JP3456527B2 - 基地局における負荷分散システム - Google Patents

基地局における負荷分散システム

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基地局における負
荷分散システムに関し、特に、異なるキャリア周波数帯
における信号を処理する系間の接続を容易に行うことが
できるとともに特定の系に対する負荷の集中を防止する
ことができる基地局における負荷分散システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の通信方式と比較して、加入者容量
が大きい、非同期アクセスが可能、他のシステムとの相
互干渉に強い、秘匿性が高いとの理由から、CDMA
(Code Devision Multiple A
ccess:符号分割多元接続)方式を用いた通信シス
テムが普及しつつある。特に、携帯電話等の移動体通信
の分野においては、その普及率はめざましい。
【0003】CDMA方式では、送信側において、情報
を持つ占有周波数帯域をそれよりも広い帯域幅に拡散
(以下、スペクトル拡散という。)し、各符号チャネル
の信号を同じ周波数帯域に多重化して転送し、受信側に
おいて、その多重化された信号をスペクトル拡散の逆要
領で逆拡散し、各チャネルごとの信号に分離し、ベース
バンド処理を施す。受信側には、各チャネル(各ユー
ザ)ごとのベースバンド処理を行うための複数のベース
バンド処理部が備えられている。図6は、そのようなC
DMA方式を用いた基地局の構成の一例を示す説明図で
ある。
【0004】図6に示す基地局において、受信部601
はベースバンド処理部611〜61nに接続され、受信
部602はベースバンド処理部611〜61nに接続さ
れ、同様に、受信部60nはベースバンド処理部611
〜61nに接続される。各受信部は、アンテナから受信
した受信データを、デジタルデータに変換して、ベース
バンド処理部611〜61nに対して出力する。
【0005】一方、ベースバンド処理部611は受信部
601〜60nからのデジタルデータを受信し、同様
に、ベースバンド処理部612〜61nも、受信部60
1〜60nからのデジタルデータを入力する。つまり、
図6に示す例では、各ベースバンド処理部は、n本のデ
ジタルデータを入力する。そして、各ベースバンド処理
部は、複数入力されるデジタルデータのうち、特定のデ
ジタルデータを選択し、ベースバンド処理を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のシステ
ムでは、各ベースバンド処理部には、受信部601〜6
0nからの信号が受信されるので、負荷が増大する。そ
れにより、ユーザが電話を掛けようとした場合、通話が
なかなか確立されないといった問題が生じることがあ
る。またシステムにおいて、回線容量の超過(いわゆる
回線パンク)等の事態が生ずることがある。
【0007】また、受信部601〜60nとベースバン
ド処理部611〜61nとの間の配線数も非常に多い。
例えば、受信部およびベースバンド処理部の総数がそれ
ぞれn個であるとすると、n×n本の配線が必要とな
る。また、それぞれが異なるキャリア周波数帯における
信号を処理する系を複数接続した場合、それにともなっ
て、受信部の増設が必要となり、受信部とベースバンド
処理部との間の結線がさらに増加し、接続が複雑化す
る。
【0008】さらに、ユーザの増加等により、受信部ま
たはベースバンド処理部を増設する場合でも、受信部と
ベースバンド処理部との間の接続が複雑化し、また、そ
の接続構成を再構築しなければならないので、増設にか
かるコストが上昇してしまう。
【0009】そこで、本発明は、以上のような課題を解
決するものであって、異なるキャリア周波数帯における
信号を処理する系間の接続を容易に行うことができると
ともに特定の系に対する負荷の集中を防止することがで
きる基地局における負荷分散システムを提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】受信部からの受信データ
を任意のデータ処理部に対して出力する負荷分散処理部
と、負荷分散処理部に対して受信データの出力先の割当
て指示を行う基地局監視部とを備えたことを特徴とす
る。
【0011】複数の受信部と複数のデータ処理部と負荷
分散処理部とを備えた系を複数備え、各系の負荷分散処
理部は他の系の負荷分散処理部と接続され、基地局監視
部は、各系における負荷分散処理部に対して出力先の割
当て指示を行うこととした。従って、一の系における受
信部からの受信データを負荷分散処理部を介して他の系
におけるデータ処理部に対して出力することが可能とな
る。このとき、各系が相違するキャリア周波数帯の信号
を処理する場合でも、系間において、受信部からの受信
データの分散処理が可能となる。
【0012】基地局監視部は、各系における負荷の集中
度合いに応じて各負荷分散処理部に対して出力先の割当
て指示を行うこととした。従って、負荷が集中した場
合、受信部からの受信データの処理を分散することで、
特定の系にのみに負荷が集中する事態を回避することが
できる。それによって、通話がなかなか確立されないと
か、基地局における回線パンクの発生といった事態を回
避することができる。
【0013】負荷分散処理部は、指示に従って、受信部
からの受信データの全部または一部を他の系におけるデ
ータ処理部に対して出力する。従って、各系は、自己の
持つ容量の大きさに応じて、受信部からの受信データを
処理することができる。ここにいう容量とは、例えば、
回線処理能力を示す。
【0014】基地局は、CDMA方式を用いた基地局で
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態を
図面を参照して説明する。図1は、本発明による基地局
における負荷分散システムの構成を示す説明図である。
このようなシステムは、例えば、CDMA方式を用いた
基地局に用いられる。
【0016】図1に示すシステムにおいて、受信部11
1〜受信部11nとベースバンド処理部131〜13n
とは、負荷分散処理部120に対して接続されている。
同様に、受信部211〜21nとベースバンド処理部2
31〜23nとは、負荷分散処理部220に対して接続
されている。以下、負荷分散処理部120を含む系を系
列100といい、負荷分散処理部220を含む系を系列
200という。また、図1に示す例では、系列100に
おける負荷分散処理部120と系列200における負荷
分散処理部220とはデータ伝送路20を介して接続さ
れている。基地局監視部10は、負荷分散処理部120
および220に対して制御線30を介して必要な指示を
行う。
【0017】各系列は、それぞれ、同一または相違する
周波数帯の信号を処理する。例えば、系列100は、
1.5GHz帯の信号を処理し、系列200は、800
MHz帯の信号を処理する。ここで、同じ周波数帯とい
っても、一般には、その間に、複数の周波数軸をもつの
で、各受信部はその周波数軸に対応する信号の処理を行
う。例えば、受信部111は、1510MHzに対応す
る信号を、受信部112は、1520MHzに対応する
信号の処理を行う。
【0018】各受信部は、アンテナ、復調部、A−D変
換部および出力データ変換部を含む。アンテナにて受信
されたベースバンド受信データは、復調部で周波数変換
され、A−D変換部にてデジタルベースバンド受信デー
タに変換される。そして、デジタルベースバンド受信デ
ータは、出力データ変換部にて所定のデータ形式に変換
される。
【0019】図2は、負荷分散処理部120および22
0の内部の構成を示す説明図である。負荷分散処理部1
20では、セレクタ回路140は、nビットのデータを
受信し、多重部150に対してmビットのデータを出力
し、分離部160からmビットのデータを受信する。負
荷分散処理部220でも同様に、セレクタ回路240
は、nビットのデータを受信し、多重部261に対して
mビットのデータを出力し、分離部251からmビット
のデータを受信する。
【0020】図2に示す例では、多重部150と分離部
251との間、分離部160と多重部261との間はデ
ータ伝送路20を介して接続されている。セレクタ回路
140および240は、それぞれ、制御回路170およ
び制御回路270からの指示に従ってmビットのデータ
の入出力制御を行う。制御回路170および制御回路2
70は、制御線30を介して基地局監視部10から必要
な指示を受ける。
【0021】ここで、各多重部および各分離部は、例え
ば、それぞれ、マルチプレクサ回路およびデマルチプレ
クサ回路で構成される。また、各多重部の出力部および
各分離部の入力部に、PLLを内蔵したパラレル−シリ
アル変換回路またはシリアル−パラレル変換回路、差動
信号用トランシーバまたはレシーバを用いることによっ
て、負荷分散処理部120と負荷分散処理部220との
間の接続を簡素化することができる。
【0022】なお、上記のnは、セレクタ回路140ま
たは240に接続される受信部の接続個数を示す。つま
り、受信部111〜11nおよび受信部211〜21n
の個数であるnを示す。このとき、各受信部は接続され
る負荷分散処理部に対して1ビットのデジタルデータを
出力することを示す。mは、nビットの入力のうち他の
系列で処理させるデータのビット数を示す。例えば、m
が2のとき、受信部112および受信部113からのデ
ジタルデータを系列200におけるベースバンド処理部
232および233にて処理させることを示す。ここ
で、mは、0以上かつn以下であるとする。
【0023】次に、動作について説明する。まず、通常
時の動作から説明する。各受信部は、接続される負荷分
散処理部に対して、アンテナを介して受信したベースバ
ンド受信データを所定のデジタルデータに変換して出力
する。各負荷分散処理部は、そのデジタルデータの出力
先であるベースバンド処理部を基地局監視部10からの
指示に従って選択する。そして、選択したベースバンド
処理部にそのデジタルデータのベースバンド処理を実行
させる。ベースバンド処理とは、送受信データを所定の
データ形式に変換する処理である。
【0024】例えば、系列100における負荷分散処理
部120は、指示に従って、受信部112からのデジタ
ルデータをベースバンド処理部131に対して出力す
る。そして、ベースバンド処理部131は、受信部11
2からのデジタルデータをもとにベースバンド処理を行
う。
【0025】次に、特定の系列に対して負荷が集中した
ときの動作について説明する。特定の系列に対して負荷
が集中するときの例として、当該系列に対しての呼の量
が増加するときがある。基地局監視部10は、各系列に
おける呼の量を常時把握し、適切な指示を制御線30を
介して負荷分散処理部120および220に対して行
う。
【0026】例えば、系列100に対して負荷が集中し
た場合、基地局監視部10は、負荷分散処理部120に
対してmビットのデータを他の系列(系列200)にて
処理させる旨を指示する。同時に、負荷分散処理部22
0に対して系列100からのmビットのデータを受信す
る旨を指示する。このとき、どの受信部からのデジタル
データを系列200にて処理させるかの情報およびその
デジタルデータをどのベースバンド処理部に対して処理
させるかの情報も通知する。
【0027】セレクタ回路140は、nビットの入力デ
ータからmビットのデータを選択し、多重部150およ
び分離部251を介してセレクタ回路240に対して出
力する。セレクタ回路240は、そのデータを所定のベ
ースバンド処理部に対して出力する。例えば、ベースバ
ンド処理部231〜23mに対して出力する。そして、
ベースバンド処理部231〜23mは、系列100から
のmビットのデジタルデータをもとにベースバンド処理
を実行する。なお、系列200に対して負荷が集中した
ときの動作についても上記と同様である。
【0028】以上のように、基地局監視部10の指示に
より、複数の系列間でベースバンド処理を分散すること
によって、特定の系列にのみ負荷が増大するという事態
を回避することができる。
【0029】以上のように、本実施の形態によると、各
負荷分散処理部は、入力されるデジタルの出力先である
ベースバンド処理部を選択することができ、各系列間は
負荷分散処理部を介して接続されているので、自己に接
続される受信部からのデジタルデータを他の系列におけ
るベースバンド処理部に対して出力することができる。
よって、各系列が異なるキャリア周波数帯における信号
を処理する場合であっても、各系列間でベースバンド処
理の分散を行うことができる。従って、システム全体と
して、各系列におけるベースバンド処理部を有効に利用
することができる。
【0030】また、基地局監視部10は各系列における
呼の量を常時把握し、適宜、各負荷分散処理部に対して
入力されるデジタルデータの出力先の割当て指示を行う
ので、ベースバンド処理を複数の系列に分散させること
ができる。従って、特定の系列のみに負荷が集中すると
いった事態を回避することができる。それによって、ユ
ーザが携帯電話等で通話を行おうとするとき、なかなか
通話が確立しないといった事態を回避することができ
る。また、基地局においては、回線の容量超過(いわゆ
る回線パンク)の事態を回避することができる。
【0031】さらに、ユーザが増加した場合における負
荷の増加に対しても、必要に応じて系列を複数段増設す
ることによって対処することができる。このとき、各系
列間の接続は僅かな結線のみで行うことができ、各系列
内における各受信部と各ベースバンド処理部との間の接
続構成を再構築することがないので、系列の増設にかか
るコストの軽減を図ることができる。
【0032】なお、上記の実施の形態では系列が2つ接
続されている場合を例示したが、系列が3つ接続されて
もよい。図3は、そのような受信データ負荷分散システ
ムの構成を示す説明図である。
【0033】図3に示すシステムは、図1に示すシステ
ムに、系列300が付加された構成となっている。系列
300では、受信部311〜31nおよびベースバンド
処理部331〜33nは、負荷分散処理部320に対し
て接続されている。負荷分散処理部120と負荷分散処
理部220との間はデータ伝送路20を介して、負荷分
散処理部220と負荷分散処理部320との間はデータ
伝送路21を介して接続される。負荷分散処理部12
0、220および320には、制御線30を介して基地
局監視部10から必要な指示が与えられる。
【0034】図4は、負荷分散処理部120、220お
よび320の内部の構成を示す説明図である。負荷分散
処理部120では、セレクタ回路140は、分離部15
1、160、多重部150、161および制御回路17
0と接続される。負荷分散処理部220では、セレクタ
回路240は、分離部251、260、多重部250、
261および制御回路270と接続される。負荷分散処
理部320では、セレクタ回路340は、分離部35
1、360、多重部350、361および制御回路37
0と接続される。
【0035】図3に示す例では、多重部150と分離部
251との間および分離部160と多重部261との間
はデータ伝送路20を介して接続され、多重部250と
分離部351との間および分離部260と多重部361
との間はデータ伝送路21を介して接続される。制御回
路170、270および370は、制御線30を介して
基地局監視部10を介して必要な指示を受ける。
【0036】なお、系列がn段接続された場合の接続構
成も、図1または図3と同様である。図5は、そのよう
なシステムの構成を示す説明図である。図5に示すシス
テムにおいて、系列n00では、受信部n11〜n1n
およびベースバンド処理部n31〜n3nは負荷分散処
理部n20に接続されている。そして、その他の接続構
成は、図1または図3と同様である。
【0037】本実施の形態では、接続される系列が増え
た分、システム全体としてより多くの負荷を処理するこ
とができるので、ユーザの増加による負荷の増加に対し
ても十分に対処することができる。このときも、先の実
施の形態と同様に、簡素な接続で系列を増設することが
できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、複数の系を備え、負荷
分散処理部を介して各系は接続されているので、一の系
における受信部からの受信データを他の系における処理
部にて処理させることが可能となる。つまり、系間での
処理の分散が可能となる。また、各系が相違するキャリ
ア周波数帯の信号を処理する場合であっても、系間での
処理の分散を行うことができる。
【0039】また、基地局監視部は各系における負荷の
集中度合いを把握することによって各負荷分散処理部に
対して必要な指示を与えることによって、系間で負荷の
処理を分散させることができる。従って、特定の系のみ
に負荷が集中するという事態を回避することができる。
【0040】さらに、ユーザの増加による負荷の増加に
対しても、系を増設することによって、容易に対処する
ことができる。このとき、僅かな接続のみで系を増設す
ることができるので、増設にかかるコストを軽減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施の形態を示す説明図であ
る。
【図2】 負荷分散処理部120およびの内部の構成を
示す説明図である。
【図3】 本発明による実施の形態を示す説明図であ
る。
【図4】 負荷分散処理部120、220および320
の内部の構成を示す説明図である。
【図5】 本発明による実施の形態を示す説明図であ
る。
【図6】 CDMA方式を用いた従来の基地局の構成を
示す説明図である。
【符号の説明】
111〜11n 受信部 120 負荷分散処理部 131〜13n ベースバンド処理部 100 系列 211〜21n 受信部 220 負荷分散処理部 231〜23n ベースバンド処理部 200 系列 10 基地局監視部 20 データ伝送路 30 制御線

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の受信部と、受信部からの受信デー
    タを処理する複数のデータ処理部と、受信部からの受信
    データを任意のデータ処理部に対して出力する負荷分散
    処理部とを備えた系を複数備え、 各系の負荷分散処理部は他の系の負荷分散処理部と接続
    され、 各系における 負荷分散処理部に対して受信データの出
    力先の割当て指示を行う基地局監視部備えたことを特
    徴とする基地局における負荷分散システム。
  2. 【請求項2】 基地局監視部は、各系における負荷の集
    中度合いに応じて各負荷分散処理部に対して出力先の割
    当て指示を行う請求項1記載の基地局における負荷分散
    システム。
  3. 【請求項3】 負荷分散処理部は、指示に従って、受信
    部からの受信データの全部または一部を他の系における
    データ処理部に対して出力する請求項2記載の基地局に
    おける負荷分散システム。
  4. 【請求項4】 基地局は、CDMA方式を用いた基地局
    である請求項1から請求項3のうちのいずれかに記載の
    基地局における負荷分散システム。
  5. 【請求項5】 各系が異なるキャリア周波数帯における
    信号を処理する請求項1から請求項4のうちのいずれか
    記載の基地局における負荷分散システム。
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