JP3450930B2 - 金属試料のクリープによる損傷度の評価方法および装置 - Google Patents

金属試料のクリープによる損傷度の評価方法および装置

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    • G01N2291/044Internal reflections (echoes), e.g. on walls or defects

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属試料、たとえば高
温度、高応力環境下で使用されるガスタービンの翼など
のクリープによる損傷の程度、すなわち損傷度の評価方
法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から金属材料のクリープによる損傷
度の評価方法としては、超音波を用いた音速測定や減衰
率測定などがある。これらの方法は、金属材料のクリー
プがボイド、フィッシャを経て、ミクロクラックの状態
になって始めて測定できるものである。これはクリープ
による損傷度の末期である。このような条件でクリープ
余寿命を判断しようとすると、比較的短い間隔で測定を
行う必要がある。発電用のタービンなど連続運転の機器
では、頻繁に停止することができず、余寿命を判断する
ことができない。
【0003】また金属材料の構成相である金属間化合物
の変化によるものか、ボイドやフィッシャを経たミクロ
クラックによるものかの評価もできず、相変化によるク
リープは破壊検査で始めて測定可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
試料のクリープ損傷度および余寿命を、その試料の非破
壊で評価することができるようにした金属試料のクリー
プによる損傷度の評価方法および装置を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属試料に超
音波を照射し、その超音波の表面反射波と底面反射波と
の間の後方散乱波のエネルギを検出し、この後方散乱波
のエネルギの中心周波数fcを演算して求め、この中心
周波数fcが低いほど、試料のクリープ損傷度が大きい
ものと評価することを特徴とする金属試料のクリープに
よる損傷度の評価方法である。また本発明は、後方散乱
波のエネルギの中心周波数fcが、各周波数fi毎のエ
ネルギEiの総和ΣEiに対する前記各周波数fiとそ
の周波数fiのエネルギEiとの積の総和Σfi・Ei
の比を演算して求めることを特徴とする。また本発明
は、中心周波数fcに基づいて試料の余寿命を評価する
ことを特徴とする。また本発明は、金属試料が、高ニッ
ケル合金であることを特徴とする。また本発明は、金属
試料に超音波を照射する音響レンズと、音響レンズに超
音波を与えるとともに、音響レンズからの超音波を受信
する振動子と、超音波領域の電気信号を出力して振動子
に与える発信器と、発信器の出力を振動子に与え、振動
子からの受信出力を導出するサーキュレータと、サーキ
ュレータからの出力をデジタル信号に変換するアナログ
/デジタル変換器と、アナログ/デジタル変換器の出力
に応答し、試料による超音波の表面反射波と底面反射波
との間の後方散乱波を検出し、その検出された後方散乱
波の各周波数毎のエネルギを演算する周波数解析器と、
周波数解析器の出力に応答し、前記各周波数のエネルギ
の総和に対する前記各周波数fiとその周波数fiのエ
ネルギEiとの積の総和Σfi・Eiの比を演算して中
心周波数fcを求める演算手段と、演算手段の出力に応
答し、前記比に対応する試料のクリープ損傷度を表わす
信号を演算して出力する出力手段とを含むことを特徴と
する金属試料のクリープによる損傷度の評価装置であ
る。
【0006】
【作用】本発明に従えば、発信器からの超音波領域の電
気信号を、サーキュレータを介して振動子に与えて励振
し、音響レンズからの超音波がたとえば水などの超音波
伝達媒体を介して金属試料に与えられ、この試料の表面
エコーである表面反射波と底面エコーである底面反射波
との間に存在する後方散乱波を検出し、その後方散乱波
を前記振動子によって電圧などの電気信号に変換し、ア
ナログ/デジタル変換器によってデジタル信号とし、後
方散乱波のエネルギの中心周波数fcを演算して求め
る。この後方散乱波のエネルギの中心周波数fcは、本
件発明者によれば、金属試料のクリープの損傷度に対応
していることが解明された。これによってその後方散乱
波のエネルギを検出して中心周波数fcを求めることに
よって、クリープの損傷度と、さらにその金属試料が破
断に至るまでの余寿命とを知ることができる。
【0007】
【0008】
【0009】上述のように、後方散乱波のフーリエ変換
によるエネルギの中心周波数fcを演算手段によって演
算して求め、この中心周波数fcは、試料のクリープに
よる損傷度、および余寿命に依存する。この中心周波数
fcを求めることによって、損傷度と余寿命とを知るこ
とができる。中心周波数fcとは、前記周波数範囲内で
エネルギが最大である周波数であってもよい。すなわち
後方散乱波の各周波数毎のエネルギの最大値が得られる
周波数もまた、クリープによる損傷度および余寿命に依
存していることが解明された。
【0010】
【実施例】図1は、本発明の一実施例の全体の構成を示
すブロック図である。たとえば高ニッケル合金から成る
ガスタービンの翼などの金属試料1には、振動子2から
音響レンズ3を介して水などの超音波伝達媒体9を経て
その試料1の表面に向けて超音波が照射され、移動手段
5によって振動子2および音響レンズ3が、試料1の図
1における紙面に垂直なX−Y平面に沿って変位するこ
とによって、その振動子2から得られる出力に基づき、
後方散乱波のエネルギを演算して求め、クリープのダメ
ージによる後方散乱波のエネルギとのグラフなどのデー
タに基づいて、クリープ損傷度を高精度に演算して求め
ることができ、また破断に至るまでの余寿命の予測を高
精度で行うことができる。音響レンズの軸線は、Z軸方
向と一致していてもよく、または斜めであってもよい。
図2は、試料1のクリープ曲線を示すグラフである。試
料1を高温度の或る一定の温度に保ち、一定の荷重を加
えたままに保持しておいたとき、その試料1の時間経過
に伴うクリープ歪は、図2の参照符A,B,C,Dを辿
り、参照符Eでは、遂に破断に至る。試料1にクリープ
が作用していない初期Aから破断Eに至るまでの時間を
W1とするとき、クリープが時間W2にわたって作用し
たとき、損傷度ηは、W2/W1で定義される。損傷度
100%というのは、試料1がクリープによって破断し
た時点を示す。
【0011】 η = W2/W1 …(1) 振動子2は、たとえば圧電素子などから成り、発信器7
からは、たとえば100MHz〜2GHz、特にたとえ
ば240MHzのバースト音波が出力され、サーキュレ
ータ8を介して振動子2に与えられ、振動子2が励振
し、平面超音波が発生される。この振動子2からの超音
波は、音響レンズ3を伝播し、球面波4となって、水な
どの超音波伝達媒体9を経て、試料1に、参照符10で
示されるように収束して与えられる。
【0012】図3は、音響レンズ3と試料1の一部の構
成を簡略化して示す断面図である。音響レンズ3は、サ
ファイア、石英、アルミナ製であって、たとえば100
〜300μmφの直径を有する半球状の凹所11が形成
され、この音響レンズ3の音響放射軸線12は、試料1
の表面1aに垂直な姿勢となっている。音響レンズ3か
らの超音波は、その音響レンズ3によって収束され、水
などの超音波伝達媒体9を経て、試料1の表面1aに至
る。その超音波C1の一部は、その試料1の表面1aで
表面エコーである表面反射波C2として反射し、その入
射する超音波C1の大部分は、試料1を参照符C3で示
されるように伝播し、底面1bで底面エコーである底面
反射波C4として反射され、逆の路程を経て超音波伝達
媒質4および音響レンズ3を経て振動子2に返ってく
る。振動子2で受信された超音波は、電圧などの電気信
号に変換される。
【0013】振動子2から出力される電気信号は、サー
キュレータ8を経て受信器13で受信され、増幅され、
検出器14でたとえばさらに増幅され、その検波出力は
ライン15から、アナログ/デジタル変換器16に与え
られて、デジタル信号に変換される。
【0014】アナログ/デジタル変換器16の出力は、
周波数解析器24において、後方散乱波の各周波数毎の
エネルギが、フーリエ変換の演算によって周波数解析し
て求められる。
【0015】図4は、振動子2から出力される電気信号
の波形を示す。音響レンズ3と媒体9との境界で反射さ
れる反射波は参照符25で示されるとおりであり、試料
1の表面1a(図3参照)による表面反射波C2の波形
は参照符26で示される。また底面反射波C4による波
形は参照符27で示される。表面反射波26と底面反射
波27との間に存在する後方散乱波28は、本発明にお
いて試料1のクリープによる損傷度および余寿命の評価
のために用いられる。
【0016】この後方散乱波28の振幅は、その前後の
各反射波26,27の振幅よりも小さく、したがって振
動子2の出力を、後述のマイクロコンピュータなどによ
って実現される処理回路19においてレベル弁別し、こ
れによって反射波26,27間における後方散乱波28
の存在する期間を自動的に検出することができる。この
弁別レベルは、図4において参照符L1,L2で示され
る上下の弁別レベルの絶対値は等しい。
【0017】すなわち後方散乱波28の存在する期間を
自動的に検出するために、振動子2の出力を、処理回路
19において弁別レベルL1,L2でレベル弁別し、そ
の波形が上弁別レベルL1を超え、または下弁別レベル
L2を超えて大きい、すなわち図4の上方または下方に
ある波形となった時刻のうち、反射波26に関しては、
遅い方の時刻t1を開始時刻t1として選択する。この
図4の実施例では、出力波形が弁別レベルL2の範囲内
に戻ったときの時刻を、前記開始時刻t1として選ぶ。
【0018】もう1つの反射波27に関しては、弁別レ
ベルL1,L2で出力波形をレベル弁別するとき、早い
時刻t2でその波形が弁別レベルL1,L2の絶対値を
超えたものとすると、その早い方の時刻t2を終了時刻
とする。こうして開始時刻t1から終了時刻t2までの
期間における波形を後方散乱波として検出する。
【0019】周波数解析器24の出力は、前記t1とt
2との間、処理回路19に与えられ、また前述のアナロ
グ/デジタル変換器16の出力も処理回路19に与えら
れる。
【0020】図5は、処理回路19の動作を説明するた
めのフローチャートである。金属試料1のクリープによ
る損傷度および余寿命の評価を行うにあたり、ステップ
a1からステップa2に移り、発信器7からサーキュレ
ータ8を経てたとえば周波数100MHz〜2GHzの
バースト音波またはインパルス音波を与え、その反射波
を振動子2からサーキュレータ8を経て受信し、前述の
図4に関連して述べた弁別レベルL1,L2でレベル弁
別することによって、後方散乱波28の存在する期間を
検出して、その後方散乱波の波形を得ることができる。
【0021】ステップa3では、周波数解析器24によ
る後方散乱波28の各周波数毎のエネルギを演算して求
める。
【0022】図6は、表1に示す高ニッケル合金(MA
R−M−246)から成る金属試料1に240MHzの
超音波を照射したときの各周波数毎の後方散乱量である
エネルギ分布を示す。白で示す参照符29は、クリープ
が作用しない新品のエネルギ分布を示す。斜線を施して
示す参照符30は、前記高ニッケル合金をガスタービン
翼に20,000時間使用したクリープが作用した合金
試料1のエネルギ分布を示す。
【0023】
【表1】
【0024】ステップa4では、フーリエ変換による各
周波数毎のエネルギの総和ΣEiを演算して求める。
【0025】
【数1】
【0026】ここでiは、各周波数fiの予め定める幅
Δfiに個別的に対応している。この周波数の幅Δfi
は、たとえば1MHzの範囲に定められてもよい。この
エネルギ分布の総和が行われる周波数範囲は、たとえば
25MHz未満に定められる。
【0027】ステップa5では、前述の式1に基づいて
演算したエネルギの総和Pのうち、試料1のクリープ初
期、すなわちクリープが作用してしない状態でのエネル
ギの総和の値P0を、メモリ21に予めストアしてお
く。そこでステップa6では、試料1の後方散乱波のエ
ネルギPを、初期値P0で割算して規格化を行い、後方
散乱波のエネルギの比Rを演算して求める。
【0028】 R = P/P0 …(2) この規格化した値Rが大きいほど、試料1のクリープ損
傷度が大きく、また余寿命(=W1−W2)が短いもの
と評価することができる。
【0029】図7は、この金属試料1のクリープによる
損傷度に対応する規格化された後方散乱波のエネルギの
関係を示すグラフである。このグラフから、比Rが求め
られることによって、その損傷度を高精度に求めて評価
することができることが理解される。またこの損傷度を
求めることによって、試料1が破断に至るまでの時間で
ある余寿命を演算して求めることもまた可能となる。図
7の特性をメモリ21に予めストアし、これを読出して
比Rを測定すれば、損傷度を求めることができる。
【0030】さらに本発明によれば、後方散乱波のエネ
ルギの中心周波数fcを演算して求めるために、まずス
テップa7では、後方散乱波の各周波数fiとその周波
数fiのエネルギEiとの積の総和を、式3で示される
ように求める。
【0031】
【数2】
【0032】ステップa8では、式4に基づき、中心周
波数fcを演算して求める。
【0033】
【数3】
【0034】本件発明者の実験によれば、後方散乱波の
エネルギの周波数分布は、図8に示されるようにして得
られる。ライン32に比べてライン33,34は、この
順序で、金属試料1のクリープによる損傷度が大きい。
したがって金属試料1のクリープによる損傷度が大きく
なるにつれて、その後方散乱波のエネルギの最大値が大
きくなるとともに、中心周波数fcが低くなることが理
解される。
【0035】図9は、図8に示される本件発明者の実験
結果を、クリープによる損傷度と中心周波数fcとに対
応して示すグラフである。中心周波数fcを上述のよう
にして求めることによって、クリープによる損傷度を求
め、さらに試料1が破断に至るまでの余寿命を演算して
求めることができる。予め求めておいた図9の特性はメ
モリ21にストアしておき、中心周波fcに対応するク
リープ損傷度を求めることができる。
【0036】金属材料を、たとえばタービン翼のように
高湿下で降伏応力以下の応力を作用させて長時間使用す
ると、金属材料中で固溶体の金属間化合物化、炭化物化
が起こり、相が変化する。また格子欠陥の集積化が起こ
り、これがボイドやフィッシャに発達し、さらにミクロ
クラックから目に見えるクラックに発達する。特に高ニ
ッケル合金では、ニッケルとアルミニウムとの金属間化
合物(Ni3Al)が数10%程度含まれており、これ
がγ′相としてクラックの進展とともに発達する。γ′
相の大きさは1μm以下と非常に小さく、超音波の後方
散乱を起こしやすい。またγ′相のわずかな大きさ、形
状の変化でも全体として超音波の後方散乱に寄与すると
考えられ、このためボイドやフィッシャのみの場合に比
し、クリープ初期の段階から後方散乱量に変化が起こる
と考えられる。また、後方散乱の中心周波数fcは、組
織変化を伴うクリープ損傷度が高くなるにつれて低周波
数側にシフトしてゆく。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、試料に超
音波を照射して得られるときにおける後方散乱波のエネ
ルギの中心周波数fcがクリープ損傷度および余寿命に
対応しているという現象に基づき、その試料のクリープ
損傷度および余寿命を高精度で求めて評価することが可
能になる。したがって金属試料に作用するクリープが僅
かであっても、クリープ損傷度および余寿命を正確に評
価することができるようになる。これによってガスター
ビンの翼などの前記評価を行う際に、むやみに頻繁に運
転を停止する必要がなく、その評価測定の期間を長くす
ることができ、好都合である。
【0038】上述のように、後方散乱波のエネルギの中
心周波数が、クリープの損傷度に応じて変化するという
現象に基づき、この中心周波数fcを求めることによっ
て、金属試料のクリープによる損傷度および破断する時
点までの余寿命を正確に予測することができるようにな
る。
【0039】また本発明によれば、高ニッケル合金で
は、ニッケルとアルミニウムとの金属間化合物の含有量
が数10%程度含まれており、これがγ′相として、ク
リープの進展とともに発達し、γ′相は超音波の後方散
乱を起こしやすく、γ′相のわずかの大きさ、形状の変
化でも後方散乱に影響を及ぼすので、発電用タービン翼
に多く用いられる高ニッケル合金のクリープ損傷度およ
び余寿命を少ない回数の超音波による後方散乱の測定で
正確に評価できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示すブロック
図である。
【図2】試料1のクリープ曲線を示すグラフである。
【図3】音響レンズ3と試料1の一部の構成を簡略化し
て示す断面図である。
【図4】振動子2から出力される電気信号の波形を示
す。
【図5】処理回路19の動作を説明するためのフローチ
ャートである。
【図6】表1に示す高ニッケル合金(MAR−M−24
6)から成る金属試料1に240MHzの超音波を照射
したときの各周波数毎の後方散乱量であるエネルギ分布
を示す。
【図7】この金属試料1のクリープによる損傷度に対応
する規格化された後方散乱波のエネルギの関係を示すグ
ラフである。
【図8】後方散乱波のエネルギの周波数分布が金属試料
のクリープ損傷度によって変化する状態を示すグラフで
ある。
【図9】図8に示される本件発明者の実験結果を、クリ
ープによる損傷度と中心周波数fcとに対応して示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 金属試料 2 振動子 3 音響レンズ 7 発信器 8 サーキュレータ 9 超音波伝達媒体 13 受信器 14 検出器 16 アナログ/デジタル変換器 19 処理回路 24 周波数解析器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−82350(JP,A) 特開 昭61−137061(JP,A) 特開 平4−95870(JP,A) 特開 平4−177158(JP,A) 特開 平6−58917(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属試料に超音波を照射し、 その超音波の表面反射波と底面反射波との間の後方散乱
    波のエネルギを検出し、 この後方散乱波のエネルギの中心周波数fcを演算して
    求め、 この中心周波数fcが低いほど、試料のクリープ損傷度
    が大きいものと評価することを特徴とする金属試料のク
    リープによる損傷度の評価方法。
  2. 【請求項2】 後方散乱波のエネルギの中心周波数fc
    が、各周波数fi毎のエネルギEiの総和ΣEiに対す
    る前記各周波数fiとその周波数fiのエネルギEiと
    の積の総和Σfi・Eiの比を演算して求めることを特
    徴とする請求項1記載の金属試料のクリープによる損傷
    度の評価方法。
  3. 【請求項3】 中心周波数fcに基づいて試料の余寿命
    を評価することを特徴とする請求項1または2記載の金
    属試料のクリープによる損傷度の評価方法。
  4. 【請求項4】 金属試料が、高ニッケル合金であること
    を特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の金属試
    料のクリープによる損傷度の評価方法。
  5. 【請求項5】 金属試料に超音波を照射する音響レンズ
    と、 音響レンズに超音波を与えるとともに、音響レンズから
    の超音波を受信する振動子と、 超音波領域の電気信号を出力して振動子に与える発信器
    と、 発信器の出力を振動子に与え、振動子からの受信出力を
    導出するサーキュレータと、 サーキュレータからの出力をデジタル信号に変換するア
    ナログ/デジタル変換器と、 アナログ/デジタル変換器の出力に応答し、試料による
    超音波の表面反射波と底面反射波との間の後方散乱波を
    検出し、その検出された後方散乱波の各周波数毎のエネ
    ルギを演算する周波数解析器と、 周波数解析器の出力に応答し、前記各周波数のエネルギ
    の総和に対する前記各周波数fiとその周波数fiのエ
    ネルギEiとの積の総和Σfi・Eiの比を演算して中
    心周波数fcを求める演算手段と、 演算手段の出力に応答し、前記比に対応する試料のクリ
    ープ損傷度を表わす信号を演算して出力する出力手段と
    を含むことを特徴とする金属試料のクリープによる損傷
    度の評価装置。
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JP6549660B2 (ja) * 2017-08-22 2019-07-24 原子燃料工業株式会社 材料診断方法
JP6775233B2 (ja) * 2019-06-04 2020-10-28 原子燃料工業株式会社 材料診断方法

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