JP3456652B1 - 気化熱を利用した冷却装置および冷却用シート - Google Patents

気化熱を利用した冷却装置および冷却用シート

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JP3456652B1 JP2003101003A JP2003101003A JP3456652B1 JP 3456652 B1 JP3456652 B1 JP 3456652B1 JP 2003101003 A JP2003101003 A JP 2003101003A JP 2003101003 A JP2003101003 A JP 2003101003A JP 3456652 B1 JP3456652 B1 JP 3456652B1
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Abstract

【要約】 【課題】炎天下の野外に於いて日差しと高熱を避け、冷
却効果を得ることの出来る簡便な冷却装置を供するこ
と。 【解決手段】 液体を吸収し蒸発させることの出来る吸
水体と液体を入れることの出来る容器とからなり、当該
吸水体である縦糸と横糸が交差する布もしくは網等の布
状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭まるように裁断
し、平面方向において当該布状体の中央部の縦糸がほぼ
放射状を形成するように縫製もしくは配置することで吸
水体とし、前記上部の縦糸の端部を吸水口として容器内
の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして配置した前記
容器外部の吸水体から前記容器内の液体を蒸発させ、気
化熱の放出によって冷却効果を生じせさせる冷却装置を
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は野外に於いて、液体
が蒸発するときに気化熱を放出することを利用して冷却
効果を得るための冷却装置である。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献】特願2001−323077本願発明は特
願2001−323077の改良発明であり、当該発明
の不備を補うものである。当該発明では請求項2におい
て「上記吸水体を筒状に配置した布状、あるいは網状を
呈する吸水物とし、上部を束ねるように絞り込んで吸水
口とし、下部を広げて覆いとする」とあり、この発明に
よれば吸水体は低いコストで製造できるものの、前記上
部が絞り込んだことによってかなりかさばり、扱いづら
いものとなる。
【0003】又、請求項3において「吸水体を中央から
放射状に縦糸を配した布状体、あるいは網状体とした」
とあり、当該布状体の製造方法が示されている。この布
状体は冷却装置用の吸水体として大変優れた効果を発揮
するものの、特殊な織り方をするためコストが高くな
り、製品の普及に困難が予想される。製造が容易であ
り、経済的で扱いの簡便な野外用冷却装置が望まれる。
【0004】又、請求項9に「容器外側の底部にローラ
ーを配してなる」冷却装置であって、自動車の屋根上を
ローラーを回転させて移動することが記載されている。
容器の底部にローラーを配し、屋根上を移動させること
は弱い力で容器を屋根に載せる上で有効であるが、利用
者に屋根の塗装を傷つけるのではないかという不安感を
抱かせる。弱い力でも容器を自動車の屋根に裁置可能
で、塗装を傷つける心配のない裁置手段が望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特願2001−323
077に示された発明の不備を補い、野外に於いて日差
しと高熱を避け、冷却効果を得ることの出来る簡単な構
造による冷却装置を供すること。
【0006】
【課題を解決するための手段】液体を吸収し蒸発させる
ことの出来る吸水体と液体を入れることの出来る容器と
からなり、当該吸水体である縦糸と横糸が交差する布も
しくは網等の布状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭ま
るように裁断し、平面方向において当該布状体の中央部
の縦糸がほぼ放射状を形成するように縫製もしくは配置
することで吸水体とし、前記上部の縦糸の端部を吸水口
として容器内の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして
配置した前記容器外部の吸水体から前記容器内の液体を
蒸発させ、気化熱の放出によって冷却効果を生じせさせ
る冷却装置を供する。
【0007】自動車の屋根に設置可能なレールと、液体
を入れることのできる容器と、自動車を被うことのでき
る吸水体により構成され、前記レールを自動車の屋根の
左右を結んで設置し、当該レール上での前記容器の移動
と裁置もしくは容器のレール上への固定を可能にし、前
記給水体の一端を前記容器内に配して吸水口とし、当該
容器内部の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして配置
した当該容器外部に配した前記吸水体より蒸発させて、
気化熱の放出によって冷却効果を生じせさせる自動車用
冷却装置を供する。
【0008】縦糸と横糸が交差する布もしくは網等の布
状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭まるように裁断
し、平面方向において当該布状体の中央部の縦糸がほぼ
放射状を形成するように縫製し、当該縦糸の端部を吸水
口とし、当該縫製された布状体の外周に沿って被冷却物
への取り付け手段を設けた吸水体であって、前記上部の
縦糸の端部を吸水口として容器内の液体を吸収させ、被
冷却物の覆いとして配置した前記容器外部の吸水体から
前記容器内の液体を蒸発させ、気化熱の放出によって冷
却効果を生じせさせる冷却用シートを供する。
【0009】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態について図を用
いて説明する。図1は被冷却物を自動車とし、本発明を
自動車カバーとして使用した実施例1の使用時の状態を
示した斜視図である。容器1を自動車2の屋根に載せ、
吸水体3を容器1から引き出し、吸水体固定具31によ
って自動車2の下部に取り付ける。容器1の中に貯えら
れた水等の液体が毛細管現象によって吸水体3に吸収さ
れ、サイホン現象により吸水体3の全体に行き渡る。液
体ここでは水が蒸発する際に気化熱を放出し、冷えた吸
水体及び生じた冷気が吸水体3に覆われた被冷却物を冷
却する。
【0010】図2は吸水体3を構成するための基本形で
ある布状片4の構成を示す概念説明図である。縦糸5と
横糸6が交差する布もしくは網等の布状体を、上下に縦
糸5が貫通し、布状片上部41が狭まり、布状片下部4
2が拡がるように裁断する。布状片上部41に縦糸5を
下垂可能に設けて吸水口32とする。図は説明をわかり
やすくするため縦糸5と横糸6の数を極端に削減してあ
るが、布片4の全体が縦糸5と横糸6によって構成され
る極一般的な布の構成と同じである。
【0011】図3は吸水体3の斜視図である。布状片4
を中央部が狭まり、縦糸5がほぼ中央に向かうように配
置して縫製する。吸水体3のほぼ中央部まで到達した縦
糸5は下垂して吸水口32を形成する。吸水口32は図
1のように容器1の内部に固定もしくは可動的に設置さ
れ、容器1内部の液体に接するようにする。吸水口32
より毛細管現象によって縦糸5に吸収された液体は、サ
イフォン現象により縦糸5を通って布状片下部42であ
る吸水体3の外周部に向かって移動し、次いで、交差し
た横糸6に吸収され、蒸発する。縦糸5と横糸6の関係
については図2と同様である。
【0012】図4は実施例2の斜視図である。上から見
下ろした平面方向において布状片4の中央部の縦糸5が
ほぼ放射状を形成するように縫製もしくは配置すること
で吸水体とするための具体例として、図4のごとき上部
が細く下部に拡がる筒状の吸水体、もしくは、被冷却物
の形状に合わせて立体的に裁断縫製した、吸水体を有す
る冷却装置を提示したものである。
【0013】上部が細く下部に拡がる筒状体は上部を絞
り込んで吸水口32を中央に集中させるが、平面的に裁
断し縫製したものに比べ、吸水口32として使用する縦
糸5の数が増え、液体が吸水体全体にまんべんなく浸透
しやすくなる。また、立体である被冷却物の形状に沿っ
た空間を形成しやすくなる。特願2001−32307
7に示された発明では、筒状である吸水体の上部を絞り
込むことによって吸水口がかさばってしまうのに対し、
中央部の布のかさが減りすっきりとした形状にすること
が出来る。
【0014】図5は実施例3の断面図であり、パイプ8
によって液体7が補給できるようにした場合に於ける、
容器1と吸水体3と吸水口32とのそれぞれの関係を示
したものである。容器1の外部に出された吸水体3は被
冷却物の覆いとして拡げられ、中央部の縦糸5は容器1
の内部に固定されるかあるいは可動的に設置される。容
器1の内部には水位センサー71が設けられ、当該水位
センサー71によって液体7の量が検知され、配線72
によってモーターと結ばれ、液体がパイプ8より液体7
が補給されて、吸水体3の吸水口32が常に液体7に接
するように調節される。
【0015】図6は実施例4の斜視図であり、自動車の
屋根に設置可能としたレール9に関するものである。レ
ール9は取り付け具91によって自動車の屋根に設置さ
れ、容器1には溝12を設けるなどしてレール9上を滑
動出来るようにする。レール9上を滑動させることで弱
い力でも容器1を屋根に押し上げることが可能となる。
又、レール9があることで自動車の屋根に直接容器1が
触れることが無くなり、自動車を傷つける心配が無くな
る。また、レール9と容器1のそれぞれに固定手段を設
けることで、容器1を裁置したままに出来るようにな
る。
【0016】図7は実施例5における吸水体3の斜視図
である。縦糸5と横糸6が交差する布もしくは網等の布
状体を、上下に縦糸5が貫通し上部が狭まるように裁断
して布状片4とし、当該布状片4の縦糸5がほぼ中心方
向を向くように配置して縫製し吸水体3とする。前記上
部の縦糸5を下垂させるか他の吸水体と結合させて吸水
口32とし、当該吸水体3の外周に沿って取り付け手段
33を設け、気化熱の放出によって冷却効果を生じせさ
せる冷却用シートとする。縦糸5と横糸6の関係につい
ては図3と同様である。
【0017】
【発明の効果】本発明は液体を吸収し蒸発させることの
出来る吸水体と液体を入れることの出来る容器とからな
り、当該吸水体である縦糸と横糸が交差する布もしくは
網等の布状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭まるよう
に裁断し、平面方向において当該布状体の中央部の縦糸
がほぼ放射状を形成するように縫製もしくは配置するこ
とで吸水体とし、前記上部の縦糸の端部を吸水口として
容器内の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして配置し
た前記容器外部の吸水体から前記容器内の液体を蒸発さ
せ、気化熱の放出によって冷却効果を生じせさせる冷却
装置であるため次の効果を奏する。
【0018】電力や動力を得られない屋外で冷却効果が
得られ、エネルギーの節約や環境汚染を防ぐことに貢献
できる。また、単純な構造のため、製作費用が安くす
み、故障が生じにくく、確実な冷却効果を生じさせるこ
とが出来る。又、通常衣類に使用されている布と同様の
布を使用でき、経済的である。
【0019】自動車の屋根に設置可能なレールと、液体
を入れることのできる容器と、自動車を被うことのでき
る吸水体により構成され、前記レールを自動車の屋根の
左右を結んで設置し、当該レール上での前記容器の移動
と裁置もしくは容器のレール上への固定を可能にし、前
記給水体の一端を前記容器内に配して吸水口とし、当該
容器内部の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして配置
した当該容器外部に配した前記吸水体より蒸発させて、
気化熱の放出によって冷却効果を生じせさせる自動車用
冷却装置であるため次の効果を奏する。
【0020】レール9上を滑動させることで弱い力でも
容器1を屋根に押し上げることが可能となる。又、レー
ル9があることで自動車の屋根に直接容器1が触れるこ
とが無くなり、自動車を傷つける不安をなくすことが出
来る。
【0021】縦糸と横糸が交差する布もしくは網等の布
状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭まるように裁断
し、平面方向において当該布状体の中央部の縦糸がほぼ
放射状を形成するように縫製し、当該縦糸の端部を吸水
口とし、当該縫製された布状体の外周に沿って被冷却物
への取り付け手段を設けた吸水体であって、前記上部の
縦糸の端部を吸水口として容器内の液体を吸収させ、被
冷却物の覆いとして配置した前記容器外部の吸水体から
前記容器内の液体を蒸発させ、気化熱の放出によって冷
却効果を生じせさせる冷却用シートであるため次の効果
を奏する。
【0022】 容器を被冷却物の上に乗せるとともに水
等の液体を入れ、上記布状体の吸水口を容器内の液体に
浸け、下部を広げて被冷却物の覆いとすることにより、
簡便な野外用冷却装置が作成できる。又、通常衣類に使
用されている布と同様の布を使用でき、経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の斜視図である。
【図2】布状片4の構成を示す概念説明図である
【図3】吸水体3の斜視図である。
【図4】実施例2の斜視図である。
【図5】実施例3の断面図である。
【図6】実施例4の斜視図である。
【図7】実施例5の斜視図である。
【符号の説明】
1 容器 2 自動車 3 吸水体 31 吸水体固定具 32 吸水口 33 取り付け手段 4 布状片 41 布状片上部 42 布状片下部 5 縦糸 6 横糸 7 液体 71 水位センサー 72 配線 8 パイプ 9 レール 91 取り付け具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25D 7/00 B60J 11/00 B62D 25/07 D03D 3/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吸収し蒸発させることの出来る吸
    水体と液体を入れることの出来る容器とからなり、当該
    吸水体である縦糸と横糸が交差する布もしくは網等の布
    状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭まるように裁断
    し、平面方向において当該布状体の中央部の縦糸がほぼ
    放射状を形成するように縫製もしくは配置することで吸
    水体とし、前記上部の縦糸の端部を吸水口として容器内
    の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして配置した前記
    容器外部の吸水体から前記容器内の液体を蒸発させ、気
    化熱の放出によって冷却効果を生じせさせる冷却装置。
  2. 【請求項2】 自動車の屋根に設置可能なレールと、液
    体を入れることのできる容器と、自動車を被うことので
    きる吸水体により構成され、前記レールを自動車の屋根
    の左右を結んで設置し、当該レール上での前記容器の移
    動と裁置もしくは容器のレール上への固定を可能にし、
    前記給水体の一端を前記容器内に配して吸水口とし、当
    該容器内部の液体を吸収させ、被冷却物の覆いとして配
    置した当該容器外部に配した前記吸水体より蒸発させ
    て、気化熱の放出によって冷却効果を生じせさせる自動
    車用冷却装置。
  3. 【請求項3】 縦糸と横糸が交差する布もしくは網等の
    布状体を、上下に縦糸が貫通し上部が狭まるように裁断
    し、平面方向において当該布状体の中央部の縦糸がほぼ
    放射状を形成するように縫製し、当該縦糸の端部を吸水
    口とし、当該縫製された布状体の外周に沿って被冷却物
    への取り付け手段を設けた吸水体であって、前記上部の
    縦糸の端部を吸水口として容器内の液体を吸収させ、被
    冷却物の覆いとして配置した前記容器外部の吸水体から
    前記容器内の液体を蒸発させ、気化熱の放出によって冷
    却効果を生じせさせる冷却用シート。
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