JP3449666B2 - 摩擦材 - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両、産業用機械等
において使用されるディスクブレーキパッド、ドラムブ
レーキライニング、或いはクラッチフェーシング等の摩
擦材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車等に使用されるディスクブレーキ
パッド、ドラムブレーキライニング等の摩擦材は、その
相手材であるディスクロータ、ブレーキドラムと摩擦係
合し、運動エネルギーを熱エネルギーに変える重要な役
割を担っている。そのため、摩擦材には優れた耐摩耗性
が必要であるだけでなく、十分に高い摩擦係数を有する
ことが必要であり、しかも、制動時には常に熱を発生し
高温となるため、温度変化によっても摩擦係数の変化の
少ない安定した摩擦特性が要求される。更には、相手材
に対する攻撃性がないこと、制動時に異音(ノイズ、鳴
き)を生じないこと等も必要であり、摩擦材に求められ
る特性は多項目に亘っている。 【0003】そこで、これらの各種の特性を満足するた
めに、摩擦材は複合材として構成されている。即ち、摩
擦材は、その骨格を形成するアラミド繊維、チタン酸カ
リウム繊維等の繊維基材と、この繊維基材を結合保持す
るフェノール樹脂等の樹脂結合剤と、これらの繊維と結
合剤とのマトリックス中に分散して充填される摩擦性能
を調整するための各種の充填剤とから一般に構成されて
いる。そして、この充填剤としては、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム等の体質充填剤、グラファイト、二硫化モ
リブデン等の固体潤滑剤、カシューダスト、シリカ等の
アブレッシブ剤、或いはその他の摩擦調整のための添加
剤等が使用されている。 【0004】ここで、充填剤の一部として使用されるカ
シューダストは、カルダノールが主成分であるカシュー
ナットの殻液またはその重合体を、アルデヒド類或いは
ポリアミン類からなる硬化剤によって加熱下で重縮合さ
せて硬化し、これを冷却した後ダスト状に粉砕したもの
である。そして、このカシューダストは、摩擦係合時に
溶融して摩擦材の表面に平滑な潤滑性皮膜を形成し、そ
れによって摩擦材の摩擦係数を向上すると共に安定化
し、また摩耗を少なくして摩擦材の寿命を長くする作用
を有している。更には、その潤滑性皮膜によって制動時
の鳴き(ノイズ)を減少する作用、つまり、鳴き性能を
向上する作用も有している。そのため、カシューダスト
は、摩擦材の重要な成分の一つとして広く使用されてい
る。 【0005】なお、このようなカシューダストとして代
表的なものには、使用された硬化剤の相違によって、比
較的柔らかいカシューダストと比較的硬いカシューダス
トとの2種類がある。その比較的柔らかい方のカシュー
ダストは、硬化剤としてホルムアルデヒド(またはパラ
ホルムアルデヒド)またはヘキサミン(ヘキサメチレン
テトラミン)を用いたもので、茶色の外観を呈すること
から『茶ダスト』と呼ばれている。また、比較的硬い方
のカシューダストは、フルフラールを硬化剤としたもの
で、その外観から『黒ダスト』と呼ばれている。 【0006】そして、これらのカシューダストはいずれ
も一般的に使用されているが、摩擦係合時の鳴き(ノイ
ズ)をより低減する上では、上記の茶ダストが良いとさ
れている。摩擦材に柔軟性を付与し、振動吸収性をより
向上することができるからである。しかし、この茶ダス
トは一般に耐熱性が低いという欠点がある。そのため、
摩擦係合時の発熱が特に高いディスクブレーキパッドの
ような場合には、耐熱性も高い上記の黒ダストが主に使
用されている。 【0007】なお、摩擦材の摩擦調整剤として使用され
るこのようなカシューダストについては、例えば、特開
昭58−47079号公報、及び特開平2−26331
号公報において、その製造方法に関して開示されてい
る。なお、これらでは、具体的には、摩擦材の防錆性を
高めるためにアルカリ性のカシューダストを得ることを
目的としている。なお、更に、特殊なカシューダストと
して、カシューダスト成分と無機質粉体材料とを複合化
させたものも知られ、例えば、特開昭58−77925
号公報にはカシューダストとグラファイトとの複合体に
ついて、また特開昭62−149785号公報にはカシ
ューダスト成分と硫酸バリウム等の無機質粉末との復合
体について、それぞれ開示されている。これらは、主
に、カシューダストの耐熱性の向上を図ったものであ
る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ディスクブ
レーキパッド等の摩擦材に求められる重要な特性の一つ
として、上記のように、制動時に不快な音、即ち、鳴き
(ノイズ)の発生が少ないこと、つまり、鳴き性能(耐
鳴き性)が良好であること、が挙げられる。そして、こ
の摩擦材の鳴き性能は、自動車の高性能化と共に高級化
が進む中で、ますます重要なものとなっている。 【0009】このような摩擦材の鳴き性能は、摩擦材の
実際の使用条件(制動条件)や摩擦材の形状等とも関係
するが、主にその組成によって左右される。そのため、
摩擦材の製造に際しては、鳴き性能の向上にも有効な上
記のカシューダストの配合、固体潤滑剤の適切な配合、
更には繊維基材の適切な選定と配合等によって、実用上
十分な鳴き性能が確保されるように考慮されている。ま
た、鳴き性能をより完全にするために、加硫ゴムの粉末
であるゴムダストが配合される場合もある。ただし、こ
の場合には、ゴムの耐熱性が低いため、耐フェード性が
低下する傾向がある。 【0010】ところが、このようにして十分な鳴き性能
が確保された摩擦材であっても、例えば、自動車のディ
スクブレーキに装着して長期間使用される間に、鳴き性
能が低下し、鳴きが頻発するようなケースがしばしば見
付けられた。 【0011】そして、このようなケースについて詳細に
調査してみると、その鳴き性能の低下は、自動車の高速
化、高出力化に伴なって制動条件がますます苛酷になっ
ている現状と関係し、特に、フェードに近い過酷な制動
が繰返された場合のように、摩擦材が強度な熱履歴を受
けた場合に生じることが判明した。しかし、このような
鳴き性能の低下は、摩擦材が特に過酷に使用された場合
にのみ生じるとは言え、いずれにしても好ましいもので
はない。 【0012】そこで、本発明は、熱履歴後の鳴き性能の
低下を抑制することができる摩擦材の提供を課題とする
ものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者は上記の熱履歴
後の鳴き性能の低下について更に詳細に調査し、検討し
たところ、その原因は、摩擦材に含まれるカシューダス
トにあり、それが過酷な制動条件下で熱分解してタール
が生成されることにあると考えた。つまり、摩擦材が強
度な熱履歴を受けることによって、それに含まれるカシ
ューダストが熱分解して粘着性のあるタールが生成され
るため、そのタールが制動時のスティックスリップを引
起し、鳴きが発生し易くなるということである。そし
て、通常使用されるカシューダストを実際に加熱試験し
てみると、特に、茶ダストの場合では、一般に10重量
%以上のタール分が生成し、黒ダストの場合でも、一般
に5重量%を超えるタール分が生成することが分かっ
た。 【0014】そこで、この結果から、摩擦材に配合する
カシューダストとして、熱履歴を受けた後に生成するタ
ール分が少ない低タールカシューダストを使用すれば良
いとの結論に至り、また、実際にそのような低タールカ
シューダストを用いることによって、熱履歴後の鳴き性
能の低下を有効に抑制できることが確認された。 【0015】即ち、本発明にかかる摩擦材は、繊維基材
と、樹脂結合剤と、カシューダスト及びその他の充填剤
とを含む摩擦材において、そのカシューダストは、37
0℃で1時間加熱した後アセトン抽出して抽出されたタ
ール分が1重量%以下である低タールカシューダストか
らなるものである。 【0016】ここで、カシューダストは高温で加熱処理
すると熱分解し、大部分は固体のままであるが、一部は
気体となって揮散すると共に、一部は液状化しタールと
なる。「タール分」は、カシューダストを370℃×1
時間の加熱条件で加熱し、そして、その加熱処理後の残
渣をアセトン抽出することによって抽出されたタール
(厳密には、アセトン溶解物)の分量であり、当初のカ
シューダストの重量に対する重量%として表される。な
お、この「タール分」の分析に際しての加熱条件「37
0℃×1時間」は、摩擦材、特に、ディスクブレーキパ
ッドの一般的な使用条件(一般の自動車での使用)のも
とで、最も過酷に使用された場合にその摩擦材が受ける
と想定される熱的条件に相当するものである。 【0017】本発明の摩擦材によれば、後述の実施例か
らも分かるように、強い熱履歴を受けた後においても、
鳴き性能が低下することが抑制され、防止される。この
作用については、熱履歴後に鳴き性能が低下する原因か
ら逆に、次のように考えられる。 【0018】つまり、熱履歴によって摩擦材の鳴き性能
が低下する理由は、上記のように、摩擦材に含まれるカ
シューダストが熱分解してタールが生成し、そのタール
の粘着性によって摩擦係合時のスティックスリップ、即
ち、鳴き(ノイズ)が引起こされることにあると推測さ
れる。したがって、本発明の摩擦材においては、カシュ
ーダストとして高温で加熱した場合に生成するタール分
が少ない低タールカシューダストを用いているため、過
酷な制動が繰返された場合等のように強い熱履歴を受け
た後においても、そのようなスティックスリップの原因
となるタールの生成量が少なく、それによって、鳴き性
能の低下が抑制されると考えられる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。 【0020】上記のように、本発明の摩擦材において
は、カシューダストとして、370℃で1時間加熱した
後、アセトン抽出して抽出されたタール分が1.0重量
%以下である低タールカシューダストを使用する。この
タール分は、従来のカシューダストのタール分が、黒ダ
ストの場合でも少なくとも5重量%を超えるのに対し
て、十分に少ない量である。そして、このタール分は少
なければ少ない程好ましく、それによって、熱履歴後の
鳴き性能の低下をより抑制することができる。したがっ
て、そのタール分は、0.5重量%以下であることがよ
り好ましい。しかしながら、このタール分を完全に0%
とすることは、製造上困難であり、コストも大幅に増加
する。そのため、その下限は、実際上において0.1重
量%程度が好ましく、またそれによって最大の効果を得
ることができる。 【0021】そして、このような低タールカシューダス
トは、例えば、次のようにして得ることができる。 【0022】第1の方法は、硬化剤として熱的安定性の
高いフルフラール、ベンズアルデヒド等を用い、しか
も、これを多量に用いる方法である。即ち、カシューダ
ストは、例えば黒ダストの場合、カシューナット殻液を
酸触媒下で熱重合し、次いで、これに硬化剤としてフル
フラールを加えて加熱下で重縮合させて硬化し、冷却後
粉砕することによって一般に製造される。また、この場
合のフルフラールの添加量は、通常、カシューナット殻
液に対して10〜30重量%とされている。これに対
し、この第1の方法は、フルフラールを硬化剤として用
いる点は同じであるが、そのフルフラールの添加量を、
例えば、通常の3倍程度として、40〜80重量%とす
ることからなる方法である。 【0023】また、第2の方法は、上記の加熱下での重
縮合は一般に180℃で15時間程度行われるが、その
ような縮重合を行った後、硬化物を更に、例えば、20
0℃で3〜4時間加熱する後熱処理を付加的に行う方法
である。更に、これらの第1と第2の方法を組合せて、
硬化剤としてフルフラール等を十分に多量に添加すると
共に、十分な後熱処理を行うことも有効な方法である。
そして、これらの方法によって、カシューナット殻液の
成分(カルダノール)と硬化剤としてのフルフラールと
が強固に重縮合し、高温時にもタール分の分解生成量の
少ないカシューダストを得ることができる。 【0024】このようにして得られた低タールカシュー
ダストは、カシューダストとしての作用自体は通常のカ
シューダストと実質的に差異がなく、摩擦調整剤として
の機能を有し、また鳴き性能を向上する効果も有してい
る。そのため、この低タールカシューダストは、従来と
同じ割合で摩擦材に配合することができ、摩擦材全体に
対して、一般に3〜15重量%の割合で使用することが
できる。この割合が余り少ないと、摩擦調整剤としての
効果が実用上十分に得られず、また、逆に多すぎると、
摩擦材の成形時の成形性が低下し、また耐フェード性も
低下する傾向がある。より好ましい配合割合は、一般に
5〜10重量%である。なお、この低タールカシューダ
ストは、一般のカシューダスト、例えば、茶ダストと適
宜併用して使用することもできる。しかし、そのような
一般のカシューダストは熱履歴後の鳴き性能を低下させ
るため、長期に亘る摩擦材の鳴き性能を考慮すれば、タ
ール分が1重量%以下である低タールカシューダストの
みを使用することが、やはり好ましい。 【0025】なお、摩擦材を形成するカシューダスト以
外の成分、即ち、繊維基材、樹脂結合剤、及びその他の
充填剤は、従来と同様である。 【0026】繊維基材、即ち、摩擦材の骨格を形成する
繊維状の成分である繊維基材としては、シリケート繊
維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維またはウィス
カ、ロックウール、スラグウール、カーボン繊維、或い
はガラス繊維等の無機繊維、スチール繊維、ステンレス
スチール繊維、銅繊維、真鍮繊維等の金属繊維、アラミ
ド繊維、ノボロイド繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維
等の有機繊維等を挙げることができる。そして、これら
の繊維は単独でまたは適宜組合せて、摩擦材の具体的種
類または用途に応じて使用することができる。ディスク
ブレーキパッドの場合は、一般に、これらの無機繊維、
金属繊維、有機繊維が適切に組合せて使用される。 【0027】この繊維基材及び充填剤を結合保持する樹
脂結合剤としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
或いはSBR等のゴム等を使用することができる。しか
し、これらの中でも、フェノール樹脂、またはその各種
の変性物が、結合強度が高い等の点で好ましく、また最
も一般に使用されているものでもある。 【0028】また、充填剤としては、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム等の体質充填剤、グラファイト、二硫化モ
リブデン、三流化アンチモン等の固体潤滑剤、主に熱伝
導性を向上するための銅粉、亜鉛粉、真鍮粉等の金属
粉、シリカ、酸化ジルコニウム等のアブレッシブ剤、或
いはその他の摩擦調整のための添加剤等を使用すること
ができる。 【0029】そして、本発明にかかる摩擦材は、例え
ば、上記の低タールカシューダストと、繊維基材、樹脂
結合剤、及びその他の充填剤を混合し、この混合物を予
備成形した後、加熱加圧成形する通常の熱成形方法によ
って製造することができる。 【0030】 【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明する。 【0031】〔摩擦材(パッド)の作製〕図1に示す配
合組成(重量%)で、本発明の実施例1乃至実施例3の
摩擦材を作製した。また、これらとの比較のために、比
較例1及び比較例2の摩擦材も合せて作製した。なお、
これらの実施例及び比較例の摩擦材は、具体的には、自
動車のディスクブレーキ用パッドとして具体化したもの
である。 【0032】図1のように、これらの実施例及び比較例
の摩擦材(ディスクブレーキパッド)は、繊維基材と、
樹脂結合剤と、充填剤とを含み形成されている。そし
て、骨格を形成する繊維基材は、主材としてのアラミド
繊維8重量%、耐熱強度と耐摩耗性を確保するためのチ
タン酸カリウム繊維10重量%、主に摩擦係数を確保す
るためのセラミック(アルミナ−シリカ系)繊維8重量
%、及び主に熱伝導性を確保するための銅繊維10重量
%の混合物からなっている。したがって、ここでは、摩
擦材はスチール繊維を含まない非スチール系摩擦材とし
て形成されている。なお、この繊維基材は、各実施例及
び比較例において同じ割合で使用した。 【0033】樹脂結合剤としては、ここではフェノール
樹脂を用い、12重量%の割合で、各実施例及び比較例
において配合した。 【0034】また、充填剤としては、主に低、中温域で
の耐摩耗性を向上するための固体潤滑剤であるグラファ
イトと、特に高温域での耐摩耗性を向上するための固体
潤滑剤である三硫化アンチモンと、摩擦係数を高め、確
保するためのアブレッシブ剤である酸化ジルコニウム
と、体質充填剤としての硫酸バリウムと、そして、カシ
ューダストとを配合した。そして、各実施例及び比較例
において、グラファイトは8重量%、三硫化アンチモン
と酸化ジルコニウムは3重量%ずつ、それぞれ配合し
た。また、硫酸バリウムは、カシューダストの配合量に
応じて調整し、実施例1では33重量%、他の実施例及
び比較例では28重量%配合した。こうして、カシュー
ダスト以外は、各実施例及び比較例において、同じ成分
を同じ割合で配合した。 【0035】ここで、カシューダストとしては、熱分解
により生成するタール分が少ない低タールカシューダス
トA,Bを使用した。 【0036】低タールカシューダストAは、硬化剤とし
てフルフラールを通常の使用量の約3倍量で、即ち、カ
シューナット殻液に対して60重量%に相当する割合で
使用し、重縮合して製造したものである。そのタール
分、即ち、370℃で1時間加熱した後アセトン抽出し
て抽出されたタール分は、0.5重量%(加熱処理前の
カシューダストの重量に対して)である。 【0037】また、低タールカシューダストBは、上記
と同様に、硬化剤としてフルフラールを通常の使用量の
約3倍量で使用して、180℃で15時間重縮合した
後、更に、200℃で5時間の後加熱処理を施して製造
したものである。そのタール分は、0.1重量%であ
る。 【0038】そして、この低タールカシューダストA
を、実施例1では5重量%、実施例2では10重量%、
それぞれ配合した。また、低タールカシューダストB
を、実施例3において10重量%配合した。なお、対比
のための比較例1では、通常の黒ダスト(硬化剤として
フルフラールを、カシューナット殻液に対して約20重
量%に相当する割合で使用して製造したもの)を用い、
10重量%配合した。また、比較例2では、通常の茶ダ
スト(硬化剤としてヘキサミンを、カシューナット殻液
に対して約20重量%に相当する割合で使用して製造し
たもの)を10重量%配合した。 【0039】これらの実施例及び比較例の摩擦材(ディ
スクブレーキパッド)の作製は、通常の熱成形による方
法によって具体的には次のように行った。即ち、各種の
カシューダストを含む上記の配合の摩擦材原料をV型ブ
レンダで十分均一に混合し、次いで、この粉状混合物を
予備成形金型に投入し、常温下、200kg/cm2の
圧力で1〜2分間加圧して、予備成形した。この摩擦材
の予備成形物を、予め表面にフェノール樹脂系接着剤を
塗布した裏金と共に熱成形金型にセットし、400kg
/cm2 の加圧圧力、160℃の温度で10分間熱成形
した。そして、これを250℃で120分間熱処理し
て、摩擦材を得た。 【0040】〔評価試験〕次いで、このようにカシュー
ダストの種類と配合割合を変えて作製したこれらの実施
例及び比較例の各摩擦材(ディスクブレーキパッド)に
ついて、それらの初期と熱履歴後の鳴き性能に関する評
価試験を次のように行った。 【0041】(1)摺り合せ まず、作製した実施例及び比較例の各摩擦材について、
65km/h×0.3G×120℃×200回の摺り合
せを行った。そして、この第2効力時(安定期)の各摩
擦材について、次の初期鳴き性能試験を行った。 【0042】(2)初期鳴き性能試験 鳴き性能については、実車(PD54−18V型キャリ
パブレーキ)による評価試験を行い、制動時のブレーキ
鳴き(ノイズ)の発生回数を測定した。具体的には、次
の合計100回の制動試験を行い、耳に聞こえる鳴きが
発生した場合の回数をカウントした。 【0043】 20km/h×0.1G×50℃×20回, 20km/h×0.1G×100℃×20回, 20km/h×0.1G×150℃×20回, 20km/h×0.1G×100℃×20回, 20km/h×0.1G×50℃×20回。 【0044】(3)摺り合せ(熱履歴試験) 初期鳴き性能試験を行った各摩擦材について、次いで、
65km/h×0.3G×120℃×2000回の摺り
合せを行った。この摺り合せは、最初の摺り合せ(1)
を更に10回繰返したものに相当し、これによって、摩
擦材に強度な熱履歴を与えた。 【0045】(4)熱履歴後鳴き性能試験 上記の摺り合せによって熱履歴を与えた各摩擦材につい
て、その熱履歴後の鳴き性能の実車試験を、上記(2)
と同一条件で行った。そして、上記の合計して100回
の制動試験を行い、耳に聞こえる鳴きが発生した場合の
回数をカウントした。 【0046】実施例及び比較例の各摩擦材について測定
した初期と熱履歴後の鳴き発生回数「鳴き回数」を、図
1に合せて示す。 【0047】〔試験結果〕図1のように、タール分(3
70℃で1時間加熱した後アセトン抽出して抽出された
タール分)が8.5重量%である一般の黒ダストを使用
した比較例1の摩擦材(ディスクブレーキパッド)に
は、初期の鳴き性能は良好なレベルにあるが、熱履歴後
の鳴き性能は大幅に低下する傾向が見られる。即ち、鳴
き回数は、初期には2回であるのに対し、熱履歴後には
24回にも増加している。また、この傾向は、タール分
が13.0重量%である一般の茶ダストを使用した比較
例2の摩擦材において特に顕著である。即ち、鳴き回数
は初期には1回であるのに対し、熱履歴後には32回に
増加し、初期の鳴き性能は比較例1よりも優れているに
もかかわらず、熱履歴後の鳴き性能は著しく低下してい
る。 【0048】これらの比較例1及び比較例2の摩擦材に
対して、タール分が0.5重量%である低タールカシュ
ーダストA、及びタール分が0.1重量%である低ター
ルカシューダストBを使用した実施例1乃至実施例3の
摩擦材は、鳴き回数が初期ではそれぞれ2回、3回、及
び3回であり、また熱履歴後ではそれぞれ2回、1回、
及び0回である。つまり、初期の鳴き性能については比
較例に比べて僅かに劣る傾向が見られるが、熱履歴後の
鳴き性能については、何等低下しないだけでなく、実施
例2及び実施例3ではむしろ向上している。 【0049】また、実施例2と実施例3のように、熱履
歴後の鳴き性能は、使用するカシューダストのタール分
が少ない程、より優れたものとなる傾向が見られる。更
に、低タールカシューダストの配合量が異なる実施例1
と実施例2からすれば、低タールカシューダストの配合
量が多い程、熱履歴後の鳴き性能は向上している。 【0050】この結果については、次のように推測され
る。即ち、比較例1及び比較例2の摩擦材においては、
熱履歴によってカシューダストが熱分解してタールが生
成し、そのタールが摩擦材と相手材との間のスティック
スリップの原因となり、制動時の鳴きが発生し易くなっ
たと考えられる。これに対して、実施例1乃至実施例3
の摩擦材では、そのようなタール分の生成が少ない低タ
ールカシューダストを使用しているため、熱履歴によっ
ても鳴きの発生が増加しなかったと考えられる。ただ
し、実施例2及び実施例3の摩擦材において、熱履歴後
の鳴き性能が初期よりもむしろ向上していることについ
ては、その理由は明らかではないが、熱履歴によって潤
滑性の高いカシューダストの皮膜が形成され、その潤滑
性によって鳴きの発生がより低減されたとも考えられ
る。 【0051】しかし、いずれにしても、この試験結果か
ら、カシューダストとして加熱時の熱分解により生成す
るタール分が少ない低タールカシューダストを使用する
ことによって、熱履歴後の鳴き性能の低下を少なくとも
有効に抑制することができることが分かる。 【0052】なお、本発明の摩擦材について、特に、デ
ィスクブレーキパッドを例として説明したが、本発明を
実施する場合は、ディスクブレーキパッドだけに限定さ
れるものではなく、ドラムブレーキのライニング、或い
はクラッチフェーシング等のその他の摩擦材にも同様に
適用することができる。また、繊維基材等の種類と配合
割合等についても、この実施例に限定されることなく、
種々に変更することができる。 【0053】 【発明の効果】以上のように、本発明にかかる摩擦材
は、繊維基材と、樹脂結合剤と、カシューダスト及びそ
の他の充填剤とを含む摩擦材において、カシューダスト
は、370℃で1時間加熱した後アセトン抽出して抽出
されたタール分が1.0重量%以下である低タールカシ
ューダストからなることを特徴とするものである。 【0054】したがって、この摩擦材によれば、熱分解
により生成するタール分が少ない低タールカシューダス
トを使用しているので、苛酷な制動が繰返されること等
によって摩擦材が強度の熱履歴を受けた場合であって
も、鳴き(ノイズ)の発生原因となるタールの生成が少
ないため、鳴き性能の低下を防止することができる。即
ち、本発明にかかる摩擦材によれば、熱履歴後の鳴き性
能の低下を抑制し、使用初期からの鳴き性能を良好に維
持することができる。
において使用されるディスクブレーキパッド、ドラムブ
レーキライニング、或いはクラッチフェーシング等の摩
擦材に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車等に使用されるディスクブレーキ
パッド、ドラムブレーキライニング等の摩擦材は、その
相手材であるディスクロータ、ブレーキドラムと摩擦係
合し、運動エネルギーを熱エネルギーに変える重要な役
割を担っている。そのため、摩擦材には優れた耐摩耗性
が必要であるだけでなく、十分に高い摩擦係数を有する
ことが必要であり、しかも、制動時には常に熱を発生し
高温となるため、温度変化によっても摩擦係数の変化の
少ない安定した摩擦特性が要求される。更には、相手材
に対する攻撃性がないこと、制動時に異音(ノイズ、鳴
き)を生じないこと等も必要であり、摩擦材に求められ
る特性は多項目に亘っている。 【0003】そこで、これらの各種の特性を満足するた
めに、摩擦材は複合材として構成されている。即ち、摩
擦材は、その骨格を形成するアラミド繊維、チタン酸カ
リウム繊維等の繊維基材と、この繊維基材を結合保持す
るフェノール樹脂等の樹脂結合剤と、これらの繊維と結
合剤とのマトリックス中に分散して充填される摩擦性能
を調整するための各種の充填剤とから一般に構成されて
いる。そして、この充填剤としては、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム等の体質充填剤、グラファイト、二硫化モ
リブデン等の固体潤滑剤、カシューダスト、シリカ等の
アブレッシブ剤、或いはその他の摩擦調整のための添加
剤等が使用されている。 【0004】ここで、充填剤の一部として使用されるカ
シューダストは、カルダノールが主成分であるカシュー
ナットの殻液またはその重合体を、アルデヒド類或いは
ポリアミン類からなる硬化剤によって加熱下で重縮合さ
せて硬化し、これを冷却した後ダスト状に粉砕したもの
である。そして、このカシューダストは、摩擦係合時に
溶融して摩擦材の表面に平滑な潤滑性皮膜を形成し、そ
れによって摩擦材の摩擦係数を向上すると共に安定化
し、また摩耗を少なくして摩擦材の寿命を長くする作用
を有している。更には、その潤滑性皮膜によって制動時
の鳴き(ノイズ)を減少する作用、つまり、鳴き性能を
向上する作用も有している。そのため、カシューダスト
は、摩擦材の重要な成分の一つとして広く使用されてい
る。 【0005】なお、このようなカシューダストとして代
表的なものには、使用された硬化剤の相違によって、比
較的柔らかいカシューダストと比較的硬いカシューダス
トとの2種類がある。その比較的柔らかい方のカシュー
ダストは、硬化剤としてホルムアルデヒド(またはパラ
ホルムアルデヒド)またはヘキサミン(ヘキサメチレン
テトラミン)を用いたもので、茶色の外観を呈すること
から『茶ダスト』と呼ばれている。また、比較的硬い方
のカシューダストは、フルフラールを硬化剤としたもの
で、その外観から『黒ダスト』と呼ばれている。 【0006】そして、これらのカシューダストはいずれ
も一般的に使用されているが、摩擦係合時の鳴き(ノイ
ズ)をより低減する上では、上記の茶ダストが良いとさ
れている。摩擦材に柔軟性を付与し、振動吸収性をより
向上することができるからである。しかし、この茶ダス
トは一般に耐熱性が低いという欠点がある。そのため、
摩擦係合時の発熱が特に高いディスクブレーキパッドの
ような場合には、耐熱性も高い上記の黒ダストが主に使
用されている。 【0007】なお、摩擦材の摩擦調整剤として使用され
るこのようなカシューダストについては、例えば、特開
昭58−47079号公報、及び特開平2−26331
号公報において、その製造方法に関して開示されてい
る。なお、これらでは、具体的には、摩擦材の防錆性を
高めるためにアルカリ性のカシューダストを得ることを
目的としている。なお、更に、特殊なカシューダストと
して、カシューダスト成分と無機質粉体材料とを複合化
させたものも知られ、例えば、特開昭58−77925
号公報にはカシューダストとグラファイトとの複合体に
ついて、また特開昭62−149785号公報にはカシ
ューダスト成分と硫酸バリウム等の無機質粉末との復合
体について、それぞれ開示されている。これらは、主
に、カシューダストの耐熱性の向上を図ったものであ
る。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】ところで、ディスクブ
レーキパッド等の摩擦材に求められる重要な特性の一つ
として、上記のように、制動時に不快な音、即ち、鳴き
(ノイズ)の発生が少ないこと、つまり、鳴き性能(耐
鳴き性)が良好であること、が挙げられる。そして、こ
の摩擦材の鳴き性能は、自動車の高性能化と共に高級化
が進む中で、ますます重要なものとなっている。 【0009】このような摩擦材の鳴き性能は、摩擦材の
実際の使用条件(制動条件)や摩擦材の形状等とも関係
するが、主にその組成によって左右される。そのため、
摩擦材の製造に際しては、鳴き性能の向上にも有効な上
記のカシューダストの配合、固体潤滑剤の適切な配合、
更には繊維基材の適切な選定と配合等によって、実用上
十分な鳴き性能が確保されるように考慮されている。ま
た、鳴き性能をより完全にするために、加硫ゴムの粉末
であるゴムダストが配合される場合もある。ただし、こ
の場合には、ゴムの耐熱性が低いため、耐フェード性が
低下する傾向がある。 【0010】ところが、このようにして十分な鳴き性能
が確保された摩擦材であっても、例えば、自動車のディ
スクブレーキに装着して長期間使用される間に、鳴き性
能が低下し、鳴きが頻発するようなケースがしばしば見
付けられた。 【0011】そして、このようなケースについて詳細に
調査してみると、その鳴き性能の低下は、自動車の高速
化、高出力化に伴なって制動条件がますます苛酷になっ
ている現状と関係し、特に、フェードに近い過酷な制動
が繰返された場合のように、摩擦材が強度な熱履歴を受
けた場合に生じることが判明した。しかし、このような
鳴き性能の低下は、摩擦材が特に過酷に使用された場合
にのみ生じるとは言え、いずれにしても好ましいもので
はない。 【0012】そこで、本発明は、熱履歴後の鳴き性能の
低下を抑制することができる摩擦材の提供を課題とする
ものである。 【0013】 【課題を解決するための手段】本発明者は上記の熱履歴
後の鳴き性能の低下について更に詳細に調査し、検討し
たところ、その原因は、摩擦材に含まれるカシューダス
トにあり、それが過酷な制動条件下で熱分解してタール
が生成されることにあると考えた。つまり、摩擦材が強
度な熱履歴を受けることによって、それに含まれるカシ
ューダストが熱分解して粘着性のあるタールが生成され
るため、そのタールが制動時のスティックスリップを引
起し、鳴きが発生し易くなるということである。そし
て、通常使用されるカシューダストを実際に加熱試験し
てみると、特に、茶ダストの場合では、一般に10重量
%以上のタール分が生成し、黒ダストの場合でも、一般
に5重量%を超えるタール分が生成することが分かっ
た。 【0014】そこで、この結果から、摩擦材に配合する
カシューダストとして、熱履歴を受けた後に生成するタ
ール分が少ない低タールカシューダストを使用すれば良
いとの結論に至り、また、実際にそのような低タールカ
シューダストを用いることによって、熱履歴後の鳴き性
能の低下を有効に抑制できることが確認された。 【0015】即ち、本発明にかかる摩擦材は、繊維基材
と、樹脂結合剤と、カシューダスト及びその他の充填剤
とを含む摩擦材において、そのカシューダストは、37
0℃で1時間加熱した後アセトン抽出して抽出されたタ
ール分が1重量%以下である低タールカシューダストか
らなるものである。 【0016】ここで、カシューダストは高温で加熱処理
すると熱分解し、大部分は固体のままであるが、一部は
気体となって揮散すると共に、一部は液状化しタールと
なる。「タール分」は、カシューダストを370℃×1
時間の加熱条件で加熱し、そして、その加熱処理後の残
渣をアセトン抽出することによって抽出されたタール
(厳密には、アセトン溶解物)の分量であり、当初のカ
シューダストの重量に対する重量%として表される。な
お、この「タール分」の分析に際しての加熱条件「37
0℃×1時間」は、摩擦材、特に、ディスクブレーキパ
ッドの一般的な使用条件(一般の自動車での使用)のも
とで、最も過酷に使用された場合にその摩擦材が受ける
と想定される熱的条件に相当するものである。 【0017】本発明の摩擦材によれば、後述の実施例か
らも分かるように、強い熱履歴を受けた後においても、
鳴き性能が低下することが抑制され、防止される。この
作用については、熱履歴後に鳴き性能が低下する原因か
ら逆に、次のように考えられる。 【0018】つまり、熱履歴によって摩擦材の鳴き性能
が低下する理由は、上記のように、摩擦材に含まれるカ
シューダストが熱分解してタールが生成し、そのタール
の粘着性によって摩擦係合時のスティックスリップ、即
ち、鳴き(ノイズ)が引起こされることにあると推測さ
れる。したがって、本発明の摩擦材においては、カシュ
ーダストとして高温で加熱した場合に生成するタール分
が少ない低タールカシューダストを用いているため、過
酷な制動が繰返された場合等のように強い熱履歴を受け
た後においても、そのようなスティックスリップの原因
となるタールの生成量が少なく、それによって、鳴き性
能の低下が抑制されると考えられる。 【0019】 【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。 【0020】上記のように、本発明の摩擦材において
は、カシューダストとして、370℃で1時間加熱した
後、アセトン抽出して抽出されたタール分が1.0重量
%以下である低タールカシューダストを使用する。この
タール分は、従来のカシューダストのタール分が、黒ダ
ストの場合でも少なくとも5重量%を超えるのに対し
て、十分に少ない量である。そして、このタール分は少
なければ少ない程好ましく、それによって、熱履歴後の
鳴き性能の低下をより抑制することができる。したがっ
て、そのタール分は、0.5重量%以下であることがよ
り好ましい。しかしながら、このタール分を完全に0%
とすることは、製造上困難であり、コストも大幅に増加
する。そのため、その下限は、実際上において0.1重
量%程度が好ましく、またそれによって最大の効果を得
ることができる。 【0021】そして、このような低タールカシューダス
トは、例えば、次のようにして得ることができる。 【0022】第1の方法は、硬化剤として熱的安定性の
高いフルフラール、ベンズアルデヒド等を用い、しか
も、これを多量に用いる方法である。即ち、カシューダ
ストは、例えば黒ダストの場合、カシューナット殻液を
酸触媒下で熱重合し、次いで、これに硬化剤としてフル
フラールを加えて加熱下で重縮合させて硬化し、冷却後
粉砕することによって一般に製造される。また、この場
合のフルフラールの添加量は、通常、カシューナット殻
液に対して10〜30重量%とされている。これに対
し、この第1の方法は、フルフラールを硬化剤として用
いる点は同じであるが、そのフルフラールの添加量を、
例えば、通常の3倍程度として、40〜80重量%とす
ることからなる方法である。 【0023】また、第2の方法は、上記の加熱下での重
縮合は一般に180℃で15時間程度行われるが、その
ような縮重合を行った後、硬化物を更に、例えば、20
0℃で3〜4時間加熱する後熱処理を付加的に行う方法
である。更に、これらの第1と第2の方法を組合せて、
硬化剤としてフルフラール等を十分に多量に添加すると
共に、十分な後熱処理を行うことも有効な方法である。
そして、これらの方法によって、カシューナット殻液の
成分(カルダノール)と硬化剤としてのフルフラールと
が強固に重縮合し、高温時にもタール分の分解生成量の
少ないカシューダストを得ることができる。 【0024】このようにして得られた低タールカシュー
ダストは、カシューダストとしての作用自体は通常のカ
シューダストと実質的に差異がなく、摩擦調整剤として
の機能を有し、また鳴き性能を向上する効果も有してい
る。そのため、この低タールカシューダストは、従来と
同じ割合で摩擦材に配合することができ、摩擦材全体に
対して、一般に3〜15重量%の割合で使用することが
できる。この割合が余り少ないと、摩擦調整剤としての
効果が実用上十分に得られず、また、逆に多すぎると、
摩擦材の成形時の成形性が低下し、また耐フェード性も
低下する傾向がある。より好ましい配合割合は、一般に
5〜10重量%である。なお、この低タールカシューダ
ストは、一般のカシューダスト、例えば、茶ダストと適
宜併用して使用することもできる。しかし、そのような
一般のカシューダストは熱履歴後の鳴き性能を低下させ
るため、長期に亘る摩擦材の鳴き性能を考慮すれば、タ
ール分が1重量%以下である低タールカシューダストの
みを使用することが、やはり好ましい。 【0025】なお、摩擦材を形成するカシューダスト以
外の成分、即ち、繊維基材、樹脂結合剤、及びその他の
充填剤は、従来と同様である。 【0026】繊維基材、即ち、摩擦材の骨格を形成する
繊維状の成分である繊維基材としては、シリケート繊
維、アルミナ繊維、チタン酸カリウム繊維またはウィス
カ、ロックウール、スラグウール、カーボン繊維、或い
はガラス繊維等の無機繊維、スチール繊維、ステンレス
スチール繊維、銅繊維、真鍮繊維等の金属繊維、アラミ
ド繊維、ノボロイド繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維
等の有機繊維等を挙げることができる。そして、これら
の繊維は単独でまたは適宜組合せて、摩擦材の具体的種
類または用途に応じて使用することができる。ディスク
ブレーキパッドの場合は、一般に、これらの無機繊維、
金属繊維、有機繊維が適切に組合せて使用される。 【0027】この繊維基材及び充填剤を結合保持する樹
脂結合剤としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、
或いはSBR等のゴム等を使用することができる。しか
し、これらの中でも、フェノール樹脂、またはその各種
の変性物が、結合強度が高い等の点で好ましく、また最
も一般に使用されているものでもある。 【0028】また、充填剤としては、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム等の体質充填剤、グラファイト、二硫化モ
リブデン、三流化アンチモン等の固体潤滑剤、主に熱伝
導性を向上するための銅粉、亜鉛粉、真鍮粉等の金属
粉、シリカ、酸化ジルコニウム等のアブレッシブ剤、或
いはその他の摩擦調整のための添加剤等を使用すること
ができる。 【0029】そして、本発明にかかる摩擦材は、例え
ば、上記の低タールカシューダストと、繊維基材、樹脂
結合剤、及びその他の充填剤を混合し、この混合物を予
備成形した後、加熱加圧成形する通常の熱成形方法によ
って製造することができる。 【0030】 【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明する。 【0031】〔摩擦材(パッド)の作製〕図1に示す配
合組成(重量%)で、本発明の実施例1乃至実施例3の
摩擦材を作製した。また、これらとの比較のために、比
較例1及び比較例2の摩擦材も合せて作製した。なお、
これらの実施例及び比較例の摩擦材は、具体的には、自
動車のディスクブレーキ用パッドとして具体化したもの
である。 【0032】図1のように、これらの実施例及び比較例
の摩擦材(ディスクブレーキパッド)は、繊維基材と、
樹脂結合剤と、充填剤とを含み形成されている。そし
て、骨格を形成する繊維基材は、主材としてのアラミド
繊維8重量%、耐熱強度と耐摩耗性を確保するためのチ
タン酸カリウム繊維10重量%、主に摩擦係数を確保す
るためのセラミック(アルミナ−シリカ系)繊維8重量
%、及び主に熱伝導性を確保するための銅繊維10重量
%の混合物からなっている。したがって、ここでは、摩
擦材はスチール繊維を含まない非スチール系摩擦材とし
て形成されている。なお、この繊維基材は、各実施例及
び比較例において同じ割合で使用した。 【0033】樹脂結合剤としては、ここではフェノール
樹脂を用い、12重量%の割合で、各実施例及び比較例
において配合した。 【0034】また、充填剤としては、主に低、中温域で
の耐摩耗性を向上するための固体潤滑剤であるグラファ
イトと、特に高温域での耐摩耗性を向上するための固体
潤滑剤である三硫化アンチモンと、摩擦係数を高め、確
保するためのアブレッシブ剤である酸化ジルコニウム
と、体質充填剤としての硫酸バリウムと、そして、カシ
ューダストとを配合した。そして、各実施例及び比較例
において、グラファイトは8重量%、三硫化アンチモン
と酸化ジルコニウムは3重量%ずつ、それぞれ配合し
た。また、硫酸バリウムは、カシューダストの配合量に
応じて調整し、実施例1では33重量%、他の実施例及
び比較例では28重量%配合した。こうして、カシュー
ダスト以外は、各実施例及び比較例において、同じ成分
を同じ割合で配合した。 【0035】ここで、カシューダストとしては、熱分解
により生成するタール分が少ない低タールカシューダス
トA,Bを使用した。 【0036】低タールカシューダストAは、硬化剤とし
てフルフラールを通常の使用量の約3倍量で、即ち、カ
シューナット殻液に対して60重量%に相当する割合で
使用し、重縮合して製造したものである。そのタール
分、即ち、370℃で1時間加熱した後アセトン抽出し
て抽出されたタール分は、0.5重量%(加熱処理前の
カシューダストの重量に対して)である。 【0037】また、低タールカシューダストBは、上記
と同様に、硬化剤としてフルフラールを通常の使用量の
約3倍量で使用して、180℃で15時間重縮合した
後、更に、200℃で5時間の後加熱処理を施して製造
したものである。そのタール分は、0.1重量%であ
る。 【0038】そして、この低タールカシューダストA
を、実施例1では5重量%、実施例2では10重量%、
それぞれ配合した。また、低タールカシューダストB
を、実施例3において10重量%配合した。なお、対比
のための比較例1では、通常の黒ダスト(硬化剤として
フルフラールを、カシューナット殻液に対して約20重
量%に相当する割合で使用して製造したもの)を用い、
10重量%配合した。また、比較例2では、通常の茶ダ
スト(硬化剤としてヘキサミンを、カシューナット殻液
に対して約20重量%に相当する割合で使用して製造し
たもの)を10重量%配合した。 【0039】これらの実施例及び比較例の摩擦材(ディ
スクブレーキパッド)の作製は、通常の熱成形による方
法によって具体的には次のように行った。即ち、各種の
カシューダストを含む上記の配合の摩擦材原料をV型ブ
レンダで十分均一に混合し、次いで、この粉状混合物を
予備成形金型に投入し、常温下、200kg/cm2の
圧力で1〜2分間加圧して、予備成形した。この摩擦材
の予備成形物を、予め表面にフェノール樹脂系接着剤を
塗布した裏金と共に熱成形金型にセットし、400kg
/cm2 の加圧圧力、160℃の温度で10分間熱成形
した。そして、これを250℃で120分間熱処理し
て、摩擦材を得た。 【0040】〔評価試験〕次いで、このようにカシュー
ダストの種類と配合割合を変えて作製したこれらの実施
例及び比較例の各摩擦材(ディスクブレーキパッド)に
ついて、それらの初期と熱履歴後の鳴き性能に関する評
価試験を次のように行った。 【0041】(1)摺り合せ まず、作製した実施例及び比較例の各摩擦材について、
65km/h×0.3G×120℃×200回の摺り合
せを行った。そして、この第2効力時(安定期)の各摩
擦材について、次の初期鳴き性能試験を行った。 【0042】(2)初期鳴き性能試験 鳴き性能については、実車(PD54−18V型キャリ
パブレーキ)による評価試験を行い、制動時のブレーキ
鳴き(ノイズ)の発生回数を測定した。具体的には、次
の合計100回の制動試験を行い、耳に聞こえる鳴きが
発生した場合の回数をカウントした。 【0043】 20km/h×0.1G×50℃×20回, 20km/h×0.1G×100℃×20回, 20km/h×0.1G×150℃×20回, 20km/h×0.1G×100℃×20回, 20km/h×0.1G×50℃×20回。 【0044】(3)摺り合せ(熱履歴試験) 初期鳴き性能試験を行った各摩擦材について、次いで、
65km/h×0.3G×120℃×2000回の摺り
合せを行った。この摺り合せは、最初の摺り合せ(1)
を更に10回繰返したものに相当し、これによって、摩
擦材に強度な熱履歴を与えた。 【0045】(4)熱履歴後鳴き性能試験 上記の摺り合せによって熱履歴を与えた各摩擦材につい
て、その熱履歴後の鳴き性能の実車試験を、上記(2)
と同一条件で行った。そして、上記の合計して100回
の制動試験を行い、耳に聞こえる鳴きが発生した場合の
回数をカウントした。 【0046】実施例及び比較例の各摩擦材について測定
した初期と熱履歴後の鳴き発生回数「鳴き回数」を、図
1に合せて示す。 【0047】〔試験結果〕図1のように、タール分(3
70℃で1時間加熱した後アセトン抽出して抽出された
タール分)が8.5重量%である一般の黒ダストを使用
した比較例1の摩擦材(ディスクブレーキパッド)に
は、初期の鳴き性能は良好なレベルにあるが、熱履歴後
の鳴き性能は大幅に低下する傾向が見られる。即ち、鳴
き回数は、初期には2回であるのに対し、熱履歴後には
24回にも増加している。また、この傾向は、タール分
が13.0重量%である一般の茶ダストを使用した比較
例2の摩擦材において特に顕著である。即ち、鳴き回数
は初期には1回であるのに対し、熱履歴後には32回に
増加し、初期の鳴き性能は比較例1よりも優れているに
もかかわらず、熱履歴後の鳴き性能は著しく低下してい
る。 【0048】これらの比較例1及び比較例2の摩擦材に
対して、タール分が0.5重量%である低タールカシュ
ーダストA、及びタール分が0.1重量%である低ター
ルカシューダストBを使用した実施例1乃至実施例3の
摩擦材は、鳴き回数が初期ではそれぞれ2回、3回、及
び3回であり、また熱履歴後ではそれぞれ2回、1回、
及び0回である。つまり、初期の鳴き性能については比
較例に比べて僅かに劣る傾向が見られるが、熱履歴後の
鳴き性能については、何等低下しないだけでなく、実施
例2及び実施例3ではむしろ向上している。 【0049】また、実施例2と実施例3のように、熱履
歴後の鳴き性能は、使用するカシューダストのタール分
が少ない程、より優れたものとなる傾向が見られる。更
に、低タールカシューダストの配合量が異なる実施例1
と実施例2からすれば、低タールカシューダストの配合
量が多い程、熱履歴後の鳴き性能は向上している。 【0050】この結果については、次のように推測され
る。即ち、比較例1及び比較例2の摩擦材においては、
熱履歴によってカシューダストが熱分解してタールが生
成し、そのタールが摩擦材と相手材との間のスティック
スリップの原因となり、制動時の鳴きが発生し易くなっ
たと考えられる。これに対して、実施例1乃至実施例3
の摩擦材では、そのようなタール分の生成が少ない低タ
ールカシューダストを使用しているため、熱履歴によっ
ても鳴きの発生が増加しなかったと考えられる。ただ
し、実施例2及び実施例3の摩擦材において、熱履歴後
の鳴き性能が初期よりもむしろ向上していることについ
ては、その理由は明らかではないが、熱履歴によって潤
滑性の高いカシューダストの皮膜が形成され、その潤滑
性によって鳴きの発生がより低減されたとも考えられ
る。 【0051】しかし、いずれにしても、この試験結果か
ら、カシューダストとして加熱時の熱分解により生成す
るタール分が少ない低タールカシューダストを使用する
ことによって、熱履歴後の鳴き性能の低下を少なくとも
有効に抑制することができることが分かる。 【0052】なお、本発明の摩擦材について、特に、デ
ィスクブレーキパッドを例として説明したが、本発明を
実施する場合は、ディスクブレーキパッドだけに限定さ
れるものではなく、ドラムブレーキのライニング、或い
はクラッチフェーシング等のその他の摩擦材にも同様に
適用することができる。また、繊維基材等の種類と配合
割合等についても、この実施例に限定されることなく、
種々に変更することができる。 【0053】 【発明の効果】以上のように、本発明にかかる摩擦材
は、繊維基材と、樹脂結合剤と、カシューダスト及びそ
の他の充填剤とを含む摩擦材において、カシューダスト
は、370℃で1時間加熱した後アセトン抽出して抽出
されたタール分が1.0重量%以下である低タールカシ
ューダストからなることを特徴とするものである。 【0054】したがって、この摩擦材によれば、熱分解
により生成するタール分が少ない低タールカシューダス
トを使用しているので、苛酷な制動が繰返されること等
によって摩擦材が強度の熱履歴を受けた場合であって
も、鳴き(ノイズ)の発生原因となるタールの生成が少
ないため、鳴き性能の低下を防止することができる。即
ち、本発明にかかる摩擦材によれば、熱履歴後の鳴き性
能の低下を抑制し、使用初期からの鳴き性能を良好に維
持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例及び比較例の摩擦材
(ディスクブレーキパッド)の組成(重量%)と、鳴き
性能に関するそれらの評価試験の結果とを示す表図であ
る。なお、図1において、括弧に示すカシューダストの
タール分(重量%)は、カシューダストを370℃で1
時間加熱した後、アセトン抽出して抽出されたタールの
分量(加熱処理前のカシューダスト重量に対する)であ
る。
(ディスクブレーキパッド)の組成(重量%)と、鳴き
性能に関するそれらの評価試験の結果とを示す表図であ
る。なお、図1において、括弧に示すカシューダストの
タール分(重量%)は、カシューダストを370℃で1
時間加熱した後、アセトン抽出して抽出されたタールの
分量(加熱処理前のカシューダスト重量に対する)であ
る。
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平2−26331(JP,A)
特開 昭58−47079(JP,A)
特開 昭58−77925(JP,A)
特開 昭62−149785(JP,A)
特開 平7−292348(JP,A)
特開 平7−3248(JP,A)
特開 平6−322146(JP,A)
特開 平8−135702(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08J 5/00 - 5/24
F16D 49/00 - 71/04
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 繊維基材と、樹脂結合剤と、カシューダ
スト及びその他の充填剤とを含む摩擦材において、 前記カシューダストは、370℃で1時間加熱した後、
アセトン抽出して、抽出されたタール分が1.0重量%
以下である低タールカシューダストからなることを特徴
とする摩擦材。
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---|---|---|---|
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