JP3457687B2 - 白内障治療用薬剤 - Google Patents
白内障治療用薬剤Info
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- A61P27/12—Ophthalmic agents for cataracts
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は白内障治療用眼科用外用
薬剤に関するものである。 【0002】 【従来技術】白内障は加齢や他の種々の原因によりひき
起こされる、水晶体の透明度が失われていく疾患であ
る。いくつかの抗白内障作用のある化合物が文献に記載
されてはいるが、現在の所、白内障は外科的治療が一般
的であり、薬剤が治療に供されるには至っていない。 【0003】例えば、N−アセチル−システイン(メル
ク インデクッス 11版、No.82、14頁)は抗
白内障作用のある薬物として日本特許No.56/14
7715(千寿製薬株式会社、デルウエント アセッシ
ョン ナンバー81−95880 D/52)に記載さ
れている。 【0004】しかし、白内障治療にN−アセチル−シス
テインを用いようとすると大変限られた使用法をせねば
ならず、それは経口、あるいは注射による投与法であ
る。局所に直接投与するとN−アセチルーシステインは
その効果を発揮しない。 【0005】このような場合、不都合なことに作用部位
でその薬物が効果を発揮するに足る濃度を行き渡らせる
ためには、大量投与をせねばならない。 【0006】式、化1 【化1】 (式中Rは水素原子またはR2CO−基;R2は直鎖ま
たは有枝鎖の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3
のジアルキルアミノ基、フェニル基で部分置換された炭
素数1〜3のアルコキシ基、またはフェニル基を表す。
R1は直鎖または有枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基、
またはベンジル基;*印炭素原子はL−システインと同
じ立体構造を持つ。)で示される化合物は既知の物質で
ある。特にRが水素原子である化合物は南アフリカ特許
No.70/494(ブリストール−メイヤーズ会社)
に記載されており、尿路結石の形成を阻害するのに有効
であるとされている。 【0007】化1のR2が直鎖か有枝鎖の炭素数1〜4
のアルキル基、又はフェニル基であり、R1が直鎖か有
枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基である化合物は、フラ
ンス特許No.4619M(エム ピー ヴァース)に
すでにムコリティック試薬として記載がある。 【0008】化1のRが水素原子かR2CO−基で、R
2がフェニール基、R1がベンジル基のものは、インタ
ーナショナル ジャーナル オブ ファーマシー、62
巻、193〜205頁、1990年にカーンス氏等によ
り記述されている。 【0009】化1のR2が炭素数1〜3のジアルキルア
ミノ基かアルコキシ基である化合物はいくつか知られて
いる。(例えば、フベル等により記述されているジャー
ナルオブ アグリカルチュラル フード ケミストリ
ー、25巻(2号)、404〜413頁、1977年、
又はケミカル アブストラクト、86巻、115832
rを参照のこと)又、これらの化合物は化1のRが水素
原子であるものの対応エステルから製造する方法が知ら
れている。 【0010】Rが水素原子ではない化1なる化合物の一
般的製造法は以下の通りである。つまり、化1(R=
H)のメルカプト誘導体を式、化2 【化2】 (式中R2は先に記述の通り。Xは塩素か臭素原子であ
るか、R2がアルキル基の場合はR2COO−基である
こともある。)で示される適当なアシル化剤と反応させ
る。 【0011】アシル化反応は一般的には溶媒中で、塩基
の存在下、通常の方法で行う。 【0012】化1なる化合物を合成する為のもう1つの
一般的方法は式、化3 【化3】 (式中Rは先に記述の通り。)で示される化合物を、対
応する酸でエステル化するやり方である。 【0013】化3は既知の物質であり(南アフリカ特許
No.70/494)、N−アセチル−L−システイン
より出発して既知の方法により合成する。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】N−アセチル−L−シ
ステインを白内障治療に用いる為に、化1なる化合物を
合成し、これに適当な賦形剤、添加剤を加えて眼科用外
用薬剤を提供することが本発明の目的である。 【0015】 【課題を解決するための手段】化1なる化合物は白内障
治療に有効であり、とりわけ外用投薬に有効である。と
いうのは眼球に投与後、角膜を通過してから化1はN−
アセチル−L−システインを放出するからである。 【0016】化1で示される物質の抗白内障活性は、試
験内的には角膜透過(実施例8参照)と作用部位でのN
−アセチル−L−システインの放出の評価テストにより
検定される。化合物1は驚く程、角膜を灌注する効果の
あることが分かった。 【0017】さらに、本化合物は角膜透過後、大変速や
かにN−アセチル−L−システインを放出するので、局
所にて治療上有効な濃度に短時間で到達することも判明
した。 【0018】実際、試験管内検定により、本化合物の角
膜透過後には高濃度の加水分解産物が確認されている
が、N−アセチル−L−システインそのものは角膜を透
過できないので、局所投与しても抗白内障の作用を示さ
ない。(実施例8参照) 【0019】実際の治療に当たっては、化合物1は錠
剤、顆粒、溶液そして好ましくは点眼薬、クリーム、軟
膏、浮遊液、ゲル、オキューラー インサートなどのよ
うな眼科用外用薬のような剤型で投与する。 【0020】本発明の目的とする外用薬剤は、化合物1
に加えて適当な眼科用賦形剤も含んでいる。適当な賦形
剤としては水、オリーブ油、パラフィン、ジェリー、パ
ラフィン油、ラノリン等があり、ここヘさらに等調液、
緩衝液、防腐剤、防菌剤、抗酸化剤、保湿剤、濃厚剤、
界面活性化剤が加えられる。 【0021】オキューラー インサートの特別の例とし
ては生体内に吸収されやすいヒドロキシプロピル セルロースの定着薬があげられる。本発明をよりよく説
明するために次に実施例を述べる。 【0022】 【実施例1】 S−イソブチリル−N−アセチル−L−システイン エ
チルエステルの製法 【0023】ピリジン(85.7ml;d=0.98
2;1.064モル)と、イソブチリル クロライド
(48.34ml;d=1.017;0.452モル)
をクロロホルム(95ml)に滴下した液を、N−アセ
チル−L−システインエチルエステル(50g;0.2
61モル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム
(460ml)に加えた液に加える。反応混液は室温に
て一晩攪拌した後、水(250ml)と濃塩酸(85m
l)に注ぎ込む。 【0024】層を分けてから、有機層は10%塩酸で淡
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(2×250m1)、次に再度水で洗う。 【0025】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
粗オイルが得られるので、シリカゲルにてクロマトにか
ける。(溶出液;酢酸エチル:ヘキサン=8:2) 【0026】得られた固形物をジイソプロピル エーテ
ルにて結晶化するとS−イソブチリル−N−アセチル−
L−システイン エチルエステル(54.6g)が得ら
れる。 [α]D 20=−20.4℃(C=1%、メタノール) m.P.65〜66℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.24(d,1H,JHH=7.8Hz,N
H);4.80−4.71(dt,1H,JHH=7.
8Hz,JHH5.5Hz,CH−CH2);4.27
−4.05(m,2H,CH 2−CH3);3.32
(d,2H,JHH=5.5Hz,CH 2−CH);
2.72[dq,1H,JHH=7.0Hz,CH(C
H3)2];1.97(s,3H,CH3CO);1.
26(t,3H,JHH=7.2Hz,CH 3 C
H2);1.15[d,6H,JHH=7.0Hz,
(CH 3)2CH]. 【0027】 【実施例2】 S−イソブチリル−N−アセチル−L−システイン イ
ソプロピルエステルの製法。 【0028】ピリジン(78.5ml;d=0.98
2;0.974モル)とイソブチルクロライド(42m
l;d=1.017;0.413モル)をクロロホルム
(100ml)に滴下した液を、N−アセチル−L−シ
ステイン イソプロピルエステル(50g;0.243
モル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム(4
30ml)に加えた液に加える。 【0029】反応混液は室温にて一晩攪拌した後、水
(250ml)と濃塩酸(85ml)の混合液に注ぎ込
む。 【0030】層を分けてから、有機層は10%塩酸で洗
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム、最後に
再び水で洗う。 【0031】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
粗オイルが得られるので、シリカゲルにてクロマトにか
ける。(溶出液;酢酸エチル:ヘキサン=7:3) 【0032】得られた固形物をヘキサンにて結晶化する
とS−イソブチリル−N−アセチル−L−システイン
イソプロピルエステル(40g)が得られる。 [α]=D 20=−20.8°(C=1%,メタノー
ル) m.p.59〜59.5℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.22(bs,1H,NH);5.00(m,
1H,COOCH);4.77−4.68(m,1H,
CH−CH2);3.38−3.23(m,2H,CH
−CH 2);2.72(m,1H,SCOCH);1.
96(s,3H,COCH3);1.23[d,6H,
JHH=6.2Hz,COOCH(CH 3)2];1.
15[d,6H,JHH=7.0Hz,SCOCH(C
H 3)2]. 【0033】 【実施例3】 S−プロピオニル−N−アセチル−L−システイン エ
チルエステルの製法。 【0034】ピリジン(84.2ml;d=0.98
2;1.045モル)とプロピオニルクロライド(3
8.8ml;d=1.059;0.444モル)をクロ
ロホルム(95ml)に滴下した液を、N−アセチル−
L−システイン エチルエステル(50g;0.216
モル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム(4
60ml)に加えた液に加える。反応混液は室温にて一
晩攪拌した後、水(250ml)と濃塩酸(85ml)
の混合液に注ぎ込む。 【0035】層を分けてから、有機層は10%塩酸で洗
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、
次に再度水で洗う。 【0036】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
粗オイルが得られるので、シリカゲルにてクロマトにか
ける。(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=8:2) [α]D 20=−28.7℃(C=1%,メタノール) m.p.49〜50℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.28(bs,1H,NH);4.80−4.
70(m,1H,CH);4.16(q,2H,JHH
=7.1;COOCH 2CH3);3.41−3.24
(m,2H,CH2S);2.54(q,2H,JHH
=7.5Hz,SCOCH2CH3);1.97(s,
3H,COCH3);1.25(t,3H,JHH=
7.1Hz,COOCH2CH 3);1.13(t,3
H,JHH=7.5Hz,SCOCH2CH 3). 【0037】 【実施例4】 S−ピヴァロイル−N−アセチル−L−システイン エ
チルエステルの製法。 【0038】ピリジン(68.5ml;d=0.98
2;0.85モル)と、ピヴァロイルクロライド(4
4.6ml;d=0.98;0.355モル)をクロロ
ホルム(75ml)に滴下した液を、N−アセチル−L
−システイン エチルエステル(40g;0.209モ
ル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム(37
0ml)に加える液に加える。反応混液は室温にて一晩
攪拌した後、水と濃塩酸の混液(70ml)に注ぎ込
む。 【0039】層を分けてから、有機層は10%塩酸で洗
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(2×250ml)、次に再度水で洗う。 【0040】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
半固形の粗成分が得られるので、シリカゲルにてクロマ
トにかけると(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=75:
25)純粋のS−ピヴァロイル−N−アセチル−L−シ
ステイン エチルエステルが油状で得られる。 [α]D 20=−15.6° (C=1%,メタノー
ル)1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.20(bs,1H,NH);4.80−4.
71(m,1H,CH);4.27−4.05(m,2
H,CH 2CH3);3.31(d,2H,JHH=
5.5Hz,CH2S);1.97(s,3H,COC
H3);1.26(t,3H,JHH=7.1Hz,C
H2CH 3);1.20[2,9H,C(C
H 3)3]. 【0041】 【実施例5】 S−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)−N−アセ
チル−L−システインメチルエステルの製法。 室温中にてN−アセチル−L−システイン メチルエス
テル(3.54g;20ミリモル)とクロロホルム(3
5ml)に溶かしたピリジン(4.02ml;50ミリ
モル)の溶液中へジメチルカルボニル クロライド
(2.76ml;30ミリモル)を加える。 【0042】反応液は2時間還流後、希塩酸と水で洗
う。硫酸ナトリウムで乾燥させてから溶媒をとばすと、
粗生成物が得られるのでシリカゲルにてクロマトにかけ
る。(溶出液:CH2Cl2:CH3OH=95:5) 【0043】イソプロパノール:ジエチルエーテルの混
液から結晶化するとS−(N,N−ジメチルアミノカル
ボニル)−N−アセチル−L−システイン メチルエス
テル(3.6g)が得られる。 【0044】[α]D 20=−31.7°(C=1%,
メタノール) m.p.119〜121℃ 【0045】 【実施例6】 S−エトキシカルボニル−N−アセチル−L−システイ
ン エチルエステル 実施例1と同様にして、ただしイソブチリル クロライ
ドの代わりにエトキシカルボニル クロライドを使うこ
とにより、S−エトキシカルボニル−N−アセチル−L
−システイン エチルエステルを合成する。 【0046】[α]D 20=−39.1°(C=1%,
メタノール) m.p.41.5〜42.0℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.34(d,1H,JHH=7.6Hz,N
H);4.82−4.73(m,1H,CH);4.2
2(q,2H,JHH=7.1Hz,SCOOC
H2);4.16(q,2H,JHH=7.1Hz,C
OO−CH2);(ABXシステムのABポーショ
ン):νA=3.36,νB=3.26;JAB=1
4.4Hz,JAX=4.5Hz,JBX=6.0H
z,SCH2);1.97(s,3H,COCH3);
1.24(t,3H,CH2CH 3);1.25(t,
3H,CH2CH 3). 【0047】 【実施例7】 S−プロピルオニル−N−アセチル−L−システイン
イソプロピルエステルの製法。 実施例2と同様にして、ただしイソブチリル クロライ
ドの代わりにプロピオニル クロライドを使うことによ
り、S−プロピオニル−N−アセチル−L−システイン
イソプロピルエステルを合成する。 [α]D 20=−27.7°(C=1%,メタノール) m.p.54〜55℃1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6):δ
(ppm):6.27(ブロード シグナル,1H,N
H);4.98(m,1H,COOH);4.76−
4.67(m,1H,CH−CH2);3.41−3.
23(m,2H,SCH2);2.54(q,2H,J
HH=7.5Hz,SCOCH2);1.96(s,3
H,COCH3);2.45[d,6H,JHH=6.
2Hz,CH(CH 3)2];1.13(T,3H,C
H2CH 3). 【0048】 【実施例8】 試験管内透過検定 化合物1とN−アセチル−L−システインの角膜透過性
をカンバーによる実験モデル(アクタ ファルマシュー
ティカ スエシカ 22巻、335〜342頁、198
5年)により検定した。 【0049】豚の角膜は屠殺後1〜2時間以内に実験に
供する。角膜は2mmの鞏膜と共にとり出し、灌注する
細胞の上に乗せる。 【0050】細胞のドナーコンパートメントと受入のた
めのコンパートメントは各々1mlと6mlの予め35
℃に加温したグルタチオン ビカルボネート リンゲル
(GBR)液で満たしておく。実験中、細胞は34〜3
5℃に保ち、2つのコンパートメントに含まれている液
には95%酸素と5%二酸化炭素を通じる。 【0051】ドナーコンパートメントのに予め入れた液
は、実験開始に当たって酸素−二酸化炭素の混合ガスで
飽和したGBR液1mlと入れ換えるが、この時にテス
トするべき化合物(30マイクロモル)を加えておく。 【0052】4時間に渡って40分ごとに受け入れコン
パートメント中の液を600μlずつサンプリングし
て、直ちに同量のGBR溶液を加える。サンプリングを
終わった時点で一括してHPLCにかけて分析する。 【0053】分析は、受け入れコンパートメントに透過
して出てきた検定中の化合物そのものと、その加水分解
産物の量について行う。実験方法が、サンプリングする
都度、その後ヘ同量のGBR溶液を加えていく手法をと
っているので、得られたデーターは補正(+10%)を
して表す。 【0054】角膜透過性検定に供した化合物1の代表的
なものを下に列記する。対称としてはN−アセチル−L
−システイン(NAC)を用いた。 化合物A:S−イソブチリル−N−アセチル−L−シス
テイン エチルエステル 化合物B:S−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)
−N−アセチル−L−システイン メチルエステル 化合物C:N−アセチル−L−システイン エチルエス
テル 化合物D:N−アセチル−L−システイン イソプロピ
ルエステル 化合物E:S−プロピオニル−N−アセチル−L−シス
テイン エチルエステル 化合物F:S−エトキシカルボニル−N−アセチル−L
−システイン エチルエステル 化合物G:S−プロピオニル−N−アセチル−L−シス
テイン イソプロピルエステル 【0055】豚角膜を透過した化合物1とNACの量は
表1に示した通りである。 【0056】 【表1】【0057】次に、化合物1の透過に際してのラグ タ
イムと絶対透過係数を透過量より計算し、白内障治療用
ではない、いくつかの眼科外用薬剤の透過量値(文献
値)と比較した。結果は表2に示す通りである。 【0058】 【表2】【0059】表2の透過係数とラグ タイムの結果は明
らかに、化合物A〜Gが眼科疾患のための外用治療剤と
して適していることを示している。 【0060】 【実施例9】眼科用外用薬剤の成分の例を表3(A)
(B)に記載する。 【0061】 【表3】
薬剤に関するものである。 【0002】 【従来技術】白内障は加齢や他の種々の原因によりひき
起こされる、水晶体の透明度が失われていく疾患であ
る。いくつかの抗白内障作用のある化合物が文献に記載
されてはいるが、現在の所、白内障は外科的治療が一般
的であり、薬剤が治療に供されるには至っていない。 【0003】例えば、N−アセチル−システイン(メル
ク インデクッス 11版、No.82、14頁)は抗
白内障作用のある薬物として日本特許No.56/14
7715(千寿製薬株式会社、デルウエント アセッシ
ョン ナンバー81−95880 D/52)に記載さ
れている。 【0004】しかし、白内障治療にN−アセチル−シス
テインを用いようとすると大変限られた使用法をせねば
ならず、それは経口、あるいは注射による投与法であ
る。局所に直接投与するとN−アセチルーシステインは
その効果を発揮しない。 【0005】このような場合、不都合なことに作用部位
でその薬物が効果を発揮するに足る濃度を行き渡らせる
ためには、大量投与をせねばならない。 【0006】式、化1 【化1】 (式中Rは水素原子またはR2CO−基;R2は直鎖ま
たは有枝鎖の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3
のジアルキルアミノ基、フェニル基で部分置換された炭
素数1〜3のアルコキシ基、またはフェニル基を表す。
R1は直鎖または有枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基、
またはベンジル基;*印炭素原子はL−システインと同
じ立体構造を持つ。)で示される化合物は既知の物質で
ある。特にRが水素原子である化合物は南アフリカ特許
No.70/494(ブリストール−メイヤーズ会社)
に記載されており、尿路結石の形成を阻害するのに有効
であるとされている。 【0007】化1のR2が直鎖か有枝鎖の炭素数1〜4
のアルキル基、又はフェニル基であり、R1が直鎖か有
枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基である化合物は、フラ
ンス特許No.4619M(エム ピー ヴァース)に
すでにムコリティック試薬として記載がある。 【0008】化1のRが水素原子かR2CO−基で、R
2がフェニール基、R1がベンジル基のものは、インタ
ーナショナル ジャーナル オブ ファーマシー、62
巻、193〜205頁、1990年にカーンス氏等によ
り記述されている。 【0009】化1のR2が炭素数1〜3のジアルキルア
ミノ基かアルコキシ基である化合物はいくつか知られて
いる。(例えば、フベル等により記述されているジャー
ナルオブ アグリカルチュラル フード ケミストリ
ー、25巻(2号)、404〜413頁、1977年、
又はケミカル アブストラクト、86巻、115832
rを参照のこと)又、これらの化合物は化1のRが水素
原子であるものの対応エステルから製造する方法が知ら
れている。 【0010】Rが水素原子ではない化1なる化合物の一
般的製造法は以下の通りである。つまり、化1(R=
H)のメルカプト誘導体を式、化2 【化2】 (式中R2は先に記述の通り。Xは塩素か臭素原子であ
るか、R2がアルキル基の場合はR2COO−基である
こともある。)で示される適当なアシル化剤と反応させ
る。 【0011】アシル化反応は一般的には溶媒中で、塩基
の存在下、通常の方法で行う。 【0012】化1なる化合物を合成する為のもう1つの
一般的方法は式、化3 【化3】 (式中Rは先に記述の通り。)で示される化合物を、対
応する酸でエステル化するやり方である。 【0013】化3は既知の物質であり(南アフリカ特許
No.70/494)、N−アセチル−L−システイン
より出発して既知の方法により合成する。 【0014】 【発明が解決しようとする課題】N−アセチル−L−シ
ステインを白内障治療に用いる為に、化1なる化合物を
合成し、これに適当な賦形剤、添加剤を加えて眼科用外
用薬剤を提供することが本発明の目的である。 【0015】 【課題を解決するための手段】化1なる化合物は白内障
治療に有効であり、とりわけ外用投薬に有効である。と
いうのは眼球に投与後、角膜を通過してから化1はN−
アセチル−L−システインを放出するからである。 【0016】化1で示される物質の抗白内障活性は、試
験内的には角膜透過(実施例8参照)と作用部位でのN
−アセチル−L−システインの放出の評価テストにより
検定される。化合物1は驚く程、角膜を灌注する効果の
あることが分かった。 【0017】さらに、本化合物は角膜透過後、大変速や
かにN−アセチル−L−システインを放出するので、局
所にて治療上有効な濃度に短時間で到達することも判明
した。 【0018】実際、試験管内検定により、本化合物の角
膜透過後には高濃度の加水分解産物が確認されている
が、N−アセチル−L−システインそのものは角膜を透
過できないので、局所投与しても抗白内障の作用を示さ
ない。(実施例8参照) 【0019】実際の治療に当たっては、化合物1は錠
剤、顆粒、溶液そして好ましくは点眼薬、クリーム、軟
膏、浮遊液、ゲル、オキューラー インサートなどのよ
うな眼科用外用薬のような剤型で投与する。 【0020】本発明の目的とする外用薬剤は、化合物1
に加えて適当な眼科用賦形剤も含んでいる。適当な賦形
剤としては水、オリーブ油、パラフィン、ジェリー、パ
ラフィン油、ラノリン等があり、ここヘさらに等調液、
緩衝液、防腐剤、防菌剤、抗酸化剤、保湿剤、濃厚剤、
界面活性化剤が加えられる。 【0021】オキューラー インサートの特別の例とし
ては生体内に吸収されやすいヒドロキシプロピル セルロースの定着薬があげられる。本発明をよりよく説
明するために次に実施例を述べる。 【0022】 【実施例1】 S−イソブチリル−N−アセチル−L−システイン エ
チルエステルの製法 【0023】ピリジン(85.7ml;d=0.98
2;1.064モル)と、イソブチリル クロライド
(48.34ml;d=1.017;0.452モル)
をクロロホルム(95ml)に滴下した液を、N−アセ
チル−L−システインエチルエステル(50g;0.2
61モル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム
(460ml)に加えた液に加える。反応混液は室温に
て一晩攪拌した後、水(250ml)と濃塩酸(85m
l)に注ぎ込む。 【0024】層を分けてから、有機層は10%塩酸で淡
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(2×250m1)、次に再度水で洗う。 【0025】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
粗オイルが得られるので、シリカゲルにてクロマトにか
ける。(溶出液;酢酸エチル:ヘキサン=8:2) 【0026】得られた固形物をジイソプロピル エーテ
ルにて結晶化するとS−イソブチリル−N−アセチル−
L−システイン エチルエステル(54.6g)が得ら
れる。 [α]D 20=−20.4℃(C=1%、メタノール) m.P.65〜66℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.24(d,1H,JHH=7.8Hz,N
H);4.80−4.71(dt,1H,JHH=7.
8Hz,JHH5.5Hz,CH−CH2);4.27
−4.05(m,2H,CH 2−CH3);3.32
(d,2H,JHH=5.5Hz,CH 2−CH);
2.72[dq,1H,JHH=7.0Hz,CH(C
H3)2];1.97(s,3H,CH3CO);1.
26(t,3H,JHH=7.2Hz,CH 3 C
H2);1.15[d,6H,JHH=7.0Hz,
(CH 3)2CH]. 【0027】 【実施例2】 S−イソブチリル−N−アセチル−L−システイン イ
ソプロピルエステルの製法。 【0028】ピリジン(78.5ml;d=0.98
2;0.974モル)とイソブチルクロライド(42m
l;d=1.017;0.413モル)をクロロホルム
(100ml)に滴下した液を、N−アセチル−L−シ
ステイン イソプロピルエステル(50g;0.243
モル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム(4
30ml)に加えた液に加える。 【0029】反応混液は室温にて一晩攪拌した後、水
(250ml)と濃塩酸(85ml)の混合液に注ぎ込
む。 【0030】層を分けてから、有機層は10%塩酸で洗
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム、最後に
再び水で洗う。 【0031】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
粗オイルが得られるので、シリカゲルにてクロマトにか
ける。(溶出液;酢酸エチル:ヘキサン=7:3) 【0032】得られた固形物をヘキサンにて結晶化する
とS−イソブチリル−N−アセチル−L−システイン
イソプロピルエステル(40g)が得られる。 [α]=D 20=−20.8°(C=1%,メタノー
ル) m.p.59〜59.5℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.22(bs,1H,NH);5.00(m,
1H,COOCH);4.77−4.68(m,1H,
CH−CH2);3.38−3.23(m,2H,CH
−CH 2);2.72(m,1H,SCOCH);1.
96(s,3H,COCH3);1.23[d,6H,
JHH=6.2Hz,COOCH(CH 3)2];1.
15[d,6H,JHH=7.0Hz,SCOCH(C
H 3)2]. 【0033】 【実施例3】 S−プロピオニル−N−アセチル−L−システイン エ
チルエステルの製法。 【0034】ピリジン(84.2ml;d=0.98
2;1.045モル)とプロピオニルクロライド(3
8.8ml;d=1.059;0.444モル)をクロ
ロホルム(95ml)に滴下した液を、N−アセチル−
L−システイン エチルエステル(50g;0.216
モル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム(4
60ml)に加えた液に加える。反応混液は室温にて一
晩攪拌した後、水(250ml)と濃塩酸(85ml)
の混合液に注ぎ込む。 【0035】層を分けてから、有機層は10%塩酸で洗
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液、
次に再度水で洗う。 【0036】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
粗オイルが得られるので、シリカゲルにてクロマトにか
ける。(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=8:2) [α]D 20=−28.7℃(C=1%,メタノール) m.p.49〜50℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.28(bs,1H,NH);4.80−4.
70(m,1H,CH);4.16(q,2H,JHH
=7.1;COOCH 2CH3);3.41−3.24
(m,2H,CH2S);2.54(q,2H,JHH
=7.5Hz,SCOCH2CH3);1.97(s,
3H,COCH3);1.25(t,3H,JHH=
7.1Hz,COOCH2CH 3);1.13(t,3
H,JHH=7.5Hz,SCOCH2CH 3). 【0037】 【実施例4】 S−ピヴァロイル−N−アセチル−L−システイン エ
チルエステルの製法。 【0038】ピリジン(68.5ml;d=0.98
2;0.85モル)と、ピヴァロイルクロライド(4
4.6ml;d=0.98;0.355モル)をクロロ
ホルム(75ml)に滴下した液を、N−アセチル−L
−システイン エチルエステル(40g;0.209モ
ル)を30℃にて窒素を通じながらクロロホルム(37
0ml)に加える液に加える。反応混液は室温にて一晩
攪拌した後、水と濃塩酸の混液(70ml)に注ぎ込
む。 【0039】層を分けてから、有機層は10%塩酸で洗
い、次いで水で2回、5%炭酸水素ナトリウム水溶液
(2×250ml)、次に再度水で洗う。 【0040】硫酸ナトリウムで乾燥させ溶媒をとばすと
半固形の粗成分が得られるので、シリカゲルにてクロマ
トにかけると(溶出液:酢酸エチル:ヘキサン=75:
25)純粋のS−ピヴァロイル−N−アセチル−L−シ
ステイン エチルエステルが油状で得られる。 [α]D 20=−15.6° (C=1%,メタノー
ル)1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.20(bs,1H,NH);4.80−4.
71(m,1H,CH);4.27−4.05(m,2
H,CH 2CH3);3.31(d,2H,JHH=
5.5Hz,CH2S);1.97(s,3H,COC
H3);1.26(t,3H,JHH=7.1Hz,C
H2CH 3);1.20[2,9H,C(C
H 3)3]. 【0041】 【実施例5】 S−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)−N−アセ
チル−L−システインメチルエステルの製法。 室温中にてN−アセチル−L−システイン メチルエス
テル(3.54g;20ミリモル)とクロロホルム(3
5ml)に溶かしたピリジン(4.02ml;50ミリ
モル)の溶液中へジメチルカルボニル クロライド
(2.76ml;30ミリモル)を加える。 【0042】反応液は2時間還流後、希塩酸と水で洗
う。硫酸ナトリウムで乾燥させてから溶媒をとばすと、
粗生成物が得られるのでシリカゲルにてクロマトにかけ
る。(溶出液:CH2Cl2:CH3OH=95:5) 【0043】イソプロパノール:ジエチルエーテルの混
液から結晶化するとS−(N,N−ジメチルアミノカル
ボニル)−N−アセチル−L−システイン メチルエス
テル(3.6g)が得られる。 【0044】[α]D 20=−31.7°(C=1%,
メタノール) m.p.119〜121℃ 【0045】 【実施例6】 S−エトキシカルボニル−N−アセチル−L−システイ
ン エチルエステル 実施例1と同様にして、ただしイソブチリル クロライ
ドの代わりにエトキシカルボニル クロライドを使うこ
とにより、S−エトキシカルボニル−N−アセチル−L
−システイン エチルエステルを合成する。 【0046】[α]D 20=−39.1°(C=1%,
メタノール) m.p.41.5〜42.0℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3):δ(pp
m):6.34(d,1H,JHH=7.6Hz,N
H);4.82−4.73(m,1H,CH);4.2
2(q,2H,JHH=7.1Hz,SCOOC
H2);4.16(q,2H,JHH=7.1Hz,C
OO−CH2);(ABXシステムのABポーショ
ン):νA=3.36,νB=3.26;JAB=1
4.4Hz,JAX=4.5Hz,JBX=6.0H
z,SCH2);1.97(s,3H,COCH3);
1.24(t,3H,CH2CH 3);1.25(t,
3H,CH2CH 3). 【0047】 【実施例7】 S−プロピルオニル−N−アセチル−L−システイン
イソプロピルエステルの製法。 実施例2と同様にして、ただしイソブチリル クロライ
ドの代わりにプロピオニル クロライドを使うことによ
り、S−プロピオニル−N−アセチル−L−システイン
イソプロピルエステルを合成する。 [α]D 20=−27.7°(C=1%,メタノール) m.p.54〜55℃1 H−NMR(200MHz,DMSO−d6):δ
(ppm):6.27(ブロード シグナル,1H,N
H);4.98(m,1H,COOH);4.76−
4.67(m,1H,CH−CH2);3.41−3.
23(m,2H,SCH2);2.54(q,2H,J
HH=7.5Hz,SCOCH2);1.96(s,3
H,COCH3);2.45[d,6H,JHH=6.
2Hz,CH(CH 3)2];1.13(T,3H,C
H2CH 3). 【0048】 【実施例8】 試験管内透過検定 化合物1とN−アセチル−L−システインの角膜透過性
をカンバーによる実験モデル(アクタ ファルマシュー
ティカ スエシカ 22巻、335〜342頁、198
5年)により検定した。 【0049】豚の角膜は屠殺後1〜2時間以内に実験に
供する。角膜は2mmの鞏膜と共にとり出し、灌注する
細胞の上に乗せる。 【0050】細胞のドナーコンパートメントと受入のた
めのコンパートメントは各々1mlと6mlの予め35
℃に加温したグルタチオン ビカルボネート リンゲル
(GBR)液で満たしておく。実験中、細胞は34〜3
5℃に保ち、2つのコンパートメントに含まれている液
には95%酸素と5%二酸化炭素を通じる。 【0051】ドナーコンパートメントのに予め入れた液
は、実験開始に当たって酸素−二酸化炭素の混合ガスで
飽和したGBR液1mlと入れ換えるが、この時にテス
トするべき化合物(30マイクロモル)を加えておく。 【0052】4時間に渡って40分ごとに受け入れコン
パートメント中の液を600μlずつサンプリングし
て、直ちに同量のGBR溶液を加える。サンプリングを
終わった時点で一括してHPLCにかけて分析する。 【0053】分析は、受け入れコンパートメントに透過
して出てきた検定中の化合物そのものと、その加水分解
産物の量について行う。実験方法が、サンプリングする
都度、その後ヘ同量のGBR溶液を加えていく手法をと
っているので、得られたデーターは補正(+10%)を
して表す。 【0054】角膜透過性検定に供した化合物1の代表的
なものを下に列記する。対称としてはN−アセチル−L
−システイン(NAC)を用いた。 化合物A:S−イソブチリル−N−アセチル−L−シス
テイン エチルエステル 化合物B:S−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)
−N−アセチル−L−システイン メチルエステル 化合物C:N−アセチル−L−システイン エチルエス
テル 化合物D:N−アセチル−L−システイン イソプロピ
ルエステル 化合物E:S−プロピオニル−N−アセチル−L−シス
テイン エチルエステル 化合物F:S−エトキシカルボニル−N−アセチル−L
−システイン エチルエステル 化合物G:S−プロピオニル−N−アセチル−L−シス
テイン イソプロピルエステル 【0055】豚角膜を透過した化合物1とNACの量は
表1に示した通りである。 【0056】 【表1】【0057】次に、化合物1の透過に際してのラグ タ
イムと絶対透過係数を透過量より計算し、白内障治療用
ではない、いくつかの眼科外用薬剤の透過量値(文献
値)と比較した。結果は表2に示す通りである。 【0058】 【表2】【0059】表2の透過係数とラグ タイムの結果は明
らかに、化合物A〜Gが眼科疾患のための外用治療剤と
して適していることを示している。 【0060】 【実施例9】眼科用外用薬剤の成分の例を表3(A)
(B)に記載する。 【0061】 【表3】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 フランコ ペラシニ
イタリア国 ミラノ 20148 ビア カ
シアレポリ 19 番地
(72)発明者 ルシアノ ソルダチ
スイス国 アグラ 6927 ビア カンパ
グナ 無番地
(72)発明者 アニバレ ガツァニガ
イタリア国 レスカルディナ/ミラノ
20027 ビア ジェネラレ ポロ 22
番地
(72)発明者 セサレ カサグランデ
イタリア国 アレーゼ/ミラノ 20020
ビア カンポガロ 21/67 番地
(56)参考文献 特開 昭56−147715(JP,A)
ANNE H. et al,Pro
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mical and enzymati
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rm,米国,Vol.62,193−205,
1990
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A61K 31/223
A61P 27/12
CAOLD(STN)
CAPLUS(STN)
REGISTRY(STN)
MEDLINE(STN)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記式、化1 【化1】 (式中、Rは水素原子またはR2CO−基;R2は直鎖ま
たは有枝鎖の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜3
のジアルキルアミノ基、フェニル基で部分置換された炭
素数1〜3のアルコキシ基、またはフェニル基を表す。
R1は直鎖または有枝鎖の炭素数1〜3のアルキル基、
またはベンジル基;*印炭素原子はL−システインと同
じ立体構造を持つ。)で示される化合物とキャリヤーか
らなる白内障治療用眼科用外用薬剤。
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Also Published As
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