンに複数の機能を割り
付けることができるので、コントロールパネル上に設け
る物理的な操作ボタンの数を著しく減少させることがで
きた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の情報入
力ディスプレイにおいては、液晶表示画面の前面にタッ
チパネルを配していることから、表示画面のコントラス
トが低下してその表示内容を見づらいといった問題点が
あり、表示内容の見やすさを考慮する場合、前述の如く
液晶表示画面を透過型にすると共にその背面側にバック
ライトを設けざるを得なかった。
【0011】また、タッチパネルや液晶表示画面がガラ
ス板を基板としていることから、タッチパネルの感度が
悪化してきた場合等、ユーザが当該タッチパネルを強く
押圧する状況が生じた際には、押圧力によってこれらガ
ラス板が割れる懸念もあった。
【0012】一方、コピー枚数を入力するテンキーの如
く頻繁に使用する操作ボタンを仮想操作ボタンとして情
報入力ディスプレイに表示させると、コントロールパネ
ルの外観はすっきりするものの、逆に操作性が悪化する
という懸念がある。このため、図24に示すように、従
来のコントロールパネルでは使用頻度の高いテンキー等
の操作ボタン29は情報入力ディスプレイと別個に設け
ており、当然の如く当該操作ボタン29の下側にはに入
力スイッチ30の配列されたスイッチマトリックス基板
31が設けられている。このスイッチマトリックス基板
31は前述したタッチパネル22と並んで配設されるも
の故、これらを一体にすることができればコントロール
パネルの組立が容易となり、製造コストの低下も期待す
ることができる。
【0013】しかし、パネル板24に覆われてしまう上
記スイッチマトリックス基板31は操作ボタン29の押
圧力さえ電気信号に変換できるのであれば、如何なる構
造の入力スイッチ30を配列したものであっても差し支
えないが、前述したタッチパネル22には透明でなけれ
ばならないという制約があり、両者を一体化して製作す
ると逆に製造コストが上昇してしまうという問題点があ
った。
【0014】なお、液晶パネルを押圧力から保護するた
め、液晶パネルと緩衝材を組み合わせる技術について調
査をしたところ、次に示す特開平7−114010号公
報、特開平6−75210号公報、特開平6−7521
3号公報、特開平6−75701号公報、特開平8−3
27975号公報、特開平6−337411公報及び特
開平7−209635公報等に開示されているように多
くの特許出願が既になされていることがわかった。
【0015】上記特開平7−114010号公報に係る
液晶表示装置は、液晶表示素子を有する液晶表示部と、
その液晶表示部の表示側に配設され、光を透過する光透
過部と、その光透過部と前記液晶表示部との間に介在
し、自身の屈折率が空気の屈折率よりも前記光透過部の
屈折率に近く、且つ前記光透過部の変形を実質的に吸収
できる程度の柔軟性を有する材料で構成されてなる緩衝
部とを備えるように構成したものである。
【0016】また、上記特開平6−75210号公報、
特開平6−75213号公報、特開平6−75701号
公報及び特開平8−327975号公報等は、液晶表示
装置やその製造方法に関する技術を提案するものであ
る。
【0017】これらのうち、上記特開平6−75213
号公報に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルにタブレ
ット板を設けて手書入力を可能とした液晶表示装置にお
いて、液晶表示パネルとその視認側の透明保護板が緩衝
性を有する透明な粘接着性樹脂で接着されており、その
接着層の両接着対象に対する屈折率差が0.2以下であ
るように構成したものである。
【0018】また、上記特開平8−327975公報に
係る液晶表示装置は、液晶表示パネルの視認側に、緩衝
性を有する弱接着性の透明樹脂シートを介しタブレット
板を密着配置するように構成したものである。
【0019】さらに、上記特開平6−337411公報
に係る液晶表示装置における光散乱防止構造並びにその
製造方法は、液晶セルと、この液晶セル表面側に形成さ
れる緩衝層と、この緩衝層によって液晶セルに対して一
定厚みの間隙を隔てて並設される保護パネルとを具えて
成る液晶表示装置において、前記緩衝層は光散乱防止素
材により形成され、更に緩衝層は前記液晶セル及び保護
パネルに対して脱気状態で密着接合されるように構成し
たものである。
【0020】又さらに、上記特開平7−209635公
報に係る液晶表示装置における光散乱防止構造並びにそ
の製造方法は、液晶セルと、この液晶セル表面側に形成
される緩衝層と、この緩衝層によって液晶セルに対して
一定厚みの間隙を隔てて並設される保護パネルとを具え
て成る液晶表示装置において、前記緩衝層は光散乱防止
素材により形成されるとともに緩衝層は前記液晶セル及
び保護パネルに対して脱気状態で密閉接合され、更に保
護パネルは少なくともその表面を硬質層とした合成樹脂
製であるように構成したものである。
【0021】しかし、これらの技術の場合には、まず、
液晶表示パネルと偏光板の間に緩衝材を挟み、しかも液
晶表示パネルと偏光板とを周囲で支えるように構成する
と、液晶表示パネルと偏光板の間には空気の層が存在す
ることになり、偏光板の上部から入ってきた光は、偏光
板と空気の屈折率の違いから、液晶表示パネルと偏光板
との間の間隙で全反射が生じ、液晶表示パネルが見にく
くなるという問題点が新たに生じる。
【0022】また、上記提案に係る技術の場合には、い
ずれも液晶表示パネルの上部に入力スイッチを配置した
ものであるため、前述したように、上部に配置される入
力スイッチによって、表示画面のコントラストが低下し
てその表示内容が見づらいといった問題点や、表示内容
の見やすさを考慮すると、液晶表示画面を透過型にする
と共にその背面側にバックライトを設けざるを得ないと
いう問題点が依然として残ることになる。また、タッチ
パネルや液晶表示画面がガラス板を基板としていること
から、タッチパネルの視認性が悪化してきた場合など、
ユーザが当該タッチパネルを強く押圧する状況が生じた
際には、緩衝層を設けても押圧力によってガラス板が割
れる懸念があるという問題点も依然として残ることにな
る。
【0023】この発明は上記問題点を解決して、操作性
及び視認性が優れ、しかも構成が簡単な入出力装置を提
供することを第1の目的とする。第2の目的は電極間に
実質的に流動性の材料を含む表示素子層を持つ表示パネ
ルで押圧等の外力により致命的な影響を受け易いものを
使用した場合にも、操作性及び視認性が優れ、かつ回復
不可能な誤表示をすることなく入力を確実に行うことが
できる入出力装置を提供することである。第3の目的
は、操作性及び視認性が優れ、かつより一層確実性に優
れた入力が可能な入出力装置を提供することである。第
4の目的は、第2、第3の目的が達成でき、所定の関係
を満たすことにより表示手段への保護性と入力確実性が
より優れた入出力装置を提供することである。
【0024】
【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するた
めに、第1の発明(請求項1及び6記載)の入出力装置
は、可撓性のある表示画面上に情報を表示する表示手段
と、前記表示画面に対して視認側から遠い位置に設けら
れ当該表示画面の視認側からの押圧により当該押圧に対
応した表示画面上の位置を検出する検出手段とを備え、
前記表示手段が、表示素子層として電極間に実質的に
動性又は非流動性の材料を挟んで成り、前記表示手段
が、表示素子層として電極間に実質的に非流動性の材料
を挟んでなる場合には、前記押圧に対して電極間の距離
が変化しにくい表示パネルであるものである。
【0025】この第1の発明では、可撓性のある表示画
面の下に検出手段を設けることにより表示手段(表示装
置)と検出手段(入力装置)を一体型にしたので、表示
画面上の表示内容(例えば、仮想ボタン)に応じて指又
はペン等により表示画面の視認側から押圧すれば、押圧
力に対応して表示画面が撓んで押圧力が検出手段に伝達
され、検出手段が表示画面上の位置を検出して入力がで
き、非常に操作性がよい。例えば、検出装置が、仮想ボ
タンの表示領域内であれば仮想ボタンの押下という入力
操作が行われたことになる。更に、表示画面の下に検出
手段が設けられているので、表示画面上にタッチパネル
のような表示の邪魔をするものがないので、非常に視認
性がよい。このため従来視認性を高めるためのバックラ
イト等を表示画面の背面側に用いるような表示手段でも
必ずしも必要としないので、表示手段の構成が簡単とな
り、表示手段を安価にできる。しかも、表示手段が、表
示画面上用のタッチパネルのように透明にする必要がな
いので、表示画面上用のタッチパネルに比べて、材料、
製造方法に制限が少ないので、非常に入力装置を安く作
ることができ、従って、入出力装置を安く作ることがで
きる。更に表示素子層として電極間に実質的に非流動性
の材料を挟んで成り、電極間の距離が変化しにくい表示
パネルを表示手段として使用しているので、視認側から
の押圧に対して表示手段の表示に致命的な影響を受けな
いので、影響を除くための特別な構成要素が不要とな
り、構成を簡単にすることができる。
【0026】このような表示パネルとしては、例えば、
ELパネル(例えば特開平7−78690号公報参照)
や、球体回転型表示パネルがある。ここで、球体回転型
表示パネルとしては、例えば、米国特許第414310
3号に開示されているツイステイングボールパネルデイ
スプレイがあり、このデイスプレイは、半球表面を光吸
収材料(黒色)でコートし、残りの半球表面を光反射材
料でコートした微小な球体を多数回転可能に光透過性の
支持層内に閉じ込め、この支持層を光透過性の電極層等
で挟むことによって、支持層内の球体を電解や磁界によ
って回転させることにより、白黒反転させて画像の表示
を行うものである。
【0027】また、前記検出手段としては、表示画面を
介して伝達される圧力を感じて押圧に対応した表示画面
上の位置が検出できるものなら、どのような種類のもの
でもよい。例えば、所定のピッチで複数の入力スイッチ
がマトリクス状に2次元配列されたスイッチマトリクス
基板があるが、入力の目的に応じてスイッチ(接点)ま
たは検出点は一つでもよいし、それ以上でもよい。位置
検出もデイジタル的な検出でも良いし、アナログ的な検
出でもよい。
【0028】好ましくは、前記検出手段がシート状の感
圧型検出手段であり、かつ前記表示手段がこのシート状
の検出手段上に積層配置されるシート状の表示パネルで
ある。このように、シート状のものを使用すれば、軽く
できると共に、スペース効率がよいので、携帯用電子機
器に適用できると共に、本願発明を使用した入出力装置
を各種電子機器に適用すれば、電子機器を小型で軽量に
することができる。シート状の感圧型検出手段として、
構造が簡単な例としてはメンブレンスイッチがある(例
えば、特許第2556711号公報参照)。シート状の
表示パネルとしては、上述の各種表示パネルのように、
シート状のものがある。
【0029】 第1の発明請求項1記載)の入出力装
置では、可撓性のある表示画面上に情報を表示する表示
手段と、前記表示画面の視認側からの押圧力を表示手段
が表示可能な圧力に調整する調整手段と、前記表示画面
に対して視認側から遠い位置に設けられ前記調整手段で
調整された力により前記押圧に対応した表示画面上の位
置を検出する検出手段を備え、前記表示手段が、表示素
子層として電極間に実質的に流動性の材料を挟んで成る
表示パネルである。即ち、調整手段が視認側からの押圧
力を表示手段が表示可能な圧力に調整するので、押圧力
により表示画面が撓むことにより、表示パネルの表示素
子層の流動性のある材料が回復不能に変化して表示等に
致命的な障害や影響を与えて誤表示することなく、押圧
に応じた適切な圧力を検出手段に伝達することができ、
入力を適切に行うことができる。
【0030】この調整手段は、好ましくは、前記押圧に
よる局所的な応力を分散させると共に分散された応力を
前記検出手段に伝達する緩衝手段を含むものである。こ
の緩衝手段は、押圧力の局所的な圧力を分散させて不必
要な外力を吸収すると共に、検出手段が検出に必要な圧
力を伝達するように働く。従って、入力が確実に行える
状態で、表示手段の表示画面に対する局所的な押圧力に
よる流動性材料を持つ表示素子層等の表示パネルに対す
る致命的な影響を取り除くことができるので、回復不能
等の誤表示を防止することができる。
【0031】更に、好ましくは、前記検出手段が、1以
上の検出点(例えば接点)を持ち、前記調整手段が、更
に前記表示素子層を介して前記分散され応力を前記検出
点に集中させる集中手段を含むものである。この集中手
段により、検出点に分散され応力を集中させるので、比
較的弱い圧力でも表示手段に誤表示をさせることなく確
実に入力することができる。
【0032】好ましくは、前記緩衝手段が、前記表示素
子層の視認側に設けられる緩衝層及び前記緩衝層より下
の層に表示素子を保護する補強層を含むものである。従
って、表示パネルの表示素子層に作用する押圧力を、緩
衝層によって吸収することができ、回復不能な誤表示を
防止することができると共に、検出手段に適切に分散さ
れた応力を検出手段に伝達できる。このため、表示手段
の外力に対する保護と入力の確実性を増すことができ
る。更に、前記緩衝手段が、更に補強層を含む場合に
は、補強層によって広い範囲に応力を分散させることが
できるので、表示素子を確実に保護することができ、表
示素子の回復不能な誤表示を一層確実に防止することが
できる。この補強層は、表示素子層等が弾力性が少なく
比較的剛性があり撓みが少ない構造を持つ場合には省略
することができる。前記緩衝層が、好ましくはゲル状の
樹脂材料またはゴム状の樹脂材料で構成されるものであ
る。このような材料を使用すれば、視認性を低下させる
ことなく、表示手段に対する十分な緩衝性(保護性)と
検出手段への確実な伝達性が得られる。
【0033】前記集中手段が、検出手段の検出点(例え
ば接点)に対応する検出面上、検出面内、又は背面に設
けられた突起である。例えば、この突起の例としては、
実開平3−82528号公報の全文明細書、実公平2−
3233号公報、実公平4−48589号公報等に記載
されているものがある。集中手段を突起で実現できるの
で、入出力装置を比較的容易に構成できる。検出面上に
設けられる突起等の場合には、突起による表示手段への
影響を避けるためには、弾性材料を使用するのが好まし
い。
【0034】 尚、第1の発明において、表示素子とし
て、液晶表示素子の他に、電気泳動表示素子やエレクト
ロクロミック表示素子(ECD)等で、電極間の材料が
実質的に流動性があり、押圧等の外力に対して保護が必
要な構造を持つ場合に適用可能である。
【0035】 第2の発明請求項11記載)の入出力
装置では、可撓性のある表示画面上に情報を表示する表
示手段と、前記表示画面に対して視認側から遠い位置に
設けられ当該表示画面の視認側からの押圧により当該表
示画面上の位置を検出する検出手段と、前記検出手段が
前記押圧力による圧力を受ける範囲を変更する変更手段
とを備えるものである。この変更手段により、前記検出
手段が前記押圧力による圧力を受ける検出面上の範囲を
所望の範囲に変更することができるので、入力内容や目
的に応じて押圧位置直下だけでなく、その周辺に圧力を
加えたり、あるいは押圧力を狭めて集中させたりするこ
とが可能となり、より一層確実性に優れた入力が可能と
なる。
【0036】前記変更手段が、前記押圧力による圧力を
受ける範囲を広げる第1の手段と、前記押圧力による圧
力を受ける範囲を小さくする第2の手段を含むものであ
る。即ち、第1の手段で押圧力による圧力を受ける範囲
を広げたり、第2の手段で押圧力による圧力を受ける範
囲を小さくすることができる。
【0037】前記表示手段が、好ましくは表示素子層を
含む表示パネルであり、前記第1の手段が、表示素子層
の下部に前記表示素子層を保護すると共に前記圧力を受
ける範囲を広げる補強層であり、第2の手段が、検出手
段の検出点(例えば接点)に対応する検出面上、検出面
内又は背面に設けられ前記押圧力を集中させる突起であ
る。この補強層によってより大きい範囲に応力を分散さ
せて表示素子を確実に保護することができると共に、補
強層によって検出手段が圧力を受ける範囲を所望の範囲
に広げることができるため、液晶表示素子の視認側から
の押圧力が確実にしかも広い範囲で検出手段に伝わり、
例えば、2つの検出点間を押圧したとき、それら2つの
検出点を検出するようにすれば、中間点も検出でき、検
出手段の分解能を向上させることができる。また、突起
により、前記押圧力を検出点に集中させ確実に入力する
ことができる。
【0038】 第3の発明請求項13記載)の入出力
装置は、可撓性のある表示画面上に情報を表示する表示
手段と、前記表示画面の視認側からの押圧による局所的
な応力を分散させると共に分散された応力を伝達する緩
衝手段と、前記表示画面に対して視認側から遠い位置に
設けられ前記緩衝手段から伝達された応力に基づいて当
該押圧に対応した表示画面上の位置を検出する検出手段
と、前記検出手段が前記応力による圧力を受ける範囲を
変更する変更手段とを備えたものである。この結果、
乃至第3の発明の効果が得られる。
【0039】前記表示手段が、好ましくは表示素子層を
含む表示パネルであり、前記緩衝手段が前記表示素子層
の視認側に設けられる緩衝層を含み、前記変更手段が、
表示素子層の下部に前記表示素子層を保護すると共に前
記圧力を受ける範囲を広げる補強層と前記検出手段の検
出点に対応する検出面上、検出面内又は背面に設けられ
前記押圧力を集中させる突起とを含み、前記緩衝層と、
前記表示素子層と、前記補強層との弾性係数の大小関係
が、補強層>表示素子層>緩衝層の関係を満たすように
設定したものである。このような関係を満たすことによ
り、視認側からの押圧に対して表示手段に対する十分な
緩衝性(保護性)と検出手段への確実な伝達性(入力確
実性)が得られる。
【0040】 第1乃至第3の発明において、表示手段
の表示画面等を介して検出手段に押圧力を間接的に伝え
ているので、更に前記押圧により前記検出手段の位置検
出状態を確認する確認手段を設けるのが好ましい。この
確認手段により、直接的な入力に比べて感覚的に不確か
な間接的な入力に対して位置検出状態を確認できるの
で、入力操作を確実にすることができ操作性を良くする
ことができる。
【0041】この確認手段としては、例えば、前記検出
手段の位置検出時に前記表示手段の表示状態を変化させ
る表示制御手段が好ましい。この表示制御手段により、
位置検出時に、仮想ボタンの反転表示等の強調表示や、
入力軌跡の表示の他に、単に表示画面の次画面への切替
え等々の表示状態を表示させることで実現される。又
は、確認手段として、押圧に対してその圧力が前記検出
手段の位置検出可能なとき、前記表示手段の視認側に圧
力を返す圧力戻し手段を含むものである。例えば、検出
手段の検出面、検出手段内、あるいはその背後に設けら
れる弾性部材等による圧力戻し手段により入力操作時の
押圧自体の操作感覚を良くすることで操作性を増すこと
ができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下図面を参照してこの発明の実
施の形態について説明する。 実施の形態1 図1は本発明を適用した複写機のコントロールパネルの
一実施例を示す分解斜視図である。同図において、符号
1は複数の入力スイッチが配列されたスイッチマトリッ
ス基板、符号2はこのスイッチマトリッス基板1の上に
重畳配置された情報表示画面、符号3はテンキー4を備
えると共に上記液晶表示画面2に対応した窓5を有する
パネル板である。
【0043】先ず、上記情報表示画面2は反射型の液晶
表示画面であり、柔軟性を備えたシート状に形成されて
いる。この液晶表示画面2は、図3に示すように、電極
となるITO(Intium Tin Oxide)9
が蒸着された一対の透明樹脂シート10、10の夫々に
強誘電性液晶11を塗布した後、これらを互いに張り合
わせて液晶シート12を形成し、更に、上記電極9に所
定の駆動電圧を印加するSTN液晶用ドライバーIC1
3を、図2に示すように、上記透明樹脂シート10、1
0に対して異方導電接着シート14により熱圧着接続し
てTCP(Tape Carier Package)
15を形成している。また、表示画面のコントラストを
高めるため、上記液晶シート12を一対の樹脂製偏光板
16、16で挟み込むと共に、上記スイッチマトリッス
基板1との対向面には厚さ50μmのアルミニウム製反
射膜17を接着してある。更に、上記液晶シート12内
に封じ込めた液晶11に局所的な応力が作用するのを防
止するため、液晶表示画面2の上面は厚さ0.2mm程
度の樹脂性フィルム18で被覆し、これを緩衝材とし
た。
【0044】一方、上記スイッチマトリックス基板1
は、メンブレン基板6上に個々が独立した複数の入力ス
イッチ7をマトリックス状に配列したものであり、各入
力スイッチ7は銅からなるキー電極を上記メンブレン基
板6上にマトリックス配線することによって形成されて
いる。また、上記メンブレン基板6上には各入力スイッ
チでの電気的導通を検知するCPU回路8が設けられて
いる。更に、この入力スイッチ7を押圧した時の操作感
を与えるため、各入力スイッチ7のキー電極に対応する
部位には、図3に示すように、ドーム状の板バネ7aが
設けられ、押圧力に対して適度な抵抗が生じるようにな
っている。
【0045】本実施例ではこのように構成されたスイッ
チマトリックス基板1上に上記液晶表示画面2を重畳配
置しているが、前述したように上記液晶表示画面2は柔
軟性のあるシート状に形成されているので、当該液晶表
示画面2を直接押圧することによってスイッチマトリッ
クス基板1上の入力スイッチ7を押圧することができる
ようになっている。従って、ユーザが上記液晶表示画面
2に表示された仮想操作ボタンを押圧すると、かかる画
面2の下側において当該仮想操作ボタンに対応した入力
スイッチ7が押圧され、上記CPU回路8が押圧された
入力スイッチ7を特定することにより、当該仮想操作ボ
タンが操作されたか否かを判別することができるもので
ある。
【0046】一方、本実施例において、上記スイッチマ
トリックス基板1上に配列された入力スイッチ7は液晶
表示画面2の下方だけではなく、パネル板3に設けられ
たテンキー4の下方にも位置している。すなわち、テン
キー4の押圧によって電気的導通を生じる入力スイッチ
と仮想操作ボタンの押圧によって電気的導通を生じる入
力スイッチは1枚のメンブレン基板6上に配列されてい
る。
【0047】従って、この実施例では1枚のスイッチマ
トリックス基板1で仮想操作ボタンによる入力とテンキ
ー4による入力との双方を担うことができ、テンキーに
対応するスイッチマトリックス基板をタッチパネルと別
個に設けることが必要とされた従来のコントロールパネ
ルよりも製造コストの低減化を図ることができるもので
ある。
【0048】尚、上記実施例ではスイッチマトリックス
基板1上に配列された入力スイッチをメンブレンスイッ
チとしたが、ユーザによる仮想操作ボタンの押圧力を電
気信号のオン/オフに変換できるものであれば、スイッ
チとして使用することができる。スイッチの配列は、マ
トリックスに限らず、どのような配列でもよいし、その
数も1以上であればよい。
【0049】実施の形態2 この実施の形態2は、実施の形態1に対して外力に対す
る表示装置の保護と入力装置の入力の確実性を更に強化
した例を示すものである。図4及び図5はこの発明の実
施の形態2に係る情報入力が可能な入出力装置を示す平
面図及び断面図である。
【0050】この実施の形態2に係る入出力装置40
は、図5に示すように、大きく分けて、当該入出力装置
40が適用される機器の機能に応じて種々の画面が表示
される液晶表示パネル41と、この液晶表示パネル41
の下部に配置されるメンブレンスイッチ42とから構成
されている。
【0051】上記液晶表示パネル41は、反射型の液晶
表示パネルからなり、可撓性を備えたシート状に形成さ
れている。液晶表示パネル41は、液晶表示部43の表
裏両面側に一対の偏光板47、47を配置して構成され
ているが、これらの一対の偏光板47、47は、液晶表
示部43に直接積層されている必要はなく、一対の偏光
板47、47と液晶表示部43との間に他の層や板状部
材を介在させても良い。この液晶表示パネル41のう
ち、液晶表示部43は、図5に示すように、透明電極で
あるITO電極44が所定のピッチで直線状に蒸着され
た一対のPES(ポリエーテルサルフォン)製のシート
45、45の間に、液晶46を積層して構成されてい
る。また、一対のPESシート45、45の外側には、
偏光板47、47が配置されている。上記一対のPES
シート45、45にそれぞれ蒸着されるITO電極44
は、互いに直交するように所定のピッチで直線状に配置
されており、上側の電極44と下側の電極44とでマト
リックスを形成するようになっている。さらに、上記一
対のPESシート45、45の間に積層される液晶46
としては、例えば、強誘電性高分子液晶が用いられる
が、これに限定されるものではなく、他の種類の液晶を
用いても勿論よい。
【0052】上記液晶表示パネル41の液晶表示部43
としては、例えば、基本的な構成及び動作が特許第25
12290号公報等に開示されているように構成したも
のが用いられるが、更に具体的には、出光興産(株)社
の出願に係る特開平5−61061号公報や特開平5−
273531号公報等に開示されているように構成した
ものを用いることができる。この液晶表示パネル41の
液晶表示部43は、例えば、透明な電極となるITO電
極44、44が蒸着された一対のPESシート45、4
5の一方又は双方に、強誘電性高分子液晶等からなる液
晶46を塗布して製膜し、対向する一対のPESシート
45、45をラミネートした後、複数のローラ間を通過
させることによって曲げによる配向処理を施して製造さ
れる。ここで、強誘電性高分子液晶からなる液晶46を
用いた液晶表示パネル41は、メモリ性を有しているた
め、電圧の印加を停止した状態でも、表示画面を保持可
能であるという特性を有している。
【0053】また、上記液晶表示パネル41の表面側、
即ち視認側には、PESシート45と偏光板47との間
に、乱反射等を防止して当該液晶表示パネル41の視認
性を向上させるための視認性向上シートからなる緩衝層
48が積層状態に配置されている。この視認性向上シー
トからなる緩衝層48としては、例えば、ゲル状の樹脂
またはゴム状の樹脂からなるものが用いられる。この視
認性向上シートからなる緩衝層48の表面には、電場が
加えられた液晶の光学的異方性の変化に基づいて表示画
像の濃淡を明らかにするために、偏光板47が積層配置
されている。その際、可撓性を有する液晶表示部43と
偏光板47との間に介在される緩衝層48は、他の部材
と屈折率が大きく異なると、外光の反射を起こしてしま
い、液晶表示パネル41の表示品質が悪くなる。そのた
め、上記視認性向上シートからなる緩衝層48として
は、空気の屈折率が1.0であるのに対して、強誘電性
液晶46や偏光板47等を構成する合成樹脂の屈折率は
1.4付近であるため、透明な緩衝層48のゲル状樹脂
またはゴム状樹脂の屈折率は1.4近傍のものを用いる
のが最適である。
【0054】これに適したものとして、例えば、日東電
工社製の視認性向上シートが屈折率1.46であること
から、緩衝層48としては、例えば、厚さ400μmの
粘着性を持った日東電工社製の視認性向上シートが用い
られ、この視認性向上シート48は、液晶表示パネル4
1と偏光板47との間に、その粘着性によって接着保持
された状態で介在される。上記緩衝層48として用いら
れる視認性向上シートは、例えば、アクリル系ポリマー
等のゲル状樹脂や、シリコーン系樹脂ポリマー等のゴム
状樹脂からなるものが用いられる。
【0055】また、上記液晶表示部43の裏面側には、
何らの部材を介在することなく偏光板47がそのまま積
層配置されており、この裏面側の偏光板47は、液晶表
示パネル41の表面側に配置される偏光板47と直交す
るように配置されている。さらに、上記液晶表示パネル
41の裏面側に配置された偏光板47の下部には、液晶
表示パネル41の表面側から入射する光を反射する反射
板49が積層配置されている。この反射板49として
は、例えば、アルミニウム箔等が用いられる。また更
に、上記反射板49の下部には、液晶表示パネル41の
押圧力に対する補強と、後述するメンブレンスイッチ4
2の分解能を向上させるための補強板50が積層配置さ
れている。この補強板50としては、例えば、アクリル
板やプラスチック板等が用いられる。
【0056】さらに、上記補強板50の裏面側には、液
晶表示パネル41の表面側から指やペン等によって押さ
れた位置の座標を検知するための座標検知手段としての
メンブレンスイッチ42が配置されている。このメンブ
レンスイッチ42としては、図6に示すように、マトリ
クス状に形成された電極パターン51をそれぞれ縦方向
及び横方向に沿って所定のピッチでそれぞれ有する一対
のスイッチシート52、52と、これら一対のスイッチ
シート52、52の間に配置され、電極パターン51の
スイッチ部53に対応した領域54が円形状又は矩形状
に切り欠かれたスペーサシート55からなるものが用い
られる。上記メンブレンスイッチ42は、指等で押され
た領域のスイッチシート52、52が撓んで、これら一
対のスイッチシート52、52が形成されたスイッチ部
53が互いに接触することにより、押された位置の座標
を検知するものが用いられる(特許第2556711号
公報)。
【0057】しかし、上記メンブレンスイッチ42とし
ては、これに限定されるものではなく、特開平8−31
5668号公報や特開平8−258147号公報、特開
平8−241647号公報、あるいは特許第25306
51号公報等に開示されている種々のものを用いること
ができ、その種類は問わないものである。
【0058】また、上記メンブレンスイッチ42として
は、他に、矩形状に形成された一対の導電性基板の間
に、同一形状に形成された抵抗層を介在させ、導電性基
板の縦方向及び横方向の端部に検出用のグリッド電極を
設けることにより、導電性基板の一部が押圧されると、
縦方向及び横方向の端部に設けられた検出用のグリッド
電極間の抵抗値が変化するため、この縦方向及び横方向
に位置する検出用のグリッド電極間の抵抗値を検出し
て、指等で押された位置の座標を検知するように構成し
たアナログ型のものを用いても良い。このようなアナロ
グ型でもよいし、これに限らず、表示画面の視認側から
の押圧に応じて感圧して表示画面上の位置を検出できる
ものであれば、どのような種類のものでもよい。なお、
メンブレンスイッチ等のシート状の検出手段の場合に
は、押圧を受けて変形しない基盤を入出力装置(即ち、
検出手段の下)に設けるか、押圧を受けて変形しない基
盤の役割を果たす入出力装置が取り付けられる取付台、
又は入出力装置が載置される載置台が必要となる。
【0059】図4は上記の如く構成される入出力装置4
0の制御基板との配線を示すものである。
【0060】図4において、41は液晶表示パネルを示
すものであり、この液晶表示パネル41の下側には、メ
ンブレンスイッチ42が積層状態に配置されている。液
晶表示パネル41の配線は、液晶表示パネル41のIT
O電極44にフレキシブル基板55を介して所定の駆動
電圧を印加するSTN液晶用ドライバーIC56をTC
P(Tape Carier Package)57と
し、液晶表示パネル41の透明樹脂シート45の電極4
4を異方導電接着シート58により熱圧着接続してい
る。また、上記TCP57は、プリント基板59に接続
されている。
【0061】図7は上記の如く構成される入出力装置4
0の制御回路を示すブロック図である。
【0062】図7において、60は入出力装置40を制
御するためのCPUを示すものであり、この入出力装置
40のマトリックス状に形成されたメンブレンスイッチ
42は、X方向又はY方向の一方向に沿って所定のピッ
チで配列された電極パターン51が、CPU60からバ
ッファ回路61を介して出力されるスキャン出力によっ
てスキャンされ、他の方向に沿って所定のピッチで配列
された電極パターン51からの出力信号が、ドライバー
回路62を介してCPU60に入力され、CPU60
は、液晶表示パネル41の視認側から指等で押圧された
位置の座標を検出するように構成されている。
【0063】また、上記CPU60は、入力情報に基づ
いた表示画面を液晶表示パネル41の液晶表示部43に
表示する。すなわち、CPU60は、表示する画面の構
成データ(以下、フレームデータと呼ぶ)に基づいて、
ドライバー回路63を介して液晶表示部43への描画処
理を行うようになっている。上記液晶表示部43に画面
を表示するためのフレームデータとしては、例えば、図
8に示すように、そのフレーム上に表示される仮想ボタ
ン等の領域を示す表示、さらにはアイコンイメージなど
のオブジェクトの表示情報(描画用)65と、所定の領
域を押下することにより入力を行うタッチ領域の範囲を
指定する検出領域情報66が含まれている。さらに、上
記オブジェクトの表示情報(描画用)65は、図8に示
すように、ボタンオブジェクト情報への座標や明暗等の
表示を指定するポインター67と、アイコンイメージオ
ブジェクト情報への座標や明暗等の表示を指定するポイ
ンター68として機能するオブジェクトテーブルを備え
ている。
【0064】以上の構成において、この実施の形態に係
る入出力装置では、次のようにして、情報入力ディスプ
レイに表示される操作情報や仮想操作ボタンの視認性に
優れると共に、かかる情報入力ディスプレイの操作時に
おける破損の懸念がなく、しかも低コストで製造するこ
とが可能となる。また、この実施の形態に係る入出力装
置では、次のようにして、液晶表示パネルをスイッチ素
子等の上部に配置することにより、液晶表示パネルが見
やすく、液晶表示パネルに表示される画像の視認性に優
れるように構成した場合でも、液晶表示パネルが押圧さ
れることによる液晶の配向こわれ等を確実に防止可能で
あるとともに、スイッチ素子などの動作を確実に行なう
ことが可能となっている。
【0065】すなわち、この実施の形態に係る入出力装
置40は、図5に示すように、フレキシブルな液晶表示
パネル41の上部に、視認性向上シートからなる緩衝層
48が配置されており、この視認性向上シートからなる
緩衝層48としては、例えば、ゲル状の樹脂またはゴム
状の樹脂からなるものが用いられる。そのため、入出力
装置40の表面に位置する偏光板47上から加えられた
押圧力Fは、図9に示すように、偏光板47の下部に配
置されたゲル状の樹脂またはゴム状の樹脂からなる緩衝
層48に伝わり、ゲル状の樹脂またはゴム状の樹脂から
なる緩衝層48が変形することで、ゲル状の樹脂または
ゴム状の樹脂からなる緩衝層48が押圧力Fを吸収す
る。したがって、入出力装置40の表面から加えられた
押圧力Fを緩衝層48が吸収することにより、入出力装
置40の表面から加えられた押圧力Fが弱められた状態
で液晶表示部43に作用するため、液晶46の配向こわ
れ等を確実に防止することができる。
【0066】このように、フレキシブルな液晶表示部4
3上の視認性向上シート48側に位置する偏光板47の
上から押圧力Fを加えることにより、緩衝層48を通し
て液晶表示部43に力が作用するが、表面の偏光板47
から加えられた押圧力Fは、図9に示すように、緩衝層
48で分散/吸収されているので、液晶表示パネル41
に加わる力Fは、局部的に集中することがなく、押圧力
Fを加えた箇所を中心に緩やかに液晶46に伝わること
になる。そのため、偏光板47の上から加えられた押圧
力Fは、緩衝層48で分散/吸収されて緩衝され、フレ
キシブル液晶表示パネル41に対しては、緩やかな変形
を生じさせるのみとなる。
【0067】さらに、フレキシブルな液晶表示パネル4
1の下部に位置する偏光板47及び反射板49の下方に
は、補強板50が配置されている。このフレキシブルな
液晶表示パネル41の下方に配置された補強板50は、
フレキシブルな液晶表示パネル41の保護と、液晶表示
パネル41の下方に位置するメンブレンスイッチ42の
入力の確実性や分解能の向上に役立つようになってい
る。
【0068】これに対して、液晶表示部43の表面側に
緩衝層48が無く、液晶表示部43のみの場合には、図
9に示すように、上からの押圧力Fがそのままフレキシ
ブルな液晶表示部43にそのまま加わり、液晶46の内
部の配向が壊れることになる。一方、上記液晶表示部4
3の表面側に緩衝層48を設けた場合には、図9に示す
ように、上からの押圧力Fを緩衝層48が吸収して、局
部に集中する力を分散させる。このため、液晶表示部4
3に加わった局部応力が全体的に大きな曲率を持った応
力分布に変わる。さらに、液晶表示部43の下に補強板
50を配置することにより、緩衝層48の存在によって
局部応力が大きな曲率の応力分布に変わったものを、液
晶表示部43の下に補強板50を配置することによっ
て、さらに平面に近い状態に戻し、液晶46の配向こわ
れの原因である液晶内部の配向のずれを最小限にとどめ
ることができる。
【0069】さらに説明すると、図10に示すように、
液晶表示パネル41の下に補強板50を配置しない場
合、つまりフレキシブル液晶表示パネル41の下方が空
間または、柔らかい材質のものを配置した場合には、フ
レキシブル液晶表示パネル41に作用する押圧力Fによ
って、図11に示すように、このフレキシブル液晶表示
パネル41が大きく撓んでしまい、液晶46の部分的な
変位量が大きくなって液晶46の配向こわれが発生しや
すくなる。これに対して、フレキシブル液晶表示パネル
41の下に補強板50を配置した場合には、図12に示
すように、補強板50の強度のためにフレキシブル液晶
表示パネル41が全体的に曲がり、それに伴いフレキシ
ブル液晶表示パネル41の変位量が、図13に示すよう
に小さく抑えられるので、液晶46の配向こわれが発生
するのを確実に防止することができる。
【0070】 また、液晶表示パネル41の下方に配置
されるメンブレンスイッチ42の分解能の観点からも、
液晶表示パネル41の下方に補強板50を配置するのが
望ましい。このように、本実施の形態では、緩衝層と、
表示素子層と、補強板との押圧力Fを加えたときの変形
しやすさの関係、つまり弾性係数の大小関係が、緩衝層
>表示素子層>補強板の関係を満たすように設定されて
いる。
【0071】すなわち、液晶表示パネル41の下方に配
置されるメンブレンスイッチ42は、スイッチ形状が円
形である場合が多く、スイッチ部分の密度が粗い場合も
多いので、スイッチの分解能が仕様を満たさない虞れが
ある。液晶表示パネル41の下方に補強板50を配置し
ない場合は、図14に示すように、スイッチの間を押し
た時にメンブレンスイッチ42のスイッチシート52が
局所的にたわみ、押した箇所の上下のメンブレンスイッ
チシート52間の距離が近づくが、上下のスイッチ部5
3は接触せず、導通の反応がないためにこの位置での分
解能はないことになる。
【0072】一方、液晶表示パネル42の下方に補強板
50を配置した場合は、図15に示すように、補強板5
0が大きくたわむことにより、メンブレンスイッチ42
のシート52間で押される部分が多くなり、押した箇所
の両側の上下スイッチシート52が確実に接触すること
になり、スイッチの導通反応がある。このように、補強
板50を設けることにより、メンブレンスイッチ42の
シート52、52に設けられたスイッチ部53どうしが
確実に接触するので、液晶表示パネル41の下方に補強
板50を配置することが、メンブレンスイッチ42の入
力の確実性や分解能を向上させる上でも望ましい。
【0073】実施の形態3 図16はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前
記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明
すると、この実施の形態3では、補強板の位置が前記実
施の形態2と異なっている。
【0074】すなわち、この実施の形態3では、液晶表
示パネル41の表面側のPESシート45と、視認性向
上シートからなる緩衝層48との間に、補強板50が配
置されている。また、液晶表示パネル41の下方に位置
する反射板49の下部には、直接メンブレンスイッチ4
2が配置されている。
【0075】緩衝層48の下に位置する補強板47は、
図17から明らかなように、緩衝層48へ加わった圧力
を逆方向に向かわせることが目的であるために緩衝層4
8の下にあれば、その間にフレキシブル液晶表示パネル
41の下に補強板50を位置させても、緩衝層48のす
ぐ下に補強板50を位置させ、その下にフレキシブル液
晶表示パネル41を位置させても同じ効果を発揮する。
【0076】このように、補強板50を、液晶表示パネ
ル41の上側のPESシート45と、視認性向上シート
からなる緩衝層48との間に配置した場合には、液晶表
示パネル41の変形を効果的に防止することができる。
【0077】その他の構成及び作用は前記実施の形態2
と同一であるので、その説明を省略する。
【0078】実施の形態4 図18はこの発明の実施の形態4を示すものであり、前
記実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して説明
すると、この実施の形態4では、メンブレンスイッチの
接触した箇所が複数の場合に、計算によりその押された
位置を検知するように構成されている。
【0079】すなわち、この実施の形態4では、図18
に示すように、フレキシブルな液晶表示部43の上に緩
衝層48を配置するとともに、液晶表示部43の下に補
強層50を配置した場合や、フレキシブルな液晶表示部
43の上に緩衝層48と補強層50とを配置した場合な
どには、隣接するスイッチ部の間の位置を押すと、隣接
する2つのスイッチ部が同時にオン状態となるため、C
PUは、隣接する2つのスイッチ部の中間に位置が押さ
れたことを検知するように構成される。
【0080】このように構成することにより、メンブレ
ンスイッチ42におけるスイッチ部のピッチの1/2の
位置を検知することができ、上記計算法によりメンブレ
ンスイッチ42の分解能は、スイッチの配置密度の2倍
に設定することができる。
【0081】
【実施例】以下図面を参照してこの発明の一実施例に係
る入出力装置について説明する。
【0082】実施例1 図5はこの発明の一実施例に係る入出力装置を示すもの
でもあり、前記実施の形態2と同一の部分には同一の符
号を付して説明する。
【0083】上記入出力装置40における液晶表示パネ
ル41の液晶表示部43としては、例えば、厚さ2.5
μmの強誘電性液晶46(ITO電極44を含む)の表
裏両面側に、厚さ0.1mmのPESシート45を積層
配置したものが用いられる。これらのPESシート45
には、例えば、幅0.27mmの直線状のITO電極4
5が、0.3mmのピッチで形成されている。また、上
記液晶表示パネル41の表面側に配置される視認性向上
シート48としては、例えば、日東電工社製の厚さ40
0μmの視認性向上シートが用いられる。さらに、上記
液晶表示パネル41の液晶表示部43の表裏両面側に配
置される偏光板47としては、例えば、厚さ0.4mm
のものが用いられる。
【0084】また、上記裏面側の偏光板47の下側に配
置される反射板49としては、例えば、厚さ0.1〜
0.2mmのアルミニウム箔を偏光板47の裏面に接着
したものが用いられる。さらに、上記反射板49の下側
に配置される補強板50としては、例えば、厚さ0.4
mmのアクリル板が用いられる。
【0085】実施例2 図16はこの発明の実施例2をも示すものであり、前記
実施例1と同一の部分には同一の符号を付して説明する
と、この実施例2では、前記実施の形態4と同様に、補
強板の位置が前記実施例1と異なっている。
【0086】すなわち、この発明の実施例2に係る入出
力装置40では、図16に示すように、例えば、厚さ
0.4mmのアクリル板からなる補強板50が、液晶表
示パネル41の上側のPESシート45と、視認性向上
シートからなる緩衝層48との間に配置されている。
【0087】その他の構成及び作用は前記実施例1と同
一であるので、その説明を省略する。
【0088】実施例3 図22はこの発明の実施例3を示すものであり、前記実
施例1と同一の部分には同一の符号を付して説明する
と、この実施例3では、メンブレンスイッチの分解能を
向上させるため、液晶表示パネル41とメンブレンスイ
ッチ42との間に、突起を一定の間隔で立設したシート
80を介在させるように構成されている。
【0089】すなわち、この実施例3に係る入出力装置
は、図22に示すように、視認側から、薄い保護膜82
と、厚さ0.4mmの視認性向上シート48と、厚さ
0.4mmのアクリル板からなる補強板50と、厚さ
0.1mmのポリエステルからなる偏光板47と、厚さ
0.1mmのPESシート45と、厚さ2.5μmのゲ
ル状の強誘電性液晶46(ITO電極44を含む)と、
厚さ0.1mmのPESシート45と、厚さ0.1mm
のポリエステルからなる偏光板47とを順次積層して、
液晶表示パネル41を構成している。そして、液晶表示
パネル41の下側には、9.6mmのピッチで高さ0.
4mmの突起81を立設したシート80が介在されてい
る。なおシート80の突起81のピッチは、メンブレン
スイッチ41のスイッチ部53の間隔と一致するように
設定されている。
【0090】このように、液晶表示パネル41の下側に
突起81を一定の間隔で立設したシート80を介在させ
ることにより、液晶表示パネル41の視認側より加えら
れる押圧力が集中的にメンブレンスイッチ41に作用す
るため、メンブレンスイッチ41の分解能を向上させる
ことができる。
【0091】その他の構成及び作用は前記実施例1と同
一であるので、その説明を省略する。
【0092】実施例4 図23はこの発明の実施例4を示すものであり、前記実
施例1と同一の部分には同一の符号を付して説明する
と、この実施例4では、実施例3と同様に、メンブレン
スイッチの分解能を向上させるため、液晶表示パネル4
1とメンブレンスイッチ42との間に、突起を一定の間
隔で立設したシート80を介在させるように構成されて
いるが、液晶表示パネル41の積層状態が実施例3と異
なっている。
【0093】すなわち、この実施例3に係る入出力装置
は、図22に示すように、視認側から、厚さ0.1mm
のポリエステルからなる偏光板47と、厚さ0.4mm
の視認性向上シート48と、厚さ0.4mmのアクリル
板からなる補強板50と、厚さ0.1mmのPESシー
ト45と、厚さ2.5μmのゲル状の強誘電性液晶46
(ITO電極44を含む)と、厚さ0.1mmのPES
シート45と、厚さ0.1mmのポリエステルからなる
偏光板47とを順次積層して、液晶表示パネル41を構
成している。そして、液晶表示パネル41の下側には、
9.6mmのピッチで高さ0.4mmの突起81を立設
したシート80が介在されている。なおシート80の突
起81のピッチは、メンブレンスイッチ41のスイッチ
部53の間隔と一致するように設定されている。
【0094】このように、液晶表示パネル41の下側に
突起81を一定の間隔で立設したシート80を介在させ
ることにより、液晶表示パネル41の視認側より加えら
れる押圧力が集中的にメンブレンスイッチ41に作用す
るため、メンブレンスイッチの分解能を向上させること
ができる。
【0095】 その他の構成及び作用は前記実施の形態
1と同一であるので、その説明を省略する。尚、上記表
示素子として、液晶表示素子の他に、電気泳動表示素子
やエレクトロクロミック表示素子(ECD)等で、電極
間の材料が実質的に流動性があり、押圧等の外力に対し
て保護が必要な構造を持つ場合に適用可能である。
【0096】
【実験例】
実験例1 次に、本発明者らは、実施例1に示す材料と同一の材料
を用いて、図19(b)に示すように、表面側から偏光
板47と、ゲル状樹脂からなる緩衝層48と、液晶表示
部43と、偏光板47と、図示しないメンブレンスイッ
チとを、順次積層して配置してなる入出力装置40を試
作し、メンブレンスイッチ42のスペーサの厚さを0.
04mmと0.1mmに切り換えて、入出力装置40の
表面を押圧する押圧力Fの大きさを種々変化させた場合
に、この押圧力Fの作用の仕方等がどのように変化する
かを確認する実験を行なった。
【0097】図20(b)は上記実験例1の実験結果を
示すものである。
【0098】実験例2 次に、本発明者らは、実施例1に示す材料と同一の材料
を用いて、図19(c)に示すように、表面側から順
に、アクリル板からなる補強板50と、偏光板47と、
液晶表示部43と、偏光板47と、図示しないメンブレ
ンスイッチとを、順次積層して配置してなる入出力装置
40を試作し、入出力装置40の表面を押圧する押圧力
Fの大きさを種々変化させた場合に、この押圧力Fの作
用の仕方等がどのように変化するかを確認する実験を行
なった。
【0099】図20(c)は上記実験例1の実験結果を
示すものである。
【0100】実験例3 次に、本発明者らは、実施例1に示す材料と同一の材料
を用いて、図19(d)に示すように、表面側から順
に、アクリル板からなる補強板50と、偏光板47と、
液晶表示部43と、偏光板47と、図示しないメンブレ
ンスイッチとを、順次積層して配置してなる入出力装置
40を試作し、入出力装置40の表面を押圧する押圧力
Fの大きさを種々変化させた場合に、この押圧力Fの作
用の仕方等がどのように変化するかを確認する実験を行
なった。
【0101】図20(d)は上記実験例3の実験結果を
示すものである。
【0102】実験例4 更に、本発明者らは、実施例1に示す材料と同一の材料
を用いて、図19(e)に示すように、表面側から偏光
板47と、補強板50としてのアクリル板と、液晶表示
部43と、偏光板47と、図示しないメンブレンスイッ
チとを、順次積層して配置してなる入出力装置40を試
作し、同様に押圧力の作用の仕方等を確認する実験を行
なった。
【0103】図20(e)は上記実験例4の実験結果を
示すものである。
【0104】実験例5 更に、本発明者らは、実施例1に示す材料と同一の材料
を用いて、図19(f)に示すように、表面側から偏光
板47と、実験例1の緩衝層48によりも硬い材料から
なる緩衝層48と、液晶表示部43と、偏光板47と、
図示しないメンブレンスイッチとを、順次積層して配置
してなる入出力装置40を試作し、同様に押圧力の作用
の仕方等を確認する実験を行なった。
【0105】図20(f)は上記実験例5の実験結果を
示すものである。
【0106】
【比較例】
比較例1 また、本発明者らは、実施例1に示す材料と同一の材料
を用いて、図19(a)に示すように、表面側から偏光
板47と、液晶表示部43と、偏光板47と、図示しな
いメンブレンスイッチとを、順次積層して配置してなる
入出力装置40を試作し、同様に押圧力の作用の仕方等
を確認する実験を行なった。
【0107】図20(a)及び図21(a)は上記比較
例1の実験結果を示すものである。
【0108】図20(a)〜(f)及び図21(a)〜
(f)からわかるように、実験例2と実験例4の入出力
装置40は、メンブレンスイッチ42の反応性が若干悪
いことがわかるが、顕著な差はない。また、比較例1
は、メンブレンスイッチ42の反応性が良いが、液晶表
示部43が押圧力により配向こわれが発生した。
【0109】
【発明の効果】以上詳細に説明してきたように、第1の
発明では、可撓性のある表示画面の下に検出手段を設け
ることにより表示装置と入力装置を一体型にしたので、
表示画面上の表示内容(例えば、仮想ボタン)に応じて
指又はペン等により表示画面の視認側から押圧すれば、
押圧力に対応して表示画面が撓んで押圧力が検出手段に
伝達され、検出手段が、仮想ボタンの表示領域内であれ
ば仮想ボタンの押下という入力操作が行われたことにな
る。更に、表示画面の下に入力装置の検出手段が設けら
れているので、表示画面上にタッチパネルのような表示
の邪魔をするものがないので、非常に視認性がよいと共
に、バックライト等を必要としないので、表示手段の構
成が簡単となり、表示手段を安価にできる。しかも、検
出手段が、表示画面上用のタッチパネルのように透明に
する必要がないので、表示画面上用のタッチパネルに比
べて、材料、製造方法に制限が少ないので、非常に入力
装置を安く作ることができ、従って、入出力装置を安く
作ることができる。更に表示素子層として電極間に実質
的に非流動性の材料を挟んで成り、電極間の距離が変化
しにくい表示パネルを表示手段として、使用しているの
で、視認側からの押圧に対して表示手段の表示に致命的
な影響を受けないので、影響を除くための特別な構成要
素が不要となり、構成を簡単にすることができる。ま
た、前記表示画面及び当該表示画面下の検出手段がシー
ト状のものを使用すれば、軽くできると共に、スペース
効率がよいので、携帯用電子機器に適用できると共に、
本願発明を使用した入出力装置を各種電子機器に適用す
れば、電子機器を小型で軽量にすることができる。
【0110】また、第1の発明では、上記の効果に加え
て、調整手段が視認側からの押圧力を表示手段が表示可
能な圧力に調整するので、押圧力により表示画面が撓む
ことにより、表示手段による表示等に致命的な障害や影
響を与えて誤表示することなく、押圧に応じた適切な圧
力を検出手段に伝達することができ、入力を適切かつ確
実に行うことができる。
【0111】第2の発明では、変更手段により、前記検
出手段が前記押圧力による圧力を受ける検出面上の範囲
を所望の範囲に変更することができるので、入力内容や
目的に応じて押圧位置直下だけでなく、その周辺に圧力
を加えたり、あるいは押圧力を狭めて集中させたりする
ことが可能となり、入力を一層確実にすることができ
る。
【0112】第3の発明では、第1乃至2の発明の効果
が得られると共に、補強層>表示素子層>緩衝層の関係
を満たすことにより、視認側からの押圧に対して表示手
段に対する十分な緩衝性(保護性)と検出手段への確実
な伝達性(入力確実性)が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はこの発明の入出力装置の一例を示す分
解斜視図である。
【図2】 図2はこの発明の入出力装置の一例を示す平
面図である。
【図3】 図3はこの発明の入出力装置の一例を示す要
部断面図である。
【図4】 図4はこの発明の実施の形態2に係る入出力
装置を示す平面図である。
【図5】 図5はこの発明の実施の形態2に係る入出力
装置を示す要部断面図である。
【図6】 図6はメンブレンスイッチを示す分解斜視図
である。
【図7】 図7は制御回路を示すブロック図である。
【図8】 図8は液晶表示パネルに画像を表示するため
のフレームデータの一例を示す図表である。
【図9】 図9は液晶表示部の変形状態を示す模式図で
ある。
【図10】 図10は液晶表示パネルの変形状態を示す
図である。
【図11】 図11は液晶表示パネルの変形状態を示す
図である。
【図12】 図12は液晶表示パネルの変形状態を示す
図である。
【図13】 図13は液晶表示パネルの変形状態を示す
図である。
【図14】 図14はメンブレンスイッチの変形状態を
示す図である。
【図15】 図15はメンブレンスイッチの変形状態を
示す図である。
【図16】 図16はこの発明の実施の形態3に係る入
出力装置を示す要部断面図である。
【図17】 図17は液晶表示パネルの変形状態を示す
模式図である。
【図18】 図18はこの発明の実施の形態4に係る入
出力装置を示す図である。
【図19】 図19(a)〜(f)は実験例及び比較例
をそれぞれ示す模式図である。
【図20】 図20は図19(a)〜(f)に示すサン
プルの感圧試験を行った結果を示す図表である。
【図21】 図21は図19(a)〜(f)に示すサン
プルの感圧試験を行った結果を示す図表である。
【図22】 図22はこの発明の実施例3に係る入出力
装置を示す断面図である。
【図23】 図23はこの発明の実施例4に係る入出力
装置を示す断面図である。
【図24】 従来のコントロールパネルの一例を示す分
解斜視図である。
【符号の説明】
1…スイッチマトリックス基板、2…情報表示画面、3
…パネル板、4…テンキー、7…入力スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三田 恒正 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 伊藤 和善 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (72)発明者 美濃本 壽一 神奈川県海老名市本郷2274番地 富士ゼ ロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−132323(JP,A) 特開 平8−234162(JP,A) 特開 平7−36621(JP,A) 特開 平8−272532(JP,A) 特開 平2−178619(JP,A) 特開 平9−62448(JP,A) 特開 平8−16302(JP,A) 実開 昭58−94215(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 3/03 - 3/037

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性のある表示画面上に情報を表示す
    る表示手段と、 前記表示画面の視認側からの押圧力を表示手段が表示可
    能な圧力に調整する調整手段と、 前記表示画面に対して視認側から遠い位置に設けられ前
    記調整手段で調整された力により前記押圧に対応した表
    示画面上の位置を検出する検出手段を備え、 前記表示手段が、表示素子層として電極間に実質的に流
    動性の材料を挟んで成る表示パネルであることを特徴と
    する入出力装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の入出力装置において、前
    記調整手段が、前記押圧による局所的な応力を分散させ
    ると共に分散された応力を前記検出手段に伝達する緩衝
    手段を含むものであることを特徴とする入出力装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の入出力装置において、前
    記検出手段が、1以上の検出点を持ち、前記調整手段
    が、更に前記表示素子層を介して前記分散された応力を
    前記検出点に集中させる集中手段を含むものであること
    を特徴とする入出力装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の入出力装置におい
    て、前記緩衝手段が、前記表示素子層の視認側に設けら
    れる緩衝層及び前記緩衝層に対して視認側から遠い位置
    設けられ表示素子を保護する補強層のうち、少なくと
    も前者を含むものであることを特徴とする入出力装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の入出力装置において、前
    記集中手段が、検出手段の検出点に対応する検出面上、
    検出面内、又は背面に設けられる突起であることを特徴
    とする入出力装置。
  6. 【請求項6】 可撓性のある表示画面上に情報を表示す
    る表示手段と、 前記表示画面の視認側からの押圧力を表示手段が表示可
    能な圧力に調整する調整手段と、 前記表示画面に対して視認側から遠い位置に設けられ前
    記調整手段で調整された力により前記押圧に対応した表
    示画面上の位置を検出する検出手段を備え、 前記表示手段が、表示素子層として電極間に実質的に非
    流動性の材料を挟んで成る表示パネルである入出力装置
    において、 前記調整手段が、前記押圧による局所的な応力を分散さ
    せると共に分散された応力を前記検出手段に伝達する緩
    衝手段を含むものであることを特徴とする入出力装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の入出力装置において、前
    記検出手段が、1以上の検出点を持ち、前記調整手段
    が、更に前記表示素子層を介して前記分散された応力を
    前記検出点に集中させる集中手段を含むものであること
    を特徴とする入出力装置。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の入出力装置において、前
    記緩衝手段が、前記表示素子層の視認側に設けられる緩
    衝層及び前記緩衝層に対して視認側から遠い位置に設け
    られ表示素子を保護する補強層のうち、少なくとも前者
    を含むものであることを特徴とする入出力装置。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の入出力装置において、前
    記集中手段が、検出手段の検出点に対応する検出面上、
    検出面内、又は背面に設けられる突起であることを特徴
    とする入出力装置。
  10. 【請求項10】 可撓性のある表示画面上に情報を表示
    する表示手段と、 前記表示画面の視認側からの押圧力を表示手段が表示可
    能な圧力に調整する調整手段と、 前記表示画面に対して視認側から遠い位置に設けられ前
    記調整手段で調整された力により前記押圧に対応した表
    示画面上の位置を検出する検出手段を備え、 前記表示手段が、表示素子層として電極間に実質的に非
    流動性の材料を挟んで成る表示パネルである入出力装置
    において、 前記緩衝手段が、前記表示素子層の視認側に設けられる
    緩衝層及び前記緩衝層に対して視認側から遠い位置の層
    に設けられ表示素子を保護する補強層のうち、少なくと
    も前者を含むものであることを特徴とする入出力装置。
  11. 【請求項11】 可撓性のある表示画面上に情報を表示
    する表示手段と、 前記表示手段に対して視認側よりも遠い位置に設けら
    れ、前記表示画面の視認側からの押圧によって前記表示
    手段が受ける圧力の範囲を広げる押圧力分散手段と、 前記押圧力分散手段に対して視認側よりも遠い位置に設
    けられ、前記押圧によ る圧力を受ける範囲を小さくする
    押圧力集中手段と、 前記押圧力集中手段に対して視認側よりも遠い位置に設
    けられ、前記押圧力集中手段によって受ける範囲を小さ
    くされた前記押圧による圧力の位置を検出する検出手段
    とを有することを特徴とする入出力装置。
  12. 【請求項12】 可撓性のある表示画面上に情報を表示
    する表示手段と、 前記表示画面に対して視認側から遠い位置に設けられ当
    該表示画面の視認側からの押圧により当該押圧に対応し
    た表示画面上の位置を検出する検出手段とを備えた入出
    力装置において、 前記表示手段が表示素子層を含む表示パネルであり、
    記表示素子層に対して視認側から遠い位置に配置され前
    表示素子層を保護すると共に視認側からの押圧による
    圧力を受ける範囲を広げる補強層と、 前記検出手段 の検出点に対応する検出面上、検出面内、
    又は背面に設けられ前記押圧力を集中させる突起を有す
    ことを特徴とする入出力装置。
  13. 【請求項13】 可撓性のある表示画面上に情報を表示
    する表示手段と、 前記表示画面の視認側からの押圧による局所的な応力を
    分散させると共に分散された応力を伝達する緩衝手段
    と、 前記表示画面に対して視認側から遠い位置に設けられ前
    記緩衝手段から伝達された応力に基づいて当該押圧に対
    応した表示画面上の位置を検出する検出手段と、 前記検出手段が前記押圧力による圧力を受ける範囲を変
    更する変更手段とを備えた入出力装置において、 前記表示手段が表示素子層を含む表示パネルであり、 前記緩衝手段が前記表示素子層の視認側に設けられる緩
    衝層を含み、 前記変更手段が、表示素子層に対して視認側から遠い位
    置に前記表示素子層を保護すると共に前記圧力を受ける
    範囲を広げる補強層と前記検出手段の検出点に対応する
    検出面上、検出面内又は背面に設けられ前記押圧力を集
    中させる突起とを含み、前記緩衝層と、前記表示素子層
    と、前記補強層との弾性係数の大小関係が、補強層>表
    示素子>緩衝層の関係を満たすように設定したことを特
    徴とする入出力装置。
JP17245397A 1997-06-27 1997-06-27 入出力装置 Expired - Fee Related JP3465537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17245397A JP3465537B2 (ja) 1997-06-27 1997-06-27 入出力装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17245397A JP3465537B2 (ja) 1997-06-27 1997-06-27 入出力装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1124838A JPH1124838A (ja) 1999-01-29
JP3465537B2 true JP3465537B2 (ja) 2003-11-10

Family

ID=15942277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17245397A Expired - Fee Related JP3465537B2 (ja) 1997-06-27 1997-06-27 入出力装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3465537B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4651193B2 (ja) * 1998-05-12 2011-03-16 イー インク コーポレイション ドローイングデバイス用途のためのマイクロカプセル化した電気泳動性の静電的にアドレスした媒体
JP2001343908A (ja) * 2000-05-31 2001-12-14 Nitto Denko Corp タッチ式el表示装置及び入力検出方法
JP4666122B2 (ja) * 2000-11-02 2011-04-06 株式会社ブリヂストン 光学機能部材一体型表示装置
DE102007052008A1 (de) * 2007-10-26 2009-04-30 Andreas Steinhauser Single- oder multitouchfähiger Touchscreen oder Touchpad bestehend aus einem Array von Drucksensoren sowie Herstellung solcher Sensoren

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1124838A (ja) 1999-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3463501B2 (ja) 入出力装置
US6369865B2 (en) Liquid crystal display device with elastic layer
JP4613979B2 (ja) タッチパネル、入力機能付き表示装置、および電子機器
JP5020165B2 (ja) 入力機能付き表示装置、および電子機器
US9007309B2 (en) Input device, and electro-optical device
US20110304569A1 (en) Panel Member Having Oscillating Element
US7268311B2 (en) Touch panel
JP2011138261A (ja) 静電容量型入力装置および入力機能付き電気光学装置
JP2011198009A (ja) 入力機能付き電気光学装置
US8189127B2 (en) Input device
JP2003043450A (ja) 液晶装置
KR20080091001A (ko) 입력 장치와 그 제조 방법 및 전기 광학 장치
JP2001075075A (ja) 液晶装置、および電子機器
JP2009229854A (ja) 液晶表示装置及びこれを使用した電子機器
JP3465537B2 (ja) 入出力装置
JP2006106912A (ja) 情報入力装置及びその製造方法
JP3395580B2 (ja) 入出力装置
JP3368810B2 (ja) 入出力装置
JP4048664B2 (ja) 電気光学装置及びその製造方法
JP2000122807A (ja) 入出力装置
JP2004138416A (ja) 感圧式指紋センサー
JP2011039851A (ja) タッチパネル、タッチ検出機能付き表示装置、タッチパネル用アダプタおよび電子機器
US7679609B2 (en) Touch panel
JP2002149346A (ja) タッチパネルおよび画面入力型表示装置
JP2007102565A (ja) タッチパネル付きの表示パネル、及び電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080829

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090829

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees