JP3450051B2 - 医療用液体の供給装置 - Google Patents

医療用液体の供給装置

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JP3450051B2
JP3450051B2 JP08532294A JP8532294A JP3450051B2 JP 3450051 B2 JP3450051 B2 JP 3450051B2 JP 08532294 A JP08532294 A JP 08532294A JP 8532294 A JP8532294 A JP 8532294A JP 3450051 B2 JP3450051 B2 JP 3450051B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、胆嚢摘出等の手術にて
患部の消毒に使用される滅菌液、点滴に使用される栄養
剤、各種治療に使用される生理食塩水等の医療用液体を
簡易に供給できる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の医療用液体の供給装置と
しては、図4及び図5に示す構成のものが知られてい
る。図4に示す医療用液体の供給装置は、垂直に延びる
スタンド2を有している。そして、このスタンド2の上
端に、医療用液体が貯留されているプラスチックボトル
1(変形可能な容器)を、開口部1aを下側にして吊り
下げ、この開口部1aを塞ぐゴム栓1bに、医療用液体
輸送チューブ3の先端に接続された針3aを挿通させ
る。そして、このプラスチックボトル1の位置エネルギ
ーを利用して、下方に位置する患者に対して医療用液体
を供給する。
【0003】また、図5に示す医療用液体の供給装置
は、例えばガラス製の堅い貯留用容器5とエアーポンプ
6を有している。貯留用容器5の上部開口5aが脱着自
在なゴム栓5bにより塞がれ、その内部にプラスチック
ボトル1から移された医療用液体が貯留される。エアー
ポンプ6から空気供給管7を介して貯留用容器5の上部
空間に圧縮空気を供給することにより、貯留用容器5内
の医療用液体を輸送管8を介して患者に供給する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図4に示す医療用液体
の供給装置では、プラスチックボトル1の吊下位置が看
護婦等の作業者の身長に比べて高い場合に、その吊下作
業に手間がかかるという問題が生じていた。また、図5
に示す医療用液体の供給装置では、プラスチックボトル
1に収容された医療用液体をそのまま使用することはで
きず、プラスチックボトル1内の医療用液体を一旦別の
貯留用容器5に移して貯留させるので、この医療用液体
の移し替えの作業に先立って貯留用容器5を殺菌すると
いう面倒な作業が必要であった。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に係る発明は、変形可能な容器から医療用
液体を外部に供給する医療用液体の供給装置であって、
上記容器を間に挟む一対の押圧部材と、少なくとも一方
の押圧部材のほぼ中央を回動可能かつ水平移動可能に支
持する支持手段と、上記回動可能かつ水平移動可能な押
圧部材の回動中心を押すことにより一対の押圧部材を互
いに近付けさせ、ひいては上記容器を圧縮する駆動手段
とを備え医療用液体の供給装置において、上記支持手
段が、一対の側板を有し、これら側板には、それぞれ同
一高さをなして上記押圧部材の移動方向すなわち上記駆
動手段の押し方向と同一の水平方向に延びるスリットが
形成されており、上記一対の押圧部材が、それぞれ平板
形状をなして上記一対の側板間に配置され、しかも、各
押圧部材における上記側板を向く両側縁の中央部には軸
が設けられ、この軸が上記スリットに回動可能かつスリ
ットの延び方向に水平移動可能に挿入されていることを
特徴とする。請求項に係る発明は、請求項におい
て、上記一対の押圧部材の何れもが、上記支持手段に対
して回動可能かつ水平移動可能になっており、 上記駆
動手段は、一つのモータと、上記支持手段に回転可能に
支持されるとともにこのモータによって回転される第1
歯車と、上記支持手段に回転可能に支持されるとともに
この第1歯車に噛み合う第2歯車と、一端が上記一対の
歯車に固定された一対のアームと、これらアームの他端
にそれぞれ回転可能に支持された一対のローラとを備
え、上記モータ回転に伴い一対の歯車を介して一対のア
ームを互いに近付ける方向に回動させることにより、一
対のローラで一対の押圧部材の回動中心を同時に押すこ
とを特徴とする。
【0006】
【作用】請求項1の発明によれば、押圧部材の少なくと
も一方を移動させて、一対の押圧部材に挟まれた容器を
圧縮し、この容器内の医療用液体を押し出すようにした
ので、この医療用液体をチューブ等の輸送手段を通じて
患者に対して直接供給することができ、図4の従来例の
ように容器を高い位置に吊り下げるという作業が不要と
なる。また、図5の従来例のように、容器内の医療用液
体を、他の貯留用容器に移し替えることが無いのでこの
貯留用容器を滅菌するといった手間も省ける。また、動
く側の押圧部材を容器の変形の仕方に応じて傾けること
ができ、その結果、容器に無理な力を付与することなく
良好に圧し潰すことができ、円滑に医療用液体の供給で
きる。軸を側板のスリットに挿入することにより、一対
の押圧部材を回動可能かつ水平移動可能に支持すること
ができる。また、一対の押圧部材が平板形状をなしてお
り、最終的には圧し潰された容器を挟んで接することに
なるので、容器内の医療用液体を殆ど余すことなく押し
出すことができる。
【0007】請求項2の発明によれば一対の歯車と一
対のアームと一対のローラを用いることにより、一つの
モータで一対の押圧部材を互いに近付ける方向に同時に
移動させることができ、構成が簡単である。
【0008】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を図1〜図3に基
づいて説明する。図1において符号10は、支持手段と
しての基台を示す。この基台10は、水平をなす底板1
1と、この底板11から垂直に起立するとともに互いに
平行をなす一対の側板12と、一対の側板12の中央部
間に固定された水平をなす支持板13とを有している。
この支持板13の中央には孔13aが形成されている。
支持板13の上面には、上方に延びる支持筒14が固定
されている。
【0009】一方、基台10の側板12には、一対の押
圧部材20が回動可能かつ水平移動可能に支持されてい
る。詳述すると、一対の側板12には、それぞれ同一高
さをなして水平に延びるスリット12aが形成されてい
る。各押圧部材20は矩形の平板からなり、一対の側板
12間に配置されている。各押圧部材20の両側縁の中
央部には軸20aがねじ込まれている。各押圧部材20
の一対の軸20aが上記一対のスリット12aに挿入さ
れており、これにより、押圧部材20が回動可能かつ水
平移動可能に支持されている。押圧部材20は上記支持
筒14の上方に配置されており、この支持筒14と干渉
しないようになっている。
【0010】次に、上記一対の押圧部材20を互いに近
接させるための駆動手段30について説明する。この駆
動手段30は、一対の側板12間に配置されるとともに
互いに噛み合う一対の歯車31(第1,第2の歯車)を
有している。各歯車31は軸31aを介して側板12に
回転可能に支持されている。図1,図3における右側の
歯車31(第1の歯車)の軸31aは、減速機33を介
してモータ34に連結されている。上記一対の歯車31
には、一対のアーム35の下端がそれぞれ固定されてい
る。これらアーム35の上端には、一対のローラ36が
それぞれ回転可能に支持されている。
【0011】上記構成において、上記支持筒14の上端
には、逆さ状態のプラスチックボトル100(変形可能
な容器)の肩が載るようにして、支持される。プラスチ
ックボトル100は一対の押圧部材20の間に配置され
る。このプラスチックボトル100の開口部100aを
塞ぐゴムキャップ100bには、針3aが突き刺さる。
この針3aの下端にはチューブ3が接続されている。こ
のチューブ3は支持板13の孔13aを通り、患者まで
延びる。
【0012】上記プラスチックボトル100の支持状態
において、モータ34を正転させることにより、図1,
図3における右側の歯車31を反時計回りに回転させ、
左側の歯車31を時計回りに回転させることにより、一
対のアーム35を互いに近付けるように回動させ、これ
らアーム35の上端に支持された一対のローラ36で、
押圧部材20を互いに近付ける方向に押す。その結果、
プラスチックボトル100が一対の押圧部材20により
圧し潰される。この圧し潰される過程で、プラスチック
ボトル100に収容されていた医療用液体がチューブ3
を介して患者に直接供給される。この場合、医療用液体
を、従来のように別途、他の貯留用容器に移し替えるこ
とが無いのでこの貯留用容器を滅菌するといった手間が
省ける。また、重力に依存せず、機械的な力で医療用液
体を供給するので、プラスチックボトル100を高い所
に設置しなくて済むし、比較的高い圧力をもって押し出
すことができる。
【0013】上記押圧部材20は、同時に移動してプラ
スチックボトル100を圧縮するので、プラスチックボ
トル100は移動することなく圧し潰される。したがっ
て、支持筒14によるプラスチックボトルの支持状態は
良好に維持される。しかも、この押圧部材100が平板
形状をなしているので、最終的には圧し潰されたプラス
チックボトル100を挟んで接することになり、医療用
液体をほぼ余すことなくプラスチックボトル100から
押し出すことができる。一対の押圧部材20が回動可能
であり、この回動中心を外周面が円筒面形状をなすロー
ラ36で押すため、プラスチックボトル100の変形の
仕方に応じて押圧部材20が傾き、その結果、プラスチ
ックボトル100に無理な力が付与されることなく、一
対の押圧部材20がプラスチックボトル100に密着し
ながらプラスチックボトル100を圧し潰すことがで
き、円滑に医療用液体の供給を行うことができる。
【0014】医療用液体が全て供給されてプラスチック
ボトル100が空になった場合には、モータ34を逆回
転させ、一対のアーム35を広げてローラ36を互いに
離間させる方向に移動させる。これにより、押圧部材2
0によるプラスチックボトル100への押圧状態が解除
される。作業者は、押圧部材20間のプラスチックボト
ル18を取り外し、その後、新たなプラスチックボトル
18を押圧部材20間にセットする。
【0015】本発明は上記実施例に制約されず種々の態
様が可能である。例えば、一方の押圧部材を水平な基台
に起立状態で固定し、他方の押圧部材を起立状態で基台
にスライド可能に支持するように構成し、この他方の押
圧部材のみを駆動手段で移動させるようにしてもよい。
この場合、プラスチックボトルを一方の押圧部材に接す
るようにして基台に載せ、他方の押圧部材を一方の押圧
部材に向かって移動させることにより、プラスチックボ
トルを圧し潰す。この場合、駆動手段は、モータ回転を
直線運動に変換する機構を含むものであってもよいし、
エアシリンダを含むものであってもよい。
【0016】押圧部材は平板形状でなくてもよく、例え
ば径の大きなローラであってもよい。プラスチックボト
ルは、逆さでなく開口部を上にして支持してもよい。さ
らに、変形可能な容器として、プラスチックボトルの代
わりにプラスチック製の袋を用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1の発明によれば、機械的な力で変形可能な容器を圧し
潰すことにより、医療用液体を患者に対して直接供給す
ることができ、この容器を高い位置に設置する手間が省
け、また、容器内の医療用液体を他の貯留用容器に移し
替えることが無いのでこの貯留用容器を滅菌するといっ
た手間も省ける。その結果、作業性を向上させることが
できる。さらに、動く側の押圧部材を容器の変形状態に
応じて傾けることができ、その結果、容器に無理な力が
付与されることなく、一対の押圧部材が容器に密着しな
がら良好に容器を圧し潰すことができ、円滑に医療用液
体の供給できる軸を側板のスリットに挿入することに
より、一対の押圧部材を回動可能かつ水平移動可能に支
持することができる。また、押圧部材が平板形状をなし
ているので、医療用液体をほぼ余すことなく容器から押
し出すことができる。請求項の発明によれば、構成が
簡単で、製作コストを低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる医療用液体の供給装置の実施例
を示す斜視図である。
【図2】図1を矢印II方向から見た図であり、一部断面
にして示す。
【図3】図1を矢印III方向から見た図である。
【図4】従来の医療溶液供給装置を示す概略図である。
【図5】従来の他の医療溶液供給装置を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
10 基台(支持手段) 20 押圧部材 30 駆動手段 31 歯車(第1,第2の歯車) 34 モータ 35 アーム 36 ローラ 100 プラスチックボトル
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 5/142 - 5/155 B01J 4/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変形可能な容器から医療用液体を外部に
    供給する医療用液体の供給装置であって、 上記容器を間に挟む一対の押圧部材と、 少なくとも一方の押圧部材のほぼ中央を回動可能かつ水
    平移動可能に支持する支持手段と、 上記回動可能かつ水平移動可能な押圧部材の回動中心を
    押すことにより一対の押圧部材を互いに近付けさせ、ひ
    いては上記容器を圧縮する駆動手段とを備え医療用液
    体の供給装置において、 上記支持手段が、一対の側板を有し、これら側板には、
    それぞれ同一高さをなして上記押圧部材の移動方向すな
    わち上記駆動手段の押し方向と同一の水平方向に延びる
    スリットが形成されており、上記一対の押圧部材が、そ
    れぞれ平板形状をなして上記一対の側板間に配置され、
    しかも、各押圧部材における上記側板を向く両側縁の中
    央部には軸が設けられ、この軸が上記スリットに回動可
    能かつスリットの延び方向に水平移動可能に挿入されて
    いることを特徴とする医療用液体の供給装置。
  2. 【請求項2】 上記一対の押圧部材の何れもが、上記支
    持手段に対して回動可能かつ水平移動可能になってお
    り、 上記駆動手段は、一つのモータと、上記支持手段に回転
    可能に支持されるとともにこのモータによって回転され
    る第1歯車と、上記支持手段に回転可能に支持されると
    ともにこの第1歯車に噛み合う第2歯車と、一端が上記
    一対の歯車に固定された一対のアームと、これらアーム
    の他端にそれぞれ回転可能に支持された一対のローラと
    を備え、上記モータ回転に伴い一対の歯車を介して一対
    のアームを互いに近付ける方向に回動させることによ
    り、一対のローラで一対の押圧部材の回動中心を同時に
    押すことを特徴とする請求項に記載の医療用液体の供
    給装置。
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