JP3449623B2 - 太陽光エネルギー変換装置 - Google Patents

太陽光エネルギー変換装置

Info

Publication number
JP3449623B2
JP3449623B2 JP2002518608A JP2002518608A JP3449623B2 JP 3449623 B2 JP3449623 B2 JP 3449623B2 JP 2002518608 A JP2002518608 A JP 2002518608A JP 2002518608 A JP2002518608 A JP 2002518608A JP 3449623 B2 JP3449623 B2 JP 3449623B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
electron
solar energy
collecting
electrons
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002518608A
Other languages
English (en)
Inventor
則男 赤松
Original Assignee
則男 赤松
西角 博
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from PCT/JP2001/003715 external-priority patent/WO2002013366A1/ja
Application filed by 則男 赤松, 西角 博 filed Critical 則男 赤松
Priority claimed from PCT/JP2001/005836 external-priority patent/WO2002013367A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3449623B2 publication Critical patent/JP3449623B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、太陽から放出される光エネルギーを電気
エネルギーに変換する太陽光エネルギー変換装置に関す
るものである。
背景技術 石炭や石油などの化石燃料を燃焼させることにより得
られるエネルギーは地球環境の劣化を招くとともに、そ
れらの埋蔵量に限界があることにより、長期的にそれら
を使用することは困難である。
このような化石燃料の燃焼により生じていた地球温暖
化の原因である二酸化炭素などによる環境問題の悪化を
解決し、また化石燃料枯渇問題から解放されるために、
太陽から放出される太陽光エネルギーを利用する方法・
装置を開発することは人類の生存には必要であり、太陽
光のエネルギーを電気エネルギーに効率良く変換するこ
とが可能となると、人類の長期的な生存に必要なエネル
ギーが太陽によって安定的に供給される可能性がある。
それゆえにこれまで様々な鋭意開発が進められてきた。
ここで、このような太陽光のエネルギーを電気エネル
ギーに変換する方法・装置として望まれることとして
は、第一に太陽光線の持つエネルギーを電気的なエネル
ギーに変換する際の効率が良いことがあげられ、太陽光
エネルギーのクリーンさを考慮し、環境を破壊、悪化さ
せるような物質は使用しないことである。
次に、普及させる必要があるので安価であることが必
要となる。安価であるためには入手が困難な物質や、製
造コストのかかる物質の使用は避ける必要があり、また
その構造が簡単であることが望ましい。
構造が簡単であれば構成部品を交換するなどにより長
期的に使用することが可能となり、長期的に使用するた
めには耐久性があり、耐用年数が長いことも重要であ
り、かつ保守費用やランニングコストが安いことが望ま
しい。
さらには、いかなる場所でも使用できるよう、軽量か
つ小型であることが望ましい。
ところで、これまでの太陽光エネルギーを電気エネル
ギーに直接的に変換する装置としては、主として半導体
を用いて構成された太陽電池が一般的に知られている。
これら従来の太陽電池では、利用できる光の波長は40
0nmから450nmの青色付近が中心である。すなわ
ち、従来の太陽電池によって利用可能な太陽光は、太陽
から注がれている光の一部のスペクトルのみであり、緑
色から赤色の可視光線および赤外線の殆どは電気エネル
ギーに変換することができなかった。このために太陽電
池の効率向上の改良が多くの研究者によって行われた
が、太陽電池の効率は20%以下に留まっている。
また、太陽電池を構成する半導体は、製造コストがか
かるとともに、製造工程において環境悪化物質を放出す
ることも知られている。
従って、太陽電池による太陽光エネルギーの電気エネ
ルギーへの変換方法・装置は、先に述べた太陽光エネル
ギーの電気エネルギーへの変換方法・装置が具備すべき
条件を満足しているとは言えないというのが現状であ
る。
本発明の目的は、太陽光線のさらに多くのスペクトル
に対応する波長のエネルギー、つまり従来の太陽電池が
利用していない太陽光の波長領域のエネルギーについて
も電気的なエネルギーに変換させることにより、より効
率が良く、かつ安価で、環境に悪影響のない太陽光エネ
ルギー変換装置を提供するものである。
発明の開示 上記問題点を解決するため、太陽光の一部のスペクト
ルのみしか利用できない太陽電池(PN接合の半導体)
の使用とは一線を画し、電子放出電極を用いた太陽光エ
ネルギー変換装置を提供することを発明の骨子としてい
る。
ここで、電子放出電極とは、熱電子を放出する電極で
あり、通常は電子放出能力の高い金属(タングステン、
タンタル、スカンジウム、イリジウム、等)に熱電子を
放出しやすい物質(酸化バリウム、酸化イリジウム、ス
トロンチューム炭酸塩、イリジウムおよびスカンジウム
などの化合物)を含浸、あるいは塗布することにより得
られ、温度を上昇することにより熱電子を放出するも
の、及び炭素化合物であるダイヤモンドやカーボンナノ
チューブなどである。放出された熱電子を電子収集電極
により受け止め収集することで太陽光エネルギーを熱電
子の放出により電気エネルギーに変換した状態で得られ
る。
このような電子放出電極については、1967年の米
国特許 USP3,358,178や、1973年の米
国特許 USP3,719,856および1977年の
米国特許USP4,007,393により提案され、放
出される熱電子の放出効率の向上、および耐久性の向上
が得られたものが登場した。以上の技術はこれまでおも
に真空管、およびCRT(Cathode Ray Tube)の分野で
用いられた。
また、固体表面に強い電界がかかると、電子を固体内
に閉じこめている表面のポテンシャル障壁が低く且つ薄
くなり、電子がトンネル効果により真空中に放出される
電界放出と呼ばれる現象がある。
特に、曲率半径が小さい物質が電界中に置かれると、
曲率半径が小さい尖った領域に電荷が集中し、電子の放
出が容易になる。これは、電荷の先端集中現象といわれ
る放電工学ではよく知られた現象である。
さらに、ダイヤモンド構造(diamond structure)の
物質は負性電子親和力(Nagative Electron Affinity)
があり、伝導電子が容易に放出される性質がある。
この電界放出素材として、針状炭素、カーボンナノチ
ューブ、ダイヤモンド薄膜等がこれまで主に真空管、蛍
光表示管、および電界放出型電子源ディスプレー(CRT,
FED,VFD等〉等の分野で用いられた。
本発明の太陽光エネルギー変換装置の構造は真空管と
類似性をもつ一面もあるが、しかしながら、真空管の機
能は増幅作用と整流作用と発振作用であり、本発明の太
陽光エネルギー変換装置の機能は発電作用である。すな
わち、真空管と太陽光エネルギー変換装置は機能におい
て全く異なる。
具体的に、本発明の第1の形態の太陽光エネルギー変
換装置は、 太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集められ
た太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置
され、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇するこ
とにより真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される
電子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電
子加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記真空容器内に配置され、前記電子放出電極と前記
電子加速電極の間を飛翔する電子の軌道を曲げる電子偏
向装置と、 前記電子偏向装置によって軌道が曲げられた飛翔電子
を収集する電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の第2の形態の太陽光エネルギー変換装
置は、 太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集めら
れた太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置
され、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇するこ
とにより真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される
電子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電
子加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
る第一のスリット型の電子収集電極と、 前記第一のスリット型の電子収集電極と、前記電子加
速電極との間に、前記電子加速電極に電気力線を通すよ
うに配置された第二のスリット型の電子収集電極と、 前記真空容器内に配置され、前記第一のスリット型の
電子収集電極のスリット間を通り抜けた飛翔電子の軌道
を曲げて、当該飛翔電子を前記第二のスリット型の電子
収集電極に収集させる電子偏向装置と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子偏向装置は、偏向磁石或いは静電偏向電極の何
れか一方を備えていてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子収集電極の表面に、金属繊維、或いは網目状又
は格子状の金属線により構成され前記飛翔電子を捕獲す
る電子捕獲部を形成していてもよい。
また、本発明の第3の形態の太陽光エネルギー変換装
置は、 太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集めら
れた太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置
され、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇するこ
とにより真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される
電子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電
子加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
る電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極は、金属繊維、或いは網目状又は格
子状の金属線により構成され、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の第4の形態の太陽光エネルギー変換装
置は、 太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集めら
れた太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置
され、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇するこ
とにより真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される
電子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電
子加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
る電子収集電極と、 を備え、 前記電子加速電極と、前記電子収集電極と、は互いに
電気的に絶縁され、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子放出電極は、イリジウム、スカンジウム、バリ
ウム、或いはカーボンのうち、少なくとも何れか一つを
含む化合物を含有或いは付着させていてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子収集電極は、ステンレス、モリブデン化合物、
及びタングステン化合物のうちの何れか一つからなって
いてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記加熱板若しくは前記電子収集電極のうち、少なくと
も一方に黒体化処理が施されていてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子収集電極に衝突した前記飛翔電子が、前記電子
収集電極から再放出することを防止する電子再放出防止
部を形成していてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子収集電極を前記電子放出電極側に屈曲させ、前
記電子放出電極側に開口する凹部を形成していてもよ
い。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記真空容器の一部の領域に、前記集光装置によって集
光された太陽光を通過させる太陽光通過窓を形成してい
てもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記加熱板を、熱伝導不良材料からなる固定部材によっ
て真空容器に取り付けていてもよい。
また、本発明の形態の太陽光エネルギー変換装置にお
いて、前記真空容器内に配置された加熱板と電子放出電
極との間に、絶縁物を挟み込む構成にしてもよい。
また、本発明の第5の形態の太陽光エネルギー変換装
置は、 真空容器内に対向配置されるカソードとアノードと、 前記カソードにマイナス端子が接続され、前記アノー
ドにプラス端子が接続され、前記カソードと前記アノー
ドとの間に電界を発生させる電界発生電源と、 前記真空容器内でカソードとアノードとの間に配置さ
れ、太陽光の熱により真空中に電子を放出する電界通過
性の電子放出電極と、 前記真空容器内で前記電子放出電極とアノードとの間
に配置され、前記電子放出電極から放出された電子を収
集する電界通過性の電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の第6の形態の太陽光エネルギー変換装
置は、 真空容器内に対向配置されるカソードとアノードと、 前記カソードにマイナス端子が接続され、前記アノー
ドにプラス端子が接続され、前記カソードと前記アノー
ドとの間に電界を発生させる電界発生電源と、 前記真空容器内でカソードとアノードとの間に配置さ
れ、太陽光の熱により真空中に電子を放出する電界通過
性の電子放出電極と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
る第一のスリット型の電子収集電極と、 前記第一のスリット型の電子収集電極と、前記電子加
速電極との間に、前記電子加速電極に電気力線を通すよ
うに配置された第二のスリット型の電子収集電極と、 前記真空容器内に配置され、前記第一のスリット型の
電子収集電極のスリット間を通り抜けた飛翔電子の軌道
を曲げて、当該飛翔電子を前記第二のスリット型の電子
収集電極に収集させる電子偏向装置と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の第7の形態の太陽光エネルギー変換装
置は、 真空容器内に対向配置されるカソードとアノードと、 前記カソードにマイナス端子が接続され、前記アノー
ドにプラス端子が接続され、前記カソードと前記アノー
ドとの間に電界を発生させる電界発生電源と、 前記真空容器内でカソードとアノードとの間に配置さ
れ、太陽光中の電磁波のエネルギーにより真空中に電子
を放出する電界通過性の電子放出電極と、 前記真空容器内に配置され、前記電子放出電極と前記
アノードの間を飛翔する電子の軌道を曲げる電子偏向装
置と、 前記電子偏向装置によって軌道が曲げられた飛翔電子
を収集する電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を
正電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移
動させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする
ものである。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子収集電極のアノード側に絶縁物質を配置しても
よい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記真空容器の一部の領域に、太陽光を通過させる太陽
光通過窓を形成し、前記電子放出電極に太陽光を照射す
るようにしてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
太陽光を集める集光装置を備え、 前記集光装置によって集められた太陽光を前記電子放
出電極に照射するようにしてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記集光装置は、レンズ或いは凹面鏡の何れかを備えて
いてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子放出電極および前記電子収集電極のうち少なく
とも前記電子放出電極は、カーボンにより構成される物
質であってもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子放出電極および前記電子収集電極のうち少なく
とも前記電子放出電極は、ダイヤモンド構造物質を用い
てもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子放出電極および前記電子収集電極のうち少なく
とも前記電子放出電極は、カーボンナノチューブを用い
てもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子放出電極および前記電子収集電極のうち少なく
とも何れか一方は、繊維状、網目状あるいは格子状の導
電性部材が配置されていてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子放出電極は、カーボンにより構成される物質、
ダイヤモンド構造物質、カーボンナノチューブのうち何
れか一つであり、 前記電子収集電極は、カーボンにより構成される物
質、ダイヤモンド構造物質、カーボンナノチューブのう
ちの何れか一つであり、 それら前記電子放出電極と前記電子収集電極を組み合
わせてなるようにしてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子収集電極は、ステンレス、モリブデン化合物、
及びタングステン化合物のうちの何れか一つからなるよ
うにしてもよい。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において、
前記電子偏向装置は、偏向磁石或いは静電偏向電極の何
れか一方を備えるようにしてもよい。
図面の簡単な説明 図1は、本発明に係る太陽光エネルギー変換装置の基
本構成を示すものであり、真空容器を切断して内部構成
を示す側面図である。
図2は、静電偏向方式を適用した太陽光エネルギー変
換装置を示すものであり、真空容器を切断して内部構成
を示す側面図である。
図3は、磁界偏向方式を適用した太陽光エネルギー変
換装置の一部分(磁石の配置関係)を示す斜視図であ
る。
図4は、磁界偏向方式を適用した太陽光エネルギー変
換装置を示すものであり、真空容器を切断して内部構成
を示す側面図である。
図5は、電子収集電極に電子再放出防止部材を取り付
けたものを示す断面図である。
図6は、磁界偏向方式の太陽光エネルギー変換装置の
電子収集電極を電子放出電極側に屈曲させ、電子再放出
防止部材を取り付けた状態を示すものであり、真空容器
を切断して内部構成を示す側面図である。
図7は、スリット型の電子収集電極を示す平面図であ
る。
図8は、スリット型の電子収集電極を用いた太陽光エ
ネルギー変換装置を示すものであり、スリット型の電子
収集電極に垂直な方向の断面図である。
図9は、電子収集電極に金属繊維を用いた例を示す斜
視図である。
図10は、電子収集電極に金属網を用いた例を示す斜
視図である。
図11は、図10の電子収集電極の金属網に垂直な方
向の断面図である。
図12は、電子偏向装置を用いない太陽光エネルギー
変換装置を示す断面図である。
図13は、電子偏向装置を用いない太陽光エネルギー
変換装置の別の実施例をを示す断面図である。
図14は、本発明の太陽光エネルギー変換装置の太陽
光通路窓とその周辺にある加熱板の固定部材等を示す断
面図である。
図15は、加熱板と電子放出電極の間に絶縁物を挟み
込む構成を示す側面図である。
図16は、凹面鏡を集光装置として用いた例を示す図
である。
図17は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置を示すものであり、真空容器を切断して内部構
成を示す側面図である。
図18は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置において、電子収集電極に絶縁物質を配置した
ものであり、真空容器を切断して内部構成を示す側面図
である。
図19は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置の別の実施形態を示すものであり、真空容器を
切断して内部構成を示す側面図である。
図20は、電界放出方式太陽光エネルギー変換装置に
用いられる電子放出電極および電子収集電極を示すもの
であり、カーボンナノチューブで構成される電極内部に
格子状の導電性部材を配置した例を示す斜視図である。
図21は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置の別の実施形態を示すものであり、スリット型
の電子収集電極に垂直な方向の断面図である。
図22は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置の別の実施形態を示す断面図である。
発明を実施するための最良の形態 図1には、太陽から放出される光エネルギーを電気エ
ネルギーに変換する装置である、太陽光エネルギー変換
装置100の基本構造を示す。ただし、図1は基本的な
構造を示すものであり、実用的な太陽光エネルギー変換
装置とは少し異なるが、基本的な動作を説明するために
用いる。
図1に示す太陽光エネルギー変換装置100は、真空
容器3と、真空容器3に設けられた凸レンズ20と、真
空容器3内に配置された加熱板5と、加熱板5と密着結
合した電子放出電極6と、電子加速電極7と、電子放出
電極6と電子加速電極7に接続した電子加速電極30、
等を備えている。電子放出電極6とは電子を放出する電
極であり、通常は熱電子を放出しやすい物質を塗布し温
度を上昇することにより熱電子を放出するものである。
(1883年にEdisonによって発見されたエジソ
ン効果のカソードに対応する電極を電子放出電極と言
う。)電子加速電極7とは電子放出電極6から放出された
熱電子を加速するために電子が飛翔する方向にプラスの
電圧を印加して配置し、電子を加速するものである。ま
た熱電子とは、真空中において電子放出能力の高い物質
(タングステン、タンタル、酸化バリウム、酸化イリジ
ウム、ストロンチューム炭酸塩、イリジウムおよびスカ
ンジウムなどの化合物、およびカーボンナノチューブ)
を陰極として高温にすると、陽極に印加する電圧によっ
て陰極から放出される電子のことである。
真空容器3の内部は真空であり、電子放出電極6と電
子加速電極7とは対向して配置されている。
太陽光2を集めるための集光装置1(凸レンズや凹面
鏡のように光を狭い領域に集める装置)として凸レンズ
20を用い、その焦点付近に加熱板5を配置すると、太
陽光の照射によって加熱板5の温度が上昇し、密着して
結合した電子放出電極6の温度が上昇する。ここで真空
容器3の内部は真空であるので、発生した熱が外部への
伝導などによりロスしてしまうことがほとんどない。ま
た、太陽の方向は時間経過とともに変化するので、光セ
ンサ(図示せず)を用いて太陽光の方向を検出し、駆動
装置(図示せず)を用いて集光装置1を太陽光の方向に
向けるようにしてもよい。このようにすれば、太陽光エ
ネルギーを電気エネルギーに変換する効率は向上する。
電子放出電極6には熱電子を効率良く放出するバリウ
ムやスカンジウムなどの化合物が含浸されており、電子
放出電極6の温度上昇によって真空容器内に熱電子が放
出される。特に、加熱板5と電子放出電極6に黒い物質
を塗布するなどして、黒体化処理を施すと、黒体に入射
した太陽光のエネルギーは黒体部に留まり外部に放射さ
れるエネルギーが最少になり、ほとんど全てのエネルギ
ーは加熱板5と電子放出電極6の温度上昇に利用され、
温度上昇効率が良好になり、熱電子が多く放出され光エ
ネルギーを電気エネルギーに変換する効率は向上する。
ここで、直流電圧発生装置である電子加速電源30の
プラス端子10を電子加速電極7に接続し、電子加速電
源のマイナス端子11を電子放出電極6に接続すると、
放出された熱電子は電子加速電極7に加えられたプラス
電圧によって加速され、電子加速電極7に向かって飛翔
し、電子加速電極7に衝突する。従って、電子加速電極
7には電子が過剰になるが、図1の構造では電気エネル
ギーとして有効に取り出すことができない。
そこで本発明においては、電子加速電極7とは分離し
て電子を収集するための電極として電子収集電極8を配
置し、電子偏向装置9を用い、電子加速電極7へ向かう
電子を電子収集電極8の方向に導くことにより、電子を
電子収集電極8に収集することにより電気エネルギーと
して有効に取り出すこととしている。その太陽光エネル
ギー変換装置の構造を図2〜4に示す。
ここで、電子収集電極8とは、電子を収集する電極で
あり、放出された熱電子を受け止める電極である。エジ
ソン効果のアノードに対応する電極を電子収集電極と言
う。 <ただし、従来の真空管では電子加速電極と電子収
集電極が同一であり、これをアノードと呼んでいる。し
かし、本発明の太陽光エネルギー変換装置では電子収集
電極と電子加速電極が分離して配置される。)この電子収
集電極8はステンレス、モリブデンおよびタングステン
の化合物を用いて構成する場合が多いが、他の導電性の
金属でも代用することができる。特にモリブデン、チタ
ン、タングステン、ステンレス、スチールなどの硬い金
属が適している。
電子偏向装置9とは、真空中を飛翔する電子の軌道を
曲げる装置であり、静電偏向方式と磁界偏向方式があ
る。静電偏向方式とは、電子の飛翔軌道付近に正の電圧
を加えたプラスの静電偏向電極と負の電圧を加えたマイ
ナスの静電偏向電極を配置し、電子の持つ電荷に働くク
ーロン力によって電子の軌道を曲げる方式であり、磁界
偏向方式とは、電子の飛翔軌道付近に磁石のN極とS極
を配置し、磁石が形成する磁場において飛翔電子に働く
ローレンツ作用によって電子の軌道を曲げる方式であ
る。
図2は、静電偏向方式を用いた太陽光エネルギー変換
装置101であり、太陽光エネルギー変換装置100に
電子収集電極8と、電子偏向装置9としての静電偏向装
置90とを備えたものである。静電偏向装置90は、静
電偏向正電極14のプラス端子14aと、静電偏向負電
極15のマイナス端子15aと、静電偏向電源40等か
らなる。
図2の静電偏向方式を用いた太陽光エネルギー変換装
置101は、図1の太陽光エネルギー変換装置100と
同様に、太陽光2を集めるための集光装置1として凸レ
ンズ20を用い、その焦点付近に加熱板5を配置する
と、太陽光の照射によって加熱板5の温度が上昇し、密
着して結合された電子放出電極6の温度が上昇する。電
子放出電極6の温度上昇によって真空容器3内に熱電子
が放出され、放出された熱電子は電子加速電極7に加え
られた電子加速電極30の正の電圧によって加速され、
電子加速電極7に向かって飛翔する。
熱電子の飛翔軌道空間を挟むように静電偏向装置90
の静電偏向正電極14、静電偏向負電極15が配置され
ているので、飛翔した熱電子は静電偏向装置90による
静電界によって曲げられた軌道を進行する。すなわち、
電子放出電極6から放出された熱電子は電子加速電極7
によって加速されて、初期には電子加速電極7の方向に
進むが、静電偏向正電極14のプラス端子14aと静電
偏向負電極15のマイナス端子15aの間の空間を熱電
子が移動すると、飛翔した熱電子は静電偏向負電極15
のマイナス端子15aから斥力を受け、静電偏向正電極
14のプラス端子14aから引力を受けて、図2に実線
で示す方向に曲げられて進行する。曲げられた進行方向
に電子収集電極8が配置されているので、最終的に飛翔
した熱電子は電子収集電極8に到達する。
以上の現象の結果として、電子収集電極8には中和状
態よりも電子が増えて電子過剰状態になり、負電位に帯
電し、電池の負極と同じ状態になる。一方、電子放出電
極6は電子が放出されたので、電子が不足した状態にな
り、正電位に帯電し、電池の正極と同じ状態になる。こ
の状態で、電子放出電極6を正電極とし、電子収集電極
8を負電極とし、両電極の間に負荷(例えば、コンデン
サ)を接続することにより電気を取り出すことが可能と
なり、太陽光エネルギーが電気エネルギーに変換され
る。
ここで、電子加速電極7が消費する電力を考察する。
電子を加速するためには電子加速電極7にプラスの電圧
を加える必要があり、そのため電子加速電源30を必要
とする。電子加速電極7は熱電子を加速するためにのみ
用いられるので、電子加速電極7に電子が衝突すること
はない。すなわち、電子を加速するための電源である電
子加速電源30は、飛翔電子にクーロンの静電気力を作
用させるだけであるので、電子加速電源30から供給さ
れる電流は殆ど零である。従って、電子加速電源30が
消費する電力は殆ど零である。
また、静電偏向装置90が消費する電力を考察する。
静電偏向を行うためには静電偏向正電極14、静電偏向
負電極15に電圧を加える必要があり、そのため静電偏
向電源40を必要とする。静電偏向正電極14、静電偏
向負電極15は電子の飛翔の軌道を曲げるために用いら
れるので、静電偏向正電極14に電子が衝突することは
ない。すなわち、電子の飛翔の軌道を曲げるための電源
である静電偏向電源40は飛翔電子にクーロンの静電気
力を作用させるだけであるので、静電偏向電源40から
供給される電流は殆ど零である。従って、静電偏向電源
40が消費する電力は殆ど零である。
このように電子加速電源30と静電偏向電源40にお
いては消費される電力がほとんど零であるので、発電の
ために必要な消費電力がほとんど零となることとなっ
て、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率
が高く、この太陽光エネルギー変換装置101は実用性
が高いと言える。
次に、磁界偏向方式を用いた太陽光エネルギー変換装
置102について説明する。
図3は磁界偏向方式を用いた太陽光エネルギー変換装
置であり、磁界偏向装置91と、電子放出電極6と、電
子加速電極7と、電子収集電極8と、の配置関係を示
す。図4は磁界偏向方式を用いた太陽光エネルギー変換
装置であり、太陽光エネルギー変換装置100に電子収
集電極8と、電子偏向装置9として磁界偏向装置91と
を備えたものである。磁界偏向装置91はいわゆる磁石
である。図4は図3に示される磁界偏向装置91のS極
17側から熱電子の飛翔軌道を挟み磁界偏向装置91の
N極16側を望む方向から見た図である。
図4の磁界偏向方法を用いた太陽光エネルギー変換装
置102は、図1の太陽光エネルギー変換装置100と
同様に、太陽光2を集めるための集光装置1として凸レ
ンズ20を用い、その焦点付近に加熱板5を配置する
と、太陽光の照射によって加熱板5の温度が上昇し、熱
的に結合した電子放出電極6の温度が上昇する。電子放
出電極6の温度上昇によって真空容器3の内部に熱電子
が放出され、放出された熱電子は電子加速電極7に加え
られたプラス電圧によって加速され、電子加速電極7に
向かって飛翔する。
熱電子の飛翔軌道空間を挟むように磁界偏向装置91
が配置されているので、飛翔した熱電子は磁界によって
曲げられた軌道を進行する。すなわち、電子放出電極6
から放出された熱電子は電子加速電極7によって加速さ
れて、初期には電子加速電極7の方向に進むが、磁界偏
向装置91のN極16および磁界偏向装置91のS極1
7が形成する磁界中を通過する際に、ローレンツ力を受
けてフレミングの左手の法則に従う方向に軌道が曲げら
れる (図4の破線で示す曲線状に電子飛翔軌道が曲げら
れる)。曲げられた進行方向に電子収集電極8が配置され
ているので、最終的に飛翔した熱電子は電子収集電極8
に到達する。
以上の現象の結果として、電子収集電極8には中和状
態よりも電子が増えて電子過剰状態になり、負電位に帯
電し、電池の負極と同じ状態になる。一方、電子放出電
極6は電子が放出されたので、電子が不足した状態にな
り、正電位に帯電し、電池の正極と同じ状態になる。電
子放出電極6を正電極とし、電子収集電極8を負電極と
し、両電極の間に負荷(例えば、コンデンサ等)を接続
することにより電気を取り出すことが可能となり、太陽
光エネルギーが電気エネルギーに変換される。
ここで、電子加速電極7が消費する電力については、
前述の通りほとんど零である。また、磁界偏向装置91
は永久磁石あり、磁界偏向を行うためには電源を必要と
しないので消費される電力は零である。
このように電子加速電源30で消費される電力がほと
んど零であり、磁界偏向装置91で消費される電力は零
であるので、発電コストはほとんどかからず、太陽光エ
ネルギーを電気エネルギーに変換する効率が高く、この
太陽光エネルギー変換装置102は実用性が高いと言え
る。
なお、本発明の太陽光エネルギー変換装置において
は、静電偏向装置90、磁界偏向装置91以外の部分の
構造は静電偏向方式と磁界偏向方式は同じである。
次に、電子収集電極8における熱電子の収集効率を検
討する。
ここで、図2に示された電子収集電極8の表面は湾曲
した凹形状であり、その表面が電子放出電極6の方向に
向けられており、さらに電子再放出防止部材18が配置
されているので、電子収集電極8に衝突した熱電子が跳
ね返り、再放出されて電子加速電極7の方向に移動する
ことを防止することが出来る。
しかし、図4に示された電子収集電極8の形状では、
電子収集電極8に衝突した熱電子が跳ね返り再放出され
て電子加速電極7の方向に移動する可能性がある。電子
加速電極7に熱電子が到達すると、電子収集電極8から
取り出すことができる電流が減少するとともに、電子加
速電極7に熱電子が到達すると、電子加速電極7に外部
電源から電流を供給する必要があり、消費電力も多くな
り、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する効率
が低下してしまう。
そこで、図5のような電子収集電極8を深く囲う略升
形状を有した電子再放出防止部材18を取り付ける。こ
の電子再放出防止部材18により、電子収集電極8に衝
突して跳ね返った熱電子が電子加速電極7の方向に移動
して再放出することが阻止される。従って、電子収集電
極8から取り出すことができる電流が減少する現象がな
くなり、電子加速電極7に外部電源から必要以上の電流
を供給することがなく、装置自体が消費する電力が増加
しないので、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換
する効率が向上する。
図6には電子再放出防止のための別の実施例を示す。
図6に示す太陽光エネルギー変換装置103における電
子収集電極8は、図2のように湾曲面を形成するのでは
なく、電子放出電極6側に屈曲させた部分を形成させた
ものである。このような構造にすれば、図2に示すもの
と同様に、電子収集電極8に衝突して跳ね返された熱電
子の電子加速電極7方向への移動を阻止することができ
る。しかも、電子収集電極8と電子加速電極7の間に
は、絶縁材料で製作された電子再放出防止部材18が配
置されているので、いっそう効果的に電子収集電極8か
ら電子加速電極7への電子の移動が阻止される。従っ
て、消費電力が少なく、取り出す事が可能な電気エネル
ギーも多くなるので、太陽光エネルギーを電気エネルギ
ーに変換する効率が向上し、実用性が高くなる。
次に、電子収集電極8を、電子放出電極6と電子加速
電極7の間に配置する太陽光エネルギー変換装置につい
て説明する。
図7は、電子放出電極6と電子加速電極7の間に配置
されるスリット型の電子収集電極8を示すものである。
図8は、前記スリット型の電子収集電極8を2枚を、
電子放出電極6と電子加速電極7の間に配置した太陽光
エネルギー変換装置104である。ここで、2枚のスリ
ット型の電子収集電極8のうち、電子放出電極6側のも
のを第1のスリット型の電子収集電極8とし、電子加速
電極7側のものを第2のスリット型の電子収集電極8と
する。
この、前記2枚のスリット型の電子収集電極8は、互
いのスリットの位置が合わされて対向配置されており、
このスリット間を電気力線が通過するようになってい
る。このように、スリット型の電子収集電極8は電子放
出電極6と電子加速電極7の間に生じる電気力線を妨げ
ることはないので、これまでの太陽光エネルギー変換装
置と同様に電子放出電極6から電子加速電極7へ熱電子
が飛翔する。
なお、前記2枚のスリット型の電子収集電極8のスリ
ットは、その巾や大きさが同じもので、そのスリット位
置が完全に重なるものばかりでなく、そのスリットの巾
や大きさに違いがあったり、そのスリット位置が完全に
重ならなくても電気力線を妨げない配置であればよい。
飛翔した熱電子のうち、第1のスリット型の電子収集
電極8へ衝突したものは、そこで吸収される。第1のス
リット型の電子収集電極8を通り抜けた熱電子は電子偏
向装置9としての静電偏向装置90により、その飛翔電
子軌道が静電偏向装置90のプラス側14へ曲げられ、
飛翔した熱電子は第2のスリット型の電子収集電極8へ
衝突し、そこで吸収される。
以上の現象の結果として、電子収集電極8には中和状
態よりも電子が増えて電子過剰状態になり、負電位に帯
電し、太陽光エネルギー変換装置の負電極になる。一
方、電子放出電極6は電子が放出されたので、電子が不
足した状態になり、正電位に帯電し、太陽光エネルギー
変換装置の正電極になる。この状態で、電子放出電極6
をプラス端子とし、電子収集電極8をマイナス端子と
し、両端子の間に負荷(例えば、コンデンサ)を接続す
ることにより電気を取り出すことが可能となり、太陽光
エネルギーが電気エネルギーに変換される。
このような構成の太陽光エネルギー変換装置104で
あれば、前記した太陽光エネルギー変換装置101に比
べ、飛翔熱電子の偏向量は少なくて済むので、静電偏向
装置90や静電偏向電源40へかかる負荷がより少なく
なる。
なお、ここでは電子偏向装置9として静電偏向装置9
0を例に説明したが、静電偏向装置90の代わりに磁界
偏向装置91を用いる構成であってもよい。
次に、電子再放出を防ぐ方法として、電子収集電極8
の形態を変形させた実施例を以下に示す。
電子収集電極8は、これまでは金属板状の電極を用い
ていたが、このような剛体表面では飛翔した熱電子が電
極に衝突した際に跳ね返りが起こることがあり、これま
で電極を鈎状に折れ曲がった構造にすることや、絶縁材
料で製作された電子再放出防止部材18を取り付けるこ
とで、再放出電子を最小限に防いでいた。
ここで電極に用いる金属材料をそのままに繊維状にし
た金属繊維50や、メッシュ状に金属線を配置した金属
網60を重ねた構造の電極を用いることでも再放出電子
を最小限に防ぐことができる。(図9、図10) つまり、電子収集電極8を金属繊維50や、メッシュ
状に金属線を配置した金属網60で構成すると、電子放
出電極から放出された飛翔した熱電子が電子収集電極8
へ衝突する際、金属繊維やメッシュ状に金属線を配置し
た金属網の周辺には空間があり、飛翔した熱電子はその
空間に入りつつ、電極の内部において電極に衝突するこ
ととなる。そこで跳ね返りが起きても、電極内部空間で
は様々な方向に電極を構成する金属が配置されているの
で、外部に飛出する以前に接近した金属に衝突し、最終
的には電子収集電極8に捕獲される。また、電極の内部
で飛翔した熱電子が電極金属に衝突して2次電子を叩き
出すこともあるが、この場合においても2次電子は外部
に飛出する以前に接近した金属に衝突し、電子収集電極
8に収まる。(図11は図10に示した電子収集電極8
の金属網に垂直な方向の断面図であり、電極内部での熱
電子の動きを模式的に表したものである。) つまり、一度でも電極の内部に侵入した飛翔した熱電
子が、電極から脱出する確率は低くなる。すなわち、真
空中を飛翔する熱電子の殆どは金属繊維やメッシュ状に
金属線を配置した金属網で構成する電極に捕獲される。
従って、金属繊維を用いて電子収集電極8を製作すると
剛体表面の金属で構成するよりも、飛翔した熱電子を捕
獲する確率が向上する。飛翔した熱電子の捕獲確率が増
加すると、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換す
る効率が向上する。
さらに、このようなメッシュ状あるいはグリッド状に
金属線を配置した金属網を重ねた構造の電子収集電極8
を用いると、図12に示すような、電子偏向装置9を必
要としない太陽光エネルギー変換装置105とすること
ができる。
図12に示す太陽光エネルギー変換装置105では、
電子収集電極8は金属網を束ねた構成であり、電極表面
から裏面にかけて隙間・空間を有している。
つまり、電子加速電極7を電子収集電極8の裏面・背
部に配置しても、電子収集電極8の隙間・空間を抜けて
電界が作用するので、加速効果が得られる。よって電子
放出電極6から放出、加速された熱電子は偏向すること
なく電子収集電極8に到達する。
図13は電子偏向装置9を必要としない太陽光エネル
ギー変換装置の別の実施形態106を示したものであ
る。図13に示す太陽光エネルギー変換装置106で
は、電子収集電極8はドーナツ状の円盤形状部8aを有
しており、その中心孔には円錐形状の絶縁物質70がそ
の円錐先端を電子放出電極6へ向けられて配置されてい
る。また、円錐形状の絶縁物質70の表面に電子収集電
極8の一部を構成するメッシュ状、グリッド状、あるい
はスパイラル状に金属線で形成された線状部8bを有す
る。円錐形状の絶縁物質70の下部には電子加速電極7
が配置されている。電子加速電極7は円錐形状の絶縁物
質70で覆われていることより熱電子を吸収することは
ない。円錐形状の絶縁物質70は、例えば、SiO2
ような硬い物質である。
この電子加速電極7により、円錐形状の絶縁物質70
の電子加速電極7に近い部分には負電荷が集まり、遠い
部分には正電荷が集まる。正電荷から発せされた電気力
線は電子放出電極6に至るので電場(電界)が構成さ
れ、熱電子は加速される。加速された熱電子は電子収集
電極8bに吸収されるものばかりでなく、円錐形状の絶
縁物質70に当たり弾かれるものや、円錐形状の絶縁物
質70付近に留まるものがある。弾かれた熱電子は周辺
にある電子収集電極8のドーナツ状の円盤形状部8aに
吸収される。一方、円錐形状の絶縁物質70付近に留ま
った熱電子は電界の影響で円錐形状の絶縁物質70の表
面を滑るように移動して、電子収集電極8の線状部8
b、ないし円盤形状部8a、に吸収される。
図14は、真空容器3に太陽光通過窓4を設置した場
合と、加熱板5と電子放出電極6を真空容器3に取り付
ける状態を示したものである。
図14の太陽光エネルギー変換装置(部分図)におい
ては、真空容器3の一部の領域に光透過性のある透明な
物質を用いて製造された太陽光通過窓4を設置されてい
る。太陽光線は太陽光通過窓4を通過して加熱板5に照
射される。(破線の矢印は太陽光線を示す。)このように
太陽光透過窓を4を設けた場合には、凸レンズのような
集光装置1を設けたものより、加熱板5を加熱する効率
が下がるが、より効率を上げる必要がある場合には、真
空容器3の外部に集光装置1を設け、それにより集光さ
れた太陽光線を太陽光通路窓4を通過させ、加熱板5に
照射するようにすればよい。
また、図14の太陽光エネルギー変換装置(部分図)
において加熱板5と電子放出電極6は固定部材19を用
いて真空容器3に取り付けられる。固定部材19は雲母
やセラミックなどの熱の不良導体の材料を用いて製造さ
れる。固定部材19は熱の不良導体であるので、加熱板
5が加熱され、温度が上昇し得られた熱量が、固定部材
19を介し真空容器3に伝導する熱量は微量であるの
で、失われる熱量はわずかであり、効率よく熱電子放出
が行われる。
図15は加熱板5と電子放出電極6との結合形態の別
の実施例である。
これまでは加熱板5と電子放出電極6とは直接的に熱
的結合していたが、ここでは加熱板5と電子放出電極6
との間に絶縁物71を入れる形態とした。作用はこれま
でと同様に加熱板5が加熱され上昇した温度が絶縁物7
1を介し電子放出電極6へ伝わる。電子放出電極6の温
度が上昇すると熱電子が出やすくなり、しかも、絶縁物
71の負電荷が電子放出電極6の近くにあるので同符号
電荷の反発作用により、熱電子は真空中に放出される。
また、絶縁物71としてダイヤモンド構造の物質、カ
ーボンナノチューブ、その他の炭素化合物などを用いる
方法もある。特に、絶縁物71としてダイヤモンド構造
の物質を用いると、ダイヤモンド構造の熱伝導率が他の
物質よりも良好であり、絶縁性と熱伝導性が同時に満た
されるので、電子放出電極6には熱が良好に伝導され、
しかも良好な絶縁性により他からの電子供給が断たれる
ので、電子が不足状態になる。従って、太陽光エネルギ
ー変換装置の正電極としての働きが強くなり、太陽光エ
ネルギー変換装置のエネルギー変換効率が向上する。
ここで、加熱板5と電子放出電極6とは絶縁されてい
るので、電子加速電極30から電子放出電極6へ電子が
供給されることはない。つまり、消費電力は最小限で済
むうえに、電子放出電極6は確実に電子が不足しプラス
状態となり、効果的に電池の正電極と同じ作用を有する
こととなる。(図示しないが、電子収集電極8が電池の負
電極と同じ作用を有する。) 図16には集光装置1として凹面鏡21を用いる太陽
光エネルギー変換装置(部分図)の実施例を示す。図1
6において破線で示す太陽光2が凹面鏡21によって反
射されて加熱板5に集められ、加熱板5の温度が上昇す
る。加熱板5は凹面鏡21の焦点付近に配置すると、効
率の良い太陽光エネルギー変換装置が実現される。
図17には電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置107を示す。
図17に示す太陽光エネルギー変換装置107は、真
空容器3と、真空容器3に設けられた太陽光通過窓4
と、真空容器3内に対向配置されたカソード11aとア
ノード10aと、カソード11aとアノード10aとの
間に配置される電子放出電極6と、前記電子放出電極6
とアノード10aとの間に配置される電子収集電極8
と、カソード11aとアノード10aに接続した電界発
生電源31、等を備えている。
ここで、直流電圧発生装置である電界発生電源31の
マイナス端子11をカソード11aに接続し、電界発生
電源31のプラス端子10をアノード10aに接続し、
カソード11aとアノード10aに電圧を印可すると図
15の破線で示す電気力線のような電界が発生する。こ
こで、この電界放出方式を適用した太陽光エネルギー変
換装置107に用いる電子放出電極6および電子収集電
極8は炭素元素により構成される物質、例えば、カーボ
ンナノチューブであり、このカーボンナノチューブは炭
素を主成分とするので半絶縁性であり、電界はこれら電
極を貫通しアノード10aからカソード11aへ到達す
る。
この電子放出電極6を電界中に置くと、カーボンナノ
チューブは直径が小さい細い物質なので電荷の先端集中
現象によりカーボンナノチューブ内の電子はクーロン力
により最もプラス電位に近い領域に集中する。ここで、
カーボンナノチューブに加えられる電界が電子放出のし
きい値よりも大きい場合には、カーボンナノチューブの
曲率半径が小さい先端部に集中した電子の一部が空間に
放出される。特に、このカーボンナノチューブは直径が
数ナノメートルの極めて細いチューブ状物質であり、弱
い電界でも電子の放出が起こる。空間に放出された電子
は電界によって加速されてプラス端子側すなわちアノー
ド10aに向かって飛翔する。飛翔電子はアノード10
aへ向かうが電子収集電極8に衝突する以外の飛翔経路
は存在しない。電子収集電極8に衝突した電子は電子収
集電極8に吸収される場合と、電子収集電極8から反射
してさらに飛翔を継続する場合もある。しかし、飛翔の
方向は電界により電子収集電極8へ必ず向けられること
になり最終的には殆どの電子は電子収集電極8に吸収さ
れる。
従って、電子収集電極8には電子が過剰になり、太陽
光エネルギー変換装置107のマイナス端子になる。一
方、電子放出電極6は電子を放出したので電子が不足
し、太陽光エネルギー変換装置107の正電極になる。
太陽光エネルギー変換装置107の負電極と正電極の間
に電気的な負荷である抵抗などを電気的に接続すると、
電子収集電極8に吸収され、過剰となった電子は負荷抵
抗を経由して移動し、電子が不足する電子放出電極6に
復帰する。この電子の循環現象により電気エネルギーを
利用することが可能になる。
ここで、電子が電子放出電極6から空間に放出されて
飛翔電子となる際には、電子が属している物質が構成す
るエネルギーギャップを飛び越えるだけのエネルギーを
電子が持っている必要がある。すなわち、電子放出電極
6は放出する電子にその物質から空間に飛翔するだけの
エネルギーを与えなければならない。すなわち、電子が
空間に放出されると,電子放出電極6は電子に与えたエ
ネルギーを少し失うことになる。電子放出電極6がエネ
ルギーをわずかではあるが失うことにより、例えば、電
子放出電極6の温度が低下する。そのため、失ったエネ
ルギーを補充しなければ電子を空間に放出し続けること
はできない。この失ったエネルギーを太陽光のエネルギ
ーで補充することにより電子放出電極6からの電子放出
を持続する構成にし、持続的な発電を可能にしたものが
電界放出方式を適用した太陽光エネルギー変換装置10
7である。
図18は、電界放出方式を適用した別の太陽光エネル
ギー変換装置108である。図18に示す太陽光エネル
ギー変換装置108では、電子収集電極8のアノード1
0a側に絶縁物質70が配置される。この絶縁物質70
により、電子収集電極8を通過し、さらにアノード10
aへ向かおうとする電子の移動を阻止することができ
る。即ち、電子収集電極8を通過する電子の数が増加す
ると、その通過した電子はエネルギーの損失分となるの
で、エネルギーの変換効率が低下してしまう。しかし、
絶縁物質70を配置することにより、電子収集電極8を
通過しようとする電子は絶縁物質70に衝突し、アノー
ド10aに到達することができないので、最終的に飛翔
電子の殆ど全ては電子収集電極8に吸収される。このよ
うに、絶縁物質70を配置することにより総合的なエネ
ルギー変換効率が向上する。
図19は、電界放出方式を適用した別の太陽光エネル
ギー変換装置109であり、より太陽光エネルギーを効
率よく電子放出電極6に供給するため、凸レンズ20を
備えたものである。
図20には、カーボンナノチューブ51を用いた電極
の内部に導電性のグリッド61を配置した電極80を示
す。
カーボン素材は特定の方向に対して電気伝導度がよく
ないので、太陽光エネルギー変換装置から多くの電流を
引き出す際に電気抵抗が高く発熱量が大きくなる。従っ
て、電気を効率よく引き出すために、電極80(電子放
出電極6および電子収集電極8)の内部に導電性のグリ
ッド61を配置したものである。ここで、導電性物質は
グリッド形状であるため、電界を妨げることはない。
図21は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置に電子偏向装置9としての静電偏向装置90を
備えた構成の太陽光エネルギー変換装置110である。
電子収集電極8や静電偏向装置90の構成は、図8の
太陽光エネルギー変換装置104と同様であり、電子放
出電極6からアノード側へ飛翔した電子のうち、第1の
スリット型の電子収集電極8へ衝突したものは、そこで
吸収される。第1のスリット型の電子収集電極8を通り
抜けた電子は電子偏向装置9としての静電偏向装置90
により、その飛翔電子軌道がプラス側へ曲げられ、飛翔
した電子は第2のスリット型の電子収集電極8へ衝突
し、そこで吸収される。
従って、電子収集電極8には電子が過剰になり、太陽
光エネルギー変換装置110の負電極になる。一方、電
子放出電極6は電子を放出したので電子が不足し、太陽
光エネルギー変換装置110の正電極になる。太陽光エ
ネルギー変換装置110の負電極と正電極の間に電気的
な負荷である抵抗などを電気的に接続すると、電子収集
電極8に吸収され、過剰となった電子は負荷抵抗を経由
して移動し、電子が不足する電子放出電極6に復帰す
る。この電子の循環現象により電気エネルギーを利用す
ることが可能になる。
図22は、電界放出方式を適用した太陽光エネルギー
変換装置に電子偏向装置9としての静電偏向装置90を
備えた構成の太陽光エネルギー変換装置111である。
このような構成の太陽光エネルギー変換装置の電子放
出電極6には電磁波のエネルギーを吸収して電子を放出
するカーボンナノチューブのような物質が適している。
つまり、太陽光などの電磁波の照射により電子放出電
極6は電子を放出し、放出された電子はカソード−アノ
ード間の電界の作用によりアノードへ向かい飛翔する。
その飛翔電子軌道が静電偏向装置90により、プラス側
14へ曲げられ、飛翔電子は電子収集電極8へ衝突し、
そこで吸収される。
従って、電子収集電極8には電子が過剰になり、太陽
光エネルギー変換装置111の負電極になる。一方、電
子放出電極6は電子を放出したので電子が不足し、太陽
光エネルギー変換装置111の正電極になる。太陽光エ
ネルギー変換装置111の負電極と正電極の間に電気的
な負荷である抵抗などを電気的に接続すると、電子収集
電極8に吸収され、過剰となった電子は負荷抵抗を経由
して移動し、電子が不足する電子放出電極6に復帰す
る。この電子の循環現象により電気エネルギーを利用す
ることが可能になる。
なお、図22における太陽光エネルギー変換装置11
1の構成では、アノード10a側からの太陽光の照射を
行うようにしているが、太陽光通過窓4をカソード11
a側に配置し、カソード11a側からの太陽光の照射を
行うようにしてもよい。
なお、図21、図22では電子偏向装置9として静電
偏向装置90を例に説明したが、静電偏向装置90の代
わりに磁界偏向装置91を用いる構成であってもよい。
産業上の利用可能性 本発明の太陽光エネルギー変換装置は太陽光の広範囲
に渡るスペクトラムに対応する光エネルギーを電気エネ
ルギーに変換することができるので、変換効率が良好で
ある。
しかも、特殊な材料(入手が困難な物質や製造コスト
のかかる物質)は必要とせず、構造は簡単であるので、
その製造コストは安価であり、普及性があると言える。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置に用いる真
空容器はガラスやステンレス板を用いて製造されてお
り、劣化部がほとんど無いので、耐久性があり、耐用年
数は長い。また、それら使用材質は環境を破壊する要因
にはならないので太陽光エネルギー変換装置を多量に使
用しても環境に問題はない。
また、本発明の太陽光エネルギー変換装置において
は、ガラスの容器内に電極を配置するので、その劣化は
ほとんどなく保守費用がわずかでも長期的な使用に耐え
ることができる。
さらに、本発明の太陽光エネルギー変換装置は軽量
化、小型化が可能であるので、いかなる場所にも設置す
ることが可能である。
以上の効果により本発明の太陽光エネルギー変換装置
は実用性が非常に高いと言える。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−177772(JP,A) 特開 平7−322659(JP,A) 特開 平8−237972(JP,A) 特開 平9−107687(JP,A) 特公 昭40−27867(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02N 6/00,11/00

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集められ
    た太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置さ
    れ、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇すること
    により真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される電
    子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電子
    加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記真空容器内に配置され、前記電子放出電極と前記電
    子加速電極の間を飛翔する電子の軌道を曲げる電子偏向
    装置と、 前記電子偏向装置によって軌道が曲げられた飛翔電子を
    収集する電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  2. 【請求項2】太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集められ
    た太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置さ
    れ、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇すること
    により真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される電
    子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電子
    加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
    れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
    る第一のスリット型の電子収集電極と、 前記第一のスリット型の電子収集電極と、前記電子加速
    電極との間に、前記電子加速電極に電気力線を通すよう
    に配置された第二のスリット型の電子収集電極と、 前記真空容器内に配置され、前記第一のスリット型の電
    子収集電極のスリット間を通り抜けた飛翔電子の軌道を
    曲げて、当該飛翔電子を前記第二のスリット型の電子収
    集電極に収集させる電子偏向装置と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  3. 【請求項3】前記電子偏向装置は、偏向磁石或いは静電
    偏向電極の何れか一方を備えることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の太陽光エネルギー変換装置。
  4. 【請求項4】前記電子収集電極の表面に、金属繊維、或
    いは網目状又は格子状の金属線により構成され前記飛翔
    電子を捕獲する電子捕獲部を形成したことを特徴とする
    請求項1〜3の何れかに記載の太陽光エネルギー変換装
    置。
  5. 【請求項5】太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集められ
    た太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置さ
    れ、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇すること
    により真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される電
    子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電子
    加速電極にプラス端子が接続される電子加速電極と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
    れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
    る電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極は、金属繊維、或いは網目状又は格子
    状の金属線により構成され、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  6. 【請求項6】太陽光を集める集光装置と、 真空容器内に配置され、前記集光装置によって集められ
    た太陽光が照射される加熱板と、 前記真空容器内に前記加熱板と熱的に結合されて配置さ
    れ、前記加熱板の温度上昇とともに温度が上昇すること
    により真空中に電子を放出する電子放出電極と、 前記真空容器内に前記電子放出電極と対向配置される電
    子加速電極と、 前記電子放出電極にマイナス端子が接続され、前記電子
    加速電極にプラス端子が接続される電子加速電源と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
    れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
    る電子収集電極と、 を備え、 前記電子加速電極と、前記電子収集電極と、は互いに電
    気的に絶縁され、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  7. 【請求項7】前記電子放出電極は、イリジウム、スカン
    ジウム、バリウム、或いはカーボンのうち、少なくとも
    何れか一つを含む化合物を含有或いは付着させたことを
    特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の太陽光エネル
    ギー変換装置。
  8. 【請求項8】前記電子収集電極は、ステンレス、モリブ
    デン化合物、及びタングステン化合物のうちの何れか一
    つからなることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記
    載の太陽光エネルギー変換装置。
  9. 【請求項9】前記加熱板若しくは前記電子収集電極のう
    ち、少なくとも一方に黒体化処理が施されていることを
    特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の太陽光エネル
    ギー変換装置。
  10. 【請求項10】前記電子収集電極に衝突した前記飛翔電
    子が、前記電子収集電極から再放出することを防止する
    電子再放出防止部を形成したことを特徴とする請求項1
    〜9の何れかに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  11. 【請求項11】前記電子収集電極を前記電子放出電極側
    に屈曲させ、前記電子放出電極側に開口する凹部を形成
    したことを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の
    太陽光エネルギー変換装置。
  12. 【請求項12】前記真空容器の一部の領域に、前記集光
    装置によって集光された太陽光を通過させる太陽光通過
    窓を形成したことを特徴とする請求項1〜11の何れか
    に記載の太陽光エネルギー変換装置。
  13. 【請求項13】前記加熱板を、熱伝導不良材料からなる
    固定部材によって真空容器に取り付けたことを特徴とす
    る特許請求項1〜12の何れかに記載の太陽光エネルギ
    ー変換装置。
  14. 【請求項14】前記真空容器内に配置された加熱板と電
    子放出電極との間に、絶縁物を挟み込む構成にすること
    を特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の太陽光エ
    ネルギー変換装置。
  15. 【請求項15】真空容器内に対向配置されるカソードと
    アノードと、 前記カソードにマイナス端子が接続され、前記アノード
    にプラス端子が接続され、前記カソードと前記アノード
    との間に電界を発生させる電界発生電源と、 前記真空容器内でカソードとアノードとの間に配置さ
    れ、太陽光の熱により真空中に電子を放出する電界通過
    性の電子放出電極と、 前記真空容器内で前記電子放出電極とアノードとの間に
    配置され、前記電子放出電極から放出された電子を収集
    する電界通過性の電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  16. 【請求項16】真空容器内に対向配置されるカソードと
    アノードと、 前記カソードにマイナス端子が接続され、前記アノード
    にプラス端子が接続され、前記カソードと前記アノード
    との間に電界を発生させる電界発生電源と、 前記真空容器内でカソードとアノードとの間に配置さ
    れ、太陽光の熱により真空中に電子を放出する電界通過
    性の電子放出電極と、 前記電子放出電極と前記電子加速電極との間に設けら
    れ、前記電子放出電極から放出された飛翔電子を収集す
    る第一のスリット型の電子収集電極と、 前記第一のスリット型の電子収集電極と、前記電子加速
    電極との間に、前記電子加速電極に電気力線を通すよう
    に配置された第二のスリット型の電子収集電極と、 前記真空容器内に配置され、前記第一のスリット型の電
    子収集電極のスリット間を通り抜けた飛翔電子の軌道を
    曲げて、当該飛翔電子を前記第二のスリット型の電子収
    集電極に収集させる電子偏向装置と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  17. 【請求項17】真空容器内に対向配置されるカソードと
    アノードと、 前記カソードにマイナス端子が接続され、前記アノード
    にプラス端子が接続され、前記カソードと前記アノード
    との間に電界を発生させる電界発生電源と、 前記真空容器内でカソードとアノードとの間に配置さ
    れ、太陽光中の電磁波のエネルギーにより真空中に電子
    を放出する電界通過性の電子放出電極と、 前記真空容器内に配置され、前記電子放出電極と前記ア
    ノードの間を飛翔する電子の軌道を曲げる電子偏向装置
    と、 前記電子偏向装置によって軌道が曲げられた飛翔電子を
    収集する電子収集電極と、 を備え、 前記電子収集電極を負電極とし、前記電子放出電極を正
    電極とすることにより、前記電子放出電極の電子を移動
    させて電気を発生させる構成としたことを特徴とする太
    陽光エネルギー変換装置。
  18. 【請求項18】前記電子収集電極のアノード側に絶縁物
    質を配置したことを特徴とする請求項15〜17の何れ
    かに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  19. 【請求項19】前記真空容器の一部の領域に、太陽光を
    通過させる太陽光通路窓を形成し、前記電子放出電極に
    太陽光を照射することを特徴とする請求項15〜18に
    記載の太陽光エネルギー変換装置。
  20. 【請求項20】太陽光を集める集光装置を備え、 前記集光装置によって集められた太陽光を前記電子放出
    電極に照射することを特徴とする請求項15〜19の何
    れかに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  21. 【請求項21】前記集光装置は、レンズ或いは凹面鏡の
    何れかを備えることを特徴とする請求項1〜14および
    20の何れかに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  22. 【請求項22】前記電子放出電極および前記電子収集電
    極のうち少なくとも前記電子放出電極は、カーボンによ
    り構成される物質であることを特徴とする請求項15〜
    21の何れかに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  23. 【請求項23】前記電子放出電極および前記電子収集電
    極のうち少なくとも前記電子放出電極は、ダイヤモンド
    構造物質を用いることを特徴とする請求項15〜22の
    何れかに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  24. 【請求項24】前記電子放出電極および前記電子収集電
    極のうち少なくとも前記電子放出電極は、カーボンナノ
    チューブを用いることを特徴とする請求項15〜22の
    何れかに記載の太陽光エネルギー変換装置。
  25. 【請求項25】前記電子放出電極および前記電子収集電
    極のうち少なくとも何れか一方は、繊維状、網目状ある
    いは格子状の導電性部材が配置されたことを特徴とする
    請求項22〜24の何れかに記載の太陽光エネルギー変
    換装置。
  26. 【請求項26】前記電子放出電極は、カーボンにより構
    成される物質、ダイヤモンド構造物質、カーボンナノチ
    ューブのうち何れか一つであり、 前記電子収集電極は、カーボンにより構成される物質、
    ダイヤモンド構造物質、カーボンナノチューブのうちの
    何れか一つであり、 それら前記電子放出電極と前記電子収集電極を組み合わ
    せてなることを特徴とする請求項15〜21の何れかに
    記載の太陽光エネルギー変換装置。
  27. 【請求項27】前記電子収集電極は、ステンレス、モリ
    ブデン化合物、タングステン化合物、およびカーボン化
    合物のうちの何れか一つからなることを特徴とする請求
    項16〜25の何れかに記載の太陽光エネルギー変換装
    置。
  28. 【請求項28】前記電子偏向装置は、偏向磁石或いは静
    電偏向電極の何れか一方を備えることを特徴とする請求
    項16〜27の何れかに記載の太陽光エネルギー変換装
    置。
JP2002518608A 2000-08-07 2001-07-05 太陽光エネルギー変換装置 Expired - Fee Related JP3449623B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-238063 2000-08-07
PCT/JP2001/003715 WO2002013366A1 (en) 2000-08-07 2001-04-27 Solar ray energy conversion apparatus
JP01/03715 2001-04-27
PCT/JP2001/005836 WO2002013367A1 (en) 2000-08-07 2001-07-05 Solar energy converter

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3449623B2 true JP3449623B2 (ja) 2003-09-22

Family

ID=28821785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002518608A Expired - Fee Related JP3449623B2 (ja) 2000-08-07 2001-07-05 太陽光エネルギー変換装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3449623B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116524A1 (ja) 2006-04-11 2007-10-18 Norio Akamatsu 電界放出発電装置
WO2007122709A1 (ja) 2006-04-20 2007-11-01 Norio Akamatsu 線形加速発電装置
WO2007135717A1 (ja) 2006-05-19 2007-11-29 Norio Akamatsu 電界放出発電装置
WO2009153981A1 (ja) 2008-06-16 2009-12-23 Akamatsu Norio 電界効果発電装置
CN114157218A (zh) * 2021-12-01 2022-03-08 浙江大学 热电子和热光伏耦合发电系统及其工作方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007116524A1 (ja) 2006-04-11 2007-10-18 Norio Akamatsu 電界放出発電装置
WO2007122709A1 (ja) 2006-04-20 2007-11-01 Norio Akamatsu 線形加速発電装置
WO2007135717A1 (ja) 2006-05-19 2007-11-29 Norio Akamatsu 電界放出発電装置
WO2009153981A1 (ja) 2008-06-16 2009-12-23 Akamatsu Norio 電界効果発電装置
CN114157218A (zh) * 2021-12-01 2022-03-08 浙江大学 热电子和热光伏耦合发电系统及其工作方法
CN114157218B (zh) * 2021-12-01 2024-02-09 浙江大学 热电子和热光伏耦合发电系统及其工作方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6653547B2 (en) Solar energy converter
RU2195742C2 (ru) Термоионный электрический преобразователь
KR20020029942A (ko) 태양광 에너지 변환 장치
CN101894725B (zh) 离子源
JP2013509684A (ja) X線発生装置のアノード電位の切り替え
JP3449623B2 (ja) 太陽光エネルギー変換装置
JP3156763B2 (ja) 冷陰極搭載電子管の電極電圧印加方法および装置
US8126118B2 (en) X-ray tube and method of voltage supplying of an ion deflecting and collecting setup of an X-ray tube
US20090174282A1 (en) Linear Acceleration Electricity Generating Apparatus
US7129616B2 (en) Thermionic electric converter
CN102842477A (zh) X射线管
US8107591B2 (en) X-ray tube with a catching device for backscattered electrons, and operating method therefor
CN108493087B (zh) 集成高压电源的场发射自聚焦脉冲x射线发生装置
CN214753635U (zh) 一种微焦点x射线管
AU2226500A (en) High energy x-ray tube
WO1994007258A3 (en) Electron energy spectrometer
CN101174533A (zh) 一种端窗x射线管
KR20230037962A (ko) 전자빔 및 액적 기반 극자외선 광원 장치
JPWO2007116524A1 (ja) 電界放出発電装置
KR20150075081A (ko) X-레이 방사선을 생성하기 위한 장치
KR20060105751A (ko) 열전자 전기 변환기
MXPA06004636A (en) Thermionic electric converter
MXPA99006659A (es) Convertidores eléctricos termionicos mejorados

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030624

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees