JP3456605B2 - 1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造方法 - Google Patents

1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造方法

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JP3456605B2 JP04409395A JP4409395A JP3456605B2 JP 3456605 B2 JP3456605 B2 JP 3456605B2 JP 04409395 A JP04409395 A JP 04409395A JP 4409395 A JP4409395 A JP 4409395A JP 3456605 B2 JP3456605 B2 JP 3456605B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,1,1,3,3−
ペンタフルオロプロパン製造の前駆体となりうる1,
1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術とその課題】オゾン層を破壊すると考えられ
ているクロロフルオロカーボン(CFC)の使用が禁止
・廃絶されようとしており、それらの代替物質としてハ
イドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、ハイドロ
フルオロカーボン(HFC)等が開発され、使用されつ
つある。
【0003】1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパ
ンは、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリウレタンフ
ォーム、ポリイソシアヌレート等の発泡剤またはターボ
冷凍機用冷媒として期待される1,1,1,3,3−ペ
ンタフルオロプロパンの原料となりうる化合物である。
【0004】クロロプロパン類の合成方法としては、プ
ロパンの塩素化反応、塩素化メタン類と炭素数2のオレ
フィン類とのラジカル付加反応、同様に塩素化メタン類
と炭素数2のオレフィン類とのフリーデルクラフト反応
またはプリンス反応等のイオン付加反応による方法が知
られている。たとえば、オレフィン系炭化水素と四塩化
炭素との反応によりテトラクロロアルカンを得る方法と
しては、反応助剤として有機過酸化物を用いる方法(U
SP 2,440,800号)、触媒として有機酸金属
塩または無機酸金属塩にアミン類等を組合わせて反応さ
せる方法(特公昭37−18389号、特公昭39−2
8306号、特公昭40−19740号、特公昭41−
20692号)、金属銅およびアルカリ金属ハロゲン化
物からなる触媒の存在下反応させる方法(特開昭47−
31907号)、ポリアルコキシ化合物および塩化鉄か
らなる触媒の存在下に反応させる方法(特開昭52−5
9102号)ならびに亜リン酸アルキルエステル、塩化
鉄およびニトリル化合物からなる触媒の存在下に反応さ
せる方法(特開昭52−59103号)等が挙げられ
る。
【0005】1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパ
ンの製造方法としては、塩化ビニリデンとクロロホルム
とを銅アミン触媒存在下に反応させる方法(M.Kot
oraら、React.Kinet.Catal.Le
tt.,44巻,2号,415頁,1991年)、四塩
化炭素と塩化ビニルとを銅アミン触媒存在下に反応させ
る方法(M.Kotoraら、J.of Mol. C
atal.77巻,51頁,1992年)、四塩化炭素
と塩化ビニルをイソプロパノール溶媒中で塩化第1鉄触
媒の存在下反応させる方法(E.N.Zil’berm
anら,J.of Org.Chem.USSR,3
巻、2101頁、1967年)等が報告されている。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】M.Kotoraらの
方法は、触媒の安定性が低く取り扱いに注意が必要であ
り、また、連続的な大量生産に採用される工業的製造法
としては必ずしも満足できる方法ではない。また、E.
N.Zil’bermanらの方法は反応器の材質によ
り異なる反応結果となるなどの問題点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロ
パンを得る方法として、四塩化炭素と塩化ビニルとを触
媒の存在下テロメリゼーション反応させる方法について
鋭意検討を加えたところ、特定の溶媒系において元素状
の鉄を主成分とする触媒を用いると、良好な収率でかつ
選択的に目的とする1,1,1,3,3−ペンタクロロ
プロパンが生成することを見出し、本発明に到達したも
のである。すなわち、本発明は、四塩化炭素と塩化ビニ
ルを、元素状の鉄を触媒とし非プロトン性の有機溶媒存
在下で反応させることを特徴とする1,1,1,3,3
−ペンタクロロプロパンの製造方法である。
【0008】本発明の方法において触媒として使用する
鉄は、金属鉄、純鉄、軟鉄、炭素等が含まれる鉄鋼また
は成分として鉄を含む合金、例えば各種のステンレス
鋼、フェロシリコン等が使用でき、粉、粒、塊、線、
棒、球、板またはそれらを任意の形状に加工した金属
片、例えば、ラシヒリング、ヘリックスなどの蒸留充填
物、スチールウール、金網、コイル、その他不定形の金
属片など、いずれの形態でも使用可能である。しかしな
がら、鉄以外に触媒活性を有さない成分が多量に含まれ
る合金では、それらの成分が反応系中に溶出しまたは不
溶成分として存在するため、反応後にそれらの処理が複
雑となり、触媒としては好ましくない。
【0009】また、鉄触媒とともに助触媒作用を有する
金属化合物、金属錯体などを併用することができ、その
ような金属として好ましい金属には周期律表のVIII
族またはIB族の金属元素が挙げられる。具体的には、
例えば、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、ルテニ
ウム、銅、銀等のハロゲン化物、酸化物、硝酸塩、酢酸
塩またはアセチルアセトン錯体などが挙げられ、ニッケ
ル、鉄、コバルトおよび銅から選ばれる金属のハロゲン
化物が特に優れている。その様なハロゲン化物として
は、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物が挙げられる
が、塩化物が反応性、物質の汎用性、取り扱いやすさ等
から優れている。具体的には、塩化第一鉄、塩化第二
鉄、塩化ニッケル、塩化コバルト、塩化第一銅、塩化第
二銅を好ましいものとして挙げることができる。
【0010】本発明に使用される鉄触媒の量は、四塩化
炭素1モルに対し、少なくとも0.001モルを必要と
するが、反応系中で鉄触媒は固体として存在するので反
応容器が大きくなる点を除けば過剰量であることには特
に不都合はない。したがって、バッチ式反応または半バ
ッチ式反応においては通常0.001〜1モルとし、
0.005〜0.8モルが好ましく、0.01〜0.5
モルの範囲がより好ましいが、後に述べる流通式におい
ては鉄触媒の過剰は特に不都合はない。触媒の量が0.
001モル未満では反応収率が低下するので好ましくな
い。一方、助触媒の量は、四塩化炭素1モルに対し、通
常0.001〜1モルであるが、0.05〜0.5モル
が好ましく、0.01〜0.1モルの範囲がより好まし
い。助触媒の量が0.001モル未満では反応速度が低
下するので好ましくない。鉄触媒に対する助触媒の使用
量比は、鉄触媒の量が先に述べたように限定されないの
で特に限定されないが、通常0.1以下とすることが好
ましい。
【0011】本発明に好ましく使用される非プロトン性
の極性有機溶媒としては、ニトリル類、アミド類および
その他の溶媒が挙げられる。ニトリル類としては、例え
ば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリ
ル、バレロニトリル、ベンゾニトリル、イソフタロニト
リル、2−ペンテンニトリル、3−ペンテンニトリル等
が挙げられ、アミド類としては、例えば、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホ
リックトリアミド等が挙げられ、その他の溶媒としては
ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチル−2−イメダゾリジノン、γ−ブチロ
ラクトンなどが挙げられ、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホス
ホリックトリアミドが金属化合物の溶解性に優れるので
特に好ましい。
【0012】また、本発明においては、反応性、選択性
の向上のために適宜反応系に不活性な溶媒を加えること
も可能である。一般的に、この様な溶媒を加えると塩化
ビニルの高次重合物の生成を低減させることに効果があ
る。その添加割合は限定されず適宜選択することができ
る。この様な溶媒としては、反応系において不活性であ
りラジカル捕捉剤として働かない物質であれば限定され
ない。
【0013】反応系中での非プロトン性の極性有機溶媒
/四塩化炭素のモル組成比は、10/1〜1/10であ
り、2/1〜1/2が好ましく、1/1付近が特に好ま
しい。この比が10/1よりも大きいことは特に不都合
はないが反応器が大型化するので好ましくなく、1/1
0より小さいと四塩化炭素または塩化ビニルの反応率が
低下して好ましくない。
【0014】塩化ビニルの量は、四塩化炭素に対して等
モル量またはそれ以下とすることが好ましいが必ずしも
限定されない。塩化ビニル量を等モル量以上とすると塩
化ビニルの高次重合物の生成量が増加し、また未反応の
まま反応器を通り抜ける塩化ビニルが増えることとなり
好ましくない。また、等モル量以下の場合、四塩化炭素
は一部が未反応のまま反応器に残留することになるが、
これは反応液から蒸留などの公知の方法で回収しリサイ
クルすることができるので特に問題はない。
【0015】本発明の方法においては、塩化ビニルは不
活性なガスで希釈して使用することができる。希釈する
程度は任意でよいが、塩化ビニルに対する希釈ガスの割
合が増えると塩化ビニルの高次重合物の生成量が減少す
るので好ましい。しかし、その場合、装置の効率の低下
を伴うので通常塩化ビニル/希釈ガスの容量比は0.1
〜10程度とするのが好ましい。希釈ガスとしては、反
応系において不活性でありラジカル捕捉剤として働かな
い物質であれば限定されないが、例えば、チッ素、水
素、アルゴン、ヘリウムなどを使用できる。
【0016】反応温度は触媒および助触媒の添加量、非
プロトン性の極性有機溶媒の添加量に依存し、塩化ビニ
ルの転化率、1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパ
ン選択率、触媒および助触媒の寿命に影響を与えるが、
80〜150℃、より好ましくは100〜120℃の範
囲が推奨される。80℃より低い場合には転化率が低
く、150℃を越えると反応器の圧力が高くする必要が
ありそれぞれこのましくない。反応器の圧力は、各温度
のおける四塩化炭素と非プロトン性の極性有機溶媒の分
圧の和となるが、通常1〜50kg/cm2であり、3〜15
kg/cm2が好ましい。
【0017】本発明の実施態様としては、バッチ式反
応、半流通式、流通式反応のいずれでも良いが、例え
ば、四塩化炭素、非プロトン性の極性有機溶媒からなる
混合反応液に鉄触媒と任意に金属化合物および/または
金属錯体を存在させ、その中に塩化ビニルをガス状また
は液体状で連続的あるいは断続的に導入し、反応させる
ことが望ましい。バッチ式で反応初期に触媒、溶媒、反
応試剤を予め装入しておく方法、および塩化ビニルを液
体で逐次添加方式で送入する方法はいずれも塩化ビニル
の高次重合物の生成量が増える傾向となるので本発明の
方法としては避けることが好ましい。鉄触媒は比較的小
さい形状の場合には反応液とともに攪拌により系内を浮
遊または流動する様にしてもよいが、鉄触媒は固定して
他の反応試剤のみを流動させる様にすることも好まし
い。何れの反応形式をとる場合においても、本反応は気
体と液体の接触が重要な過程となるので反応系にそれら
の接触を図るための公知の機器または装置を備えること
は好ましい。そのような装置としては、例えば、攪拌
機、スパージャーなどを挙げることができるが各種の公
知装置を適用すればよい。
【0018】本発明を実施する密閉容器である反応器の
材質は、ガラス、樹脂からなるかまたはガラスもしくは
樹脂でライニングされた材料を採用する。これらに使用
される樹脂としては、フッ素樹脂であることが好まし
く、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリパ
ーフルオロアルキルビニルエーテル、ポリヘキサフルオ
ロプロピレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチ
レン−エチレン共重合体、ヘキサフルオロエチレン−テ
トラフルオロエチレン共重合体などを挙げることができ
るが、本発明の反応系において不活性な樹脂であれば当
然使用することができる。
【0019】本発明の方法で製造される1,1,1,
3,3−ペンタクロロプロパンは、反応器から取り出し
た後、触媒、金属化合物などを除去する操作、溶媒およ
び未反応原料を除く操作に付し、さらに精留することで
高純度の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンを
得ることができる。
【0020】以下、実施例により本発明をさらに詳細に
説明する。実施例においてガスクロマトグラフ分析にお
ける%は重量%である。
【0021】
【実施例】
実施例1 撹拌機を備えた1000mlの硝子製オートクレーブ
に、四塩化炭素3.0モル、アセトニトリル3.0モ
ル、2.0×25×50mmで20gの鉄片(JIS.
G.3141(SPCC−SB)、日本テストパネル工
業(株)製)3枚を仕込み、反応器内の空気を窒素ガス
で置換した後密封して撹拌(300rpm)を行ないな
がら110℃に加熱し30分間保持した。このときの圧
力は2.5kg/cm2になった。30分後塩化ビニル
を圧入して圧力を6kg/cm2とし、反応の進行にと
もない圧力が低下しないように塩化ビニルを徐々に添加
した。反応終了までに反応器に導入した塩化ビニルは合
計3.2モルであった。塩化ビニルを圧入し始めた後3
0時間で加熱を止め反応を終了した。
【0022】反応終了後反応器を室温まで冷却し、オー
トクレーブを開放して内容物を取りだし、アセトニトリ
ルと四塩化炭素を減圧留去した後、固形分を濾別して4
85.3gの液体を得た。これをガスクロマトグラフで
分析したところ、1,1,1,3,3−ヘキサクロロプ
ロパン70.1%、1,1,1,3,5,5−ヘキサク
ロロプロパン16.4%、1,1,3,3,5,5−ヘ
キサクロロプロパン13.0%および四塩化炭素0.5
%であり、仕込みの塩化ビニルに対する1,1,1,
3,3−ヘキサクロロプロパンの収率は、49.1%で
あった。
【0023】実施例2 撹拌機を備えた1000mlの硝子製オートクレーブ
に、四塩化炭素3.0モル、アセトニトリル3.0モ
ル、塩化第一銅0.06モル、実施例1で用いたと同じ
鉄片3枚を仕込み、反応器内の空気を窒素ガスで置換し
た後密封して撹拌(300rpm)を行ないながら10
0℃に加熱し30分間保持した。このときの圧力は2.
5kg/cm2になった。30分後塩化ビニルを圧入し
て圧力を3kg/cm2とし、反応の進行にともない圧
力が低下しないように塩化ビニルを徐々に添加した。反
応終了までに反応器に導入した塩化ビニルは合計2.4
モルであった。塩化ビニルを圧入し始めた後8時間で加
熱を止め反応を終了した。
【0024】反応終了後反応器を室温まで冷却し、オー
トクレーブを開放して内容物を取りだし、アセトニトリ
ルと四塩化炭素を減圧留去した後、固形分を濾別して4
28.0gの液体を得た。これをガスクロマトグラフで
分析したところ、1,1,1,3,3−ヘキサクロロプ
ロパン96.6%、1,1,1,3,5,5−ヘキサク
ロロプロパン1.6%、1,1,3,3,5,5−ヘキ
サクロロプロパン1.5%および四塩化炭素0.3%で
あり、仕込みの塩化ビニルに対する1,1,1,3,3
−ヘキサクロロプロパンの収率は、79.6%であっ
た。
【0025】実施例3 助触媒として塩化第一銅の代わりに塩化ニッケル0.0
3モルを用いたほかは、実施例2と同様に反応、回収、
分析を行った。反応に要した時間は5時間であった。そ
の結果、回収有機物は475.1gであり、1,1,
1,3,3−ヘキサクロロプロパン95.2%、1,
1,1,3,5,5−ヘキサクロロプロパン1.3%、
1,1,3,3,5,5−ヘキサクロロプロパン3.4
%および四塩化炭素0.1%であり、仕込みの塩化ビニ
ルに対する1,1,1,3,3−ヘキサクロロプロパン
の収率は、87.0%であった。
【0026】実施例4 助触媒として塩化第一銅の代わりに塩化第一鉄0.03
モルを用いたほかは、実施例2と同様に反応、回収、分
析を行った。反応に要した時間は4時間であった。その
結果、回収有機物は468.5gであり、1,1,1,
3,3−ヘキサクロロプロパン94.5%、1,1,
1,3,5,5−ヘキサクロロプロパン3.9%、1,
1,3,3,5,5−ヘキサクロロプロパン1.5%お
よび四塩化炭素0.1%であり、仕込みの塩化ビニルに
対する1,1,1,3,3−ヘキサクロロプロパンの収
率は、85.2%であった。
【0027】実施例5 助触媒として塩化第一銅の代わりに塩化パラジウム0.
06モルを用いたほかは、実施例2と同様に反応、回
収、分析を行った。反応に要した時間は7時間であっ
た。その結果、回収有機物は452.5gであり、1,
1,1,3,3−ヘキサクロロプロパン85.6%、
1,1,1,3,5,5−ヘキサクロロプロパン7.2
%、1,1,3,3,5,5−ヘキサクロロプロパン
5.0%および四塩化炭素1.2%であり、仕込みの塩
化ビニルに対する1,1,1,3,3−ヘキサクロロプ
ロパンの収率は、74.5%であった。
【0028】実施例6 溶媒としてアセトニトリルの代わりにジメチルアセトア
ミド3.0モルを用いたほかは、実施例2と同様に反応
操作を行った。反応に要した時間は6時間であった。反
応終了後反応器を室温まで冷却し、オートクレーブを開
放して内容物を取りだし、200mlの水を加え激しく
振盪下後水層を除去して有機物を回収したところ43
6.4gの液体を得た。これをガスクロマトグラフで分
析したところ、1,1,1,3,3−ヘキサクロロプロ
パン98.1%、1,1,1,3,5,5−ヘキサクロ
ロプロパン0.5%、1,1,3,3,5,5−ヘキサ
クロロプロパンおよび四塩化炭素5.2%であり、仕込
みの四塩化炭素に対する1,1,1,3,3−ヘキサク
ロロプロパンの収率は、82.4%であった。
【0029】実施例7 溶媒としてアセトニトリルの代わりにヘキサメチルホス
ホリックトリアミド3.0モルを用いたほかは、実施例
7と同様に反応、回収、分析を行った。反応に要した時
間は7時間であった。その結果、回収有機物は435.
3gであり、1,1,1,3,3−ヘキサクロロプロパ
ン90.6%、1,1,1,3,5,5−ヘキサクロロ
プロパン1.5%、1,1,3,3,5,5−ヘキサク
ロロプロパン7.7%および四塩化炭素0.2%であ
り、仕込みの塩化ビニルに対する1,1,1,3,3−
ヘキサクロロプロパンの収率は、75.9%であった。
【0030】比較例1 撹拌機を備えた1000mlの硝子製オートクレーブ
に、四塩化炭素3.0モル、アセトニトリル3.0モ
ル、塩化第一鉄0.3モルを仕込み、反応器内の空気を
窒素ガスで置換した後密封して撹拌(300rpm)を
行ないながら110℃に加熱し30分間保持した。この
ときの圧力は2.5kg/cm2になった。30分後塩
化ビニルを圧入して圧力を6kg/cm2とし、反応の
進行にともない圧力が低下しないように塩化ビニルを徐
々に添加した。反応終了までに反応器に導入した塩化ビ
ニルは合計0.72モルであった。塩化ビニルを圧入し
始めた後6時間で加熱を止め反応を終了した。
【0031】反応終了後反応器を室温まで冷却し、オー
トクレーブを開放して内容物を取りだし、アセトニトリ
ルと四塩化炭素を減圧留去した後、固形分を濾別して4
5.0gの液体を得た。これをガスクロマトグラフで分
析したところ、1,1,1,3,3−ヘキサクロロプロ
パン93.4%、1,1,1,3,5,5−ヘキサクロ
ロプロパン5.3%、1,1,3,3,5,5−ヘキサ
クロロプロパン0.8%および四塩化炭素0.1%であ
り、仕込みの塩化ビニルに対する1,1,1,3,3−
ヘキサクロロプロパンの収率は、27.1%であった。
【0032】
【発明の効果】本発明の1,1,1,3,3−ヘキサク
ロロプロパンを製造する方法は、実施例の結果から明ら
かなように高収率であるので、工業的に有利な製造方法
を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比野 泰雄 埼玉県川越市今福中台2805番地 セント ラル硝子株式会社東京研究所内 (56)参考文献 特開 昭47−14108(JP,A) 特表 平9−508138(JP,A) 米国特許4808760(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 17/278 C07C 19/01

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四塩化炭素と塩化ビニルを、元素状の鉄
    とヘキサメチルホスホリックトリアミドまたはジメチル
    アセトアミド存在下で反応させることを特徴とする1,
    1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造方法。
  2. 【請求項2】 助触媒として、元素の周期律表VIII
    族またはIB族の金属のハロゲン化物から選ばれる1種
    以上の化合物を添加することを特徴とする請求項1記載
    の1,1,1,3,3−ペンタクロロプロパンの製造方
    法。
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