JP3458666B2 - 三次元カムシャフトの製造装置 - Google Patents

三次元カムシャフトの製造装置

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JP3458666B2 JP19719897A JP19719897A JP3458666B2 JP 3458666 B2 JP3458666 B2 JP 3458666B2 JP 19719897 A JP19719897 A JP 19719897A JP 19719897 A JP19719897 A JP 19719897A JP 3458666 B2 JP3458666 B2 JP 3458666B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関等の動弁機
構に使用される組立式のカムシャフト、特にカムのプロ
フィール面がその軸線に沿って連続的に変化する三次元
カムが組み付けられた三次元カムシャフト及びその製造
方法及びその製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、例えば車載用内燃機関等
の動弁機構にあっては、機関出力軸であるクランクシャ
フトに駆動連結されたカムシャフトの回転に伴ってその
吸・排気バルブが開閉駆動される。そして、このカムシ
ャフトとして近年は、内燃機関の出力性能や燃料消費率
等を同機関のその都度の運転条件において最適ならしめ
るべく、カムの三次元形状を通じて上記吸・排気バルブ
の開弁時期や開弁時間等を可変とするいわゆる三次元カ
ムシャフトが提案されるに至っている(例えば特開平3
−179116号公報参照)。
【0003】こうした三次元カムシャフトでは、カムの
プロフィール面がカムシャフトの軸線方向に連続的に変
化する三次元カムが組み付けられ、同カムシャフトが油
圧等によりその軸線に沿って前後に移動させられること
によって、上記吸・排気バルブのバルブリフタと当接す
るカムプロフィールの形状が変化する。そしてこうした
カムプロフィールの変化に応じて同バルブリフタによっ
て開閉駆動される吸・排気バルブの開閉時期、開閉量、
開閉時間等が変化させられるようになる。
【0004】図15,図16に、こうした三次元カムシ
ャフトに組み付けられるカム部材の一例を示す。図15
(a)に平面構造を、図15(b)に断面構造を、そし
て図16に斜視構造をそれぞれ示すように、同カム部材
52は、そのノーズ部53の突き出し長さがその回転軸
に沿って連続的に変化しており、そのバルブリフタとの
当接位置に応じて上記開閉駆動されるバルブの開閉時
期、開閉量、開閉時間等を変化せしめる構造となってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたカ
ムシャフトは通常、略円筒形若しくは円柱形の鋼製棒材
からなる軸材(シャフト)に別途製作したカム部材を組
み付ける、いわゆる組立体として製造される。
【0006】また、カムシャフトは、その組み付けられ
るカム部材のプロフィールによって、吸・排気バルブの
開閉を内燃機関のピストンの上下動に同期して正確にコ
ントロールする必要があるため、同カムシャフトを製造
する際には、上記軸材の軸線を中心としたカム部材の回
転方向の組み付け角度(以下、組み付け位相という)に
極めて高い精度が要求されている。
【0007】そこで従来、このような高い精度でカム部
材を軸材に取り付けるために、例えば特開昭60−98
03号公報では中空ピンを用いてカム部材の組み付け位
相を決定する方法を提示している。この方法では、適正
な組み付け位相において位置が一致する孔をカム部材及
び軸材に形成しておき、これらの孔内に中空ピンを挿入
することでカム部材の組み付け位相が自ずと決まるよう
にしている。
【0008】また、例えば特開昭60−44659号公
報には、軸材側面にはキー溝を設けておくとともに、カ
ム部材にはその軸材挿入孔の内周側面にキー部を設けて
おき、それらキー部及びキー溝を嵌合することでカム部
材の組み付け位相が決定される方法も示されている。
【0009】ただし、これらいずれの方法であれ、カム
部材や軸材に孔やキー溝等を高精度に加工する必要があ
るため、結果として製造コストが高くなってしまう。一
方、通常の平カムの場合には、カムの組み付け位相を調
整する方法として、図17及び図18に示すような略V
字形の溝を有する治具54を使う方法が広く用いられて
いる。同図17及び図18に示される態様でカム部材5
5のノーズ部57を治具54のV字溝に合わせて固定し
た状態で、高精度に角度調整された軸材(図示略)を同
カム部材55の孔56内に挿入し、焼きばめ等によりそ
れら軸材及びカム部材55を一体化する。
【0010】この方法によれば、カム部材55や軸材等
に何ら特別な加工を施さなくても、容易且つ的確にカム
部材の組み付け位相を決めることができる。しかしなが
ら、このV字溝を有する治具54を利用する方法を上述
した三次元カムシャフトの製造に適用するとなると、以
下のような不都合も無視できないものとなる。
【0011】すなわち、三次元カムシャフトの場合、図
19及び図20に示すように、そのカム部材52のプロ
フィール面がカムシャフトの軸線に対して傾斜している
ため、カム部材52と上記治具54とは、同カム部材5
2のプロフィール面の外縁部(エッジ部)にて接触せざ
るを得ない。したがって、通常の平カムの場合には、先
の図17及び図18に示されるように、その接触が線接
触であったが、該三次元カムの場合には、図19及び図
20に示されるように点接触となり、カム部材52を安
定して固定することができなくなる。そしてこのため、
精密な組み付け位相決めも困難となる。
【0012】また、こうした接触は、治具54の基準面
とカム部材52のエッジ部とにおいて行われるため、治
具54の耐久性に不安が残るとともに、上記エッジ部が
損傷する懸念すらある。
【0013】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は軸材(シャフト)に対する三次元
カム部材の組み付け位相決めを容易且つ的確に行うこと
の可能な三次元カムシャフトの製造装置を提供すること
にある。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項記載の発明では、カムシャフトとなる軸材
が嵌入される軸材嵌入孔と同軸材との組み付け角度を決
める位相決め穴とを有する三次元カムを焼きばめによっ
て同軸材に組み付ける三次元カムシャフトの製造装置で
あって、前記三次元カムの前記軸材嵌入孔に挿入される
センタピン及び前記位相決め穴に挿入される位相決めピ
ンをそれぞれ有して同三次元カムの組み付け角度並びに
基準面を固定する治具と、該固定される三次元カムの周
囲に配設されて同三次元カムを加熱する加熱手段と、前
記軸材をその軸線に沿って上下動並びに回転可能に支持
しつつ、前記固定された三次元カムの前記基準面と直交
する方向から同軸材を前記軸材嵌入孔に挿入する軸材挿
入手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0025】請求項記載の発明では、前記加熱手段
は、前記三次元カムの周囲に配設した高周波コイルを通
じて同三次元カムを誘導加熱する誘導加熱装置であるこ
とを特徴とするものである。
【0026】請求項記載の発明では、請求項記載の
三次元カムシャフトの製造装置において、前記治具を構
成する前記センタピン及び前記位相決めピンは共に誘電
体材料からなるものである。
【0027】三次元カムシャフトの製造装置としての同
構成によれば、三次元カムを治具に取り付けた状態で、
しかも軸材をその軸材嵌入孔に挿入する直前に同カム部
材の加熱を行うことができるため、適正な温度のもとに
極めて効率のよい焼きばめを行うことができるようにな
る。
【0028】しかも、請求項記載の発明によるよう
に、その加熱を誘導加熱によって行うことで、焼きばめ
に適切な温度を精度良く管理できるようになる。またこ
うした誘導加熱を行う場合であれ、請求項記載の発明
によるように、治具のセンタピンや位相決めピンをセラ
ミクス等の誘電体とすることで、それらピンが直接加熱
されることはなくなり、それらピンによる三次元カムの
位置決め精度も好適に維持されるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した三次元
カムシャフトの一実施の形態を、図1〜図5に基づいて
説明する。
【0030】なお、図1,図2は本実施の形態にかかる
三次元カムシャフトに組み付けられる三次元カム部材1
1の平面図及び底面図、図3は同カム部材11の側面断
面図、図4および図5は同カム部材11が組み付けられ
た三次元カムシャフトの斜視図(一部)を示している。
【0031】これら各図に示されるように、同カム部材
11には軸材(シャフト)16が挿入されるための孔1
2が形成されている。同孔12内に軸材16を挿入し固
定することで三次元カムシャフトが製造される。
【0032】このカム部材11のプロフィールは、基礎
円(ベースサークル)が同一となっているが、そのノー
ズ高さが同カム部材11の軸心に沿って連続的に変化し
ている。
【0033】また、同カム部材11の高ノーズ側端面
(図2)には、断面略円形状の3つの突起14,15が
突出形成されている。これらの突起14,15は、軸材
嵌入用の孔12の軸線から見てカムノーズ11a側に1
つ(14)、その反対側に2つ(15)設けられてい
る。これら突起14,15の先端面は前記軸材嵌入用の
孔12の軸線に対して垂直をなす同一平面に存在するよ
うに形成されている。なお、これら突起14,15の先
端面は、カム部材11と同カム部材11を取り付ける軸
材(シャフト)との軸線方向の組み付け位置を決めるた
めの基準面となる。
【0034】また、突起14の中央には孔12の軸線と
平行な軸線を持つ挿通孔13が形成されている。なお同
孔13は、組み付け時に該カム部材11が載置される基
準板上に設けられたピンが挿入され、同カム部材11が
その軸心を中心として回転しないよう保持するために用
いられる。
【0035】さらに、このカム部材11は、突起14、
15および挿通孔12、13と共に粉末冶金法、冷間鍛
造等の型加工により一体成形されている。例えば、粉末
冶金法による該カム部材11の製造は、以下のようにし
て行われる。
【0036】まず、該カム部材11の外観形状を型どり
した型内に金属粉(非金属材料の粉末を配合する場合も
含む)を封入する。次に、この金属粉に圧力を加え、該
カム部材11の形状に押し固める。その後、これを加熱
し焼結させることでカム部材11が製造される。
【0037】続いて、上記の三次元カム部材11を軸材
(シャフト)16に組み付ける三次元カムシャフトの製
造装置について、図6に基づき説明する。図6(c)に
示すように、この製造装置10において、前記カム部材
11は、治具基盤20上に設けられた基準板20a上に
設置される。同基準板20aの上端面は高精度に仕上げ
られており、前記カム部材11を正確に設置するための
基準面となっている。
【0038】また治具基盤20及び基準板20aには、
上端面から垂直方向に伸びる貫通孔21が形成されてい
る。同貫通孔21内には、後述する誘導加熱装置によっ
て加熱されないセラミクス製のセンタピン22が配設さ
れている。同センタピン22はスプリング23によって
上方向に付勢されており、前記貫通孔21の軸線上を上
下に摺動可能となっている。また同センタピン22の先
端部の径は、前記カム部材11に形成された軸材嵌入用
の孔12とほぼ同径であり、同ピン22の先端部に前記
孔12を嵌め込むことで該カム部材11の軸心を固定す
ることができる。
【0039】さらに、前記基準板20a上には、同じく
セラミクス製の断面略円形状をした位相決めピン24が
設けられている。同ピン24の径は,前記のカム部材1
1に設けられた組み付け位相決め用の孔13とほぼ同径
である。また、同ピン24の軸心は、前記基準板20a
の上端面に対して垂直をなしている。さらに、同ピン2
4の軸心と前記センタピン22軸心との距離が前記カム
部材11の軸材嵌入用の孔12の軸心と組み付け位相決
め用の孔13の軸心と距離と一致するように配置されて
いる。
【0040】したがって、前記軸材挿入用の孔12を前
記センタピン22に、前記組み付け位相決め用の孔13
を前記位相決めピン24に嵌め込み固定することで、前
記治具基盤20に対する前記カム部材11の孔12の軸
心の位置、ならびに同カム部材11の組み付け位相を決
定することができる。また、前記のカム部材11から突
出形成された突起14,15の先端面を前記基準板20
aの上端面に当接させることで、同上端面に対する同カ
ム部材11の垂直方向の位置を決定し、さらに前記孔1
2の軸線が同基準面20aに対して垂直をなすように正
確に配置することができる。
【0041】また、基準板20aの上方には、2つのク
ランパ25が設置されている。これは前記カム部材11
を上方から押さえつけることにより、同カム部材11の
上下方向の移動を規制するためのものである。このクラ
ンパ25は、電動式、油圧式、あるいは空気圧式等から
なる図示しない動力装置によって、その水平方向並びに
垂直方向への移動が所定に制御されるようになってい
る。
【0042】一方、図6(a),(b)に示すように、
軸材16は、チャック19に取り付けられる。このチャ
ック19により、軸材16の軸心は垂直をなすよう固定
される。また、同軸材16のチャック19に当接する面
には、図6(a)に示す態様で嵌入穴17が形成されて
いる。同穴17内に、同チャック19に設けられたピン
18を嵌め込むことにより、同軸材16とチャック19
との相対回転を規制している。
【0043】さらに同チャック19は、図示しない数値
制御装置により前記軸材16の軸心を垂直に保持したま
ま、回転角度、並びに垂直方向への移動が自動制御可能
となってる。
【0044】上記の構成部材に加え、本製造装置10に
は前記カム部材11を加熱するための高周波コイル26
及び高周波電源29を備える誘導加熱装置が設けられて
いる。前記基準板20上に載置されたカム部材11の周
囲には、高周波電源29による駆動のもとに磁界を発生
させる高周波コイル26が上下方向に移動可能に設置さ
れている。同高周波コイル26は、加熱時には前記カム
部材11の周囲に配置され、不要時には邪魔にならない
よう下方に待機させておくことができる。
【0045】この高周波コイル26に、高周波電源29
より高周波電流が供給されることによって前記カム部材
11内には二次電流が誘導され、その自己発熱によって
これが加熱されるようになる。
【0046】また、本製造装置10には、前記カム部材
11の温度を測定するための熱電対や輻射熱温度計等の
温度センサ27が設けられている。加熱時には、前記カ
ム部材11の温度が同センサ27により計測される。温
度制御装置28は、この温度センサ27が測定した温度
をもとに前記カム部材11の温度が所望の温度に維持さ
れるよう高周波電源29の出力をフィードバック制御す
る。
【0047】以下、こうした製造装置を用いた三次元カ
ムシャフト10の製造方法について,図7〜図10に基
づいて説明する。まず、図7に示すように、前記カム部
材11を前記突起14,15のある面が下になるよう前
記基準板20a上に設置する。このとき、前記センタピ
ン22及び位相決めピン24を、それぞれ前記カム部材
11に設けられた前記孔12,13に嵌入させるように
取り付ける。その後、前記クランパ25を前記カム部材
11の上端面に当接するように移動させる。このこと
で、同カム部材11の水平・垂直方向の移動および前記
孔13の軸線を中心とした回転が規制される。
【0048】一方、前記軸材16を嵌入穴17とピン1
8とを合わせるようにして前記チャック19に取り付け
る。なおこのとき、前記治具基盤20の上方で前記セン
タピン22の軸線と同軸材16の軸線とは一致してい
る。このときの同軸材16の位置を以下では便宜上、軸
材待機位置という。
【0049】その後、前記高周波コイル26を前記カム
部材11の周囲に移動させる。そして、前記高周波電源
29から出される高周波電流を同コイル26に供給す
る。この高周波コイル26に高周波電流が供給されるこ
とにより前記カム部材11内に2次電流が誘導され、同
カム部材11を自己発熱によって加熱されるようになる
ことは上述した通りである。なおこの供給される高周波
電流は加熱効率の良い比較的低い周波数の高周波電流で
ある。
【0050】こうしてカム部材11の温度が上昇する
と、それに伴い同カム部材11は熱膨張し、孔12の内
径も拡大される。常温での同孔12の内径をφD、カム
部材11の熱膨張係数をα、その温度上昇分をΔTとす
ると、孔12の内径の拡大分ΔD=α・φD・ΔTとな
る。軸材16の径をdとすると、前記孔12の拡大後の
内径φD+ΔD>dとなる状態で、同軸材16を孔12
内に挿入可能となる。この挿入を容易にするためには、
一般に孔12と軸材16との間には0.02mm程度の
クリアランスを設定する必要がある。すなわち、孔12
の拡大後の内径φD+ΔD=d+0.02[mm]とな
る温度tにカム部材11を加熱しなければならない。
【0051】このように、カム部材11と軸材16との
組み付け時には、同カム部材11の温度を厳密に管理す
る必要がある。このため、カム部材11の温度tは前記
温度センサ27により測定されている。同センサ27に
測定されたカム部材11の温度に基づき、前記温度制御
装置28は前記高周波電源29が発生する電流を制御す
る。この制御により、前記カム部材11を所定の温度t
に調整することができる。
【0052】このカム部材11が所定の温度tに達する
と、図8に示すように、数値制御装置によって前記軸材
16を垂直下方に移動させ、同軸材16を前記孔12内
に挿入させる。このとき、前記センタピン22は同軸材
16先端によって押し下げられる。この間前記カム部材
11は、前記温度制御装置28及び誘導加熱装置(高周
波コイル26、高周波電源29)によって、その温度が
所定の温度tを保つよう制御されている。
【0053】同軸材16を所定深さまで挿入すると、前
記高周波コイル26への高周波電流の供給を止め、同カ
ム部材11への加熱を停止する。同カム部材11の温度
が低下すると前記孔の内径が縮小され、同カム部材11
と前記軸材16とは焼き嵌めにより強固に締結される。
【0054】カム部材11と軸材16との締結が完了す
ると、図9に示すように、前記クランパ25を上方に移
動させ、カム部材11の上方向への移動に対する拘束を
解除する。そして、数値制御装置によって、軸材16を
前述の軸材待機位置に移動させる。このとき、前記カム
部材11は前記軸材16に締結されているため、同図9
に示されるように軸材16と一体となって移動する。
【0055】また、前記センタピン22は、前記スプリ
ング23の付勢力により元の位置に戻される。さらに、
前記高周波コイル26は下方へと移動される。以上によ
り、前記カム部材11一個分の組み付け作業が終了す
る。その後は、図10に示すように、前記基準板20a
上に新たなカム部材11’を先ほどと同様に設置、固定
し、図10(a)に示すように、数値制御装置により前
記軸材16を同カム部材11’の組み付け位相に合致す
る所定の角度に回転させる。ちなみに、当該カムシャフ
トが4気筒内燃機関に搭載されるものであり、4個のカ
ム部材11が90°の等位相(角度)にて組み付けられ
る場合には、この所定の角度として90°が選ばれる。
そして、上述と同様、高周波コイル26により該カム部
材11’を加熱する。その後、この正確に角度調節され
た軸材16が第2番目のカム部材の組み付け位置まで垂
直下方に正確に移動され、保持されることにより、この
第2番目のカム部材11’が軸材14に焼きばめされ
る。。
【0056】以降、上記の工程を軸材16に組み付けら
れるカム部材11の数だけ繰り返すことで、三次元カム
シャフトが完成される。以上説明した本実施の形態の三
次元カムシャフト及びその製造方法及びその製造装置に
よって得られる効果について以下に列挙する。
【0057】・カムプロフィールが三次元的に変化する
カム部材11と軸材16との組み付け作業時に、同カム
部材11の組み付け位置、並びに組み付け位相を容易且
つ正確に固定することが可能となる。このため、この製
造される三次元カムシャフトの生産性を向上せしめ、な
おかつその品質をも高めることができる。
【0058】・位置決め全てを前記カム部材11の端面
側だけを用いて行うことができるため、軸線方向に連続
して変化するプロフィール面を有し、同プロフィール面
での位置決めが困難な三次元カムに対して特に有効であ
る。
【0059】・前記チャック19は数値制御されている
ため、前記カム部材11の位置決め並びに位相決めを正
確に行うことができる。 ・前記孔12,13および突起14,15を前記カム部
材11と一体成形しているため、これらを形成するため
の加工の手間を省くことができる。そのため、同カム部
材11の生産性の向上や生産コストの削減を図ることが
できる ・一般に粉末冶金法により平坦度の高い平面を形成する
には、その平面に高圧を与え、押し固めなければならな
い。そのため、広い面積に対して平坦度を高くすること
は困難である。
【0060】この点、本実施の形態では、前述の突起1
4,15先端面を位置合わせの基準面としている。その
ため、高い平坦度が要求される平面の面積が限定され
る。したがって、高圧力が必要な面積が小さくなり、型
成形だけで容易に高精度の面を形成することが可能とな
る。しかも、研削等の仕上げ加工を省略することもでき
る。また、仕上げ加工が必要とされる場合でも加工が必
要な面積が小さいため、容易に加工することができる。
【0061】・前記カム部材11と前記軸材16とを焼
きばめすることで、同カム部材と同軸材とのより強固か
つ正確な締結を行うことができる。 ・誘導加熱によりカム部材11自体を内部発熱させてい
るため、同カム部材11を均一かつ限定的に加熱するこ
とが可能である。さらに、同カム部材の熱膨張による変
形を正確に制御できる他、前記製造装置の他の構成部材
に対して熱が及ぼす影響を好適に回避することが可能で
ある。
【0062】・前記軸材16嵌入時には、前記カム部材
11の温度を一定に保つようフィードバック制御して加
熱しているため、嵌入中に同カム部材11の熱膨張量が
変わり前記孔12の内径が変化することによって取り付
け精度が低下することを防止することができる。
【0063】・前記カム部材11に嵌入している前記セ
ンタピン22及び位相決めピン24はセラミクスにより
構成されているため、前記誘導加熱装置26によって内
部発熱させられない。したがって、同センタピン22及
び位相決めピン24の熱膨張による影響を少なくし、両
ピン22,24の変形による位置決め精度の劣化を低く
抑えることができる。
【0064】・前記カム部材11の外周面に治具部材を
設ける必要がないため、前記誘導加熱装置26を同カム
部材11のすぐ側面に配置することができる。そのた
め、同カム部材11を集中して加熱することができ、他
の構成部材に熱が与える影響を低く抑えることができ
る。
【0065】なお、本実施の形態は、以下のように変更
することもできる。 ・図11に示すように、前記カム部材11の組み付け位
相決め用の孔13の治具基盤21に接する側の開口部を
テーパ形状とし、一方前記治具基盤21に取り付けられ
た位相決めピン24の先端部もテーパ形状とするように
変更することもできる。こうした構成によれば、テーパ
面同士を嵌合させて組み付け位相決めを行うことができ
るため、孔内にピンを嵌め込む為に必要となるクリアラ
ンスが不要となり、より正確なカム部材11の組み付け
位相決めができるようになる。
【0066】・図12に示すように、前記カム部材11
の組み付け位相決め用の孔13を、前記軸材嵌入用の孔
12の半径方向に伸びる断面略長円形状の孔13’とす
るように変更することもできる。通常、焼きばめのため
前記カム部材11を加熱した場合に同孔13と前記軸材
嵌入用の孔12との軸間距離が熱膨張により伸張するこ
とがある。また、前述のように同孔13を通常の丸穴と
した場合には、この熱膨張による伸張分を吸収するため
同孔13と前記ピン24との間、ならびに前記孔12と
前記センタピン22との間にはある程度のクリアランス
を設ける必要があった。この点、上記断面略長円形状の
孔13’を採用することとすれば、この熱膨張による伸
張があっても前記ピン24を同孔13’の長手方向に逃
がすことができる。したがって、この伸張分のためのク
リアランスを設ける必要がないため、前記センタピン2
2と孔12との間のクリアランスを極限まで小さくする
ことができる。したがって、前記孔12の軸線の位置決
めおよび同カム部材11の組み付け位相決めをより正確
に行うことができるようになる。
【0067】・図13に示すように、前記カム部材11
に設けられた突起14の代わりに前記孔12の軸線と垂
直な底面を有する凹部14’とし、前記基準板20aの
同凹部14’と対向する部分には前記孔12と垂直な先
端面を有する突起45を設けるように変更することもで
きる。それら凹部14’の底面および突起45の先端面
の平坦度を高くしておくことで、前記軸材16の軸線方
向の位置決め用の基準面とすることができる。こうした
構成によれば、前記突起14を無くしたことで、前記カ
ム部材11の前記軸材16の軸線方向の幅を縮小するこ
とができる。また、カムシャフトにおいて隣接するカム
部材間の距離をより小さくすることができる。
【0068】・図14(a)に断面図を、また図14
(b)にその底面の一部を斜視図として示すように、前
記突起14の代わりに前記孔13の周囲に円環状のくぼ
み47を形成し、前記治具基盤21には先程と同様に、
前記孔12の軸線と垂直な先端面を有する突起48を設
けるように変更することもできる。こうした構成によれ
ば、前記くぼみ47の内側の面と前記突起48とを基準
面として前記軸材16の軸線方向の位置決めをすること
ができる。上記の凹部14’を設けた場合と同様に、前
記カム部材11の幅を縮小でき、隣接するカム部材間の
距離を小さくすることができる。
【0069】・前記カム部材11に設けられた孔13を
有しない方の突起15を円錐形状に変更することもでき
る。こうした構成によれば、同突起15と前記治具基盤
21との接触は点接触とはなるが、前記軸材16の軸線
方向の正確な位置決めは可能である。
【0070】・前記カム部材11に設けられた組み付け
位相決め用の孔13と突起14とを、別の場所に形成す
るように変更してもよい。 ・位相決め用の孔13は貫通している必要はない。すな
わち穴であっても良い。
【0071】・ピン22,24はセラミクス製に限ら
ず、誘電体であればよい。すなわち、誘導加熱装置と
は、高周波電流を導電体である加熱材の周囲に流すこと
で、電磁誘導により加熱材内に2次電流を発生させ、そ
の電流により発生するジュール熱を加熱源として加熱を
行う装置である。したがって、誘電体(絶縁体)を直接
加熱することはできない。
【0072】・前記治具基盤21に設けられたセンタピ
ン22を省略し、前記軸材16の先端部および前記軸材
嵌入用の孔12の同軸材16挿入側の開口端のどちらか
一方、あるいはそれら両方をテーパ状に形成するように
変更してもよい。こうした構成によれば、同孔12内に
同軸材16が嵌入することで自律的に両者の軸線を一致
させることができる。
【0073】・本実施の形態では、前記カム部材11側
を固定しておき、前記軸材16側を数値制御により移動
させて組付けを行っていた。これを軸材16側を固定さ
せ、カム部材11側を数値制御によって移動させるよう
に変更してもよい。また、それら両方を数値制御によっ
て移動させるように変更してもよい。
【0074】・また、それら部材の移動や位置制御は数
値制御に限られることなく任意である。要は、リッミト
スイッチ等を用いる位置制御であれ、その十分な精度が
確保されるものであればよい。
【0075】・なお、カム部材11の端面の十分な精度
が保証される場合には、凸部あるいは凹部は不要であ
る。
【0076】
【発明の効果】以上、詳述した本発明によれば、三次元
カムとしての機能はそのままに、同カムのカムシャフト
への組み付けを容易且つ的確なものとすることができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】次元カムシャフトに採用される三次元カム構
造を示す平面図。
【図2】同三次元カム構造を示す平面図。
【図3】同三次元カム構造を示す断面図。
【図4】次元カムシャフトの一部を示す斜視図。
【図5】次元カムシャフトの一部を示す斜視図。
【図6】三次元カムシャフトの製造装置の構成例を示す
断面図。
【図7】同製造装置を用いた三次元カムシャフトの製造
手順を示す断面図。
【図8】同製造装置を用いた三次元カムシャフトの製造
手順を示す断面図。
【図9】同製造装置を用いた三次元カムシャフトの製造
手順を示す断面図。
【図10】同製造装置を用いた三次元カムシャフトの製
造手順を示す断面図。
【図11】ム部材および基準板の構造の変形例を示す
平面図及び断面図。
【図12】ム部材および基準板の構造の他の変形例
示す平面図及び断面図。
【図13】ム部材および基準板の構造の他の変形例
示す平面図及び断面図。
【図14】ム部材および基準板の構造の他の変形例
示す平面図及び断面図。
【図15】一般の三次元カムシャフトに組み付けられる
カム部材の構造を示す平面図及び断面図。
【図16】一般の三次元カムシャフトに組み付けられる
カム部材の構造を示す斜視図及び一部底面図。
【図17】カムの組み付け位相決め用治具の構造を示す
平面図。
【図18】カムの組み付け位相決め用治具の構造を示す
側面図。
【図19】カムの組み付け位相決め用治具の構造を示す
平面図。
【図20】カムの組み付け位相決め用治具の構造を示す
側面図。
【符号の説明】
11…カム部材、12…、13…組み付け位相決め用の
孔、14,15…突起、16…軸材、19…チャック、
20…治具基盤、20a…基準板、22…センタピン2
2、24…位相決めピン、25…クランパ、26…高周
波コイル(誘導加熱装置)、27…温度センサ、28…
温度制御装置、29…高周波電源(誘導加熱装置)。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 3/24 F01L 1/04 F01L 1/08 F01L 13/00 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カムシャフトとなる軸材が嵌入される軸材
    嵌入孔と同軸材との組み付け角度を決める位相決め穴と
    を有する三次元カムを焼きばめによって同軸材に組み付
    ける三次元カムシャフトの製造装置であって、 前記三次元カムの前記軸材嵌入孔に挿入されるセンタピ
    ン及び前記位相決め穴に挿入される位相決めピンをそれ
    ぞれ有して同三次元カムの組み付け角度並びに基準面を
    固定する治具と、 該固定される三次元カムの周囲に配設されて同三次元カ
    ムを加熱する加熱手段と、 前記軸材をその軸線に沿って上下動並びに回転可能に支
    持しつつ、前記固定された三次元カムの前記基準面と直
    交する方向から同軸材を前記軸材嵌入孔に挿入する軸材
    挿入手段と、 を備えることを特徴とする三次元カムシャフトの製造装
    置。
  2. 【請求項2】前記加熱手段は、前記三次元カムの周囲に
    配設した高周波コイルを通じて同三次元カムを誘導加熱
    する誘導加熱装置である請求項1記載の三次元カムシャ
    フトの製造装置。
  3. 【請求項3】前記治具を構成する前記センタピン及び前
    記位相決めピンは共に誘電体材料からなる請求項2記載
    の三次元カムシャフトの製造装置。
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