JP3448925B2 - 渦流ブロア - Google Patents

渦流ブロア

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JP3448925B2
JP3448925B2 JP29398993A JP29398993A JP3448925B2 JP 3448925 B2 JP3448925 B2 JP 3448925B2 JP 29398993 A JP29398993 A JP 29398993A JP 29398993 A JP29398993 A JP 29398993A JP 3448925 B2 JP3448925 B2 JP 3448925B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明の渦流ブロアは、自動車用
エンジンへの2次空気供給源として利用できる。 【0002】 【従来の技術】渦流ブロアは円形ケーシング内に回転す
る羽根車を設けて、羽根の間に形成された渦室内にケー
シング内壁に形成した環状昇圧流路の吸入口より気体を
吸入し、旋回圧縮して昇圧流路の吐出口より吐出するも
ので、小型で高い吐出圧を得ることができることから、
広く機械装置の空気供給源として使用されている。 【0003】その一例を図12、図13で説明すると、
円形のケーシング1内には円板状の羽根車2が中心を回
転軸5に固定して設けてあり、上記ケーシング1は外周
部の全周が半円断面をなして前方へ膨出して、内部に環
状の昇圧流路1aが形成されている。ケーシング1には
周方向の一か所に互いに隣接して吸入口11と吐出口1
2が設けられて上記昇圧流路1aに開口している。 【0004】羽根車2の外周部は、ケーシング1の上記
膨出部13内面と連続する曲面をなして略円形断面の上
記昇圧流路1aを形成しており(図12)、この外周部
に周方向等間隔(図13)で、放射直線状に多数の板状
羽根21が形成されている。これら羽根21は四半円形
をなして昇圧流路1aの半部内へ突出している。 【0005】羽根車2が回転すると(図13の矢印)、
吸入口11より羽根21の間に形成された渦室2a内へ
気体(空気)が吸入され、羽根車2の回転に伴って渦室
2a内で旋回圧縮されて吐出口12より吐出される。か
かる渦流ブロアの出力特性は図14に示す如きものであ
り、低吐出圧で大流量、高吐出圧で小流量となる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】ところで、燃焼ヒータ
等の空気供給源としては、定常燃焼時にはA/Fを一定
に保って良好な燃焼を行うために圧力変動に対して流量
変化の少ない特性が要求され、一方、着火時、消火時や
着火ミス時には燃焼筒内の未燃燃料蒸気をすばやくパー
ジすべく空気の大量供給が可能なことが要求される。し
かし、上記従来の構造では、かかる要求に対して広い範
囲で流量および圧力を変化させることができず、未だ充
分な特性を発揮することができなかった。 【0007】なお、特開平3−182697号公報、実
開平3−119592号公報には、昇圧流路を複数設け
て、これらを直列に接続した渦流ブロアが示されてお
り、また、実開平3−19493号公報には、複数の昇
圧流路を設けてこれらを並列に使用する渦流ブロアが示
されているが、いずれも出力特性を可変とできるもので
はなく、上記要請に応え得ない。 【0008】そこで、本発明はかかる要請に応えるもの
で、出力特性を可変として、燃焼ヒータ等の空気供給源
として広く使用できる渦流ブロアを提供することを目的
とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の構成を説明する
と、周面に等間隔で多数の羽根21A,21Bを形成し
た羽根車2をケーシング1内に収納するとともに、該ケ
ーシンング1の内壁には、上記各羽根21A,21Bの
間の渦室2a,2bに流体が吸入される吸入口11A,
11Bを一端に、渦室2a,2bより流体が吐出される
吐出口12A,12Bを他端にそれぞれ開口せしめた昇
圧流路1a,1bを複数形成し、かつ、これら昇圧流路
1a,1bを直列ないし並列に切替え接続する弁体3
A,3B,3Cを備えた切替え流路4を設けたものであ
る。 【0010】 【作用】上記構成において、複数の昇圧流路1a,1b
を直列に接続すると、大きな吐出圧が得られるととも
に、流量に対する吐出圧の特性曲線は急傾斜となり、吐
出圧の変動に対して流量の変動は小さくなる。一方、複
数の昇圧流路1a,1bを並列に接続すると、同一吐出
圧で流量は飛躍的に増大する。 【0011】 【実施例1】図1,図2において、円形ケーシング1は
外周部が前後に半円断面をなして膨出しており、かかる
ケーシング1内に円形の羽根車2が収納してある。羽根
車2は外周部が厚肉となっており、その前後面にそれぞ
れケーシング膨出部13,14の内面に連続する半円断
面の凹溝が全周に形成されて、羽根車2の前後に円形断
面の昇圧流路1a,1bが形成されている。上記各凹溝
内には一定間隔で放射直線状に多数の羽根21A,21
Bが突設してあり、これら羽根21A,21Bは半円形
をなして昇圧流路1a,1bの断面半分を占めている。 【0012】ケーシング1の外周面には昇圧流路1aに
連通する吸入口11Aと吐出口12A、および昇圧流路
1bに連通する吸入口11Bと吐出口12Bが隣接して
開口しており、羽根車2の回転に伴って各吸入口11
A,11Bより羽根21A,21B間の渦室2a,2b
内に吸引された空気は旋回圧縮されて、各昇圧流路1
a,1bを通過する間に昇圧され、各吐出口12A,1
2Bより吐出される。 【0013】上記吸入口11Bと吐出口12Aはケーシ
ング1の側面に沿って傾斜する(図1)切替え流路4で
連通せしめられており、切替え流路4の上流側(図1の
左方)は図略の位置で、吸入口11Aに至る流路に合流
している。また、切替え流路4の下流側は図略の位置
で、吐出口12Bに至る流路に合流している。この切替
え流路4には、吸入口11Bの上流位置に開閉弁3A
が、吸入口11Bと吐出口12Aの間に開閉弁3Bが、
吐出口12Aの下流位置に開閉弁3Cがそれぞれ設けて
ある。 【0014】かかる構造の渦流ブロアを燃焼ヒータの空
気供給源として使用した場合、着火時等には大量の空気
を燃焼筒内に供給して未燃燃料蒸気を速やかにパージす
る必要がある。そこで、図略の弁駆動機構により、図1
に示すように、開閉弁3Aと開閉弁3Cを開放し、開閉
弁3Bを閉じる。これにより、上流側より至った空気は
各吸入口11A,11Bに分流してそれぞれ昇圧流路1
a,1b内に供給され、圧縮昇圧された後に各吐出口1
2A,12Bより吐出されて下流位置で合流し燃焼ヒー
タへ送られる。このように、昇圧流路1a,1bが並列
に接続された結果、図4の線xで示す如く、従来ブロア
(図中、線z)に比して吐出流量はほぼ2倍となり、パ
ージ用に大量の空気を供給することができる。 【0015】燃焼ヒータが定常燃焼に移行した後は、圧
力変動に対して流量変化が少ないことが要求される。そ
こで、この場合には図3に示すように、開閉弁3A,3
Cを閉じるとともに、開閉弁3Bを開く。これにより、
上流側より至った空気は吸入口11Aのみに流入し、昇
圧流路1aで昇圧された後、吐出口12Aより切替え流
路4を経て吸入口11Bへ至り、昇圧流路1bでさらに
昇圧されて吐出口12Aより燃焼ヒータに供給される。
このように、昇圧流路1a,1bが直列に接続された結
果、図4の線yで示す如く、従来ブロアに比して吐出圧
はほぼ2倍となり、流量に対する吐出圧曲線は大きな傾
斜を示す。これにより、吐出圧の変動に対して流量変動
は小さく抑えられる。 【0016】 【実施例2】本発明の他の実施例においては、図5に示
す如く、一方の昇圧流路1aの流路断面積を他方の昇圧
流路1bの流路断面積よりも大きくしてある。このよう
に、異なる流路断面積の昇圧流路1a,1bを直列ない
し並列に切替え接続することにより、種々の用途に応じ
た特性を実現することができる。 【0017】 【実施例3】図6、図7において、円形ケーシング1内
には回転する羽根車2が収納してあり、該羽根車2の略
四半円形の凹状断面をなす外周部には、等間隔で多数の
羽根21が形成してある。これらの羽根21は上記外周
部の断面に沿う略四半円形をなし、ケーシング1の外周
部に形成された半円断面の膨出部13内を回転移動し
て、ケーシング1外周部に環状の昇圧流路を形成してい
る。ケーシング1の上下位置には、それぞれ隣接して吸
入口11A,11Bと吐出口12A,12Bの組が設け
られ、これら吸入口11A,11Bと吐出口12A,1
2Bを区画する各隔壁15,16は略四半円形の羽根2
1に接するまで進出して(図7)、上記昇圧流路を左右
の半円弧状の昇圧流路1a,1bに分割している。 【0018】上側隔壁15により区画された吸入口11
Aと吐出口12Bには切替え流路4が接続されており、
隔壁15で仕切られた各流路41,42には開閉弁3
A,3Cがそれぞれ設けてある。また、これら開閉弁3
A,3Cよりも吸入口11Aと吐出口12Bに近い位置
の隔壁15部分に両流路を結ぶ開口が形成されてここに
開閉弁3Bが設けてある。そして、流路41の上流側
(図6の上方)は図略の位置で、吸入口11Bに至る流
路に合流しており、また、流路42の下流側(図6の上
方)は図略の位置で、吐出口12Aに至る流路に合流し
ている。 【0019】しかして、燃焼ヒータの着火時等には、図
6に示す如く、開閉弁3A,3Cを開くとともに開閉弁
3Bを閉じる。上流側より至った空気は各吸入口11
A,11Bに分流してそれぞれ昇圧流路1a,1b内に
供給され、圧縮昇圧された後に各吐出口12A,12B
より吐出されて下流位置で合流し燃焼ヒータへ送られ
る。昇圧流路が並列に接続された結果、従来ブロアに比
して吐出流量はほぼ2倍となり、パージ用に大量の空気
を供給することができる。 【0020】燃焼ヒータが定常燃焼に移行した後は、圧
力変動に対して流量変化が少ないことが要求される。そ
こで、この場合には図8に示すように、開閉弁3A,3
Cを閉じるとともに、開閉弁3Bを開く。これにより、
上流側より至った空気は吸入口11Bのみに流入し、昇
圧流路1bで昇圧された後、吐出口12Bより開放され
た開閉弁3Bを経て吸入口11Aに至り、昇圧流路1a
へ流入してさらに昇圧されて吐出口12Aより燃焼ヒー
タに供給される。かくして、昇圧流路1a,1bが直列
に接続された結果、従来ブロアに比して吐出圧はほぼ2
倍となり、流量に対する吐出圧曲線が大きな傾斜を示し
て吐出圧の変動に対して流量変動は小さく抑えられる。 【0021】 【実施例4】図9、図10において、円形ケーシング1
内に収納された羽根車2には一面の外周部と内周部に半
円断面の環状凹溝が形成されて、これら溝内に等間隔で
半円形の羽根21A,21Bがそれぞれ立設してある。
一方、ケーシング1の壁面には上記環状凹溝に対向して
半円断面の凹溝17,18が形成され、これら凹溝1
7,18はケーシング1の平面視で、図9に示す如く、
半周ずらして同形の一対が設けられ、各凹溝17,18
は略半周が外側の羽根21Aに対向し、残る略半周は内
方へ屈曲して内側の羽根21Bに対向している。しかし
て、ケーシング1内には各環状凹溝と凹溝17,18に
より、断面円形の一対の昇圧流路1a,1bが形成され
ている。 【0022】上記昇圧流路1aの一端に吸入口11Aが
開口するとともに、他端に吐出口12Aが開口し、昇圧
流路1bには一端に吸入口11Bが開口するとともに、
他端に吐出口12Bが開口している。切替え流路4が設
けられ、この切替え流路4は全体が平面視で略H字状を
なし、吸入口11Bより上流側(図9の下方)へ向かう
流路41、吐出口12Aより下流側へ向かう流路42、
およびこれら流路41,42を途中で連結する流路43
より構成されている。連結流路43内には開閉弁3Cが
設けられ、また連結流路43の接続点より上流側の流路
41内に開閉弁3Bが、上記接続点より下流側の流路4
2内に開閉弁3Aがそれぞれ設けられている。そして、
流路41の上流側(図9の下方)は図略の位置で、吸入
口11Aに至る流路に合流している。また、流路42の
下流側(図9の下方)は図略の位置で、吐出口12Bに
至る流路に合流している。 【0023】燃焼ヒータの着火時等には、図9に示す如
く、開閉弁3A,3Bを開くとともに開閉弁3Cを閉じ
る。上流側より至った空気は各吸入口11A,11Bに
分流してそれぞれ昇圧流路1a,1b内に供給され、圧
縮昇圧された後に各吐出口12A,12Bより吐出され
て下流位置で合流し燃焼ヒータへ送られる。昇圧流路1
a,1bが並列に接続されているから、従来ブロアに比
して吐出流量はほぼ2倍となり、パージ用に大量の空気
を供給することができる。 【0024】燃焼ヒータが定常燃焼に移行した後は、圧
力変動に対して流量変化が少ないことが要求される。そ
こで、この場合には図11に示すように、開閉弁3A,
3Bを閉じるとともに、開閉弁3Cを開く。これによ
り、上流側より至った空気は吸入口11Aのみに流入
し、昇圧流路1aで昇圧された後、吐出口12Aより開
放された開閉弁3Cを経て吸入口11Bより昇圧流路1
bへ流入して、ここでさらに昇圧されて吐出口12Bよ
り燃焼ヒータに供給される。かくして、昇圧流路1a,
1bが直列に接続されているから、従来ブロアに比して
吐出圧はほぼ2倍となり、流量に対する吐出圧曲線が大
きな傾斜を示して吐出圧の変動に対して流量変動は小さ
く抑えられる。 【0025】なお、上記各実施例では、昇圧流路を一対
設けたが、3つ以上設けてこれらを適宜直列並列に切替
え接続するようにもできる。また、本発明は、気体以外
の流体にも適用できることは言うまでもない。 【0026】 【発明の効果】以上の如く、本発明の渦流ブロアによれ
ば、昇圧流路を複数設けて、負荷の要求に応じてこれら
複数の昇圧流路を直列ないし並列に切替え接続すること
により出力特性を可変とでき、例えば燃焼ヒータ等の空
気供給源として広く使用することができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例1における渦流ブロアの部分断
面側面図である。 【図2】図1のII−II線に沿う横断面図である。 【図3】渦流ブロアの部分断面側面図である。 【図4】渦流ブロアの出力特性図である。 【図5】本発明の実施例2における渦流ブロアの部分断
面側面図である。 【図6】本発明の実施例3における渦流ブロアの横断面
図である。 【図7】図6のVII −VII 線に沿う縦断面図である。 【図8】渦流ブロアの横断面図である。 【図9】本発明の実施例4における渦流ブロアの破断正
面図である。 【図10】図9のX −X 線に沿う縦断面図である。 【図11】渦流ブロアの部分断面正面図である。 【図12】従来の渦流ブロアの全体縦断面図である。 【図13】図12のXIII−XIII線に沿う横断面図であ
る。 【図14】従来の渦流ブロアの出力特性図である。 【符号の説明】 1 ケーシング 1a,1b 昇圧流路 11A,11B 吸入口 12A,12B 吐出口 2 羽根車 2a,2b 渦室 21A,21B 羽根 3A,3B,3C 開閉弁(弁体) 4 切替え流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 23/00 F04D 5/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 周面に等間隔で多数の羽根を形成した羽
    根車をケーシング内に収納するとともに、該ケーシンン
    グの内壁には、上記各羽根の間の渦室に流体が吸引され
    る吸引口を一端に、渦室より流体が吐出される吐出口を
    他端にそれぞれ開口せしめた昇圧流路を複数形成し、か
    つ、これら昇圧流路を直列ないし並列に切替え接続する
    弁体を備えた切替え流路を設けたことを特徴とする渦流
    ブロア。
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