JP3455780B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP3455780B2
JP3455780B2 JP2001028158A JP2001028158A JP3455780B2 JP 3455780 B2 JP3455780 B2 JP 3455780B2 JP 2001028158 A JP2001028158 A JP 2001028158A JP 2001028158 A JP2001028158 A JP 2001028158A JP 3455780 B2 JP3455780 B2 JP 3455780B2
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恵哉 西田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンや筒内噴射式ガソリンエンジンなどに用いられ、噴霧
特性を使用条件に応じて可変可能とした燃料噴射ノズル
に関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される直噴式のディーゼルエ
ンジンでは、燃料噴射ノズルを用いて、直接、燃料を燃
焼室内に噴射することが行われている。
【0003】燃料噴射ノズルは、通常、先端部に噴孔を
有し、内部に噴孔を開閉させる針弁(ニードルバルブ)
を摺動自在に収めたノズルボディが採用され、開弁にし
たがい燃料を噴孔から燃焼室内へ噴射する構造となって
いる。
【0004】しかし、同ノズルは、画一的なので、エン
ジンの運転状態に応じて、噴霧特性が変えられない。
【0005】そこで、近時、燃料噴射ノズルの噴孔の数
や、燃焼室に対する燃料噴射方向が検討され、燃料の噴
射状態や噴射期間を調整することにより、自発的な燃焼
の促進、エンジンの出力・燃費の向上、燃焼騒音の低減
やNOxなどの排出を低減可能とすることが検討されて
いる。
【0006】例えば燃料噴霧量を無段階に変化する技術
の一例として、「長谷川敏行、他5名、自動車技術会学
術講演会前刷集No.68−99(1999)p.1」が
ある。
【0007】これは、ロータリバルブ方式の可変噴孔ノ
ズル、具体的にはロータリバルブの先端部に穿設された
燃料流路断面とノズルボディに穿設された噴孔断面の重
なり度合いを変えるノズル構造を用いて、噴孔開度を可
変可能とし、種々のノズル噴射特性(燃料流量―燃料圧
力特性)が得られるようにした技術である。
【0008】このノズルにおいては、噴孔開度を小さく
すると、噴霧角度が大きくなることが観測されている。
これは、ロータリバルブの先端部に穿設された燃料流路
断面とノズルボディに穿設された噴孔断面の重なりに非
対称が生じ、噴孔内で燃料が旋回流を発生しているため
であろうと推論されている。すなわち、噴霧形態がフル
コーン状態から、ホロコーン状態に変化していると推論
されている。通常、このような噴霧形態が得られた場合
は、噴霧粒径も小さくなり、燃料と空気との混合も促進
されるので、未燃分(T−HC)や煤(スモーク)の減
少が期待される。
【0009】しかるに、噴霧粒径の測定結果では、噴孔
断面を固定したモデルでの測定結果とさほど変化は無
く、測定された燃焼特性においても未燃分(T−TC)
や煤(スモーク)の発生に改善の効果は認められなかっ
たとしている。
【0010】本報告においては、この原因を噴霧粒径と
は関係なく、噴霧形状や噴霧流の分布の変化であろうと
推論し、むしろ、噴孔内の旋回流の発生を噴霧特性に及
ぼす弊害要因とみなしている。
【0011】しかし、やはり未燃分(T−TC)や煤
(スモーク)の減少に最も大きく影響するのは噴霧粒径
であり、この噴霧角度が大きくなった状態で噴霧粒径を
もっと小さくできれば、未燃分(T−TC)や煤(スモ
ーク)を共にもっと発生しにくことが期待できる。
【0012】また、特開平10−141179号におい
ては、針弁の先端にロータリバルブを設け、燃料圧力の
高低による針弁の開閉(自動弁方式)を行えることを前
提として、ロータリバルブの先端部に大小2種の燃料通
路を設け、該燃料通路をノズルボディに穿設された噴孔
位置に一致させる2種の組み合わせを利用し、同じ燃料
圧力に対して異なる2種の噴霧特性が得られる技術が提
案されている。
【0013】この技術は、2種の噴霧特性をパイロット
噴霧と本噴霧として使い分けることにより、エンジンの
負荷と回転数に即した噴射圧力、噴射期間、噴射量とな
る設定が可能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、いずれの技
術も、エンジンの低負荷時には、なお燃料の噴霧粒径が
大きく、未燃分(T−TC)や煤(スモーク)の発生に
対して十分に対応できるものではなく、エンジンの運転
状態に適した噴霧特性の確保には十分ではなかった。
【0015】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、エンジンの運転状態に最
も好適な噴霧特性が作り出せる燃料噴射ノズルを提供す
ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の燃料噴射ノズルは、先端部に出口が
先細になるテーパ形状の第1噴孔と全体がストレート形
の第2噴孔がそれぞれ形成され、内部に前記噴孔を開
閉する針弁を有し、該針弁の開弁にしたがい燃料を前記
噴孔へ導くノズルボディと、針弁に設けられ、ホローコ
ーン型の噴霧形の噴霧にすべく、噴孔へ流入する燃料を
当該噴孔の周方向に旋回させる旋回流発生手段と、旋回
した燃料を前記第1噴孔あるいは前記第2噴孔から噴射
させる噴孔切換手段とを有して構成した。
【0017】この燃料噴射ノズルによると、第2噴孔を
選択してから針弁を開弁させる。
【0018】すると、燃料は、通路から当該噴孔へ流入
される際、噴孔の周方向回りに旋回する(旋回流)。そ
して、この旋回力を保ったまま、円筒状の第2噴孔内を
流れ外部へ噴射される。
【0019】これにより、燃料は、ホローコーン型の噴
霧形状を描いて小さい噴霧粒径で噴霧される。
【0020】また第1噴孔を選択してから針弁を開弁さ
せる。
【0021】すると、燃料は、通路から当該噴孔へ流入
される際、噴孔の周方向回りに旋回する(旋回流)。そ
して、この旋回力を保ったまま、円錐状の第1噴孔内を
流れ外部へ噴射される。
【0022】このとき、第1噴孔は、出口に向かうにし
たがい先細となる形状をなしているから、燃料の流れが
噴孔出口にいくほど旋回速度が増す。
【0023】これにより、燃料は、円筒状の第2噴孔の
ときより、強いホロコーン型の噴霧形状で、さらには噴
霧粒径が小さくなった状態で噴霧される。
【0024】いずれの燃料噴射も、ホロコーン型の噴霧
により、噴霧粒径が小さく燃料と空気との混合が促進さ
れる。特に第1噴孔からの燃料噴霧は、燃料の旋回速度
が増すので、安定した大きな噴霧角度で、かなり小さな
噴霧粒径となる。
【0025】それ故、第1噴孔、第2噴孔の切換えによ
り、エンジンの運転状態に応じて求められる最適な噴霧
状態(噴霧特性)が作り出せ、エンジンの燃焼の促進、
出力・燃費の向上、燃焼音の低減、NOxや燃料の未燃
分(T−TC)や煤(スモーク)などの減少が図れる。
【0026】特にエンジンの低負荷運転が良好に行われ
るよう、燃料噴射ノズルは、エンジンの低負荷運転時に
は第1噴孔に切り変わり、それ以外の運転時には第2噴
孔に切り変わるようにしてあることが望ましい。
【0027】請求項2に記載の燃料噴射ノズルは、上記
目的に加え、さらにロータリバルブを用いた簡単な構造
で、第1噴孔や第2噴孔からの燃料噴霧が実現されるよ
う、噴孔切換手段は、一端側が針弁の先端部にスライド
可能に収められ他端部が噴孔入口側に回動可能に支持さ
れて針弁の周方向に回動可能に設けられ、外周面には燃
料を噴孔入口に導く通路が形成され、回動変位により該
通路を第1噴孔あるいは第2噴孔に連通させることによ
って噴孔切換えを行うロータリバルブを有した構成と
し、旋回流発生手段は、ロータリバルブの通路の出口部
に形成され、該通路の流れを噴孔周方向の流れにする渦
巻室を有した構成とした。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図8に
示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
【0029】図1および図2は、本発明を適用した燃料
噴射ノズル、例えば噴霧特性を調べるためのモデル(実
機とは各部の寸法や形状が異なり、噴霧状態を観測する
だけの機能を有するもの)の断面を示している。なお、
図1は燃料噴射ノズルの閉弁状態を示し、図2は開弁状
態を示している。
【0030】同図中1は、燃料噴射ノズルのノズルボデ
ィである。
【0031】ノズルボディ1は、例えば内部に上下方向
に延びる筒状の通孔2が形成されたブロック状のノズル
本体3と、同ノズル本体3の下端部から突き出た段部3
aに着脱可能に嵌まるキャップ状のノズルホルダ4とを
有して形成される。なお、ノズルホルダ4は、通孔2の
下端を塞ぐように組合う。またノズルホルダ4のうち、
通孔2の下端と向き合う部分は、下側に円錐状に突き出
て、サック部5を形成している。このサック部5内面か
らノズル本体3の下端に向かう内面部分には、通孔2と
向き合う円錐状の内面が形成されていて、後述する針弁
6の先端部と接離する着座面5a(受圧面)を形成して
いる。
【0032】この着座面5aと通孔2の内面で囲まれる
空間部に、針弁6(ニードルバルブ)が収めてある。針
弁6は、下端部(先端部)に異なる角度の2種の円錐状
部7a,7bを連ねて形成される円錐状部7(尖頭部)
を有し、上端部(基端部)にねじ軸8を有して形成され
る。このうちのねじ軸8が、通孔2の上端部に据付けて
ある柱状の針弁支持部材9に支持してある。具体的に
は、例えば針弁支持部材9の内部には、針弁支持部材9
の頭部に設けた摘み部10の回動操作によって回動され
る回動筒11が収めてある。そして、針弁6のねじ軸8
が、回動筒11の下端部に進退自在に螺挿される。また
ねじ軸8の直後に形成された段部部分12が、針弁支持
部材9の下端部に形成されている嵌挿部14に進退可能
(軸方向)に嵌挿してある。こうした針弁6の支持構造
により、人手による摘み部10の回動操作によって、針
弁6が、図2に示される先端の円錐状部7が着座面5a
に密接する閉弁位置から、図1に示される着座面5aか
ら円錐状部7が離れる開弁位置までリフトされるように
してある(ねじ軸8のねじ込み深さの調節による)。
【0033】また針弁6と通孔2の内面との間には、上
段に環状の燃料溜まり15を有した環状の流路16が形
成されている。これで、燃料溜まり15につながる供給
路17から燃料(加圧燃料)を供給して針弁6を開弁す
ると、当該燃料が、燃料溜まり15、流路16、針弁6
の開閉部を通じて、サック部5内へ導けるようにしてあ
る。
【0034】サック部5をなす傾斜した周壁には、周方
向に沿って所定の間隔で複数の噴孔18が形成されてい
る。噴孔18は、図5および図6に示されるように出口
が先細になるテーパ形状(円錐形状)のテーパ噴孔18
a(円錐状の第1噴孔に相当)と、全体がストレート形
状のストレート噴孔18b(円筒状の第2噴孔に相当)
とを交互、例えば45°間隔で交互に配置した構造で構
成してある。
【0035】この針弁6の先端部と噴孔18側との間に
は、図1および図2に示されるように燃料を微粒化する
旋回流発生機能付の噴孔切換機構20が組込まれてい
る。
【0036】噴孔切換機構20には、例えばロータリバ
ルブ21(噴孔切換手段に相当)が用いられている。具
体的には、ロータリバルブ21には、上下方向に延びる
円柱状の小径なバルブ部材が採用される。このロータリ
バルブ21の上端側(一端側)が、針弁6の先端中央か
ら軸心方向に向かって開口してある有底の小孔6a内に
回転自在および軸心方向沿いにスライド自在に挿入して
ある。またロータリバルブ21の下端側は針弁6の先端
から突き出ている。そして、この突き出たロータリバル
ブ21の下端部(他端部)が、噴孔入口を臨ませている
サック部5内側に形成してある円筒形の窪み22(ホー
ル)に回転可能に嵌め込んである。ここで、小孔6aの
底側は、針弁6の内部に形成した径方向に延びる複数の
通路6bを通じて流路16と連通していて、流路16内
から加わる燃料の圧力で、ロータリバルブ21を上側か
ら押圧するようにしてある。これで、ロータリバルブ2
1の下端部をサック部5に回転可能に支持させてある。
また図3ないし図6に示されるようにロータリバルブ2
1の外周面のうち、針弁6の先端側から針弁6のリフト
量分、奥側に入り込んだ地点(開弁位置で露出する地
点)から噴孔入口までの部位には、複数、例えば4つの
軸心方向に延びる燃料連絡通路23(切換通路)が、周
方向沿いに所定の間隔、例えば90°の間隔で並設され
ている。これら燃料連絡通路23は、いずれも直線状の
溝から形成されている。そして、入口となる溝上端側
が、針弁6の先端周りの燃料通路部分に臨み、出口とな
る溝下端が、各通孔18の入口が開口している窪み22
の内面部分に臨み、針弁6の先端部と噴孔18の間をむ
すぶ構造としている。この構造によって、ロータリバル
ブ21が、図5に示されるように各燃料連絡通路23と
テーパ噴孔18aとが組合うように回動させたり、図6
に示されるように各燃料連絡通路23とストレート噴孔
18bとが組合うように回動させたりすることにより、
開弁により針弁6の開閉部から流出する燃料をテーパ噴
孔18aへ導いたり、あるいはストレート噴孔18bへ
導いたりする噴孔切換えが行えるようにしてある。な
お、燃料噴射ノズルは、実験モデルであるために、ロー
タリバルブ21の切換えには、人手により、ノズルホル
ダ4をノズル本体3から取り外し、針弁6からロータリ
バルブ21を抜去して、ロータリバルブ21を回動変位
させて燃料連絡通路23の開口位置を必要な向きに位置
決めてから、再びノズル本体3、針弁6にセットし直す
という切換構造が用いてある。
【0037】各燃料連絡通路23の出口部には、図3お
よび図4に示されるように渦巻室24(旋回流発生手段
に相当)が設けられている。この渦巻室24は、いずれ
も燃料連絡通路23の出口の溝形状を、噴孔18の入口
形状と合致する円形な渦巻室形状に形成してなる。詳し
くは、渦巻室24は、渦巻室24の側部に形成されてい
る入口が燃料連絡通路23の出口に連通する。また渦巻
室24の円形な開口全体が噴孔入口と互いに向き合うよ
うになっていて、各噴孔18へ流入する燃料に対して、
噴孔18の周方向に向かう旋回を与えることができるよ
うにしてある。
【0038】この燃料の旋回流により、燃料を、テーパ
噴孔18a、ストレート噴孔18bから、噴霧粒径の微
細化に富むホロコーン型の噴霧形で噴霧できることがわ
かった。
【0039】すなわち、このように構成された燃料噴射
ノズルを用いて、噴霧特性の調べる実験を行うとする。
【0040】なお、この実験に使用する燃料噴射ノズル
の主要寸法は、針弁6の外形が32mmφ、ロータリバブ
ル21の外径が8.5mmφ、燃料連絡通路23の幅1m
m、同じく溝深さが2mm、同じく溝長さが13mm、噴孔
(入口)の直径が2mmである(実際に使用される燃料噴
射ノズルは、この約1/10の寸法程度)。実験には燃
料(噴霧流体)の代わりに水を使用した。
【0041】まず、図4(a)および図6(b)に示さ
れるように燃料連絡通路23とストレート噴孔18bと
が合致するようロータリバルブ21を組み付けた(第2
噴孔の選択)状態(閉弁状態)にする。この状態から、
加圧燃料に代わる水(、以下、燃料という)を供給路1
7へ与えつつ、針弁6を図2の閉弁位置から、図1の開
弁位置へリフトしたとする(摘み部10の回動操作によ
る)。
【0042】このとき、ロータリバルブ21は、通路6
aの底側から加わる燃料の圧力で、下側、すなわちサッ
ク部5の窪み22に押付けられている。
【0043】これにより、図1および図4(b)に示さ
れるように針弁6は、ロータリバルブ21を引き出しな
がら、すなわち窪み22にロータリバルブ21を残した
ままリフトされる。
【0044】すると、燃料溜まり15の燃料は、環状の
流路16、針弁6の開閉部を通り、ロータリバルブ21
の各燃料連絡通路23に流れ込む。
【0045】ここで、各燃料連絡通路23の出口には渦
巻室24が形成されているから、燃料は、燃料連絡通路
23の出口、すなわち当該渦巻室24を通過するとき
は、ストレート噴孔18bの周方向周りの旋回流とな
る。
【0046】この燃料が、旋回力を保ったまま、各スト
レート噴孔18b内を通じて、燃焼室(図示しない)へ
噴射される。
【0047】これにより、燃料は、ホローコーン型の噴
霧形状を描いて小さい噴霧粒径で噴霧される。
【0048】またテーパ噴孔18aから燃料を噴射させ
るときは、ノズルホルダ4を取り外し、ノズルホルダ4
に挿入されているロータリバルブ21の回動変位して、
燃料連絡通路23がテーパ噴孔18aと合致する向き切
換えてから、図3(a)に示されるようにロータリバル
ブ21やノズルホルダ4を針弁6、ノズル本体3に組付
け直す。
【0049】この状態から、先のストレート噴孔18b
のときと同じく、燃料を供給路17へ与えつつ、針弁6
を図2の閉弁位置から、図1の開弁位置へリフトしたと
する(摘み部10の回動操作による)。
【0050】このときも、先のストレート噴孔18bの
ときと同じく、ロータリバルブ21は、通路6aの底側
から加わる燃料の圧力でサック部5の窪み22に押付け
られているから、図1および図3(b)に示されるよう
に針弁6は、窪み22にロータリバルブ21を残したま
まリフトされる。
【0051】すると、燃料溜まり15の燃料は、環状の
流路16、針弁6の開閉部を通り、ロータリバルブ21
の各燃料連絡通路23に流れ込む。
【0052】ここでも、各燃料連絡通路23の出口には
渦巻室24が形成されているから、燃料は、出口、すな
わち当該渦巻室24を通過するときに、テーパ噴孔18
の周方向周りの旋回流となる。
【0053】この燃料が、旋回力を保ったまま、各テー
噴孔18内を通じて、燃焼室(図示しない)へ噴射
される。
【0054】このとき、テーパ噴孔18aは、出口に向
かうにしたがい先細となる形状をなしているから、燃料
の流れが噴孔出口にいくほど旋回速度が増す。
【0055】これにより、燃料は、ストレート噴孔18
aのときより、強いホロコーン型の噴霧形状、さらには
小さい噴霧粒径で噴霧される。
【0056】こうしたテーパ噴孔18a、ストレート噴
孔18bからの噴霧特性を調べた結果、各ノズルの噴霧
粒径の平均粒径は、図8の線図に示されるように従来の
針弁6でサック部5の噴孔を開閉させる構造のミニサッ
クノズルと称するノズルの噴霧形態が、約1000μm
であったのに対し、渦巻室がもたらす旋回流の燃料をス
トレート噴孔18bで噴霧させるホロコーン型の噴霧形
態のときが、それより小さい860μmで、渦巻室がも
たらす旋回流の燃料をテーパ噴孔18bで噴霧させるホ
ロコーン型の噴霧形態のときが、さらに小さい780μ
mと低減されたことが確認された。つまり、燃料と空気
との混合が促進されることがわかる。
【0057】また噴霧角度ならびに針弁6のリフト量
(針弁開度)に対する噴霧角度のばらつきを調べた結
果、ミニサックノズルに比べて、噴霧角度が大きく、そ
の角度のばらつきも少なくなる。特にこの噴霧角度なら
びに噴霧角度のばらつきは、図7の線図に示されるよう
にテーパ噴孔18aから噴霧する形態のときに顕著に見
られた。すなわち、図7は、テーパ噴孔18aからの噴
霧する噴霧形態のときの噴霧角度、噴霧角度のばらつき
を、従来のミニサックノズルのときと対比した線図(縦
軸が噴霧角度、横軸がリフト量(針弁開度))を示して
いて、□印が従来のミニサックノズルで噴霧したときを
示し、△印がテーパ噴孔18aからの噴霧したときを示
している。図7の線図によると、□印の従来のミニサッ
クノズルは、針弁開度による変化はほとんど認められな
いが、噴霧角度は小さく、その角度のばらつきが非常に
多いと認識される。これから、燃料の流れが非常に不安
定なことがわかる。これに対して、△印のテーパ噴孔1
8aからホロコーン型に噴霧させるときの噴霧特性は、
噴霧角度が大きく、しかも角度のばらつきも非常に少な
くなっている。これから、燃料の流れが非常に安定して
おり、燃焼性に対して好ましいことがわかる。
【0058】このことから、テーパ噴孔18a,ストレ
ート噴孔18bの切換えにより、エンジンの運転状態
(運転条件)に応じて求められる最適な噴霧状態(噴霧
特性;噴霧角、平均粒径等)が作り出せる。
【0059】それ故、エンジンの燃焼の促進、出力・燃
費の向上、NOxや燃料の未燃分(T−TC)や煤(ス
モーク)などの減少を図ることができる。また渦巻室2
4とテーパ噴孔18aとがもたらす微粒化特性(テーパ
噴孔18の場合、噴孔内の旋回流が出口にいくにしたが
い強くなるので、ストレート噴孔18bより噴霧粒径が
小さい)を活かして、エンジンの低負荷運転時にはテー
パ噴孔18aを用いて燃料を噴霧(低負荷時用噴霧)さ
せ、その後、ストレート噴孔18bを用いて燃料を噴霧
(高負荷時用噴霧)させる(低負荷運転以外の運転時)
ようにすると、テーパ噴孔18aの方がストレート噴孔
18bより噴霧粒径が小さいことを活用した燃焼効率の
向上が図れる。このときには、特にテーパ噴孔18a
は、エンジン起動時のような燃料流量の少ない条件のと
きに使用し、負荷が上昇するにつれてロータリバルブ2
1を回転させて、ストレート噴孔18bに切換えるよう
にするのが望ましい(テーパ噴孔18aは、ストレート
噴孔18bよりも流動抵抗が大きく、同じ燃料圧に対し
ては燃料流量が少ない範囲でしか使用できないことによ
る)。むろん、パイロット噴霧、本噴霧として使い分け
るようにしてもよい。
【0060】しかも、微粒化特性を得る構造は、渦巻室
24をもつ燃料連絡通路23を外周面に有するロータリ
バルブ21を、針弁6の先端部と該先端部直下の噴孔入
口側との間でスライド自在に組込んだ構造なので、簡単
な構造である。
【0061】図9ないし図11は、本発明の第2の実施
形態を示す。
【0062】本実施形態は、第1実施形態の燃料噴射ノ
ズルを実機に即した構造としたものである。
【0063】具体的には、図9に示されるようにノズル
ボディ1を、ノズル本体とノズルホルダとが一体となっ
た構造体から構成し、これをサック部5が燃焼室内へ突
き出るようディーゼルエンジンのシリンダヘッドや筒内
噴射式ガソリンエンジンのシリンダヘッド(いずれも図
示しない)に組付ける構造とする。針弁6は、自動弁方
式(ばねによって閉弁されている針弁を燃料圧力で押し
上げて開弁させる構造)やコモンレール方式(針弁の上
端に針弁を上下に駆動する上下駆動機構を連結し、閉弁
および開弁を上下駆動機構で行う構造)などの開弁機構
30でリフトされる構造にしてある。ロータリバルブ2
1は、該バルブ21を45°回転させるバルブ駆動機構
31に連結され、制御部であるECU32からの指令
で、ロータリバルブ21の回動(45°)をさせて、エ
ンジンの運転状態(負荷など)の変化に応じ、渦巻室2
4がある燃料連絡通路23の位置を切換えて、図10に
示されるようなストレート噴孔18bからの噴霧と、図
11に示されるようなテーパ噴孔18aからの噴霧とを
使い分けるようにしたものである。
【0064】このようにすることにより、渦巻室24が
もたらす微粒化特性を用いて、エンジンの運転状態の変
化に応じた最適な燃料の噴霧が可能となる。
【0065】なお、本発明は上述した実施形態に限定さ
れることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々
変更して実施しても構わない。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、旋回流がもたらすホロコーン型の噴霧によ
り、燃料と空気との混合の促進が図れる燃料の微粒化が
実現できる。しかも、円筒状の噴孔から円錐状の噴孔に
切換えることにより、さらに燃料の微粒化が促進、かつ
安定した大きな噴霧角度の噴霧が実現できる。
【0067】したがって、第1噴孔、第2噴孔の切換え
により、エンジンの運転状態に応じて求められる最適な
噴霧状態(噴霧特性)が作り出せ、エンジンの燃焼の促
進、出力・燃費の向上、燃焼音の低減、NOxや燃料の
未燃分(T−TC)や煤(スモーク)などの減少を図る
ことができる。
【0068】請求項2に記載の発明によれば、上記効果
に加え、ロータリバルブを用いた簡単な構造で、燃料の
微粒化の促進ができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料噴射ノズル
を、開弁状態と共に示す断面図。
【図2】同じく閉弁状態を示す断面図。
【図3】該ノズルのテーパ噴孔から燃料を噴射するとき
を説明するときを示す断面図。
【図4】該ノズルのストレート噴孔から燃料を噴射する
ときを説明するときを示す断面図。
【図5】テーパ噴孔から燃料を噴射するときにおけるロ
ータリバルブと噴孔の位置関係を示す平断面図。
【図6】ストレート噴孔から燃料を噴射するときにおけ
るロータリバルブと噴孔の位置関係を示す平断面図。
【図7】テーパ噴孔から燃料を噴霧したときの噴霧角度
とリフト量との関係を、ミニサックノズルから噴霧した
ときの特性と対比して示す線図。
【図8】テーパ噴孔、ストレート噴孔から燃料を噴霧し
たときの平均の噴霧粒径を、ミニサックから噴霧したと
きの平均の噴霧粒径と対比して示す線図。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る燃料噴射ノズル
を示す断面図。
【図10】該ノズルのストレート噴孔から燃料を噴射す
るときを説明する断面図。
【図11】該ノズルのテーパ噴孔から燃料を噴射すると
きを説明する断面図。
【符号の説明】
1…ノズルボディ 6…針弁 10…摘み部 18a…テーパ噴孔(第1噴孔) 18b…ストレート噴孔(第2噴孔) 21,31…ロータリバルブ、バルブ駆動機構(噴孔切
換手段) 22…窪み 23…燃料連絡通路(通路) 24…渦巻室(旋回流発生手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 61/10 F02M 61/10 H R (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 61/18 350 F02M 61/18 310 F02M 61/18 330 F02M 61/04 F02M 61/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に出口が先細になるテーパ形状
    第1噴孔と全体がストレート形状の第2噴孔がそれぞれ
    形成され、内部に前記噴孔を開閉する針弁を有し、該針
    弁の開弁にしたがい燃料を前記噴孔へ導くノズルボディ
    と、 前記針弁に設けられ、ホローコーン型の噴霧形の噴霧に
    すべく、前記噴孔へ流入する燃料を当該噴孔の周方向に
    旋回させる旋回流発生手段と、 前記旋回した燃料を前記第1噴孔あるいは前記第2噴
    ら噴射させる噴孔切換手段とを具備してなることを特
    徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 前記噴孔切換手段は、一端側が前記針弁
    の先端部に回転およびスライド可能に収められ他端部が
    噴孔入口側に回動可能に支持されて前記針弁の周方向に
    回動可能に設けられ、外周面には燃料を噴孔入口に導く
    通路が形成され、回動変位により該通路を前記第1噴孔
    あるいは前記第2噴孔に連通させることによって噴孔切
    換えを行うロータリバルブを有して構成され、 前記旋回流発生手段は、前記ロータリバルブの通路の出
    口部に形成され、該通路の流れを噴孔周方向の流れにす
    る渦巻室を有して構成されることを特徴とする請求項1
    に記載の燃料噴射ノズル。
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