JP3462841B2 - 画像情報付マップシステム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撮像位置が特定さ
れた画像情報をデジタルマップにリンクする画像情報付
マップシステムに係り、デジタルマップにリンクした画
像情報の更新を容易に行なうことができる画像情報付マ
ップシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、デジタルカメラとデジタルマップ
の登場に伴い、デジタルマップの所定の位置にデジタル
カメラで撮像した画像情報を容易にリンクできるように
なった。例えば、画像情報に撮像した位置を示す位置情
報を付与すれば、画像情報をその位置情報が示すデジタ
ルマップの当該位置に容易にリンクすることができる。
リンクした画像情報は、リンク位置からデジタルマップ
上に出力することができる。このようにデジタルマップ
に画像情報をリンクする技術である画像情報付マップシ
ステムとしては、図６に示す特公平８−２３８７０号公
報に記載のものが挙げられる。この従来の画像情報付マ
ップシステムＳは、コンピュータ本体１とデジタルカメ
ラ２とＧＰＳ３とを備えて構成されている。コンピュー
タ本体１はデジタルカメラ２が撮像した画像情報をその
ときＧＰＳ３が認識した位置情報と関連付けて記憶す
る。コンピュータ本体１は、コンピュータ本体１に備え
たデジタルマップに、位置情報が関連付けられた画像情
報をその位置情報に基づいてリンクして、その所在をア
イコンにて表示する。そのアイコンを選択実行させれ
ば、その位置にリンクしている画像情報がデジタルマッ
プ上に表出される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の画像
情報付マップシステムＳは、画像情報を撮像したときに
ＧＰＳ３が認識した位置情報を画像情報に付与する。こ
の位置情報にはＧＰＳ３の測定誤差が含まれるため、同
じ撮像対象の画像情報を同じ撮像位置で撮像した場合で
も、画像情報に付与される位置情報は、ＧＰＳ３の測定
誤差により撮像の都度微妙に異なってくる。更に、同じ
撮像対象を全く同じ撮像位置で撮像することは難しく、
撮像位置にもズレが生じるため、同じ撮像対象であって
もその画像情報に付与される位置情報が同一となること
は極めて稀である。従って、一旦デジタルマップに位置
情報でリンクした画像情報を更新するときには、更新前
の画像情報と更新後の画像情報とが同じ撮像対象である
ことを確認する処理が必要になる。この処理は、画像情
報に付与された位置情報を１つ１つ比較して同じ撮像対
象かどうか確認しなければならず多大な手間を要すると
いう問題が生じる。その問題を解決する手段として、一
旦デジタルマップにリンクした画像情報に識別情報を与
えておき、更新する画像情報を撮像する際に、画像情報
に更新対象となる画像情報に与えられた識別情報と同一
の識別情報を付与し、撮像対象が同一であることを認識
させる方法が考えられる。しかし、撮像の際に画像情報
に識別情報を付与するという新たな処理を必要にすると
ともに、識別情報の付与は人為的に行なわれるため誤っ
た識別情報を画像情報に与え、認識不能にしてしまう等
の問題が生じる。

【０００４】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたもので、画像情報を更新する際に、人為的な処理を
介すことなく、デジタルマップにリンクしている画像情
報を正確かつ容易に更新できる画像情報付マップシステ
ムを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るための本発明の技術的手段は、デジタルカメラで撮像
され、該デジタルカメラの撮像位置が特定された撮像対
象の画像情報を既存のデジタルマップにおいて該撮像位
置に基づいて定めた帰一化した帰一位置にリンクし、該
デジタルマップにリンクした帰一位置に標識を与え、当
該標識が指示されることにより該画像情報を出力可能に
する画像情報付マップシステムにおいて、上記デジタル
カメラから供給される画像情報を上記帰一位置とともに
記憶データとして記憶する記憶手段と、新規の画像情報
が供給されたとき、該新規の画像情報と従前の記憶デー
タの画像情報との撮像対象が同一であるか否かを新規の
画像情報の撮像位置及び記憶データの帰一位置の比較に
基づいて判断する同一判断手段と、上記同一判断手段が
同一であると判断したとき従前の記憶データの画像情報
を新規の画像情報に更新する記憶データ更新手段とを備
えた構成とした。デジタルカメラで撮像した画像情報
は、撮像位置が与えられて記憶手段に供給される。記憶
手段は、供給された画像情報を、画像情報と撮像位置か
ら定めた帰一位置とを備えた記憶データとして記憶す
る。この際に、新たに記憶手段が記憶した記憶データ
は、同一判断手段に供給されて、記憶手段が記憶してい
る従前の記憶データと撮像対象が同一であるか否かが判
断される。同一判断手段が同一の撮像対象であると判断
した従前の記憶データの画像情報は、記憶データ更新手
段で新たに供給された記憶データの画像情報に更新され
る。

【０００６】また、上記デジタルカメラから新規の画像
情報が供給されたとき、該画像情報の撮像位置から帰一
位置を設定する帰一位置設定手段を備え、上記記憶デー
タ更新手段に、従前の記憶データの帰一位置を上記帰一
位置設定手段が設定した新規の帰一位置に更新する機能
を備えた構成とした。画像情報のデジタルマップへのリ
ンク位置は、帰一位置設定手段にて１値にされる。新規
の帰一位置は、従前の記憶データの帰一位置でも新たに
設定した帰一位置でもよい。更に、上記同一判断手段
を、上記新規の画像情報の撮像位置と上記従前の記憶デ
ータの帰一位置との離間距離を算出する算出部と、予め
定めた許容離間距離を記憶する許容離間距離記憶部と、
上記算出部で算出した離間距離が上記許容離間距離範囲
内であるとき、上記新規の画像情報の撮像対象と従前の
記憶データの画像情報の撮像対象が同一であると判断す
る判断部とを備えた構成とした。判断部は、予め設定し
た許容離間距離値と、新たに供給された記憶データの帰
一位置（撮像位置）と従前の記憶データの帰一位置とか
ら計算した離間距離とを比較して、新たに供給された記
憶データの撮像対象と従前の記憶データの撮像対象とが
同じであるか否かを機械的に判断する。

【０００７】更にまた、上記記憶データ更新手段に、上
記同一判断手段で同一であると判断し、上記新規の画像
情報に更新した記憶データに、同一であると判断した従
前の記憶データを履歴情報として保持する履歴保持部を
備えた構成とした。当初の記憶データの画像情報を更新
するとともに、更新前の記憶データを履歴情報として累
積して保持することができる。また、上記帰一位置設定
手段に、上記同一判断手段が同一であると判断しなかっ
たとき、上記新規の画像情報を当該画像情報の撮像位置
を帰一位置として決定する帰一位置決定部を備えた構成
とした。新たな撮像対象の記憶データは、新規の記憶デ
ータとして記憶手段に記憶される。更に、上記帰一位置
決定部に、上記同一判断手段が同一であると判断したと
き、上記新規の画像情報の撮像位置と従前の記憶データ
の帰一位置との平均値を帰一位置として決定する機能を
備えた構成とした。帰一位置を新規の画像情報の撮像位
置と従前の記憶データの帰一位置との２値の平均から定
めるので、帰一位置が撮像対象の実位置に近似する。更
にまた、上記帰一位置決定部に、上記同一判断手段が同
一であると判断したとき、上記帰一位置設定手段に新規
の画像情報の撮像位置と従前の記憶データに保持した履
歴情報の撮像位置との平均値を帰一位置に決定する機能
を備えた構成とした。帰一位置を記憶データの撮像位置
のみの平均から定めるので、帰一位置が撮像対象の実位
置により近似する。

【０００８】また、必要に応じ、上記記憶データに該記
憶データの付随情報を付記させる情報付記手段を設けた
構成とした。記憶データ毎に、所望の情報を与えること
ができる。更に、必要に応じ、上記情報付記手段に、上
記記憶データの撮像対象の分類情報を設定させる分類設
定部を備えた構成とした。記憶データに所望の分類情報
を与えることができる。更にまた、必要に応じ、上記記
憶データの撮像対象の分類情報に応じて標識を与える標
識付記部を設けた構成とした。デジタルマップの画像情
報がリンクした位置には、分類情報により異なった標識
を表示することができる。また、必要に応じ、上記記憶
手段が記憶する記憶データを抽出する抽出手段を設けた
構成とした。記憶データを、所定の条件で抽出すること
ができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて本発明
の実施の形態に係る画像情報付マップシステムを説明す
る。図１及び図２に示す画像情報付マップシステムＳ
は、既存のＧＰＳ付きデジタルカメラで撮像され、デジ
タルカメラの撮像位置が特定された撮像対象の画像情報
Ｇを既存のデジタルマップＭにおいて撮像位置に基づい
て定めた帰一化した帰一位置にリンクし、デジタルマッ
プＭにリンクした帰一位置に標識を与え、標識を選択さ
せることによりリンクしている画像情報Ｇを表出する。
デジタルカメラは、同一のインデックスＩに所定のデー
タ形式（例えば、ＪＰＥＧ等）の画像情報Ｇを、撮像位
置を示す経緯情報（経度と緯度を示す）と撮像時間とと
もに記録する。インデックスＩは、デジタルカメラにお
いて画像情報Ｇを区別するための情報であり、例えば撮
像順を示す数字等からなる。これらデジタルカメラで記
録された情報は、フラッシュメモリ等の画像情報Ｇを高
速処理できる記録媒体を介して画像情報付マップシステ
ムＳに供給される。画像情報付マップシステムＳは、デ
ジタルカメラから供給される画像情報Ｇを帰一位置とと
もに記憶データとして記憶する記憶手段１０と、新規の
画像情報Ｇが供給されたとき、新規の画像情報Ｇと従前
の記憶データの画像情報Ｇとの撮像対象が同一であるか
否かを新規の画像情報Ｇの撮像位置及び記憶データの帰
一位置の比較に基づいて判断する同一判断手段２０と、
同一判断手段２０が同一であると判断したとき従前の記
憶データの画像情報Ｇを新規の画像情報Ｇに更新する記
憶データ更新手段３０とを備えて構成される。

【００１０】記憶手段１０は、一時記憶領域を備え、デ
ジタルカメラから供給される画像情報Ｇを一時的に記憶
する。ここで、デジタルカメラから供給される情報を供
給データと呼ぶ。供給データは、図２に示すように、イ
ンデックスＩ，撮像位置を示す情報，撮像時間（図示せ
ず），画像情報Ｇとを備えてなる。撮像位置を示す情報
とは、経緯情報を意味する。一時記憶領域に記憶された
供給データは、インデックスＩの代わりに記憶手段にお
いて画像情報Ｇを識別するための識別情報Ｓがつけられ
て記憶データＡになる。更に、記憶データＡには付記情
報の情報領域Ｆと履歴情報の情報領域Ｒｎ（ｎは、更新
の回数を示す）が設けられている。同一判断手段２０
は、新規の画像情報Ｇの撮像位置と従前の記憶データの
帰一位置との離間距離を算出する算出部２１と、予め定
めた許容離間距離を記憶する許容離間距離記憶部２２
と、算出部２１で算出した離間距離が許容離間距離範囲
内であるとき、新規の画像情報Ｇの撮像対象と従前の記
憶データの画像情報Ｇの撮像対象が同一であると判断す
る判断部２３とを備える。算出部２１は、２つの経緯情
報から最短距離を算出する。許容離間距離記憶部２２
は、撮像対象が同一と判断するための許容離間距離を設
定させる。撮像対象が同一であるか否かの基準が決めら
れる。判断部２３は、算出部２１で算出した最短距離と
許容離間距離記憶部２２で設定した許容離間距離とを比
較し、許容離間距離の算出対象となった画像情報Ｇの撮
像対象が同一であるか否かを判断する。ここでは、最短
距離が設定した許容離間距離より短ければ画像情報Ｇの
撮像対象が同一であると判断する。記憶データ更新手段
３０は、同一判断手段２０で同一であると判断した従前
の記憶データに新たに供給された記憶データの情報を書
き込んで更新を行なう。また、記憶データ更新手段３０
は、同一であると判断した供給データを履歴情報として
累積保持する履歴保持部３１を備えている。履歴保持部
３１は、撮像対象が同一であると判断された全ての供給
データ（インデックスＩは除く）の画像情報Ｇ，撮像位
置，撮像時間，付記情報を、履歴情報として更新した記
憶データに保持する。

【００１１】また、図１及び図２に示すように、画像情
報付マップシステムＳには、デジタルカメラから新規の
画像情報Ｇが供給されたとき、画像情報Ｇの撮像位置か
ら帰一位置を設定する帰一位置設定手段４０が設けられ
ている。帰一位置設定手段４０は、同一判断手段２０が
同一であると判断しなかったとき、新規の画像情報Ｇの
撮像位置を帰一位置として決定する帰一位置決定部４１
を備える。帰一位置決定部４１は、同一判断手段２０が
同一であると判断したとき、新規の画像情報Ｇの撮像位
置と従前の記憶データの帰一位置との平均値を帰一位置
として決定する機能（機能１）、または新規の画像情報
Ｇの撮像位置と従前の記憶データに付加した履歴情報の
撮像位置との平均値を帰一位置に決定する機能（機能
２）を備えている。機能１は、供給データの撮像位置と
記憶データの帰一位置との２値の平均を新たな帰一位置
に決定する。機能２は、供給データの撮像位置と記憶デ
ータの履歴情報のすべての撮像位置との多値（２値以
上）の平均を新たな帰一位置に決定する。帰一位置決定
部４１は、帰一位置を最初に設定した帰一位置（供給デ
ータの撮像位置）に固定することもできる。

【００１２】また、図１に示すように、画像情報付マッ
プシステムＳには、記憶手段１０に記憶した記憶データ
に、記憶データの付随情報を付記する情報付記手段５０
が設けられている。情報付記手段５０は、記憶データ単
位に、画像情報Ｇの種別情報や画像情報Ｇに対するコメ
ントを外部から入力させる。更に、情報付記手段５０
は、付随情報に応じて記憶データを分類する分類設定部
５１を備え、記憶データを例えば画像情報Ｇの撮像対象
の種別毎に分類する。分類した記憶データには分類情報
が付与される。

【００１３】また、画像情報付マップシステムＳは、デ
ジタルマップＭにリンクした位置に標識を与えて出力す
る出力手段６０を備える。出力手段６０は、記憶データ
に設定された分類情報に応じて異なる標識を与える標識
付記部６１を備える。標識付記部６１は、予め設定され
ている標識の種類と分類情報との対応関係に応じて、デ
ジタルマップＭに表示する標識を選択する。出力手段６
０には、デジタルマップＭの出力域に応じてリンク位置
である記憶データの帰一位置が供給される。その際、標
識付記部６１は、帰一位置とともに供給された分類情報
からリンク位置に表示する標識を選択する。出力形態
は、標識が付されたデジタルマップを出力するマップ表
示モードと、リンクしている画像情報Ｇを含む記憶デー
タを表示する画像表示モードとを備えている。

【００１４】更に、画像情報付マップシステムＳには、
記憶手段１０が記憶する記憶データを抽出する抽出手段
７０が設けられる。抽出手段７０は、出力する記憶デー
タの分類情報や地域を設定させることにより、所望とす
る記憶データのみを出力可能にする。

【００１５】従って、この実施の形態に係る画像情報付
マップシステムＳによれば、図４に示すような処理過程
Ｐ１〜Ｐ５に従い、デジタルマップＭにリンクしている
画像情報Ｇを含む記憶データの更新，デジタルマップＭ
にリンクしている画像情報Ｇを含む記憶データの出力が
行なわれる。 （入力処理）デジタルカメラの記録媒体が記録した供給
データは、所定の情報入力モジュールを利用して画像情
報付マップシステムＳの記憶手段１０に供給される。

【００１６】（一時記憶処理Ｐ１）記憶手段１０に供給
された供給データ（図２参照）は、インデックスＩが記
憶手段１０において識別を行なうために用いる識別情報
Ｓに変換された記憶データ（記憶データＡ：図２及び図
３参照）に変換されて、記憶手段１０に一時的に記憶さ
れる。記憶手段１０は、供給データを記憶データＡに変
換する際に、付記情報の情報領域Ｆと履歴情報の情報領
域Ｒｎを与える。

【００１７】（同一判断処理Ｐ２）記憶手段１０に一時
的に記憶された記憶データＡは、同一判断手段２０の算
出部２１へ順次供給される。算出部２１は、供給された
記憶データＡと既存の記憶データ（記憶データＢ：図２
及び図３参照）との最短離間距離を逐次算出し、算出値
を判断部２３に供給する。同一判断手段２０では、許容
離間距離記憶部２２で予め撮像対象が同一であると判断
する許容離間距離値を入力させ、その値を判断部２３に
提供する。図２に示すように、判断部２３は、許容離間
距離値（１値）と算出値（多値）とを順次比較すること
により、算出値が許容離間距離値より小さくなる組み合
わせを探知する。判断部２３は、該当する組み合わせが
ないとき、記憶データＢと記憶データＡとの間には撮像
対象が同じである画像情報Ｇが存在しないと判断し、該
当する組み合わせがあるとき、撮像対象が同じ記憶デー
タＢと記憶データＡとを認識する。この判断結果は、帰
一位置設定手段４０に供給される。

【００１８】（更新処理Ｐ３）更新処理Ｐ３は、以下に
示すように、帰一位置決定処理Ｐ３ａ，画像更新処理Ｐ
３ｂ，履歴付加処理Ｐ３ｃに分かれる。判断部２３が同
じ撮像対象が存在しないと判断した記憶データＡは、何
ら情報が変化することなくそのまま記憶データＢになる
（図３に示す未更新記憶データＢ１になる）。従って、
この記憶データＢの帰一位置は供給データの撮像位置に
なる。判断部２３が同じ撮像対象の組み合わせと認識し
た記憶データＡと記憶データＢは、帰一位置設定手段４
０及び記憶データ更新手段３０にて記憶データＢの情報
に記憶データＡの情報が組み込まれる。 帰一位置決定処理Ｐ３ａ） 先ず、更新後の記憶データＢの帰一位置が帰一位置決定
部４１で決められる。例えば、帰一位置決定部４１は、
記憶データＢの撮像位置（記憶データＢが更新されてい
るときは履歴情報を有する全ての撮像位置）と記憶デー
タＡの撮像位置の平均値を新たな帰一位置に決定し帰一
位置を書き換える。また、帰一位置決定部４１は、記憶
データＢの従前の帰一位置（最初に記憶手段１０に記憶
したときの撮像位置）を帰一位置として維持することも
できる。 画像更新処理Ｐ３ｂ） 次いで、更新後の記憶データＢの画像情報Ｇが記憶デー
タ更新手段３０で記憶データＡの画像情報Ｇに更新され
る。このとき、画像情報Ｇの更新とともに撮像時間や付
記情報も記憶データＡの情報に更新される。このよう
に、更新後の記憶データＢは、識別情報，帰一位置以外
は新たな情報に更新される。 履歴付加処理Ｐ３ｃ） また、図３に示すように、更新後の記憶データＢの履歴
情報の領域には、新たに記憶データＡの情報が付加され
る。すなわち、更新後の記憶データＢの履歴情報には、
過去に更新に用いた記憶データＡの識別情報以外の情報
が蓄積されている。

【００１９】（記憶処理Ｐ４）新たな撮像対象の記憶デ
ータＡ及び更新された記憶データＢは、記憶手段１０に
記憶データＢ（履歴情報がない記憶データＢ１及び履歴
情報を有する記憶データＢ２）として記憶される。記憶
手段１０が記憶している記憶データＢの付記情報の領域
には、情報付記手段５０により撮像対象の種類やその画
像情報Ｇに対するコメントの入力が可能になる。例え
ば、分類設定部５１にて、記憶データＢの画像情報Ｇの
撮像対象が下水のマンホールである旨や雨水のマンホー
ルである旨等の分類情報を与えることができる。

【００２０】（出力処理Ｐ５）記憶手段１０が記憶して
いる記憶データＢは、その帰一位置でデジタルマップＭ
にリンクする。図５の（ａ）には、マップ表示モードの
出力例が示される。マップ表示モードは、記憶データＢ
がリンクした位置（帰一位置）に標識Ｈが付されたデジ
タルマップＭを出力する。デジタルマップＭ上に表示し
た標識Ｈは、標識付記部６１で記憶データＢの分類情報
を識別して、分類情報に応じた形状，色彩，模様で表示
される。図５の（ｂ）には、画像表示モードの出力例が
示される。ここで、画像表示モードは、標識Ｈをマウス
等でクリックすることにより標識Ｈの表示された位置に
リンクしている記憶データＢの情報を表示する。このよ
うに記憶データＢの表示は、最新の画像情報Ｇ及び付記
情報Ｆとともに過去に供給された履歴情報に関しても行
なわれる。また、出力処理Ｐ５においては、抽出手段７
０にて、撮像時間範囲，帰一位置範囲，画像情報Ｇの種
類を指定することで、所望とする記憶データＢを抽出
し、抽出した記憶データＢの標識Ｈのみをデジタルマッ
プＭに表示することができる。また、出力手段６０は、
デジタルマップＭの個々の標識Ｈごとの記憶データＢを
出力するのみならず、抽出手段７０で指定した範囲の記
憶データＢの画像情報Ｇのサムネル化による一覧表示
や、画像情報Ｇのスライド表示等の機能を備えることが
できる。

【００２１】尚、上記実施の形態に係る画像情報付マッ
プシステムＳにおいて、送受信制御手段を設ければ、デ
ジタルカメラで撮像した供給データをネットワークを介
して受信し、記憶データＢに処することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の画像情報
付マップシステムによれば、デジタルカメラから供給さ
れる画像情報を帰一位置とともに記憶データとして記憶
する記憶手段と、新規の画像情報が供給されたとき、新
規の画像情報と従前の記憶データの画像情報との撮像対
象が同一であるか否かを新規の画像情報の撮像位置及び
記憶データの帰一位置の比較に基づいて判断する同一判
断手段と、同一判断手段が同一であると判断したとき従
前の記憶データの画像情報を新規の画像情報に更新する
記憶データ更新手段とを備えたので、記憶手段が記憶し
ている記憶データと撮像対象が同じ画像情報が供給され
るとそのことを認識して記憶データの画像情報を非人為
的に新たな画像情報に更新することができる。

【００２３】また、デジタルカメラから新規の画像情報
が供給されたとき、画像情報の撮像位置から帰一位置を
設定する帰一位置設定手段を備え、記憶データ更新手段
に、従前の記憶データの帰一位置を帰一位置設定手段が
設定した新規の帰一位置に更新する機能を備えた場合に
は、画像情報が更新された際の帰一位置を１値に調整す
ることができる。更に、同一判断手段を、新規の画像情
報の撮像位置と従前の記憶データの帰一位置との離間距
離を算出する算出部と、予め定めた許容離間距離を記憶
する許容離間距離記憶部と、算出部で算出した離間距離
が許容離間距離範囲内であるとき、新規の画像情報の撮
像対象と従前の記憶データの画像情報の撮像対象が同一
であると判断する判断部とを備えて構成した場合には、
撮像位置と帰一位置との離間距離の算出値と許容離間距
離記憶部に設定された値とを比べることにより容易に撮
像対象が同一か否かを判断することができる。

【００２４】更にまた、記憶データ更新手段に、同一判
断手段で同一であると判断し、新規の画像情報に更新し
た記憶データに、同一であると判断した従前の記憶デー
タを履歴情報として保持する履歴保持部を備えた場合に
は、記憶データに更新前の画像情報等を参考情報として
保持することができる。また、帰一位置設定手段に、同
一判断手段が同一であると判断しなかったとき、新規の
画像情報を画像情報の撮像位置を帰一位置として決定す
る帰一位置決定部を備えた場合には、撮像位置をそのま
ま帰一位置とすることができるので更新処理効率を向上
することができる。

【００２５】更に、帰一位置決定部に、同一判断手段が
同一であると判断したとき、新規の画像情報の撮像位置
と従前の記憶データの帰一位置との平均値を帰一位置と
して決定する機能を備えた場合には、記憶データの帰一
位置を撮像対象の実位置に近付けることができる。更に
また、帰一位置決定部に、同一判断手段が同一であると
判断したとき、帰一位置設定手段に新規の画像情報の撮
像位置と従前の記憶データに保持した履歴情報の撮像位
置との平均値を帰一位置に決定する機能を備えた場合に
は、記憶データの帰一位置を撮像対象の実位置により近
付けることができる。

【００２６】また、記憶データに記憶データの付随情報
を付記させる情報付記手段を設けた場合には、画像情報
にコメントを与えることができるので記憶データに付加
価値を与えることができる。更に、情報付記手段に、記
憶データの撮像対象の分類情報を設定させる分類設定部
を備えた場合には、記憶データの抽出や分類を行なう際
に有効な指標として作用する。また、記憶データの撮像
対象の分類情報に応じて標識を与える標識付記部を設け
た場合には、画像情報がリンクしたデジタルマップには
その画像情報の分類情報に応じて異なった標識を表示で
きるので、リンクしている画像情報を容易に区別させる
ことができる。更に、記憶手段が記憶する記憶データを
抽出する抽出手段を設けた場合には、所望とする記憶デ
ータを抽出して出力することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る画像情報付マップシ
ステムの構成を示すブロック図である。

【図２】本発明の実施の形態に係る画像情報付マップシ
ステムにおける同一判断処理の説明図である。

【図３】本発明の実施の形態に係る画像情報付マップシ
ステムにおける更新処理の説明図である。

【図４】本発明の実施の形態に係る画像情報付マップシ
ステムにおける処理過程を示すフローチャートである。

【図５】本発明の実施の形態に係る画像情報付マップシ
ステムにより画像情報がリンクしたデジタルマップの表
示例を示す説明図である。

【図６】従来の画像情報付マップシステムの一例を具現
化した斜視図である。

【符号の説明】

Ｓ 画像情報付マップシステム Ｍ デジタルマップ Ｈ 標識 １０ 記憶手段 ２０ 同一判断手段 ２１ 算出部 ２２ 許容離間距離記憶部 ２３ 判断部 ３０ 記憶データ更新手段 ３１ 履歴保持部 ４０ 帰一位置設定手段 ４１ 帰一位置決定部 ５０ 情報付記手段 ５１ 分類設定部 ６０ 出力手段 ６１ 標識付記部 ７０ 抽出手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G09B 29/00 - 29/14 H04N 7/18

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 デジタルカメラで撮像され、該デジタル
   カメラの撮像位置が特定された撮像対象の画像情報を既
   存のデジタルマップにおいて該撮像位置に基づいて定め
   た帰一化した帰一位置にリンクし、該デジタルマップに
   リンクした帰一位置に標識を与え、当該標識が指示され
   ることにより該画像情報を出力可能にする画像情報付マ
   ップシステムにおいて、 上記デジタルカメラから供給される画像情報を上記帰一
   位置とともに記憶データとして記憶する記憶手段と、 新規の画像情報が供給されたとき、該新規の画像情報と
   従前の記憶データの画像情報との撮像対象が同一である
   か否かを新規の画像情報の撮像位置及び記憶データの帰
   一位置の比較に基づいて判断する同一判断手段と、 上記同一判断手段が同一であると判断したとき従前の記
   憶データの画像情報を新規の画像情報に更新する記憶デ
   ータ更新手段とを備えて構成し、 上記デジタルカメラから新規の画像情報が供給されたと
   き、該画像情報の撮像位置から帰一位置を設定する帰一
   位置設定手段を備え、上記記憶データ更新手段に、従前
   の記憶データの帰一位置を上記帰一位置設定手段が設定
   した新規の帰一位置に更新する機能を備え、 上記同一判断手段を、上記新規の画像情報の撮像位置と
   上記従前の記憶データの帰一位置との離間距離を算出す
   る算出部と、予め定めた許容離間距離を記憶する許容離
   間距離記憶部と、上記算出部で算出した離間距離が上記
   許容離間距離範囲内であるとき、上記新規の画像情報の
   撮像対象と従前の記憶データの画像情報の撮像対象が同
   一であると判断する判断部とを備えて構成し、 上記記憶データ更新手段に、上記同一判断手段で同一で
   あると判断し、上記新規の画像情報に更新した記憶デー
   タに、同一であると判断した従前の記憶データを履歴情
   報として保持する履歴保持部を備え、 上記帰一位置設定手段に、上記同一判断手段が同一であ
   ると判断しなかったとき、上記新規の画像情報を当該画
   像情報の撮像位置を帰一位置として決定する帰一位置決
   定部を備え、 上記帰一位置決定部に、上記同一判断手段が同一である
   と判断したとき、上記 新規の画像情報の撮像位置と従前
   の記憶データの帰一位置との平均値を帰一位置として決
   定する機能を備え、あるいは、上記帰一位置決定部に、
   上記同一判断手段が同一であると判断したとき、上記帰
   一位置設定手段に新規の画像情報の撮像位置と従前の記
   憶データに保持した履歴情報の撮像位置との平均値を帰
   一位置に決定する機能を備えた ことを特徴とする画像情
   報付マップシステム。
2. 【請求項２】 上記記憶データに該記憶データの付随情
   報を付記させる情報付記手段を設けたことを特徴とする
   請求項１記載の画像情報付マップシステム。
3. 【請求項３】 上記情報付記手段に、上記記憶データの
   撮像対象の分類情報を設定させる分類設定部を備えたこ
   とを特徴とする請求項２記載の画像情報付マップシステ
   ム。
4. 【請求項４】 上記記憶データの撮像対象の分類情報に
   応じて標識を与える標識付記部を設けたことを特徴とす
   る請求項３記載の画像情報付マップシステム。
5. 【請求項５】 上記記憶手段が記憶する記憶データを抽
   出する抽出手段を設けたことを特徴とする請求項１，
   ２，３または４記載の画像情報付マップシステム。