JP3457636B2 - 通信システム - Google Patents

通信システム

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JP3457636B2
JP3457636B2 JP2000291945A JP2000291945A JP3457636B2 JP 3457636 B2 JP3457636 B2 JP 3457636B2 JP 2000291945 A JP2000291945 A JP 2000291945A JP 2000291945 A JP2000291945 A JP 2000291945A JP 3457636 B2 JP3457636 B2 JP 3457636B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信システムに関す
る。具体的には、特に音声,画像データなどのマルチメ
ディア用データ及び緊急を要するプラント用データなど
の遅延の許されない通信に好適なリアルタイム性が要求
されるデータとその他の遅延がある程度許されるデータ
が混在する通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】DARPA(Defence Advanced Research
Project Agency)プロトコルのTCP(Transmission C
ontrol Protocal)/IP(Internet Protocol)やIS
O(International Standards Organization)のOSI
(Open SystemsInterconnecttion)プロトコルのような
プロトコルを使用した通信システムにおいて、通信の遅
延が許されるデータと遅延の許されないデータ(マルチ
メディア,プラントデータのようなリアルタイム性が要
求されるデータ)を共存させてもリアルタイム性を保持
した通信を実現できる通信システムの構築がエンドユー
ザから求められている。この種の方式として、例えば、
特開平4−180425 号公報に記載のように、受信データ処
理の順序を通信相手端末のネットワークアドレスと通信
相手プロセスに対応付けた情報に従い優先制御する方式
がある。また、例えば特開昭63−287231号公報に記載の
ように、網間中継装置において受信したデータのデータ
長に注目し優先的に処理するデータか否かを判定する方
式がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の通信システムの
優先制御は、同じプロトコルを使用する各アプリケーシ
ョンの通信プログラムごとに優先制御を行うこと、ある
いは同じ通信プログラムであっても通信相手により優先
制御を行うことに配慮されていない。
【0004】また、従来の通信システムの優先制御は、
アプリケーションの通信プログラムで扱うデータごとに
リアルタイム性に応じた優先処理レベルを設定する点に
配慮されていない。
【0005】さらに、従来、システムを設計,構築する
上で使い勝手が悪いという課題があった。
【0006】さらに従来、通信する端末の間に網間中継
装置で接続され複数のネットワークから構成されるよう
な通信システムにおける優先制御に配慮がなされていな
い。
【0007】さらに、従来の通信システムの優先制御
は、優先データが連続した場合、非優先データの送信又
は受信処理が中断されるため、データ送信端末で送信タ
イムアウトとなり再送が頻発することによる通信網の輻
輳状態の防止、あるいは論理回線の切断等の防止に配慮
がなされていない。
【0008】本発明の目的は、アプリケーションの通信
プログラムが扱うデータごとに通信上の制限を設けるこ
となく優先制御を実現しようとするものである。
【0009】また、本発明の目的は、網間中継装置を含
む通信システムにおいて優先制御を実現しようとするも
のである。
【0010】また、本発明の目的は、高優先データの処
理が連続して発生しても、低優先データに飢餓状態を発
生させず、通信網の輻輳防止,論理回線の切断防止を実
現しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の特徴は、通信システムにおいて、送信又は受
信データ内の優先判定情報と予め登録された優先データ
情報からデータの送信又は受信処理の順序をデータごと
に決定することである。すなわち、具体的には、プロト
コルにより規定された端末アドレスが割り当てられてい
る複数の端末装置が通信網によって接続され、前記各端
末装置間でプロトコル情報が格納されたデータを送信又
は受信する通信システムにおいて、優先的に送信又は受
信処理をするか否かを判定する優先判定情報を送信又は
受信データ内のあるプロトコルヘッダ情報とする手段
と、前記優先判定情報のうち優先的に送信又は受信する
データの優先判定情報を予め優先データ情報として登録
する登録手段と、前記送信又は受信データから優先判定
情報を取り出し、優先データ情報として登録されている
データか判定する判定手段と、優先データ情報として登
録されているデータの場合、登録されていないデータよ
りも優先的にデータを送信又は受信処理する送信又は受
信処理手段と、を設けたことである。
【0012】つまり、本発明は、マルチメディア,プラ
ントデータのようなリアルタイム性が要求されるデータ
とある程度の遅延が許されるデータが混在した通信シス
テムにおいて、送信又は受信データ内の優先判定情報と
予め登録された優先データ情報からデータの送信又は受
信処理の順序をデータごとに決定する。それによって、
アプリケーションの通信プログラムが扱うデータごとに
通信上の制限を設けることなく優先制御できる。
【0013】また、上記目的を達成するための本発明の
特徴は、複数の通信網が接続されるような通信システム
において、送信又は受信されるデータを、送信先又は送
信元の通信網の一方の通信網の伝送データサイズに分割
して、データ分割識別子を付け、そのデータ分割識別子
と優先度を対応付け、分割データの送信時又は受信時、
そのデータの分割識別子に対応する優先度に基づいて優
先制御することである。すなわち、具体的には、プロト
コルにより規定された端末アドレスが割り当てられてい
る複数の端末装置が通信網によって接続され、前記各端
末装置間でプロトコル情報が格納されたデータを送信又
は受信する通信システムにおいて、送信データを分割す
る送信データ分割手段と、データを受信時、分割された
前記送信データ内のプロトコルヘッダの優先判定情報か
ら優先データか非優先データかを判定する優先判定手段
と、受信データのヘッダ内のデータ分割識別子と優先か
否かを対応付けた表を記憶する表記憶手段と、分割され
た前記送信データを受信時、そのデータ分割識別子が優
先か否かを前記表から判定する表判定手段と、表判定手
段における判定結果に従い、送信又は受信処理の優先制
御を行う手段とを設けたことである。
【0014】つまり、本発明は、データの送信処理で決
定した優先処理順序をデータ内のプロトコルヘッダの優
先度情報に格納しその情報に従い送信・受信の優先制御
を行う。また、分割したデータのデータ送信時又はデー
タ受信時データ内のプロトコルヘッダの優先判定情報か
ら優先度を決定し、そのデータのデータ分割識別子と対
応付けた表を持ち、分割されたデータの受信時そのデー
タの識別子に対応する優先度を表から求め優先制御す
る。それによって、データ内のプロトコルヘッダにサー
ビス識別子を持たないデータに対しても優先制御でき、
複数の通信網間を接続する網間中継装置,端末へ適用で
きる。
【0015】さらに、上記目的を達成するための本発明
の特徴は、優先処理するデータがある回数連続して発生
したとき、あるいは低優先のデータが発生してからある
時間経過しても処理されない場合、高優先のデータ処理
に影響を与えない程度により低優先のデータを処理する
ことである。すなわち、具体的には、優先処理するデー
タを連続して送信・受信処理できる上限回数を登録する
手段と、非優先処理するデータの送信・受信処理要求が
発生してから優先処理するデータを連続して送信,受信
処理した回数を積算する積算手段と、優先処理するデー
タの送信あるいは受信処理において、前記積算手段によ
り積算された回数が上記登録された上限回数以上か否か
を判定する手段と、上限回数以上の場合、非優先処理待
ちデータを登録されたデータ数分優先的に送信又は受信
処理手段とを設けたことである。又、上限回数の代わり
に、送信又は受信処理するデータがシステム内に残留で
きる上限時間を用いてもよく、又、送信又は受信処理す
るデータがシステム内に残留できる上限時間を各優先処
理レベルごとに登録するレベル別上限時間を用いてもよ
い。
【0016】つまり、本発明は、優先処理するデータが
ある回数連続して発生した場合、あるいは低優先のデー
タが発生してからある時間経過しても処理されない場
合、高優先のデータ処理に影響を与えない程度に、より
低優先のデータを処理する。それによって、高優先デー
タが連続して発生した場合においても低優先データの送
信又は受信処理が完全に中断しないようになるので、不
必要な再送処理による通信網の輻輳状態,論理回線の切
断を回避することができる。
【0017】上記した本発明の特徴および上記した以外
の本発明の特徴は、以下の記載により、さらに明確とさ
れる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図を用いて詳細に
説明する。 <システムの全体構成>初めに、本発明が対象とする通
信システムの全体構成を図2に示す。複数の端末200
〜206が標準的なLAN,WAN等の通信網211〜
214に接続され、各通信網211〜214が網間中継
装置207〜210によって接続されている。そして、
各端末,網間中継装置には、世界標準あるいは業界標準
の通信プロトコルが実装され、プロトコルにより規定さ
れたネットワークアドレスが割り当てられる。各端末に
は、通信プログラムが搭載され、各端末間でデータを送
受信しながらシステム全体の業務処理を進める。通信プ
ログラムからのデータ送信要求,通信網からのデータ受
信は、端末に実装されている通信プロトコルを介しそれ
ぞれ通信網へ送信,通信プログラムへ渡される。ある端
末の通信プログラムから通信相手の端末へデータを送信
すると、複数の通信網を網間中継装置により中継され通
信相手の端末へ届く。
【0019】データをどの端末へ届けるかは、OSI参
照モデルで対応付けるとネットワーク層プロトコルで規
定されるネットワークアドレスで決定され、宛先端末上
でどのプロセスへデータを届けるかは、OSI参照モデ
ルで対応付けるとトランスポート層プロトコルで規定さ
れる宛先サービス識別子で決定される。
【0020】以下、実施例では、通信プロトコルとして
DARPAプロトコルのTCP,UDP,IPを使用す
る通信システムを例に説明する。DARPAプロトコル
のTCP/IPでは、ネットワークアドレスがインター
ネットアドレス,サービス識別子がポート番号になる。
各端末の通信プログラムは、他端末の通信プログラムと
データ通信する場合、コネクション型かデータグラム型
のいずれかの通信方法を用い、通信相手端末のインター
ネットアドレスと宛先ポート番号を明示し、通信相手の
端末,通信プログラムと論理的に結合する。相手通信プ
ログラムは、送信元インターネットアドレスと送信元ポ
ート番号により応答を返す先の端末,通信プログラムを
識別する。通常、コネクション型の通信であればコネク
ション確立時に、送信元インターネットアドレス,宛先
インターネットアドレス,送信元ポート番号,宛先ポー
ト番号が決定される。データグラム型の通信時は、デー
タ単位に決定する。 〔実施例1〕 <構成>以下、第1の実施例について説明する。
【0021】本発明の通信システムの優先通信制御方式
の構成を図1に示す。通信システム内の各端末140
等、通信システム内の業務処理を行う通信プログラム処
理部120,プロトコル送信処理部141,プロトコル
受信処理部143,通信装置111を介し通信網へのデ
ータ送信処理部126,通信網からのデータ受信処理部
(データ受信手段とも称す)130,送受信データの処
理待ちキュー制御部142,144を有する。プロトコ
ル送信処理部141は、TCP/IPプロトコル送信処
理部121〜122から成り、プロトコル受信処理部1
43は、TCP/IPプロトコル受信処理部134〜13
5から成る。送受信データの処理待ちキュー制御部14
2,144は、データを優先的に処理するか否かを決定
するデータの優先判定手段123,131と、送受信処
理待ちキュー127,136へ接続する手段124,1
32と、送受信処理待ちキュー124,132からデー
タを取り出す手段125,133から成る。更に、補助
記憶装置100に優先データ情報を記憶する優先データ
情報登録ファイル101が設けられ、主記憶上に優先デ
ータ情報登録メモリ102,送信・受信処理上限登録フ
ァイル103を配置し優先的に送受信するデータの優先
データ情報をデータの優先判定手段123,131に知
らせる。
【0022】優先データ情報登録ファイル101に登録
された優先データは、データ内に格納される通信プロト
コル情報のプロトコル種別,TCPヘッダ内の宛先およ
び送信元ポート番号,IPヘッダ内の宛先および送信元
ネットワークアドレスから成り、送受信データを優先的
に送受信処理するか否かの判定に使用する優先判定情報
となる。優先データ情報登録ファイル101は、通信シ
ステムの構築時に設定され、システム立ち上げ時に主記
憶上の優先データ情報登録メモリ102に記憶,管理さ
れる。補助記憶装置100の優先データ情報を全ての端
末、および網間中継装置に格納する必要はなく、優先デ
ータ情報管理サーバ端末がシステム内に存在し、その他
の端末,網間中継装置は、立ち上げ時通信要求を発行し
自装置内の優先データ情報登録メモリ102に取り込ん
でもよい。また、この優先データ情報は、静的に割り付
けても、動的に追加,変更,削除等の操作を行っても構
わない。
【0023】網間中継装置は、端末の上記構成と比較す
ると通信プログラム処理部120やTCPプロトコル送
受信処理部121,135を搭載していない装置もある
が通常上記端末140と同じような構成になる。ただ
し、網間中継装置は、二つ以上の通信網へ二つ以上の通
信装置により接続され、それぞれの通信網から受信した
データを別の通信網へ送信し中継する機能を備えてい
る。
【0024】通信システムへの外部からの入力は、通信
ネットワーク(通信網とも称す)110上の所定の端末
より行われ、通信装置111,データ受信手段130,
受信データの優先判定手段131,受信データの接続手
段132,136,受信データの取り出し手段133,
IPプロトコルの受信処理部134,TCPプロトコル
の受信処理部135,通信プログラム処理部120の順
で伝達され処理が行われる。
【0025】処理結果の通信システムの外部への出力
は、通信プログラム処理部120,TCPプロトコルの
送信処理部121,IPプロトコルの送信処理部12
2,送信データの優先判定手段123,送信データの接
続手段124,送信処理待ちキュー127,送信データ
の取り出し手段125,データ送信手段126,通信装
置111の順で伝達され処理が行われ、通信ネットワー
ク110上の所定の端末上へ出力される。
【0026】システム内のいずれかの端末の通信プログ
ラムがデータ出力し、通信網を流れ宛先端末の上記入力
時の処理手順で、受信側通信プログラムに、データが届
けられる。ただし、網間中継装置が介在する場合は、通
信ネットワーク110上の所定の端末より入力が行わ
れ、通信装置111,データ受信手段130,受信デー
タの優先判定手段131,受信データの接続手段13
2,136,受信データの取り出し手段133,IPプ
ロトコルの受信処理部134,IPプロトコルの送信処
理部122,送信データの優先判定手段123,送信デ
ータの接続手段124,送信処理待ちキュー127,送信デ
ータの取り出し手段125,データ送信手段126,通
信装置111の順で伝達され処理が行われ、通信ネット
ワーク110上の所定の端末上へ出力される。 <送信処理>図1を用いて、通信プログラムから通信網
へデータ送信するまでの処理を示す。通信プログラム処
理部120から送信されたデータは、プロトコル送信処
理部141のTCPプロトコル処理部121でTCPヘ
ッダを付加し、次にIPプロトコル送信処理部122で
IPヘッダが付加される。そして、送信データの優先判
定手段123にてデータ内のプロトコルヘッダ内の情報
をチェックし優先送信するか非優先送信かを判定し、送
信処理待ちキュー127の優先データ処理待ちキューか
非優先データ処理待ちキューのいずれかに送信データの
接続手段124にて接続する。送信データの接続手段1
24にて、送信処理待ちキュー127に一つもデータが
接続されていない場合、かつデータ送信手段126にて
通信装置111へデータの送信要求を発行していない場
合は、送信処理待ちキュー127にデータを接続せずに
直接データ送信手段126へデータを渡す。データ送信
手段126で送信データにデータリンク層ヘッダ(LA
Nへの送信時はMACヘッダ)を付加し、通信装置11
1を送信起動し通信網110へデータ送信する。
【0027】データ送信手段126にて通信装置111
へデータを送信要求を発行し、かつ送信処理待ちキュー
127に一つもデータが接続されていない場合、あるい
はデータ送信手段126にて通信装置111へデータを
送信要求を発行し、かつ送信処理待ちキュー127にデ
ータが接続されている場合は、送信処理待ちキュー12
7にデータを接続する。このキューに接続されたデータ
は、データ送信手段126が現在通信装置111へ送信
要求している処理が終了し、通信装置111から終了割
り込みを受けた時点で送信処理待ちキュー127より次
に送信すべきデータを送信データの取り出し手段125
により取り出し通信装置111へ送信要求する。送信デ
ータの取り出し手段125により取り出されるデータ数
は、次に通信装置111が受付可能なデータ数である。
つまり、通信装置111がデータ送信手段126から要
求されたデータを通信網110へ送信し終了するまでの
間送信処理待ちキュー127に溜め込まれる。そして次
に通信網へのデータ送信手段126が動作するときに送
信データの取り出し手段125にて優先データから順に
データを取り出し送信処理を行う。 <受信処理>図1により、通信網からデータを受信し通
信プログラムへ渡すまでの処理を説明する。通信装置1
11が通信網110からデータを受信すると通信装置1
11からデータ受信手段130に割り込みで報告され、
データ受信手段130が通信装置111からデータを取
り込む。受信データの優先判定手段131にて受信デー
タ内のプロトコルヘッダ内の情報をチェックし優先受信
するか非優先受信かを判定し、受信処理待ちキュー13
6の優先データ処理待ちキューか非優先データ処理待ち
キューのいずれかに受信データの接続手段132にて接
続する。受信処理待ちキュー136に一つもデータが接
続されていない場合は、プロトコル受信処理部143を
起動し、一連の割り込み報告による受信処理を終了す
る。データが接続されている場合は、受信処理を即終了
する。プロトコル受信処理部143が起動されると受信
データの取り出し手段133により受信処理待ちキュー
136から次に処理すべき優先度の高いデータを一つ取り
出し、IPプロトコル受信処理部134へデータを渡
し、自端末宛てのデータであれば上位のTCPプロトコ
ル受信処理部135経由で通信プログラム処理部120
へデータを渡す。
【0028】IPプロトコル受信処理部134にて自端
末宛てでないデータでかつ中継すべきデータと判断した
場合は、受信データをプロトコル送信処理部141のI
Pプロトコル送信処理部122へ渡し、送信データの優
先判定手段123,送信データの接続手段124,送信
データの取り出し手段125,データ送信手段126を
経由し送信する。
【0029】プロトコル受信処理部143は、受信処理
待ちキュー136にデータが接続されている限り上記の
プロトコル受信処理を繰り返す。プロトコル受信処理部
143が動作中であっても通信網からのデータ受信手段1
30は、割り込み動作する。このため通信装置111か
ら受信したデータは、受信処理待ちキュー136に接続
され溜め込まれる。この溜め込まれたデータをプロトコ
ル受信処理部143への受信データの取り出し手段13
3にてデータを取り出しプロトコルの受信処理を行う。 <優先判定情報>受信,送信データが優先すべきデータ
か非優先データかを判定するために参照するプロトコル
ヘッダ内の優先判定情報について説明する。
【0030】図3に、通信網を流れるデータフレーム3
00の構成例を示す。データフレーム300は、データ
リンク層としてIEEE802.3 を用いた場合のTC
P/IPのフレーム構成例である。この他、イーサネッ
ト(登録商標)フレームやIEEE802フレームがあ
る。TCP/IPプロトコルを用いた場合の優先判定情
報は、データのプロトコル種別,TCPヘッダ330内
の宛先ポート番号332,送信元ポート番号331、お
よびIPヘッダ320内の宛先インターネットアドレス
322,送信元インターネットアドレス(INA)321で
ある。
【0031】プロトコル種別は、IEEE802.3 の
MACヘッダ,LLC(LogicalLink Control),SN
AP(Sub Network Access Point)から成る物理ヘッダ
310内のSNAPヘッダ内のプロトコルタイプ311
を用いる。プロトコルタイプ311は、DARPAプロ
トコルとしてリクエスト・フォー・コメンツ(RFC)
内にタイプ番号とプロトコル名が記載されており16進
数表記でIPプロトコルが800,ARPが806と決
められている。更にプロトコル種別を限定するために、
プロトコルタイプ311がIPのとき、IPヘッダ31
2内のプロトコル326(IPの上位プロトコル)を用
いる。プロトコル326としては、TCP,UDP、お
よびICMPなどのプロトコルがRFCで定義されてい
る。インターネットアドレスは、IPヘッダ320の送
信元INA(インターネットアドレス)321,宛先I
NA322を用いる。ポート番号は、TCPあるいはU
DPヘッダ330内の送信元ポート番号331,宛先ポ
ート番号332を用いる。
【0032】図4に示す形式により、図1の優先データ
情報登録メモリ102に、上記優先判定情報の内どの組
み合わせを優先的に送受信するかが格納されている。す
なわち、データの物理ヘッダ310内のプロトコルタイ
プ401,IPヘッダ内のプロトコルタイプ402,送
信元のINA403,宛先のINA404,送信元ポー
ト番号405,宛先ポート番号406が、それぞれの対
応する部分に格納されている。プロトコルには、直接、
通信プログラム処理部120において通信プログラムの
処理に使用するTCP,UDPプロトコルとARP,I
CMPのようなシステム内のプロトコル処理から使用さ
れ通信プログラムからは直接使用されないプロトコルが
ある。全てのプロトコルを優先データ情報として登録す
ると優先データ情報登録メモリを検索するオーバーヘッ
ドが大きくなり通信性能が遅延するため、ARP,IC
MPのような直接通信プログラムから使用されないプロ
トコルは、予め優先データとして処理しても良い。優先
データ情報登録メモリを検索するオーバーヘッドを高速
化するためのハッシュ化等の処理も組み込む。また、優
先判定する情報全てを比較しなくても良いように優先デ
ータ情報登録メモリに格納される値が0の場合、その項
目の比較を行わない。この値は0でも−1でも構わない
が優先判定情報内で用いられない値である必要がある。 <優先判定>図5に、送受信データの優先判定手段の一
例のフローチャートを示す。この例では、処理500,
505にて送受信するデータのプロトコル種別をチェッ
クし、ARP,ICMPである場合無条件に優先データ
とし、ARP,ICMP,TCP,UDP以外のプロト
コルである場合非優先データとして扱う。データがTC
P,UDPプロトコルならば処理510〜550にてデ
ータと優先データ情報登録メモリ内全ての宛先,送信元
ポート番号、および宛先,送信元インターネットアドレ
スを比較する。優先データ情報が0の場合は比較せずに
次の優先データ情報の比較を行う。登録されている場
合、優先データとし、登録されていない場合には、非優
先データとする。
【0033】処理500,505の代わりに、優先デー
タ情報登録メモリ内の情報項目プロトコルタイプ401
とデータヘッダ内のプロトコルタイプ311,プロトコ
ル326とIP上位プロトコル402の比較処理を、処
理510と505の間に入れることもできる。データヘ
ッダ内のプロトコルタイプ311,プロトコル326と優
先データ情報登録メモリ内の情報項目プロトコルタイプ
401,IP上位プロトコル402の一致する項目が登
録されている場合処理501以降の判定を行い、一致す
る項目が登録されていない場合、非優先データと判断す
る。 <処理待ちキュー構成>上記のようにデータの優先判定
を行った後、送受信データの接続手段により送受信デー
タ処理待ちキューに接続する。送信・受信処理待ちキュ
ーへのデータ接続方法,取り出し方法を説明する前に送
信・受信処理待ちキューの構成について説明する。
【0034】図6に、送信・受信データ処理待ちキュー
の構成図を示す。送信・受信データ処理待ちキューは、
送信・受信データの処理待ちキュー制御に使用する情報
から成るキューヘッダ610,優先データの処理待ちキ
ュー620と非優先データの処理待ちキュー630から
成る。優先データ処理待ちレベルキュー620,非優先
データ処理待ちレベルキュー630の構造は同じ構造で
ある。各処理待ちキューには、各キューごとに連続して
取り出せるためのデータ数である連続取り出し可能最大
データ数621,631と、現在の連続取り出し可能デ
ータ数622,632,各キューに現在いくつの処理待
ちデータが接続されているかをカウントする処理待ちデ
ータ数623,633,該当優先レベルキューに接続さ
れているデータのFIFOの処理待ち状態のデータリス
トの先頭と最後のデータのデータヘッダアドレス62
4,635と625,635から成る。各キューに接続
されるデータの内部処理構造640は、データの属性や
優先情報等のデータ制御情報を格納するデータ管理ヘッ
ダ641とデータ部642からなる。
【0035】上記処理待ちキューの初期情報の一例を次
に示すと、図6のキューヘッダ610内のトータルデータ
数611が0の場合である。
【0036】送信又は受信できる上限回数は、補助記憶
装置100に送信又は受信処理上限登録ファイル103
を配置し、優先と非優先のそれぞれの処理上限回数を登
録する。この上限回数は、データの送信又は受信処理を
開始するまでに、送信又は受信処理待ちキュー600の
優先データ処理待ちキュー620内の連続取り出し上限
回数621と非優先データ処理待ちキュー630内の連
続取り出し上限回数631に格納する。現在の連続取り
出し回数622,632、その他の処理待ちデータ数、
先頭処理待ちデータアドレス624,634、および最
終処理待ちデータアドレス625,635には0が格納
される。取り出し上限回数621,631以外の情報
は、処理待ちキューへのデータ接続処理,データ取り出
し処理により値が変更される。 <接続方法>図7に、送受信処理待ちキューへのデータ
の接続方法のフローチャートを示す。処理710で接続
するデータが優先か非優先かを判定する。処理720に
て優先データならば優先データの処理待ちキューの最終
処理待ちデータアドレス625で示されるデータの次に接
続し、優先データ処理待ちキューの処理待ちデータ数6
23を1加算する。非優先データならば処理730にて
非優先データの処理待ちキューの最終処理待ちデータア
ドレス625で示されるデータの次に接続し、非優先デ
ータ処理待ちキューの処理待ちデータ数623を1加算
する。最後に処理740にてキューヘッダ内のトータル
データ数611を1加算する。 <取り出し方法>次に、図8に、送信・受信データ処理
待ちキューから送信処理するデータ、あるいは受信処理
するデータを取り出す方法のフローチャートを示す。こ
の処理には優先データが連続処理されることにより非優
先データが送信又は受信処理待ちキューから取り出せず
飢餓状態に陥ることを防止する処理も含めている。この
フローに示す飢餓状態防止方法は、優先データ,非優先
データの連続処理回数を用いた1例である。
【0037】処理810〜825は、優先データ処理待
ちキューからのデータ取り出し処理である。処理850
〜860が非優先データ処理待ちキューからのデータ取
り出し処理である。処理830,840,845,86
5,870は、飢餓状態防止のための調整処理部であ
る。非優先データの飢餓状態を防止するため、各キュー
の連続取り出し上限回数と現在の連続取り出し回数を用
い、優先データの連続取り出し数を現在の連続取り出し
回数でカウントし、連続取り出し上限回数を越えた(又
は上限回数と等しい)時、非優先データがあれば非優先
データを取り出す。この時に非優先データをいくつ処理
するかは、登録されている非優先データ処理待ちキュー
の取り出し上限回数で決まる。
【0038】通常優先データが存在する場合は、非優先
データが存在しても処理810〜830により処理待ち
キューから優先データが取り出され、優先データ処理待
ちキュー620の処理待ちデータ数623と連続取り出
し回数622が減算される。優先データ処理待ちキュー
620の連続取り出し回数が、連続取り出し上限回数と
等しくなる(処理815)と優先データの取り出しを中
断し、非優先データが存在するかチェック(処理84
0)する。非優先データが存在する場合は、処理855
〜860にて非優先データの取り出しを行う。この後、
処理865にて、非優先データの連続取り出し回数63
2が連続取り出し上限回数631を越えた(又は上限回
数631と等しい)場合、非優先データおよび優先デー
タの処理待ちキューの連続取り出し回数632,622
を0に設定する(処理870)。
【0039】この連続取り出し回数の初期化(処理84
5,870)は、送信・受信処理待ちキューにデータが
一つも存在しなくなった時(処理810−850−87
0)、優先データは存在するが優先データの連続取り出
し回数が連続取り出し上限回数となり、非優先データの
取り出しを行おうとしたが非優先データが存在していな
かった時(処理840−845)、優先データ,非優先デ
ータとも取り出し回数622,623が連続取り出し上
限回数と等しくなった時(処理865−870)行われ
る。連続取り出し回数の初期化は、優先データの取り出
しを中断する必要がなくなったタイミングで行う。
【0040】上記は、連続取り出し回数を積算する積算
手段と、積算値が上限回数に達したか否か判定する積算
値上限回数判定手段を用いた例である。
【0041】このほか、予め連続取り出し回数を上限回
数で初期化し、データを取り出すごとに減算し、0にな
ったか否か判定する方式でもよい。
【0042】上記の優先データ,非優先データの連続処
理回数による飢餓状態防止策の他に次方式でも良い。補
助記憶装置100にシステム内に残留できる上限時間を
送信・受信処理上限登録ファイル103に登録し、デー
タの送信又は受信までにそれぞれの処理待ちキューに格
納する。そして、送信・受信処理待ちキューにデータを
接続した後、一定周期にキューに接続されているデータ
のデータヘッダ内の待ち時間カウンタを加算し、残留上
限時間を越えたデータ(又は残留上限時間と等しいデー
タ)を準優先データとし処理待ちキューから取り出す。
この時本来の優先データの遅延を招かないよう取り出し
個数を優先データ複数個に対し準優先データ一つという
ように調整し取り出す。また、回数による方式と接続さ
れてからの待ち時間両方を組み込んだ取り出し方法でも
よい。これらについての詳細な例は、実施例3にて示
す。
【0043】本実施例によれば、プロトコル種別,IP
ヘッダ内のインターネットアドレス、およびTCPある
いはUDPヘッダ内のポート番号を用いて優先送信処
理,優先受信処理したいデータを判別でき、通信プログ
ラムで送受信するデータ単位にリアルタイム性が要求さ
れるデータを優先処理できる効果がある。また、優先判
定情報をポート番号だけにすることにより通信システム
内のサービス種別単位に優先処理でき優先判定の処理オ
ーバーヘッドを低減することもできる。 〔実施例2〕以下、実施例2について説明する。
【0044】実施例1では、データ受信時もTCPある
いはUDPのポート番号とIPのインターネットアドレ
スを優先判定情報として用いた例を示した。しかし、T
CPあるいはUDPからの送信データサイズが下位通信
網の最大転送バイト数よりも大きい場合、送信データを
セグメンティング(分割)し、受信データをリアセンブ
ル(再組み立て)する。このセグメンティングされたデ
ータには、TCPやUDPヘッダを含まないデータフレ
ームも存在してしまう。つまり、セグメンティングされ
たデータを受信した時に実施例1で示した優先判定情報
だけでは優先データか非優先データかを判定できない場
合が生じる。これを回避する方法について、この実施例
2で説明する。
【0045】上記セグメンティング,リアセンブル処理
は、IPプロトコルとして規定されており周知である。
この送信データのセグメンティングしたデータは、IP
プロトコルではフラグメントと呼ばれている。このフラ
グメントの概略図を図9に示す。データ900をIPプ
ロトコルが送信依頼された場合、IPヘッダ902から
ユーザデータ2の904までのデータサイズが送信先の
通信網が扱える最大転送バイト数より大きい時、データ
910とデータ920のようにデータを分割する。図9
には、二つに分割した図を示している。一つ目のデータ
910には、TCP/UDPヘッダ913が付加される
が、二つ目以降の分割されるデータにはTCP/UDP
ヘッダは付加されない。IPプロトコルでは、一つのデ
ータを複数に分割し送信する場合、データを受信した側
で再組み立てできるための情報を各分割データ内のIP
ヘッダ912,922に格納するようになっている。図
3のデータ分割識別子327,フラグ324,FO32
5の情報が再組み立てに使用する情報である。
【0046】実施例1では、送信データの判定手段を、
図1のIPプロトコル送信処理部122の次に置き処理
していたが、実施例2では、IPプロトコル送信処理部
122でデータ分割処理を行う前に置く。そして優先判
定した結果を元に分割するデータ全てのIPヘッダのタ
イプオブサービスフィールド(図9の950)内のデー
タグラムの優先度(図9の951)にデータの優先か否
かの識別子を格納する。以後の優先送信処理は、この優
先識別子により優先データか非優先データかを判断する
以外、実施例1と同じである。格納するデータの優先識
別子の値は、送信データの優先判定により優先データか
非優先データかを識別した後で、それぞれに対応付けて
登録されている優先識別子を用いる。
【0047】データ受信処理の構造は、実施例1の場合
と略同じ。ただし、図1の受信データの優先判定手段1
31が、実施例1で示した方法と異なる。すなわち、異
なる部分は、プロトコル種別がIPプロトコルであると
認識した後の優先データか非優先データかの判定を、図
9のIPヘッダ内タイプオブサービス情報中のデータグ
ラムの優先度951を用いて行うところである。この優
先度951は、上記データ送信処理で説明した通り、予
め優先データと非優先データに対して優先識別子を対応
付けて置き、その優先識別子の値に従い優先判定を行
う。優先判定後の処理は、実施例1と同じ処理を行う。
【0048】本実施例によれば、最大転送バイト数の異
なる下位通信網が複数存在する通信システムにおける網
間中継装置で送受信データがセグメンティングされても
どのデータを優先的に処理するかを判別でき、本発明を
適用できる通信機器に制限を付けずに優先制御を行える
効果がある。
【0049】本実施例では、データ送信時、優先データ
と非優先データに対応するデータの優先度をデータ内の
プロトコルヘッダの優先度情報951に格納し、データ
を受信時、データ内のプロトコルヘッダの優先度情報9
51に従いデータの受信処理を優先制御する例を示し
た。この方法では、予め端末がデータ内のプロトコルヘ
ッダの優先度情報951に優先するか否かを示す優先識
別子を設定しなければいけない。このため、上記処理を
行わない端末からデータを受信し中継する場合にIPプ
ロトコルに準拠した端末,網間中継装置で、処理が正常
動作しない場合又は優先判定ができない場合が発生す
る。これを回避するために、データ送信時データ内のプ
ロトコルヘッダの優先度情報951を格納せずに、実施
例1の通り送信する。そして、図3に示すような、予め
受信したデータのIPヘッダ内のIdentification(デー
タ識別子)327,フラグメントオフセット325,フ
ラグ324を監視し、分割されたデータの先頭データと
判断した場合、そのデータが優先すべきデータかを優先
判定情報より決定し、優先データであるとき、データ分
割識別子ごとに記憶する。一つのデータ分割識別子に1
ビット割り付け、データ分割識別子ごとに優先データか
否かを管理できるようにする。初期値はオフとし、分割
データの先頭データのヘッダ情報から優先すべきデータ
と判断したときに、対応するデータ分割識別子のフラグ
をオンする。受信したデータのIPヘッダ内のフラグメ
ントオフセット,フラグから分割された2個目以降のデ
ータと判断した場合、IPヘッダ内のデータ分割識別子
に対応するフラグがオンであれば、優先データ、オフで
あれば非優先データとして処理する。分割されたデータ
の最後のデータを受信した場合、優先判定を実施後、I
Pヘッダ内のデータ分割識別子に対応するフラグがオフ
する。この方法では、プロトコルヘッダの優先度情報に
優先するか否かを示す値を設定する処理を採用しない端
末からのデータも網間中継装置で中継するデータに対し
優先制御でき、かつIPプロトコルで規定されるデータ
グラムの優先度951をサポートしている端末、網間中
継装置でもプロトコル違反をすることなく優先制御でき
る効果がある。 〔実施例3〕以下、実施例3について説明する。実施例
1,2では、優先と非優先の2レベルの優先制御である
が、実施例3では、優先制御を2レベル以上の複数の優
先処理レベルで実施する場合の実施例について説明す
る。
【0050】通信システム内の優先通信制御方式の構成
は、実施例1で説明した図1の構成と略同じであるが、
優先データ情報登録ファイル101と優先データ情報登
録メモリ102の構成,送信又は受信処理上限登録ファ
イル102,送信・受信処理待ちキュー127,136
の構成,処理待ちキュー内の各種管理情報が異なる。更
に、送信・受信データの優先判定手段123,131や
送信・受信データの接続手段124,132、および送
信・受信データの取り出し手段125,133でそれぞ
れ優先処理レベルを考慮した処理を行う。また、低い優
先レベルの飢餓状態を防止するための手段として、本実
施例では、定周期残留積算手段150を使用する。優先
判定情報の構成,通信プログラムから通信網へデータ送
信するまでの処理、および通信網からデータを受信し通
信プログラムへ渡すまでの処理は、実施例1と同じであ
る。
【0051】優先データ情報は、実施例1で説明した図
4の構成に優先レベルを追加した図10の構成を用い
る。この優先データ情報に登録されている優先判定情報
を持つデータの優先レベルは、図10の優先判定情報と
一致した情報内の優先処理レベル1007値を用いて以
後の送信・受信処理の優先制御を行う。データの優先判
定情報が優先データ情報登録メモリ102に登録されて
いない場合は、最も低い優先処理レベルを割り当て、送
信・受信処理する。
【0052】図11に、優先レベルを3とした場合の送
信・受信処理待ちキューの構成を示す。送信・受信処理
待ちキュー1100は、キューヘッダ1110と使用す
る優先処理レベル数分の優先処理レベルごとの処理待ち
キュー1110,1120,1130,1140から成
る。キューヘッダ1110には、各優先処理レベルごと
の処理待ちキューに接続されているトータルデータの数
を格納するトータルデータ数1111,飛び越しデータ
リスト1112、および優先処理レベル数1113,飛び越
しデータ数1114から成る。飛び越しデータリスト1
112は、低い優先レベルのデータが処理待ちキューに
接続されてから定周期残留積算手段150にて飢餓状態と
判断したデータを最優先で送信待ちするリストである。
優先処理レベル数1113は、通信システム内で使用す
る優先処理レベルの数を予め決定し登録しておく。各優
先処理レベルごとの処理待ちキューの構成情報1121
〜1123、およびキューに接続するデータ構造114
0は、データヘッダに残留カウンタ1150を持つ以外
は、実施例1で説明したものと同様のものである。
【0053】キューヘッダ情報1110の初期値は、ト
ータルデータ数1111と飛び越しデータ数が0,優先
データ情報登録ファイル101より入力し、優先処理レ
ベル数に予め登録された値を格納する。各優先レベルご
との処理待ちキューの処理待ちデータ数1121が0,
残留上限値1123は、送信・受信処理上限登録ファイ
ル103より入力し、予め登録された値を初期値とす
る。キューヘッダ1110と優先レベル1120,113
0,1140ごとの処理待ちキュー内のデータリスト
は、データが接続されていない状態にする。 <優先判定>優先処理レベル化した優先制御で使用する
送信・受信データの優先判定方法は、図5の処理555
のように無条件に優先データとする処理の代わりに、デ
ータ内の優先判定情報と図10の優先データ情報登録メ
モリに登録されている優先データ情報の一致する情報内
の優先処理レベル1007をデータの優先処理レベルと
する処理方法である。また、ARPとIP以外のプロト
コルタイプ,ICMP,TCP,UDP以外のIPプロ
トコル上位のプロトコル,優先データ情報登録メモリに
登録されていない優先判定情報のデータの場合(処理5
00〜510)は、処理560の代わりに最も低い優先
処理レベルのデータとして扱う。これらプロトコルも図
10に示す優先データ情報登録ファイルに登録しておく
ことにより優先処理レベルを設定することも可能であ
る。上記データの優先判定後、図11のデータヘッダ1
141内に優先処理レベル1151を格納し、データの
処理待ちキューへの接続処理へ渡す。以後データを通信
網へ送信するか、あるいは受信データを通信プログラム
に渡すまで各処理でデータヘッダ内の優先処理レベル1
151を参照する。
【0054】又、データの送信要求時あるいはデータ受
信時からシステム内に残留している時間を積算するため
の残留カウンタ1150をデータヘッド内に有する。残
留カウンタ1150は、データの送信要求時あるいはデ
ータ受信時に0で初期化する。 <データの接続>送信・受信データを送信・受信処理待
ちキュー1100へ接続するのは、データの接続手段に
て行い、接続フローを図12に示す。データは、処理1
200にてデータの優先処理レベルに対応する処理待ち
キューの一番最後に接続し、この優先レベルキューの処
理待ちデータ数を1加算する。そして処理1210にて
キューヘッダのトータルデータ数を1加算する。 <データの取り出し>以下、優先処理レベルをレベル
で、送信・受信処理待ちキューを処理待ちキューで、優
先レベルごとの処理待ちキューをレベルキューで説明す
る。処理待ちキューからレベルを用いて一つのデータを
取り出すフローチャートを図13に示す。実際の処理で
は図13の処理フローを取り出したいデータ数分ループ
し、データを取り出す。取り出し処理の説明を簡単にす
るため一つのデータを取り出す処理に限定している。
【0055】処理1300にて現在処理待ちキューにデ
ータが接続されているかをキューヘッダのトータルデー
タ数で判定する。データが接続されていない場合は、デ
ータなしとして処理を終了する。一つ以上のデータが接
続されている場合は、低い優先レベルのデータが飢餓状
態に陥った時に接続されるキューヘッダ内の飛び越しデ
ータリストにデータが接続されているかを処理1305
でチェックする。飛び越しデータが存在する場合は、処
理1335〜1340でキューヘッダからデータを外し
トータルデータ数1111と飛び越しデータ数1114
を1減算する。この飛び越しデータリストへデータを接
続するのは、定周期残留積算手段にて行う。この手段に
ついては、後ほど説明する。通常は、処理1305〜1
330を繰り返し、最も高い優先レベルのキューから順
に低いレベルのキューをサーチし取り出せるデータが存
在するかサーチする。現在のサーチ対象レベルキューに
データがあるか処理1310で判定する。処理待ちデー
タがある場合、処理1315にてデータを一つ取り出し、処
理1320で処理待ちキューのトータルデータ数、現在
のサーチ対象レベルキューの処理待ちデータ数を1減算
する。処理1310でサーチ中の対象レベルキューにデ
ータがない場合は、処理1325にてサーチする優先レ
ベルを変更する。その結果のサーチ優先レベルが最低レ
ベルを越えたかを処理1330で判定し、越えていない
場合は、処理1305から次の優先レベルキューのサー
チを繰り返す。処理1330で、最低レベルを越えた場
合は、取り出せるデータなしとして終了する。 <定周期残留積算手段>次に、図14に、定周期で起動
され処理待ちキュー内に接続されるデータの残留時間の
積算手段についての処理手順を示し説明する。この処理
は、予め登録された時間に従い、一定周期で起動され、
図14のフローチャートに示す処理を実行する。処理1
400で処理待ちキューに最優先レベルキューの処理待
ちデータおよびキューヘッダ内の飛び越しデータ以外の
データがあるか判定し、ない場合は処理を終了する。最
優先データと飛び越しデータ以外のデータがある場合
は、最優先レベルより一つ下の優先レベルのキューから
順に最低レベルのキューまで処理1405〜1420を
繰り返し、全ての処理待ちデータのデータヘッダ内残留
カウンタ1150を1加算する。加算した結果、そのデ
ータのレベルキューの残留上限値1123を越えた(又
は等しい)場合は、飢餓状態のデータと判断(処理14
20)し、処理1425〜1430でそのデータを接続
されているレベルキューから外しキューヘッダの飛び越
しリスト1112の一番後ろへ接続し、処理待ちデータ
数1121を1減算する。
【0056】本実施例によれば、複数の優先処理レベル
を用いるので、リアルタイム性が要求されるデータをさ
らに送信・受信処理する際に優先順序化することができ
る。また、定周期残留積算手段を用いるので、高優先デ
ータが連続して発生した場合においても低優先データの
送信・受信処理が完全に中断しないようになるので、不
必要な再送処理による通信網の輻輳状態,論理回線の切
断を回避できる効果がある。 〔実施例4〕以下、実施例4について説明する。実施例
3の場合は、実施例2で説明したセグメンティングされ
るデータに対して優先判定情報を取り込めず優先判定が
できない場合がある。そこで、本実施例では、実施例3
の場合に、実施例2で説明したセグメンティング,リア
センブルされるデータに対しての優先制御方法を取り入
れた複数の優先処理レベルによる通信方法を説明する。
【0057】送信データの判定手段を、実施例3では、
図1のIPプロトコル送信処理部122の次に置き処理
していたが、本実施例では、IPプロトコル送信処理部
122でデータ分割処理を行う前に置く。そして、優先
判定手段にて求めた優先処理レベルを分割するデータ全
てのIPヘッダのタイプオブサービスフィールド(図9
の950)内のデータグラムの優先度(図9の951)
に格納する。以後の優先送信処理は、実施例3と同様で
ある。優先度とする値は、優先処理レベル値を直接格納
しても、優先レベルと優先度変換表により変換した値を
格納しても良く、通信システム内で統一されていればよ
い。データ受信処理の構造は、実施例3と略同様であ
る。ただし、図1の受信データの優先判定手段131が
実施例3で示した方法と異なる。異なる点は、プロトコ
ル種別がIPプロトコルであると認識した後の優先判定
を、図9のIPヘッダ内タイプオブサービス情報中のデ
ータグラムの優先度(図9の951)を用いて行う点で
ある。上記データ送信処理で説明したとおり、予め優先
処理レベルとIPヘッダ内の優先度を対応付けて置き、
優先度951の登録値に従い優先判定を行う。優先判定
後の処理は、実施例3と同様の処理を行う。
【0058】本実施例によれば、データのセグメンティ
ングに対応しているので、実施例3の効果に加え、複数
の異なる通信網からなる通信システムへも適用可能とな
る効果がある。
【0059】本実施例では、データ送信時、優先処理レ
ベルをデータ内のプロトコルヘッダの優先度情報に格納
し、データを受信時、データ内のプロトコルヘッダの優
先度情報に従いデータの受信処理を優先制御する例を示
した。この方法では、予め端末がデータ内のプロトコル
ヘッダの優先度情報に優先する処理レベルを設定してお
く必要がある。このため、上記処理を行わない端末から
のデータを受信し中継する場合に優先処理レベル判定で
きない問題が発生する。これを回避するために、データ
送信時、データ内のプロトコルヘッダの優先度情報を格
納せずに送信する。そして、予め受信したデータのIP
ヘッダ内のデータ分割識別子(Identification),フラ
グメントオフセット,フラグを監視し、分割されたデー
タの先頭データと判断した場合、そのデータが優先すべ
きデータかを優先判定情報より決定し、優先データであ
る時、データ分割識別子ごとに記憶する。そして、受信
したデータ分割識別子と優先処理レベルを対応付ける表
を管理する。初期値は、0とし、分割データの先頭デー
タのヘッダ情報から優先処理レベルを決定し、そのデー
タ分割識別子と優先処理レベルを記憶する。受信したデ
ータのIPヘッダ内のフラグメントオフセット,フラグ
から、分割されたデータの2個目以降のデータであると
判断した場合、IPヘッダ内のデータ分割識別子が前記
表に記憶されていれば、その優先処理レベルに送信又は
受信処理する。分割されたデータではあるが、対応する
データ分割識別子が前記表に記憶されていない場合は、
先頭データがまだ到着していない、又は途中で破棄され
たと見做し、予め登録されている優先処理レベルで送信
又は受信処理する。その後、先頭データが到着した場合
は、そのデータの分割識別子と優先処理レベルを上記表
に記憶する。分割データの最後のデータを受信した場
合、優先判定を実施した後、そのデータの分割識別子と
優先処理レベルを上記表から削除する。高速検索できる
ためのハッシュ化による検索,登録、および削除などの
方法により上記表の管理を行う。この方法によれば、異
なる構成の端末からのデータを網間中継装置で中継する
データに対して優先処理レベルによる優先制御ができ
る。
【0060】以上説明したように、マルチメディア,プ
ラントデータの様なリアルタイム性が要求されるデータ
とある程度の遅延が許されるデータが混在した通信シス
テムにおいて、データの送受信処理の順序をデータごと
に決定できるので、アプリケーションの通信プログラム
が扱うデータごとに通信上の制限を設けることなく優先
制御できる効果がある。また、アプリケーションの通信
プログラムに、通信上の制限を設けることなく通信デー
タ単位に優先処理レベルを設定できる。さらに、データ
内のプロトコルヘッダにサービス識別子を持たないデー
タに対しても優先制御できるため、種別の異なる複数の
通信網を中継する網間中継装置へも適用できる効果があ
る。高優先データが連続して発生した場合においても低
優先データの送受信処理が完全に中断しないようになる
ので、不必要な再送処理による通信網の輻輳状態,論理
回線の切断を回避できる効果がある。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、アプリケーションの通
信プログラムが扱うデータごとに通信上の制限を設ける
ことなく優先制御を実現できる。
【0062】また、本発明によれば、網間中継装置を含
む通信システムにおいて優先制御を実現できる。
【0063】また、本発明によれば、高優先データの処
理が連続し発生しても、低優先データに飢餓状態を発生
させず、通信網の輻輳防止,論理回線の切断防止を実現
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通信システムの優先通信制御方式の構成図。
【図2】通信システム全体の図。
【図3】TCP/IPデータフレームの構成図。
【図4】実施例1の優先データ情報登録メモリの構成
図。
【図5】実施例1のデータの優先判定手順を示す図。
【図6】実施例1の送受信データの処理待ちキューの構
成図。
【図7】実施例1の送受信データを処理待ちキューへ接
続する手順を示す図。
【図8】実施例1の処理待ちキューから送受信データを
取り出す手順を示す図。
【図9】実施例2のIPプロトコルによるセグメンティ
ング処理を示す図。
【図10】実施例3の優先データ情報登録メモリの構成
図。
【図11】実施例3の送受信データの処理待ちキューの
構成図。
【図12】実施例3の送受信データを処理待ちキューへ
接続する手順を示す図。
【図13】実施例3の処理待ちキューから送受信データ
を取り出す手順を示す図。
【図14】実施例3の定周期残留積算手段の手順を示す
図。
【符号の説明】
100…補助記憶装置、101…優先データ情報登録フ
ァイル、102…優先データ情報登録メモリ、103…
送信・受信処理上限登録ファイル、110…通信網、1
11…通信装置、120…通信プログラム処理部、12
1…TCPプロトコルの送信処理部、122…IPプロ
トコルの送信処理部、123…送信データの優先判定手
段、124…送信データの接続手段、125…送信デー
タの取り出し手段、126…データ送信手段、127…
送信処理待ちキュー、130…データ受信手段、131
…受信データの優先判定手段、132…受信データの接
続手段、133…受信データの取り出し手段、134…
IPプロトコルの受信処理部、135…TCPプロトコ
ルの受信処理部、140…中央処理装置,主記憶装置、
141…プロトコル送信処理部、142…送信データの
処理待ちキュー制御部、143…プロトコル受信処理
部、144…受信データの処理待ちキュー制御部、15
0…定周期残留積算手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04L 29/04 (72)発明者 桜庭 恒一郎 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 日立プロセスコンピュータエンジニアリ ング株式会社内 (72)発明者 鴨志田 弘司 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 日立プロセスコンピュータエンジニアリ ング株式会社内 (72)発明者 足達 芳昭 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 平5−175970(JP,A) 特開 平5−165774(JP,A) 特開 平4−282935(JP,A) 特開 平4−167729(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 29/06 H04L 12/28 H04L 12/46 H04L 12/56 H04L 12/66 H04L 29/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロトコルにより規定された端末アドレス
    が割り当てられている複数の端末装置が通信網によって
    接続され、前記各端末装置間でプロトコル情報が格納さ
    れたデータを送信又は受信する通信システムにおいて、 送信データを分割する送信データ分割手段と、 データを受信時、分割された前記送信データ内のプロト
    コルヘッダの優先判定情報から優先データか非優先デー
    タかを判定する優先判定手段と、 受信データのヘッダ内のデータ分割識別子と優先か否か
    を対応付けた表を記憶する表記憶手段と、 分割された前記送信データを受信時、そのデータ分割識
    別子が優先か否かを前記表から判定する表判定手段と、 表判定手段における判定結果に従い、送信又は受信処理
    の優先制御を行う手段とを設けたことを特徴とする通信
    システム。
  2. 【請求項2】請求項において、 前記送信データを分割する送信データ分割手段は、定期
    的に送信データを分割することを特徴とする通信システ
    ム。
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