JP3458554B2 - 記録再生処理方法及び記録再生処理装置 - Google Patents

記録再生処理方法及び記録再生処理装置

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JP3458554B2
JP3458554B2 JP22407995A JP22407995A JP3458554B2 JP 3458554 B2 JP3458554 B2 JP 3458554B2 JP 22407995 A JP22407995 A JP 22407995A JP 22407995 A JP22407995 A JP 22407995A JP 3458554 B2 JP3458554 B2 JP 3458554B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタル画像信号
の記録再生処理方法及び記録再生処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、4:3のアスペクト比の画像を取
り扱う現行のNTSC(National Telrevision Systems
Committee )方式やPAL(Phase Alternation by Li
ne)方式などの標準テレビジョン方式に対して、例えば
EDTV(Extended Definition Television)方式のよ
うに16:9のワイドアスペクト比の画像を取り扱う新
たなテレビジョン方式が提案され、複数のアスペクト比
の画像を取り扱う映像機器が実用化されている。
【0003】16:9のワイドアスペクト比の画像は、
アスペクト比が4:3のモニタ装置でそのまま表示する
と、図43に示すように横方向が圧縮されたスクイーズ
画像となる。そして、ビデオテープレコーダでは、この
ように16:9のワイドアスペクト比の画像を示す画像
信号を横方向が圧縮された4:3のアスペクト比のスク
イーズ画像を示す画像信号の状態で記録する所謂ワイド
記録が行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のビデオテープレ
コーダで16:9のワイドアスペクト比の画像を示す画
像信号をワイド記録して再生する場合、アスペクト比が
4:3のモニタ装置では、横方向が圧縮された図43に
示すようなスクイーズ画像しか表示することができなか
った。
【0005】ところで、近年、ビデオ信号の垂直ブラン
キング期間内に種々の制御信号、画像付随情報(画像に
関する情報)音声付随情報(音声に関する情報)を放送
電波内やパッケージメディアに挿入する動きがある。例
えば、CLOSED CAPTION、VBID、ED
TV2等である。これらのフォーマットの信号には、例
えば画像のアスペクト比のような情報が入っており、ワ
イドテレビ受信機がこの情報をデコードして画面のアス
ペクト比を切り換えることが可能である。また、デジタ
ルビデオテープレコーダでは、記録媒体上にアスペクト
比の情報を書き込む領域を確保することにより、記録さ
れているデジタル画像信号がスクイーズ画像を示すもの
であるか否かを知ることが可能である。
【0006】また、上記スクイーズ画像のデジタル画像
信号は、メモリを使ってレターボックス形式の画像のデ
ジタル画像信号に変換することにより、縦横比3:4の
モニタでも違和感のない画像で見ることができる。
【0007】そこで、本発明の目的は、スクイーズで記
録された記録媒体から再生したデジタル画像信号又はス
クイーズ画像の入力デジタル画像信号に、アスペクト比
が3:4のモニター装置で違和感なく表示するための信
号処理を施すようにしたデジタル画像信号の記録再生処
理方法及び記録再生処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るデジタル画
像信号の記録再生処理方法は、ワイド記録モードか否か
を判定して、その判定結果を示す補助データが所定位置
に挿入されたデジタル画像信号を所定の記録フォーマッ
トで記録媒体に記録し、上記記録媒体から再生される上
記所定の記録フォーマットで記録されたデジタル画像信
号に挿入されている補助データに基づいて、上記記録媒
体から再生されるデジタル画像信号がワイド記録モード
で記録されたスクイーズ画像のデジタル画像信号である
か否かを判定し、上記記録媒体から再生されるデジタル
画像信号がスクイーズ画像のデジタル画像信号である場
合には、ワイド再生モードが選択されているか否かを判
定し、ワイド再生モードが選択されている場合には、上
記記録媒体から再生されるスクイーズ画像のデジタル画
像信号をレターボックス形式のデジタル画像信号に変換
して出力する第1の出力形態とし、ワイド再生モードが
選択されていない場合には、上記記録媒体から再生され
るスクイーズ画像のデジタル画像信号をそのまま出力す
る第2の出力形態とすることを特徴とする。本発明に係
るデジタル画像信号の記録再生処理方法では、例えば、
デジタル画像信号に付加されている放送方式、アスペク
ト比及び表示形式を表す情報に基づいてワイド記録モー
ドか否かを判定する特徴とする。また、本発明に係るデ
ジタル画像信号の記録再生処理方法では、例えば、上記
第1の出力形態において、レターボックス形式のデジタ
ル画像信号であることを示す補助情報を垂直ブランキン
グ期間に挿入する。
【0009】本発明に係るデジタル画像信号の再生処理
装置は、ワイド記録モードか否かを判定して、その判定
結果を示す補助データが所定位置に挿入されたデジタル
画像信号を所定の記録フォーマットで記録媒体に記録す
る記録手段と、記録媒体から上記所定の記録フォーマッ
トで記録されたデジタル画像信号を再生する再生手段
と、上記再生手段により上記記録媒体から再生される上
記所定の記録フォーマットで記録されたデジタル画像信
号に挿入されている補助データに基づいて、上記記録媒
体から再生されるデジタル画像信号がワイド記録モード
で記録されたスクイーズ画像のデジタル画像信号である
か否かを判定する判定手段と、出力形態を指定する指定
手段と、上記判定手段による判定の結果、上記記録媒体
から再生されるデジタル画像信号がスクイーズ画像のデ
ジタル画像信号である場合に、上記指定手段により指定
された出力形態がワイド再生モードを選択した第1の出
力形態であるかワイド再生モードを選択しない第2の出
力形態であるかを判定し、第1の出力形態が指定されて
いる場合には、上記記録媒体から再生されるスクイーズ
画像のデジタル画像信号をレターボックス形式のデジタ
ル画像信号に変換して出力し、第2の出力形態が指定さ
れている場合には、上記記録媒体から再生されるスクイ
ーズ画像のデジタル画像信号をそのまま出力する変換処
理手段とを備えることを特徴とする。
【0010】本発明に係るデジタル画像信号の記録再生
処理装置において、上記記録手段では、例えば、デジタ
ル画像信号に付加されている放送方式、アスペクト比及
び表示形式を表す情報に基づいてワイド記録モードか否
かを判定する。また、本発明に係るデジタル画像信号の
記録再生処理装置では、レターボックス形式のデジタル
画像信号であることを示す補助情報を上記変換処理手段
から出力された第1の出力形態のデジタル画像信号の垂
直ブランキング期間に挿入する補助情報付加手段が設け
られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0012】本発明に係るデジタル画像信号の記録再生
処理方法は、例えば、図1に示すような構成の記録系及
び図40に示すような構成の再生系を備えるデジタルビ
デオテープレコーダ(VTR)により実施される。
【0013】このデジタルVTRの記録系は、図1に示
すように、撮像部1あるいはライン入力端子2から供給
されるアナログ画像信号をデジタル化するA/D変換器
3と、このA/D変換器3により上記アナログ画像信号
をデジタル化したデジタル画像信号が供給される変換処
理部4と、上記A/D変換器3からのデジタル画像信号
と上記変換処理部4のデジタル画像信号が供給される選
択部5と、この選択部5により選択されたデジタル画像
信号が供給されるD/A変換器6及びデジタル信号処理
部7と、このデジタル信号処理部7からデジタル画像信
号が供給される記録部8と、上記選択部5やデジタル信
号処理部7を制御する制御部9などからなる。
【0014】上記制御部9は、ユーザによるメニュー選
択入力を受け付けて、その選択入力に応じた制御動作を
行う所謂ヒューマンインタフェースマイクロコンピュー
タからなり、ワイド記録モードの選択入力を受け付ける
と、上記変換処理部4から供給されるデジタル画像信号
を選択するように上記選択部5を制御する。
【0015】上記変換処理部4は、上記A/D変換器3
から供給されるデジタル画像信号を記憶するメモリから
なり、上記デジタル画像信号により示される16:9の
ワイドアスペクト比の画像を横方向が圧縮された4:3
のアスペクト比のスクイーズ画像のデジタル画像信号に
変換する。
【0016】また、上記デジタル信号処理部7は、上記
選択部5により選択されたデジタル画像信号に画像圧縮
処理を施すとともに、上記制御部9から供給される補助
データを垂直ブランキング期間に挿入する。ここで、上
記制御部9は、ワイド記録モードの場合、スクイーズ画
像のデジタル画像信号であることを示す補助データを上
記デジタル信号処理部7に与える。なお、上記選択部5
により選択されたデジタル画像信号は、上記D/A変換
器6によりアナログ化されて上記撮像部1の図示しない
ビューファインダに供給される。
【0017】そして、上記記録部8は、上記デジタル信
号処理部7により画像圧縮処理が施され、垂直ブランキ
ング期間に補助データが挿入されたデジタル画像信号を
所定の記録フォーマットで記録媒体に記録する。
【0018】なお、ライン入力端子2から供給されるア
ナログ画像信号をデジタル化して記録する場合には、上
記制御部9は、入力アナログ画像信号から図示しないス
ライサを介してアスペクト比の情報を検出するようにな
っている。
【0019】ここで、このデジタルVTRにおけるテー
プ上の記録フォーマットの具体例を図2に示す。この図
2において、トラックの両端にはマージンが設けられ
る。そして、その内側には記録始端側から、アフレコを
確実に行うためのITIエリア、音声信号を記録するオ
ーディオエリア、画像信号を記録するビデオエリア、副
次的データを記録するためのサブコードエリアが設けら
れる。なお各エリアの間には、エリア確保のためのイン
ターブロックギャップ(IBG)が設けられる。
【0020】次に上記の各エリアに記録される信号の詳
細を説明する。
【0021】ITIエリアは図2の拡大部分に示されて
いるように、1400ビットのプリアンブル、1830
ビットのSSA(Start−Sync Block
Area)、90ビットのTIA(Track Inf
ormation Area)及び280ビットのポス
トアンブルから構成されている。
【0022】ここで、プリアンプルは再生時のPLLの
ランイン等の機能を持ち、ポストアンブルはマージンを
稼ぐための役割を持つ。そして、SSA及びTIAは、
30ビットのブロックデータを単位として構成されてお
り、各ブロックデータの先頭10ビットには所定のSY
NCパターン(ITI−SYNC)が記録される。
【0023】このSYNCパターンに続く20ビットの
部分には、SSAにおいては主にSYNCブロック番号
(0〜60)が記録され、また、TIAにおいては主に
3ビットのAPT情報(APT2〜APT0)、記録モ
ードを識別するSP/LPフラグ及びサーボシステムの
基準フレームを示すPFフラグが記録される。なお、A
PTはトラック上のデータ構造を規定するIDデータで
あり、このデジタルVTRでは値「000」をとる。な
お、APT情報の詳細は後述する。
【0024】以上の説明から分かるように、ITIエリ
アにはコード長の短いシンクブロックが磁気テープ上の
固定された位置に多数記録されているので、再生データ
から例えばSSAの61番目のSYNCパターンが検出
された位置をトラック上のアフレコ位置を規定する基準
として使用することにより、アフレコ時に書換えられる
位置を高精度に規定し、良好なアフレコを行うことがで
きる。
【0025】オーディオエリアは、図2の拡大部分に示
されるように、その前後にプリアンプルとポストアンプ
ルを有しており、プリアンブルはPLL引き込み用のラ
ンアップ及びオーディオSYNCブロックの前検出のた
めのプリSYNCから構成されている。また、ポストア
ンブルは、オーディオエリアの終了を確認するためのポ
ストSYNCと、ビデオデータアフレコ時にオーディオ
エリアを保許するためのガードエリアとから構成されて
いる。
【0026】ここで、プリSYNC及びポストSYNC
の各SYNCブロックは、図3の(1)及び(2)に示
すように構成され、プリSYNCはSYNCブロック2
個から、ポストSYNCはSYNCブロック1個から椎
成されている。そして、プリSYNCの6バイト目に
は、SP/LPの識別バイトが記録される。これはFF
hでSP、00hでLPを表し、前述のITIエリアに
記録されたSP/LPフラグが読み取り不能のときはこ
のプリSYNCのSP/LPの識別バイトの値が採用さ
れる。
【0027】以上のようなアンブルエリアに挟まれたエ
リアに記録されるオーディオデータは次のようにして生
成される。
【0028】まず、記録すべき1トラック分の音声信号
は、A/D変換及びシャフリングを施された後フレーミ
ングが行われ、さらにパリティを付加される。このフレ
ーミングを行ってパリティを付加したフォーマットを図
4の(1)に示す。この図4において、72バイトのオ
ーディオデータの先頭に5バイトの音声付随データ(以
下「AAUXデータ」という)を付加して1ブロック7
7バイトのデータを形成し、これを垂直に9ブロック積
み重ねてフレーミングを行い、これに8ビットの水平パ
リティC1とブロック5個分に相当すると垂直パリティ
C2とが付加される。
【0029】これらのパリティが付加されたデータは各
ブロック単位で読み出されて、各ブロックの先頭側に3
バイトのIDを付加され、さらに、2バイトのSYNC
信号を挿入されて、図4の(2)に示されるようなデー
タ長90バイトの1SYNCブロックの信号へ成形され
る。そして、この信号がテープに記録される。
【0030】ビデオエリアは図2の拡大部分に示される
ようにオーディオエリアと同様のプリアンブル及びポス
トアンブルを持つ。ただし、ガードエリアがより長く形
成されている点でオーディオエリアのものと異なってい
る。これらのアンプルエリアに挟まれたビデオデータは
次のようにして生成される。
【0031】まず、記録すべきコンポジットビデオ信号
をY,R−Y,B−Yのコンポーネントビデオ信号に分
離した後、A/D変換し、このA/D変換出力から1フ
レーム分の有効走査エリアのデータを抽出する。この1
フレーム分の抽出データは、ビデオ信号が525/60
システムの場合には、Y信号のA/D変換出力(DY)
については、水平方向720サンプル、垂直方向480
ラインで構成され、また、R−Y信号のA/D変換出力
(DR)及びB−Y信号のA/D変換出力(DB)につ
いては、それぞれ水平方向180サンプル、垂直方向4
80ラインで構成される。そしてこれらの抽出データ
は、図5に示されるように水平方向8サンプル、垂直方
向8ラインのブロックに分割される。ただし、色差信号
の場合、この図5の(2)の右端部分のブロックは水平
方向4サンプルしかないので、上下に隣接する2個のブ
ロックをまとめて1個のブロックとする。以上のブロッ
キング処理によって1フレームにつきDY、DR、DB
で合計8100個のブロックが形成される。なお、この
水平方向8サンプル、垂直方向8ラインで構成されるブ
ロックをDCTブロックと言う。
【0032】次に、これらのブロッキングされたデータ
を所定のシャフリングパターンにしたがってシャフリン
グした後、DCTブロック単位でDCT変換し、続いて
量子化及び可変長符号化を行う。ここで、量子化ステッ
プは30DCTブロック毎に設定され、この量子化ステ
ップの値は、30個のDCTブロックを量子化して可変
長符号化した出力データの総量が所定値以下となるよう
に設定される。すなわち、ビデオデータを、DCTブロ
ック30個ごとに固定長化する。このDCTブロック3
0個分のデータをバッファリングユニットと言う。
【0033】以上のようにして固定長化したデータにつ
いて、その1トラック分のデータ毎にビデオ付随データ
(以下「VAUXデータ」と言う)と共にフレーミング
を施し、その後、誤り訂正符号を付加する。
【0034】このフレーミングを施して誤り訂正符号を
付加した状態のフォーマットを図6に示す。
【0035】この図6において、BUF0〜BUF26
はそれぞれが1個のバッファリングユニットを表す。そ
して、1個のバッファリングユニットは、図7の(1)
に示すように垂直方向に5つのブロックに分割された構
造を有し、各ブロックは77バイトのデータ量を持つ。
また、各ブロックの先頭側の1バイトには量子化に関す
るパラメータを格納するエリアQが設けられる。
【0036】この量子化データに続く76バイトのエリ
アにビデオデータが格納される。そして、図6に示され
ているように、これらの垂直方向に27個配置されたバ
ッファリングユニットの上部には上記のバッファリング
ユニット内のブロック2個分に相当するVAUXデータ
α及びβが配置されると共に、その下部にはブロック1
個分に相当するVAUXデータγが配置され、これらの
フレーミングされたデータに対して8バイトの水平パリ
ティC1及びブロック11個分に相当する垂直パリティ
C2が付加される。
【0037】このようにパリティが付加された信号は各
ブロック単位で読み出されて各ブロックの先頭側に3バ
イトのID信号を付加され、さらに、2バイトのSYN
C信号が挿入される。これにより、ビデオデータのブロ
ックについては図7の(2)に示されるようなデータ量
90バイトの1SYNCブロックの信号が形成され、ま
た、VAUXデータのブロックについては図7の(3)
に示されるような1SYNCブロックの信号が形成され
る。この1SYNCブロック毎の信号が順次テープに記
録される。
【0038】以上に説明したフレーミングフォーマット
では、1トラック分のビデオデータを表わす27個のバ
ッファリングユニットはDCTブロック810個分のデ
ータを有するので、1フレーム分のデータ(DCTブロ
ック8100個分)は10個のトラックに分けて記録さ
れることになる。
【0039】サブコードエリアは主に高速サーチ用の情
報を記録するために設けられたエリアであり、その拡大
図を図8に示す。この図8に示されるように、サブコー
ドエリアは12バイトのデータ長を持つ12個のSYN
Cブロックを含み、その前後にプリアンブル及びポスト
アンブルが設けられる。ただし、オーディオエリア及び
ビデオエリアのようにプリSYNC及びポストSYNC
は設けられない。そして、12個の各SYNCブロック
には、5バイトの付随データ(AUXデータ)を記録す
るデータ部が設けられている。また、この5バイトの付
随データを保護するパリティとしては2バイトの水平パ
リティC1のみが用いられ、垂直パリティは使用されな
い。
【0040】なお、以上に説明したオーディオエリア、
ビデオエリア、サブコードエリアを構成している各SY
NCブロックは、記録変調において24/25変換(記
録信号の24ビット毎のデータを25ビットへ変換する
ことにより、記録符号にトラッキング制御用パイロット
周波数成分を付与するようにした記録変調方式)を施さ
れるため、各エリアの記録データ量は図7に示されてい
るようなビット数になる。
【0041】以上の図4、図7及び図8に示されている
各SYNCブロックの構成から明らかなように、オーデ
ィオエリア、ビデオエリア及びサブコードエリアに記録
されるSYNCブロックは、2バイトのSYNC信号の
後にID0、ID1及びIDP(ID0,ID1を保護
するパリティ)からなる3バイトのID部が設けられる
点で共通の構造となっている。そして、このID部の内
のID0、ID1は、オーディオエリア及びビデオエリ
アにおいては図9に示すようにデータの構造が定められ
る。
【0042】すなわち、ID1にはオーディオエリアの
プリSYNCからビデオエリアのポストSYNCまでの
トラック内SYNC番号が2進数で格納される。そし
て、ID0の下位4ビットには1フレーム内のトラック
番号が格納される。
【0043】また、ID0の上位4ビットには、AAU
X+オーディオデータ及びビデオデータの各SYNCブ
ロックにおいては、この図9の(1)に示されるように
4ビットのシーケンス番号が格納される。一方、オーデ
ィオエリアのプリSYNCブロック、ポストSYNCブ
ロック及びパリティC2のSYNCブロックにおいて
は、オーディオエリアのデータ構造を規定する3ビット
のIDデータAP1が格納され、また、ビデオエリアの
プリSYNCブロック、ポストSYNCブロック及びパ
リティC2のSYNCブロックにおいてはビデオエリア
のデータ構造を規定する3ビットのIDデータAP2が
格納される(この図9の(2)参照)。なお、これらの
AP1及びAP2の値は、このデジタルVTRでは「0
00」をとる。
【0044】また、上記のシーケンス番号は、「000
0」から「1011」までの12通りの番号を各フレー
ム毎に記録するものであり、このシーケンス番号を見る
ことにより、変速再生時に得られたデータが同一フレー
ム内のものかどうかを判断できる。
【0045】一方、サブコードエリアにおけるSYNC
ブロックのID部の構造は図10のように規定されてい
る。
【0046】この図10はサブコードエリアの1トラッ
ク分のSYNCブロック番号0から11までの各ID部
の構造を示したものであり、ID0の最上位ビットには
FRフラグが設けられる。このフラグはフレームの前半
5トラックであるか否かを示し、前半5トラックにおい
ては「0」、後半5トラックにおいては「1」の値をと
る。その次の3ビットには、SYNCブロック番号が
「0」及び「6」であるSYNCブロックにおいてはサ
ブコードエリアのデータ構造を規定するIDデータAP
3が記録されると共に、SYNCブロック番号「11」
のSYNCブロックにおいてはトラック上のデータ構造
せ規定するIDデータAPTが記録され、その外のSY
NCブロックにおいてはTAGコードが記録される。な
お、上記AP3の値は、この実施例のデジタルVTRで
は「000」をとる。
【0047】また、上記TAGコードは、この図10に
拡大して示きれているようにサーチ用の3種類のID信
号、すなわち、従未から行われているINDEXサーチ
のためのINDEX ID、コマーシャル等の不要場面
をカットするためのSKIPID及び静止画サーチのた
めのPP ID(Photo/Picture ID)
から構成される。また、ID0の下位4ビットとID1
の上位4ビットとを使用してトラックの絶対番号(テー
プの先頭からの通しのトラック番号)が記録される。た
だし、この図10に示されるようにSYNCブロック3
個分の合計24ビットを用いて1個の絶対トラック番号
が記録される。ID1の下位4ビットにはサブコードエ
リアのSYNCブロック番号が記録される。
【0048】以上に説明したように、このデジタルVT
Rでは、付随データを記録するエリアとして、テープ上
のオーディオエリアのAAUXエリア、ビデオエリアの
VAUXエリア及びサブコードエリアのAUXデータ記
録エリアが使用される。そして、これらの各エリアは、
いずれも5バイトの固定長をもつパックを単位として構
成される。
【0049】つぎに、これらのパックの構造及び種類に
ついて説明する。
【0050】パックは図11に示される5バイトの基本
構造を持つ。この5バイトについて最初のバイト(PC
0)がデータの内容を示すアイテム(パックヘッダとも
いう)とされる。そして、このアイテムに対応して後続
する4バイト(PC1〜4)の書式が定められ、この書
式にしたがって任意のデータが設けられる。
【0051】このアイテムデータは上下4ビットずつに
分割され、上位4ビットは大アイテム、下位4ビットは
小アイテムと称される。そして上位4ビットの大アイテ
ムは例えば後続データの用途を示す情報とされ、この大
アイテムによってパックは図12に示されるように、コ
ントロール「0000」、タイトル「0001」、チャ
プター「0010」、パート「0011」、プログラム
「0100」、AAUX「0101」、VAUX「01
10」、カメラ「0111」、ライン「1000」、ソ
フトモード「1111」の10種類のグループに展開さ
れている。
【0052】このように大アイテムによって展開された
パックの各グループは、それぞれがさらに小アイテム
(これによって例えば後続データの具体的な内容が表さ
れる)によって16個のパックに展開され、結局、これ
らのアイテムを用いて最大256種類のパックを定義す
ることができる。
【0053】なお、図12における大アイテム「100
1」〜「1110」は追加用に残された未定義の部分を
表している。したがって、未だ定義されていないアイテ
ムデータのコードを使用して新たなアイテムデータ(パ
ックヘッダ)を定義することにより、将来任意に新しい
データの記録を行うことができる。またへッダを読むこ
とによりパックに格納されているデータの内容を把握で
きるので、パックを記録するテープ上の位置も任意に設
定できる。
【0054】次に、パックの具体例を図13及び図14
を用いて説明する。
【0055】図13の(1)に示されるパックは、その
アイテムの値からわかるように図12におけるAAUX
のグループに所属するものであってAAUX SOUR
CEパックと呼ばれ、音声に関する付随データの記録に
使用される。すなわち、図13に示されるように、オー
ディオサンプル周波数が映像信号とロックしているか否
かを示すフラグ(LF)、1フレーム当たりのオーディ
オサンプル数(AFSIZE)、オーディオチャンネル
数(CH)、各オーディオチャンネルのステレオ/モノ
ラル等のモードの情報(PA及びAUDIO MOD
E)、テレビジョン方式に関する情報(50/60及び
STYPE)、エンファシスの有無(EF)、エンファ
シスの時定数(TC)、サンプル周波数(SMP)、量
子化情報(QU)が記録される。
【0056】また、図13の(2)示されるAAUX
SOURCE CONTROLパックには、SCMSデ
ータ(上位ビットが著作権の有無を表し、下位ビットが
オリジナルテープか否かを表す)、コピーソースデータ
(アナログ信号源か否か等を表す)、コピー世代デー
タ、サイファ(暗号)タイプデータ(CP)、サイファ
データ(CI)、記録開始フレームか否かを示すフラグ
(REC ST)、記録最終フレームか否かを示すフラ
グ(REC END)、オリジナル記録/アフレコ記録
/インサート記録等の記録モードデータ(REC MO
DE)、方向を示すフラグ(DRF)、再生スピードデ
ータ及び記録内容のジャンルカテゴリーが記録される。
【0057】さらに、図13の(3)に示されるAAU
X REC DATEパックには、サマータイムか否か
を示すフラグ「DS」、30分の時差の有無を示すフラ
グ「TM」、時差を表すデータ「TIME ZONE」
及び日、曜日、月、年のデータが記録される。
【0058】そして、図13の(4)に示されるAAU
X REC TIMEパックには、SMPTEタイムコ
ード表示で**時**分**秒**フレームの記録時間
のデータが記録される。
【0059】また、図13の(5)に示されるAAUX
REC TIME BINARYGROUPEパック
には、SMPTEタイムコードのバイナリ・グループ・
データが記録される。
【0060】そして、図14の(1)に示されるAAU
X CLOSED CAPTIONパックには、テレビ
ジョン信号の垂直ブランキング期間に伝送されるCLO
SED CAPTION信号のフォーマットを用いたE
DS(Extended Data Service)
データの内、主音声、第2音声の言語・種類に関するデ
ータが格納される。これらのデータ内容は次のとおりで
ある。
【0061】MAIN及び2ND AUDIO LAN
GUAGE: 000=Unknown 001=English 010=Spanish 011=French 100=German 101=Italian 110=Others 111=None MAIN AUDIO TYPE: 000=Unknown 001=Mono 010=Simulated Stereo 011=True Stereo 100=Stereo 101=Data Service 110=Others 111=None 2ND AUDIO TYPE: 000=Unknown 001=Mono 010=Descriptive Video Ser
vice 011=Non−program Audio 100=Special Effects 101=Data Service 110=Others 111=None ここで、AAUXメインエリアにCLOSED CAP
TIONパックが記録されている場合には、主音声・第
2音声の種類はそのパック内の情報に従う。また、AA
UXメインエリアにCLOSED CAPTIONパッ
クが記録されておらず、その代わりに情報無しパックが
記録されている場合には、主音声・第2音声の種類はA
AUX SOURCEパック内のAUDIOMODEの
情報に従う。なお、AAUX CLOSED CAPT
IONパックについての詳細は後述する。
【0062】また、図14の(2)〜(5)及び図15
(1),(2)に示される各パックは、そのアイテムデ
ータの値から分かるように図12におけるVAUXのグ
ループに所属するものであり、画像に関する付随データ
の記録に使用される。
【0063】これらのパックの記録内容について説明す
ると、図14の(2)に示されるVAUX SOURC
Eパックには、記録信号源のチャンネル番号、記録信号
が白黒信号であるか否かを示すフラグ(B/W)、カラ
ーフレーミングを表すコード(CFL)、CFLが有効
であるか否かを示すフラグ(EN)、記録信号源がカメ
ラ/ライン/ケーブル/チューナ/ソフトテープ等のい
ずれであるかを示すコード(SOURCE COD
E)、テレビジョン信号の方式に関するデータ(50/
60及びSTYPE)、UV放送/衛星放送等の識別に
関するデータ(TUNER CATEGORY)が記録
される。
【0064】図14の(3)に示されるVAUX SO
URCE CONTROLパックには、SCMSデータ
(上位ビットが著作権の有無を表し、下位ビットがオリ
ジナルテープか否かを表す)、コピーソースデータ(ア
ナログ信号源か否か等を表す)、コピー世代データ、サ
イファ(暗号)タイプデータ(CP)、サイファデータ
(CI)、記録開始フレームか否かを示すフラグ(RE
C ST)、オリジナル記録/アフレコ記録/インサー
ト記録等の記録モードデータ(REC−MODE)が記
録されると共に、さらに、アスペクト比等に関するデー
タ(BCSYS及びDISP)、奇偶フィールドのうち
の一方のフィールドの信号のみを2回反復して出力する
か否かに関するフラグ(FF)、フィールド1の期間に
フィールド1の信号を出力するかフィールド2の信号を
出力するかに関するフラグ(FS)、フレームの画像デ
ータが前のフレームの画像データと異なっているか否か
に関するフラグ(FC)、インターレースであるか否か
に関するフラグ(IL)、記録画像が静止画であるか否
かに関するフラグ(ST)、記録画像がスチルカメラモ
ードで記録されたものであるか否かを示すフラグ(S
C)及び記録内容のジャンルが記録される。
【0065】また、図14の(4)に示されるVAUX
REC DATEパックには記録日に関するデータが
記録され、図14の(5)に示されるVAUX REC
TIMEパックには記録時間に関するデータが記録さ
れ、図15の(1)に示されるVAUX REC TI
ME BINARY GROUPのパックにはタイムコ
ードのバイナリ群のデータが記録される。
【0066】さらに、図15の(2)に示されるVAU
X CLOSED CAPTIONパックにはテレビジ
ョン信号の垂直ブランキング期間に伝送されるCLOS
EDCAPTION信号が記録される。このパックにつ
いての詳細は後述する。
【0067】なお、パックの特殊例として、アイテムコ
ードがオール1のパックは、無情報のパック(No I
nformation パック:以下「NO INFO
パック」という)として定義されている。
【0068】ここで、VAUX SOURCE CON
TROLパックに記録されるアスペクト比等に関するデ
ータBCSYS(Broadcast system)
及びDISP(Display Select mod
e)は図16、図17及び図18に示すように定義され
ている。
【0069】BCSYS=00はVBID(Vatic
l Blanking ID)型を示し、BCSYS=
01はWSS(WideScreen signali
ng)型を示す。そして、テープへの書き込みは、セッ
トがNTSCのときにはBCSYS=00に対応し、セ
ットがPALのときにはBCSYS=01に対応する。
【0070】また、テープからの読み出しは、セットが
NTSCのときにはBCSYS=00のデータを読み出
して、VBIDに乗せる。BCSYS=01がきたとき
には無視する。また、セットがPALのときにはBCS
YS=01のデータを読み出して、WSSに乗せる。B
CSYS=00がきたときには無視する。
【0071】また、WSSのビットアサインを図19に
示す。
【0072】さらに、VBIDは、そのデータフォーマ
ットを図20に示してあるように20ビットで構成さ
れ、その内容A〜Dは次の通りである。
【0073】A 2ビット: ワイドID B 4ビット: モード番号 C 8ビット: データ又はフラグ D 6ビット: CRCC (G(x)=x6 +x+1 プリセット値は全て
「1」) そして、上記ワイドIDは、図21に示すように、アス
ペクト比を16:9(スクイーズ)又は4:3に定義
し、また、画像表示フォーマットをレターボックス形式
又は通常形式に定義する。
【0074】次に、パックを用いて多種多様な付随デー
タが記録されるAAUXエリア、VAUXエリア、サブ
コードエリアのデータエリアの具体的構造について説明
する。
【0075】AAUXエリアでは、図4の(2)に示さ
れる1SYNCブロックのフォーマットにおいて、5バ
イトのAAUXエリアで1個のパックが構成される。し
たがって、AAUXエリアは1トラックにつき9個のパ
ックで構成される。525/60システムのデジタルV
TRでは1フレームのデータを10トラックで記録する
ので、1フレーム分のAAUXエリアは図22のように
表される。
【0076】この図22において1つの区画が1個のパ
ックを表す。そして、区画に記入されている番号50〜
55は、その区画のパックのアイテムコードを16進数
表示したものであり(この図22における番号50は、
前述のAAUX SOURCEパックを表してい
る。)、これらの6種類のパックをメインパックと呼
ぴ、これらのメインパックが記録されるエリアをAAU
Xメインエリアと言う。また、これ以外のエリアはAA
UXオプショナルエリアと言い、多種多様なパックの中
から任意のパックを選んで記録することができる。
【0077】VAUXエリアについては、1トラックに
おけるVAUXエリアが図6に示されるように3個のS
YNCブロックα、β、γから構成され、そのパック個
数は、図23に示されるように1SYNCブロックにつ
き15個、1トラックで45個となる。なお、1SYN
CブロックにおけるエラーコードC1の直前の2バイト
のエリアは、予備的な記録エリアとして使用する。
【0078】1フレーム分のVAUXエリアについて、
そのパック構成を示すと図24のようになる。この図2
4において16進数表示のアイテムコード60〜65が
付されているパックはVAUXメインエリアを構成する
VAUXメインパックであり、図14の(2)〜(5)
及び図15の(1),(2)に示したパックがこれに相
当している。その外のパックはVAUXオプショナルエ
リアを構成する。
【0079】サブコードエリアのデータエリアは、図8
に示されるように、SYNCブロック番号0〜11の各
SYNCブロックの中に5バイトづつ書き込まれ、それ
ぞれが1パックを構成している。すなわち、1トラック
で12個のパックが記録され、そのうちSYNCブロッ
ク番号3〜5及び9〜11のパックがメインエリアを構
成し、その外のパックはオプショナルエリアを構成す
る。
【0080】このサブコードエリアにおいては、1フレ
ーム分のデータが図25に示すようなフォーマットで反
復記録される。この図25において大文字のアルファベ
ットはメインエリアのパックを表し、タイムコード、記
録年月日等の高速サーチに必要なデータが記録される。
小文字のアルファベットはオプショナルエリアのパック
を表し、このエリアには任意のパックを選択して任意の
データを記録することができる。
【0081】なお、図25は525/60システムの場
合の記録パターンであるが、参考までに625/50シ
ステムの場合の1フレーム分のサブコードデータの記録
パターンを図26に示す。この図26に示されるよう
に、625/50システムの場合は1フレームが12ト
ラックで構成され1トラックにおけるサブコードは52
5/60システムの場合と同様に12個のSYNCブロ
ックで構成され、トラック数のみが異なったものとな
る。
【0082】なお、以上に説明した各エリアにおけるメ
インエリアには、あらゆるテープについて共通的な基本
のデータ項目に関する付随的情報が格納されたパックが
記録されるという特徴がある。一方、オプショナルエリ
アには、ソフトテープメーカあるいはユーザー等が自由
に任意の付随データを書き込むことができる。そのよう
な付随的情報としては、例えば、種々の文字情報、文字
放送信号データ、垂直ブランキング期間内或るいは有効
走査期間内の任意のラインのテレビジョン信号データ、
コンピューターグラフィックスのデータ等がある。
【0083】次に、垂直ブランキング期間のデータの記
録再生について詳述する。
【0084】図27は現在のテレビジョン信号のチュー
ナ出力を分析したものである。
【0085】チューナからはコンポジットビデオ信号、
オーディオ信号及びステレオ、2か国語放送等を識別す
るためのオーディオパイロット信号が出力される。
【0086】この内、コンポジットビデオ信号は、画像
データ、2次元/1次元変換用データ(H.SYNC,
H.BLK,V.SYNC,V.BLK)及びシステム
データからなる。システムデータとしては、CLOSE
D CAPTION(以下「CC」と略す)、EDS、
WSS、VBID等がある。
【0087】この中で重要なのはコンポジットビデオ信
号のシステムデータである。これには、画像に関する情
報(画像付随情報)だけでなく音声に関する情報(音声
付随情報)まで格納されているもので、その内容は画像
や音声と共に記録されるべきである。アナログVTRに
おいては、1フィールドが1トラックになり、垂直ブラ
ンキング期間はそのまま記録再生される。しかし、デジ
タルVTRでは、システムデータが格納されている2次
元/1次元変換用データを除去してしまっているので、
システムデータをそのままの形で保存することはできな
い。入力された信号がそのまま記録され、再生時には入
力された信号そのものが出力されることを「トランスペ
アレント記録」と呼ぶが、デジタルVTRでは何らかの
補完的記録手段を採用しなければトランスペアレント記
録ができない。
【0088】図28に主なシステムデータを示す。一般
に、アナログVTRで記録再生可能な周波数は1MHz
以下とされている。したがって、図28の中でCC、E
DS、VBID及びWSSが記録再生可能であり、それ
以外は波形がなまってしまう。この意味では、アナログ
VTRもトランスペアレント記録ができない。文字多重
放送やTELETEXTは記録再生できないが、これら
はもともと記録再生を前提とした信号ではなく、デコー
ダが解読してテレビ面面に文字データを表示することを
目的としており、コンポジットビデオ信号の画像とは全
く別の文字放送番組(株価等)を送っている(ただし、
一部字幕放送もある)。また、局間制御信号や業務用信
号などは、放送局間の調整用であり、特殊用途の信号な
ので、アナログVTRで記録できなければならないもの
ではない。さらに、マクロビジョン信号はコビーガード
のための信号なので、記録できない。
【0089】ここで、図29を参照しながらVAUX及
びAAUXのメインエリアについて補足説明する。前記
したように、VAUXのメインエリアにはパックヘッダ
が60hから65hまでのパックデータが格納される。
また、AAUXのメインエリアにはパックヘッダが50
hから55hまでのパックデータが格納される。
【0090】ここで、パックヘッダが60h,61h,
50h,51hの各パックはそれぞれSOURCEパッ
ク、SOURCE CONTROLパックと呼ばれ、面
像データや音声データを復元するために必要不可欠なデ
ータ、コピーガードのような法律に関するデータが格納
されるパックである。したがって、これらの4パックさ
え参照すれば、映像信号及び音声信号の再生は可能であ
る。
【0091】一方、パックヘッダが62h,63h,6
4h及び52h,53h,54hはREC DATEパ
ック、REC TIMEパック、BINARY GRO
UPEパックと呼ばれ、記録年月日、記録時刻等、なく
てもかまわないデータである。例えば、内部に時計を持
っていないVTRで録画した場合には、記録年月日や記
録時刻は当然わからないので、NO INFOパック
(FFh)が記録される。
【0092】このデジタルVTRでは、パックヘッダが
65h,55hのCCパック及び56h,66hのトラ
ンスペアレントパックを用いて前記CC、EDS、VB
ID、WSS等をトランスペアレント記録する。
【0093】まず、VAUX CCパックは図30に示
すCC信号の内、クロックランーイン(6.5サイク
ル)とそれに続くスタートビット(2サイクル「L」、
1サイクル「H」)を除いた16ビットのデータ部を、
図15の(2)に示すフォーマツトでそのまま格納す
る。
【0094】CC信号はビデオ信号の第1フィールド及
び第2フィールドに挿入されている。ただし、第2フィ
ールドにはEDSデータが入ることもある。つまり、V
AUCCパック1つでCC信号及びEDSデータ両者の
素データを格納できる。
【0095】CC信号は北米において、聾唖者対策とし
て既に法制化されており、北米で販売される14インチ
以上のテレビ受信機には全てこのデコーダを搭載するこ
とが義務付けられている。したがって、CC信号はVA
UXのメインエリアに格納して、全てのデジタルVTR
が対応するようにすることが必要である。VAUXCC
パックのパックヘッダとしては、既述したように65h
を与えた。格納場所は図24に示した通りである。北米
以外では、この信号そのものが存在しないので、ここに
はNO INFOパック(FFh)を格納する。このパ
ックヘッダ65hは第1フィールドと第2フィールドの
ライン21そのものを意昧しているので、パック内部に
LINEパックに必要なラインIDを必要としない。再
生時には、このパックのデータをビデオ信号のライン2
1に挿入してもとのCC信号を復元する。これにより、
再生ビデオ信号を入力したテレビ受信機は、内部のデコ
ーダによりデコードし、字幕サービス等を実施できる。
【0096】次に、図31を参照しながらCCパックの
書込みルールについて説明する。なお、以下の説明で
は、特に区別した場合を除いて、CC信号はEDSデー
タを含むものとする。
【0097】CC信号には映像信号及び音声信号を再生
する上で必要不可欠なデータとそうでないデータがある
が、VAUX CCパックはこれらをそのまま格納す
る。そして、前者を記録時に必ずパックヘッダが60
h,61h,50h,51hのパック、すなわちVAU
X及びAUXのSOURCEパック及びSOURCE
CONTROLパックに反映させる。また、AAUX
CCパックはCC信号の内、音声に関する情報をデコー
ドしたものを格納する。
【0098】CCパックに記録するためには、まず、こ
のCC信号がビデオ信号中に存在するかどうかを識別す
る。これは、ライン21を検出し、その水平同期信号の
立ち下がりから10.5μsec以上経過した後、32
fH周期のクロックランインがあるかどうかを調べる。
あればCC信号が存在する。そして、16ビットのデー
タを抜き出す。
【0099】このデータは7ビットのASCIIコード
2組(Character One及びCharact
er Twoのb0〜b6)でそのMSBはパリティ
(P1,P2)である。CC信号のデコード時にはこの
パリティをチェックするが、このVTRで記録するとき
には特に何もせずそのまま2バイトデータとして図15
の(2)のように格納する。実際のデコードはテレビ受
信機が行うからである。
【0100】さて、ここで北米で録画したテープを日本
に持ってきて再生するときのことを検計してみる。日本
向けのVTRは当然CC信号対応になっていない。とこ
ろが、図28のようにCC信号にはアスペクト比の情報
が入っている。これにより、北米で販売されているワイ
ドテレビ受信機はアスペトク比の自動切換えを行う。一
方、日本のワイドテレビ受信機はVBIDによりアスペ
クト比の自動切換えを行うので、アスペクト比の情報は
欠かせない。ところが、この情報がCCパックにのみ格
納されていると、日本向けのVTRはそれを理解できな
いので、アスペトク比の自動切換えができない。
【0101】そこで、このデジタルVTRでは、図31
のように、VAUX CCパックにデータを格納する時
には、そのデータの内、映像信号及び音声信号を再生す
る上で必要不可欠なデータを抜き出して、パックヘッダ
が60h,61h,50h,51hのパックに反映させ
ることを義務づけている。
【0102】こうすることにより、例えばアスペクト比
であれば必ずパックヘッダが61hのパックに反映され
るので、VAUX CCパックを理解できないVTRで
あっても、パックヘッダが61hのパックに格納されて
いるアスペクト比の情報からVBIDデータを復元する
ことができる。したがって、日本のワイドテレビ受信機
はこのVBIDにより、アスペクト比を自動的に切り換
えることかできる。
【0103】これにより、画像や音声が再生されなかっ
たり、不自然な画像や音声が再生されるような事態を防
止できる。
【0104】ここでVAUX CCパックについて整理
すると、CC信号には映像信号及び音声信号を再生する
上で必要不可欠なデータとそうでないデータがあるが、
VAUX CCパックはこれらをそのまま格納する。そ
して、前者を記録時に必ずパックヘッダが60h,61
h,50h,51hのパックに反映させる。再生時に、
このVAUX CCパックをデコードできるセットは、
その全てのデータをセット内で利用することが可能であ
る。また、VAUX CCパックのデコードはできない
が、それがVAUX CCパックであると認識できるセ
ットは、ビデオ信号の第21ラインにそれを復元するこ
とができる。さらに、VAUX CCパックのデコード
も認識もできないセットは、それを無視してパックヘッ
ダが60h,61h,50h,51hのパックデータか
らそのセットが必要とする垂直ブランキング情報を復元
すればよい。これにより、全てのタイプのVTRセット
間で互換性がとれることになる。
【0105】次に、垂直ブランキング期間に挿入されて
いる音声に関する情報について説明する。
【0106】図28に示したように、音声に関する情報
はAAUXデータとしてオーディオエリアに格納すべき
である。そこで、このデジタルVTRでは、AAUX
CCパックを定義し、垂直ブランキング期間内の音声に
関する情報を格納するようにした。パックヘッダとして
は、既述したように55hを与えた。また、パックの構
成は図14の(1)に示した通りであり、格納場所は図
22に示した通りである。このAAUX CCパックに
は音声信号を再生する上で必要不可欠な情報とそうでな
い情報が格納されるが、前述のように、音声信号を再生
する上で必要不可欠な情報は50h,51hに反映させ
る。
【0107】再生時に、このAAUX CCパックを理
解できるセットは、音声に関する情報を全て利用するこ
とが可能となる。そして、理解できないセットは、パッ
クヘッダが50h,51hのパックだけを理解していれ
ば問題は起きない。
【0108】なお、音声に関する情報はVAUX CC
パックにもそのまま格納されるので冗長性があるが、音
声に関する情報はオーディオエリアから再生するのが信
号処理上好ましい。また、ビデオエリアのみをアフレコ
した結果、VAUX CCパックに格納されていた音声
に関する情報が失われてもAAUX CCパックには音
声に関する情報が残るので音声の再生が可能である。
【0109】ここで、CC信号のEDSデータ中の音声
に関する情報を記録・再生する場合について具体的に説
明する。図14の(1)のAAUX CCパックに関し
て説明したように、EDSデータには、音声に関する情
報として主音声及び第2音声の言語・種類に関する情報
を持っている。本実施例では、この情報をデコードし
て、図14の(1)に示したフォーマットで記録する。
このとき、AAUX SOURCEパックのAUDIO
MODEにこの情報を反映させる。AAUXCCパッ
クの格納データとAAUX SOURCEパックのAU
DIO MODEとの対応関係の1例を図32に示す。
【0110】次に、VBID、WSS、さらには将釆新
たに登場する可能性のある垂直ブランキングデータに対
して対処する手段について説明する。
【0111】ここでは、これらのデータをそのまま格納
するために、VAUX トランスペアレントパックを定
義した。パックヘッダは66hである。また、音声に関
する情報を格納するために、AAUX トランスペアレ
ントパックを定義した。パックヘッダは56hである
(以下トランスペアレントパックを「TRパック」とい
う)。
【0112】図33にこれらのTRパックの仕組みを示
す。記録位置はCCパックと同じ位置である。60h,
61h,50h,51hに対するルールもCCパックと
同じである。
【0113】また、TRパック対応VTR、非対応VT
Rの観点からそのセット間の互換性を記録と再生でまと
めたのか図34である。このように、TRパック非対応
VTRでも、北米のような法律で定められた地域では、
CCパックは最優先で対応する。
【0114】図35にVAUX TRパックを示す。こ
のように、データタイプ4ビットで各種信号を区別す
る。ここで、Xは将未登場する可能性のある信号名であ
る。これは、第1フィールドと第2フィールドの内容が
異なるものの例である。データ部は最大28ビット分用
意する。これは、図28のような1MHz以下のクロッ
クでは、この程度の数になるからである。そして、水平
同期信号に近いほうをLSBとして順にデータを詰め込
んでいく。図36はVBIDの20ビットを詰め込んだ
例を(1)に示し、WSSの14ビットを詰め込んだ例
を(2)に示している。
【0115】次に、図37にAAUX TRパックを示
す。構成は図35のVAUX TRパックと同じであ
る。ここで注目すべき点はデータタイプの0000〜0
010を欠番にしていることである。図35に例示した
VBID、WSS、EDTV2は、いずれも音声に関す
る情報を含んでいないことがアナウンスされている。し
たがって、このパックは不要であるので、VAUX T
Rパックにはデータを格納するが、AAUXはNO I
NFOパックになる。このとき、VAUX TRパック
とAAUX TRパックとで、データタイプのアサイン
が異なると対応が不便なので、不要なものはあえて欠番
にした。
【0116】次に、このTRパックとCCパックとをト
ラック上に配列する方法について説明する。図22及び
図24で、1フレーム10トラックを2トラックずつの
ペアとする。そして、このトラックペアの2箇所のメイ
ンエリアは必ず同じ内容とする。こうすると、1フレー
ムあたり5種類のTRパック又はCCパックが記録でき
るので、10トラックに同じパックを記録する場合より
も、記録するパック数を多くすることができる。この中
には何をどう書こうがかまわないが、最終のトフツクペ
アには必ずCCパックを書込むことにする。こうすれ
ば、TRパックは不要でCCパックのみを10トラック
に書込むセットに、TRパックとCCパックを混在記録
したテープが入ってきても、CCパックだけは必ず拾え
る。
【0117】図38はCC、VBID及びWSSに対応
するVTRで記録を行ったテープのフォーマットであ
る。このとき、アスペクト比等、映像信号を再生する上
で必要不可欠なデータは、パックヘッダが60h、61
hのパックに反映させる。そして、このように記録され
たテープをCC、VBID対応VTRで再生する場合、
CC及びVBIDデータのみを読み出して、ビデオ信号
の垂直ブランキング期間の所定の位置に重畳することが
できる。また、WSSデータについては、必要があれ
ば、60h、61hのパックデータから復元して、ビデ
オ信号の垂直ブランキング期間の所定の位置に重畳する
ことができる。なお、AAUX TRパックについては
同様なので、その説明は省略する。
【0118】このような記録フォーマットを採用したデ
ジタルVTRの記録系では、カメラモードの際に、図3
9のフローチャートに示すように、先ずステップ1で、
セットの仕様がNTSCであるかPALであるかの判定
を行う。そして、ステップ1の判定の結果、NTSC仕
様である場合には、ステップ2に移ってワイド記録モー
ドであるか否かの判定を行う。そして、上記ステップ2
の判定結果がYESすなわちワイド記録モードである場
合には、ステップ3に移って補助データをBCSYS=
OO,DISP=010とし、また、上記ステップ2に
おける判定結果がNOすなわちワイド記録モードでない
場合には、ステップ4に移って補助データをBCSYS
=OO,DISP=000とする。また、ステップ1の
判定の結果、PAL仕様である場合には、ステップ5に
移ってワイド記録モードであるか否かの判定を行う。そ
して、上記ステップ5の判定結果がYESすなわちワイ
ド記録モードである場合には、ステップ6に移って補助
データをBCSYS=O1,DISP=111とし、ま
た、上記ステップ5における判定結果がNOすなわちワ
イド記録モードでない場合には、ステップ7に移って補
助データをBCSYS=OO,DISP=000とす
る。そして、ステップ8では、それぞれのアスペクト比
に対応したID(NTSC:VBID,PAL:WS
S)をアナログアウトに出力する。
【0119】また、このデジタルVTRの再生系は、図
40に示すように、再生部11あるいはライン入力端子
12から供給されるデジタル画像信号が供給されるデジ
タル信号処理部13と、このデジタル信号処理部13か
らデジタル画像信号が供給される選択部14と、この選
択部14を介してデジタル画像信号が供給される変換処
理部15、上記選択部14及び上記変換処理部15から
デジタル画像信号が供給される補助データ付加部16
と、この補助データ付加部16からデジタル画像信号が
供給されるD/A変換器17と、上記選択部14及び補
助データ付加部16を制御する制御部18などからな
る。
【0120】このような構成の再生系において、上記デ
ジタル信号処理部13は、上記再生部11あるいはライ
ン入力端子12から供給されるデジタル画像信号に対し
て、記録系における画像圧縮処理に対応する画像伸張処
理を施す。そして、この画像伸張処理が施されたデジタ
ル画像信号は、上記選択部14を介して上記変換処理部
15又は上記補助データ付加部16に供給される。ま
た、上記デジタル信号処理部13は、上記再生部11あ
るいはライン入力端子12から供給されるデジタル画像
信号について、VAUX SOURCE CONTRO
L パックのBCSYS及びDISPを見て、スクイー
ズであるか否かの判定を行う。そして、その判定の結果
すなわちスクイーズであるか否かを示す情報を上記制御
部18に供給する。
【0121】上記制御部18は、ユーザによるメニュー
選択入力を受け付けて、その選択入力に応じた制御動作
を行う所謂ヒューマンインタフェースマイクロコンピュ
ータからなり、ワイド再生モードの選択入力を受け付け
た状態でのみ、上記デジタル信号処理部13からのスク
イーズであるか否かを示す情報の内容を判断して、スク
イーズの場合に、上記変換処理部15を選択するように
上記選択部14を制御する。また、上記制御部18は、
スクイーズの場合に、VBID又はWSSの補助データ
を作成して上記補助データ付加部16に供給する。
【0122】上記変換処理部15は、上記選択部14を
介して供給されたデジタル画像信号を記憶するメモリか
らなり、上記デジタル画像信号により示される4:3の
アスペクト比のスクイーズ画像をレターボックス形式の
画像を示すデジタル画像信号に変換する。さらに、上記
補助データ付加部16は、上記変換処理部15から供給
されるデジタル画像信号の垂直ブランキン期間にレター
ボックス形式のデジタル画像信号であることを示す補助
データを挿入する。
【0123】そして、上記D/A変換器17は、上記補
助データ付加部16を介して供給される上記デジタル画
像信号をアナログ化して出力する。
【0124】このデジタルVTRの再生系では、図41
のフローチャートに示すように、先ずステップ1で、セ
ットの仕様がNTSCであるかPALであるかの判定を
行う。そして、ステップ1の判定の結果、NTSC仕様
である場合には、ステップ2に移って補助データがBC
SYS=OOであるか否かの判定を行う。
【0125】このステップ2の判定の結果がNOすなわ
ちBCSYS=OOでない場合には、ステップ3に移っ
てアスペクト比を正常とする。また、このステップ2の
判定の結果がYESすなわちBCSYS=OOである場
合には、ステップ4に移って補助データがDISP=O
1Oであるか否かの判定を行う。
【0126】このステップ4の判定の結果がNOすなわ
ちDISP=O1Oでない場合には、ステップ5に移っ
てアスペクト比をテープ上の情報のままとする。また、
このステップ4の判定の結果がYESすなわちDISP
=O1Oである場合には、ステップ6に移ってワイド再
生モードであるか否かの判定を行う。
【0127】このステップ6の判定結果がNOすなわち
ワイド記録モードでない場合には、ステップ7に移って
アスペクト比をスクイーズとする。また、このステップ
6における判定結果がYESすなわちワイド記録モード
である場合には、ステップ8に移ってアスペクト比をレ
ターボックスとする。
【0128】また、上記ステップ1の判定の結果、PA
L仕様である場合には、ステップ2に移って補助データ
がBCSYS=O1であるか否かの判定を行う。
【0129】このステップ9の判定の結果がNOすなわ
ちBCSYS=O1でない場合には、ステップ10に移
ってアスペクト比を正常とする。また、このステップ9
の判定の結果がYESすなわちBCSYS=O1である
場合には、ステップ11に移って補助データがDISP
=111であるか否かの判定を行う。
【0130】このステップ11の判定の結果がNOすな
わちDISP=111でない場合には、ステップ12に
移ってアスペクト比をテープ上の情報のままとする。ま
た、このステップ11の判定の結果がYESすなわちD
ISP=111である場合には、ステップ13に移って
ワイド再生モードであるか否かの判定を行う。
【0131】このステップ13の判定結果がNOすなわ
ちワイド記録モードでない場合には、ステップ14に移
ってアスペクト比をスクイーズとする。また、このステ
ップ14における判定結果がYESすなわちワイド記録
モードである場合には、ステップ15に移ってアスペク
ト比16:9をレターボックスtopとする。
【0132】そして、ステップ16では、それぞれのア
スペクト比に対応したID(NTSC:VBID,PA
L:WSS)をアナログアウトに出力する。
【0133】このように、このデジタルVTRの再生系
では、デジタル画像信号による画像がスクイーズである
か否かを判定し、スクイーズの場合に、指定される出力
形態に応じて、第1の出力形態すなわちワイド再生モー
ドでは図42に示すようなスクイーズの画像のデジタル
画像信号をレターボックスのデジタル画像信号に変換し
て出力し、また、第2の出力形態すなわち通常再生モー
ドでは図43に示すようなスクイーズの画像のデジタル
画像信号をそのまま出力する。ただし、通常再生モード
におけるスクイーズの画像のデジタル画像信号は、アス
ペクト比が16:9のモニタ装置の表示画面上では、図
44に示すように横方向が伸張されて歪みのない正常な
画像として表示される。
【0134】さらに、このデジタルVTRの再生系で
は、上記第1の出力形態において、レターボックス形式
のデジタル画像信号であることを示す補助情報を垂直ブ
ランキング期間に挿入するので、このデジタル画像信号
が供給された装置において、上記補助情報に基づいてレ
ターボックス形式のデジタル画像信号であることを認識
することができる。
【0135】
【発明の効果】本発明に係るデジタル画像信号の記録再
生処理方法では、ワイド記録モードか否かを判定して、
その判定結果を示す補助データが所定位置に挿入された
デジタル画像信号を所定の記録フォーマットで記録媒体
に記録し、上記記録媒体から再生される上記所定の記録
フォーマットで記録されたデジタル画像信号に挿入され
ている補助データに基づいて、上記記録媒体から再生さ
れるデジタル画像信号がワイド記録モードで記録された
スクイーズ画像のデジタル画像信号であるか否かを判定
し、上記記録媒体から再生されるデジタル画像信号がス
クイーズ画像のデジタル画像信号である場合には、ワイ
ド再生モードが選択されているか否かを判定し、ワイド
再生モードが選択されている場合には、上記記録媒体か
ら再生されるスクイーズ画像のデジタル画像信号をレタ
ーボックス形式のデジタル画像信号に変換して出力する
第1の出力形態とし、ワイド再生モードが選択されてい
ない場合には、上記記録媒体から再生されるスクイーズ
画像のデジタル画像信号をそのまま出力する第2の出力
形態とするので、スクイーズ画像のデジタル画像信号
に、アスペクト比が3:4のモニター装置で違和感なく
表示するための信号処理を施すことができる。
【0136】また、本発明に係るデジタル画像信号の再
生処理方法では、上記第1の出力形態において、レター
ボックスのデジタル画像信号であることを示す補助情報
を垂直ブランキング期間に挿入するので、このデジタル
画像信号が供給された装置において、上記補助情報に基
づいてレターボックス形式のデジタル画像信号であるこ
とを認識することができる。
【0137】本発明に係るデジタル画像信号の再生処理
装置では、ワイド記録モードか否かを判定して、その判
定結果を示す補助データが所定位置に挿入されたデジタ
ル画像信号を所定の記録フォーマットで記録媒体に記録
する記録手段と、記録媒体から上記所定の記録フォーマ
ットで記録されたデジタル画像信号を再生する再生手段
と、上記再生手段により上記記録媒体から再生される上
記所定の記録フォーマットで記録されたデジタル画像信
号に挿入されている補助データに基づいて、上記記録媒
体から再生されるデジタル画像信号がワイド記録モード
で記録されたスクイーズ画像のデジタル画像信号である
か否かを判定する判定手段と、出力形態を指定する指定
手段と、上記判定手段による判定の結果、上記記録媒体
から再生されるデジタル画像信号がスクイーズ画像のデ
ジタル画像信号である場合に、上記指定手段により指定
された出力形態がワイド再生モードを選択した第1の出
力形態であるかワイド再生モードを選択しない第2の出
力形態であるかを判定し、第1の出力形態が指定されて
いる場合には、上記記録媒体から再生されるスクイーズ
画像のデジタル画像信号をレターボックス形式のデジタ
ル画像信号に変換して出力し、第2の出力形態が指定さ
れている場合には、上記記録媒体から再生されるスクイ
ーズ画像のデジタル画像信号をそのまま出力する変換処
理手段とを備えることにより、スクイーズ画像のデジタ
ル画像信号に、アスペクト比が3:4のモニター装置で
違和感なく表示するための信号処理を施すことができ
る。
【0138】また、本発明に係るデジタル画像信号の再
生処理装置では、補助情報付加手段により、レターボッ
クスのデジタル画像信号であることを示す補助情報を上
記変換処理手段から出力された第1の出力形態のデジタ
ル画像信号の垂直ブランキング期間に挿入できる。これ
により、このデジタル画像信号が供給された装置におい
て、上記補助情報に基づいてレターボックス形式のデジ
タル画像信号であることを認識することが可能となる。
【0139】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したディジタルVTRの記録系の
構成を示すブロック図である。
【図2】上記ディジタルVTRの1トラックの記録フォ
ーマットを示す図である。
【図3】プリSYNCブロック及びポストSYNCブロ
ックの構造を示す図である。
【図4】オーディオのフレーミングフォーマット及び1
SYNCブロックの構造を説明する図である。
【図5】1フレーム分の画像データのブロッキングを説
明する図である。
【図6】誤り訂正符号が付加されたビデオのフレーミン
グフォーマットを示す図である。
【図7】ビデオのバッファリングユニット及び1SYN
Cブロックの構成を示す図である。
【図8】1トラック分のサブコードエリアの構造を説明
する図である。
【図9】オーディオエリア及びビデオエリアにおけるS
YNCブロックのID部の構造を説明する図である。
【図10】サブコードエリアにおけるSYNCブロック
のID部の構造を説明する図である。
【図11】パックの基本構造を示す図である
【図12】大アイテムによるパックのグループの定義を
示す図である。
【図13】AAUX SOURCE パック、AAUX
SOURCE CONTROLパック、AAUX R
EC DATEパック、AAUX REC TIMEパ
ック及びAAUX REC TIME BINARY
GROUPパックの詳細を示す図である。
【図14】AAUX CCパック、AAUX SOUR
CE パック、VAUX SOURCE CONTRO
Lパック、VAUX REC DATEパック及びVA
UX REC TIMEパックの詳細を示す図である。
【図15】VAUX REC TIME BINARY
GROUPパック及びVAUXCCパックの詳細を示
す図である。
【図16】VAUX SOURCE CONTROLパ
ックに記録されるBCSYS及びDISPの定義内容を
示す図である。
【図17】カメラモードにおけるBCSYS及びDIS
Pの定義内容を示す図である。
【図18】VTRモードにおけるBCSYS及びDIS
Pの定義内容を示す図である。
【図19】WSSのビットアサインを示す図である。
【図20】VBIDのデータフォーマットを示す図であ
る。
【図21】ワイドIDの定義内容を示す図である。
【図22】1フレーム分のAAUX領域の構造を説明す
る図である。
【図23】1トラック分のVAUX領域の構造を説明す
る図である。
【図24】1フレーム分のVAUX領域の構造を説明す
る図である。
【図25】525/60システムのディジタルVTRに
おけるサブコードエリアのパックデータの多重書きを説
明する図である。
【図26】625/50システムのディジタルVTRに
おけるサブコードエリアのパックデータの多重書きを説
明する図である。
【図27】テレビジョン信号のチューナ出力を分析した
図である。
【図28】コンポジットビデオ信号に挿入されているシ
ステムデータを示す図である。
【図29】VAUX及びAAUXメインエリアについて
説明する図である。
【図30】CC信号を示す図である。
【図31】CCパックについて説明する図である。
【図32】AAUXCCパックの格納データとAAUX
SOURCEパックのAUDIOMODEとの対応関係
の1例を示す図である。
【図33】TRパックについて説明する図である。
【図34】TRパック対応VTRとTRパック非対応V
TRの記録時と再生時の動作を説明する図である。
【図35】VAUXTRパックの詳細を示す図である。
【図36】VAUXTRパックにVBIDデータ及びW
SSデータを格納する様子を示す図である。
【図37】AAUX TRパックの詳細を示す図であ
る。
【図38】CC、VBID、WSS対応VTRで記録し
たトラックフォーマットの1例を示す図である。
【図39】上記デジタルVTRの記録系におけるVBI
D/WSSの判別処理の手順を示すフローチャートであ
る。
【図40】上記デジタルVTRの再生系の構成を示すブ
ロック図である。
【図41】上記デジタルVTRの再生系におけるアスペ
クト比の判別処理の手順を示すフローチャートである。
【図42】アスペクト比が3:4のモニタ装置に表示さ
れたレターボックス形式の画像を模式的に示す図であ
る。
【図43】アスペクト比が3:4のモニタ装置に表示さ
れたアスペクト比が9:16の画像のスクイーズ画像を
模式的に示す図である。
【図44】アスペクト比が9:16のモニタ装置に表示
されたアスペクト比が9:16の画像を模式的に示す図
である。
【符号の説明】
11 再生部 12 外部信号入力端子 13 デジタル信号処理部 14 選択部 15 変換処理部 16 付加処理部 17 D/A変換器 18 制御部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイド記録モードか否かを判定して、そ
    の判定結果を示す補助データが所定位置に挿入されたデ
    ジタル画像信号を所定の記録フォーマットで記録媒体に
    記録し、 上記記録媒体から再生される上記所定の記録フォーマッ
    トで記録されたデジタル画像信号に挿入されている補助
    データに基づいて、上記記録媒体から再生されるデジタ
    ル画像信号がワイド記録モードで記録されたスクイーズ
    画像のデジタル画像信号 であるか否かを判定し、上記記録媒体から再生されるデジタル画像信号がスクイ
    ーズ画像のデジタル画像信号である場合には、ワイド再
    生モードが選択されているか否かを判定し、 ワイド再生モードが選択されている場合には、上記記録
    媒体から再生される スクイーズ画像のデジタル画像信号
    をレターボックス形式のデジタル画像信号に変換して出
    する第1の出力形態としワイド再生モードが選択されていない場合には、上記記
    録媒体から再生される スクイーズ画像のデジタル画像信
    号をそのまま出力する第2の出力形態とすることを特徴
    とするデジタル画像信号の記録再生処理方法。
  2. 【請求項2】 デジタル画像信号に付加されている放送
    方式、アスペクト比及び表示形式を表す情報に基づいて
    ワイド記録モードか否かを判定する特徴とする請求項1
    記載のデジタル画像信号の記録再生処理方法。
  3. 【請求項3】 上記第1の出力形態において、レターボ
    ックス形式のデジタル画像信号であることを示す補助情
    報を垂直ブランキング期間に挿入することを特徴とする
    請求項記載のデジタル画像信号の記録再生処理方法。
  4. 【請求項4】 ワイド記録モードか否かを判定して、そ
    の判定結果を示す補助データが所定位置に挿入されたデ
    ジタル画像信号を所定の記録フォーマットで記録媒体に
    記録する記録手段と、 記録媒体から上記所定の記録フォーマットで記録された
    デジタル画像信号を再生する再生手段と、 上記再生手段により上記記録媒体から再生される上記所
    定の記録フォーマットで記録されたデジタル画像信号に
    挿入されている補助データに基づいて、上記記 録媒体か
    ら再生されるデジタル画像信号がワイド記録モードで記
    録されたスクイーズ画像のデジタル画像信号 であるか否
    かを判定する判定手段と、 出力形態を指定する指定手段と、 上記判定手段による判定の結果、上記記録媒体から再生
    されるデジタル画像信号がスクイーズ画像のデジタル画
    像信号である場合に、上記指定手段により指定された出
    力形態がワイド再生モードを選択した第1の出力形態で
    あるかワイド再生モードを選択しない第2の出力形態で
    あるかを判定し、第1の出力形態が指定されている場合
    には、上記記録媒体から再生されるスクイーズ画像のデ
    ジタル画像信号をレターボックス形式のデジタル画像信
    号に変換して出力第2の出力形態が指定されている
    場合には、上記記録媒体から再生されるスクイーズ画像
    のデジタル画像信号をそのまま出力する変換処理手段と
    を備えることを特徴とするデジタル画像信号の記録再生
    処理装置。
  5. 【請求項5】 上記記録手段では、デジタル画像信号に
    付加されている放送方式、アスペクト比及び表示形式を
    表す情報に基づいてワイド記録モードか否かを判定する
    特徴とする請求項4記載のデジタル画像信号の記録再生
    処理装置。
  6. 【請求項6】 レターボックス形式のデジタル画像信号
    であることを示す補助情報を上記変換処理手段から出力
    された第1の出力形態のデジタル画像信号の垂直ブラン
    キング期間に挿入する補助情報付加手段を設けたことを
    特徴とする請求項記載のデジタル画像信号の記録再生
    処理装置。
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