JP3463849B2 - 炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法及び炭酸ガス測定ユニット - Google Patents

炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法及び炭酸ガス測定ユニット

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JP3463849B2
JP3463849B2 JP21350597A JP21350597A JP3463849B2 JP 3463849 B2 JP3463849 B2 JP 3463849B2 JP 21350597 A JP21350597 A JP 21350597A JP 21350597 A JP21350597 A JP 21350597A JP 3463849 B2 JP3463849 B2 JP 3463849B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ガス濃度を検
出する検出手段と、検出手段によって検出された信号値
を補正・校正して炭酸ガス濃度値に換算する補正校正手
段とを有する炭酸ガス測定ユニットに関する。このもの
は、例えば、表示ユニットに接続されて炭酸ガス濃度測
定器となり、また、換気ユニットに接続されて換気モニ
タとして働き、警報ユニットに接続されて炭酸ガス警報
器を構成するものである。
【0002】
【従来の技術】炭酸ガス換気モニタは、その炭酸ガス検
出手段に固体電解質型センサ、あるいは赤外線式センサ
等の炭酸ガスセンサを有し、その検出手段から送られて
きた信号値を予め設定されている要警報濃度と比較し
て、その値より高い場合に異常が検出されたとして換気
ユニットを作動させ換気を行うものであり、給湯器、ボ
イラ等の燃焼加熱装置関連用途、あるいは安全ないし保
安などの目的に広く用いられている。
【0003】上記炭酸ガス警報器の検出手段として、低
濃度での感度や濃度変化に対する応答性が良好で、か
つ、コンパクト化が可能であることから、NASICO
N等の固体電解質に炭酸塩を取り付けた濃淡電池式炭素
ガスセンサが検出部として広く用いられている。この濃
淡電池式酸素センサは、被測定ガス中の炭酸ガス濃度に
対応した起電力が生じるため、その電位差により炭酸ガ
ス濃度を知ることができる。
【0004】しかし、長期使用時には起電力が低下する
傾向がある。機器として使用する場合、補正手段がなけ
れば検出手段の出力のベースラインがドリフトしてしま
い、換気が不要な場合でも換気が必要であるとしてしま
うことがある。ここで、濃淡電池式炭酸ガスセンサの出
力は起電力E(mv)であり、しかも、かなり高いハイ
インピーダンス回路の出力であるので、長期間での起電
力の低下は避けられない。実際の経過日数とベース起電
力変化量との関係を図1に示す。このベース起電力の補
正・校正には外気を導入して行う自動校正が考えられる
が、装置、回路等が複雑となって大型化する上コストが
上昇するので、簡便かつ実用性が求められる簡易換気モ
ニター等の分野には応用が困難となる。
【0005】なお、特開平7―270315号公報など
で補正・校正を自動的に行う補正校正手段が提案されて
いる。この技術では2つの検出手段を有し、それら2つ
の検出手段の出力のベースラインのドリフトが等しいも
のとして補正・校正を行っていた。しかしながら、複数
の検出手段において、ベースラインのドリフトの完全に
等しいことは期しがたく、そのため信頼性が低いこと、
また複数の検出手段を有するため装置のコンパクト化が
困難となり、またコストの上昇を招くことが問題となっ
ていた。
【0006】一方、簡便なベースライン値の補正方法と
して、大気中の炭酸ガス濃度を一定として補正する方法
が知られている。すなわち、通常の空気中に存在する二
酸化炭素濃度は400ppm程度であるとされているた
め、この値をベースラインと一致させるよう補正する方
法である。
【0007】しかし、空気中のセンサのベースラインに
相当する出力は日々の雰囲気環境により変化することが
判った。すなわち図2にはある室内の空気の二酸化炭素
濃度の経緯を1週間にわたって調べた結果を示す。この
図において4日目の二酸化炭素濃度が高くなっている
が、これはこの日が雨天であったことによる影響であ
る。このような二酸化炭素濃度を例えばそれぞれ400
ppmであると見なしてベースライン値の補正を行った
場合、1000ppmの二酸化炭素を有するサンプルガ
スを測定した場合、図3のような大きな測定誤差が生じ
る。特に4日目の雨天の日の補正によれば30%超の誤
差が生じ、看過しえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
が有する問題点を解決する、すなわち、換気モニタ用途
などの簡易・コンパクト化が求められる分野に適した炭
酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法及
び炭酸ガス測定ユニットを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の炭酸ガス測定ユ
ニットの信号ベースライン値の補正方法は請求項1に記
載の通り、検出手段によって検出される炭酸ガス濃度の
信号値を監視し、一定期間中に該信号値が補正設定濃度
値を下回ることがない場合に、信号ベースライン値の補
正を行い、かつ、上記信号値がゼロレベル濃度値未満に
ならないよう信号ベースラインの逆補正を行う構成を有
する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、ゼロレベル濃度
値とは、通常の大気中に存在する二酸化炭素濃度であっ
て、この値は化学便覧(改訂3版)では330ppm、
理科年表(平成8年度版)では320ppmである旨記
載されている。これらのような文献に記載された値のい
ずれか、あるいはそれらの平均値を用いても良いが、近
年の大気中の二酸化炭素の増加等により今日これら値は
通常観測されないため、それらより若干高めの値、例え
ば360ppmを基準濃度として用いることが望まし
い。
【0011】一方、標準レベル濃度値とは炭酸ガス測定
ユニットを設置する場所における最低の炭酸濃度濃度で
あり、したがって上記ゼロレベル濃度値より高い値とな
る。ここで通常、人の出入りのある環境での最低値であ
る500ppmを標準レベル濃度値として用いることが
望ましい。また、補正設定濃度値とは補正を行う目安の
値であり、上記標準レベル濃度値より高い値とする。補
正設定濃度値と標準レベル濃度値との間の範囲は許容さ
れる誤差の幅の目安となるため、最大誤差として20%
程度を想定して通常は600ppm程度の値とすること
が望ましい。
【0012】なお、濃淡電池式炭酸ガスセンサのベース
起電力は長期間の使用によって図1に示すように変化す
ることは上記で述べたが、最終的には劣化して感度が低
下する。すなわち、濃淡電池式炭酸ガスセンサを長期間
使用し、その間の感度の変化を調べた結果を図4に示
す。図4において横軸は使用の結果変化したベース起電
力の変化量を、縦軸は2000ppmの二酸化炭素を含
む空気に対するセンサ出力の変化量をそれぞれ示す。図
4より、ベース起電力の変化量が−50mV程度までの
期間は感度の劣化が大きくないことが判る。したがって
この期間はベースライン値の補正を行うだけで用いるこ
とができるが、それ以後は感度自体が変化しているため
ベースライン値の補正だけでは正確な測定ができなくな
る。したがって、信号ベースライン値の補正による対応
は実用上起電力換算で補正量が−50mV程度になるま
で行うことができる。
【0013】信号ベースラインの変化は図1に示すよう
に比較的ゆっくりしているため、本発明における一定期
間とは、1週間程度以上、通常は1ヶ月から数ヶ月であ
ることが好ましい。ただし、起動された後の初期起動時
にはこの期間を数秒から数時間程度の短いものとして、
信号ベースラインの初期設定を行うことにより最適な信
号ベースラインを得ることができる。
【0014】本発明の信号ベースライン値の補正方法に
おいて、その補正幅は任意に定めることができる。しか
し、例えば、上記一定期間中の信号値の最小値をゼロレ
ベル濃度値に合致させるよう信号ベースライン値の補正
を行ってもよい。また、ベースライン値の補正幅を標準
レベル濃度値と補正設定濃度値との差(標準レベル濃度
値を500ppmとし、補正設定濃度値を600ppm
としたときには100ppm)としても良い。
【0015】なお、信号ベースライン値の補正が大きす
ぎて、それ以後の測定において、測定値がゼロレベル濃
度値(例えば360ppm)未満になった場合には、直
ちにその信号値をゼロレベル濃度値に一致させるよう信
号ベースラインを修正(以下「逆補正」と云う)するよ
うにすれば、過補正を防ぐことができる。なお、この逆
補正は、炭酸ガス濃度の極端に少ない環境(人工大気内
等)で炭酸ガス測定ユニットを用いる場合には行わない
ようにする必要がある。
【0016】ここで、図5のモデル図を用いて本発明の
炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン値の補正方法
の例を説明する。このモデルでは標準レベル濃度値を5
00ppm、補正設定濃度値を600ppm、及びゼロ
レベル濃度値を360ppmとしている。またこの炭酸
ガス測定ユニットの使用場所は通常大気内であり、この
ユニットは電源投入から時間がたっているため安定して
動作している。センサ出力は信号ベースラインのドリフ
トによって徐々に上昇する。第1期及び第2期ではそれ
ぞれの期間の信号値が補正設定濃度値(600ppm)
未満となることがあるため、補正は行わない。
【0017】第3期においてその期間の信号値の最低値
が補正設定濃度値(600ppm)以下とならないた
め、第4期開始と同時に信号ベースラインが補正され
る。この例では補正設定濃度値と標準レベル濃度値との
差である100ppmの補正を行っている。しかし上記
補正は過補正であるため、第4期では補正値がゼロレベ
ル濃度値未満となるおそれがある。そこで信号ベースラ
インの逆補正を行い、ゼロレベル濃度と一致させる。そ
の後のセンサ出力の上昇に伴い、逆補正の必要がなくな
る。第5期で補正値が補正設定濃度値(600ppm)
以下とならないため、第6期開始と同時に信号ベースラ
インが補正される。なお、このモデルは100ppmの
補正を行ったが、補正値が標準レベル濃度値の500p
pmに一致するように補正を行うなど様々な補正が可能
である。
【0018】次いで、図6に本発明の炭酸ガス測定ユニ
ットを用いる換気モニターの一例のブロック図を示す。
図中符号A1を付して示されているのは炭酸ガス濃度を
検出する検出手段(固体電解質型炭酸ガスセンサ及びそ
の駆動に必要な電源や各種温度補償回路や信号増幅回路
等を含む)である。
【0019】一方、符号A2で示されているのは、検出
手段A1によって検出される炭酸ガス濃度の信号値を一
定期間中に検出手段により検出される炭酸ガス濃度の信
号値がを下回ることがない場合に信号ベースライン値の
補正を行い、かつ、炭酸ガスの信号値がゼロレベル濃度
値未満にならないよう信号ベースラインの逆補正を行う
補正校正手段である。測定ユニットAはこれら検出手段
A1及び補正校正手段A2により構成されている。
【0020】この測定ユニットAの補正校正手段A2に
よって補正・校正された炭酸ガス濃度データは換気ユニ
ットBの換気判断手段B1に入力され、別途定められた
要換気濃度と比較されて、必要に応じて換気手段B2に
より換気が開始される。なお、表示手段Cは、補正構成
手段により補正された信号値、すなわち測定値が表示さ
れている。なお、上記炭酸ガス測定ユニットAは、換気
ユニットBがなければ炭酸ガス換気モニタではなく炭酸
ガス濃度測定器が形成される。
【0021】以下、上記本発明に係る炭酸ガス測定ユニ
ットを用いる換気モニタの例(炭酸ガス濃度が2000
ppm超で換気を行う)についてさらに詳細に説明す
る。図7(a)は本発明に係る炭酸ガス測定ユニットを
用いる換気モニタの回路図である。符号1で示されるの
が検出部であり、濃淡電池式炭素ガスセンサ及びインピ
ーダンス変換回路、温度補正回路、増幅回路やその他付
属回路からなる。
【0022】図7(a)において、検出部1の出力はA
/Dコンバータ付きの入力ポート2iaからマイクロプロ
セッシングユニット(以下、「MPU」と云う)2内に
取り込まれ、入力ポート2ia内で出力に応じた数値に変
換される(なお、この入力ポート2iaにより得られた値
を以下「センサ出力」と云う)。
【0023】MPU2には、上記入力ポート2iaに加え
て、換気手段3である換気扇の制御信号を送出するため
の出力ポート2oa、LCD表示部4に測定結果を送出す
るための出力ポート2ob、また制御プログラム、及び、
換気手段3を制御するオンオフの閾値濃度である基準レ
ベル値L(ここでは2000ppm)などを格納したR
OM2ro(図7(b)参照)及び、電源投入からの経過時
間の計時データ(以下、「タイマT1」と云う)、初期
補正時の経過時間の計時データ(以下、「タイマT2」
と云う)や測定時の一定期間経時のための計時データ
(以下、「タイマT3」と云う)、あるいは、信号ベー
スラインの値である信号ベースライン値K、センサ出力
を一次的に保持するA、及び一定期間内の最低センサ出
力を保持するAminの各種のデータなどを格納するRA
M2ra(図7(c)参照)、上記プログラムを実行するた
めのセントラルプロセッシングユニット(以下、「CP
U」と記述する)2cpを内蔵している。
【0024】MPU2の出力ポート2oaには換気手段が
接続されており、この出力ポート2oaに信号ONが出力
されると換気手段が起動し、信号OFFが出力されると
換気手段が停止するようになっている。また出力ポート
2obにはLCD表示部4が接続されている。出力ポート
2obに信号ベースライン値Kによって補正された炭酸ガ
ス濃度値が出力されると、このLCD表示部4に表示さ
れる。なお、後述するように、このLCD表示部には電
源投入後5分間は補正なしの測定値が表示され、その後
は補正された測定値が表示される。したがって、この間
に炭酸ガス濃度の変化がない場合には、スイッチ投入後
の表示値及びその後の補正された表示値の差から信号ベ
ースライン値、すなわち補正量の大きさが判り、その結
果センサの劣化状況を知ることができる。
【0025】上記換気モニタの動作を流れ図(図8及び
図9)を用いて説明する。この換気モニタの動作は電源
導入後3つの段階に分けることができる。すなわち、初
期表示段階、次いで初期補正段階、さらに定常段階であ
る。初期表示段階は、固体電解質を適温に保つためのセ
ンサ付属のヒータによる昇温が開始され、安定化するま
での段階であり、以下の例では5分としてある。また、
この期間は、補正を行わない測定値を表示するため、上
述したようにセンサの劣化状況を把握する事ができる。
この段階は図8におけるステップS1〜ステップS4に
相当する。
【0026】初期補正段階は、この実施例では電源導入
後5分後以降1時間までである。この段階で1分ごとに
信号ベースライン値を補正して、速やかに適切なものと
する。この段階は図8におけるステップS5〜ステップ
S17に相当する。次の定常段階では、上記初期補正段
階で得られた信号ベースラインによって炭酸ガス濃度の
測定を行い、必要に応じて換気手段を制御し、かつ、検
出手段によって検出される炭酸ガス濃度の信号値を監視
し、一定期間中に信号値が補正設定濃度値を下回ること
がない場合に、信号ベースライン値の補正を行う。この
段階は図9におけるステップS18〜ステップS32に
相当する。
【0027】なお以下の例では、標準レベル濃度値を5
00ppm、補正設定濃度値を600ppm、及びゼロ
レベル濃度値を360ppmとしている。またこの炭酸
ガス測定ユニットの設置場所は通常大気内である。ま
た、補正の幅としては、上記一定期間中の信号値の最小
値を標準レベル濃度値に合致させるよう信号ベースライ
ン値の補正を行うものである。
【0028】まず、図8に示すように、電源投入により
制御プログラムがスタートし、RAM2ra内の値が初期
化され、次いでステップS1に示されるようにタイマT
1がスタートする。そのときのセンサ出力、すなわち入
力ポート2iaの値が出力ポート2obに出力され、LCD
表示部4に表示される(ステップS2及びS3)。この
ステップS2及びS3はステップS4により5分間繰り
返される。5分経過後初期表示段階が終了し、初期補正
段階が開始される。まず、タイマT2がスタートする。
ステップS6で期間内の最低センサ出力を保持するAmi
n を初期化する。
【0029】ステップS7は初期補正段階終了を監視す
るためのステップであり、このステップS7により、電
源投入後1時間経過するまでステップS6〜ステップ1
7の動作が繰り返される。ステップS8でタイマT2の
値が1分以上でない場合にはステップS9に進む。ステ
ップS9では入力ポート2iaの値がRAM内のAに代入
される。ステップS10でAmin の値とAの値が比較さ
れ、Aminの値が大きい場合にはステップS11でAmin
にAの値が代入されAmin の値がその期間の最小値を
保ってステップS12に進み、またAmin の値がAの値
以下の場合には直ちにステップS12に進む。
【0030】ステップS12ではセンサ出力値を信号ベ
ースライン値K(初期値は0)により補正された濃度が
標準レベル濃度値未満になっていないかを調べ、標準レ
ベル濃度未満であるばあいには標準レベル濃度となる信
号ベースライン値Kが補正され(ステップS13)ステ
ップS14に進む。ステップS15では、補正された測
定値が出力ポート2obに出力され、LCD表示部4に表
示される。このようなステップS6〜ステップS14が
繰り返され,タイマT2の値が1分を超えた場合には、
ステップS8からステップS15に進む。
【0031】ステップS15ではタイマT2の値が1分
減じられ、ステップS16にてその前1分間の信号値の
最小値Amin を信号ベースライン値Kで補正した値が6
00ppm超であるかどうか調べ、この値が600pp
m以下にならないときには、ベースラインが安定してい
ないと判断してステップS17でAmin を信号ベースラ
イン値Kで補正した値が500ppmとなるよう信号ベ
ースライン値Kを補正したのちステップS6に戻り、ま
た600ppm以下になるときには直ちにステップS6
に戻り、電源投入1時間後になるまでこのようにステッ
プS6〜S17を繰り返す。電源投入1時間後にはステ
ップS7からステップS18(図8及び図9の符号参
照)に進み、定常段階となる。
【0032】図9には定常段階での流れ図を示す。ステ
ップS18でタイマT3がスタートする。ステップS1
9でタイマT3が管理する期間内の最低センサ出力を保
持するAmin を初期化する。ステップS20は、一定期
間(この例では10日間)のサイクルを監視するための
ステップであり、タイマT3の値が10日を超えない場
合にはステップS220〜ステップ29を繰り返す。
【0033】ステップS21では入力ポート2iaの値が
RAM内のAに代入される。ステップS22でAmin の
値とAの値が比較され、Aminの値が大きい場合にはス
テップS23でAmin にAの値が代入されAmin の値が
その期間の最小値を保ち、またAmin の値がAの値以下
の場合にはそのまま、ステップS24に進む。
【0034】ステップS24ではセンサ出力値を信号ベ
ースライン値K(初期値は0)により補正された濃度が
ゼロレベル濃度値(360ppm)未満になっていない
かを調べ、ゼロレベル濃度未満である場合にはゼロレベ
ル濃度となるよう信号ベースライン値Kが補正され(ス
テップS25)、ゼロレベル濃度以上である場合にはそ
のまま、ステップS26に進む。ステップS26では、
信号ベースライン値Kにより補正された測定値が出力ポ
ート2obに出力され、LCD表示部4に表示される。
【0035】ステップS27では補正された測定値が基
準レベルL(この例では2000ppm)と比較され、
基準レベルLより大きい場合には信号ONが出力ポート
2oaに出力されて換気手段の運転が開始され、基準レベ
ルL以下の場合には信号OFFが出力ポート2oaに出力
されて換気手段の運転が停止され、次いでステップS2
0に戻り、ステップS20〜ステップS29を繰り返
す。
【0036】タイマT3の値がこの例で一定期間とする
10日を超えるとステップS20からステップS30に
進む。ステップS30でタイマT3の値から10日が減
じられ、ステップS31に進む。ステップS31では、
その一定期間のセンサ出力の最低出力値を信号ベースラ
イン値Kで補正された値が補正設定濃度値である600
ppm超であるかどうか調べ、この値が600ppm以
下にならないときには信号ベースラインが変動したと判
断してステップS32でAmin を信号ベースライン値K
で補正した値が600ppmとなるよう信号ベースライ
ン値Kを補正し、600ppmになったときにはそのま
ま、ステップS19に戻り、これらステップS19〜ス
テップS32を繰り返す。なお、この換気モニタのMP
U2は図6のブロック図において補正構成手段A2及び
換気判断手段B1に相当し、LCD表示部4は表示手段
cに相当する。
【0037】上記換気モニタを実際に用いたとき、セン
サ出力(起電力E)と炭酸ガス濃度との対応関係、すな
わち検量線の変化を図10に示す。なお、このとき基準
位置(電源投入後1時間経過したときの360ppmの
二酸化炭素を含む空気に対する出力値)と420日後で
の補正された位置との変位は17mvであり、したがっ
て図4より、まだ、このセンサは実用上充分な寿命を有
していることが判る。
【0038】
【発明の効果】本発明の炭酸ガス測定ユニットは、検出
手段によって検出される炭酸ガス濃度の信号値を監視
し、一定期間中に信号値が補正設定濃度値を下回ること
がない場合に、信号ベースライン値の補正を行う構成を
有するため、炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン
値の補正を、1つの検出手段で、かつ、簡便に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】長期間使用時のベース起電力変化量を示す図で
ある。
【図2】ある室内の1週間の空気中の二酸化炭素濃度の
経緯を調べた結果を示す図である。
【図3】図2に示された室内の空気中の二酸化炭素濃度
を400ppmであると見なしてベースライン値の補正
を行った場合生じる測定誤差を示す図である。
【図4】濃淡電池式炭酸ガスセンサを長期間使用し、そ
の間の感度の変化を調べた結果を示す図である。
【図5】本発明の炭酸ガス測定ユニットの信号ベースラ
イン値の補正方法の例を説明するモデル図である。
【図6】本発明の炭酸ガス測定ユニットを用いる換気モ
ニターの一例のブロック図を示す図である。
【図7】(a)本発明に係る炭酸ガス測定ユニットを用
いる換気モニタの回路図である。 (b)ROM2roの内容を示す説明図である。 (c)RAM2raの内容を示す説明図である。
【図8】本発明に係る炭酸ガス測定ユニットを用いる換
気モニタの動作示す流れ図である。
【図9】本発明に係る炭酸ガス測定ユニットを用いる換
気モニタの動作示す流れ図である。
【図10】本発明に係る換気モニタを実際に用いたと
き、センサ出力(起電力E)と炭酸ガス濃度との対応関
係、すなわち検量線の変化を示す図である。
【符号の説明】
A 炭酸ガス測定ユニット A1 検出手段 A2 補正校正手段 B 換気ユニット B1 換気判断手段 B2 換気手段 C 表示手段 1 検出部 2 MPU 2cp CPU 2ia 入力ポート 2oa、2ob 出力ポート 2ra RAM 2ro ROM 3 換気手段 4 LCD表示部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/26 371 G01N 27/406 G01N 27/416

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出手段によって検出される炭酸ガス濃
    度の信号値を監視し、一定期間中に該信号値が補正設定
    濃度値を下回ることがない場合に、信号ベースライン値
    の補正を行い、かつ、上記信号値がゼロレベル濃度値未
    満にならないよう信号ベースラインの逆補正を行うこと
    を特徴とする炭酸ガス測定ユニットの信号ベースライン
    値の補正方法。
  2. 【請求項2】 上記一定期間中の信号値の最小値を標準
    レベル濃度値に合致させるよう信号ベースライン値の補
    正を行うことを特徴とする請求項1に記載の炭酸ガス測
    定ユニットの信号ベースライン値の補正方法。
  3. 【請求項3】 上記信号ベースラインを、標準レベル濃
    度値と補正設定濃度値との差だけ補正することを特徴と
    する請求項1に記載の炭酸ガス測定ユニットの信号ベー
    スライン値の補正方法。
  4. 【請求項4】 炭酸ガス濃度を検出する検出手段と、一
    定期間中に検出手段により検出される炭酸ガス濃度の信
    号値が補正設定濃度値を下回ることがない場合に信号ベ
    ースライン値の補正を行う補正校正手段とを有し、か
    つ、上記補正校正手段が検出された炭酸ガスの信号値が
    ゼロレベル濃度値未満にならないよう信号ベースライン
    の逆補正を行うものであることを特徴とする炭酸ガス測
    定ユニット。
  5. 【請求項5】 補正校正手段が、上記一定期間中の信号
    値の最小値を標準レベル濃度値に合致させるよう信号ベ
    ースライン値の補正を行うことを特徴とする請求項4に
    記載の炭酸ガス測定ユニット。
  6. 【請求項6】 補正校正手段の行うベースライン値の補
    正幅が、標準レベル濃度値と補正設定濃度値との差であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の炭酸ガス測定ユニ
    ット。
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