JP3448590B2 - 竪型焼成炉及び焼成方法 - Google Patents
竪型焼成炉及び焼成方法Info
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Description
燃料とする石灰やドロマイト等を焼成する竪型焼成炉お
よびこの炉を用いた石灰、ドロマイト等の焼成方法に関
するものである。
成炉等とも称され、その構造は図7に示すように、底部
をチャンネル3で接続された少なくとも2基の丸形ある
いは角形のシャフト炉1、2からなっている。各シャフ
ト炉1、2には、上部より複数本の燃料吹込ランス4が
垂設されている。ランス4の先端より上方が予熱帯、ラ
ンス4の先端からチャンネル3までが焼成帯、チャンネ
ル4より下方が冷却帯である。焼成用の重油等の燃料は
水蒸気で霧状にして燃料吹込ランス4から予熱帯と焼成
帯の境界部に吹込まれ、高温雰囲気でガス化される。燃
焼空気は上部から送風され、原石層の空隙でガス化され
た燃料と混合され、燃料は下向きに燃焼する。冷却空気
は炉底部から各シャフトへ同時に送入され、冷却帯で生
石灰を冷却しながら上昇し、チャンネル部で燃焼ガス等
と合流して蓄熱側シャフトに入って上昇する間に、焼成
帯での一部の脱炭酸、原石の予熱を行ったのち、炉頂よ
り排出される。原石は蓄熱側シャフトにはじめに装入さ
れる。このような工程が一定時間保持されたのち、燃料
・燃焼空気・冷却空気の炉内への供給と製品の排出が一
時中止され、炉頂部ダンパの切替が行われ、焼成側シャ
フトと蓄熱側シャフトがそれまでと逆になる。
油が使用されたが、その後石炭、石油コークス、混炭油
等も使用されるようになってきている。これらは予め燃
焼させて熱風を石灰等の充填層に吹き込む方式がとられ
てきた。
近、注目されるようになった新しい燃料で、従来の重
油、ガスに比べて、低廉であることに魅力がある。
焼させるには高温でかつ大きい燃焼室が必要であり、石
炭や石油コークス等と同じやり方で充填層式の竪型焼成
炉での燃料とするのは不適当であった。本発明者らはこ
の廃プラスチックを竪型焼成炉の燃料に用いる方法を開
発するべく種々検討を重ねてきた。竪型焼成炉用燃料と
しての廃プラスチックの困難性は、温度によって、固
体、溶融、ガス化の状態変化を起こして燃焼し、しかも
その変化はサイズによって時間差が生じることにある。
このため、広範囲なサイズ群からなる廃プラスチックを
充填層の任意の領域に連続して供給する時、固体、溶
融、ガス化の状態変化が入り交じり、供給ライン、噴射
ノズルを閉塞させる。また、充填層内に吹き込まれた固
形廃プラスチックの溶融、ガス化がスムースに行われな
いと空間に堆積しはじめて、原石中に浸透、拡散しなく
なり、煤化現象を起こす等の問題を生じる。
して、廃プラスチックを安価な燃料として使用しうる竪
型焼成炉および焼成方法を提供することにある。
を解決するべく鋭意検討の結果、廃プラスチック吹込用
のランスを新たに設けるとともにその下方の空隙を利用
して廃プラスチックをうまく燃焼させることによって供
給ライン、噴射ノズルの閉塞、空間堆積、煤化等の問題
を解決しうることを見出した。
廃プラスチックを吹込む廃プラスチック吹込ランスを有
することを特徴とする、石灰やドロマイトのような原石
を焼成する竪型焼成炉に関するものである。
シャフト炉の数は最低2基あればよく、それ以上幾基あ
ってもよい。このシャフト炉は丸形(円筒形)のほか角
形(角筒形)であってもよい。
プラスチック吹込用のランスを新たに設け、その径Dl
(mm)が下記の式を満足するようにするところに特徴
がある。
すように、原石充填層5内に進入しているその先端部分
に原石が周縁から中心方向に斜めに滑落して安息角
(θ)の斜面を形成し、その上方が空隙7になる。本発
明においては、この空隙部に加え、空隙部に隣接する石
灰間の空隙や、ランス底部の空間も廃プラスチックの燃
焼に寄与すると考えて、この空隙部の2倍の容積を燃焼
に有効な空隙部容積として[数4]を求めた。
あり、ランスを底面が開放された通路としたときにはそ
の外径すなわち通路と直角方向の下端間の距離である。
廃プラスチック吹込ランス径は廃プラスチックの粒径に
依存するが、10〜200mm程度、特に80〜150
mm程度が適当である。
/h程度、特に40〜60kg/h程度が適当である。
この供給量はランス1本当たりのものであり、ランスが
底面が開放された通路の場合には、これを正方形の開口
が横に連続していると考え、その正方形(外径2)1個
当たりの供給量である。
かれたプラスチックが着火するまでに要する時間であ
る。この着火時間は廃プラスチックの種類、粒径等に応
じて変化するので用いる廃プラスチックを変更する場合
には、その着火時間が不明である場合には予め測定して
おく。着火時間は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ABS等の燃焼性の良好なプラスチックの
場合には、雰囲気温度600℃では粒径10mmで50
秒程度、20mmで100秒程度、粒径30mmで18
0秒程度である。雰囲気温度が800℃になると粒径1
0mmで5秒程度、粒径20mmで10秒程度、粒径3
0mmで20秒程度になる。上記プラスチックに比べて
燃焼性の劣るポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等は800℃で、粒径20m
mで20秒程度、粒径30mmで35秒程度である。廃
プラスチックは種々の方法により粒状化され、たとえば
押出し、カット等である。本発明ではとくに問わない。
面上に上方から石灰やドロマイト等を落下させ、円錐状
の堆積を形成させてその斜面の傾斜角を測定した。この
安息角は原石の種類、粒度分布等によって変化するが、
通常35〜45°程度である。
器の容積と重量から測定した。この嵩密度は廃プラスチ
ックの種類、粒形等によって変化するが、通常200〜
400kg/m3程度、特に250〜300kg/m3程
度である。
炉内径によってかわるが、通常8〜33本で、通常1本
当たりの炉の水平断面積がなるべく均一になるよう配置
される。
部側面から垂設し、石灰充填層に進入させればよい。そ
の下端は焼成帯上面と同レベル付近又は最大5mの範囲
とすればよい。
合にはランス先端の高さを変えることができる。その上
下差は0.5〜5m程度が適当である。この上下差を設
けることによってまず上部に位置しているランスから吹
込まれた廃プラスチックを燃焼させ、その燃焼熱を利用
して下部に位置しているランスからの廃プラスチックの
着火を促進することができる。
ック用または廃プラスチック吹込ランスに加えて通常燃
料吹込ランスも併設することも可能である。後者の場合
には、図2に示すように、廃プラスチック吹込ランス6
の先端(吹出口)を通常燃料吹込ランス4の先端より
0.5〜5m(図2のLy)下方に位置させ、かつ水平
方向の相互間位置を該石灰焼成炉断面において、全燃料
ランスが等間隔配置となる距離より短くすることが好ま
しい。これは炉内に吹込まれる廃プラスチックの燃焼に
は高温場が必要なため、通常燃料吹込ランスから下向流
で吹出される熱風で廃プラスチック吹込ランス先端付近
を予め加熱、好ましくは600℃以上にしておくためで
ある。全燃料ランスとは廃プラスチック吹込ランスと通
常燃料吹込ランスとの合計である。尚、通常燃料吹込ラ
ンスに使用される燃料は廃プラスチック以外であり、例
えば、重油、微粉炭、微粉コークス、灯油、気体燃料等
である。
て、内側に霧化された燃料、その外側にはランス冷却用
空気を送るようになっている。ところが、廃プラスチッ
ク吹込ランスの場合は廃プラスチックキャリアガスに冷
却ガスを兼ねさせることができることからむしろ単管構
造のほうが好ましく、単管でもランス壁面を200℃以
下に冷却して廃プラスチックの壁面付着を阻止できるば
かりでなく、ランスの耐熱性も向上させることができ
る。このためガス流速は0.5〜30m/sec程度と
することが好ましい。その際、支端部の耐熱性を確保す
るために先端から2m程度はSUS等の耐熱性材料を用
いることが好ましい。
うに、予熱帯8の径を焼成帯9の径より小径とし、予熱
帯8下端部あるいはそのやや上に肩部10を設けてそこ
に廃プラスチック吹込ランス6を接続する方法も有効で
ある。廃プラスチックは肩部10下に形成される空隙1
1に吹込まれる。この予熱帯、焼成帯は丸形、角形のい
ずれであってもよい。
6に示すように、底面が開放された通路12を焼成帯9
の上部に設けることも好ましい。図4〜6の通路12は
図5に示すように断面がアーチ状をしており、図6に示
すように平面形状は中心から等間隔に6方向に放射する
形状になっている。この放射状通路12は図4に示すよ
うに2段に設けられ、上段と下段とは角度を30°ずら
せて下段の通路12は上段の通路の中間に位置させてい
る。原石5は各アーチ状通路12の下縁から中心方向に
安息角をもって斜に滑落して空隙13を形成する。廃プ
ラスチックは炉壁14に設けられた吹込口15から空隙
13に吹込まれる。
て空隙を形成しうる構造であればよく、平板状、三角屋
根状等各種の形状とすることができる。材質は耐熱性が
あればよく、煉瓦、金属等を使用することができる。通
路を形成する邪魔部材が架せられた炉壁には開口部を設
けて、固形のままの廃プラスチックを吹込む廃プラスチ
ック噴射ノズルを装備する。噴射ノズルは通路の大きさ
によって固形廃プラスチックが空間の広範囲に噴射分散
されるように、単数または複数からなり、また、場合に
よっては噴射ノズルをスイング運転させる機構を付加す
る。
せずに連続的に着火し続けてうるだけ必要であり、 V ≧ Fp × t/ρp V :廃プラスチック燃焼室空隙部容積(m3) Fp :廃プラスチック供給量(kg/sec) t :廃プラスチック着火時間(sec) θ :原石安息角(度) ρp :廃プラスチック嵩密度(kg/m3) なる式を満足するようにする。具体的には50秒間吹込
まれても閉塞しない容積(50秒間の吹込量を収容しう
る容積)が目安となる。
る廃プラスチックは燃焼するものであればよいが、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ア
クリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化
ビニリデン、古紙または、これらの2種以上の混合物で
ある。廃プラスチックは大きすぎると吹込み困難である
ばかりでなく着火に時間がかかるので適当な粒径の上限
は30mm程度、好ましくは20mm以下である。下限
は特にないが、通常3mm以上である。
く、通常10〜150mm程度、好ましくは40〜80
mm程度である。
る。この炉は2−シャフト1、2から構成され、両シャ
フト1、2の上部にスロート16と称される炉の切替装
置が廃され、1シャフト1に燃焼空気を供給して、他シ
ャフト2に排気口を設ける。
わり、スロート16の燃焼空気供給側に該当するシャフ
トが「燃焼」、排気口側が「蓄熱」と交互になる。両シ
ャフト1、2はそれぞれ上方から予熱帯、焼成帯、冷却
帯を有して焼成帯下部はチャンネル3部を介して結合さ
れている。
装置17と冷却空気吹き込み口が設けられて、シャフト
内の製品を冷却しながら下降させ、炉外に排出させる。
は、高温場が必須条件(約600℃以上)であり、50
0℃ではどの廃プラスチックも燃焼しなかった。このた
め、炉のスタートアップ時に種々の手段により、ランス
先端を昇温させる。例えば、2本のシャフト炉を連結す
るチャンネル部から燃料(気体、液体、固体)を吹込
む、ランス先端に固体燃料(コークス、石炭など)を積
層し、燃焼させるなどである。以上の手段により、廃プ
ラスチック吹込ランス先端の雰囲気を高温状態に設定し
た後、ランスから廃プラスチックを吹込み、燃焼を開始
する。
んで、燃焼させると雰囲気温度が上昇するため、その後
廃プラスチック供給を開始しても、迅速に廃プラスチッ
クが燃焼するため、ランス内での廃プラスチックの存在
は発生しない。一方、吹込み初期に廃プラスチック供給
速度を小さくさせて、廃プラスチックを着火、燃焼させ
ると、雰囲気温度上昇するため、その後廃プラスチック
供給量を増大させ、定常値に設定しても、燃焼速度が速
いため、ランス内での廃プラスチックの残存は発生しな
い。
込まれる廃プラスチックは、空隙部に堆積する。
な酸素濃度がある高温場において、昇温→溶融→分解、
気化→着火→燃焼という過程を経る。ここで、投入廃プ
ラスチックは溶融するまでは上記空隙部に滞留するが、
気化後は、石灰石の充填層を浸透して、着火、燃焼に至
る。
は、廃プラスチックの着火時間に依存すると考えられ、
いかに短時間で着火させるかということが、使用可能な
廃プラスチック粒径、種類を決定する。
いて、燃焼空気はスロートから左側シャフトの上部へ吹
き込まれ、同シャフトの焼成帯上部まで下降する。その
間に予熱帯の石灰石と熱交換して600℃以上に加熱さ
れる。一方、空隙部位の石灰石は同温度以上を保持して
おり、同温度雰囲気に吹き込まれた固形廃プラスチック
は空隙で固体−溶融−ガス化して石灰石中に浸透、拡散
して石灰石間の空隙部で燃焼しながら下方へ移行する。
そして、焼成帯を移行する間に完全燃焼して高温ガスを
生成する。一方、焼成帯の石灰石はこの高温ガスを受け
て脱炭酸反応する。チャンネル部位まで下降した温度ガ
スはチャンネルを通って右のシャフトに入り上昇する。
この際、同シャフト内の石灰石を加熱して反応させる。
そして、同シャフトの予熱帯を上昇する際、石灰石を予
熱してスロートの排気口から炉外に排出される。この状
態か10数分間続けられた後、左シャフトの廃プラスチ
ック供給は停止され、その後、右シャフトに燃焼空気が
供給され、右シャフトの廃プラスチック供給が開始され
る。つまり、右シャフトが「燃焼」に入り、左シャフト
が「蓄熱」となる。
焼成帯上部の空隙部は600℃以上の温度を維持して吹
き込まれた固形燃料を溶融−ガス化して焼成帯で完全燃
焼を行い、平衡状態のガスの温度分布を形成する。
込みは上述の焼成帯上部だけでなく、炉内の熱量不足を
補うために、チャンネル部に吹き込むことも可能であ
る。
径100mmの廃プラスチック吹込ランス4本を等間隔
に垂設した。この焼成炉のシャフト1、2は能力が75
t/dで角形をしている。
嵩密度300kg/m3のポリエチレンを用い、これを
各ランスに19kg/hで供給した。廃プラスチック吹
込ランス下の空隙の温度は800℃であり、着火時間は
5秒であった。また、石灰石の安息角は45°であっ
た。
要な最小ランス径は
い燃料として注目されている産業廃棄物の廃プラスチッ
クを充填層式立型石灰焼成炉の燃料として、有効活用す
ることが可能となり、かつ製品品質を従来同様に維持し
ながら、製造コストの大幅低減を実施せしめた。
図である。
込ランスより下方にした状態を示す側面図である。
面図である。
面図である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 【数1】 但し、Dl :廃プラスチック吹込ランス径(m) Fp :廃プラスチック供給量(kg/sec) t :廃プラスチック着火時間(sec) θ :原石安息角(度) ρp :廃プラスチック嵩密度(kg/m3) なる式を満足するランス径を有する、原石の充填層内に
廃プラスチックを吹込む廃プラスチック吹込ランスを有
することを特徴とする、石灰やドロマイトのような原石
を焼成する竪型焼成炉 - 【請求項2】 廃プラスチック吹込ランスが複数あっ
て、少なくともその一部のランス先端の上下位置が異な
っており、その上下差が0.5〜5mの範囲にあること
を特徴とする請求項1に記載された竪型焼成炉 - 【請求項3】 廃プラスチック吹込ランスの先端を通常
燃料吹込ランスの先端より0.5〜5m下方に位置さ
せ、および/または水平方向の相互間位置を該石灰焼成
炉断面において、全燃料ランスが等間隔配置となる距離
より短くすることを特徴とする請求項1に記載された竪
型焼成炉 - 【請求項4】 前記廃プラスチック吹込みランスが単管
構造をしており、少なくともその先端2mの範囲を耐熱
性材料とすることを特徴とする請求項1に記載された竪
型焼成炉 - 【請求項5】 請求項1に記載された焼成炉を用い、 【数2】 となるように廃プラスチックを供給することを特徴とす
る、石灰やドロマイトのような原石を焼成する焼成方法 - 【請求項6】 前記廃プラスチックが粒径30mm以下
のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アク
リロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビ
ニリデン、古紙または、これらの2種以上の混合物であ
ることを特徴とする請求項5に記載された焼成方法 - 【請求項7】 前記廃プラスチックを液体燃料と混合
し、スラリー状にしてランスから吹込むことを特徴とす
る請求項5に記載された焼成方法 - 【請求項8】 前記廃プラスチック吹込みランスに単管
構造をしているものを用い、その内部を流れる廃プラス
チック気送ガスの流速を0.5〜30m/sとしてラン
スの冷却も兼ねることを特徴とする請求項5に記載され
た焼成方法
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Family Applications (1)
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JP5064203B2 (ja) * | 2007-12-26 | 2012-10-31 | 中山石灰工業株式会社 | 竪形焼成炉による塩焼き生石灰の製造法 |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP06359598A patent/JP3448590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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