JP3454068B2 - 溶鋼中の炭素及び窒素濃度の順次連続測定装置及びこの装置を用いた測定方法 - Google Patents

溶鋼中の炭素及び窒素濃度の順次連続測定装置及びこの装置を用いた測定方法

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JP3454068B2 JP04189797A JP4189797A JP3454068B2 JP 3454068 B2 JP3454068 B2 JP 3454068B2 JP 04189797 A JP04189797 A JP 04189797A JP 4189797 A JP4189797 A JP 4189797A JP 3454068 B2 JP3454068 B2 JP 3454068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼中の炭素、窒
素濃度を順次連続測定できる装置とこの装置を用いた測
定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製鋼現場では溶鋼中の炭素、水素、窒素
の3元素の濃度を管理することが極めて重要である。現
実的には精錬設備によって窒素と水素の濃度値の管理が
必要になったり、あるいは窒素と炭素の濃度値の管理が
必要になる場合など様々である。これら、炭素、水素、
窒素の濃度管理の中でも最近特に注目されているのは炭
素濃度測定であり、その中でも特に極低炭素鋼板におけ
る炭素濃度測定が最大の関心事となっている。極低炭素
鋼板における炭素濃度測定が注目されているのは次の理
由による。
【0003】従来より極低炭素鋼板は自動車用鋼板を中
心として広く使用されている。極低炭素鋼板は低炭素鋼
板に比べて延展性に優れ、深絞り性が良好である一方、
機械的強度が不充分であるという欠点がある。したがっ
て、極低炭素鋼板において延展性を維持しながら機械的
強度を高めるための様々な工夫がなされている。例え
ば、TiやNb、更にはMn、P等を添加する方法が検
討されているが、これらとともに重要なのは炭素の微量
制御であるとの認識が広まっている。仮に炭素の微量制
御が可能であれば、添加物の種類や量を減らせる可能性
もあり、鉄鋼業界では10ppm〜100ppmの炭素
濃度を有する溶鋼を数ppm程度の精度で制御できる製
造技術の確立が要望されている。このような背景から溶
鋼中微量炭素の迅速測定方法の確立が期待されている。
【0004】溶鋼中の炭素濃度迅速測定方法としては、
従来より凝固温度測定方法や採取サンプルの発光分光分
析法が知られているが、これらは低レベルの炭素濃度迅
速測定には適さない。また、RH脱ガス装置において炭
素濃度を推定する技術も一部試みられている。これは真
空吸引する過程で溶鋼中から吸引ガス中に発散したCO
ガスやCO2ガスをサンプリングし、このガスを質量分
析計によって分析しながら積算することにより脱炭量を
推定するものである。しかしながら真空系からのガスサ
ンプリング自体が困難であることに加えて、全体のガス
総量が不明であることから計算誤差が大きくなる傾向が
あり、更に真空槽からのリークの問題もあり溶鋼中の炭
素濃度を正確に推定することは困難である。そして、溶
鋼中の炭素濃度が低レベルである場合、その推定はより
一層困難であり、微量炭素の濃度迅速測定方法としては
いまだ確立されていない。その他、数種の炭素濃度迅速
測定方法が提案されているが、いずれも微量炭素の濃度
測定方法としては多くの問題点を抱えている。
【0005】このように微量炭素の濃度迅速測定方法の
確立が期待される一方、炭素以外にも水素や窒素等の溶
鋼中の複数元素の各濃度測定を連続して行える装置の開
発も望まれている。また、3元素の連続測定までは要求
されないものの、窒素と炭素の濃度測定や窒素と水素の
濃度測定等、2元素の連続測定に対する要望も現実の製
鋼現場には根強くある。
【0006】このような要望に応えるべく、本出願人は
特開平7−72140号(特願平5−220138号)
を出願している。この出願は、溶鋼中の炭素、水素及び
窒素の三元素を対象としたものであり、その内容は、溶
鋼中の炭素、水素及び窒素のうち測定対象となる元素に
応じて選択されたキャリアガスを溶鋼中に吹き込んでバ
ブリングさせ、溶鋼内に浸漬されたガス供給回収プロー
ブを通じて回収された測定対象元素を含むキャリアガス
をガス循環回路内を循環又は通過させながら、前記キャ
リアガスの吹き込み及び回収を複数回繰返してキャリア
ガス中の測定対象元素濃度を溶鋼中の各元素濃度と平
衡、あるいは平衡状態に向かって近づけたのち、前記ガ
ス循環回路の途中に設けた特定元素濃度測定手段によっ
て炭素、水素又は窒素のうちの特定元素の濃度を測定し
てなり、次いで測定済みのキャリアガスを循環回路系外
に排出することによって完結する特定元素の濃度測定手
順を、キャリアガスを新たに変えて未測定の他の元素に
ついて繰り返すというものであった。そして、この方法
を実施するための装置として、不活性ガスの供給源、こ
のガスを溶鋼中に吹き込み回収するガス供給回収プロー
ブ、酸化炭素濃度測定手段及び窒素濃度測定手段を備え
たガス循環路、この循環路から分岐して設けた水素濃度
測定手段、及び溶鋼中の酸素濃度測定手段を備えた装置
を開示した。更にこの装置に用いるプローブの一例とし
て図16として示すものを例示した。このプローブは。
先端が開放したガス吹出管101と、ガス回収管102
とを紙管等の保持部材103内に挿通した構成であり、
ガス回収管102の開口端はガス吹出管101の開口端
よりも上方に位置づけられ、保持部材103の下端部に
は下方が開放したガス収集用のスカート状となした捕集
部104を設けた構成であった。そして、捕集部104
の閉止した底部側(図中では上方)には多孔質アルミナ
等の多孔性耐火物105を充填するとともに、この多孔
性耐火物105の上方に隣接する位置には粒状のアルミ
ナ106を充填し、前記多孔性耐火物105及び粒状ア
ルミナを通じてキャリアガスを回収する構成となしてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記出願に開示された
技術により、溶鋼中の炭素、窒素の連続測定が可能とな
ったのであるが、この技術にはいまだ解決すべき課題が
含まれていた。先ず第1に測定時間の短縮と測定精度の
向上の課題である。前記技術によって測定時間の飛躍的
短縮と測定精度の向上が図られたものの、より一層の向
上が望まれる。また第2の課題として、溶鋼が多孔性耐
火物105を浸食してその気孔を塞ぎ、キャリアガスの
回収が困難となる問題があった。多孔性耐火物105
は、キャリアガスのみを通過させて溶鋼の侵入を防止す
る機能を有するが、溶鋼中の酸素レベルが高い場合に
は、多孔性耐火物105の表面にFeOやMnO等の低
級酸化物が生成されやすく、この低級酸化物が多孔性耐
火物5を浸食してその気孔を塞ぐ現象が生ずる。第3の
課題として、プローブの浸漬深さを連続的に知るすべが
ないため、得られた測定結果が溶鋼界面からどれだけ離
れた深さ位置におけるデータであるかを正確に知ること
ができないという問題があった。
【0008】本発明はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、溶鋼中の炭素及び窒素の濃度を単一の装置で迅
速且つ高精度に順次連続測定できる装置と方法におい
て、測定時間の更なる短縮と測定精度の更なる向上をは
かることを目的としている。また、多孔性耐火物の目詰
まりを防止して、キャリアガスの安定的回収を保証しう
る技術をも提供せんとする。更に、プローブの浸漬深さ
を連続的に且つ正確に特定できる技術についても提案せ
んとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者等は鋭
意検討を行った結果、測定の迅速化と測定精度の向上を
はかるには、ガス吹出管から放出されるキャリアガス中
の酸素と溶鋼中から放出された炭素との反応を促進する
ことが有効であることを見出した。また、ガス回収管の
補集部のなかに気溜まりを安定して作るには、プローブ
の浸漬深さに応じて吹き出す側の圧力と吸い込む側の圧
力のバランスをとる必要があることも見出した。また、
プローブの浸漬深さに応じて吹き出す側の圧力と吸い込
む側の圧力を変える必要があるという事実から、これら
圧力値を観測することで逆にプローブの浸漬深さが測定
できるとの着想も得た。
【0010】このような認識及び着想に基づいて完成さ
れた本発明は次の内容を有する。請求項1記載の順次連
続測定装置は、溶鋼と反応せず且つ炭素及び窒素の双方
と反応しない不活性な共通のキャリアガス、あるいは溶
鋼と反応せず且つ炭素又は窒素の一方と反応しない不活
性な異種のキャリアガスの供給源と、先端側に、基端側
よりその外径を小さくした細径管を連設して構成した二
重管構造のガス吹出管を備えたガス吹出部と、前記ガス
吹出管の開口管端よりも溶鋼中において上方に位置づけ
られた多孔質部材を介してガス回収管にキャリアガスを
回収するガス回収部とを備えたガス供給回収プローブ
と、前記キャリアガス供給源から供給されたキャリアガ
スを強制循環ポンプにより前記ガス供給回収プローブを
経由させて所定回数又は所定時間循環させるガス循環回
路と、前記ガス循環回路途中又はこのガス循環回路から
分岐したガス回路途中に設けられた酸化炭素濃度測定手
段、窒素濃度測定手段と、前記ガス供給回収プローブと
一体又は別体構成された酸素濃度測定手段と、前記酸化
炭素濃度測定手段によって測定された酸化炭素濃度と前
記酸素濃度測定手段によって測定された酸素濃度の両デ
ータが入力されて溶鋼中の炭素濃度を算出する演算処理
手段と、を備えたことを特徴としている。
【0011】また請求項2記載の順次連続測定装置は、
請求項1記載の構成において、ガス循環回路途中におけ
るガス吹出側とガス吸込側のそれぞれに圧力計に連動さ
せた自動制御バルブを設けたことを特徴としている。
【0012】このような請求項1記載の順次連続測定装
置の動作態様は請求項3で表現される。即ち、請求項1
記載の溶鋼中の炭素及び窒素濃度の順次連続測定装置を
用い、二重管構造であるガス吹出管先端側に位置させた
細径管を通じてキャリアガスを溶鋼中に吹き出すことに
より、ガス吹出管の機械的強度の低下をもたらすことな
くガス吹出管から吹き出す放出気泡の小粒化をはかり、
溶鋼とガス気泡の反応界面を大きく確保した状態でキャ
リアガスを吹き込んで溶鋼をバブリングさせ、溶鋼内に
浸漬されたガス供給回収プローブを通じて回収された測
定対象元素である炭素又は窒素の双方又は一方を含むキ
ャリアガスをガス循環回路内を循環させながら、前記キ
ャリアガスの吹き込み及び回収を複数回繰返してキャリ
アガス中の測定対象元素である炭素又は窒素の濃度を溶
鋼中の各元素濃度との平衡状態に向かって近づけたの
ち、前記ガス循環回路の途中に設けた炭素濃度測定手段
又は窒素濃度測定手段によって炭素又は窒素の双方又は
一方の濃度を測定し、測定済みのキャリアガスを循環回
路系外に排出することによって完結する一連の特定元素
濃度測定手順を、キャリアガスを新たに変えて未測定の
残りの元素について繰り返す。
【0013】また、請求項4記載のように、ガス吹出側
と吸引側の両方からキャリアガスを一定の圧力で吹き出
しながら浸漬を行うことで降下浸漬途上にある捕集部内
への溶鋼の侵入を防ぐとともに、ガス吹出側に設置され
た圧力計の圧力指示値に基づいて降下浸漬途上にあるプ
ローブ測定端の浸漬深さをリアルタイムに特定するよう
にしてもよい。また、請求項5記載のようにプローブを
浸漬し停止させた後、ガス供給源のバルブを閉じ、配管
系に設置されたポンプにより配管内のガスの循環を行う
とともにガス吸込側と吸引側に設置された流量計指示値
が一定となるようガス吸込側と吸引側に設置された自動
制御バルブを制御することで捕集部内の溶鋼レベルを一
定の範囲内に収め、これにより測定中、溶鋼がポーラス
セラミックスに接触しないようにすることもできる。こ
の場合、圧力調整がなされた状態下でガス吹出側とガス
吸込側のうち一方の圧力が変動すると、自動制御バルブ
が作動してガス吹出側とガス吸込側双方の圧力が自動調
整され、これにより、ガス供給回収プローブ内補集部に
は気溜まりの安定的形成が保証される。更にこの状態に
おけるガス吹出側の圧力計指示値に基づき、請求項6記
載のようにプローブの浸漬深さを特定してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】次に本発明の詳細を図示した実施
例に基づき説明する。図1は溶鋼中の一酸化炭素分圧
(PCO)と炭素濃度の関係を示す公知のグラフであり、
例示された4本の曲線は酸素活量(aO )がそれぞれ3
00ppm、400ppm、500ppm、600pp
mである場合における一酸化炭素分圧(一酸化炭素濃
度)と炭素濃度との関係を表している。この表から明ら
かなように、酸素活量(酸素濃度)の値が分かっていれ
ば気相中の一酸化炭素濃度を測定することにより溶鋼中
の炭素濃度が一義的に推定できることが分かる。また、
グラフから理解されるように、1%〜15%の範囲の一
酸化炭素濃度を測定することよって10ppm〜100
ppmの範囲の微量炭素濃度を測定することが可能であ
り、ppmオーダーの炭素濃度が%オーダーの一酸化炭
素濃度測定によって精度良く推定できることが分かる。
本発明はこの原理を溶鋼中の炭素濃度測定に利用してい
る。
【0015】図2は本発明にかかる順次連続測定装置の
一実施例の概略説明図である。本装置は、酸化炭素濃度
測定部A、窒素濃度測定部Bを回路途中に配置したガス
循環回路Lと、前記ガス循環回路Lにコネクタにより取
替え可能に接続されるガス供給回収プローブP、前記ガ
ス循環回路Lとは独立して設けられた酸素濃度測定部
C、前記酸化炭素濃度測定部A及び酸素濃度測定部Cに
よって得られた測定値に基づいて溶鋼中の炭素濃度を算
出する演算装置Dと、から主として構成される。但し、
測定対象設備がRH脱ガス装置に代表されるように設備
内の酸素レベルが高く且つそのレベルが安定しているよ
うな場合には、酸素濃度は一定であると仮定できるの
で、この場合には図3に示すように酸素濃度測定部C等
は除去することができる。以下の説明に用いる図面では
酸素濃度測定部C等は特に図示しないが、必要に応じて
設けられる。また製鋼過程において管理する必要のある
他の元素、例えば水素等は他の公知のプローブによって
測定する等任意である。
【0016】図4はガス供給回収プローブPの先端部の
構造を示し、図5は同図の要部拡大図である。ガス供給
回収プローブPは図4に示す如く、支持管1の先端部に
ガス回収ユニット2を取り付けた構造である。ガス回収
ユニット2は図5に示すように先端側をガスが収拾しや
すいようにスカート状に開放させた捕集部3aを設けた
ガス回収管3に、粒状のアルミナを充填して管内にフィ
ルタ4を形成するとともに、このフィルタ4をガス吹出
管5に貫通させた構成であり、更に捕集部3a内におけ
るフィルタ4端面には多孔質アルミナ等よりなるポーラ
スセラミックス6を配している。また、ガス回収管3の
他端側端部には、フィルタ4を通過した清浄な回収ガス
をガス循環回路Lに導くための回収路7を設けている。
ガス回収管3の先端部は溶鋼内に浸漬されることから、
少なくとも測定時間内は溶損することがなく且つ測定誤
差の原因となるような成分の溶出がないものが選択さ
れ、例えば石英管等が使用される。またガス吹出管5も
溶鋼中で溶損せず且つ不要成分の溶出がないことが必要
であり、このためガス吹出管5における少なくとも溶鋼
中に浸漬される部分はジルコニアや石英等の耐火物から
形成される。図示しないがガス吹出管5の開口端に溶鋼
熱で溶解する低融点部材を封入し、当該ガス吹出管1が
溶鋼内所定深さに位置づけられた段階で開口端が自動的
に開放されるように構成することも好ましい。
【0017】捕集部3a内に配置されたポーラスセラミ
ックス6は溶鋼中から放出されるキャリアガスのみを通
過させ、溶鋼の侵入を防止する機能を有する。またこの
ポーラスセラミックス6の背後に設けられたフィルタ4
は回収されたキャリアガス中のゴミやダスト等を除去す
る機能を果す。支持管1の基端側にはガス吹出管5及び
ガス回収管3を後述するガス循環回路Lに接続するコネ
クタ8が装着され、当該ガス供給回収プローブPを脱着
できるように構成されており、使用後のプローブの廃棄
を容易にしている。またガス吹出管5は先端部に細径の
短管5aを装着した構成である。
【0018】ガス吹出管5の先端部に細径の短管5aを
装着したのは、放出気泡の外径を小さくして溶鋼と気泡
の反応界面を大きく確保し、これにより溶鋼中の一酸化
炭素の生成放出を促進させて測定時間の短縮と測定精度
の向上をはかるためである。キャリアガスを溶鋼中に吹
き込むとき、特に下向きに吹き出す場合の溶鋼への気泡
の離脱径は、吹き出し管の外径で決まる。したがって気
泡の離脱径を小さくするためにはガス吹出管の外径を小
さくすればよい。しかしながら、ガス吹出管の細径化は
機械的強度の低下につながり好ましくない。機械的強度
を低下させることなく細径化をはかる方法が前述した、
先端部にのみを細径化する方法である。この詳細は図9
で示される。即ち、ガス吹出管5の先端部に、これより
も細径の短管5aを嵌合して無機性の接着剤で固定する
ことが提案される。細径管が長すぎるとバブリングの攪
拌力で折損したり、露出部分が溶鋼の熱で曲がったりす
る恐れがある。
【0019】本発明者は機械的強度が要求されるガス吹
出管本体5bの好ましい材質及び寸法範囲、並びに短管
5aの好ましい材質及び寸法範囲を見いだすべく、これ
ら材質並びに寸法をそれぞれ変化させて炭素濃度測定を
行った。その結果、ガス吹出管本体5bは、耐熱耐溶損
性、耐熱衝撃性等の理由から石英、窒化物系セラミック
等の素材を用いることが好ましいとの結論にいたった。
また肉厚が1.0mmである場合、その外径寸法(R
1)は概ね6.0〜4.0mmの範囲となすことがが好
ましい。またその長さは165〜195mmの範囲から
選択することが望まれる。一方、細径管である短管5a
は、耐熱耐溶損性、耐熱衝撃性等の理由から、石英、窒
化物系セラミック等の素材を用いることが好ましく、ま
た肉厚が0.5mmである場合、その外径寸法(r1)
は、3mmを越えると気泡の離脱径が大きすぎ、他方、
2mmより小さいと気泡の離脱径が小さすぎることか
ら、概ね3.0〜2.0mmの範囲となすことが好まし
い。またその長さは(d1)は25〜50mmの範囲と
なし、露出長(d2)を5.0〜10.0mmの範囲と
なすことが好ましいとの結論にいたった。試しに、外径
(r1)3.0mm、内径(r2)1.5mm、全長
(d1)10mm、露出長(d2)5mmの石英製の短
管5aを用いたところ、測定時間内に折損や曲がりが発
生せず、且つ測定時間の短縮も目的どおり実現できた。
【0020】図8に二重管構造となしたガス吹出管を用
いた本発明プローブと一重管構造のガス吹出管を用いた
比較用プローブのそれぞれによって測定される一酸化炭
素濃度が平衡に達するまでの時間を示したグラフを示
す。二重管構造のガス吹出管は外径6mmのガス吹出管
本体に外径3mmの短管を嵌合したものを用い、他方、
一重管構造のガス吹出管は全体にわたって外径が6mm
のものを用いた。(図7参照) グラフからわかるように二重管構造のものは一重管構造
のものに比べて立ち上がりが速く、且つ平衡に到達する
迄の時間も短いことが確認された。またこの原因が二重
管構造のガス吹出管から放出される気泡径が小さいこと
にあることも確認された。
【0021】次に、このような二重管構造及び一重管構
造のガス吹出管のそれぞれを組み込んだプローブを用い
て回収されるキャリアガス中の一酸化炭素濃度と溶鋼中
の炭素含有率との相関関係を調べた。図9がこの相関関
係を示すグラフである。尚、このグラフはガス循環回路
を6回循環させたときの値を示している。このグラフか
らわかるように、二重管構造のガス吹出管を用いたプロ
ーブは一重管構造のそれよりも回収ガス中の一酸化炭素
(CO)濃度と溶鋼中の炭素(C)濃度との相関関係が
より直線的(リニア)な関係に近く、回収ガス中の一酸
化炭素(CO)濃度に基づいて溶鋼中の炭素(C)濃度
を推定する際の精度が高いことが確認された。
【0022】ところでポーラスセラミックス6は、キャ
リアガスのみを通過させて溶鋼の侵入を防止する機能を
有するが、溶鋼中の酸素レベルが高い場合には、ポーラ
スセラミックス6の表面にFeOやMnO等の低級酸化
物が生成されやすく、この低級酸化物がポーラスセラミ
ックス6を浸食してその気孔を塞ぐ現象が生ずる。この
ような現象を防止するには、ポーラスセラミックス6と
溶鋼との接触を遮断する気溜まりをガス回収管3の捕集
部3aのなかに形成することが有効である。そして、こ
れを実現するにはガス供給量とガス回収量を微妙に制御
することが必要である。浸漬深さが異なるプローブにお
いて気溜まりを安定して形成するにはプローブが停止し
た位置での吹出管先端又は回収管先端部の溶鋼をはね除
けるだけのガス圧力が必要であり、さらにガス循環を開
始するときには、吹き出す側の圧力と吸い込み側の圧力
のバランスが保たれていることが必要となってくる。こ
れは、ガス吹き込み量(ガス流量)とガス吸い込み量が
同じであることを意味しており、これは計算値および経
験値によって、吹き込み側及び吸い込み側の圧力を制御
することで実現される。またガス圧力の計算にはプロー
ブの溶鋼内への浸漬深さを特定する必要があり、これを
実施するには現場操業において溶鋼レベル(実際はスラ
グが溶鋼上に数十ミリある)を、取鍋ごと秤量して溶鋼
量を測定し、その量から溶鋼レベルを計算することが古
典的手法として考えられる。しかし、この古典的手法で
は耐火物が浸食されていくと溶鋼レベルが下がって行
き、計算値と合わなくなってくるなどの問題がある。本
実施例では吹出側圧力計13と吸込側圧力計14の指示
値に連動してそのガス流通量を調整する自動制御バルブ
40,41を設けて、浸漬深さの変動に対応できるよう
にしている。尚、この際、吹き込み側と吸い込み側の圧
力の差つまり適性バランスは、予め測定によって求めて
おく。また炭素及び窒素濃度の測定値の評価に際して
は、その測定値が溶鋼界面からどれだけの深さ位置にお
けるものであるか知る必要があるとともに、所定の深さ
位置にプローブの測定端を正確に位置づけ制御するため
には、浸漬途上にあるプローブ測定端の現在の深さ位置
をリアルタイムに把握できることが好ましい。このよう
な課題に応える方法として、本発明者はガス吹出側の配
管途中に介在させた圧力計の指示値を利用することを着
想した。即ち、プローブの浸漬途上においては、捕集部
内に過剰に溶鋼が侵入しないようにするためにガス吹出
側とガス吸込側の両方からキャリアガスを吹き出しなが
らプローブを降下させるが、このときのボンベからの吹
き出し圧力をそれぞれ一定となし、この状態下で吹出側
の配管途中に介在させた圧力計の圧力指示値を観測する
こととすれば、プローブの降下に伴って増大する捕集部
の内部圧力の変化はこの圧力計に指示されることとな
る。捕集部の内部圧力の大きさはプローブ測定端の浸漬
深さに直接関係しているから、この圧力指示値を測定し
続けることで、プローブ測定端の浸漬深さをリアルタイ
ムに知ることができる。具体的には、降下浸漬途上にあ
るプローブのガス吹出側及びガス吸込側の両方に対して
共通のボンベからキャリアガスを一定圧で供給する。そ
してガス吸込側の配管太さをガス吹出側の配管太さに比
べて大きくすることにより、ガス吸込側の吹き出し圧力
がガス吹出側の吹き出し圧力に比べて小さくなるように
設定し、この圧力差で捕集部内に気溜まりを形成して捕
集部への溶鋼の侵入を確実に防止しつつ、その内部圧力
をガス吹出側の配管途中に設けた圧力計によって測定
し、この測定された圧力値からプローブ測定端の深さ位
置をリアルタイムに知るというものである。尚、圧力指
示値とプローブ測定端の浸漬深さとの関係は、同設備を
用いた実測結果を予めデータテーブル化、グラフ化ある
いは関数表現化しておき、これを用いる。
【0023】本発明者は圧力計の指示値からプローブの
溶鋼への浸漬深さを特定する技術の確立を試みるべく、
吹出側圧力計23と吸込側圧力計24の指示値とプロー
ブの浸漬深さとの関係を実測してみた。図10として示
すグラフがこの結果である。グラフからわかるように吹
出側圧力計及び吸込側圧力計の指示値は共にプローブの
浸漬深さと相関関係にあることがわかる。特に吹出側圧
力計の指示値とプローブの浸漬深さとは完全に直線的
(リニアー)関係と見なしうることが確認された。この
結果から、これら圧力計の指示値からプローブの浸漬深
さが特定できるとの結論にいたった。このような手法を
採用することにより捕集部内で上下変動する溶鋼界面レ
ベルを把握することが可能となるので、このデータに基
づいて自動制御バルブを制御することで捕集部内の気溜
まり量を一定に維持することが可能となり、溶鋼がポー
ラスセラミックスに接触することを防止できる。
【0024】本発明装置の全体構成は図3によって代表
されることは前述したが、以下、図3に基づき、前記ガ
ス供給回収プローブが接続される回収ガス分析部として
のガス循環回路Lについて説明する。ガス循環回路Lに
は、ポンプ10、流量計11、バルブ12、圧力計1
3、圧力計14、 H2Oフィルタ15、切換バルブ16、
バイパス路17、切換バルブ18、バルブ19、酸素濃
度測定部Cとしての赤外線ガス分析計20がキャリアガ
スの流れ方向上流側から下流側に向けて順番に配され、
且つバルブ12とバルブ19間には流量制御バルブ2
7、圧力計28及びガス混合器29を介在させてアルゴ
ンガスボンベ30、窒素ガスボンベ31及びヘリウムガ
スボンベ32が配されている。また前記バイパス路17
に並設して酸化炉21、 CO2フィルタ22、熱伝導度計
(TCD)23を直列配置して構成される窒素濃度測定
部Bが配置されており、前記切換バルブ16、17を操
作することによってバイパス路17と窒素濃度測定部B
の一方をキャリアガスの通過路として選択できるように
構成されている。
【0025】酸化炭素濃度測定部Aの具体装置として赤
外線ガス分析計20を用いたのは、分析装置に組み込め
るサイズがコンパクトな事と、分析の迅速性及び精度に
優れているためである。赤外線ガス分析計20による酸
化炭素濃度測定に際してはキャリアガスとしてアルゴン
ガスを使用する。
【0026】また、窒素濃度測定部Bとして熱伝導度計
23を用いたのは、窒素は安定なガスであるために他に
適当な分析方法がなく、熱伝導度計であればこのような
安定なガスについても高精度な分析ができるためであ
る。熱伝導度計を用いる場合、測定精度を向上させるた
めには測定対象元素とキャリアガスとの熱伝導度の差は
大きいことが好ましく、窒素が測定対象元素である場合
には窒素と熱伝導度の差の大きなヘリウムガスをキャリ
アガスとして選択する。また、窒素は一酸化炭素に比べ
てキャリアガス中への拡散速度が遅いため、ガス循環回
路Lを十数回循環させただけでは平衡状態に達っしない
ことがあり、測定結果の入手が遅延するおそれがある。
本実施例ではこのような不都合を解消するために、測定
開始初期に計測される窒素濃度の立ち上がりカーブから
窒素濃度の平衡値の概略を予測するとともに、当該予測
値に基づいてガス混合器29を制御して窒素ガスボンベ
31からキャリアガスに窒素ガスを強制添加して平衡状
態を早期に実現するように工夫している。また、酸化炉
21を介在させることによりキャリアガス中の一酸化炭
素を強制的に酸化させて二酸化炭素となし、この二酸化
炭素を CO2フィルタ22によって除去しているが、これ
は窒素と熱伝導度が極めて接近している一酸化炭素の存
在が、窒素濃度測定時の誤差原因となることを排除する
ためである。
【0027】このような構成の順次連続測定装置におけ
る、窒素濃度測定部B及び酸化炭素濃度測定部Aを切り
換えて連続測定する様子は図11、12によって示され
る。
【0028】例えば窒素濃度を測定する場合は、図11
に示すように、切換バルブ16、18を操作して H2Oフ
ィルタ15通過後のキャリアガスが窒素濃度測定部Bを
通過するように切り換える。この状態でヘリウムガスボ
ンベ32から汚染されていない新鮮なヘリウムガスをガ
ス供給回収プローブPに供給し、キャリアガスによって
溶鋼をバブリングさせた後、このキャリアガスを回収す
る。回収したキャリアガスは窒素濃度測定部Bを通過さ
せてガス循環回路Lを循環させ何度も溶鋼中への吹き込
み回収を繰返し、キャリアガス中の窒素濃度をより平衡
状態に近づける。熱伝導度計23の指示値は常にモニタ
されており、平衡した値を読み取ることで測定を完了す
る。窒素の拡散速度の遅さを補うために、窒素ガスボン
ベ31からの窒素ガスの適量添加も適宜採用される。
尚、測定済みのキャリアガスはガス循環回路Lの系外に
排出されて次の測定に備えられる。尚、以上の測定時間
中においてはキャリアガスの吹き出し圧力及び吸い込み
圧力は吹出側圧力計13及び吸込側圧力計14の指示値
に基づいて自動制御バルブ40,41によって自動制御
され、捕集部内の気溜まりの容積をほぼ一定に保つよう
になっている。
【0029】また一酸化炭素及び二酸化炭素の濃度を測
定する場合は、図12に示すように切換バルブ16、1
8を操作して窒素濃度測定部Bをガス循環回路Lから切
離し、バイパス路17をキャリアガスが通過するように
セッティングする。そして、この状態でアルゴンガスボ
ンベ30から汚染されていない新鮮なアルゴンガスを所
定量だけガス供給回収プローブPに供給し、その後、こ
のキャリアガスをガス供給回収プローブPのガス吹出管
1を通じて溶鋼内に吹き込み、バブリングによって溶鋼
内の炭素と酸素の反応を促進させて一酸化炭素及び二酸
化炭素を生成させる。この一酸化炭素及び二酸化炭素を
含むキャリアガスはガス回収管2によって回収され赤外
線ガス分析計20によって分析される。回収したキャリ
アガスは赤外線ガス分析計20を通過させながらガス循
環回路Lを何度も循環させて溶鋼中への吹き込み回収を
繰返し、キャリアガス中の窒素濃度をより平衡状態に近
づけて、ガス循環回路L内を所定回数又は所定時間循環
させた段階の赤外線ガス分析計20における一酸化炭素
及び二酸化炭素のそれぞれの該当ピーク値を読み取り、
この値に基づいて溶鋼中の酸化炭素濃度を測定し、この
測定値を基にして溶鋼中の炭素濃度を数ppmの測定精
度で推定するものである。この酸化炭素濃度の測定時間
中においても自動制御バルブの働きによって捕集部内の
気溜まりの容積はほぼ一定に保たれる。
【0030】ここで、ガス循環を数回又は所定時間行う
のは、キャリアガス中の酸化炭素濃度を平衡状態に向か
って増加させることによりその測定精度の向上をはかる
ためである。尚、ガス循環を繰り返す代わりにガス吹出
み深さを伸長してガス循環を1回だけにしても同等の効
果が得られることは周知の事実であるが、この場合は設
備が大型化して好ましくない。また、ガス循環の繰り返
し回数又は循環時間を限定したのは、迅速測定を行うた
めであり、またガス循環の繰り返しによる酸化炭素濃度
の増加傾向は、測定設備が同じである限り規定値の範囲
内にあり、予め同設備で所定回数又は所定時間循環させ
たときに測定される酸化炭素濃度と溶鋼中の炭素濃度と
の関係性さえ確立しておけば、この関係性を用いて溶鋼
中の炭素濃度を高精度に測定できることが実証されてい
るためである。具体的なガス循環回数は、測定条件によ
って左右されるが、本発明者が確認したところでは、3
00ccのアルゴンガスを10回循環させたところ数p
pmの測定精度で炭素濃度の測定が完了した。尚、この
測定に要した時間は約30秒であり、時々刻々変化する
溶鋼中の炭素濃度をほぼリアルタイム的に追跡分析する
ことが可能であり、本測定によって得られた炭素濃度の
値を精錬設備のフィードバック制御に利用できることが
確認された。
【0031】また赤外線ガス分析計20から得られた酸
化炭素濃度から溶鋼中の炭素濃度を推定するには、酸素
濃淡電池等を用いて構成した酸素濃度測定部Cの測定値
も参照して行う。本実施例では、酸素濃度測定部Cは酸
化炭素濃度測定部Aとは別体構成しているが、ガス供給
回収プローブPに酸素センサを組み込むことも考慮され
る。尚、測定対象設備がRH脱ガス装置に代表されるよ
うに溶鋼内の酸素レベルが高く且つそのレベルが安定し
ているような場合には、酸素濃度は一定であると仮定で
きるので、この場合は酸素濃度を測定することなく赤外
線ガス分析計20の測定結果から溶鋼中の炭素濃度を直
接推定してもよい。
【0032】上述したように、測定対象鋼種に対して窒
素濃度測定及び炭素濃度測定が、それぞれの測定毎にキ
ャリアガスを取り替えながら行われるが、溶鋼内へのガ
ス供給回収プローブPの浸漬作業は、測定対象鋼種が変
わらない限り繰り返す必要はなく、溶鋼に浸漬した状態
を維持しながらキャリアガスの切り換えのみで対応する
ことが可能であり、炭素濃度測定と窒素濃度測定を連続
実施することもできる。
【0033】また上記実施例では、同一鋼種に対する濃
度測定であっても炭素濃度測定と窒素濃度測定とではキ
ャリアガスを別種のものに取替えているが、各濃度測定
手段の具体的装置構成の工夫次第では同種のキャリアガ
スを使える可能性もあり、更には各濃度測定手段による
処理順序や予備処理の内容の工夫次第ではキャリアガス
を新たに吹き込み直すことなく、既に溶鋼中の水素、窒
素等の各元素に対して平衡状態に到達しているキャリア
ガスを共通使用できる可能性もある。この場合は、ガス
ボンベの本数削減が可能となる。
【0034】以上説明したものは、窒素濃度測定手段と
して熱伝導度計23を用い、酸化炭素濃度測定手段とし
て赤外線ガス分析計20を用いた場合であったが、各特
定元素濃度測定と具体的装置との組合せは測定環境や要
求される測定精度を考慮して選択されるもので、例えば
図13に示すように、ガス循環回路Lの途中に高精度な
熱伝導度計33を配し、この熱伝導度計33の前段部分
に、バイパス路17、酸化炭素濃度測定用予備処理部3
4、窒素濃度測定用予備処理部35を並設し、これら各
部を切換バルブ36、37を操作することによって択一
的に選択できるようにすることも考慮される。
【0035】次に、本装置で採用されているガス循環回
路Lの作動態様の概略を図14及び図15を参照して説
明する。図においてガス循環回路上に記載した矢印はガ
スの流れ方向を示している。またバルブ19及びバルブ
19において実線で示すものはガス回路の接続状況を表
し、更にポンプ10の上に付記した〔ON〕、〔OF
F〕はポンプ10の作動/停止を表現している。
【0036】ガス供給回収プローブPを接続する前の
待機状態であり、流量制御バルブ27は閉じられ、且つ
ポンプ10も停止している。 ポンプ10を作動させて吹出側から配管内のエアーを
放出するとともに、ボンベから放出したキャリアガスを
吹出側から放出する。 ポンプ10を作動又は停止させた状態でガス供給回収
プローブPを装着する。例えばプローブPの吹出側先端
を低融点部材等で封止している場合にはポンプ10の作
動による圧力上昇によってプローブPの装着を認識し
て、吹出側もキャリアガス回路に切り換える。また、吹
出側先端を低融点部材によって封止していない場合に
は、直ちにポンプ10を停止させてキャリアガス回路に
切り換え、プローブPの浸漬を待つ。 ガス供給回収プローブPを溶鋼中所定深さに浸漬する
と低融点部材によって封止された吹出側先端が溶鋼の熱
で溶け、キャリアガスが溶鋼中に解放される。そして、
プローブの浸漬を圧力低下により認識し、吹出側及び吸
込側の両方からキャリアガスを放出する。(図14) ポンプ10を作動させて配管内残留ガスを系外に放出
し、ガス循環の準備が完了する。 ボンベ10を循環回路から離脱させたうえ、キャリア
ガスの循環を開始し、赤外線ガス分析計20による酸化
炭素濃度測定を開始する。(図15) 測定が終了すればポンプ10を停止させたうえ、プロ
ーブPを引き上げ、吹出側及び吸込側からキャリアガス
を任意時間放出して次の測定に備える。
【0037】このようにしてガス循環回路L内のキャリ
アガスの循環が行われ、特定元素の濃度測定が行われ
る。尚、上記ガス循環回路Lは一例に過ぎず、キャリア
ガスの循環が可能な構成であれば、他の構成を採用する
ことも任意である。
【0038】
【発明の効果】請求項1記載の本発明方法及び請求項3
記載の本発明装置によれば、溶鋼中の微量炭素及び微量
窒素を迅速且つ連続して測定することができる。しかも
炭素濃度測定及び窒素濃度測定のいずれにおいてもガス
供給回収プローブ及びガス循環回路等の主要部分は共通
して使用できるから、測定装置の新たな設置作業は不要
であり、測定設備のトータルコストの低減がはかれると
ともに測定設備のメンテナンスも容易となる。
【0039】そして本発明は、バブリングの攪拌力によ
り溶鋼中の微量な炭素及び窒素とキャリアガス中の酸素
との反応とアルゴン気泡への窒素の拡散を促進すること
に加えて、ガス吹出管を先端に細径管を連設した二重管
構造となし、ガス吹出管の機械的強度を損なうことなく
放出気泡の粒径を小さくして気泡と溶鋼との反応界面を
大きくして反応を更に促進しているので、測定時間の一
層の短縮がはかれ、且つ測定精度の一層の向上がはかれ
る。
【0040】また請求項2記載のように、ガス吹出側と
ガス吸込側のそれぞれに圧力計を備えさせ、これらの指
示値に基づいてキャリアガスの吹き込み及び吸い込みを
自動制御バルブによって制御した場合には、捕集部内に
気溜まりを安定的に形成することができるので、捕集部
内の多孔性耐火物が目詰まりすることはなく、キャリア
ガスの回収を安定して行うことができる。
【0041】更に請求項4記載のように、ガス吹出側と
吸引側の両方からキャリアガスを一定の圧力で吹き出し
ながら浸漬を行うことで捕集部内への溶鋼の侵入を防ぐ
とともに、ガス吹出側に設置された圧力計の圧力指示値
に基づいてプローブの浸漬深さを特定した場合、降下浸
漬途上にあるプローブ測定端の現在の深さ位置をリアル
タイムに把握できるため、プローブ測定端を所定深さに
位置づけることが容易となる。
【0042】更に請求項5記載のように、プローブを浸
漬し停止させた後、ガス供給源のバルブを閉じ、配管系
に設置されたポンプにより配管内のガスの循環を行うと
ともにガス吸込側と吸引側に設置された流量計指示値が
一定となるようガス吸込側と吸引側に設置された自動制
御バルブを制御することで捕集部内の溶鋼レベルを一定
の範囲内に収め、溶鋼がポーラスセラミックスに接触し
ないようにした場合、捕集部内の多孔性耐火物が目詰ま
りすることを完全に防止でき、測定の信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶鋼中の一酸化炭素と炭素の関係を示すグラ
【図2】 本発明にかかる順次連続測定装置の一実施例
の概略説明図
【図3】 本発明にかかる順次連続測定装置の他の実施
例の概略説明図
【図4】 ガス供給回収プローブの一例を示す断面説明
【図5】 同プローブの要部を示す断面説明図
【図6】 二重管構造となしたガス吹込管を示す要部説
明図
【図7】 二重管構造となしたガス吹込管による効果を
確かめる実験に用いた比較用プローブの要部を示す断面
説明図
【図8】 二重管構造となしたガス吹込管を用いた本発
明プローブと一重管構造のガス吹込管を用いた比較用プ
ローブのそれぞれによって測定される一酸化炭素濃度が
平衡に達するまでの時間を示すグラフ
【図9】 二重管構造となしたガス吹込管を用いた本発
明プローブと一重管構造のガス吹込管を用いた比較用プ
ローブのそれぞれによって回収されるガス中の一酸化炭
素濃度と溶鋼中の炭素含有率との相関関係を示すグラフ
【図10】 吹出側圧力計の指示値及び吸込側圧力計の
指示値とプローブの溶鋼への浸漬深さの相関関係を示す
グラフ
【図11】 窒素濃度測定時のキャリアガスの流通経路
を示す概略説明図
【図12】 酸化炭素濃度測定時のキャリアガスの流通
経路を示す概略説明図
【図13】 本発明にかかる順次連続測定装置の他の態
様を示す概略説明図
【図14】 ガス循環回路の作動態様を示す概略説明図
【図15】 ガス循環回路の作動態様を示す概略説明図
【図16】 捕集部内に形成された気溜まりが多孔性耐
火物を溶鋼から保護している状態を示す説明図
【符号の説明】
A 酸化炭素濃度測定部 B 窒素濃度測定部 C 酸素濃度測定部 D 演算装置 L ガス循環回路 P ガス供給回収プローブ S スラグ 1 支持管 2 ガス回収ユニッ
ト 3 ガス回収管 3a 捕集部 4 フィルタ 5 ガス吹込管 5a 短管 5b ガス吹込管本
体 6 ポーラスセラミックス 7 回収路 8 コネクタ 10 ポンプ 11 流量計 12 バルブ 13 圧力計 13 吹出側圧力計 14 吸込側圧力計 15 H2Oフィルタ 16 切換バルブ 17 バイパス路 18 切換バルブ 19 バルブ 20 赤外線ガス分
析計 21 酸化炉 22 CO2フィルタ 23 熱伝導度計 27 流量制御バルブ 28 圧力計 29 ガス混合器 30 アルゴンガス
ボンベ 31 窒素ガスボンベ 32 ヘリウムガス
ボンベ 33 熱伝導度計 34 酸化炭素濃度
測定用予備処理部 35 窒素濃度測定用予備処理部 36 切換バルブ 37 切換バルブ 40,41 自動制御バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 敏弘 大阪府高槻市三島江1−7−40 ヘレウ ス・エレクトロナイト株式会社内 (72)発明者 林 敦 大阪府高槻市三島江1−7−40 ヘレウ ス・エレクトロナイト株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−318619(JP,A) 特開 平7−72140(JP,A) 特開 平10−2897(JP,A) 実開 昭62−62966(JP,U) 実開 平4−122365(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/20

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶鋼と反応せず且つ炭素及び窒素の双方
    と反応しない不活性な共通のキャリアガス、あるいは溶
    鋼と反応せず且つ炭素又は窒素の一方と反応しない不活
    性な異種のキャリアガスの供給源と、 先端側に、基端側よりその外径を小さくした細径管を連
    設して構成した二重管構造のガス吹出管を備えたガス吹
    出部と、前記ガス吹出管の開口管端よりも溶鋼中におい
    て上方に位置づけられた多孔質部材を介してガス回収管
    にキャリアガスを回収するガス回収部とを備えたガス供
    給回収プローブと、 前記キャリアガス供給源から供給されたキャリアガスを
    強制循環ポンプにより前記ガス供給回収プローブを経由
    させて所定回数又は所定時間循環させるガス循環回路
    と、 前記ガス循環回路途中又はこのガス循環回路から分岐し
    たガス回路途中に設けられた酸化炭素濃度測定手段及び
    窒素濃度測定手段と、 前記ガス供給回収プローブと一体又は別体構成された酸
    素濃度測定手段と、 前記酸化炭素濃度測定手段によって測定された酸化炭素
    濃度と前記酸素濃度測定手段によって測定された酸素濃
    度の両データが入力されて溶鋼中の炭素濃度を算出する
    演算処理手段と、 を備えた溶鋼中の炭素及び窒素濃度の順次連続測定装
    置。
  2. 【請求項2】 ガス循環回路途中におけるガス吹出側と
    ガス吸込側のそれぞれに圧力計に連動させた自動制御バ
    ルブを設けた請求項1記載の溶鋼中の炭素及び窒素濃度
    の順次連続測定装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の溶鋼中の炭素及び窒素濃
    度の順次連続測定装置を用い、二重管構造であるガス吹
    出管先端側に位置させた細径管を通じてキャリアガスを
    溶鋼中に吹き出すことにより、ガス吹出管の機械的強度
    の低下をもたらすことなくガス吹出管から吹き出す放出
    気泡の小粒化をはかり、溶鋼とガス気泡の反応界面を大
    きく確保した状態でキャリアガスを吹き込んで溶鋼をバ
    ブリングさせ、溶鋼内に浸漬されたガス供給回収プロー
    ブを通じて回収された測定対象元素である炭素又は窒素
    を含むキャリアガスをガス循環回路内を循環又は通過さ
    せながら、前記キャリアガスの吹き込み及び回収を一回
    又は複数回繰返してキャリアガス中の測定対象元素濃度
    を溶鋼中の各元素濃度と平衡させるか、あるいは平衡状
    態に向かって近づけたのち、前記ガス循環回路の途中に
    設けた酸化炭素濃度測定手段及び窒素濃度測定手段によ
    って酸化炭素又は窒素の一方の濃度を測定し、測定済み
    のキャリアガスを循環回路系外に排出することによって
    完結する一連の特定元素濃度測定手順を、キャリアガス
    を新たに変えて未測定の残りの元素について繰り返して
    なる溶鋼中の炭素及び窒素濃度の順次連続測定方法。
  4. 【請求項4】 下方を開放させたカップ状の捕集部内に
    ポーラスセラミックスを配置した請求項2記載の溶鋼中
    の炭素及び窒素濃度の順次連続測定装置を用い、ガス吹
    出側と吸引側の両方からキャリアガスを一定の圧力で吹
    き出しながら浸漬を行うことで捕集部内への溶鋼の侵入
    を防ぐとともに、ガス吹出側に設置された圧力計の圧力
    指示値に基づいてプローブの浸漬深さを特定してなる溶
    鋼中の炭素及び窒素濃度の順次連続測定方法。
  5. 【請求項5】 下方を開放させたカップ状の捕集部内に
    ポーラスセラミックスを配置した請求項2記載の溶鋼中
    の炭素及び窒素濃度の順次連続測定装置を用い、プロー
    ブを浸漬し停止させた後、ガス供給源のバルブを閉じ、
    配管系に設置されたポンプにより配管内のガスの循環を
    行うとともにガス吸込側と吸引側に設置された流量計指
    示値が一定となるようガス吸込側と吸引側に設置された
    自動制御バルブを制御することで捕集部内の溶鋼レベル
    を一定の範囲内に収め、溶鋼がポーラスセラミックスに
    接触しないようにした溶鋼中の炭素及び窒素濃度の順次
    連続測定方法。
  6. 【請求項6】 自動制御バルブによって圧力調整がなさ
    れたときのガス吹出側の圧力計指示値に基づいてプロー
    ブの浸漬深さを特定してなる請求項5記載の溶鋼中の炭
    素及び窒素濃度の順次連続測定方法。
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