JP3450615B2 - 投影露光装置 - Google Patents

投影露光装置

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JP3450615B2
JP3450615B2 JP30354596A JP30354596A JP3450615B2 JP 3450615 B2 JP3450615 B2 JP 3450615B2 JP 30354596 A JP30354596 A JP 30354596A JP 30354596 A JP30354596 A JP 30354596A JP 3450615 B2 JP3450615 B2 JP 3450615B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC、LSI、等
の半導体素子を製造する際に、レチクル面上の電子回路
パターンをウエハ面上の各ショットに投影光学系を介し
て、順に投影露光する露光装置(いわゆるステッパ)に
関し、特に、投影露光の際、レチクルが露光光を吸収し
熱膨張が発生しても、レチクルに発生する熱応力を常に
最小にし、膨張により発生する倍率成分を即座に補正す
る機能を有する半導体製造用の露光装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、IC、LSI、等の半導体集積回
路のパターンが微細化するのに伴い、投影露光装置に
は、解像度、重ね合わせ精度、スループットの更なる向
上が求められている。特に重ね合わせ精度に関しては、
レチクルが露光光を吸収することによって、チップ倍率
や、焦点移動が生ずるといった問題が近年顕在化してき
た。レチクルは石英硝子を使っているため、硝子自体の
露光光(KrF243nm、i線、g線、等)の吸収率
は数‰程度であり、また、その線膨張係数も0.5pp
m/℃と低いため、従来レチクルの熱膨張はほとんど問
題にならなかった。しかし、高スループット化の要請か
ら照明光用ランプの高輝度化が行なわれたり、光学系の
フレアー防止のためCr面が3層化されたりなどの理由
により、Crパターンの存在率(面積率)が高い場合
は、パターンが吸収する露光エネルギーも多くなり、熱
伝導のプロセスにより石英硝子の温度が上昇し、熱膨張
するという現象が確認されるようになった。即ち、露光
が開始されると、レチクルCr面は照明光を吸収するこ
とにより発熱し、その内部発熱がレチクルの石英硝子内
部に伝導していく。この対策として、レチクルに空調さ
れたエアーを吹き付けることにより温度上昇を防ぐとい
う方法が考えられるが、空気の温度とレチクルの温度を
同一にすることはできないこと、装置が大がかりになっ
てしまうこと、ペリクルが装着されたレチクルでは効果
が低いことなどにより、あまり現実的ではない。そこ
で、特開平4−192317号公報に開示されているよ
うに、レチクルの熱変形を投影光学系を用いて補正しよ
うとする方法が考えられた。
【0003】この方法を簡単に説明すると、照明光の吸
収によるレチクルの熱変形量を、レチクルの熱吸収率、
あるいはパターンの密度分布等に基づいて数値計算する
か、レチクルの変形を直接測定することで求める。これ
に基づいて、投影光学系の結像状態の変化量を演算によ
って予測する。この結果により、投影光学系の結像状態
補正手段を用いて補正するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかし、上記従来
技術は以下の3つの点において、不十分であった。
【0005】先ず第1に、レチクルのCrパターン存在
率が偏っている場合、発熱量が場所によって異なるた
め、変形量も場所によって異なってくる。あるいは、レ
チクルをレチクルステージに固定する際のバキューム圧
力や、その接触状態が、各バキュームポイントで異なる
場合、レチクルの膨張がレチクル中心にはならない可能
性も出てくる。したがって、レチクルがこのような状態
のままで、投影レンズの補正がなされると、画角内で過
補正の領域と、補正し足りない領域ができてしまい、場
合によっては、補正をかけない方が重ね合わせの精度が
良好になってしまうこともあり得る。
【0006】第2に、レチクルが熱膨張する際、バキュ
ームの状態によっては、お椀を伏せたように膨らむ可能
性もある、ということである。我々のシミュレーション
では、レチクルが完全にレチクルステージにロックされ
ているような場合は、お椀を伏せたような変形が生じる
ことが分かった。レチクルパターンのx,yの平面方向
の伸縮に関しては、公知の投影レンズの倍率補正手段に
より補正が可能である。しかし、z方向の膨らみに関し
ては、現在有効な補正手段はない。
【0007】第3に、ステッパーにはさらなる高スルー
プット化が要求されていることを考えると、レチクルの
熱変形量も演算、もしくは直接計測し、それに基づいて
倍率補正機能の補正量を演算してから、投影レンズに補
正をかけていたのでは、この要求に対して不利である。
【0008】本発明は、以上の点に鑑み、レチクルが照
明光を吸収し、非対称な変形が生じても、補正不可能な
変形を解消し、投影レンズによる迅速な補正動作を可能
にすることを目的とした半導体露光装置を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明の投影露光装置原板上の回路パ
ターンを所定波長の照明光で照明し、該回路パターンを
投影レンズを介して、被露光基板上に投影露光する投影
露光装置において、前記原板を支持するステージと、前
原板上4か所以上の位置計測マークと対向するよう
に設けられた4か所以上の基準マーク持ち前記ステ
ージを支えるベース盤と、前記原板が前記照明光を吸収
することにより発生する熱変形量を検出するために、前
各基準マークに対する前記各位置計測マークの座標値
のずれを計測する計測手段と、を有し前記ステージ
は、前記ベース盤に対して平行移動可能であり、且つ前
記原板を固定する機能を持ち、前記計測手段により計測
された前記原板の熱変形量が所定の許容値を越えた場
合、投影露光動作を一旦停止して、前記ステージの前記
固定機能を解除して、前記原板の熱応力を解放した後、
再び前記原板を前記ステージに固定して、その熱変形に
より生じている前記各位置計測マークの位置誤差の2乗
和が最小になるように前記ステージを駆動して前記原板
をアライメントすることを特徴とする。パターンの変化
を補正する手段は通常以下に示す2つのシーケンスから
なる。
【0010】第1として、計測手段により計測された原
板の熱変形量が所定の許容値を越えた場合、即ち、実際
の露光プロセスで問題になるレベルに達したと判断され
る時、投影露光動作を一旦停止して、原板を支持しベー
ス盤に対して平行移動可能なステージに原板を固定して
いるバキュームを解除して熱応力を解放した後、再び原
板をチャッキングして、各位置計測マークで発生してい
る熱変形誤差の2乗和が最小になるように各マークに割
り振るように、ステージをX、Yおよびθ方向にアライ
メントする。このように、一旦バキュームを解除するこ
とによって、照明光の影響により生ずる熱変形をX、Y
方向のみに限定することができる。
【0011】第2として、原板に発生する熱変形による
倍率成分と、倍率成分に対応する投影レンズの倍率補正
機能の補正量とを、予めテーブルとして記憶装置に記憶
させ、各位置計測マークの座標値から、原板の熱変形に
よる倍率成分を換算し、この換算値に対応する倍率補正
機能の補正量をテーブルから得ることにより倍率補正を
行なう。ここで、テーブル(レチクル熱変形量−投影レ
ンズ倍率補正量テーブル)が保有する倍率成分と、これ
に対応する倍率補正機能の補正量は、予め、実験、シュ
ミレーション等により求めておく。また、原板の倍率補
正が実行された後、各位置計測マークの座標値を、再開
される露光動作の際のレチクルの初期座標としてもよ
い。
【0012】以上の動作が完了した後、再び露光動作を
再開する。そして、それ以降も、レチクル位置計測手段
により、常にレチクル変形量がモニターされ、問題にな
るレベルに達したと判断されると、再び同じ動作を繰り
返す。
【0013】上記構成により、レチクルが照明光を吸収
し、非対称な変形が生じても、必要に応じて、補正不可
能な変形を解消し、投影レンズによる迅速な倍率補正動
作を可能にすることができ、ウエハに常に良好な回路パ
ターンを焼き付けることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)以下、本発明の一実施形態について図を
用いて説明する。
【0015】先ず、本発明の主要部について説明する前
に、本発明が適用される投影露光装置(ステッパ)につ
いて、その構成を図11を用いて簡単に説明する。
【0016】この図において、60は照明系、1は回路
パターンが形成されているレチクルであり、6は不図示
のレチクルステージを搭載しているレチクルステージ基
板である。そして、レチクル1はレチクルステージ基板
6を基準にして位置決めされている。その位置決めの計
測値は、装置全体のコントロールを司るコンソールユニ
ット71にストアされる。
【0017】61はレチクル1のパターン像をウエハ6
4に投影する投影レンズであり、62は周知の気圧、温
度による投影レンズ61の結像性能変化を補正するため
のレンズ駆動ユニットである。72はオフアクシスでT
TL(Through The Lens)方式により
ウエハアライメント計測するためのプローブ光を折り曲
げるためのミラーであり、69はその計測系である。
【0018】63,70は周知のフォーカス、ウエハチ
ルト検出器で、ウエハ64の表面に光ビームを照射し
(63)、その反射光を光電検出することにより(7
0)、投影レンズ61の合焦位置とウエハ64の傾きを
検出する。
【0019】65はウエハ64をバキュームチャックす
るウエハチャック、66はx,y,θ方向に粗動、微動
可能なウエハステージであり、その位置は干渉計ミラー
67、干渉計68によって常にモニタされている。これ
ら主要ユニットを含め、露光装置全体のコントロールは
コンソールユニット71が司っている。
【0020】図3は本発明のレチクルを示し、1は回路
パターンが不図示のレチクル、2〜5はそれぞれレチク
ルの位置を計測するマークを表す。図4は、この4つの
マークと対向する位置に設けられた基準マークを表す図
で、2a〜5aの基準マークと2〜5のレチクル位置計
測マークがそれぞれ対になっている。なお、6は不図示
のレチクルステージを支持する基板である。これら、レ
チクル1とレチクルステージ基板6、レチクル位置計測
マーク2〜5と基準マーク2a〜5aの位置関係を図5
に示す。ただし、図5においてもレチクルステージは図
示していない。これら、図2〜5からも分かるようにレ
チクル位置は、基準マーク2a〜5aを基準としてレチ
クル位置計測マーク2〜5を不図示の計測手段により計
測することによって得られる。なお、各レチクル位置計
測マーク2〜5の位置はx,y座標としての検出可能で
あり、各計測値は、iはマーク番号、jは計測回数とし
て、(x(i) j ,y(i) j )として表される。
【0021】露光に先立って、上記のような4つのレチ
クル位置計測マークを備えたレチクル1が、レチクルス
テージ基板6の基準マークを基準として、レチクルステ
ージにチャッキングされ、アライメントされる。この様
な状態で露光が開始され、露光が断続的に行なわれる
と、レチクルのCrパターン部が露光光を吸収すること
により、温度上昇し、熱変形が生じてくる。前述した
が、レチクルの母材である石英硝子は線膨張係数も0.
5ppmと低いため、Crパターンの存在率(面積率)
が低い場合は、レチクルの熱膨張はほとんど問題になら
ない。しかし、Crパターンの存在率(面積率)が高い
場合は、パターンが吸収する露光エネルギーが多くなる
ことにより、熱伝導のプロセスにより石英硝子も温度が
上昇し、熱膨張してしまう。レチクルの温度を、横軸を
時間にしてプロットすると図12,13のようになる。
図12はCrパターンの存在率が高い場合、図13はそ
れが低い場合を示している。レチクルの温度上昇も通常
の非定常熱伝導のプロセスをたどる。つまり、τ=0で
露光が開始されると、次第に温度が上昇し、誤差関数e
rf(ε)のカーブをたどる。ある時刻τ=τ0で最高
温度Τ=Τ0の定常状態に達し、τ=τ1で露光をとり
止めると、温度上昇の時と逆のカーブをたどり、冷却さ
れ再び定常状態に達する。このプロセスで重要なのは、
露光が開始されてから、定常に達するまでの非定常状態
の区間(0≦τ≦τ0)である。本実施形態では、この
区間でレチクルの熱膨張を適切に検出し、効率よく補正
をかけることに主眼をおいている。
【0022】このように露光が開始されてからしばらく
時間を経た状態のレチクルを図6、図7に示す。回路パ
ターンの存在率がレチクル面上でほぼ均一な場合は、図
6のように露光光の吸収による温度分布は、ほぼ同心円
状になり、それに伴う熱変形は上下左右対称になる。同
図で、点線は変形前のレチクルを表しており、11は変
形したレチクル、13〜16は移動したレチクル位置計
測マークである。また、回路パターンの存在率がレチク
ル面上で偏っている場合は、図7のように温度分布も偏
り、それに伴う熱膨張も対称性を伴わないことが容易に
予想される。同図では、11aは非対称に変形したレチ
クル、13a〜16aは非対称に移動したレチクル位置
計測マークである。このようにレチクルが変形した状態
でも、それを有効に補正する本実施形態の手段を次に説
明する。
【0023】本形態では、定期的にレチクル位置計測マ
ークを計測することにより、これら変形状態をモニタす
る。レチクル位置計測マークの初期座標値からのずれ最
大値max.Δx(i) j またはmax.Δy(i) j が、
対称とするプロセスの線幅、重ね合わせ精度から予め設
定されているレチクル熱変形量許容値ex またはey
越えた場合、一旦露光を停止する。そして、レチクルの
バキュームを開放し、熱応力を開放した後、再びチャッ
キングする。このバキューム開放のプロセスは、レチク
ルのz方向に生ずる不用意な変形を無くし、変形をx,
y方向に限定するために必要である。レチクルは熱膨張
した状態で再びチャッキングされるため、再度レチクル
アライメントを行なう必要がある。そのアライメントの
方法を図9、図10に示す。
【0024】図9において、2a〜5aは前述したよう
に基準マークであり、13a〜16aは位置ずれを起こ
しているレチクル位置計測マークである。そして、レチ
クル位置計測マークの基準マークからの位置ずれを(Δ
(i) j+1 ,Δy(i) j+1 )とする。本発明のレチクル
アライメントでは、各計測マークの各基準マークからの
位置ずれを最小になるように割り振る。つまり、図6の
ように、熱変形がレチクル中心を同心円として発生する
場合は、各位置計測マークに割り振る位置ずれ量は同一
であるが、図7のようにレチクルが非対称に変形する場
合は、各位置計測マークの位置により、位置ずれ量は異
なるため、位置ずれの2乗和
【0025】
【数1】 が最小になるようにレチクルステージをx,y,θ駆動
し、アライメントする。アライメントされた結果の各計
測マークの配置を図10に示す。図9と比較すると分か
るように、位置ずれが大きかった14a,15aのマー
クは14b,15bのように位置ずれが小さくなり、位
置ずれが小さかった13a,16aのマークは13b,
16bのように位置ずれが大きくなっている。しかし、
位置ずれの最大値max.Δx(i) j およびmax.Δ
(i) j は確実に小さくすることができる。このこと
は、投影レンズ61の倍率補正手段62がレンズ光軸に
対して回転対称な倍率成分を補正する際は有効に機能す
るが、非回転対称な倍率成分は補正が困難なことに対す
る要請に基づいている。すなわち、レチクルに発生した
非回転対称な熱変形誤差を、各マークに割り振ることに
より、より回転対称な変形に近似してから、補正を行な
うということである。このようにアライメントされたレ
チクルを図8に示す。
【0026】次に、熱膨張しているレチクルを投影レン
ズ61の倍率補正手段62を利用して補正する方法を説
明する。レチクルアライメントが終了した時点で、レチ
クルには各レチクル位置計測マークの初期座標からのず
れ(Δx(i) j+2 ,Δy(i) j+2 )分の倍率成分が発生
していることになる。本実施形態では、この位置ずれ量
を、ppm単位の倍率として一元的に表現し、この倍率
成分に基づいて投影レンズの補正動作を行なう。その補
正量は、予め、実験、シミュレーションにより求めてお
き、レチクルに発生する倍率に対する倍率補正ユニット
62の補正量を定めたテーブルをコンソール71上に用
意しておく。実際のシーケンスでは、レチクル1で発生
した倍率成分は、コンソール71上のテーブルからその
倍率成分に対応する補正量を選択し、倍率補正ユニット
62にその指令値が入り、レンズが駆動され補正する、
というオープンループにより制御される。このように一
旦レチクル倍率が補正されると、現時点での各レチクル
位置計測マークの初期座標からのずれ(Δx(i) j+2
Δy(i) j+2 )はリセットされ、再度露光が始まると再
び新規にコンソール71上にストアされる。以上が、本
形態のレチクル熱変形の補正方法の説明である。
【0027】次に、本形態の露光シーケンスを図1,2
を用いて説明する。
【0028】露光シーケンスが開始されると(ステップ
S30)、レチクル1がレチクルステージにロードさ
れ、チャッキングされる(ステップS31)。次に4つ
のレチクル位置計測マーク(2〜5)を用いて、レチク
ルステージ基板6に設けられている基準マーク(2a〜
5a)を基準にレチクル1がアライメントされる。レチ
クル位置計測マーク(2〜5)の計測座標を(x(i)
0 ,y(i) 0 )とし、これを計測初期値とする。次に、
一枚目のウエハ64が搬送系からウエハチャック65上
に搬送され、ウエハチャック65にチャッキングされ
る。その後、ウエハがアライメントされ(ステップS3
3)、露光が開始される(ステップS34)。露光動作
が断続的に行なわれている最中、定期的にレチクル1の
位置計測マーク(2〜5)の位置が計測され、レチクル
熱変形量が計算される(ステップS35)。つまり、ス
テップS35での熱変形量は、レチクル位置計測マーク
の初期位置からのずれ、
【0029】
【数2】 で計算される。次に、この変形量の最大値が所定の値を
越えていないかどうかを判別する(ステップS36)。
すなわち、この位置ずれΔx(i) 1 およびΔy(i) 1
(i=1〜4)から各々の最大値を選択し、対象とする
プロセスの線幅、重ね合わせ精度から予め計算されてい
るレチクル熱変形量許容値ex およびey と各々比較す
る。
【0030】
【数3】 数3式で示される比較結果が真であれば、レチクル倍率
補正シーケンスに入る(ステップS38)。偽であれ
ば、全てのウエハの露光が完了しない限り露光動作を続
ける(ステップS37)。現時点では、露光が開始され
た直後であるため、レチクルの熱変形もほとんど生じて
おらず、露光動作を続けるとして、ステップS33に戻
り、2枚目のウエハの処理に移る。ちなみに、このステ
ップS35,36の動作間隔は、プロセスにより異なっ
てもよく、レチクルのパターン存在率が高く、露光エネ
ルギー、デューティが大きい場合などは、例えば、ウエ
ハ1枚毎行なわれる。逆にレチクルのパターン存在率が
低く、露光エネルギー、デューティが小さい場合にはウ
エハ5枚、あるいは10枚毎でも良い。本実施形態で
は、常にレチクルの熱変形をモニタする意味で、ウエハ
1枚毎に行なわれることとする。
【0031】このようなループが繰り返されると、次第
にレチクルの温度が上昇してくる。j回目のマーク計測
で、レチクル熱変形量max.Δx(i) j またはma
x.Δy(i) j がレチクル熱変形量許容値ex またはe
y より大きくなったと判断されるとすると、シーケンス
はステップS38のレチクル倍率補正シーケンスに移
り、露光動作が一旦停止する(ステップS42)。バキ
ューム吸着されているレチクル1には、熱変形による熱
応力が発生しており、熱変形をx,y方向に限定するた
めに、バキュームを解除する(ステップS43)。そし
て、再びチャッキングしてレチクルの各マーク(13〜
16、あるいは13a〜16a)を計測する(ステップ
S44)。この計測結果(x (i) j+1 ,y (i) j+1
ら、レチクル熱変形誤差、
【0032】
【数4】 を計算し、この誤差の2乗和が最小になるように、各マ
ークに誤差を割り振り、レチクルステージにて、x,y
およびθ方向の位置決めを行なう(ステップS45)。
アライメントの完了したレチクルマーク(13b〜16
b)の計測値(x(i) j+2 ,y(i) j+2 )をコンソール
71にストアする。また、このアライメントにより、レ
チクルのウエハアライメントマークもその座標が変わっ
ているため、これらの情報をウエハアライメント計測に
反映する(ステップS46)。次に、レチクル位置計測
マークの座標値(x(i) j+2 ,y(i) j+2 )から、発生
しているレチクル倍率をppm単位で一元的に表現し、
その倍率成分に対応する投影レンズの倍率補正値を、予
め、実験、シミュレーションで作成しておいたテーブル
を参照し求める(ステップS47)。その倍率補正値に
したがって、投影レンズの倍率補正ユニット62が動作
し、レチクルの倍率補正がなされる(ステップS4
8)。倍率補正が理想的に行なわれると、レチクル倍率
は、ウエハ上では発生していないことになるので、この
時点でのレチクルマーク(13b〜16b)のアライメ
ント計測値を、再び初期値とする。すなわち、
【0033】
【数5】 そして、カウンタjを再びリセットする。そして、この
初期値が、露光が再開された際、レチクルの各マーク位
置が計測される場合のマーク初期位置として使われる。
シーケンスは、再びメインのシーケンスに移り、新たな
ウエハがステージにロードされ、アライメントされ(ス
テップS33)、本発明のシーケンスが再開される。こ
のように、レチクル熱変形量max.Δx(i) j または
max.Δy(i) j がレチクル熱変形量許容値ex また
はey より大きくなる度にレチクル倍率補正がかかり、
処理すべき全ウエハが露光を完了すると、このプロセス
は終了となる(ステップS46)。
【0034】本実施形態の説明は以上であるが、実際の
プロセスに本形態を適用した場合について説明する。本
形態に係るレチクル熱変形の補正はレチクルが熱的に定
常な状態に達するまで適用される。例えば、レチクルの
パターン存在率が高く、露光エネルギー、デューティが
大きい場合は、図12のようにレチクルの温度変化も大
きいため、レチクル倍率の補正動作は、時刻τ10、τ
11、τ12、τ13のように行なわれる。つまり、露
光を開始した直後は、レチクルが急に暖まり出すので補
正間隔は短く、定常状態付近では温度変化は少ないので
補正間隔は長くというようにである。また、逆にレチク
ルのパターン存在率が低く、露光エネルギー、デューテ
ィが小さい場合は、図13のようにレチクルの温度変化
は小さいため、時刻τ20にレチクル倍率の補正動作を
1回行なうだけで済む。
【0035】(実施形態2)次に、本発明の他の実施形
態を図14,図15を用いて説明する。本実施形態は、
レチクルに形成する位置計測マークの個数を増やした点
に特徴がある。図14において、1は回路パターンが不
図示のレチクル、100〜107がその数を増やしたレ
チクル位置計測マークで、本実施形態では8つのマーク
を用いている。図15において、6は不図示のレチクル
ステージを支持しているレチクルステージ基板であり、
基板6に設置されている100a〜107aが、レチク
ル位置計測マーク(100〜107)の基準となる基準
マークである。第1の実施形態と同様に、これら2種類
のマークはそれぞれ対向している。本実施形態では、マ
ークが8つに増えることで、マークの計測値(x(i)
j ,y(i) j )が増えることになり、ステップS35の
レチクル熱変形量(Δx(i) j ,Δy(i) j )の計算、
および、ステップS36の変形量の最大値(max.Δ
(i) j ,max.Δy(i) j )とレチクル熱変形量許
容値(ex ,ey )の比較をより正確に把握することが
できるようになる。また、ステップS36でレチクル変
形量の最大値が、レチクル熱変形量許容値よりも大きく
なった場合、実施形態1と同様にして、レチクル倍率補
正シーケンス(ステップS38)に移るが、レチクルス
テージのバキュームをOFFにして、熱応力を開放した
(ステップS43)後のレチクルアライメントも、変形
誤差をより高精度に8つのマークに割り振ることができ
るようになる(ステップS45)。それに伴い、発生し
たレチクルの変形をレチクル倍率として、より精度良く
表現できるようになるため、投影レンズの倍率補正動作
(ステップS48)もそれにしたがって、より適切な補
正が可能となる。
【0036】なお、このようにレチクル位置計測マーク
の数と配置は、これら実施形態に拘泥されることはな
く、レチクルの回路パターンにより、あるいは、レチク
ルチャックの支持位置により、他の組み合わせも当然可
能である。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
レチクルに露光光が照射され、熱変形が生じ、ショット
の重ね合わせ精度に影響を及ぼす可能性が生じても、一
旦露光動作を停止し、レチクルステージのバキュームを
OFFして、発生している熱応力を開放することによ
り、レチクルの不用意な変形を解消する。さらに、再び
レチクルをアライメントして、熱変形の誤差を各マーク
に割り振ることにより、非対称なレチクル熱変形が生じ
ても、投影レンズの倍率補正機能を有効に機能させる。
そして、あらかじめ、レチクルに発生する倍率と、それ
に対応する投影レンズの倍率補正値のテーブルをコンソ
ール上に用意しておくことにより、迅速なレチクル倍率
補正動作が可能になり、レチクルの熱変形を補正する。
以上により、ウエハ上には常に良好な回路パターンが焼
き付けられることになる。なお、本発明は、周知の投影
レンズの倍率補正機能を利用するため、装置の改造はレ
チクルステージベースの基準マークを増やす程度で、実
施は比較的簡単であり、装置の大改造を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るメインの露光シーケンスを示す
フローチャート。
【図2】 本発明に係るレチクル倍率補正シーケンスを
示すフローチャート。
【図3】 レチクル位置計測マークを4つ設けているレ
チクル。
【図4】 レチクル位置計測マークと対向する基準マー
クを4つ設けているレチクルステージ基板。
【図5】 レチクルとレチクルステージ基板の位置関係
を示す図。
【図6】 レチクル中心を中心として熱膨張したレチク
ル。
【図7】 非対称に膨張したレチクル。
【図8】 レチクルステージのバキュームがOFFされ
た後、各マークに変形誤差を割り振るようにアライメン
トされた図5のレチクル。
【図9】 アライメントする前の各マークの座標位置。
【図10】 アライメントされた後の各マークの座標位
置。
【図11】 本発明が適用される装置の概念図。
【図12】 Crパターン存在率の大きいレチクルの過
渡的な温度上昇を表すグラフ。
【図13】 Crパターン存在率の小さいレチクルの過
渡的な温度上昇を表すグラフ。
【図14】 第2の実施形態に係るレチクル。
【図15】 第2の実施形態に係るレチクルステージ基
板。
【符号の説明】
1:レチクル、6:レチクルステージ基板、2〜5:レ
チクル位置計測マーク、2a〜5a:基準マーク、6
1:投影レンズ、62:投影レンズの倍率補正機能。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−192317(JP,A) 特開 平1−204417(JP,A) 特開 平5−29196(JP,A) 特開 平6−324472(JP,A) 特開 平8−55780(JP,A) 特開 平6−349703(JP,A) 特開 平7−74075(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原板上の回路パターンを照明光で照明
    し、該回路パターンを投影レンズを介して被露光基板上
    に投影露光する投影露光装置において、前記原板を支持するステージと、 前記原板上4か所以上の位置計測マークと対向するよ
    うに設けられた4か所以上の基準マーク持ち、前記
    テージを支えるベース盤と、 前記原板が前記照明光を吸収することにより発生する熱
    変形量を検出するために、前記 各基準マークに対する前
    位置計測マークの座標値のずれを計測する計測手段
    と、を有し前記ステージは、前記ベース盤に対して平行移動可能で
    あり、且つ前記原板を固定する 機能を持ち、前記計測手段により計測された前記原板の熱変形量が所
    定の許容値を越えた場合、投影露光動作を一旦停止し
    て、前記ステージの前記固定機能を解除して、前記原板
    の熱応力を解放した後、再び前記原板を前記ステージに
    固定して、その熱変形により生じている前記各位置計測
    マークの位置誤差の2乗和が最小になるように前記ステ
    ージを駆動して前記原板をアライメントする ことを特徴
    とする投影露光装置。
  2. 【請求項2】 前記原板に発生する熱変形による倍率成
    分と、前記倍率成分に対応する前記投影レンズの倍率補
    正機能の補正量とを、予めテーブルとして記憶する記憶
    装置、 前記各位置計測マークの座標値から、前記原板の熱変形
    による倍率成分を換算し、この換算値に対応する前記倍
    率補正機能の補正量を前記テーブルから得ることにより
    倍率補正を行なう手段と、有することを特徴とする請
    求項1記載の投影露光装置。
  3. 【請求項3】 前記原板の倍率補正が実行された後、前
    記原板の前記各位置計測マークの座標値を、再開される
    露光動作の際のレチクルの初期座標とすることを特徴
    とする請求項2記載の投影露光装置。
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